JP2007294409A - アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アルカリ電池の亜鉛粉末長期安定性及び曳糸性の少ないアルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池を提供する。
【解決手段】
(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.40〜0.65、及び37重量%水酸化カリウム水溶液への可溶性成分量が30重量%以下であるアルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池。ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、架橋重合体(A)2重量部及び亜鉛粉末200重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、同温度でゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃,N1)及び60日放置後の粘度(40℃,N60)をJIS K7117−1:1999に準拠して測定した値から求める。
【選択図】図1
【解決手段】
(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.40〜0.65、及び37重量%水酸化カリウム水溶液への可溶性成分量が30重量%以下であるアルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池。ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部、架橋重合体(A)2重量部及び亜鉛粉末200重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、同温度でゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃,N1)及び60日放置後の粘度(40℃,N60)をJIS K7117−1:1999に準拠して測定した値から求める。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池に関する。更に詳しくは、アルカリ電解液と亜鉛粉末を主とするアルカリ電池の負極用のゲル化剤を使用するゲル状負極アルカリ電池用ゲル化剤及びそれを使用したアルカリ電池に関する。
従来からアルカリ電池の陰極には、高濃度のアルカリ電解液(高濃度の水酸化カリウム水溶液、必要により酸化亜鉛等を含有させたもの)と亜鉛粉末及び/又は亜鉛合金粉末等混合物が主として使用されており、アルカリ電解液中の亜鉛粉末等の沈降防止の目的で、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩類を架橋剤で不溶化した吸水性樹脂等をゲル化剤として使用したものが提案されている(特許文献1)。また、亜鉛粉末の沈降防止、電池からの液漏れ防止、電池の生産効率アップの観点から、比較的大きな粒子径でかつ、曳糸性を抑えたものも提案されている(特許文献2)。
特開平02−119053号公報
特開2000−306589号公報
しかしながら、これらのゲル化剤は、亜鉛粉末の長期分散安定性が不十分で、昨今の電池生産速度の高速化においては生産効率が必ずしも満足し得なかった。
本発明は亜鉛粉末の長期分散安定性に優れ、曳糸性が少なくいため電池生産速度の高速化に対応でき、電池特性に優れたアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明は亜鉛粉末の長期分散安定性に優れ、曳糸性が少なくいため電池生産速度の高速化に対応でき、電池特性に優れたアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明のアルカリ電池用ゲル化剤は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須構成単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.40〜0.65であるゲル化剤からなることを要旨とする。
なお、ここでいう「ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)」とは、「架橋重合体(A)2重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、これを40℃で24時間放置後にJIS K7117−1:1999に準拠して測定した40℃における粘度(40℃,N1)の60日放置後の40℃における粘度(40℃,N60)に対する比」と定義される。
なお、ここでいう「ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)」とは、「架橋重合体(A)2重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、これを40℃で24時間放置後にJIS K7117−1:1999に準拠して測定した40℃における粘度(40℃,N1)の60日放置後の40℃における粘度(40℃,N60)に対する比」と定義される。
本発明のゲル化剤並びにそれを使用したアルカリ電池は次のような効果を奏する。
(i)本発明のゲル化剤が添加されたアルカリ電解液は、液切れが良いため、昨今の電池生産速度の高速化によるアルカリ電解液の高速充填にも十分対応できる。
(ii)充填時の電池1個あたりの電解液の充填量のバラツキが少ないため、大量生産時
も均一な品質を有する電池を生産できる。
(iii)サイズが小さい電池に於いても、均一に且つ高速で負極ゲルを充填することができ
るため、均一な品質を有する電池を生産できる。
(i)本発明のゲル化剤が添加されたアルカリ電解液は、液切れが良いため、昨今の電池生産速度の高速化によるアルカリ電解液の高速充填にも十分対応できる。
(ii)充填時の電池1個あたりの電解液の充填量のバラツキが少ないため、大量生産時
も均一な品質を有する電池を生産できる。
(iii)サイズが小さい電池に於いても、均一に且つ高速で負極ゲルを充填することができ
るため、均一な品質を有する電池を生産できる。
本発明のアルカリ電池用ゲル化剤は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなり、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.40〜0.65のゲル化剤である。
ここで、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)とは、
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):架橋重合体(A)2重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、これを40℃で24時間放置後にJIS K7117−1:1999に準拠して測定した40℃における粘度(40℃,N1)の60日放置後の40℃における粘度(40℃,N60)に対する比を表す。
粘度比(N1/N60)=(40℃,N1)/(40℃,N60)
ここで、ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)とは、
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):架橋重合体(A)2重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、これを40℃で24時間放置後にJIS K7117−1:1999に準拠して測定した40℃における粘度(40℃,N1)の60日放置後の40℃における粘度(40℃,N60)に対する比を表す。
粘度比(N1/N60)=(40℃,N1)/(40℃,N60)
粘度比(N1/N60)は、通常0.40〜0.65であり、好ましくは0.45〜0.65、さらに好ましくは0.50〜0.60である。この範囲であると、電解液中の亜鉛粉末の長期分散安定性がさらに優れ、かつ曳糸性がさらに少ない。
本発明のゲル化剤は、ゲル(GA)の粘度(40℃,N1)が15〜100Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは25〜80Pa・s、特に好ましくは30〜70Pa・s、最も好ましくは35〜60Pa・sである。
15以上であると亜鉛粉末の長期分散安定性がさらに向上する。100Pa・s以下であると電解液の電池への高速充填性が優れる。
15以上であると亜鉛粉末の長期分散安定性がさらに向上する。100Pa・s以下であると電解液の電池への高速充填性が優れる。
実施例の欄で詳述しているティーバッグ法による37重量%水酸化カリウム水溶液の1時間後の吸収量が、20〜40g/gであることが好ましく、さらに好ましくは25〜40g/g、特に好ましくは30〜40g/gである。この範囲であると、電池の放電特性の向上及びゲル化剤を含むアルカリ電解液を電池に高速注入する際の、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなる。
本発明のゲル化剤は、ゲル(GA)の曳糸性が0〜20mmであることが好ましく、さらに好ましくは0〜15mmである。20mm以下であると電解液の電池への高速充填性が優れる。
ここで、ゲル(GA)は、架橋重合体(A)2重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部を40℃で均一撹拌混合して調製したものである。
本発明の「曳糸性」は、ゲル(GA)の糸引き性を測定するものであり、分子内の架橋、枝分かれの有無、分子量分布に関する指標として用いられる。
ここで、ゲル(GA)は、架橋重合体(A)2重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部を40℃で均一撹拌混合して調製したものである。
本発明の「曳糸性」は、ゲル(GA)の糸引き性を測定するものであり、分子内の架橋、枝分かれの有無、分子量分布に関する指標として用いられる。
この「曳糸性」は曳糸長測定器[協和界面科学(株)]などを用いて測定することがで
きるが、所定の大きさと形状のガラス玉を使用し、所定の引き上げ速度で曳糸長を測定することを条件に、測定器の種類は特に限定されない。
ここで所定の大きさと形状を有するガラス球とは、長軸11mm、短軸8mmの回転楕円体状のガラス玉部分に、直径2.5mm、長さ10mmの円柱状の結合部を一体でガラスで製作されたものである。図1でその形状を示す。
これを、その長軸に相当するゲルサンプルの液面下11mmまで浸漬し、一定の速度(16mm/秒)でゆっくり引き上げ、ガラス球からゲルサンプルの糸引きが完全に切れた時点でガラス玉の上昇を停止させ、ゲル上部面とゲルの糸引きが切れた点でのガラス玉の下端との距離(mm)を「曳糸長」として測定する。
きるが、所定の大きさと形状のガラス玉を使用し、所定の引き上げ速度で曳糸長を測定することを条件に、測定器の種類は特に限定されない。
ここで所定の大きさと形状を有するガラス球とは、長軸11mm、短軸8mmの回転楕円体状のガラス玉部分に、直径2.5mm、長さ10mmの円柱状の結合部を一体でガラスで製作されたものである。図1でその形状を示す。
これを、その長軸に相当するゲルサンプルの液面下11mmまで浸漬し、一定の速度(16mm/秒)でゆっくり引き上げ、ガラス球からゲルサンプルの糸引きが完全に切れた時点でガラス玉の上昇を停止させ、ゲル上部面とゲルの糸引きが切れた点でのガラス玉の下端との距離(mm)を「曳糸長」として測定する。
具体的な使用する測定装置と測定操作は、特許第3323468号公報や特開平11−290900などで知られる方法であり、さらに本明細書の実施例の前で詳述する。
本発明のゲル化剤は、ゲル(GB)の亜鉛粉末の沈降性が0〜10mmであることが好ましく、さらに好ましくは0〜8mm、特に好ましくは0〜5mmである。10mm以下であると電池特性が優れる。
ここで、ゲル(GB)の亜鉛粉末の沈降性とは、架橋重合体(A)2.5重量部、増粘剤0.5重量部、亜鉛粉末300重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液150重量部を均一撹拌混合してゲル(GB)を調製し、これを40℃30日間放置し、実施例に記載の亜鉛粉末沈降性試験後の亜鉛粉末の沈降した距離(mm)を表す。
ここで、ゲル(GB)の亜鉛粉末の沈降性とは、架橋重合体(A)2.5重量部、増粘剤0.5重量部、亜鉛粉末300重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液150重量部を均一撹拌混合してゲル(GB)を調製し、これを40℃30日間放置し、実施例に記載の亜鉛粉末沈降性試験後の亜鉛粉末の沈降した距離(mm)を表す。
また、本発明のアルカリ電池用ゲル化剤としては、アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)を含んでなる水溶液重合法若しくは逆相懸濁重合法により得られた、(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単量体単位とする架橋重合体(A)からなる水膨潤性のゲル化剤であって、該(a)の量が(メタ)アクリル酸及びそのアルカリ金属塩の重量に対して0.05〜3%であり、且つ下記の要件を具備するものも好ましい。
要件:ティーバッグ法による1時間後の濃度37重量%水酸化カリウム水溶液の吸収量が、20〜40g/gであること。
これは、電池の放電特性の向上及びゲル化剤を含むアルカリ電解液を電池に高速注入する際の、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りを小さくするために好適な要件である。
要件:ティーバッグ法による1時間後の濃度37重量%水酸化カリウム水溶液の吸収量が、20〜40g/gであること。
これは、電池の放電特性の向上及びゲル化剤を含むアルカリ電解液を電池に高速注入する際の、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りを小さくするために好適な要件である。
本発明における架橋重合体(A)は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須構成単量体として、架橋剤の存在下、重合を行うことにより得られる。
本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「・・・酸(塩)」とは「・・・酸」及び/又は「・・・酸塩」を意味する。塩としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が含まれる。アクリル酸又はメタクリル酸を中和することで塩にすることができる。
本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「・・・酸(塩)」とは「・・・酸」及び/又は「・・・酸塩」を意味する。塩としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が含まれる。アクリル酸又はメタクリル酸を中和することで塩にすることができる。
本発明のゲル化剤は、高濃度のアルカリ水溶液中で使用されるため、架橋重合体(A)に含まれる(メタ)アクリル酸(塩)単位は未中和体{(メタ)アクリル酸単位}であっても、中和体{(メタ)アクリル酸塩単位}であっても差し支えないが、架橋重合体(A)の粘着性低減や分散性改良、架橋重合体(A)を製造する上での作業性の改良等の目的で、(メタ)アクリル酸単位の一部あるいは全てを中和して(メタ)アクリル酸塩単位とするのが好ましい。
必要により(メタ)アクリル酸単位の中和を行う場合は、通常、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属又はその水溶液を重合前のモノマー段階、あるいは重合後の含水ゲルに添加すれば良い。
後述するアルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)は、架橋剤の水溶性が乏しいため、(メタ)アクリル酸の中和度が高い状態で重合すると、所定量の架橋剤(a)を添加しても架橋剤(a)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えず、規定の物性の架橋重合体(A)が得られない場合があり、(メタ)アクリル酸の中和度を0〜30モル%としておいて、架橋剤(a)も含有させて重合を行った後、必要により含水ゲルに水酸化アルカリ金属を添加して中和度を調整する方がより好ましい。
後述するアルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)は、架橋剤の水溶性が乏しいため、(メタ)アクリル酸の中和度が高い状態で重合すると、所定量の架橋剤(a)を添加しても架橋剤(a)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えず、規定の物性の架橋重合体(A)が得られない場合があり、(メタ)アクリル酸の中和度を0〜30モル%としておいて、架橋剤(a)も含有させて重合を行った後、必要により含水ゲルに水酸化アルカリ金属を添加して中和度を調整する方がより好ましい。
本発明における架橋重合体(A)の(メタ)アクリル酸(塩)単位の最終的な中和度{(
メタ)アクリル酸単位及び(メタ)アクリル酸塩単位の合計モル数に基づく、アクリル酸
塩単位の含有量(モル%)}は、30〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜90がより好ましい。この範囲であると、亜鉛粉末の長期分散安定性がさらによくなる。
メタ)アクリル酸単位及び(メタ)アクリル酸塩単位の合計モル数に基づく、アクリル酸
塩単位の含有量(モル%)}は、30〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜90がより好ましい。この範囲であると、亜鉛粉末の長期分散安定性がさらによくなる。
架橋重合体(A)は、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とする単量体を重合して得ることができるが、必要により、これと共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。
他のモノエチレン性不飽和単量体は、共重合可能なものであれば特に限定はないが、水溶性のものが好ましく、さらに好ましくは水溶性のエチレン性不飽和単量体が好ましい。
水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)及びイタコン酸(塩)等のカルボン酸(塩)単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、スルホアルキル(メタ)アクリレート及び4-ビニルベンゼンスルホン酸(塩)等のスルホン酸(塩)単量体;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜3)置換(メタ)アクリルアミド[N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド等]及びN−ビニルアセトアミド等のアミド単量体;モノヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)モノ(メタ)アクリレート等のアルコール単量体;ポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート等のエーテル単量体;アルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレート及び酢酸ビニル等のエステル単量体等を例示することができる。
これらのエチレン性不飽和単量体は、2種以上を併用しても良い。
他のモノエチレン性不飽和単量体は、共重合可能なものであれば特に限定はないが、水溶性のものが好ましく、さらに好ましくは水溶性のエチレン性不飽和単量体が好ましい。
水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)及びイタコン酸(塩)等のカルボン酸(塩)単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、スルホアルキル(メタ)アクリレート及び4-ビニルベンゼンスルホン酸(塩)等のスルホン酸(塩)単量体;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜3)置換(メタ)アクリルアミド[N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド等]及びN−ビニルアセトアミド等のアミド単量体;モノヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)モノ(メタ)アクリレート等のアルコール単量体;ポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート等のエーテル単量体;アルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレート及び酢酸ビニル等のエステル単量体等を例示することができる。
これらのエチレン性不飽和単量体は、2種以上を併用しても良い。
これら(メタ)アクリル酸(塩)以外のエチレン性不飽和単量体単位の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜40、特に好ましくは0〜30である。この範囲であると、亜鉛粉末の長期分散安定性がさらに優れる。
架橋重合体(A)は、通常、架橋剤を用いて架橋する。架橋剤としては、重合体の製造に通常使用されるものであれば特に限定されないが、アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)が好ましい。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)を使用することにより、ゲル化剤の粘度安定性がさらに向上し、アルカリ電解液の離漿を防止することできる。さらに電池へ充填する際に均一に注入する事ができ、電池1個あたりの電解液の注入量の偏りも小さくなるので好ましい。なお、ここでアルカリ電解液の離漿とは、ゲル化剤とアルカリ電解液とのほぼ均一な混合状態を保持できず、ゲル化剤とアルカリ電解液とが分離してしまう現象である。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)は、加水分解性結合、例えばエステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基などを分子内に有さず、また、架橋反応により加水分解性結合を生成しない。
このような架橋剤(a)としては、2個以上のビニルエーテル結合を有する架橋剤(a1)及び2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(a2)等が挙げられる。好ましくは、反応性等の観点から、2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤である。
このような架橋剤(a)としては、2個以上のビニルエーテル結合を有する架橋剤(a1)及び2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(a2)等が挙げられる。好ましくは、反応性等の観点から、2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤である。
2個以上のビニルエーテル結合を有する架橋剤(a1)としては、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、ポリエチ
レングリコールジビニルエーテル(重合度2〜5)、ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ソルビトールトリビニルエーテル及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリビニルエーテル等が挙げられる。
レングリコールジビニルエーテル(重合度2〜5)、ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ソルビトールトリビニルエーテル及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリビニルエーテル等が挙げられる。
2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(a2)としては、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を含まない架橋剤(a21)、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(a22)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(a23)、分子内にアリル基が3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(a24)等が挙げられる。分子内に水酸基を含むと、(メタ)アクリル酸(塩)との相溶性が良く、架橋の均一性がアップしてゲル化剤の安定性が向上し、ゲル化剤を含むアルカリ電解液の粘度の長期安定性がさらに優れる。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を含まない架橋剤(a21)としては、ジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、アルキレン(炭素数2〜5)グリコールジアリルエーテル、及びポリエチレングリコール(重量平均分子量:100〜4000)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(a22)としては、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル及びペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(a23)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
分子内にアリル基が3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(a24)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)は2種以上を併用してもよい。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(a22)としては、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル及びペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(a23)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
分子内にアリル基が3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(a24)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)は2種以上を併用してもよい。
これらの架橋剤(a)のうち、好ましくは、2個以上のアリルエーテル結合を有する架橋剤(a2)、さらに好ましくは水酸基1〜5個及びアリル基を2〜10個有する架橋剤{(a22)及び(a24)}、特に好ましくはアリル基が3〜10個で且つ水酸基を1〜3個有する架橋剤(a24)、最も好ましくはアリル基が3〜5個で且つ水酸基を1〜3個有する架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル等)(a25)である。これらの架橋剤を用いると、(メタ)アクリル酸(塩)との相溶性が良く、またアリル基の数が多いためアリル基特有の共重合性の低さをカバーでき効率的な架橋が行えるので好ましい。
架橋重合体(A)が、架橋剤(a)単位を含有する場合、架橋剤(a)単位の含有量(重量%)は、架橋剤(a)の種類にもよるが、架橋重合体(A)の重量に対して通常0.35〜3、好ましくは0.4〜1である。この範囲であると、ゲル化剤を含むアルカリ電解液の電池への充填性がさらに優れる。
次に、本発明のゲル化剤の製造方法について説明する。
架橋重合体(A)を得るための重合方法としては公知の重合方法が適用でき、たとえば、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、逆相懸濁重合又は乳化重合のいずれでもよい。
これらの重合方法のうち、溶液重合、懸濁重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が好ましく、さらに好ましくは溶液重合、逆相懸濁重合及び乳化重合、特に好ましくは溶液重合及び逆相懸濁重合である。これらの重合には、公知の重合開始剤、連鎖移動剤及び/又は溶媒等が使用できる。
架橋重合体(A)を得るための重合方法としては公知の重合方法が適用でき、たとえば、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、逆相懸濁重合又は乳化重合のいずれでもよい。
これらの重合方法のうち、溶液重合、懸濁重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が好ましく、さらに好ましくは溶液重合、逆相懸濁重合及び乳化重合、特に好ましくは溶液重合及び逆相懸濁重合である。これらの重合には、公知の重合開始剤、連鎖移動剤及び/又は溶媒等が使用できる。
最も好ましくは、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に架橋剤(a)を添加溶解し重合する水溶液重合法、及び分散剤の存在下、疎水性有機溶媒(例えばヘキサン、トルエン、キシレン等)中に同様なモノマー水溶液を分散・懸濁して重合するいわゆる逆相懸濁重合法である。これらの重合方法であると、放電特性及び耐衝撃性に優れたゲル化剤を得ることができる。
(メタ)アクリル酸(塩)を水溶液重合法又は逆相懸濁重合法で重合する方法は、通常の方法で良く、例えばラジカル重合開始剤を用いて重合する方法、放射線、紫外線、電子線等を照射する方法があげられる。
(メタ)アクリル酸(塩)を水溶液重合法又は逆相懸濁重合法で重合する方法は、通常の方法で良く、例えばラジカル重合開始剤を用いて重合する方法、放射線、紫外線、電子線等を照射する方法があげられる。
ラジカル重合開始剤を用いる場合、この開始剤としては、アゾ化合物[アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過
酸化物[過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等]、レドックス開始剤[アルカリ金属塩の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、L−アスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の過酸化物の組み合わせ]等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
酸化物[過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等]、レドックス開始剤[アルカリ金属塩の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、L−アスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の過酸化物の組み合わせ]等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
重合温度は使用する開始剤の種類等によっても異なるが、好ましくは−10℃〜100℃、より好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)の重合度をアップするために−10℃〜80℃である。
開始剤の量に関しても、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸(塩)の合計重量に対して、ポリマーの重合度をアップするために好ましくは0.000001〜3.0%、更に好ましくは0.000001〜0.5%である。
水溶液重合の場合、単量体の重合濃度(重量%)は、他の重合条件によっても種々異なるが、(メタ)アクリル酸(塩)は、重合濃度を高くすると重合反応と並行してモノマー自体の疑似架橋(自己架橋)が起こり易く、吸収量の低下やポリマーの平均重合度の低下を招くこと、また重合時の温度コントロールも行いづらくポリマーの平均重合度の低下やオリゴマー成分の増加を招きやすいので、重合濃度は、10〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
また、重合温度に関しては−10〜100℃が好ましく、−10〜80℃がより好ましい。重合時の溶存酸素量に関しては、ラジカル開始剤の添加量等にもよるが、0〜2ppm(2×10-4重量%以下)が好ましく、0〜0.5ppm(0.5×10-4重量%以下)がより好ましい。これらの範囲であると、高重合度の架橋重合体(A)を製造することができる。
重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、所定量の(a)がモノマー水溶液に完全に溶解できるのであれば特に限定はないが、(a)は水溶性が乏しく、また特に(メタ)アクリル酸(塩)水溶液に対する溶解度は極めて低く所定量の(a)を添加しても(a)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えない場合があるので、重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、0〜30モル%重合を行ない必要により重合後に更に中和するのが好ましく、未中和の状態で重合した後必要により重合後に中和するのがより好ましい。
また、(メタ)アクリル酸は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
また、(メタ)アクリル酸は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
逆相懸濁重合法に関しては、ヘキサン、トルエン、キシレン等に代表される疎水性有機溶媒中で(メタ)アクリル酸(塩)の水溶液を、分散剤の存在下、懸濁・分散して重合する重合法であるが、この重合法においても、上記同様モノマー水溶液中のモノマー濃度は10〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。この範囲であると、高重合度の架橋重合体(A)を製造することができる。
尚、この逆相懸濁重合法に関しては、重合時に分散剤を使用してもよい。
分散剤としては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が3〜8のソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリンモノステアリン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル類及びショ糖ジステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル類等の界面活性剤;エチレン/アクリル酸共重合体のマレイン化物、エチレン/酢酸ビニル共重合体のマレイン化物、スチレンスルホン酸(塩)/スチレン共重合体の様に分子内に親水性基を有しかつ、モノマー水溶液を分散させる溶媒に可溶な高分子分散剤(親水性基;0.1〜20重量%、重量平均分子量;1,000〜1,000,000)等を例示できるが、分散剤としては高分子分散剤を使用した方が、溶媒中でのモノマー水溶液の懸濁粒子の大きさを調整しやすく、必要とする粒子径の架橋重合体(A)の含水ゲルを作成できるので好ましい。
分散剤としては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が3〜8のソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリンモノステアリン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル類及びショ糖ジステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル類等の界面活性剤;エチレン/アクリル酸共重合体のマレイン化物、エチレン/酢酸ビニル共重合体のマレイン化物、スチレンスルホン酸(塩)/スチレン共重合体の様に分子内に親水性基を有しかつ、モノマー水溶液を分散させる溶媒に可溶な高分子分散剤(親水性基;0.1〜20重量%、重量平均分子量;1,000〜1,000,000)等を例示できるが、分散剤としては高分子分散剤を使用した方が、溶媒中でのモノマー水溶液の懸濁粒子の大きさを調整しやすく、必要とする粒子径の架橋重合体(A)の含水ゲルを作成できるので好ましい。
界面活性剤及び/又は高分子分散剤の添加量は、疎水性有機溶媒の重量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
逆相懸濁重合におけるモノマー水溶液と疎水性有機溶媒との重量比(W/O比)は、0.1〜2.0が好ましく、0.3〜1.0がより好ましい。これらの範囲であると、架橋重合体(A)の粒子径がさらに調整しやすい。
逆相懸濁重合におけるモノマー水溶液と疎水性有機溶媒との重量比(W/O比)は、0.1〜2.0が好ましく、0.3〜1.0がより好ましい。これらの範囲であると、架橋重合体(A)の粒子径がさらに調整しやすい。
本発明において、水溶液重合又は逆相懸濁重合等により得た架橋重合体(A)は、水を含むゲル(含水ゲル)として得られる。含水ゲルは、通常乾燥した後にゲル化剤として使用する。
含水ゲルの乾燥方法に関しては、水溶液重合の場合、含水ゲルをミートチョッパーやカッター式の粗砕機でゲルをある程度細分化(細分化のレベルは0.5〜20mm角程度)あるいはヌードル化し、必要により水酸化アルカリ金属等を添加して含水ゲルの中和を行った後、透気乾燥(パンチングメタルやスクリーン上に含水ゲルを積層し、強制的に50〜150℃の熱風を通気させて乾燥する等)や通気乾燥(含水ゲルを容器中に入れ、熱風を通気・循環させ乾燥、ロータリーキルンの様な機械で更にゲルを細分化しながら乾燥する)等の方法を例示できる。これらの中で、透気乾燥が短時間で効率的な乾燥が行えるため好ましい。
一方、逆相懸濁重合の場合の含水ゲルの乾燥方法は、重合した含水ゲルと有機溶媒をデカンテーション等の方法で固液分離した後、減圧乾燥(減圧度;100〜50,000Pa程度)又は通気乾燥を行うのが一般的である。
一方、逆相懸濁重合の場合の含水ゲルの乾燥方法は、重合した含水ゲルと有機溶媒をデカンテーション等の方法で固液分離した後、減圧乾燥(減圧度;100〜50,000Pa程度)又は通気乾燥を行うのが一般的である。
水溶液重合における含水ゲルの他の乾燥方法としては、例えば、ドラムドライヤー上に含水ゲルを圧縮延伸して乾燥する接触乾燥法等があるが、含水ゲルは熱伝導が悪いため、乾燥を行うためにドラム上等に含水ゲルの薄膜を作成する必要がある。しかし、通常市販のドラムドライヤーの材質は、鉄、クロム、ニッケル等の亜鉛よりイオン化傾向の低い金属で形成されているのが一般的であるため、含水ゲルあたりのドラム金属面と接触する頻度が極めて高くなり、また含水ゲルはポリ(メタ)アクリル酸(塩)の含水ゲルであるため、ゲル中に溶出する亜鉛よりイオン化傾向の低い金属元素の含有量が多くなる。
さらに、該含水ゲルとドラムとの接触頻度が極めて高く、該含水ゲルは粘着性が高いため、ナイフの様なものをドラムドライヤーに接触させて乾燥物をドラムドライヤーから剥離させる必要があり、ドラムとナイフの機械的摩耗のためドラムあるいはナイフの金属面が摩耗し、金属が乾燥物中に混入する。
以上の様に、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用すると、ゲル化剤中に金属イオンや金属粉末が混入しやすく、これら亜鉛よりイオン化傾向の低い金属(標準電極電位が亜鉛よりも低い金属のことで、Cr、Fe、Ni、Sn、Pb、Cu、Hg、Ag等の原子記号で表せる金属)イオンや金属粉末をかなり多量に含有することになる。
これらのゲル化剤をアルカリ電池用のゲル化剤として使用すると、電池中の亜鉛粉末が亜鉛よりイオン化傾向の低い金属イオン又は金属粉末との間で電池を形成するため、電気分解により水素ガスが発生し、それにより電池内部の圧力が上昇し、さらにはアルカリ電解液の流出やひどい場合は電池の破損を引き起こす場合がある。
更に、含水ゲルをドラムドライヤー上等で圧縮延伸して乾燥した薄膜フィルム状乾燥物は、その後粉砕を行い乾燥物の粒径を所望の粒径に調整しても粒子が鱗片状となっているため、透気乾燥法や通気乾燥法でブロック状の乾燥物の粉砕物と比較すると遙かに強度が弱く、高濃度のアルカリ水溶液中で膨潤させ亜鉛粉末と機械的に攪拌混合すると、膨潤したゲルが破壊されてしまいゲルが小さくなる。
従って、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用しないのが好ましい。
さらに、該含水ゲルとドラムとの接触頻度が極めて高く、該含水ゲルは粘着性が高いため、ナイフの様なものをドラムドライヤーに接触させて乾燥物をドラムドライヤーから剥離させる必要があり、ドラムとナイフの機械的摩耗のためドラムあるいはナイフの金属面が摩耗し、金属が乾燥物中に混入する。
以上の様に、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用すると、ゲル化剤中に金属イオンや金属粉末が混入しやすく、これら亜鉛よりイオン化傾向の低い金属(標準電極電位が亜鉛よりも低い金属のことで、Cr、Fe、Ni、Sn、Pb、Cu、Hg、Ag等の原子記号で表せる金属)イオンや金属粉末をかなり多量に含有することになる。
これらのゲル化剤をアルカリ電池用のゲル化剤として使用すると、電池中の亜鉛粉末が亜鉛よりイオン化傾向の低い金属イオン又は金属粉末との間で電池を形成するため、電気分解により水素ガスが発生し、それにより電池内部の圧力が上昇し、さらにはアルカリ電解液の流出やひどい場合は電池の破損を引き起こす場合がある。
更に、含水ゲルをドラムドライヤー上等で圧縮延伸して乾燥した薄膜フィルム状乾燥物は、その後粉砕を行い乾燥物の粒径を所望の粒径に調整しても粒子が鱗片状となっているため、透気乾燥法や通気乾燥法でブロック状の乾燥物の粉砕物と比較すると遙かに強度が弱く、高濃度のアルカリ水溶液中で膨潤させ亜鉛粉末と機械的に攪拌混合すると、膨潤したゲルが破壊されてしまいゲルが小さくなる。
従って、ドラムドライヤー等の接触乾燥法を利用しないのが好ましい。
本発明において、含水ゲル乾燥時の乾燥温度は、使用する乾燥機や乾燥時間等により種々異なるが、好ましくは、50〜150℃、より好ましくは80〜130℃である。乾燥温度が、150℃以下であると乾燥時の熱によりポリマーが架橋しにくく、熱架橋により架橋度が上がりすぎることがなく、吸収量が低下しないし、アルカリ電解液中での粘度が低下しない。50℃以上であると乾燥に長時間を要さず効率的である。
乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
このようにして得られた架橋重合体(A)の乾燥物は、必要により粉砕して粉末化する。粉砕方法は、通常の方法でよく、例えば衝撃粉砕機(ピンミル、カッターミル、スキレ
ルミル、ACMパルペライザー等)や空気粉砕機(ジェット粉砕機等)で行うことができる。
尚、乾燥物の粉砕を行う際も、金属同志回転部が直接接触する様な粉砕機を使用すると、機械的な摩耗により発生した金属粉末がゲル化剤中に混入する恐れがあり、このような粉砕機は使用しないのが好ましい。
ルミル、ACMパルペライザー等)や空気粉砕機(ジェット粉砕機等)で行うことができる。
尚、乾燥物の粉砕を行う際も、金属同志回転部が直接接触する様な粉砕機を使用すると、機械的な摩耗により発生した金属粉末がゲル化剤中に混入する恐れがあり、このような粉砕機は使用しないのが好ましい。
粉末化した架橋重合体(A)は、必要により所望のスクリーンを備えたフルイ機(振動フルイ機、遠心フルイ機等)を用いて、所望の粒子径の乾燥粉末を採取することができる。
尚、本発明において、乾燥後の任意の段階で、磁気を利用した除鉄機を用いて混入した鉄等の金属粉末を除去するのが好ましい。しかし、除鉄機を用いてかなり精密に除鉄を行っても、除鉄機では磁性のない金属を除去するのは困難であり、また磁性のある金属に関しても、乾燥したポリマー粒子内部に含まれているものや乾燥粒子に付着しているものは除去できないので、初めからこれら金属が混入しないように、生産設備に関しても、十分に配慮することが望ましい。
尚、本発明において、乾燥後の任意の段階で、磁気を利用した除鉄機を用いて混入した鉄等の金属粉末を除去するのが好ましい。しかし、除鉄機を用いてかなり精密に除鉄を行っても、除鉄機では磁性のない金属を除去するのは困難であり、また磁性のある金属に関しても、乾燥したポリマー粒子内部に含まれているものや乾燥粒子に付着しているものは除去できないので、初めからこれら金属が混入しないように、生産設備に関しても、十分に配慮することが望ましい。
架橋重合体(A)のJIS Z8815−1994(6.1乾式ふるい分け試験)に準拠して測定される乾燥時の重量平均粒子径に関しては、1〜400μmが好ましく、さらに好ましくは10〜300μm、特に好ましくは30〜250μm、最も好ましくは40〜200μmである。この範囲であると、電池への高速充填性がさらに優れるので好ましい。
本発明のゲル化剤を製造するための方法は、既にその方法を上記に記載してきたが、整理すると以下のとおりである。
(i)(メタ)アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に、アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)を、(メタ)アクリル酸(塩)の重量に対して0.05〜3重量%添加し(但し、架橋剤量はポリマーの平均重合度や重合濃度等により最適点が異なるため、規定の範囲内での調整が必要)、架橋剤をモノマー水溶液に完全かつ均一に溶解させる。
(ii)アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)を添加しない場合のポリマーの平均重合度が5,000〜1,000,000となり、かつ過度の自己架橋(重合濃度は40重量%以下が好ましい)が起こりにくいマイルドな重合条件で、水溶液重合法及び/又は逆相懸濁重合法により重合を行い、架橋重合体(A)の含水ゲルを作成するのが好ましい。
(iii)水溶液重合の場合は、得られた含水ゲルに必要によりある程度含水ゲルを細分化
した後、必要によりアルカリ金属の水酸化物を添加し中和度を調整し、透気乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。逆相懸濁重合の場合は、含水ゲルを固液分離した後、減圧乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。
尚、乾燥時も加熱によるポリマー熱架橋を抑制させるために、乾燥温度(品温)150℃以下(好ましくは130℃以下)で出きるだけ短時間で乾燥する。
(iv)乾燥した粉砕物は必要により粉砕し、必要によりフルイ機を用いて、乾燥物の粒径が1〜400μmものを主体とするゲル化剤を作成するのが好ましい。
(v)中和度を規定量内で行う。
(i)(メタ)アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に、アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)を、(メタ)アクリル酸(塩)の重量に対して0.05〜3重量%添加し(但し、架橋剤量はポリマーの平均重合度や重合濃度等により最適点が異なるため、規定の範囲内での調整が必要)、架橋剤をモノマー水溶液に完全かつ均一に溶解させる。
(ii)アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)を添加しない場合のポリマーの平均重合度が5,000〜1,000,000となり、かつ過度の自己架橋(重合濃度は40重量%以下が好ましい)が起こりにくいマイルドな重合条件で、水溶液重合法及び/又は逆相懸濁重合法により重合を行い、架橋重合体(A)の含水ゲルを作成するのが好ましい。
(iii)水溶液重合の場合は、得られた含水ゲルに必要によりある程度含水ゲルを細分化
した後、必要によりアルカリ金属の水酸化物を添加し中和度を調整し、透気乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。逆相懸濁重合の場合は、含水ゲルを固液分離した後、減圧乾燥法又は通気乾燥法を用いて乾燥するのが好ましい。
尚、乾燥時も加熱によるポリマー熱架橋を抑制させるために、乾燥温度(品温)150℃以下(好ましくは130℃以下)で出きるだけ短時間で乾燥する。
(iv)乾燥した粉砕物は必要により粉砕し、必要によりフルイ機を用いて、乾燥物の粒径が1〜400μmものを主体とするゲル化剤を作成するのが好ましい。
(v)中和度を規定量内で行う。
本発明のゲル化剤をアルカリ電解液のゲル化剤として適用できるアルカリ電池としては特に限定されず、通常のアルカリ電池、例えばLR−20(単1型アルカリ電池)、LR−6型(単3型アルカリ電池)はもとより、その他各種のアルカリ電池に適用できる。アルカリ電池は、通常、外装缶の中に正極剤、集電棒及びゲル負極が封入された構造を有し、正極剤とゲル負極とはセパレーター等により分離されている。
本発明のゲル化剤のアルカリ電池への充填方法は、(a)本発明のゲル化剤、アルカリ電解液(例えば高濃度の水酸化カリウム水溶液、必要により酸化亜鉛などを含有する)、亜鉛粉末(及び/又は亜鉛合金粉末)及び必要により他の添加剤を事前混合し陰極物質の混合物を作成し、電池の陰極容器内にこれを充填してゲル状負極とする方法、(b)本発明のゲル化剤及び亜鉛粉末(及び/又は亜鉛合金粉末)及び必要により他の添加剤を電池の陰極容器内に充填した後、アルカリ電解液を充填し容器内でゲル状負極を生成する方法等を例示できるが、亜鉛粉末が電池の陰極容器内に均一に分散できるため(a)の方法が好ましい。
ゲル化剤の添加量は、陰極容器の構造、亜鉛粉末の粒径、及びアルカリ電解液の濃度によっても種々異なるが、アルカリ電解液に対して、0.5〜10重量%が好ましく、1.0〜5.0重量%がより好ましい。添加量が、0.5〜10重量%であると、アルカリ電解液の粘度が適度となり、亜鉛粉末の沈降を防止でき取り扱い性も容易である。
本発明のゲル化剤は架橋重合体(A)以外に、陰極物質の混合物の充填時の流動性の改善等を目的として、作業性や電池特性に問題が起こらない範囲で、必要により他の添加剤を含んでも良い。
他の添加剤としては、他のゲル化剤、耐振動衝撃性向上剤等が挙げられる。
他の添加剤としては、他のゲル化剤、耐振動衝撃性向上剤等が挙げられる。
他のゲル化剤としては、例えば、CMC(カルボキシメチルセルロース)、天然ガム(グァーガム等)、架橋されていないポリ(メタ)アクリル酸(塩)、微架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)、本発明のゲル化剤の微粉末、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、などを例示することができる。これらの中で、微粉末状の微架橋型のポリ(メタ)アクリル酸(塩)、本発明のゲル化剤の微粉等は、樹脂自体の曳糸性が比較的小さく、かつ陰極容器への負極ゲル充填時の流動性を与えられるので好ましい。
これら必要により添加する増粘剤の粒子径は特に限定されないが、乾燥物の重量平均粒子径で0.1〜100μm、更には0.1〜50μmであると好ましい。この範囲であると他の添加剤の添加により陰極物質混合物の若干曳糸性が増大しても、アルカリ下で膨潤した粒子が小さく、かつ陰極物質混合物の電池あたりの充填量にはさほど影響を与えないので好ましい。
耐振動衝撃性向上剤としては、インジウム、スズ及びビスマスからなる群から選ばれる金属元素の酸化物、水酸化物及び硫化物等が使用できる。
他の添加剤を含有する場合の含有量は、アルカリ電解液に対して、0〜5.0重量%が好ましく、0〜3.0重量%が更に好ましい。
他のゲル化剤の添加方法は、本発明のゲル化剤と他のゲル化剤とを事前にドライブレンドした後亜鉛粉末及びアルカリ電解液等の他の陰極物質とブレンドする方法、陰極物質の混合物作成時に本発明のゲル化剤とは別に添加し混合する方法、アルカリ電解液と他のゲル化剤混合した後、本発明のゲル化剤及び亜鉛粉末とを混合する方法等を例示することができるが、必要により所定量の他のゲル化剤を添加できる方法であればいずれでも良い。
上記の通り、水溶液重合又は逆相懸濁重合で重合した架橋重合体(A)は、
(i)アルカリ水溶液中で攪拌等を行っても、ゲルの破壊等が起こりにくいゲルを作成できる。従って、アルカリ電池用ゲル化剤として用いると、亜鉛粉末はアルカリ電解液で膨潤したゲルの周囲に均一に付着し、高濃度アルカリ水溶液の粘度安定性を満足できるため、長期分散安定性を向上させる。
(ii)重合温度のコントロールやマイルドな条件で重合ができ、且つ連鎖移動定数が低い水を溶媒とするためポリマーの平均重合度アップやオリゴマー成分の低減が行える。従って、電池用のゲル化剤として使用した場合、高濃度アルカリ水溶液の曳糸性を満足できるため、曳糸性低減によるアルカリ電解液の電池高速充填時の作業性を向上させる。
(i)アルカリ水溶液中で攪拌等を行っても、ゲルの破壊等が起こりにくいゲルを作成できる。従って、アルカリ電池用ゲル化剤として用いると、亜鉛粉末はアルカリ電解液で膨潤したゲルの周囲に均一に付着し、高濃度アルカリ水溶液の粘度安定性を満足できるため、長期分散安定性を向上させる。
(ii)重合温度のコントロールやマイルドな条件で重合ができ、且つ連鎖移動定数が低い水を溶媒とするためポリマーの平均重合度アップやオリゴマー成分の低減が行える。従って、電池用のゲル化剤として使用した場合、高濃度アルカリ水溶液の曳糸性を満足できるため、曳糸性低減によるアルカリ電解液の電池高速充填時の作業性を向上させる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、超純水は電気伝導率0.06μS/cm以下の水、イオン交換水は電気伝導率1.0μS/cm以下の水を示す。
以下、実施例で用いた試験法を示す。
以下、実施例で用いた試験法を示す。
<架橋重合体(A)の重量平均粒子径>
架橋重合体(A)の粒度分布は、JIS Z8815−1994(6.1乾式ふるい分け試験)に準拠して測定する。
使用する篩としては、JIS Z8801−1:2000に準拠して作成された、目開き1μm、5μm、25μm、53μm、106μm、150μm、300μm、500μm及び710μmの篩(枠の径200mm、深さ45mm)を目開きの大きいものが上になるように順に重ねて、架橋重合体(A)をふるい分けた。
架橋重合体(A)の重量平均粒子径は、JIS Z8819−2:2001(ISO/FDIS9276−2:1999に対応している) 5.2記載の式(12)重みつき平均粒子径の個数平均径に準拠して計算した値である。
架橋重合体(A)の粒度分布は、JIS Z8815−1994(6.1乾式ふるい分け試験)に準拠して測定する。
使用する篩としては、JIS Z8801−1:2000に準拠して作成された、目開き1μm、5μm、25μm、53μm、106μm、150μm、300μm、500μm及び710μmの篩(枠の径200mm、深さ45mm)を目開きの大きいものが上になるように順に重ねて、架橋重合体(A)をふるい分けた。
架橋重合体(A)の重量平均粒子径は、JIS Z8819−2:2001(ISO/FDIS9276−2:1999に対応している) 5.2記載の式(12)重みつき平均粒子径の個数平均径に準拠して計算した値である。
<ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)の測定>
(i)ゲル(GA)の24時間放置後の粘度(40℃、N1)
予め、架橋重合体(A)2gと亜鉛粉末200gをナウターミキサーにて混合し、200mlの蓋付きの透明なプラスチック容器に投入後、さらに37%水酸化カリウム水溶液100gを、内容物がままこにならないように徐々に投入しながら攪拌した。1時間後、内容物が均一にゲル化(あるいは増粘)してゲル(GA)となったのを確認した後、ゲル(GA)を蓋で密閉して40℃の恒温機の中で24時間放置した。
回転式B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いてゲル(GA)の粘度をJIS7117−1:1999に準拠して測定し、ゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃、N1)とした。(測定温度:40℃、ローターNo.4、回転数:3rpm)
(ii)ゲル(GA)の60日放置後の粘度(40℃、N60)
ゲル(GA)の24時間放置後の粘度(40℃、N1)の測定が終わったサンプルを密閉し、40℃の恒温機の中でさらに59日放置した。粘度(40℃、N1)と同様の条件でゲル(GA)の粘度を測定し、ゲル(GA)の60日放置後の粘度(40℃、N60)とした。
(iii)ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)の計算
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)は、次式により求めた。
粘度比(N1/N60)={24時間放置後の粘度(40℃、N1)}/{60日放置後の粘度(40℃、N60)}
(i)ゲル(GA)の24時間放置後の粘度(40℃、N1)
予め、架橋重合体(A)2gと亜鉛粉末200gをナウターミキサーにて混合し、200mlの蓋付きの透明なプラスチック容器に投入後、さらに37%水酸化カリウム水溶液100gを、内容物がままこにならないように徐々に投入しながら攪拌した。1時間後、内容物が均一にゲル化(あるいは増粘)してゲル(GA)となったのを確認した後、ゲル(GA)を蓋で密閉して40℃の恒温機の中で24時間放置した。
回転式B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いてゲル(GA)の粘度をJIS7117−1:1999に準拠して測定し、ゲル(GA)の1日放置後の粘度(40℃、N1)とした。(測定温度:40℃、ローターNo.4、回転数:3rpm)
(ii)ゲル(GA)の60日放置後の粘度(40℃、N60)
ゲル(GA)の24時間放置後の粘度(40℃、N1)の測定が終わったサンプルを密閉し、40℃の恒温機の中でさらに59日放置した。粘度(40℃、N1)と同様の条件でゲル(GA)の粘度を測定し、ゲル(GA)の60日放置後の粘度(40℃、N60)とした。
(iii)ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)の計算
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60)は、次式により求めた。
粘度比(N1/N60)={24時間放置後の粘度(40℃、N1)}/{60日放置後の粘度(40℃、N60)}
<曳糸性(曳糸長)>
1日後の粘度を測定したゲル化剤のゲルサンプルに、曳糸性試験器(協和界面科学製)を用いて、所定のガラス玉を、その長軸に相当するゲルサンプルの液面下11mmまで浸漬し、16mm/秒の速度でガラス玉を上昇させ、ゲルからガラス玉を抜き上げた。
ガラス玉からゲルサンプルの糸引きが完全に切れた時点でガラス玉の上昇を停止させ、曳糸性試験器付属の測定器を用いて、ゲル上部面とゲルの糸引きが切れた点でのガラス玉の下端との距離(mm)を曳糸長として測定した。同様な操作を計10回行い、その平均値を曳糸性(曳糸長)(mm)とした。
1日後の粘度を測定したゲル化剤のゲルサンプルに、曳糸性試験器(協和界面科学製)を用いて、所定のガラス玉を、その長軸に相当するゲルサンプルの液面下11mmまで浸漬し、16mm/秒の速度でガラス玉を上昇させ、ゲルからガラス玉を抜き上げた。
ガラス玉からゲルサンプルの糸引きが完全に切れた時点でガラス玉の上昇を停止させ、曳糸性試験器付属の測定器を用いて、ゲル上部面とゲルの糸引きが切れた点でのガラス玉の下端との距離(mm)を曳糸長として測定した。同様な操作を計10回行い、その平均値を曳糸性(曳糸長)(mm)とした。
<亜鉛粉末の沈降性>
容量1リットルの2軸のニーダー(入江商会社製、品名:PNV−1)に37%水酸化カリウム水溶液150gと平均粒径120μmの亜鉛粉末300g、ゲル化剤2.5gおよび増粘剤(商品名:ジュンロンPW−150)0.5gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。
作成した負極ゲル50gを、密閉可能な容量50mlのサンプル瓶(直径34mm、高さ77mm、ポリプロピレン製)に入れ、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
サンプル瓶を密閉し、40℃の恒温槽で30日間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)付属の装置を用いて、サンプル瓶を3cmの高さから30回/minの割合で300回タッピングして、亜鉛粉末の沈降を促進させた。タッピングを終了した後、亜鉛粉末の初期の位置(サンプル瓶中の負極ゲルの上端部の位置)から亜鉛粉末の最も沈降した距離(mm)を測定し、これを亜鉛粉末の沈降性(mm)とした。
容量1リットルの2軸のニーダー(入江商会社製、品名:PNV−1)に37%水酸化カリウム水溶液150gと平均粒径120μmの亜鉛粉末300g、ゲル化剤2.5gおよび増粘剤(商品名:ジュンロンPW−150)0.5gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。
作成した負極ゲル50gを、密閉可能な容量50mlのサンプル瓶(直径34mm、高さ77mm、ポリプロピレン製)に入れ、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
サンプル瓶を密閉し、40℃の恒温槽で30日間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)付属の装置を用いて、サンプル瓶を3cmの高さから30回/minの割合で300回タッピングして、亜鉛粉末の沈降を促進させた。タッピングを終了した後、亜鉛粉末の初期の位置(サンプル瓶中の負極ゲルの上端部の位置)から亜鉛粉末の最も沈降した距離(mm)を測定し、これを亜鉛粉末の沈降性(mm)とした。
<ティーバッグ法による吸収量>
ティーバッグ法により、37%水酸化カリウム水溶液に対する架橋重合体(A)の吸収量を測定する。
試料が架橋重合体(A)2.0g、ナイロンスクリーンからなるティーバッグのナイロンスクリーン目開きが32μm(400メッシュ)、試験液が37%水酸化カリウム(試薬特級)水溶液、浸せき時間が1時間、水切り時間が30分間の条件でJIS K7223−1996に準拠し、下式により吸収量を測定した。
吸収量(g/g)={(試料を入れたティーバッグの浸せき、水切り後の重量)−(試料を入れないティーバッグの浸せき、水切り後の重量の平均値)}/2
ティーバッグ法により、37%水酸化カリウム水溶液に対する架橋重合体(A)の吸収量を測定する。
試料が架橋重合体(A)2.0g、ナイロンスクリーンからなるティーバッグのナイロンスクリーン目開きが32μm(400メッシュ)、試験液が37%水酸化カリウム(試薬特級)水溶液、浸せき時間が1時間、水切り時間が30分間の条件でJIS K7223−1996に準拠し、下式により吸収量を測定した。
吸収量(g/g)={(試料を入れたティーバッグの浸せき、水切り後の重量)−(試料を入れないティーバッグの浸せき、水切り後の重量の平均値)}/2
<注入時間及び注入量のバラツキ>
容量1リットルの2軸のニーダーに37%水酸化カリウム水溶液150g、平均粒子径120μmの亜鉛粉末300g、ゲル化剤2.5gおよび増粘剤(商品名:ジュンロンPW−150)0.5gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。作成した負極ゲルをビーカーに移し、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
脱泡したゲル状の水酸化カリウム水溶液を、注入口が2mmの内径を有し、かつ0.1ml単位の目盛りを有する20mlの注射器内部に吸引した。
5mlのサンプル瓶(内径18mm、高さ40mm)の口の高さから、注射器を2.0ml分圧縮してゲル状の水酸化カリウム水溶液をサンプル瓶注入し、注射器の圧縮を終了した時点から、注射器注入口からゲル状の水酸化カリウム水溶液が完全に分離した時点までの時間(秒)をストップウオッチで測定した。同様な操作を計20回繰り返してその平均値を注入時間(秒)とした。
サンプル瓶に注入された水酸化カリウム水溶液の重量(20回)を測定し、注入量の標準偏差(σ)を算出して、注入量のバラツキとした。
容量1リットルの2軸のニーダーに37%水酸化カリウム水溶液150g、平均粒子径120μmの亜鉛粉末300g、ゲル化剤2.5gおよび増粘剤(商品名:ジュンロンPW−150)0.5gを添加し、50rpmの回転速度で60分間混合し、負極ゲルを作成した。作成した負極ゲルをビーカーに移し、混合時に入った気泡を減圧下で脱泡した。
脱泡したゲル状の水酸化カリウム水溶液を、注入口が2mmの内径を有し、かつ0.1ml単位の目盛りを有する20mlの注射器内部に吸引した。
5mlのサンプル瓶(内径18mm、高さ40mm)の口の高さから、注射器を2.0ml分圧縮してゲル状の水酸化カリウム水溶液をサンプル瓶注入し、注射器の圧縮を終了した時点から、注射器注入口からゲル状の水酸化カリウム水溶液が完全に分離した時点までの時間(秒)をストップウオッチで測定した。同様な操作を計20回繰り返してその平均値を注入時間(秒)とした。
サンプル瓶に注入された水酸化カリウム水溶液の重量(20回)を測定し、注入量の標準偏差(σ)を算出して、注入量のバラツキとした。
実施例1
2リットルのビーカーに、アクリル酸200g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製)1.0g(0.5重量%/アクリル酸)、及びイオン交換水800gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、8℃に冷却した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、0.1%過酸化水素水4.0g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液4.0g及び10%2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−50)水溶液1.0gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素パージを継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素のパージを停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、63℃であった。
尚、上記重合を上記二種の架橋剤を除いた以外は同じ条件で重合したポリマーの平均重合度をGPCを用いて測定したところ、ポリマーの平均重合度は約28,000であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、40%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液222g(中和度80モル%)を加え含水ゲルを中和した。
2リットルのビーカーに、アクリル酸200g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製)1.0g(0.5重量%/アクリル酸)、及びイオン交換水800gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、8℃に冷却した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、0.1%過酸化水素水4.0g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液4.0g及び10%2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−50)水溶液1.0gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素パージを継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素のパージを停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、63℃であった。
尚、上記重合を上記二種の架橋剤を除いた以外は同じ条件で重合したポリマーの平均重合度をGPCを用いて測定したところ、ポリマーの平均重合度は約28,000であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、40%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液222g(中和度80モル%)を加え含水ゲルを中和した。
中和した含水ゲルを、目開き850μmのSUS製のスクリ−ンの上に、厚さ5cmで積層し、小型透気乾燥機(井上金属株式会社製)を用いて120℃の熱風を1時間含水ゲルに透気させて、含水ゲルを乾燥した。
乾燥物をクッキングミキサーを用いて粉砕し、フルイを用いて32〜500μm(400メッシュ〜30メッシュ)の粒径のものを採取し、本発明のゲル化剤(1)を得た。
ゲル化剤(1)に関して、重量平均粒子径、37%水酸化カリウム水溶液に対する吸収量、ゲル(G/A)の24時間後の粘度(40℃、N1)、60日後の粘度(40℃、N60)、粘度比(N1/N60)を測定した。
また、実施例2〜4、比較例1〜4についても同様な測定を行った。その結果を表1に示す。
乾燥物をクッキングミキサーを用いて粉砕し、フルイを用いて32〜500μm(400メッシュ〜30メッシュ)の粒径のものを採取し、本発明のゲル化剤(1)を得た。
ゲル化剤(1)に関して、重量平均粒子径、37%水酸化カリウム水溶液に対する吸収量、ゲル(G/A)の24時間後の粘度(40℃、N1)、60日後の粘度(40℃、N60)、粘度比(N1/N60)を測定した。
また、実施例2〜4、比較例1〜4についても同様な測定を行った。その結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.8g(0.4%/アクリル酸)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のゲル化剤(2)を得た。
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を0.8g(0.4%/アクリル酸)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のゲル化剤(2)を得た。
実施例3
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を2.0g(1.0%/アクリル酸)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のゲル化剤(3)を得た。
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を2.0g(1.0%/アクリル酸)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のゲル化剤(3)を得た。
実施例4
1リットルのビーカーにアクリル酸100g、イオン交換水272.2g及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.5g(0.5重量%/アクリル酸)を入れ混合し架橋剤を溶解させた。ビーカーを氷浴で冷却しながら、40%水酸化ナトリウム水溶液100gを添加し、アクリル酸の一部(72モル%)を中和した。中和したモノマー溶液を5℃に冷却した後、重合開始剤として過硫酸カリウム0.2gを添加してモノマー水溶液とした。
攪拌機とコンデンサー(冷却器)を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、シクロヘキサン1000ml及び分散剤としてスチレンスルホン酸ナトリウム/スチレンブロック共重合体10gを、湯浴を用いて内容物を60℃に加熱し攪拌して、シクロヘキサンに分散剤を溶解させた。
セパラブルフラスコ中のシクロヘキサン液中に窒素を通じてシクロヘキサンの溶存酸素を0.1ppm以下とした後、攪拌機を用いてシクロヘキサンを攪拌しながら、滴下ロートを用いて該モノマー水溶液400gを滴下し、重合温度60℃で逆相懸濁重合を行い、更にモノマー水溶液の滴下終了後、更に2時間加熱し、懸濁重合を完結させ、シクロヘキサン中で球状の含水ゲルを得た。
攪拌機の回転を停止し、生成した含水ゲルを沈降させた後、デカンテーションによりシクロヘキサンを除去し、残った含水ゲルを数回シクロヘキサンで洗浄し、含水ゲルに付着した分散剤を除去した。
得られた球状の含水ゲルを、離型紙の上に広げ、80℃の減圧乾燥機(減圧度:10,000〜20,000Pa)で2時間乾燥させた。乾燥物の粒径を測定したところ、45〜850μmの含有量が92%であったので、そのまま本発明のゲル化剤(4)とした。
1リットルのビーカーにアクリル酸100g、イオン交換水272.2g及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.5g(0.5重量%/アクリル酸)を入れ混合し架橋剤を溶解させた。ビーカーを氷浴で冷却しながら、40%水酸化ナトリウム水溶液100gを添加し、アクリル酸の一部(72モル%)を中和した。中和したモノマー溶液を5℃に冷却した後、重合開始剤として過硫酸カリウム0.2gを添加してモノマー水溶液とした。
攪拌機とコンデンサー(冷却器)を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、シクロヘキサン1000ml及び分散剤としてスチレンスルホン酸ナトリウム/スチレンブロック共重合体10gを、湯浴を用いて内容物を60℃に加熱し攪拌して、シクロヘキサンに分散剤を溶解させた。
セパラブルフラスコ中のシクロヘキサン液中に窒素を通じてシクロヘキサンの溶存酸素を0.1ppm以下とした後、攪拌機を用いてシクロヘキサンを攪拌しながら、滴下ロートを用いて該モノマー水溶液400gを滴下し、重合温度60℃で逆相懸濁重合を行い、更にモノマー水溶液の滴下終了後、更に2時間加熱し、懸濁重合を完結させ、シクロヘキサン中で球状の含水ゲルを得た。
攪拌機の回転を停止し、生成した含水ゲルを沈降させた後、デカンテーションによりシクロヘキサンを除去し、残った含水ゲルを数回シクロヘキサンで洗浄し、含水ゲルに付着した分散剤を除去した。
得られた球状の含水ゲルを、離型紙の上に広げ、80℃の減圧乾燥機(減圧度:10,000〜20,000Pa)で2時間乾燥させた。乾燥物の粒径を測定したところ、45〜850μmの含有量が92%であったので、そのまま本発明のゲル化剤(4)とした。
なお、本発明において、減圧度と、実際の圧力の関係は次の様である。
実際の圧力=常圧(1.013×105Pa)−減圧度
実際の圧力=常圧(1.013×105Pa)−減圧度
比較例1
開閉可能な密閉容器にアクリル酸ナトリウム94g、アクリル酸28g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.5g、水400gを仕込み、窒素雰囲気下で液温を20℃とした後、0.5%の過硫酸アンモニウム水溶液1.0gおよび0.5%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液1.0gを添加して重合を開始した。最高到達温度は約75℃であった。重合開始から6時間後に、生成したゲル状含水架橋重合体を取り出した。このゲル状架橋重合体を数回ミートチョッパーを通して細断し、表面温度が160℃に加熱したドラムドライヤー上に延伸して乾燥した後、粉砕して比較用のゲル化剤(H1)を得た。
開閉可能な密閉容器にアクリル酸ナトリウム94g、アクリル酸28g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.5g、水400gを仕込み、窒素雰囲気下で液温を20℃とした後、0.5%の過硫酸アンモニウム水溶液1.0gおよび0.5%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液1.0gを添加して重合を開始した。最高到達温度は約75℃であった。重合開始から6時間後に、生成したゲル状含水架橋重合体を取り出した。このゲル状架橋重合体を数回ミートチョッパーを通して細断し、表面温度が160℃に加熱したドラムドライヤー上に延伸して乾燥した後、粉砕して比較用のゲル化剤(H1)を得た。
比較例2
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.6g(0.3%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H2)を得た。
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.6g(0.3%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H2)を得た。
比較例3
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を8.0g(4.0%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H3)を得た。
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を8.0g(4.0%/アクリル酸)とする以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H3)を得た。
比較例4
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.6g(0.3%/アクリル酸)とし、さらにトリメチロールプロパンアクリレート0.6g(0.3%/アクリル酸)を架橋剤と追加する以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H4)を得た。
実施例1において、ペンタエリスルトールトリアリルエーテルの添加量を0.6g(0.3%/アクリル酸)とし、さらにトリメチロールプロパンアクリレート0.6g(0.3%/アクリル酸)を架橋剤と追加する以外は、実施例1と同様にして比較のゲル化剤(H4)を得た。
実施例1〜4で作成したゲル化剤(1)〜(4)及び比較例1〜4で作成した(H1)〜(H4)のゲル化剤とアルカリ電解液を用いて、亜鉛粉末(UNION MINIERES.A.製、品名:004F(2)/68)の沈降性、注入時間及び注入量のバラツキを下記の方法で測定した。その結果を表2に示す。
本発明のゲル化剤は、円筒状のアルカリ電池のみならず、アルカリボタン電池、酸化銀電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池等の一次及び二次アルカリ電池用のゲル化剤としても有用である。また、本発明のゲル化剤を用いたアルカリ電池は、耐衝撃性に優れ、放電特性の維持に優れたアルカリ電池として有用である。
A:ガラス玉部分
B:結合部
C:取付金具
D:ワイヤー
B:結合部
C:取付金具
D:ワイヤー
Claims (9)
- (メタ)アクリル酸(塩)を必須構成単量体とする架橋重合体(A)からなり、下記に定義されるゲル(GA)の粘度比(N1/N60)が0.40〜0.65であるアルカリ電池用ゲル化剤。
ゲル(GA)の粘度比(N1/N60):架橋重合体(A)2重量部、亜鉛粉末200重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液100重量部を40℃で均一撹拌混合してゲル(GA)を調製し、これを40℃24時間放置後にJIS K7117−1:1999に準拠して測定した40℃における粘度(40℃,N1)の、60日放置後の40℃における粘度(40℃,N60)に対する比 - ゲル(GA)の粘度(40℃,N1)が15〜100Pa・sである請求項1に記載のゲル化剤。
- ティーバック法による37重量%水酸化カリウム水溶液の1時間後の吸収量が、20〜40g/gである請求項1または2に記載のゲル化剤。
- ゲル(GA)の40℃24時間放置後の曳糸性が0〜20mmである請求項1〜3いずれかに記載のゲル化剤。
- 架橋重合体(A)2.5重量部、増粘剤0.5重量部、亜鉛粉末300重量部及び37重量%水酸化カリウム水溶液150重量部を均一撹拌混合してゲル(GB)を調製し、これを40℃30日間放置した後の亜鉛粉末沈降性が0〜10mmである請求項1〜4いずれかに記載のゲル化剤。
- 架橋重合体(A)が、アルカリ性で加水分解しない架橋剤(a)単位を含んでなる請求項1〜5のいずれかに記載のゲル化剤。
- 架橋剤(a)が、エーテル結合を形成し得る化合物である請求項6記載のゲル化剤。
- 架橋剤(a)が2〜10個のアリル基及び1〜5個の水酸基を有する請求項6または7に記載のゲル化剤。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のゲル化剤及び亜鉛粉末を含有してなるアルカリ電池。
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