JP2008034379A - アルカリ電池用増粘剤及びアルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池用増粘剤及びアルカリ電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期に渡る放電特性(放電量及び放電時間)の維持並びに耐衝撃性が優れ、曳糸性のないアルカリ電池用増粘剤及びそれを用いたアルカリ電池を提供する。
【解決手段】
(メタ)アクリル酸(塩)とアルカリ性で加水分解する架橋剤(b)及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)とを必須成分とする架橋重合体(A)からなる水膨潤性の増粘剤であって、(b)及び(c)のそれぞれの量が(メタ)アクリル酸(塩)の重量に対して0.05〜1%であり、且つ下記の要件(1)〜(3)の要件をすべて具備するアルカリ電池用増粘剤である。
要件(1)(A)に含有される(b)と(c)との重量比(b)/(c)が、2.3〜5.8であること。
要件(2)増粘剤3重量部及び濃度37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部からなる配合物の曳糸性が0〜10mmであること。
要件(3)ゲル(GA)の粘度(25℃)が30〜200Pa・sであること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルカリ電池用増粘剤及びアルカリ電池に関する。更に詳しくは、アルカリ電解液と亜鉛粉末を主とするアルカリ電池の負極用の増粘剤に使用するゲル状負極アルカリ電池用増粘剤、及びそれを使用したアルカリ電池に関する。
従来より、アルカリ電池の負極には、高濃度のアルカリ電解液(高濃度の水酸化カリウム水溶液、必要により酸化亜鉛等を含有させたもの)と亜鉛粉末及び/又は亜鉛合金粉末等混合物が主として使用されており、アルカリ電解液中の亜鉛粉末の沈降防止、電池からの液漏れ防止、電池の生産効率アップの観点から曳糸性を抑える目的で、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩類を架橋剤で不溶化した吸水性樹脂等を増粘剤として使用したものが提案されている(特許文献1)。
特開2000−306589号公報
しかしながら、これら吸水性樹脂の増粘剤を使用したアルカリ電池は、近年ますますさらなる高性能なニーズが要求されるようになり、アルカリ電池の最も重要な特性である、長期に亘る放電特性(放電量及び放電時間)の維持および耐衝撃性の点で必ずしも満足し得なかった。さらにアルカリ電解液の曳糸性により生産効率アップの点でも満足し得なかった。
そこで、本発明は長期に亘る放電特性(放電量及び放電時間)の維持および耐衝撃性が優れ、曳糸性のないアルカリ電池用増粘剤及びそれを用いたアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明のアルカリ電池用増粘剤は、(メタ)アクリル酸(塩)と、アルカリ性で加水分解する架橋剤(b)及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)とを必須成分とする架橋重合体(A)からなる水膨潤性の増粘剤であって、(b)及び(c)のそれぞれの量が(メタ)アクリル酸(塩)の重量に対して0.05〜1%であり、且つ下記の要件(1)〜(3)の要件をすべて具備することを特徴とするアルカリ電池用増粘剤からなることを要旨とする。
要件(1)(A)に含有される(b)と(c)との重量比(b)/(c)が、2.3〜5.8であること。
要件(2)増粘剤3重量部及び濃度37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部からなる配合物の曳糸性が0〜10mmであること。
要件(3)下記の配合物のゲル(GA)の粘度(25℃)が30〜200Pa・sであること。
ゲル(GA):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、増粘剤2重量部および亜鉛粉末200重量部を均一になるまで撹拌混合して調製し、40℃で12時間放置した後のゲル。
本発明の増粘剤並びにそれを使用したアルカリ電池は次のような効果を奏する。
(i)アルカリ電池に使用した場合、少量でかつ長期間に亘って、放電特性(放電量、放電の持続時間)や耐衝撃性に極めて優れた電池を作成することができる。
(ii)本発明の増粘剤が添加されたアルカリ電解液は、曳糸性がなく、液切れが良く、昨今の電池生産速度の高速化によるアルカリ電解液の高速充填にも十分対応できる。
(iii)充填時の電池1個あたりの電解液の充填量のバラツキが少ないため、大量生産時も均一な品質を有する電池を生産できる。
(iv)サイズが小さい電池においても、均一に且つ高速で負極ゲルを充填することができるため、均一な品質を有する電池を生産できる。
本発明のアルカリ電池用増粘剤は、上記(1)(2)(3)の要件を具備する。
要件(1)は、電池の放電特性の向上及び増粘剤を含むアルカリ電解液を電池に高速注入する際の、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りを小さくするために必要な要件である。
要件(2)は、増粘剤を含むアルカリ電解液を電池に高速注入する際の、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りを小さくするために必要な要件である。
また、要件(3)は耐衝撃性の向上と増粘剤を電池に注入する場合に必要な要件である。
本発明のアルカリ電池用増粘剤は、(メタ)アクリル酸(塩)を水溶液重合法もしくは逆相懸濁重合法により得られる架橋重合体(A)からなる水膨潤性の増粘剤である。そして、この架橋重合体(A)は、アルカリ性で加水分解する架橋剤(b)及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)を併用して得られる。
本発明の架橋重合体(A)は、(メタ)アクリル酸(塩)を、架橋剤の存在下、水溶液重合もしくは逆相懸濁重合を行うことにより得られる。
本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「・・・酸(塩)」とは「・・・酸」及び/又は「・・・酸塩」を意味する。塩としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が含まれる。アクリル酸又はメタクリル酸を中和することで塩にすることができる。
本発明の増粘剤は高濃度のアルカリ水溶液中で使用されるため、架橋重合体(A)に含まれる(メタ)アクリル酸(塩)単位は未中和体{(メタ)アクリル酸単位}であっても、中和体{(メタ)アクリル酸塩単位}であっても構わないが、架橋重合体(A)の粘着性低減や分散性改良、架橋重合体(A)を製造する上での作業性の改良等の目的で(メタ)アクリル酸単位の一部あるいは全てを中和して(メタ)アクリル酸塩単位とするのが好ましい。
必要により(メタ)アクリル酸単位の中和を行う場合は、通常水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属又はその水溶液を重合前のモノマー段階、あるいは重合後の含水ゲルに添加すれば良いが、後述するアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)は、架橋剤の水溶性が乏しいため、(メタ)アクリル酸の中和度が高い状態で重合すると、所定量の架橋剤(c)を添加しても架橋剤(c)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えず規定の物性の架橋重合体(A)が得られない場合があり、(メタ)アクリル酸の中和度を0〜30モル%としておいて、架橋剤(c)も含有させて重合を行った後、必要により含水ゲルに水酸化アルカリ金属を添加して中和度を調整する方がより好ましい。
本発明における架橋重合体(A)の(メタ)アクリル酸(塩)単位の最終的な中和度{(メタ)アクリル酸単位及び(メタ)アクリル酸塩単位の合計モル数に基づく、アクリル酸塩単位の含有量(モル%)}は、30〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜90である。この範囲であると、アルカリ電解液の耐衝撃性や放電特性がさらによくなる。
架橋重合体(A)中の(メタ)アクリル酸(塩)の含有量は、(A)の重量を基準として、アルカリ電池の耐衝撃性および放電特性の観点から、49.5〜99.95重量%が好ましく、さらに好ましくは59.9〜99.90重量%、特に好ましくは69.9〜99.85重量%である。
架橋重合体(A)は(メタ)アクリル酸(塩)を重合して得ることができるが、必要によりこれと共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単量体(a’)を共重合させてもよい。
他のモノエチレン性不飽和単量体としては共重合可能なものであれば特に限定はないが、水溶性のものが好ましく、さらに好ましくは水溶性のエチレン性不飽和単量体が好ましい。
水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)及びイタコン酸(塩)等のカルボン酸(塩)単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、スルホアルキル(メタ)アクリレート及び4-ビニルベンゼンスルホン酸(塩)等のスルホン酸(塩)単量体;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜3)置換(メタ)アクリルアミド[N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド等]及びN−ビニルアセトアミド等のアミド単量体;モノヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)モノ(メタ)アクリレート等のアルコール単量体;ポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート等のエーテル単量体;アルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレート及び酢酸ビニル等のエステル単量体等を例示することができる。これらのエチレン性不飽和単量体は、2種以上を併用してもよい。
これら(メタ)アクリル酸(塩)以外の他のエチレン性不飽和単量体単位(a’)の含有量は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜30重量%である。この範囲であると、粘度の経時安定性が優れるため、アルカリ電池の耐衝撃性、放電特性がさらに優れる。
架橋重合体(A)は、架橋剤を用いて架橋する。架橋剤としては、アルカリ性で加水分解する架橋剤(b)及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)を併用する。
これらの架橋剤(b)及び架橋剤(c)を併用することにより、増粘剤の粘度安定性が向上し、アルカリ電解液の離漿を防止することできるため、長期間に亘る放電を維持することができる。さらに電池へ充填する際に均一に注入する事ができ、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなる。
なお、ここでアルカリ電解液の離漿とは、増粘剤とアルカリ電解液とのほぼ均一な混合状態を保持できず、増粘剤とアルカリ電解液とが分離してしまう現象である。
アルカリ性で加水分解する架橋剤(b)とは、架橋重合体(A)において(b)に由来する構造が加水分解性結合を有すればよく、加水分解性結合は、架橋剤(b)がもともと分子内に有する結合であってもよい{分子内に加水分解性結合を有する架橋剤(b1)}し、架橋重合体(A)を構成する単量体(a)と架橋反応して生成する結合が加水分解するものであってもよい{架橋反応して生成する結合が加水分解性結合である架橋剤(b2)}。好ましくは、(b)に由来する構造が、室温で37%水酸化カリウム水溶液中に増粘剤を1重量%添加し、1時間攪拌したときに50重量%以上が分解するものである。
加水分解性結合としてはエステル結合及びアミド結合等が挙げられる。
分子内に加水分解性結合を有する架橋剤(b1)としては、分子内に加水分解性結合を2個以上有する架橋剤が含まれ、例えば、N,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアクリレート等の分子内に2〜10のエチレン性不飽和結合を有する共重合性の架橋剤が挙げられる。
架橋剤(b1)のうち、好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、さらに好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、特に好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
架橋反応して生成する結合が加水分解性結合である架橋剤(b2)としては、分子内に架橋反応して加水分解性結合を生成する官能基を2個以上有する架橋剤が含まれ、多価グリシジル化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル等)、多価イソシアネート化合物(4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート等)、多価アミン化合物(エチレンジアミン等)及び多価アルコール化合物(グリセリン等)等に代表されるカルボン酸と反応する架橋剤が挙げられる。(b2)は、(メタ)アクリル酸(塩)と反応してエステル結合又はアミド結合を形成することができる。
(b2)のうち、好ましくは多価グリシジル化合物、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
アルカリ性で加水分解する架橋剤(b)は2種以上を併用してもよい。また、(b1)を2種以上使用してもよく、(b2)を2種以上使用してもよい。更には(b1)と(b2)を併用しても良い。
(b)のうち、(b1)および(b2)の1種である多価グリシジル化合物が好ましく、さらに好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びエチレングリコールジグリシジルエーテル、特に好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
(b2)を使用した場合は、架橋剤添加後、任意の段階で、好ましくは100〜230℃、より好ましくは120〜160℃に加熱し架橋反応を進行させる。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)は、加水分解性結合を分子内に有さず、また、架橋反応により加水分解性結合を生成しない。このような架橋剤(c)としては、2個以上のビニルエーテル基を有する架橋剤(c1)及び2個以上のアリルエーテル基を有する架橋剤(c2)等が挙げられる。好ましくは、反応性等の観点から、2個以上のアリルエーテル基を有する架橋剤である。
2個以上のビニルエーテル基を有する架橋剤(c1)としては、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(重合度2〜5)、ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ソルビトールトリビニルエーテル及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリビニルエーテル等が挙げられる。
2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(c2)としては、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を含まない架橋剤(c21)、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(c22)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(c23)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(c24)等が挙げられる。分子内に水酸基を含むと、(メタ)アクリル酸(塩)との相溶性が良く、架橋の均一性がアップして増粘剤の安定性が向上し、増粘剤を含むアルカリ電解液の粘度の長期安定性がさらに優れるため、好ましい。
なお、(c22)及び(c24)が有する水酸基は、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と反応し、加水分解性結合であるエステル結合を生成する可能性があるが、アルカリ性で加水分解しない結合を生成するアリルエーテル基を2個以上を有し、実質上、加水分解しない架橋剤として機能するので、本発明ではこれらは加水分解しない架橋剤(c)として取り扱う。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を含まない架橋剤(c21)としては、ジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、アルキレン(炭素数2〜5)グリコールジアリルエーテル、及びポリエチレングリコール(重量平均分子量:100〜4000)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(c22)としては、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル及びペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(c23)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
分子内にアリル基が3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(c24)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)は2種以上を併用してもよい。架橋剤(c)のうち、好ましくは(c2)、さらに好ましくは(c22)及び(c24)、特に好ましくは(c24)、最も好ましくはアリル基が3〜5個で且つ水酸基を1〜3個有する架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル等)である。これらの架橋剤を用いると、(メタ)アクリル酸(塩)との相溶性が良く、またアリル基の数が多いためアリル基特有の共重合性の低さをカバーでき効率的な架橋が行えるので好ましい。
本発明の架橋重合体(A)中のアルカリ性で加水分解する架橋剤(b)の含有量は、架橋剤(b)の種類、平均重合度にもよるが、架橋重合体(A)の重量に対して0.05〜1重量%であり、好ましくは0.1〜0.7重量%、さらに好ましくは0.1〜0.55、特に好ましくは0.1〜0.5重量%、最も好ましくは0.15〜0.5重量%である。この範囲であると、アルカリ電解液の離漿を防止でき、長期に亘る放電特性が優れる。0.05重量%未満では、アルカリ電池用増粘剤を含むアルカリ電解液の離漿が発生し、長期に亘る放電特性が悪くなり、1重量%を越えるとアルカリ電解液の作成初期(製造直後〜製造後12時間程度)の粘度が不安定になり、長期にわたる放電特性が悪くなる。
架橋重合体(A)中のアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)の含有量は、架橋剤(c)の種類にもよるが、架橋重合体(A)の重量に対して0.05〜1重量%であり、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.07〜0.3重量%、特に好ましくは0.07〜0.20重量%、最も好ましくは0.10〜0.15重量%である。この範囲であると、増粘剤を含むアルカリ電解液の曳糸性に優れ、電池への充填性及びアルカリ電解液の長期にわたる放電特性が優れる。0.05重量%未満では、増粘剤を含むアルカリ電解液の曳糸性が劣り、電池への充填性が悪くなり、1重量%を越えると電池への充填性及びアルカリ電解液の長期にわたる放電特性が悪くなる。
要件(1)において、架橋重合体(A)中の架橋剤(b)と架橋剤(c)との重量比(b)/(c)は、2.3〜5.8であり、好ましくは2.35〜5.75、さらに好ましくは2.6〜5.0、特に好ましくは2.6〜4.5、最も好ましくは2.7〜4.0である。この範囲であると、増粘剤の安定性をさらに向上させ経時的な粘度低下を防止し、アルカリ電解液の離漿を防止することでき、長期間に亘る放電を維持することができ、さらに曳糸性に優れ、電池へ充填する際に均一に注入する事ができ、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなる。2.3未満では、曳糸性が悪く、電池へ充填する際に均一に注入できず、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも大きくなり、5.8を越えると増粘剤の安定性が悪く、経時的な粘度低下が起こり、アルカリ電解液の離漿が発生し、長期間に亘る放電性能が悪くなる。
架橋剤(b)及び架橋剤(c)の合計含有量は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、好ましくは0.1〜2重量%、より好ましくは0.15〜1.2重量%、さらに好ましくは0.17〜0.85重量%、次にさらに好ましくは0.17〜0.8、特に好ましくは0.17〜75重量%、最も好ましくは0.25〜0.65である。この範囲であると、増粘剤の安定性が向上し、増粘剤を含むアルカリ電解液の粘度の長期安定性がさらに優れる。
要件(2)において、本発明の増粘剤を3重量%添加した濃度37重量%水酸化カリウム水溶液の曳糸性が0〜10mmであり、好ましくは0〜8mm、特に好ましくは0〜7mmである。この範囲であると電池へ充填する際に均一に注入する事ができ、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなる。
なお、本発明における曳糸性は以下の方法で測定する。
<曳糸性の測定方法>
市販の曳糸性試験器(協和界面科学(株))を使用して、下記のように曳糸性を測定する。
濃度37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、増粘剤3重量部を均一になるまで撹拌混合してゲルサンプルを調製し、40℃で12時間放置後、予め25℃に温度調整する。
曳糸性試験器(協和界面科学(株))に付属している、一方に直径2.5mm、長さ10mmの円柱状の結合部を備えた長さ11mm、幅8mmの回転楕円体のガラス玉(図1参照。)を長軸方向が上下方向となるように試験器に取り付ける。測定サンプルとして、上記であらかじめ調整したゲルサンプルを、内径45mm、高さ90mmの円筒状ガラス製の容器に入れ設置し、このガラス玉を円柱の付け根までゲルサンプルの液面下に浸漬し(すなわちゲルサンプルの液面下11mmまで浸漬し)、16mm/秒の速度でガラス玉を上昇させ、ゲルからガラス玉を抜き上げる。
ガラス玉がゲルサンプルから完全に分離した時点でガラス玉の上昇を停止させ、曳糸性試験器付属の測定器を用いて、ゲル上部面からガラス玉の下端との距離(mm)を測定する。同様な操作を計10回行いその平均値を曳糸性(mm)とする。
要件(3)において、下記の配合物のゲル(GA)の25℃での粘度は、30〜200Pa・sであり、好ましくは30〜150Pa・s、さらに好ましくは40〜120Pa・s、特に好ましくは50〜100Pa・sである。
30Pa・s以上であると得られたアルカリ電池の放電特性がさらに向上する。200Pa・s以下であると電解液の電池への高速充填性が優れる。30Pa・s未満では、耐衝撃性が悪く、アルカリ電池の放電特性悪くなり、200Pa・sを越えると電解液の電池への高速充填性が悪くなる
ゲル(GA)は、37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、増粘剤2重量部および重量平均粒子径10〜400μmの亜鉛粉末200重量部を均一になるまで撹拌混合して調製し、40℃で12時間放置した後のゲルである。
このゲル(GA)の粘度は以下の方法で測定する。
<ゲル(GA)の粘度の測定方法>
デジタルB型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて、測定温度25℃でのゲル(GA)の粘度を、JIS7117−1:1999に準拠して測定し、ゲル(GA)の粘度とする。なお、ローターNo.4を使用し、回転数3rpmで測定する。
本発明の増粘剤の離漿率は0〜10重量%あることが好ましく、さらに好ましくは0〜7重量%、特に好ましくは0〜5重量%、最も好ましくは0〜3重量%である。この範囲であると長期に渡る放電特性がさらに優れる。
なお、上記の離漿率は以下の方法で測定する。
<離漿率の測定方法>
37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、増粘剤2重量部および重量平均粒子径10〜400μmの亜鉛粉末200重量部を均一になるまで撹拌混合して調製し、40℃で12時間放置した後のゲル(GA)を、JIS K7223−1996に準拠して作製した、目開きが32μm(400メッシュ)のナイロンスクリーンからなるティーバッグの底部に75.0g入れ、このティーバッグをクリップでつり下げ静置して30分間水切りを行い、下式により離漿率を測定する。
離漿率(重量%)=[{75.0}−{ゲル(GA)を入れたティーバッグの水切り後の重量}+{ゲル(GA)を入れないティーバッグ重量の平均値}]/{75.0}
本発明の増粘剤は、乾燥したものであった方が好ましく、増粘剤の水分含有量は、0〜10重量%あることが好ましく、さらに好ましくは0〜9重量%、特に好ましくは0〜8重量%である。この範囲であると長期に渡る放電特性がさらに優れる。
本発明の増粘剤は粉末状であるのが好ましく、たとえば、真球状、楕円球状、不定形状又は薄片状等が挙げられる。粘度の経時安定性及び亜鉛粉末の沈降抑制の観点から、これらの形状のうち、真球状、楕円球状及び不定形状が好ましく、さらに好ましくは真球状及び不定形状である。
また、本発明の増粘剤の粒子径は、乾燥物の重量平均粒子径で0.1〜1000μmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜850μm、特に好ましくは5〜710μm、最も好ましくは10〜500μmである。この範囲であると亜鉛粉末の沈降を抑制できるため好ましい。
次に、本発明の増粘剤の製造方法について説明する。
架橋重合体(A)を得るための重合方法としては公知の重合方法が適用でき、たとえば、水溶液重合、懸濁重合、塊状重合、逆相懸濁重合又は乳化重合のいずれでもよい。
これらの重合方法のうち、水溶液重合、懸濁重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が好ましく、さらに好ましくは水溶液重合、逆相懸濁重合及び乳化重合、特に好ましくは水溶液重合及び逆相懸濁重合である。これらの重合には、公知の重合開始剤、連鎖移動剤及び/又は溶媒等が使用できる。
最も好ましくは、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に架橋剤(b)及び架橋剤(c)を添加溶解し重合する水溶液重合法、及び分散剤の存在下、疎水性有機溶媒(例えばヘキサン、トルエン、キシレン等)中に同様なモノマー水溶液を分散・懸濁して重合するいわゆる逆相懸濁重合法である。これらの重合方法であると、放電特性及び耐衝撃性に優れた増粘剤を得ることができる。
(メタ)アクリル酸(塩)を水溶液重合法又は逆相懸濁重合法で重合する方法は、通常の方法で良く、例えばラジカル重合開始剤を用いて重合する方法、放射線、紫外線、電子線等を照射する方法があげられる。
ラジカル重合開始剤を用いる場合、この開始剤としては、アゾ化合物[アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等]、レドックス開始剤[アルカリ金属塩の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、L−アスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の過酸化物の組み合わせ]等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
重合温度は使用する開始剤の種類等によっても異なるが、好ましくは−10℃〜100℃、より好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)の重合度をアップするために−10℃〜80℃である。
開始剤の量に関しても、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸(塩)の合計重量に対して、ポリマーの重合度をアップするために好ましくは0.000001〜3.0%、更に好ましくは0.000001〜0.5%である。
水溶液重合の場合、単量体の重合濃度(重量%)は、他の重合条件によっても種々異なるが、(メタ)アクリル酸(塩)は、重合濃度を高くすると重合反応と並行してモノマー自体の疑似架橋(自己架橋)が起こり易く、吸収量の低下やポリマーの平均重合度の低下を招くこと、また重合時の温度コントロールも行いづらくポリマーの平均重合度の低下やオリゴマー成分の増加を招きやすいので、重合濃度は、10〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。また、重合温度に関しては−10〜100℃が好ましく、−10〜80℃がより好ましい。重合時の溶存酸素量に関しては、ラジカル開始剤の添加量等にもよるが、0〜2ppm(2×10-4重量%以下)が好ましく、0〜0.5ppm(0.5×10-4重量%以下)がより好ましい。これらの範囲であると、高重合度の架橋重合体(A)を製造することができる。
重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、所定量の(b)及び(c)がモノマー水溶液に完全に溶解できるのであれば特に限定はないが、(b)に比べて、(c)は水溶性が乏しく、また特に(メタ)アクリル酸(塩)水溶液に対する溶解度は極めて低く所定量の(c)を添加しても(c)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えない場合があるので、重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、0〜30モル%重合を行ない必要により重合後に更に中和するのが好ましく、未中和の状態で重合した後必要により重合後に中和するのがより好ましい。
また、(メタ)アクリル酸は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
逆相懸濁重合法に関しては、ヘキサン、トルエン、キシレン等に代表される疎水性有機溶媒中で(メタ)アクリル酸(塩)の水溶液を、分散剤の存在下、懸濁・分散して重合する重合法であるが、この重合法においても、上記同様モノマー水溶液中のモノマー濃度は10〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。この範囲であると、高重合度の架橋重合体(A)を製造することができる。
尚、この逆相懸濁重合法に関しては、重合時に分散剤を使用してもよい。分散剤としては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が3〜8のソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖ジステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤;エチレン/アクリル酸共重合体のマレイン化物、エチレン/酢酸ビニル共重合体のマレイン化物、スチレンスルホン酸(塩)/スチレン共重合体の様に分子内に親水性基を有しかつ、モノマー水溶液を分散させる溶媒に可溶な高分子分散剤(親水性基;0.1〜20重量%、重量平均分子量;1,000〜1,000,000)等を例示できるが、分散剤としては高分子分散剤を使用した方が、溶媒中でのモノマー水溶液の懸濁粒子の大きさを調整しやすく、必要とする粒子径の架橋重合体(A)の含水ゲルを作成できるので好ましい。
界面活性剤及び/又は高分子分散剤の添加量は、疎水性有機溶媒の重量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
逆相懸濁重合におけるモノマー水溶液と疎水性有機溶媒との重量比(W/O比)は、0.1〜2.0が好ましく、0.3〜1.0がより好ましい。これらの範囲であると、架橋重合体(A)の粒子径がさらに調整しやすい。
架橋重合体(A)の製造において、架橋剤を使用しない以外は全く同じ条件で重合体を製造した場合のポリマーの平均重合度が、好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜1,000,000となる条件で重合するとさらに好ましい。
平均重合度が、5,000以上となる条件で重合を行うと、適量の架橋剤を使用することにより増粘剤を添加した高濃度アルカリ水溶液の粘度低下及び/又は曳糸性の増大を防止することが出来る。上記平均重合度の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)にて行った。
水溶液重合又は逆相懸濁重合等により得た架橋重合体(A)は、水を含むゲル(含水ゲル)として得られる。含水ゲルは、通常乾燥した後に増粘剤として使用する。
含水ゲルの乾燥方法に関しては、水溶液重合の場合、含水ゲルをミートチョッパーやカッター式の粗砕機でゲルをある程度細分化(細分化のレベルは0.5〜20mm角程度)あるいはヌードル化し、必要により水酸化アルカリ金属等を添加して含水ゲルの中和を行った後、透気乾燥(パンチングメタルやスクリーン上に含水ゲルを積層し、強制的に50〜150℃の熱風を通気させて乾燥する等)や通気乾燥(含水ゲルを容器中に入れ、熱風を通気・循環させ乾燥、ロータリーキルンの様な機械で更にゲルを細分化しながら乾燥する)等の方法を例示できる。これらの中で、透気乾燥が短時間で効率的な乾燥が行えるため好ましい。
一方、逆相懸濁重合の場合の含水ゲルの乾燥方法は、重合した含水ゲルと有機溶媒をデカンテーション等の方法で固液分離した後、減圧乾燥(減圧度;100〜50,000Pa程度)又は通気乾燥を行うのが一般的である。
水溶液重合における含水ゲルの他の乾燥方法としては、例えば、ドラムドライヤー上に含水ゲルを圧縮延伸して乾燥する接触乾燥法等があるが、含水ゲルは熱伝導が悪いため、乾燥を行うためにドラム上等に含水ゲルの薄膜を作成する必要がある。しかし、通常市販のドラムドライヤーの材質は、鉄、クロム、ニッケル等の亜鉛よりイオン化傾向の低い金属で形成されているのが一般的であるため、含水ゲルあたりのドラム金属面と接触する頻度が極めて高くなり、また含水ゲルはポリ(メタ)アクリル酸(塩)の含水ゲルであるため、ゲル中に溶出する亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量が多くなる。さらに、該含水ゲルとドラムとの接触頻度が極めて高く、該含水ゲルは粘着性が高いため、ナイフの様なものをドラムドライヤーに接触させて乾燥物をドラムドライヤーから剥離させる必要があり、ドラムとナイフの機械的摩耗のためドラムあるいはナイフの金属面が摩耗し、金属が乾燥物中に混入する。以上の様に、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用すると、増粘剤中に金属イオンや金属粉末が混入しやすく、これら亜鉛よりイオン化傾向の低い金属(標準電極電位が亜鉛よりも低い金属のことで、Cr、Fe、Ni、Sn、Pb、Cu、Hg、Ag等の原子記号で表せる金属)イオンや金属粉末をかなり多量に含有することになる。これらの増粘剤をアルカリ電池用の増粘剤として使用すると、電池中の亜鉛粉末が亜鉛よりイオン化傾向の低い金属イオン又は金属粉末との間で電池を形成するため、電気分解により水素ガスが発生し、それにより電池内部の圧力が上昇し、さらにはアルカリ電解液の流出やひどい場合は電池の破損を引き起こす場合がある。更に、含水ゲルをドラムドライヤー上等で圧縮延伸して乾燥した薄膜フィルム状乾燥物は、その後粉砕を行い乾燥物の粒径を所望の粒径に調整しても粒子が鱗片状となっているため、透気乾燥法や通気乾燥法でブロック状の乾燥物の粉砕物と比較すると遙かに強度が弱く、高濃度のアルカリ水溶液中で膨潤させ亜鉛粉末と機械的に攪拌混合すると、膨潤したゲルが破壊されてしまいゲルが小さくなる。従って、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用しないのが好ましい。
含水ゲル乾燥時の乾燥温度は、使用する乾燥機や乾燥時間等により種々異なるが、好ましくは、50〜150℃、より好ましくは80〜130℃である。乾燥温度が、150℃以下であると乾燥時の熱によりポリマーが架橋しにくく、熱架橋により架橋度が上がりすぎることがなく、吸収量が低下しないし、アルカリ電解液中での粘度が低下しない。50℃以上であると乾燥に長時間を要さず効率的である。乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
このようにして得られた架橋重合体(A)の乾燥物は、必要により粉砕して粉末化する。粉砕方法は、通常の方法でよく、例えば衝撃粉砕機(ピンミル、カッターミル、スキレ
ルミル、ACMパルペライザー等)や空気粉砕機(ジェット粉砕機等)で行うことができる。
尚、乾燥物の粉砕を行う際も、金属同志回転部が直接接触する様な粉砕機を使用すると、機械的な摩耗により発生した金属粉末が増粘剤中に混入する恐れがあり、このような粉砕機は使用しないのが好ましい。
粉末化した架橋重合体(A)は、必要により所望のスクリーンを備えたフルイ機(振動フルイ機、遠心フルイ機等)を用いて、所望の粒子径の乾燥粉末を採取することができる。
尚、本発明において、乾燥後の任意の段階で、磁気を利用した除鉄機を用いて混入した鉄等の金属粉末を除去するのが好ましい。しかし、除鉄機を用いてかなり精密に除鉄を行っても、除鉄機では磁性のない金属を除去するのは困難であり、また磁性のある金属に関しても、乾燥したポリマー粒子内部に含まれているものや乾燥粒子に付着しているものは除去できないので、初めからこれら金属が混入しないように、生産設備に関しても、十分に配慮することが望ましい。
本発明の増粘剤を製造するための方法は、既にその方法を上記に記載してきたが、整理すると以下のとおりである。
(i)(メタ)アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に、架橋剤{アルカリ性で加水分解し得る架橋剤(b)及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)}を(メタ)アクリル酸(塩)の重量に対してそれぞれ0.05〜1重量%添加し、架橋剤をモノマー水溶液に完全かつ均一に溶解させる。
(ii)(b)及び(c)を添加しない場合のポリマーの平均重合度が5,000〜1,000,000となり、かつ過度の自己架橋(重合濃度は40重量%以下が好ましい)が起こりにくいマイルドな重合条件で、水溶液重合法及び/又は逆相懸濁重合法により重合を行い、架橋重合体(A)の含水ゲルを作成するのが好ましい。
(iii)水溶液重合の場合は、得られた含水ゲルに必要によりある程度含水ゲルを細分化した後、必要によりアルカリ金属の水酸化物を添加し中和度を調整し、透気乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。逆相懸濁重合の場合は、含水ゲルを固液分離した後、減圧乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。
尚、乾燥時も加熱によるポリマー熱架橋を抑制させるために、乾燥温度(品温)150℃以下(好ましくは130℃以下)で出きるだけ短時間で乾燥する。
(iv)乾燥した粉砕物は必要により粉砕し、必要によりフルイ機を用いて、乾燥物の粒径が1〜400μmものを主体とする増粘剤を作成するのが好ましい。
(v)中和度を規定量内で行う。
本発明の別の一つは本発明の増粘剤および亜鉛粉末を含有してなるアルカリ電池である。
通常、アルカリ電池の負極物質は、アルカリ電解液(例えば、酸化亜鉛を溶解させた35〜40%水酸化カリウム水溶液)100重量部に対して、平均粒子径10〜400μm程度の亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末30〜200重量部及びゲル化剤約0.1〜10重量部で構成されている(特開2000−306589号公報等)が、本発明のアルカリ電池はゲル化剤約0.1〜10重量部に替えて、本発明の増粘剤を用いるものである。なお、さらに必要により従来のゲル化剤を使用してもよい。
増粘剤の添加量は、負極容器の構造、並びに亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末の、粒径及びアルカリ電解液に対する添加量によっても種々異なるが、アルカリ電解液の重量に対して、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5.0重量%がより好ましい。この範囲であると、アルカリ電解液の粘度が適度となり、亜鉛粉末の沈降を防止でき取り扱い性も容易である。
本発明の増粘剤をアルカリ電解液の増粘剤として適用できるアルカリ電池としては特に限定されず、通常のアルカリ電池、例えばLR−20(単1型アルカリ電池)、LR−6型(単3型アルカリ電池)はもとより、その他各種のアルカリ電池に適用できる。アルカリ電池は、通常、外装缶の中に正極剤、集電棒及びゲル負極が封入された構造を有し、正極剤とゲル負極とはセパレーター等により分離されている。
本発明の増粘剤のアルカリ電池への充填方法は、(a)本発明の増粘剤、アルカリ電解液(例えば高濃度の水酸化カリウム水溶液、必要により酸化亜鉛などを含有する)、亜鉛粉末(及び/又は亜鉛合金粉末)及び必要によりゲル化剤や他の添加剤を事前混合し負極物質の混合物を作成し、電池の負極容器内にこれを充填してゲル状負極とする方法、
(b)本発明の増粘剤及び亜鉛粉末(及び/又は亜鉛合金粉末)及び必要によりゲル化剤や他の添加剤を電池の負極容器内に充填した後、アルカリ電解液を充填し容器内でゲル状負極を生成する方法等を例示できる。
亜鉛粉末が電池の負極容器内に均一に分散できるため(a)の方法が好ましい。
本発明の増粘剤は架橋重合体(A)以外に負極物質の混合物の充填時の流動性の改善、耐衝撃性の付与等を目的として、作業性や電池特性に問題が起こらない範囲で、必要によりゲル化剤や他の添加剤を含んでも良い。
他の添加剤としては、耐振動衝撃性向上剤、放電特性向上剤等が挙げられる。
ゲル化剤としては、例えば、CMC(カルボキシメチルセルロース)、天然ガム(グァーガム等)、架橋分岐型ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)[本願の架橋重合体(A)を除く]、微粉末状の微架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂等を例示することができる。これらの中で、架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)[本願の架橋重合体(A)を除く]は、さらに耐衝撃性を付与出来るため、また微粉末状の微架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)は、樹脂自体の曳糸性が比較的小さく、かつ負極容器への負極ゲル充填時の流動性を与えられるので好ましい。
架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)[本願の架橋重合体(A)を除く]の粒子径は、乾燥物の重量平均粒子径で、10〜1000μm、さらには20〜850μmのものが、膨潤した粒子の周囲に亜鉛粉末が分布し、亜鉛粉末の沈降を抑制できるため好ましい。また微粉末状の微架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)の微粉等の粒径は、乾燥物の重量平均粒径で0.1〜100μm、さらには0.1〜50μmであるものが、他のゲル化剤の添加により陰極物質混合物の曳糸性が若干アップしても、アルカリ下で膨潤した粒子が小さく、負極容器への負極ゲルの充填量のばらつきにさほど影響を与えないため好ましい。
これら必要により添加するゲル化剤の添加量は、アルカリ電解液に対して、0〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0〜3.0重量%である。
耐振動衝撃性向上剤としては、チタン、インジウム、スズ及びビスマスからなる群から選ばれる金属元素の酸化物、水酸化物及び硫化物等が使用できる。
耐振動衝撃性向上剤を含有する場合の含有量は、アルカリ電解液に対して、0〜5.0重量%が好ましく、0〜3.0重量%が更に好ましい。
放電特性向上剤としては、二酸化珪素、珪酸カリウムなどの公知の化合物が挙げられる。
放電特性向上剤を含有する場合の含有量は、アルカリ電解液に対して、0〜5.0重量%が好ましく、0〜3.0重量%が更に好ましい。
ゲル化剤の添加方法は、本発明の増粘剤とゲル化剤とを予めドライブレンドした後亜鉛粉末及びアルカリ電解液等の他の負極物質とブレンドする方法、負極物質の混合物作成時に本発明の増粘剤とは別に添加し混合する方法、アルカリ電解液とゲル化剤を混合した後、本発明の増粘剤及び亜鉛粉末とを混合する方法等;を例示することができるが、必要により所定量の他の増粘剤を添加できる方法であればいずれでも良い。
上記の通り、水溶液重合又は逆相懸濁重合で重合した架橋重合体(A)は、
(i)アルカリ水溶液中で攪拌等を行っても、ゲルの破壊等が起こりにくいゲルを作成できる。従って、アルカリ電池用増粘剤として用いると、亜鉛粉末はアルカリ電解液で膨潤したゲルの周囲に均一に付着し、電池としての放電特性や寿命を向上させる。また亜鉛粉末が周囲に均質に付着した膨潤ゲルは、実質上の亜鉛粉末濃度がアップし亜鉛粉末同士の接触頻度がアップするため、放電特性や寿命を向上させるばかりか、電池内で架橋重合体(A)が均一に充填されるため、ゲルが流動しにくいので衝撃を受けた時にも、電圧や短絡電流の低下を防止することができる。
(ii)重合温度のコントロールやマイルドな条件で重合ができ、且つ連鎖移動定数が低い水を溶媒とするためポリマーの平均重合度アップやオリゴマー成分の低減が行える。従って、電池用の増粘剤として使用した場合、高濃度アルカリ水溶液の粘度の安定化と低曳糸性を同時に満足できるため、曳糸性低減によるアルカリ電解液の電池高速充填時の作業性の向上、かつ負極ゲルを均一に電池へ充填できるため、電池特性の向上を同時に満足できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、超純水は電気伝導率0.06μS/cm以下の水、イオン交換水は電気伝導率1.0μS/cm以下の水を示す。
以下、実施例で用いた試験法を示す。
実施例1
2リットルのビーカーに、アクリル酸200g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.2g(対アクリル酸0.1重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレート0.7g(対アクリル酸0.35重量%)及びイオン交換水800gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、8℃に冷却した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、0.1%過酸化水素水4.0g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液4.0g及び10%2,2'−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−50)水溶液1.0gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素パージを継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素のパージを停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、63℃であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、40%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液222g(中和度80モル%)を加え含水ゲルを中和した。
中和した含水ゲルを、目開き850μmのSUS製のスクリ−ンの上に、厚さ5cmで積層し、小型透気乾燥機(井上金属株式会社製)を用いて120℃の熱風を1時間含水ゲルに透気させて、含水ゲルを乾燥した。
乾燥物をクッキングミキサーを用いて粉砕し、フルイを用いて32〜500μm(400メッシュ〜30メッシュ)の粒径のものを採取し、本発明の増粘剤(1)を得た。
実施例2
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.26g(対アクリル酸0.13重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.62g(対アクリル酸0.31重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(2)を得た。
実施例3
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.14g(対アクリル酸0.07重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.8g(対アクリル酸0.4重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(3)を得た。
実施例4
実施例2において、トリメチロールプロパントリアクリレート0.7gの代わりにエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成株式会社製、商品名:デナコール810)0.66g(対アクリル酸0.33重量%)を用いた以外は、実施例2と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(4)を得た。
実施例5
実施例3において、トリメチロールプロパントリアクリレート0.8gの代わりにエチレングリコールジグリシジルエーテル0.8g(対アクリル酸0.4重量%)を用いた以外は、実施例3と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(5)を得た。
実施例6
実施例2において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.26gの代わりにソルビトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社社製)の添加量を0.24g(対アクリル酸0.12重量%)を用いた以外は、実施例2と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(6)を得た。
実施例7
実施例3において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.14gの代わりにソルビトールトリアリルエーテルの添加量を0.16g(対アクリル酸0.08重量%)を用いた以外は、実施例3と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(7)を得た。
実施例8
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.1g(対アクリル酸0.05重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.58g(対アクリル酸0.29重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(8)を得た。
実施例9
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.86g(対アクリル酸0.43重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を2.0g(対アクリル酸1.0重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(9)を得た。
実施例10
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.26g(対アクリル酸0.13重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を1.04g(対アクリル酸0.52重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(10)を得た。
実施例11
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.1g(対アクリル酸0.05重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.24g(対アクリル酸0.12重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(11)を得た。
実施例12
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.12g(対アクリル酸0.06重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.3g(対アクリル酸0.15重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(12)を得た。
実施例13
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.4g(対アクリル酸0.2重量%)、トリメチロールプロパントリアクリレート0.7gの代わりにN,N'−メチレンビスアクリルアミド1.08g(対アクリル酸0.54重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(13)を得た。
実施例14
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.2gの代わりにトリメチロールプロパントリアリルエーテル0.14g(対アクリル酸0.07重量%)を用い、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.64g(対アクリル酸0.32重量%)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(14)を得た。
実施例15
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.20g(対アクリル酸0.10重量%)とし、トリメチロールプロパントリアクリレート0.7gの代わりにトリメチロールプロパントリアクリレート0.26g(対アクリル酸0.13重量%)およびN,N'−メチレンビスアクリルアミド0.26g(対アクリル酸0.13重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(15)を得た。
実施例16
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.24g(対アクリル酸0.12重量%)とし、トリメチロールプロパントリアクリレート0.7gの代わりにトリメチロールプロパントリアクリレート0.54g(対アクリル酸0.27重量%)およびN,N'−メチレンビスアクリルアミド0.54g(対アクリル酸0.27重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(16)を得た。
実施例17
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.22g(対アクリル酸0.11重量%)とし、トリメチロールプロパントリアクリレート0.7gの代わりにエチレンジアミン0.78g(対アクリル酸0.39重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の増粘剤(17)を得た。
実施例18
1リットルのビーカーにアクリル酸100g、イオン交換水272.2g及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.1g(対アクリル酸0.1重量%)を入れ混合し架橋剤を溶解させた。ビーカーを氷浴で冷却しながら、40%水酸化ナトリウム水溶液100gを添加し、アクリル酸の一部(72モル%)を中和した。中和したモノマー溶液を5℃に冷却した後、重合開始剤として過硫酸カリウム0.2gを添加してモノマー水溶液とした。
攪拌機とコンデンサー(冷却器)を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、シクロヘキサン1000ml及び分散剤としてスチレンスルホン酸ナトリウム/スチレンブロック共重合体10gを、湯浴を用いて内容物を60℃に加熱し攪拌して、シクロヘキサンに分散剤を溶解させた。
セパラブルフラスコ中のシクロヘキサン液中に窒素を通じてシクロヘキサンの溶存酸素を0.1ppm以下とした後、攪拌機を用いてシクロヘキサンを攪拌しながら、滴下ロートを用いて該モノマー水溶液400g及び0.5%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液70g(0.35重量%/アクリル酸)を滴下し、重合温度60℃で逆相懸濁重合を行い、更にモノマー水溶液の滴下終了後、更に2時間加熱し、懸濁重合を完結させ、シクロヘキサン中で球状の含水ゲルを得た。
攪拌機の回転を停止し、生成した含水ゲルを沈降させた後、デカンテーションによりシクロヘキサンを除去し、残った含水ゲルを数回シクロヘキサンで洗浄し、含水ゲルに付着した分散剤を除去した。
得られた球状の含水ゲルを、離型紙の上に広げ、80℃の減圧乾燥機(減圧度:10,000〜20,000Pa)で2時間乾燥させた。乾燥物の粒径を測定したところ、45〜850μmの含有量が92%であったので、そのまま本発明の増粘剤(18)とした。
なお、本実施例において、減圧度と、実際の圧力の関係は次の関係である。
実際の圧力=常圧(1.013×105Pa)−減圧度
比較例1
市販のカルボキシメチルセルロース(CMC2450、ダイセル化学工業株式会社製)を比較用の増粘剤(H1)とした。
比較例2
市販の微架橋型ポリアクリル酸微粉末(カーボポール941、BFグットリッチカンパニー社製、平均粒径約20μm)を比較用の増粘剤(H2)とした。
比較例3
市販の沈殿重合法による微架橋型ポリアクリル酸の微粉末(ジュンロンPW−150、日本純薬株式会製、平均粒径約20μm)20gにメタノール水溶液{メタノール/水=70/30(重量比)の混合物)}20gを添加し攪拌して造粒した。造粒したもの循風乾燥機で100℃で乾燥した後、クッキングミキサーで軽く粉砕し、フルイ機を用いて粒径210〜850μmのものを採取し比較用の増粘剤(H3)とした。
比較例4
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.28g(対アクリル酸0.14%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.6g(対アクリル酸0.3重量%)とした以外は、実施例1と同様にして、比較用の増粘剤(H4)を得た。
比較例5
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.12g(対アクリル酸0.06%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.82g(対アクリル酸0.41重量%)とした以外は、実施例1と同様にして、比較用の増粘剤(H5)を得た。
比較例6
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.28g(対アクリル酸0.14%)、トリメチロールプロパントリアクリレートに替えてエチレングリコールジグリシジルエーテルの添加量を0.68g(対アクリル酸0.34%)とした以外は、実施例1と同様にして、比較用の増粘剤(H6)を得た。
比較例7
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.12g(対アクリル酸0.06%)、トリメチロールプロパントリアクリレートに替えてエチレングリコールジグリシジルエーテルの添加量を0.82g(対アクリル酸0.41%)とした以外は、実施例1と同様にして、比較用の増粘剤(H7)を得た。
比較例8
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルに替えてソルビトールトリアリルエーテルの添加量を0.26g(対アクリル酸0.13%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.6g(対アクリル酸0.3重量%)とした以外は、実施例1と同様にして、比較用の増粘剤(H8)を得た。
比較例9
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルに替えてソルビトールトリアリルエーテルの添加量を0.14g(対アクリル酸0.07%)、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.82g(対アクリル酸0.41重量%)とした以外は、実施例1と同様にして、比較用の増粘剤(H9)を得た。
比較例10
実施例1において、添加した重合開始剤(過酸化水素、アスコルビン酸、V−50)の添加量をそれぞれ10倍とし、イオン交換水のかわりに20%のエタノール水溶液{エタノール/水=20/80(重量比)}とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較の増粘剤(H10)を得た。
比較例11
実施例1に使用した2種の架橋剤を用いずに、実施例1と同じ操作を行い、比較のための非架橋の増粘剤剤(H11)を得た。
実施例1〜18で作成した増粘剤(1)〜(18)及び比較例1〜11で作成した比較のための増粘剤(H1)〜(H11)の、(1)曳糸性、(2)ゲルの粘度、及び(3)ゲルの離漿率を前述した方法で測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2008034379
さらに、本発明の増粘剤(1)〜(18)及び比較のための増粘剤(H1)〜(H11)と、アルカリ電解液を用いて、(1)亜鉛粉末の沈降性、(2)注入時間と注入量のバラツキ、(3)電池の持続時間、及び(4)耐衝撃性を下記の方法で測定した。その結果を表2に示す。
(1)亜鉛粉末の沈降性
容量1リットルの2軸のニーダー(入江商会社製、品名:PNV−1)に、37%水酸化カリウム水溶液150gと平均粒径120μmの亜鉛粉末(UNION MINIERES.A.製、品名:004F(2)/68)300g、ゲル化剤1.5g(商品名:サンフレッシュDK−500B、三洋化成工業株式会社製)、増粘剤1.5g、耐振動衝撃性向上剤0.015gおよび放電特性向上剤0.015gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。
作成した負極ゲル50gを、密閉可能な容量50mlのサンプル瓶(直径34mm、高さ77mm、ポリプロピレン製)に入れ、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
サンプル瓶を密閉し、40℃の恒温槽で30日間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)付属の装置を用いて、サンプル瓶を3cmの高さから30回/minの割合で300回タッピングして、亜鉛粉末の沈降を促進させた。タッピングを終了した後、亜鉛粉末の初期の位置(サンプル瓶中の負極ゲルの上端部の位置)から亜鉛粉末の最も沈降した距離(mm)を測定し、これを亜鉛粉末の沈降性(mm)とした。
(2)注入時間と注入量のバラツキ
容量1リットルの2軸のニーダーに37%水酸化カリウム水溶液150g、亜鉛粉末(上記と同じもの)300g、ゲル化剤1.5g(商品名:サンフレッシュDK−500B、三洋化成工業株式会社製)、増粘剤1.5g、耐振動衝撃性向上剤0.015gおよび放電特性向上剤0.015gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。作成した負極ゲルをビーカーに移し、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
脱泡したゲル状の水酸化カリウム水溶液を、注入口が2mmの内径を有し、かつ0.1ml単位の目盛りを有する20mlの注射器内部に吸引した。
5mlのサンプル瓶(内径18mm、高さ40mm)の口の高さから、注射器を2.0ml分圧縮してゲル状の水酸化カリウム水溶液をサンプル瓶に注入し、注射器の圧縮を終了した時点から、注射器注入口からゲル状の水酸化カリウム水溶液が完全に分離した時点までの時間(秒)をストップウオッチで測定した。同様な操作を計20回繰り返してその平均値を注入時間(秒)とした。
サンプル瓶に注入された水酸化カリウム水溶液の重量(20回)を測定し、注入量の標準偏差(σ)を算出して、注入量のバラツキとした。
(3)電池の持続時間
容量1リットルの2軸のニーダーに、37%の水酸化カリウム水溶液150gと亜鉛粉末(上記と同じもの)300g及びゲル化剤1.5g(商品名:サンフレッシュDK−500B、三洋化成工業株式会社製)、増粘剤1.5g、耐振動衝撃性向上剤0.015gおよび放電特性向上剤0.015gを添加し、50rpmで60分間混合し、負極ゲルを作成した。
減圧下で脱泡を行った後、この負極ゲル15gを、LR−6型のモデル電池の負極容器内に注入しゲル負極とし、モデル電池を作成した。
なお、ここで、モデル電池のゲル負極以外の各部位の構成材料としては、ニッケルメッキ鋼板、収縮チューブの材質としてはポリエチレン、正極剤の材質としては電解二酸化マンガン50重量部、アセチレンブラック5重量部及び濃度37重量%水酸化カリウム水溶液1重量部からなる配合物、外装缶の材質としては、ニッケルメッキ鋼板、セパレーターの材質としては、ポリオレフィン、集電棒の材質としては、スズめっきした黄銅製の棒、ガスケットの材質としては、ポリオレフィン系樹脂、負極端子板の材質としては、ニッケルメッキ鋼板を用いた。
作成したモデル電池に、室温(20〜25℃)で2Ωの外部抵抗を接続して、連続放電し、電圧が0.9Vに低下するまでの時間を電池の持続時間(hour)とした。
モデル電池作成後、60℃の恒温槽で60日間放置したモデル電池に関しても同様な操作を行い、電池の持続時間を測定した。
(4)電池の耐衝撃性
上記と同様にして作成したモデル電池に、室温(20〜25℃)で2Ωの外部抵抗を接続して連続放電しながら、モデル電池を1mの高さから10回連続して落下させ、落下前の電圧と落下直後の電圧を測定し、下式により耐衝撃性(%)を算出した。
耐衝撃性(%)={落下(10回目)直後の電圧(V)/落下前の電圧(V)}×100
モデル電池作成後、60℃の恒温槽で60日間放置したモデル電池に関しても同様な操作を行い、耐衝撃性を求めた。
Figure 2008034379
本発明の増粘剤は、円筒状のアルカリ電池のみならず、アルカリボタン電池、酸化銀電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池等の一次及び二次アルカリ電池用の増粘剤としても有用である。また、本発明の増粘剤を用いたアルカリ電池は、耐衝撃性に優れ、放電特性の維持に優れ、曳糸性に優れるため生産効率が向上したアルカリ電池として有用である。
本発明の曳糸性を評価するために使用するガラス球の形状と大きさを表す図である。 ガラス玉部分(A)は、長軸11mm、短軸8mmの回転楕円体状でガラス製である。 結合部(B)は、直径2.5mm、長さ10mmの円柱状でガラス製であり、ガラス玉部分(A)と一体でガラスで製作されている。 取付金具は(C)は、引き上げるためのワイヤー(D)にガラス製の結合部(B)を取り付けるための部材である。
符号の説明
A:ガラス玉部分
B:結合部
C:取付金具
D:ワイヤー

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸(塩)と、アルカリ性で加水分解する架橋剤(b)及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)とを必須成分とする架橋重合体(A)からなる水膨潤性の増粘剤であって、(b)及び(c)のそれぞれの量が(メタ)アクリル酸(塩)の重量に対して0.05〜1%であり、且つ下記の要件(1)〜(3)の要件をすべて具備することを特徴とするアルカリ電池用増粘剤。
    要件(1)(A)に含有される(b)と(c)との重量比(b)/(c)が、2.3〜5.8であること。
    要件(2)増粘剤3重量部及び濃度37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部からなる配合物の曳糸性が0〜10mmであること。
    要件(3)下記の配合物のゲル(GA)の粘度(25℃)が30〜200Pa・sであること。
    ゲル(GA):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、増粘剤2重量部および亜鉛粉末200重量部を均一になるまで撹拌混合して調製し、40℃で12時間放置した後のゲル。
  2. (b)が、エステル結合および/またはアミド結合を有する化合物、並びに/若しくは、エステル結合および/またはアミド結合を形成し得る化合物である請求項1記載の増粘剤。
  3. (c)が2〜10個のアリル基および1〜5個の水酸基を有する請求項1または2記載の増粘剤。
  4. 37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、増粘剤2重量部および亜鉛粉末200重量部を均一になるまで撹拌混合して調製し、40℃で12時間放置した後のゲル(GA)の離漿率が0〜10重量%である請求項1〜3いずれか記載の増粘剤。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の増粘剤並びに亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末を含有してなるアルカリ電池。
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