JP2006049306A - アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ電池の品質(放電特性の維持及び耐衝撃性)及び生産性に優れたアルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.7〜1.3、及び37重量%水酸化カリウム水溶液への可溶性成分量が30重量%以下であるアルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池。ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、架橋重合体(A)2重量部及び亜鉛粉末200重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、同温度でゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃,N1)及び60日放置後の粘度(40℃,N60)をJIS K7117−1:1999に準拠して測定した値から求める。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池に関する。更に詳しくは、アルカリ電解液と亜鉛粉末を主とするアルカリ電池の負極用のゲル化剤に使用するゲル状負極アルカリ電池用ゲル化剤及びそれを使用したアルカリ電池に関する。
従来より、アルカリ電池の陰極には、高濃度のアルカリ電解液(高濃度の水酸化カリウム水溶液、必要により酸化亜鉛等を含有させたもの)と亜鉛粉末及び/又は亜鉛合金粉末等混合物が主として使用されており、アルカリ電解液中の亜鉛粉末等の沈降防止の目的で、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩類を架橋剤で不溶化した吸水性樹脂等をゲル化剤として使用したものが提案されている(特許文献1〜3)。さらに、亜鉛粉末の沈降防止、電池からの液漏れ防止、電池の生産効率アップの観点から、比較的大きな粒子径でかつ、曳糸性を抑えたものも提案されている(特許文献4)。
特公平8−28216号公報 特公平8−12775号公報 特開平10−50303号公報 特許3323468号公報
しかしながら、これら吸水性樹脂のゲル化剤を使用したアルカリ電池は、アルカリ電池の最も重要な特性である、長期に渡る放電特性(放電量及び放電時間)の維持並びに耐衝撃性の点で必ずしも満足し得なかった。
本発明は長期に渡る放電特性(放電量及び放電時間)の維持に優れ、耐衝撃性が優れたアルカリ電池用ゲル化剤及びそれを用いたアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明のアルカリ電池用ゲル化剤は、(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.7〜1.3、及び37重量%水酸化カリウム水溶液への可溶性成分量が30重量%以下であるゲル化剤からなることを要旨とする。
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、架橋重合体(A)2重量部及び亜鉛粉末200重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、同温度でゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃,N1)及び60日放置後の粘度(40℃,N60)をJIS K7117−1:1999に準拠して測定した値から求める。
本発明のゲル化剤並びにそれを使用したアルカリ電池は次のような効果を奏する。
(i)アルカリ電池に使用した場合、長期間に渡って、放電の持続時間や耐衝撃性に極めて優れた電池を作成することができる。
(ii)本発明のゲル化剤が添加されたアルカリ電解液は、液切れが良いため、昨今の電池生産速度の高速化によるアルカリ電解液の高速充填にも十分対応できる。
(iii)充填時の電池1個あたりの電解液の充填量のバラツキが少ないため、大量生産時も均一な品質を有する電池を生産できる。
(iv)アルカリ電解液中で亜鉛粉末と接触しても殆ど水素ガスが発生しないため、電池内部の圧力の上昇による電解液の流出や電池の破損を起こす恐れがない。
(v)サイズが小さい電池に於いても、均一に且つ高速で負極ゲルを充填することができるため、均一な品質を有する電池を生産できる。
本発明のゲル化剤は(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.7〜1.3、及び37重量%水酸化カリウム水溶液への可溶性成分量が30重量%以下である。
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、架橋重合体(A)2重量部及び亜鉛粉末200重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、同温度でゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃,N1)及び60日放置後の粘度(40℃,N60)をJIS K7117−1:1999に準拠して測定した値から、次式により求める。
粘度比(N1/N60)=(40℃,N1)/(40℃,N60)
粘度比(N1/N60)は、通常0.7〜1.3であり、好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは0.9〜1.1である。この範囲であると、電解液中の亜鉛粉末がさらに沈降しにくいため、放電特性及び耐衝撃性がさらに優れる。また、ゲル化剤の可溶性成分量が、30重量%以下であるとアルカリ水溶液の曳糸性の増大や長期に渡って粘度低下を防止できる。
本発明のゲル化剤において、架橋重合体(A)2重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液300重量部を25℃で均一混合して得た膨潤粒子(BA)のうち、粒子径32〜1,000μmの膨潤粒子が膨潤粒子(BA)の全重量に対して少なくとも80重量%であると耐衝撃性がさらに向上し、好ましい。
ティーバッグ法による37重量%水酸化カリウム水溶液の1時間後の吸収量が、20〜60g/gであることが好ましく、さらに好ましくは23〜50g/g、特に好ましくは25〜40g/gである。この範囲であると、電池の放電特性の向上及びゲル化剤を含むアルカリ電解液を電池に高速注入する際の、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなる。
本発明のゲル化剤は、ゲル(GA)の粘度(40℃,N1)が30〜300Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは40〜300Pa・s、特に好ましくは50〜200Pa・s、最も好ましくは60〜100Pa・sである。
30以上であると得られたアルカリ電池の放電特性がさらに向上する。300以下であると電解液の電池への高速充填性が優れる。
本発明のゲル化剤は、亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量が15×10-4重量%以下が好ましく、さらに好ましくは12×10-4重量%以下、特に好ましくは10×10-4重量%以下である。この範囲であると、使用する電池の構造や容量、電池へのゲル化剤の添加量にもよるが、電池中で亜鉛粉末と混入した金属イオンの間で電池を形成し、電気分解により水素ガスが発生することによる電池内部の圧力上昇、アルカリ電解液の流出、電池の破損等を防ぐことができるため好ましい。
また、本発明のアルカリ電池用ゲル化剤としては、アルカリ性下で分解する架橋剤(b)及びアリル基を2〜10個有するアリルエーテル型架橋剤(c)を併用した水溶液重合法若しくは逆相懸濁重合法により得られた、(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなる水膨潤性のゲル化剤であって、該(b)及び(c)のそれぞれの量が(メタ)アクリル酸及びそのアルカリ金属塩の重量に対して0.05〜3%であり且つ下記(1)(2)の要件を具備するものも好ましい。
要件(1);濃度37重量%水酸化カリウム水溶液中でゲル化剤を膨潤した際に、粒子径32〜1,000μmの膨潤粒子が80重量%以上存在すること
要件(2);ティーバッグ法による1時間後の濃度37重量%水酸化カリウム水溶液の吸収量が、20〜60g/gであること
要件(1)は、耐衝撃性の向上とゲル化剤を電池に挿入する場合に好適な要件であり、要件(2)は、電池の放電特性の向上及びゲル化剤を含むアルカリ電解液を電池に高速注入する際の、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りを小さくするために好適な要件である。
架橋重合体(A)は、(メタ)アクリル酸(塩)を主体として、架橋剤の存在下、重合を行うことにより得られる。
本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「・・・酸(塩)」とは「・・・酸」及び/又は「・・・酸塩」を意味する。塩としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が含まれる。アクリル酸又はメタクリル酸を中和することで塩にすることができる。
本発明のゲル化剤は高濃度のアルカリ水溶液中で使用されるため、架橋重合体(A)に含まれる(メタ)アクリル酸(塩)単位は未中和体{(メタ)アクリル酸単位}であっても、中和体{(メタ)アクリル酸塩単位}であっても構わないが、架橋重合体(A)の粘着性低減や分散性改良、架橋重合体(A)を製造する上での作業性の改良等の目的で(メタ)アクリル酸単位の一部あるいは全てを中和して(メタ)アクリル酸塩単位とするのが好ましい。
必要により(メタ)アクリル酸単位の中和を行う場合は、通常水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属又はその水溶液を重合前のモノマー段階、あるいは重合後の含水ゲルに添加すれば良いが、後述するアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)は、架橋剤の水溶性が乏しいため、(メタ)アクリル酸の中和度が高い状態で重合すると、所定量の架橋剤(c)を添加しても架橋剤(c)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えず規定の物性の架橋重合体(A)が得られない場合があり、(メタ)アクリル酸の中和度を0〜30モル%としておいて、架橋剤(c)も含有させて重合を行った後、必要により含水ゲルに水酸化アルカリ金属を添加して中和度を調整する方がより好ましい。
本発明における架橋重合体(A)の(メタ)アクリル酸(塩)単位の最終的な中和度{(メタ)アクリル酸単位及び(メタ)アクリル酸塩単位の合計モル数に基づく、アクリル酸塩単位の含有量(モル%)}は、30〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜90がより好ましい。この範囲であると、アルカリ電解液の耐衝撃性や放電特性がさらによくなる。
架橋重合体(A)は(メタ)アクリル酸(塩)を主体とする単量体を重合して得ることができるが、必要によりこれと共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。他のモノエチレン性不飽和単量体としては共重合可能なものであれば特に限定はないが、水溶性のものが好ましく、さらに好ましくは水溶性のエチレン性不飽和単量体が好ましい。水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、
マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)及びイタコン酸(塩)等のカルボン酸(塩)単量体;
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、スルホアルキル(メタ)アクリレート及び4-ビニルベンゼンスルホン酸(塩)等のスルホン酸(塩)単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜3)置換(メタ)アクリルアミド[N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド等]及びN−ビニルアセトアミド等のアミド単量体;
モノヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)モノ(メタ)アクリレート等のアルコール単量体;
ポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート等のエーテル単量体;
アルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレート及び酢酸ビニル等のエステル単量体等を例示することができる。これらのエチレン性不飽和単量体は、2種以上を併用しても良い。
これら(メタ)アクリル酸(塩)以外のエチレン性不飽和単量体単位の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜40、特に好ましくは0〜30である。この範囲であると、粘度の経時安定性が優れるため、アルカリ電池の耐衝撃性、放電特性がさらに優れる。
架橋重合体(A)は通常、架橋剤を用いて架橋する。架橋剤としては、重合体の製造に通常使用されるものであれば特に限定されないが、アルカリ性で加水分解し得る架橋剤(b)又はアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)が好ましい。さらに好ましくは、架橋剤(b)及び架橋剤(c)を含有する架橋剤である。
架橋剤(b)及び架橋剤(c)を併用することにより、ゲル化剤の粘度安定性がさらに向上し、アルカリ電解液の離漿を防止することできるため、長期間に渡る放電を維持することができる。さらに電池へ充填する際に均一に注入する事ができ、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなるので好ましい。なお、ここでアルカリ電解液の離漿とは、ゲル化剤とアルカリ電解液とのほぼ均一な混合状態を保持できず、ゲル化剤とアルカリ電解液とが分離してしまう現象である。
架橋剤(b)単位は加水分解性結合を有すればよく、加水分解性結合は、架橋剤(b)がもともと分子内に有する結合であってもよいし、架橋重合体(A)を構成する単量体と架橋反応して生成する結合が加水分解するものであってもよい。好ましくは、架橋剤(b)が、室温で37%水酸化カリウム水溶液中にゲル化剤を1重量%添加し、1時間攪拌したときに50重量%以上が分解するものである。
加水分解性結合としてはエステル結合及びアミド結合等が挙げられる。
架橋剤(b)が分子内に加水分解性結合を有するものとしては、例えば、N,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアクリレート等の分子内に2〜10のエチレン性不飽和結合を有する共重合性の架橋剤(b1)が挙げられる。
架橋剤(b1)のうち、好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、さらに好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、特に好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
架橋反応して生成する結合が加水分解するものとしては、多価グリシジル化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル等)、多価イソシアネート化合物(4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート等)、多価アミン化合物(エチレンジアミン等)及び多価アルコール化合物(グリセリン等)等に代表されるカルボン酸と反応する反応型架橋剤(b2)が挙げられる。反応型架橋剤(b2)は、(メタ)アクリル酸(塩)と反応してエステル結合又はアミド結合を形成することができる。
架橋剤(b)の内、好ましくは共重合性の架橋剤(b1)と、反応型架橋剤(b2)の1種である多価グリシジル化合物が挙げられ、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
反応型架橋剤(b2)を使用した場合は、架橋剤添加後、任意の段階で、好ましくは100〜230℃、より好ましくは120〜160℃に加熱し架橋反応を進行させるのが一般的である。また、反応型架橋剤(b2)は、所定量の範囲で2種以上、更には共重合性の架橋剤(b1)と併用しても良い。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)は、加水分解性結合を分子内に有さず、また、架橋反応により加水分解性結合を生成しない。このような架橋剤(c)としては、2個以上のビニルエーテル結合を有する架橋剤(c1)及び2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(c2)等が挙げられる。好ましくは、反応性等の観点から、2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤である。
2個以上のビニルエーテル結合を有する架橋剤(c1)としては、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(重合度2〜5)、ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ソルビトールトリビニルエーテル及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリビニルエーテル等が挙げられる。
2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(c2)としては、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を含まない架橋剤(c21)、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(c22)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(c23)、分子内にアリル基が3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(c24)等が挙げられる。分子内に水酸基を含むと、(メタ)アクリル酸(塩)との相溶性が良く、架橋の均一性がアップしてゲル化剤の安定性が向上し、ゲル化剤を含むアルカリ電解液の粘度の長期安定性がさらに優れる。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を含まない架橋剤(c21)としては、ジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、アルキレン(炭素数2〜5)グリコールジアリルエーテル、及びポリエチレングリコール(重量平均分子量:100〜4000)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(c22)としては、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル及びペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(c23)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
分子内にアリル基が3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(c24)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)は2種以上を併用してもよい。架橋剤(c)のうち、好ましくは2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(c2)、さらに好ましくは水酸基1〜5個及びアリル基を2〜10個有する架橋剤{(c22)及び(c24)}、特に好ましくはアリル基が3〜10個で且つ水酸基を1〜3個有する架橋剤(c24)、最も好ましくはアリル基が3〜5個で且つ水酸基を1〜3個有する架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル等)(c25)である。これらの架橋剤を用いると、(メタ)アクリル酸(塩)との相溶性が良く、またアリル基の数が多いためアリル基特有の共重合性の低さをカバーでき効率的な架橋が行えるので好ましい。
架橋重合体(A)が、架橋剤(b)単位を含有する場合、架橋剤(b)単位の含有量は、架橋剤(b)の種類、平均重合度にもよるが、好ましくは架橋重合体(A)の重量に対して0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%である。この範囲であると、アルカリ電解液の離漿を防止できるため、長期に渡る放電特性がさらに優れる。
架橋重合体(A)が、架橋剤(c)単位を含有する場合、架橋剤(c)単位の含有量(重量%)は、架橋剤(c)の種類にもよるが、架橋重合体(A)の重量に対して通常0.05〜3、好ましくは0.1〜1である。この範囲であると、ゲル化剤を含むアルカリ電解液の電池への充填性及びアルカリ電解液の長期にわたる放電特性がさらに優れる。
架橋重合体(A)が、架橋剤(b)単位及び架橋剤(c)単位を含有する場合、架橋剤(b)単位と架橋剤(c)単位との重量比(b/c)は、0.25〜4.0が好ましく、より好ましくは0.4〜2.5、特に好ましくは0.5〜2.0である。この範囲であると、ゲル化剤の安定性をさらに向上させ経時的な粘度低下を防止し、アルカリ電解液の離漿を防止することでき、その結果長期間に渡る放電を維持することが出来、さらに電池へ充填する際に均一に注入する事ができ、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなるので好ましい。
架橋剤(b)単位及び架橋剤(c)単位の合計含有量は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、好ましくは0.1〜6重量%、さらに好ましくは0.1〜4重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%である。この範囲であると、ゲル化剤の安定性が向上し、ゲル化剤を含むアルカリ電解液の粘度の長期安定性がさらに優れる。
次に、本発明のゲル化剤の製造方法について説明する。
架橋重合体(A)を得るための重合方法としては公知の重合方法が適用でき、たとえば、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、逆相懸濁重合又は乳化重合のいずれでもよい。
これらの重合方法のうち、溶液重合、懸濁重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が好ましく、さらに好ましくは溶液重合、逆相懸濁重合及び乳化重合、特に好ましくは溶液重合及び逆相懸濁重合である。これらの重合には、公知の重合開始剤、連鎖移動剤及び/又は溶媒等が使用できる。
最も好ましくは、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に架橋剤(b)及び架橋剤(c)を添加溶解し重合する水溶液重合法、及び分散剤の存在下、疎水性有機溶媒(例えばヘキサン、トルエン、キシレン等)中に同様なモノマー水溶液を分散・懸濁して重合するいわゆる逆相懸濁重合法である。これらの重合方法であると、放電特性及び耐衝撃性に優れたゲル化剤を得ることができる。
(メタ)アクリル酸(塩)を水溶液重合法又は逆相懸濁重合法で重合する方法は、通常の方法で良く、例えばラジカル重合開始剤を用いて重合する方法、放射線、紫外線、電子線等を照射する方法があげられる。
ラジカル重合開始剤を用いる場合、この開始剤としては、アゾ化合物[アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等]、レドックス開始剤[アルカリ金属塩の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、L−アスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の過酸化物の組み合わせ]等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
重合温度は使用する開始剤の種類等によっても異なるが、好ましくは−10℃〜100℃、より好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)の重合度をアップするために−10℃〜80℃である。
開始剤の量に関しても、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸(塩)の合計重量に対して、ポリマーの重合度をアップするために好ましくは0.000001〜3.0%、更に好ましくは0.000001〜0.5%である。
水溶液重合の場合、単量体の重合濃度(重量%)は、他の重合条件によっても種々異なるが、(メタ)アクリル酸(塩)は、重合濃度を高くすると重合反応と並行してモノマー自体の疑似架橋(自己架橋)が起こり易く、吸収量の低下やポリマーの平均重合度の低下を招くこと、また重合時の温度コントロールも行いづらくポリマーの平均重合度の低下やオリゴマー成分の増加を招きやすいので、重合濃度は、10〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。また、重合温度に関しては−10〜100℃が好ましく、−10〜80℃がより好ましい。重合時の溶存酸素量に関しては、ラジカル開始剤の添加量等にもよるが、0〜2ppm(2×10-4重量%以下)が好ましく、0〜0.5ppm(0.5×10-4重量%以下)がより好ましい。これらの範囲であると、高重合度の架橋重合体(A)を製造することができる。
重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、所定量の(b)及び(c)がモノマー水溶液に完全に溶解できるのであれば特に限定はないが、(b)に比べて、(c)は水溶性が乏しく、また特に(メタ)アクリル酸(塩)水溶液に対する溶解度は極めて低く所定量の(c)を添加しても(c)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えない場合があるので、重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、0〜30モル%重合を行ない必要により重合後に更に中和するのが好ましく、未中和の状態で重合した後必要により重合後に中和するのがより好ましい。
また、(メタ)アクリル酸は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
逆相懸濁重合法に関しては、ヘキサン、トルエン、キシレン等に代表される疎水性有機溶媒中で(メタ)アクリル酸(塩)の水溶液を、分散剤の存在下、懸濁・分散して重合する重合法であるが、この重合法においても、上記同様モノマー水溶液中のモノマー濃度は10〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。この範囲であると、高重合度の架橋重合体(A)を製造することができる。
尚、この逆相懸濁重合法に関しては、重合時に分散剤を使用してもよい。分散剤としては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が3〜8のソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリンモノステアリン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル類及びショ糖ジステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル類等の界面活性剤;エチレン/アクリル酸共重合体のマレイン化物、エチレン/酢酸ビニル共重合体のマレイン化物、スチレンスルホン酸(塩)/スチレン共重合体の様に分子内に親水性基を有しかつ、モノマー水溶液を分散させる溶媒に可溶な高分子分散剤(親水性基;0.1〜20重量%、重量平均分子量;1,000〜1,000,000)等を例示できるが、分散剤としては高分子分散剤を使用した方が、溶媒中でのモノマー水溶液の懸濁粒子の大きさを調整しやすく、必要とする粒子径の架橋重合体(A)の含水ゲルを作成できるので好ましい。
界面活性剤及び/又は高分子分散剤の添加量は、疎水性有機溶媒の重量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
逆相懸濁重合におけるモノマー水溶液と疎水性有機溶媒との重量比(W/O比)は、0.1〜2.0が好ましく、0.3〜1.0がより好ましい。これらの範囲であると、架橋重合体(A)の粒子径がさらに調整しやすい。
架橋重合体(A)の製造において、架橋剤を使用しない以外は全く同じ条件で重合体を製造した場合のポリマーの平均重合度が、好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜1,000,000となる条件で重合するとさらに好ましい。平均重合度が、5,000以上となる条件で重合を行うと、適量の架橋剤を使用することによりゲル化剤を添加した高濃度アルカリ水溶液の粘度低下及び/又は曳糸性の増大を防止することが出来る。上記平均重合度の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)にて行った。
本発明において、水溶液重合又は逆相懸濁重合等により得た架橋重合体(A)は、水を含むゲル(含水ゲル)として得られる。含水ゲルは、通常乾燥した後にゲル化剤として使用する。
含水ゲルの乾燥方法に関しては、水溶液重合の場合、含水ゲルをミートチョッパーやカッター式の粗砕機でゲルをある程度細分化(細分化のレベルは0.5〜20mm角程度)あるいはヌードル化し、必要により水酸化アルカリ金属等を添加して含水ゲルの中和を行った後、透気乾燥(パンチングメタルやスクリーン上に含水ゲルを積層し、強制的に50〜150℃の熱風を通気させて乾燥する等)や通気乾燥(含水ゲルを容器中に入れ、熱風を通気・循環させ乾燥、ロータリーキルンの様な機械で更にゲルを細分化しながら乾燥する)等の方法を例示できる。これらの中で、透気乾燥が短時間で効率的な乾燥が行えるため好ましい。
一方、逆相懸濁重合の場合の含水ゲルの乾燥方法は、重合した含水ゲルと有機溶媒をデカンテーション等の方法で固液分離した後、減圧乾燥(減圧度;100〜50,000Pa程度)又は通気乾燥を行うのが一般的である。
水溶液重合における含水ゲルの他の乾燥方法としては、例えば、ドラムドライヤー上に含水ゲルを圧縮延伸して乾燥する接触乾燥法等があるが、含水ゲルは熱伝導が悪いため、乾燥を行うためにドラム上等に含水ゲルの薄膜を作成する必要がある。しかし、通常市販のドラムドライヤーの材質は、鉄、クロム、ニッケル等の亜鉛よりイオン化傾向の低い金属で形成されているのが一般的であるため、含水ゲルあたりのドラム金属面と接触する頻度が極めて高くなり、また含水ゲルはポリ(メタ)アクリル酸(塩)の含水ゲルであるため、ゲル中に溶出する亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量が多くなる。さらに、該含水ゲルとドラムとの接触頻度が極めて高く、該含水ゲルは粘着性が高いため、ナイフの様なものをドラムドライヤーに接触させて乾燥物をドラムドライヤーから剥離させる必要があり、ドラムとナイフの機械的摩耗のためドラムあるいはナイフの金属面が摩耗し、金属が乾燥物中に混入する。以上の様に、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用すると、ゲル化剤中に金属イオンや金属粉末が混入しやすく、これら亜鉛よりイオン化傾向の低い金属(標準電極電位が亜鉛よりも低い金属のことで、Cr、Fe、Ni、Sn、Pb、Cu、Hg、Ag等の原子記号で表せる金属)イオンや金属粉末をかなり多量に含有することになる。これらのゲル化剤をアルカリ電池用のゲル化剤として使用すると、電池中の亜鉛粉末が亜鉛よりイオン化傾向の低い金属イオン又は金属粉末との間で電池を形成するため、電気分解により水素ガスが発生し、それにより電池内部の圧力が上昇し、さらにはアルカリ電解液の流出やひどい場合は電池の破損を引き起こす場合がある。更に、含水ゲルをドラムドライヤー上等で圧縮延伸して乾燥した薄膜フィルム状乾燥物は、その後粉砕を行い乾燥物の粒径を所望の粒径に調整しても粒子が鱗片状となっているため、透気乾燥法や通気乾燥法でブロック状の乾燥物の粉砕物と比較すると遙かに強度が弱く、高濃度のアルカリ水溶液中で膨潤させ亜鉛粉末と機械的に攪拌混合すると、膨潤したゲルが破壊されてしまいゲルが小さくなる。従って、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用しないのが好ましい。
本発明において、含水ゲル乾燥時の乾燥温度は、使用する乾燥機や乾燥時間等により種々異なるが、好ましくは、50〜150℃、より好ましくは80〜130℃である。乾燥温度が、150℃以下であると乾燥時の熱によりポリマーが架橋しにくく、熱架橋により架橋度が上がりすぎることがなく、吸収量が低下しないし、アルカリ電解液中での粘度が低下しない。50℃以上であると乾燥に長時間を要さず効率的である。乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
このようにして得られた架橋重合体(A)の乾燥物は、必要により粉砕して粉末化する。粉砕方法は、通常の方法でよく、例えば衝撃粉砕機(ピンミル、カッターミル、スキレルミル、ACMパルペライザー等)や空気粉砕機(ジェット粉砕機等)で行うことができる。
尚、乾燥物の粉砕を行う際も、金属同志回転部が直接接触する様な粉砕機を使用すると、機械的な摩耗により発生した金属粉末がゲル化剤中に混入する恐れがあり、このような粉砕機は使用しないのが好ましい。
粉末化した架橋重合体(A)は、必要により所望のスクリーンを備えたフルイ機(振動フルイ機、遠心フルイ機等)を用いて、所望の粒子径の乾燥粉末を採取することができる。
尚、本発明において、乾燥後の任意の段階で、磁気を利用した除鉄機を用いて混入した鉄等の金属粉末を除去するのが好ましい。しかし、除鉄機を用いてかなり精密に除鉄を行っても、除鉄機では磁性のない金属を除去するのは困難であり、また磁性のある金属に関しても、乾燥したポリマー粒子内部に含まれているものや乾燥粒子に付着しているものは除去できないので、初めからこれら金属が混入しないように、生産設備に関しても、十分に配慮することが望ましい。
本発明において、使用する架橋重合体(A)の粒径は、通常、37重量%水酸化カリウム水溶液中で架橋重合体(A)を膨潤攪拌した後の膨潤粒子(BA)の粒径が32〜1000μm、更に好ましくは45〜800μmなるものを膨潤粒子(BA)中に80重量%以上含む様に、乾燥粉末等の粒度を調整することが好ましい。膨潤したゲル化剤の平均粒径が32〜1000μmのものが80%未満であると、電池中での亜鉛粉末の沈降を防止できず、またゲル化剤を電池に充填する際にもいかなるサイズの電池でも均一に充填することができるという訳にはいかず、充填量の不均一に由来する放電特性の低下等の問題も生じやすい傾向がある。
架橋重合体(A)のJIS Z8815−1994(6.1乾式ふるい分け試験)に準拠して測定される乾燥時の重量平均粒子径に関しては、架橋重合体(A)のアルカリ水溶液の膨潤倍率やアルカリ水溶液中で攪拌した場合のゲルの破壊度合いにもよるが、1〜400μmが好ましく、さらに好ましくは10〜300μm、特に好ましくは30〜250μm、最も好ましくは40〜200μmである。この範囲であると、電池への高速充填性がさらに優れるので好ましい。
本発明のゲル化剤を製造するための方法は、既にその方法を上記に記載してきたが、整理すると以下のとおりである。
(i)(メタ)アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に、架橋剤{好ましくはアルカリ性で加水分解し得る架橋剤(b)及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)}を(メタ)アクリル酸(塩)の重量に対してそれぞれ0.05〜3重量%添加し(但し、架橋剤量はポリマーの平均重合度や重合濃度等により最適点が異なるため、規定の範囲内での調整が必要)、架橋剤をモノマー水溶液に完全かつ均一に溶解させる。
(ii)(b)及び(c)を添加しない場合のポリマーの平均重合度が5,000〜1,000,000となり、かつ過度の自己架橋(重合濃度は40重量%以下が好ましい)が起こりにくいマイルドな重合条件で、水溶液重合法及び/又は逆相懸濁重合法により重合を行い、架橋重合体(A)の含水ゲルを作成するのが好ましい。
(iii)水溶液重合の場合は、得られた含水ゲルに必要によりある程度含水ゲルを細分化した後、必要によりアルカリ金属の水酸化物を添加し中和度を調整し、透気乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。逆相懸濁重合の場合は、含水ゲルを固液分離した後、減圧乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。
尚、乾燥時も加熱によるポリマー熱架橋を抑制させるために、乾燥温度(品温)150℃以下(好ましくは130℃以下)で出きるだけ短時間で乾燥する。
(iv)乾燥した粉砕物は必要により粉砕し、必要によりフルイ機を用いて、乾燥物の粒径が1〜400μmものを主体とするゲル化剤を作成するのが好ましい。本発明のゲル化剤はアルカリ水溶液中で攪拌すると通常一辺が約2〜30倍に膨潤するので、アルカリ水溶液中での粒径が30〜1000μmのものを主体とするゲル化剤が得られる。
(v)中和度を規定量内で行う。
さらに本発明のゲル化剤の粘度については、架橋重合体(A)2.0重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液の100重量部を均一撹拌混合して得られるゲル(GA)の1日放置後及び60日放置後の40℃での粘度が、いずれも好ましくは30〜300Pa・sであり、より好ましくは40〜300Pa・s、特に好ましくは50〜200Pa・s、最も好ましくは60〜100Pa・sである。粘度が30Pa・s以上であると、電池中での亜鉛粉末の沈降を殆ど防止でき、300Pa・s以下であると水酸化カリウム水溶液の取り扱い性が比較的容易である。
本発明のゲル化剤を添加した水酸化カリウム水溶液の粘度がいずれも所定の範囲となるゲル化剤を製造するための方法は、前記の(i)〜(v)に記載した方法が適用できる。
さらに本発明のゲル化剤の亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量については、使用する原料や前記生産設備に関しても十分に配慮を行うことより、ゲル化剤中の亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量を、ゲル化剤中に0〜15ppm(15×10-4重量%以下)、好ましくは0〜10ppm(10×10-4重量%以下)とすることができる。
ゲル化剤中の亜鉛のよりイオン化傾向の低い金属元素の含有量が15ppm以下であると、使用する電池の構造や容量、電池へのゲル化剤の添加量にもよるが、電池中で亜鉛粉末と混入した金属イオン又は金属粉末との間で電池を形成しにくく、電気分解により水素ガスが発生しにくく、電池内部の圧力が上昇せずアルカリ電解液の流出や電池の破損を引き起こす場合がないので好ましい。
本発明のゲル化剤の、37重量%水酸化カリウム水溶液中での可溶性成分量は、ゲル化剤の重量に基づいて、30重量%以下(0〜30重量%)が好ましく、20重量%以下がより好ましい。特に好ましくは15重量%以下である。
ゲル化剤の可溶性成分量が、30重量%以下であるとアルカリ水溶液の曳糸性のアップや長期的な粘度低下を起こさないので好ましい。
可溶性成分量を低下させるためには、ポリマーの平均重合度を大きくするか、架橋剤量を増大させれば良いが、架橋剤量を多くするとゲル化剤の吸収量が低下し、ゲル化剤を添加したアルカリ水溶液の粘度が低下する場合があるので、ポリマーの平均重合度を大きくさせた方が好ましい。
本発明のゲル化剤をアルカリ電解液のゲル化剤として適用できるアルカリ電池としては特に限定されず、通常のアルカリ電池、例えばLR−20(単1型アルカリ電池)、LR−6型(単3型アルカリ電池)はもとより、その他各種のアルカリ電池に適用できる。アルカリ電池は、通常、外装缶の中に正極剤、集電棒及びゲル負極が封入された構造を有し、正極剤とゲル負極とはセパレーター等により分離されている。
本発明のアルカリ電池の代表的な例の断面構造を図1に示した。図1において、1は正極端子板、2は収縮チューブ、3は正極剤(MnO2と炭素等からなる)、4は外装缶、5はセパレーター、6は集電棒、7はガスケット、8は負極端子板、9はゲル負極を示している。上述したように外装缶4の中に正極剤3、集電棒6及びゲル負極9が封入された構造を有し、正極剤3とゲル負極9とはセパレーター5で分離されている。
特に限定するものではないが、正極端子板1の材質としては、例えばニッケルメッキ鋼板等が挙げられる。収縮チューブ2の材質としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリエステル樹脂等の熱収縮性樹脂のチューブが挙げられる。正極剤3(MnO2+炭素等)の材質としては電解二酸化マンガン成分として天然二酸化マンガン又は電解二酸化マンガン、また、二酸化マンガンの代わりにオキシ水酸化ニッケル等、炭素成分としてはアセチレンブラック、更には、必要に応じてこれらに更にアルカリ電解液を添加したもの等が挙げられる。外装缶4の材質としては、例えばニッケルメッキ鋼板等が挙げられる。セパレーター5の材質としては、耐アルカリ性セルロース、ナイロン、ポリオレフィン、アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体、ポリビニルアルコール又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。集電棒6の材質としては、スズめっきした黄銅製の棒や鉄製の棒等が挙げられる。ガスケット7の材質としては、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。負極端子板8の材質としては、たとえばニッケルメッキ鋼板等が挙げられる。ゲル負極9は、アルカリ電解液(水酸化カリウム水溶液など)、亜鉛粉末(及び/又は亜鉛合金粉末)及び必要により他の添加剤に本発明のゲル化剤が添加されたものが用いられる。
本発明のゲル化剤のアルカリ電池への充填方法は、(a)本発明のゲル化剤、アルカリ電解液(例えば高濃度の水酸化カリウム水溶液、必要により酸化亜鉛などを含有する)、亜鉛粉末(及び/又は亜鉛合金粉末)及び必要により他の添加剤を事前混合し陰極物質の混合物を作成し、電池の陰極容器内にこれを充填してゲル状負極とする方法、(b)本発明のゲル化剤及び亜鉛粉末(及び/又は亜鉛合金粉末)及び必要により他の添加剤を電池の陰極容器内に充填した後、アルカリ電解液を充填し容器内でゲル状負極を生成する方法等を例示できるが、亜鉛粉末が電池の陰極容器内に均一に分散できるため(a)の方法が好ましい。
ゲル化剤の添加量は、陰極容器の構造、亜鉛粉末の粒径、及びアルカリ電解液の濃度によっても種々異なるが、アルカリ電解液に対して、0.5〜10重量%が好ましく、1.0〜5.0重量%がより好ましい。添加量が、0.5〜10重量%であると、アルカリ電解液の粘度が適度となり、亜鉛粉末の沈降を防止でき取り扱い性も容易である。
本発明のゲル化剤は架橋重合体(A)以外に陰極物質の混合物の充填時の流動性の改善等を目的として、作業性や電池特性に問題が起こらない範囲で、必要により他の添加剤を含んでも良い。
他の添加剤としては、他のゲル化剤、耐振動衝撃性向上剤等が挙げられる。
他のゲル化剤としては、例えば、CMC(カルボキシメチルセルロース)、天然ガム(グァーガム等)、架橋されていないポリ(メタ)アクリル酸(塩)、微架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)、本発明のゲル化剤の微粉末、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、などを例示することができる。これらの中で、微粉末状の微架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)、本発明のゲル化剤の微粉等は、樹脂自体の曳糸性が比較的小さく、かつ陰極容器への負極ゲル充填時の流動性を与えられるので好ましい。
これら必要により添加する増粘剤の粒子径は特に限定されないが、乾燥物の重量平均粒子径で0.1〜100μm、更には0.1〜50μmであると好ましい。この範囲であると他の添加剤の添加により陰極物質混合物の若干曳糸性が増大しても、アルカリ下で膨潤した粒子が小さく、かつ陰極物質混合物の電池あたりの充填量にはさほど影響を与えないので好ましい。
耐振動衝撃性向上剤としては、インジウム、スズ及びビスマスからなる群から選ばれる金属元素の酸化物、水酸化物及び硫化物等が使用できる。
他の添加剤を含有する場合の含有量は、アルカリ電解液に対して、0〜5.0重量%が好ましく、0〜3.0重量%が更に好ましい。
他のゲル化剤の添加方法は、本発明のゲル化剤と他のゲル化剤とを事前にドライブレンドした後亜鉛粉末及びアルカリ電解液等の他の陰極物質とブレンドする方法、陰極物質の混合物作成時に本発明のゲル化剤とは別に添加し混合する方法、アルカリ電解液と他のゲル化剤混合した後、本発明のゲル化剤及び亜鉛粉末とを混合する方法等;を例示することができるが、必要により所定量の他のゲル化剤を添加できる方法であればいずれでも良い。
上記の通り、水溶液重合又は逆相懸濁重合で重合した架橋重合体(A)は、(i)アルカリ水溶液中で攪拌等を行っても、ゲルの破壊等が起こりにくいゲルを作成できる。従って、アルカリ電池用ゲル化剤として用いると、亜鉛粉末はアルカリ電解液で膨潤したゲルの周囲に均一に付着し、電池としての放電特性や寿命を向上させる。また亜鉛粉末が周囲に均質に付着した膨潤ゲルは、実質上の亜鉛粉末濃度がアップし亜鉛粉末同士の接触頻度がアップするため、放電特性や寿命を向上させるばかりか、電池内で架橋重合体(A)が均一に充填されるため、ゲルが流動しにくいので衝撃を受けた時にも、電圧や短絡電流の低下を防止することができる。(ii)重合温度のコントロールやマイルドな条件で重合ができ、且つ連鎖移動定数が低い水を溶媒とするためポリマーの平均重合度アップやオリゴマー成分の低減が行える。従って、電池用のゲル化剤として使用した場合、高濃度アルカリ水溶液の粘度の安定化と曳糸性を同時に満足できるため、曳糸性低減によるアルカリ電解液の電池高速充填時の作業性の向上、かつ電解液ゲルを均一に電池へ充填できるため、電池特性の向上を同時に満足できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、超純水は電気伝導率0.06μS/cm以下の水、イオン交換水は電気伝導率1.0μS/cm以下の水を示す。
以下、実施例で用いた試験法を示す。
(i)架橋重合体(A)の重量平均粒子径
架橋重合体(A)のJIS Z8815−1994(6.1乾式ふるい分け試験)に準拠して測定する。JIS Z8801−1:2000に準拠して作成された、目開き1μm、5μm、25μm、53μm、106μm、150μm、300μm、500μm及び710μmのフルイ(枠の径200mm、深さ45mm)を目開きの大きいものが上になるように順に重ねて、架橋重合体(A)をふるい分けた。
架橋重合体(A)の重量平均粒子径は、JIS Z8819−2:2001(ISO/FDIS9276−2:1999に対応している) 5.2記載の式(12)重みつき平均粒子径の個数平均径に準拠して計算した値である。
(ii)37%水酸化カリウム水溶液中に攪拌した後の架橋重合体(A)の膨潤粒子(BA)の粒子径及び含有量:
<膨潤粒子(BA)の作成>
500mlのビーカーに、架橋重合体(A)2g、37%水酸化カリウム水溶液300g及び回転子(長さ4cm)を入れ、マグネティックスターラーを用いて、600rpmの速度で25℃で3時間攪拌して均一混合し、膨潤粒子(BA)を得た。
<膨潤粒子(BA)中の粒子径32〜1,000μmの膨潤粒子含有量>
JIS Z8801−1:2000に準拠して作成された、400メッシュ(スクリーン目開き:32μm)のフルイを下に、16メッシュ(スクリーン目開き:1000μm)のフルイを上になるように重ねて配置した直径20cmのフルイの上に、膨潤粒子(BA)を注ぎ、さらに40%水酸化カリウム水溶液で数回洗浄した。フルイをそのまま30分間放置して水切りした後、スクリーンに付着した水酸化カリウム水溶液をふき取り、400メッシュのフルイの上部に残った膨潤粒子の重量を測定し、下式により膨潤粒子(BA)中の32〜1000μmの膨潤粒子含有量(%)を測定した。
32〜1,000μmの膨潤粒子含有量(%)=100×[目開き32μmのフルイ上の膨潤粒子の重量(g)]/[2×架橋重合体(A)の吸収量(g/g)]
<膨潤粒子(BA)中の粒子径45〜850μmの膨潤粒子含有量>
目開き32μmのフルイの代わりに目開き45μmのフルイを使用し、目開き1000μmのフルイの代わりに目開き850μmのフルイを使用した以外は同様にして、膨潤粒子(BA)中の45〜850μmの膨潤粒子含有量(%)を測定した。
45〜850μmのゲルの含有量(%)=100×[目開き45μmのフルイ上の膨潤粒子の重量(g)]/[2×架橋重合体(A)の吸収量(g/g)]
(iii)37%水酸化カリウム水溶液に対する架橋重合体(A)の吸収量(ティーバッグ法):
試料が架橋重合体(A)2.0g、ナイロンスクリーンからなるティーバッグのナイロンスクリーン目開きが32μm(400メッシュ)、試験液が37%水酸化カリウム(試薬特級)水溶液、浸せき時間が1時間、水切り時間が30分間の条件でJIS K7223−1996に準拠し、下式により吸収量を測定した。
吸収量(g/g)={(試料を入れたティーバッグの浸せき、水切り後の重量)−(試料を入れないティーバッグの浸せき、水切り後の重量の平均値)}/2
(iv)ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):
<ゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃、N1)>
予め、架橋重合体(A)2gと亜鉛粉末200gをナウターミキサーにて混合し、200mlの蓋付きの透明なプラスチック容器に投入後、さらに37%水酸化カリウム水溶液100gを、内容物がままこにならないように徐々に投入しながら攪拌した。1時間後、内容物が均一にゲル化(あるいは増粘)してゲル(GA)となったのを確認した後、ゲル(GA)を蓋で密閉して40℃の恒温機の中で1日放置した。デジタルB型粘度計(TOKIMEC社製)を用いてゲル(GA)の粘度をJIS7117−1:1999に準拠して測定し、ゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃、N1)とした。(測定温度:40℃、ローターNo.4、回転数:3rpm)
<ゲル(GA)の60日放置後の粘度(40℃、N60)>
ゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃、N1)の測定が終わったサンプルを密閉し、40℃の恒温機の中でさらに59日放置した。粘度(40℃、N1)と同様の条件でゲル(GA)の粘度を測定し、ゲル(GA)の60日放置後の粘度(40℃、N60)とした。
<ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)>
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)は、次式により求めた。
粘度比(N1/N60)={1日放置後の粘度(40℃、N1)}/{60日放置後の粘度(40℃、N60)}
(v)亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量:
湿式灰化装置(マイルストーン社製:MLS−1200MEGA)に付属のテフロン(登録商標)分解容器の中にゲル化剤0.5g、塩酸3ml、硝酸4mlを入れて密閉し、湿式灰化装置にこのテフロン(登録商標)容器をセットして湿式灰化装置を稼働させ、試料を完全に分解した。分解した試料に超純水を加えて、トータルで液量を9gとし、誘導結合高周波プラズマ分光分析(ICP)により鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、銅(Cu)及び銀(Ag)の金属元素に関して含有量を測定した。別途、標準液を用いて上記金属元素の検量線を作成し、検量線を用いて、各金属の含有量を求めた。
金属元素含有量(重量%)={ゲル化剤中の金属元素(Fe、Ni、Cr、Sn、Pb、Cu及びAg)のトータル量(g)×9}/0.5(g)
なお、上記式において、0.5(g)はゲル化剤重量を示している。
(vi)37%水酸化カリウム水溶液中での可溶性成分量:
500mlのビーカーにゲル化剤1.0gと37%水酸化カリウム水溶液200gを入れ、マグネティックスターラーを用いて300rpmで3時間攪拌した。攪拌した溶液を濾紙(東洋濾紙株式会社製、No.2タイプ)で濾過し、濾液を採取した。濾液20gにイオン交換水30gを加え、10%硫酸水溶液を添加してpHを7.0に調整し試料溶液とした。これとは別に、濾液の調整に使用した37%水酸化カリウム水溶液20gにイオン交換水30gを添加し、さらに10%硫酸水溶液を添加してpHを7.0に調整しブランク溶液を作成した。
自動滴定装置(三菱化学社製、GT−05タイプ)を用いて、試料溶液に0.01Nの水酸化カリウム水溶液を滴下し、試料溶液のpHが10.0まで一旦調整した後、更に試料溶液に0.01Nの塩酸水溶液を滴下し、試料溶液のpHが2.7になるまでに要した0.01Nの塩酸水溶液の滴下量{ml(Va)}を測定した。
同様な操作をブランク溶液に関しても行い、ブランク溶液の塩酸水溶液滴下量{ml(Vb)}を測定した。
上記のいずれの操作も25℃で行った。
架橋重合体(A)の構成単量体がアクリル酸のみからなるからなる場合、式−1、−2、−3により、ゲル化剤中の水酸化カリウム水溶液中での可溶性成分量(%)を算出した。
M=(Va−Vb)×N (式−1)
M:試料溶液中のアクリル酸カリウム量(mmol)
N:塩酸水溶液の規定度
W=M×E×D (式−2)
W:試料中のアクリル酸カリウム重量
E:110(アクリル酸カリウム分子量)
D:希釈倍率(200/20)
可溶性成分量(%)=W(g)×100/1(g) (式−3)
上記、式−3において、1(g)はサンプル重量を示している。
また、架橋重合体(A)の構成単量体がメタクリル酸のみからなる場合、上記Eを124(メタクリル酸カリウムの分子量)とする。アクリル酸とメタクリル酸を共重合した場合、及び(メタ)アクリル酸以外のモノマーを共重合した重合体に関しては、単位分子量あたりのカルボン酸量を計算し補正する(共重合した重量比分が可溶性成分中に同重量比存在すると仮定して、可溶性成分量を計算する)。
実施例1
2リットルのビーカーに、アクリル酸200g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製)0.6g(0.3重量%/アクリル酸)、トリメチロールプロパントリアクリレート0.6g(0.3重量%/アクリル酸)及びイオン交換水800gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、8℃に冷却した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、0.1%過酸化水素水4.0g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液4.0g及び10%2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−50)水溶液1.0gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素パージを継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素のパージを停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、63℃であった。
尚、上記重合を上記二種の架橋剤を除いた以外は同じ条件で重合したポリマーの平均重合度をGPCを用いて測定したところ、ポリマーの平均重合度は約28,000であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、40%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液222g(中和度80モル%)を加え含水ゲルを中和した。
中和した含水ゲルを、目開き850μmのSUS製のスクリ−ンの上に、厚さ5cmで積層し、小型透気乾燥機(井上金属株式会社製)を用いて120℃の熱風を1時間含水ゲルに透気させて、含水ゲルを乾燥した。
乾燥物をクッキングミキサーを用いて粉砕し、フルイを用いて32〜500μm(400メッシュ〜30メッシュ)の粒径のものを採取し、本発明のゲル化剤(1)を得た。
ゲル化剤(1)に関して、重量平均粒子径、金属元素の含有量、37%水酸化カリウム水溶液に対する吸収量、ゲル(G/A)の一日後の粘度(40℃、N1)、60日後の粘度(40℃、N60)、粘度比(N1/N60)、膨潤粒子(BA)の粒子径(32〜1000μmの含有量、45〜850μmの含有量)、及び37%水酸化カリウム水溶液中での可溶性成分量を測定した。
また、実施例2〜13、比較例1〜8についても同様な測定を行った。その結果を表1及び表2に示す。
実施例2
実施例1において、トリメチロールプロパントリアクリレートに替えてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成株式会社製、商品名:デナコール810)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のゲル化剤(2)を得た。
実施例3
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.2g(0.1%/アクリル酸)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のゲル化剤(3)を得た。
実施例4
1リットルのビーカーにアクリル酸100g、イオン交換水272.2g及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.2g(0.2重量%/アクリル酸)を入れ混合し架橋剤を溶解させた。ビーカーを氷浴で冷却しながら、40%水酸化ナトリウム水溶液100gを添加し、アクリル酸の一部(72モル%)を中和した。中和したモノマー溶液を5℃に冷却した後、重合開始剤として過硫酸カリウム0.2gを添加してモノマー水溶液とした。
攪拌機とコンデンサー(冷却器)を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、シクロヘキサン1000ml及び分散剤としてスチレンスルホン酸ナトリウム/スチレンブロック共重合体10gを、湯浴を用いて内容物を60℃に加熱し攪拌して、シクロヘキサンに分散剤を溶解させた。
セパラブルフラスコ中のシクロヘキサン液中に窒素を通じてシクロヘキサンの溶存酸素を0.1ppm以下とした後、攪拌機を用いてシクロヘキサンを攪拌しながら、滴下ロートを用いて該モノマー水溶液400g及び0.5%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液80g(0.4重量%/アクリル酸)を滴下し、重合温度60℃で逆相懸濁重合を行い、更にモノマー水溶液の滴下終了後、更に2時間加熱し、懸濁重合を完結させ、シクロヘキサン中で球状の含水ゲルを得た。
攪拌機の回転を停止し、生成した含水ゲルを沈降させた後、デカンテーションによりシクロヘキサンを除去し、残った含水ゲルを数回シクロヘキサンで洗浄し、含水ゲルに付着した分散剤を除去した。
得られた球状の含水ゲルを、離型紙の上に広げ、80℃の減圧乾燥機(減圧度:10,000〜20,000Pa)で2時間乾燥させた。乾燥物の粒径を測定したところ、45〜850μmの含有量が92%であったので、そのまま本発明のゲル化剤(4)とした。
なお、本発明において、減圧度と、実際の圧力の関係は次の様である。
実際の圧力=常圧(1.013×105Pa)−減圧度
実施例5
実施例1で得られた本発明のゲル化剤85gと市販の沈殿重合で得られた微架橋型ポリアクリル酸微粉末(日本純薬社製、商品名:ジュンロン PW−150)15gを粉末ブレンドし本発明のゲル化剤(5)を得た。
実施例6
実施例1において、フルイ機を用いて、500μm以上の粒径のものを採取し、本発明のゲル化剤(6)とした。
実施例7
実施例1において、フルイ機を用いて、32μm以下の粒径のものを採取し、本発明のゲル化剤(7)とした。
実施例8
実施例1において、トリメチロールプロパントリアクリレートを用いない以外は、実施例1と同様にして、本発明のゲル化剤(8)を得た。
実施例9
実施例1において、乾燥方法を下記の方法に替える以外は、実施例1と同様にして、本発明のゲル化剤(9)を得た。
(乾燥方法)
160℃に加熱した鉄とクロムの合金からなるドラムドライヤー(楠木機械株式会社製)と、ドラムドライヤー付属のテフロン(登録商標)製の加圧ロールの間(クリアランス0.5mm)に細分化した含水ゲルを入れ、含水ゲルを0.5mmの膜厚でドラムドライヤー上に圧延して3分間乾燥した。乾燥後、ドラムドライヤー付属のナイフ(SUS製)をドラムドライヤーに接触させて、乾燥したフィルムをドラムドライヤーから剥離させた。フィルムの膜厚を、膜厚計で測定したところ厚みは約0.2mmであった。
乾燥したフィルムをクッキングミキサーを用いて粉砕し、フルイ機を用いて3〜500μmのものを採取する。
実施例10
実施例1において、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.06g(0.03%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして本発明のゲル化剤(10)を得た。
実施例11
実施例1において、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を8.0g(4.0%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして本発明のゲル化剤(11)を得た。
実施例12
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.2g、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.35gとする以外は、実施例1と同様にして本発明のゲル化剤(12)を得た。
実施例13
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.8g、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量を0.4gとする以外は、実施例1と同様にして本発明のゲル化剤(13)を得た。
比較例1
市販のカルボキシメチルセルロース(CMC2450、ダイセル化学工業株式会社製)を比較用のゲル化剤(H1)とした。
比較例2
市販の微架橋型ポリアクリル酸微粉末(カーボポール941、BFグットリッチカンパニー社製、平均粒径約20μm)を比較用のゲル化剤(H2)とした。
比較例3
市販の沈殿重合法による微架橋型ポリアクリル酸の微粉末(ジュンロンPW−150、日本純薬株式会製、平均粒径約20μm)20gにメタノール水溶液{メタノール/水=70/30(重量比)の混合物)}20gを添加し攪拌して造粒した。造粒したもの循風乾燥機で100℃で乾燥した後、クッキングミキサーで軽く粉砕し、フルイ機を用いて粒径210〜850μmのものを採取し比較用のゲル化剤(H3)とした。
比較例4
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルを用いない以外は、実施例1と同様にして、比較用のゲル化剤(H4)を得た。
比較例5
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.06g(0.03%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H5)を得た。
比較例6
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を8.0g(4.0%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H6)を得た。
比較例7
実施例1において、添加した重合開始剤(過酸化水素、アスコルビン酸、V−50)の添加量を10倍とし、イオン交換水のかわりに20%のエタノール水溶液{エタノール/水=20/80(重量比)}とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較のゲル化剤(H7)を得た。
尚、架橋剤であるペンタエリルリトールトリアリルエーテルおよびトリメチロールプロパントリアクリレートを除いて重合したポリマーの平均重合度をGPCを用いて測定したところ、ポリマーの平均重合度は約1,700であった。
比較例8
実施例1に使用した二種の架橋剤を用いずに、実施例1と同じ操作を行い比較のゲル化剤(H8)を得た。
実施例1〜13で作成したゲル化剤(1)〜(13)及び比較例1〜8で作成した(H1)〜(H8)のゲル化剤とアルカリ電解液を用いて、亜鉛粉末(UNION MINIERES.A.製、品名:004F(2)/68)の沈降性、注入時間及び注入量のバラツキ、水素ガスの発生量、モデル電池の持続時間及び耐衝撃性を下記の方法で測定した。
その結果を表3及び表4に示す。
(亜鉛粉末の沈降性)
容量1リットルの2軸のニーダー(入江商会社製、品名:PNV−1)に37%水酸化カリウム水溶液150gと平均粒径120μmの亜鉛粉末300g、ゲル化剤2.5gおよび増粘剤(商品名:ジュンロンPW−150)0.5gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。
作成した負極ゲル50gを、密閉可能な容量50mlのサンプル瓶(直径34mm、高さ77mm、ポリプロピレン製)に入れ、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
サンプル瓶を密閉し、40℃の恒温槽で30日間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)付属の装置を用いて、サンプル瓶を3cmの高さから30回/minの割合で300回タッピングして、亜鉛粉末の沈降を促進させた。タッピングを終了した後、亜鉛粉末の初期の位置(サンプル瓶中の負極ゲルの上端部の位置)から亜鉛粉末の最も沈降した距離(mm)を測定し、これを亜鉛粉末の沈降性(mm)とした。
(注入時間及び注入量のバラツキ)
容量1リットルの2軸のニーダーに37%水酸化カリウム水溶液150g、平均粒子径120μmの亜鉛粉末300g、ゲル化剤2.5gおよび増粘剤(商品名:ジュンロンPW−150)0.5gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。作成した負極ゲルをビーカーに移し、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
脱泡したゲル状の水酸化カリウム水溶液を、注入口が2mmの内径を有し、かつ0.1ml単位の目盛りを有する20mlの注射器内部に吸引した。
5mlのサンプル瓶(内径18mm、高さ40mm)の口の高さから、注射器を2.0ml分圧縮してゲル状の水酸化カリウム水溶液をサンプル瓶注入し、注射器の圧縮を終了した時点から、注射器注入口からゲル状の水酸化カリウム水溶液が完全に分離した時点までの時間(秒)をストップウオッチで測定した。同様な操作を計20回繰り返してその平均値を注入時間(秒)とした。
サンプル瓶に注入された水酸化カリウム水溶液の重量(20回)を測定し、注入量の標準偏差(σ)を算出して、注入量のバラツキとした。
(水素ガス発生量)
50mlのサンプル瓶(直径34mm、高さの77mm、ポリプロピレン製)に37%水酸化カリウム水溶液15gと平均粒径120μmの亜鉛粉末30g、ゲル化剤0.25gおよび増粘剤(商品名:ジュンロンPW−150)0.05gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合した。
サンプル瓶に蓋(ガス検知管が挿入可能な直径約3mmの穴をあけ、その部分をシールテープで塞いだもの)して内部を密閉した後、50℃の恒温槽に30日間入れた。
30日後にサンプル瓶を取り出し、予め開口しておいた蓋の穴に水素ガス検知管(北川式ガス検知管、光明理化学工業社製、水素ガス測定可能範囲:500〜8000ppm)をサンプル瓶の気相部に挿入して、気相中の水素ガス濃度を測定した。
(電池の持続時間)
容量1リットルの2軸のニーダーに、37%の水酸化カリウム水溶液150gと亜鉛粉末300g及びゲル化剤2.5g、増粘剤0.5gを添加し、50rpmで60分間混合し、負極ゲルを作成した。
減圧下で脱泡を行った後、この負極ゲル15gを、図1に示したLR−6型のモデル電池の負極容器内に注入しゲル負極9とし、モデル電池を作成した。なおここで、モデル電池のゲル負極9以外の各部位の構成材料としては、ニッケルメッキ鋼板、収縮チューブ2の材質としてはポリエチレン、正極剤3の材質としては電解二酸化マンガン50重量部、アセチレンブラック5重量部及び濃度37重量%水酸化カリウム水溶液1重量部からなる配合物、外装缶4の材質としては、ニッケルメッキ鋼板、セパレーター5の材質としては、ポリオレフィン、集電棒6の材質としては、スズめっきした黄銅製の棒、ガスケット7の材質としては、ポリオレフィン系樹脂、負極端子板8の材質としては、ニッケルメッキ鋼板を用いた。作成したモデル電池に、室温(20〜25℃)で2Ωの外部抵抗を接続して、連続放電し、電圧が0.9Vに低下するまでの時間を電池の持続時間(hour)とした。モデル電池作成後、60℃の恒温槽で60日間放置したモデル電池に関しても同様な操作を行い、電池の持続時間を測定した。
(電池の耐衝撃性)
上記と同様にして作成したモデル電池に、室温(20〜25℃)で2Ωの外部抵抗を接続して連続放電しながら、モデル電池を1mの高さから10回連続して落下させ、落下前の電圧と落下直後の電圧を測定し、下式により耐衝撃性(%)を算出した。
耐衝撃性(%)={落下(10回目)直後の電圧(V)/落下前の電圧(V)}×100
モデル電池作成後、60℃の恒温槽で60日間放置したモデル電池に関しても同様な操作を行い、耐衝撃性を求めた。
Figure 2006049306
Figure 2006049306
Figure 2006049306
Figure 2006049306
なお、表3の実施例6において、注入の際に使用した注射器において詰まりが生じたが、注入口が5mmの内径を有する注射器を使用した場合は、注入可能であった。
本発明のゲル化剤は、円筒状のアルカリ電池のみならず、アルカリボタン電池、酸化銀電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池等の一次及び二次アルカリ電池用のゲル化剤としても有用である。また、本発明のゲル化剤を用いたアルカリ電池は、耐衝撃性に優れ、放電特性の維持に優れたアルカリ電池として有用である。
本発明のアルカリ電池の一例を示す断面図である。
符号の説明
1.正極端子板
2.収縮チューブ
3.正極剤
4.外装缶
5.セパレーター
6.集電棒
7.ガスケット
8.負極端子板
9.ゲル負極


Claims (11)

  1. (メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.7〜1.3、及び37重量%水酸化カリウム水溶液への可溶性成分量が30重量%以下であるアルカリ電池用ゲル化剤。
    ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、架橋重合体(A)2重量部及び亜鉛粉末200重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、同温度でゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃,N1)及び60日放置後の粘度(40℃,N60)をJIS K7117−1:1999に準拠して測定した値から求める。
  2. ゲル(GA)の粘度(40℃,N1)が30〜300Pa・sである請求項1に記載のゲル化剤。
  3. 架橋重合体(A)が、次の要件を満たしてなる請求項1又は2に記載のゲル化剤。
    架橋重合体(A)2重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液300重量部を25℃で均一混合して得た膨潤粒子(BA)のうち、粒子径32〜1,000μmの膨潤粒子が膨潤粒子(BA)の全重量に対して少なくとも80重量%である
  4. ティーバッグ法による37重量%水酸化カリウム水溶液の1時間後の吸収量が、20〜60g/gである請求項1〜3の何れかに記載のゲル化剤。
  5. 架橋重合体(A)が、アルカリ性で加水分解し得る架橋剤(b)単位、及びアルカリ性で加水分解しない架橋剤(c)単位とを含んでなる請求項1〜4の何れかに記載のゲル化剤。
  6. 架橋重合体(A)が含有する、架橋剤(b)単位と架橋剤(c)単位との重量比(b/c)が、0.4〜2.5である請求項5に記載のゲル化剤。
  7. 架橋剤(b)が、エステル結合及び/若しくはアミド結合を有する化合物、又はエステル結合及び/若しくはアミド結合を形成し得る化合物である請求項5又は6に記載のゲル化剤。
  8. 架橋剤(c)が3〜10個のアリル基及び1〜5個の水酸基を有する請求項5〜7の何れかに記載のゲル化剤。
  9. 亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量が15×10-4重量%以下である請求項1〜8の何れかに記載のゲル化剤。
  10. アルカリ性下で分解する架橋剤(b)及びアリル基を2〜10個有するアリルエーテル型架橋剤(c)を併用した水溶液重合法若しくは逆相懸濁重合法により得られた、(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなる水膨潤性のゲル化剤であって、該(b)及び(c)のそれぞれの量が(メタ)アクリル酸及びそのアルカリ金属塩の重量に対して0.05〜3%であり且つ下記(1)(2)の要件を具備するアルカリ電池用ゲル化剤。
    要件(1);濃度37重量%水酸化カリウム水溶液中でゲル化剤を膨潤した際に、粒子径32〜1,000μmの膨潤粒子が80重量%以上存在すること
    要件(2);ティーバッグ法による1時間後の濃度37重量%水酸化カリウム水溶液の吸収量が、20〜60g/gであること
  11. 請求項1〜10の何れか記載のゲル化剤及び亜鉛粉末を含有してなるアルカリ電池。

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