JP2008032520A - グリコシル化異常症の検査方法 - Google Patents

グリコシル化異常症の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CDGなどのグリコシル化異常症を簡易迅速に、しかも安価な装置で検査する方法を提供する。
【解決手段】本発明の検査方法は、(1)グリコシル化異常症を検査したい者から採取した生体試料を、生体試料中の複合型N結合型糖鎖を有する糖タンパク質に特異的に反応する第一抗体を予めビーズに結合させた第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、(2)前記糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を回収する工程、(3)シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、(4)前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を測定する工程、および(5)前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して低下していれば、糖タンパク質のグリコシル化異常と判断する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリコシル化異常症の検査方法に関し、より詳細には先天性グリコシル化異常症(Congenital Disorders of Glycosylation、CDG)や後天性グリコシル化異常症を簡易迅速に検査する方法、ならびに該方法に用いるためのキットに関する。
タンパク質は、その半数以上が翻訳後に糖鎖修飾を受けている。その糖鎖は、その結合様式から、アスパラギン残基のアミド基に結合するN結合型糖鎖、およびセリンまたはスレオニン残基のヒドロキシル基に結合するO結合型糖鎖の二つに分類される。これらの糖鎖構造は、タンパク質の活性や細胞間相互作用や接着などに重要な役割を果たしている。例えば、タンパク質へ糖鎖が付加することによって、タンパク質の血中での安定性が高まり、あるいはレセプターへの結合活性が変化する。
糖鎖の変化によって引き起こされる疾患に、先天性グリコシル化異常症(CDG)がある。CDGは、N結合型糖鎖合成に関わる遺伝子欠損による疾患であり、図6に示すように、糖鎖の転移に関わる遺伝子欠損による糖鎖異常と、糖鎖プロセシングに関わる遺伝子欠損による糖鎖異常とに分かれる。それぞれI型CDGおよびII型CDGと呼ばれる。
CDGに共通する臨床的特徴は、中度から重度の精神運動性の発達遅滞や弛緩である。現在、世界中で約500例のCDG患者が報告されている。しかし、簡便なスクリーニング法がないため、見逃されている患者も多いと推量される。
CDGの従来の検査方法として、血清トランスフェリンの等電点変化に基づいてCDGの診断を行なう等電点電気泳動法が知られている(非特許文献1)。トランスフェリンは、末端にシアル酸を有する2つのN結合型糖鎖を、413番目と611番目のアスパラギン残基に持つ、分子量約75kDの糖タンパク質である。CDGになると、糖鎖末端のα2,6-結合シアル酸が失われて負の電荷が減少するため、高等電点側にバンドが出現する。
血清トランスフェリンの等電点電気泳動で異常の見つかった者は、さらに、遺伝子解析などで具体的な遺伝子欠陥を調べる。CDGの多くを占めるIa型に関連するPMM2の点変異(141番目のアルギニンがヒスチジンに変更)の調査が、特に重要である。
等電点電気泳動によるCDG検査方法の問題点は、時間と労力を要することである。PMM2の点変異を見つけるのにも、時間を要する。CDGには、胎児の生後早期に発見、処置しなければ手遅れになる場合もあり、簡易かつ迅速な検査方法が望まれる。
糖鎖異常を解析する別の手法として、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)やエレクトロスプレーイオン化質量分析計(ESI−MS)を用いた検査方法が提案されている(非特許文献2および3)。糖鎖異常の有無は、上記装置で検出されるスペクトルの質量の違いが糖鎖の欠失や変異と一致するか否かによって判断する。しかし、上記装置は高価であり、それは検査方法の普及の障害となる。
Yamashita K. et al. (1993) Sugar chains of serum transferrin from patients with carbohydrate deficient glycoprotein syndrome. Evidence of asparagine-N-linked oligosaccharide transfer deficiency. J Biol Chem. 268 5783-9. T. Nakanishi, N. et al. (1994) Laser Desorption Time-of-flight Mass Spectrometric Analysis of Transferrin Precipitated with Antiserum: A Unique Simple Method to Identify Molecular Weight Variants, BIOLOGICAL MASS SPECTROMETRY 23, 230-233 Lacey, J.M.et al. (2001) Rapid determination of transferrin isoforms by immunoaffinity liquid chromatography and electrospray mass spectrometry. Clin. Chem., 47, 513-518
そこで、本発明の目的は、CDGをはじめとするグリコシル化異常症を簡易かつ迅速に、しかも、安価な装置を用いて検査する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、以下の発明により解決できることを見いだした。すなわち、本発明は、
(1) グリコシル化異常症を検査したい者から採取した生体試料を、生体試料中の複合型N結合型糖鎖を有する糖タンパク質に特異的に反応する第一抗体を予めビーズに結合させた第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、
(2) 前記糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を回収する工程、
(3) シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、
(4) 前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を測定する工程、および
(5) 前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して低下していれば、糖タンパク質のグリコシル化異常と判断する工程
を含む、グリコシル化異常症の検査方法を提供する。
前記グリコシル化異常症は、特に先天性グリコシル化異常症である。
本発明は、また、工程(3)において、シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体に代えて、ガラクトシル(Galactosylated)糖鎖に特異的に結合するレクチンおよびアガラクトシル(Agalactosylated)糖鎖に特異的に結合するレクチンから選ばれる少なくとも一種のレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、そして、工程(5)において、前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して増大していれば、II型CDGと判断する工程を含むグリコシル化異常症の検査方法も提供する。前記ガラクトシル糖鎖は、本明細書において、複合型N結合型糖鎖の末端シアル酸が欠如してガラクトースが露出した糖鎖を意味する。また、前記アガラクトシル糖鎖は、さらにガラクトシル糖鎖の末端ガラクトースが欠如してアセチルグルコサミンが露出した糖鎖を意味する。
本発明は、また、さらに、工程(3)および(4)の前、後または同時に、以下の工程:
(6) ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンおよびアガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンから選ばれる少なくとも一種のレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、および
(7) 前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を測定する工程
を実施し、工程(5)の後に、以下の工程:
(8) 工程(5)でグリコシル化異常と判断された生体試料について、工程(7)で測定した前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して、増大していればII型CDGと判断し、増大していなければI型CDGと判断する工程を含むグリコシル化異常症の検査方法を提供する。
前記ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンは、PHA-E4、ACG、BPL、ECA、GSL-I、MCL、RCA120、SBAおよびWFAの少なくとも一種であることが好ましい。
前記アガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンは、GSL-II、ABA、LCAおよびPVLの少なくとも一種であることが好ましい。
前記シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンは、SSA、SNAおよびTJA-Iの少なくとも一種であることが好ましい。
前記生体試料は、例えば血清である。
前記糖タンパク質は、例えばトランスフェリンである。
工程(1)において、第一抗体と特異的に反応する標識化第二抗体を前記第一抗体-ビーズ複合体に結合させた後、前記生体試料と接触させ、糖タンパク質-第一抗体・標識化第二抗体-ビーズ複合体を得、そして、
工程(4)において、前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体の代わりに前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体・標識化第二抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を、前記標識化第二抗体の検出により測定することが好ましい。
前記レクチンを固相化する担体は、例えばELISAプレートまたはマイクロアレイである。
工程(3)において、レクチン固相化担体と糖タンパク質-第一抗抗体-ビーズ複合体との接触を、遠心処理により加速させることが好ましい。
前記第一抗体は、糖鎖が保護され、もしくは糖鎖の一部または全部が除去されていることが望ましい。
前記標識化第二抗体は、糖鎖が保護され、もしくは糖鎖の一部または全部が除去されていることが望ましい。
本発明は、また、グリコシル化異常症の検査方法を実施するため検査キットを提供する。
本発明のグリコシル化異常症の検出方法によれば、抗体結合ビーズを用いて、生体試料から糖タンパク質を特異的にビーズ表面に拿捕することができるので、糖タンパク質を予め分離する必要がない。そして、ビーズ表面の抗体に結合した糖タンパク質の糖鎖を、特定の固相化レクチンを用いてプロファイリングすることにより、グリコシル化異常症を簡易迅速に検査する。本発明の方法は、従来の等電点電気泳動法と違って、多検体分析が同時に可能である。そして、高価な装置も必要としないので、汎用性がきわめて高い。
本発明のグリコシル化異常症の検出方法では、II型CDGを簡易かつ迅速に検査することが可能である。
本発明のグリコシル化異常症の検出方法では、I型CDGとII型CDGとを容易に判別可能である。
以下に、本発明のグリコシル化異常症の検査方法の第一の実施態様を詳述する。図2は、本発明の検査方法のフローを示す概略図である。
本発明の検査方法は、工程(1)として、グリコシル化異常症を検査したい者から採取した生体試料を、生体試料中の複合型N結合型糖鎖を有する糖タンパク質に特異的に反応する第一抗体を予めビーズに結合させた第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る。
本発明の方法の検査対象は、胎児、新生児、子供、成人の区別なく、また、健常者、臨床的症状を有する者のいずれでもよい。本発明の検査方法が対象とするグリコシル化異常症は、糖タンパク質の糖鎖の異常に基づいて臨床的症状の現れる既知および未知のすべての疾患を意味する。グリコシル化異常症は、現在、先天性のものと後天性のものが知られている。先天性グリコシル化異常症は、前記したとおり、I型CDGとII型CDGとがある。後天性グリコシル化異常症の具体例には、慢性リウマチ性関節炎およびアルコール依存症がある。
グリコシル化異常症を検査するための生体試料は、血液、血清、骨髄液、尿、唾液、精液などの体液、病理標本から抽出した組織、cellライセート(細胞可溶化物)、毛髪、爪などが挙げられる。好ましくは血清である。
本発明の検査方法が対象とする糖タンパク質は、タンパク質のアスパラギン残基にアミド結合を介して、ガラクトース、マンノース、N‐アセチルグルコサミン、フコース、シアル酸などの糖が5〜20個結合したN結合型糖鎖含有タンパク質のうち、糖鎖の非還元末端にシアル酸が結合した複合型と呼ばれるものである。該糖タンパク質の具体例は、トランスフェリン、α1−アンチトリプシン、オロソムコイド、アンチトロンビンIII、プラスミノーゲン、ベータトレースなどである。
トランスフェリンは、採取が容易で汎用性が高く、また高感度のマーカーになり得る点で好適である。トランスフェリンは、ヒトの血清中にあって、鉄を結合して運搬する分子量約75kDaのタンパク質である。679個のアミノ酸からなるペプチド鎖の2個所にそれぞれ2.2kDaの糖鎖が結合している。
健常者の血清トランスフェリンでは、そのほぼ100%が2本の糖鎖を持つトランスフェリン(2-Tf)である。一方、I型CDG患者の血清トランスフェリンは、2-Tfのほかに、1本の糖鎖しか持たないトランスフェリン(1-Tf)、および糖鎖を持たないトランスフェリン(0-Tf)が、例えば、それぞれ35%および12%混在している(Ajit V. et al (1999) Essentials of Glycobiology 479-498)。
本発明の検査方法では、選定した糖タンパク質(例えばトランスフェリン)に対して特異的に反応する第一抗体を用意する。そのような抗体は、ウサギなどの実験動物に当該糖タンパク質を接種し、体内で免疫反応を起こさせることにより作製することができる。現在は、各種の抗体の純品が市販されているので、それを用いてもよい。
第一抗体の一部に糖鎖が付加していると、レクチンと反応する可能性がある。これは、抗体を介して糖タンパクを結合させたビーズとレクチンとの結合を妨害する。それを回避するために、前記第一抗体は、糖鎖が保護され、もしくは糖鎖の一部または全部が除去されていることが望ましい。
抗体から糖鎖を除去するには、抗体をPNGase Fなどのグリコシダーゼで処理する。糖鎖の除去は、ConAレクチンとの反応後、ウエスタンブロッティングでのバンドの消失によって確認することができる。
糖鎖を適宜除去した第一抗体を、ビーズに固定して、第一抗体−ビーズ複合体にする。ビーズの材質としては、ポリスチレン、でんぷん、ポリ乳酸、デキストラン、ガラス、常磁性ビーズ、シリカなどが挙げられる。ビーズの種類が豊富かつ安価な点で、ポリスチレンが好ましい。
ビーズの粒子径は、通常、0.015〜90μmであり、好ましくは0.5〜60μmである。本発明では、抗体に比べて結合活性の低いレクチンとの相互作用を測定することから、ビーズは小さい方が好ましい。しかし、粒子径が0.5μmより小さすぎると、凝集性が高まって、遠心分離後の再分散が困難になることがある。逆に、60μmより大きすぎると、ビーズに結合した糖タンパク質をレクチンが捕獲できない可能性がある。
ビーズに抗体が結合しやすいように、予めビーズを活性基でコートしたものが市販されている。例えば、Polyscience社のカルボキシルマイクロビーズが挙げられる。
ビーズに第一抗体を結合させるには、例えばカルボキシルマイクロビーズにカルボジイミド溶液を加えてカルボキシル基を活性化してから、第一抗体のアミノ基と結合させる。
上記で得た第一抗体−ビーズ複合体を、糖タンパク質を含む生体試料と接触させる。糖タンパク質の濃度は、糖タンパク質の種類、糖タンパク質に特異的に結合する第一抗体の種類と量に応じて、適宜決められる。
例えば、血清中のトランスフェリンを、抗トランスフェリン抗体ビーズで回収する場合、血清をPBSなどで、通常、10〜10000倍、好ましくは100〜10000倍、より好ましくは300〜10000倍に希釈するとよい。100倍希釈より濃い血清を用いると、回収トランスフェリンに高分子領域の非特異的吸着タンパク質が混入することがある。トランスフェリン以外の糖タンパク質がビーズに吸着することは、ビーズをELISAなどで直接用いる際にトランスフェリン糖鎖の解析を阻害する。逆に、10000倍を超えて希釈すると、免疫沈降した抗体結合ビーズのトランスフェリンの結合量が減少する。
前記第一抗体-ビーズ複合体は、第一抗体と特異的に反応する標識化第二抗体を前記第一抗体-ビーズ複合体に結合させてから、前記生体試料と接触させ、糖タンパク質-第一抗体・標識化第二抗体-ビーズ複合体を得てもよい。これにより、該ビーズ複合体を固相化レクチンと結合した後の糖鎖検出が、簡易かつ迅速になる。また、ビーズ自体にHRPを化学的に結合させるよりも、HRP標識化第二抗体を第一抗体に結合させる方が、抗体結合ビーズに高いHRP活性を持たせることができて有利である。
第二抗体は、第一抗体同様に、市販のもの(例えば抗マウスIgG抗体)を適宜使用可能である。第二抗体は、第一抗体と同様に、糖鎖が保護され、もしくは糖鎖の一部または全部が除去されていることが望ましい。
第二抗体の標識には、例えばHRP(Horseradish Peroxidase)を用いる。HRPの発色基質には、従来公知のABTS(2,2'-azino-di-(3-ethylbenzthiazoline-6-sulfonate))やTMB(3,3',5,5'-tetramethyl-benzidene)を用いるが、TMBの方が低シグナルでも直線性を示す点で好ましい。
標識は、HRP以外にも、アルカリフォスファターゼ、蛍光(Cy3、Cy5、FITC、ローダミン)、ビオチン、フィコエリスリンなどの公知の標識も使用可能である。
本発明の検査方法の工程(2)は、前記糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を回収することからなる。回収は、通常、遠心処理による。ビーズに常磁性のものを使用した場合には、磁石でビーズを一カ所へ誘導してもよい。
本発明の検査方法の工程(3)は、シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得ることからなる。本発明の検査方法では、糖タンパク質に複合型N結合型糖鎖を有するものを採用しているため、この糖タンパク質の糖鎖の末端には通常、シアル酸が結合している。したがって、グリコシル化異常症が、糖鎖転移不全、糖鎖プロセシング異常のどちらであっても、抗体ビーズで回収した糖タンパク質に糖鎖異常があれば、それはシアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンへの結合量の低下によって検出される。
該当シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンとして、Siaα2,6-Gal特異的レクチンが好ましく、例えばSSA(Sambucus sieboldiana lectin、ニホンニワトコレクチン)、SNA(Sambucus nigra agglutinin、セイヨウニワトコレクチン)、TJA-I(Trichosanthes japonica agglutinin-I、キカラスウリレクチン)からなる群の少なくとも一種である。特に好ましいシアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンは、SSAである。
前記レクチンを固相化する担体には、ELISAプレート、マイクロアレイ、クロマトグラフィ用カラムなどが挙げられる。検出操作の簡易迅速性および多サンプル同時検出可能な点で、ELISAプレートまたはマイクロアレイが好ましい。
より好ましくは、レクチンマイクロアレイを使用する。レクチンマイクロアレイは、例えばサミット・グライコリサーチ株式会社から入手可能である。レクチンアレイのスライドグラス上には、約30種程度のレクチンが非特異的吸着によって固相化されている。レクチンは、各12スポットされており、単位面積あたり解析可能なレクチン数がELISAプレートに比べて約100倍向上する。これにより、少ないサンプル量で糖鎖プロファイリングが可能である。
前記レクチンを固相化用担体に固定するには、常法に基づく。具体的には、ELISAプレートなどにビオチン化レクチンを添加し、一晩放置して、レクチンを固相化させる。ウェルをPBSで洗い、BSA/PBSを加え、室温でブロッキングする。
レクチンが固相化用担体に結合したかどうかを確認するために、予めレクチンをビオチンなどで標識しておくことが好ましい。それには市販のビオチン化レクチンを制限なく使用することができる。
前記シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを固相化させたレクチン固相化担体と、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体とを接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る。
CDG患者の生体試料は、正常糖鎖タンパク質と異常糖鎖タンパク質との混合物の場合もあり得る。そこで、固相化レクチンと反応させる糖タンパク質の濃度は、糖鎖結合量の測定に採用した方法において、正常糖鎖タンパク質の割合に依存して糖鎖−レクチン結合量が変化するような範囲に設定する。例えば糖タンパク質がトランスフェリンの場合に、固相化レクチンに反応するトランスフェリン濃度が高すぎると、2-Tfが1-Tfよりも強くレクチンと結合するため、2-Tfの割合が減少してもシグナルが減少しないことがある。逆に、トランスフェリン濃度が低すぎると、レクチンに結合するトランスフェリンが飽和せず、2-Tfと1-Tfの割合が変化しても直線的なシグナル変化が得られないことがある。
ELISAプレートなどのレクチン固相化担体と糖タンパク質-第一抗抗体-ビーズ複合体との接触は、遠心処理により加速させることが望ましい。遠心処理により、糖タンパク質のレクチン結合性を高めることができ、測定時間の短縮にもなる。
本発明の検査方法の工程(4)は、前記で得たレクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を測定することからなる。結合量の測定は、標識方法に依存する。
例えば、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体にHRP-anti-mouse IgG(H+L)を加えて反応させ、PBS-Tで洗浄する。発色基質TMBを添加した場合、450nmでの吸光度OD450を測定する。発色基質がABTS/H2O2ならばOD405/490を測定する。第一抗体−ビーズ複合体に、予めHRP標識化第二抗体を結合させていた場合には、前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体・標識化第二抗体-ビーズ複合体にTMBなどの発色基質を添加し、OD450を測定する。
レクチンアレイなどで蛍光標識を使用する場合には、適宜の装置で蛍光強度を測定する。
本発明の検査方法の工程(5)は、前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較することからなる。通常は、測定条件を標準化して、健常者の検体を多く分析し、プロットして、測定標準値を決めておく。検査試料を分析する際に、該標準測定値と比較し、結合量(例えばOD450)が低下していれば、糖タンパク質のグリコシル化異常と判断される。
上記糖タンパク質結合量から、さらに結合率を求めてもよい。結合率は、例えば該結合量を健常者の測定標準値、または測定者の全糖鎖タンパク質から予測される結合量で除したものである。全糖鎖タンパク質量は、従来公知の方法、例えばELISA法で求めることができ、全糖タンパク質から予測される結合量は、予め作成する検量線から求めることができる。
次に、II型CDGを検査可能な第二の実施態様を説明する。第二の実施態様は、第一の実施態様の工程(3)において、シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンに代えて、ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンおよびアガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンから選ばれる少なくとも一種のレクチンを用い、工程(5)では、前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して増大していれば、II型CDGと判断する以外は、第一実施態様と同様である。
本発明の検査方法では、検査対象を、複合型N結合型糖鎖を有する糖タンパク質に特定しているので、正常な糖鎖は上記レクチンと反応しない。糖鎖プロセシング異常が起きた場合には、末端にガラクトース(Gal)またはN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)が露出するので、上記レクチンと結合するようになる。したがって、第二実施態様では、糖鎖プロセシング異常に基づくII型CDGが検出可能となる。
前記ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンとして、PHA-E4(Phaseolus vulgaris lectin E4、インゲンマメレクチン)、ACG(Agrocybe cylinbracea galectin、ヤナギマツタケレクチン)、BPL(Bauhinia purpurea lectin、ムラサキモクワンジュレクチン)、ECA(Erythrina cristagalli agglutinin、デイゴマメレクチン)、GSL-I(Griffonia simplicifoia lectin-I、グリフォニアマメレクチン)、MCL(Momordica charantia lectin、ニガウリレクチン)、RCA120(Ricinus communis agglutinin、ヒマレクチン)、SBA(Glycine max agglutinin、ダイズレクチン)、WFA(Wisteria floribunda agglutinin、フジレクチン)などが挙げられる。
前記アガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンとしては、GSL-II(Griffonia simplicifoia lectin-II、グリフォニアマメレクチン)、ABA(Agaricus bisporus agglutinin、マッシュルームレクチン)、LCA(Lens culinaris agglutinin、レンズマメレクチン)、PVL(Psathylera velutina lectin、ムジナタケレクチン)などが挙げられる。
好ましくは、ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンの少なくとも一種とアガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンの少なくとも一種とを組み合わせて用いる。これにより、II型CDGの見逃しを防ぐことができる。
次に、I型CDGとII型CDGの判別が可能な第三の実施態様を説明する。第三実施態様は、第一実施態様の工程とは別に、以下の工程:
(6) ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンおよびアガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンから選ばれる少なくとも一種のレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、および
(7) 前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を測定する工程を実施する。
マイクロアレイやELISAプレートに、シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチン、ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチン、アガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンを同時に固定しておけば、I型CDGとII型CDGの同時検出が可能になるので有利である。
さらに、第一実施態様の工程(5)の後に、以下の工程:工程(5)でグリコシル化異常と判断された生体試料について、工程(7)で測定した前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して、増大していればII型CDGと判断し、増大していなければI型CDGと判断する工程を含む。
この実施態様では、第一実施態様と同様にシアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンとの反応で、CDGを検出する。そして、第二実施態様と同様の操作で、II型CDGの検出を行う。ここで、II型CDGが検出されなければ、上記CDGはI型であると帰結される。
本発明は、前記グリコシル化異常症の検査方法を実施するためキットもまた提供する。該キットは、複合型N結合型糖鎖を有する糖タンパク質に特異的に反応する第一抗体を予めビーズに結合させた第一抗体-ビーズ複合体、シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を含み、さらに適宜、ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンおよびアガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンから選ばれる少なくとも一種のレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を含んでもよい。
前記第一抗体-ビーズ複合体の代わりに、第一抗体・標識化第二抗体-ビーズ複合体としてもよい。
キットの場合、前記固相化担体は、マイクロアレイやELISAプレートが好ましい。
本発明のグリコシル化異常症の検査方法は、先天性グリコシル化異常症を早期かつ高感度に検出するのに有効である。先天性グリコシル化異常症の臨床的症状は、精神運動発達遅延、脳下垂体ホルモン変動、肝機能障害、肝肥大、肝繊維化、低血糖、脾臓不全、胃腸障害、蛋白喪失腸症、骨髄液タンパク質増加、皮下脂肪異常、大脳萎縮、異常小頭、小脳形成不全、小脳失調症、小脳虫部形成不全、脳卒中様発作、性腺機能低下、乳房退縮、乳房間距離拡大、髄鞘形成遅延、嘔吐、周期性嘔吐、摂食障害、末梢神経障害、多発神経病、視神経萎縮、網膜色素変性、斜視、失明、全体的炎症、心筋症、低換気、無呼吸、凝固異常、末梢白血球上昇、HEMPAS(先天性赤芽球生成異常性貧血II型)、乾燥皮膚、成長障害、特徴的顔貌、短上下肢、筋障害など多岐にわたる。これらの臨床的症状から原因を糖鎖異常と判断することは困難である。一方で、CDGによっては、早期発見がその後の症状の重度を左右する。CDGの一部に治療法の確立したものもある。本発明の検査方法によって、グリコシル化異常の有無を簡易迅速に検査できれば、上記疾病の原因の特定、治療法の選定、新たな糖鎖異常に基づく疾患の研究などに役立つ。
本発明の検査方法は、後天性グリコシル化異常症の検査にも利用可能である。例えば、慢性リウマチ性関節炎に関係するヒト血清IgGは、CH2領域の297番目のアスパラギンに複合型2本鎖糖鎖を持っている。慢性関節リウマチ患者のIgG糖鎖は、ガラクトースを欠き、Nアセチルグルコサミンを末端に持つ糖鎖の割合が著しく増加している(Parekh R. B.et al. (1985) Association of rheumatoid arthritis and primary osteoarthritis with changes in the glycosylation pattern of total serum IgG. Nature 316 452-457)。IgGは、ヒト血清中に8〜15mg/mlと比較的高濃度存在するものの、その糖鎖分析にはIgGの精製が必要と考えられていた。本発明の検査方法によれば、リウマチでのIgG糖鎖変化が血清全体の分析で済むので、IgG精製が不要になる。
長期かつ過度の飲酒により起こるアルコール依存症では、患者の血清糖タンパク質に糖鎖異常が認められる(Landberg, E. et al.(1995) Carbohydrate composition of serum transferrin isoforms from patients with high alcohol consumption. Biochem. Biophys. Res. Commun. 210, 267-274)。現在、血清中の糖鎖欠損トランスフェリン(血清Carbohydrate Deficient Transferrin、血清CDT)が、アルコール依存症のマーカーとして用いられている。このCDTは禁酒すれば消失する。本発明の検査方法は、アルコール依存症患者の発見、治療、予後の観察への利用が期待される。
以下に、実施例を示すことによって、本発明のグリコシル化異常症の検査方法をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔調製例1〕第一抗体結合ビーズの調製
(1)第一抗体からの糖鎖の除去
抗トランスフェリン抗体(mouse anti-transferrin monoclonal antibody 2A2、HyTest #4T15)80μgをPBS(pH8.0)200μlに溶かし、PNGase F(Roche #1365177)を24μl添加して、37℃の水浴で4日間反応させた。
次に、SDS-PAGE(10%)で展開した後、ウエスタンブロッティングを行った。タンパク質を転写したPVDF膜(MILLIPORE #IPVH000 10)を、3%BSA/PBSでブロッキングした。3000倍希釈したビオチン化ConA(生化学工業 #300410)を、1時間、室温で反応させた。PBS-Tで30分洗浄した後、3000倍希釈したHRP-Streptavidin(Zymed #43-8323)を1時間、室温で反応させた。PBS-Tで2時間洗浄した後、ECL発色法によってバンドを検出した。PNGase F処理したものは、ConAによるウエスタンブロッティンクでバンドが検出されないことから、糖鎖の除去が確認された。以下の実験では、特に断りがない限り、糖鎖を除去した抗体をビーズに結合させた。
(2)第一抗体−ビーズ複合体の調製
粒径0.5μmのカルボキシルコートビーズ(製品名Polybead Carboxylate Microspheres(2.5%Solids-Latex)、Polyscience社製)に、Polyscience社のプロトコールに従って、第一抗体を結合させた。具体的には、ビーズを0.5mlとり、0.1M炭酸緩衝液1mlで2回洗浄した。ビーズの洗浄後、15000rpmで10分遠心することでビーズを分離した。以下の洗浄操作では、この条件を用いた。
続いて、0.02Mリン酸緩衝液を1mlで2回洗浄した。0.625mlの0.02Mリン酸緩衝液にビーズをよく懸濁し、0.6mlの2%カルボジイミド溶液(Carbodiimide Kit for Carboxylated Microparticles、Polyscience #238F)を加え、4時間、室温で揺らすことで、ビーズ表面のカルボキシル基を活性化した。活性化後、0.02Mリン酸緩衝液でビーズを2回洗浄した。0.2Mのホウ酸緩衝液1mlにビーズを縣濁し、抗トランスフェリン抗体40μgを加え、4℃で一晩反応させた。
ビーズ表面上の余剰活性基を不活化するため、抗体を結合させたビーズを遠心分離後、0.6mlの0.2Mホウ酸緩衝液で縣濁し、0.1Mエタノールアミンを25μl加え、室温で30分反応させた。ビーズを遠心分離し、10mg/ml BSA溶液0.5ml加え、室温で30分揺らし、ビーズ表面をブロッキングした。ビーズは、保存液に縣濁し、使用するまで4℃で保存した。
(3)抗体結合ビーズのHRP標識
抗体結合ビーズ4μlをPBS1mlに縣濁後、HRP-goat-anti-mouse IgG(H+L) (Zymed #81-6120)0.5μgを反応させた。その後、1ml PBSで3回洗浄した。
(4)固相化レクチンの作製
96well-ELISAプレート(SUMILON #MS-8896F)に、10μg/mlのビオチン化レクチン(ConA(生化学工業 #300410)、SSA(生化学工業 #300442)、PHA-E4(生化学工業 #300425)、またはGSL-II(VECTOR #B1215))を50μlずつ添加し、4℃で一晩放置して、レクチンを固相化させた。ウェルをPBSで3回洗い、3%BSA/PBS 170μlを加え、室温で3時間ブロッキングした。
(5)グリコシル化異常モデルトランスフェリンの調製
図3に、グリコシル化異常モデルトランスフェリンの調製方法の概略を示す。まず、糖鎖転移不全モデルとして、1-Tfの作製を以下の手順で行った。トランスフェリン(SIGMA#T4382)を、PBS(pH8.0)200μlに溶かし、PNGase Fを添加して、37℃の水浴で反応させた。トランスフェリン2mgにPNGase F 30Uを加え、37℃で反応させた。各反応時間のトランスフェリン100ngをSDS-PAGE(8%)展開し、銀染色を行った。銀染色の結果、反応から9時間後に1-Tfが確認され、反応90時間にはすべて1-Tfになったことが確認された。
次に、糖鎖プロセシング異常のモデルとして、アシアロトランスフェリン(Gal-Tf)、およびアガラクトトランスフェリン(GlcNAc-Tf)を、以下の手順で作製した。トランスフェリン10mgを、0.02M酢酸緩衝液(pH5.0)500μlに溶かし、5mU/mlシアリダーゼ(Arthrobacter ueafaciens)10μlを加え、37℃で5時間反応させた。続いて、半量をとり、5mU/mlガラクトシダーゼ(jack bean由来)10mlを加え、37℃で12時間反応させた。それぞれについて、Slide-A-Lyser Dialysis Cassette 10K MWCOを用い、PBS 3Lに対して透析を行った。
SDS-PAGE(12%)展開後、タンパク質をPVDF膜に転写し、3%BSA/PBSに浸し、4℃で一晩放置した。1000倍希釈したビオチン化レクチンを2時間、室温で反応させた。ここで、末端シアル酸の存在の確認にはSiaα2,6-Galに特異性を持つビオチン化SSAレクチン(生化学工業 #300442)を、末端ガラクトースの存在の確認にはGalβ1,4-GlcNAcに特異性を持つビオチン化RCA120レクチン(生化学工業 #300435)を用いた。PBS-Tで30分洗浄した後、1000倍希釈したHRP-Streptavidin (Zymed #43-8323)を1時間、室温で反応させた。
PBS-Tで2時間洗浄後、ECL発色法によってバンドを検出した。10mgトランスフェリンは、5mU/mlシアリダーゼ10μlを加え、37℃で5時間反応させることで、SSAの結合性が消失した。さらに、シアリダーゼ処理したトランスフェリン5mgを5mU/mlガラクトシダーゼ10μlを加え、37℃で12時間反応させることで、RCA120に結合しなくなった。シアリダーゼ処理によってアシアロトランスフェリン(Gal-Tf)が、続くガラクトシダーゼ処理によってアガラクトトランスフェリン(GlcNAc-Tf)が生成された。
〔実施例1〕CDGの検査方法
2-Tfまたは1-TfとSSAとの結合量を調べ、本発明の検査方法がCDGの探索に使えるか否かを検証した。
(1)抗体結合ビーズによるBSA溶液中トランスフェリンの回収
10μg/ml BSA/PBS溶液に、2-Tf、または1-Tfを3μg/mlとなるよう加えた。その溶液を1mlとり、HRP-anti-mouse IgG(H+L)を反応させた抗体結合ビーズを1μl加え、4℃で2時間反応させた。反応後、1%NP40-PBS 0.5mlで3回洗浄した。
(2)免疫沈降産物のSDS-PAGE解析
トランスフェリンを含むBSA溶液中で免疫沈降させたビーズ200nl分を、SDS-PAGE(10%)で展開した後、銀染色を行った。
(3)HRP標識抗体結合ビーズとレクチンとの結合量の測定
ビオチン化レクチンを固相化したウェルに、トランスフェリン溶液で免疫沈降反応させたHRP標識ビーズを加え、プレート遠心機で2500rpm、5分間遠心した後、PBSにつけて4回洗浄した。TMBを50μl添加後1NH2SO4で発色反応を停止し、OD450を測定した(図4)。
トランスフェリンは、糖鎖数によらずに抗体結合ビーズへ結合することを確認した。そして、図4に示すように、2-Tfと1-Tf間で、OD450に差が現れた。健常者の血清トランスフェリンは2-TfのOD450のような挙動を示す。一方、CDG患者では、完全な糖鎖の絶対数が減少するので、1-TfのようなOD450を示す。本実施例で2-Tfと1-Tfとの差異をOD450で示せたことは、本発明の検査方法がCDGの検査に有効であることを意味する。
〔参考例1〕2-Tf/1-Tf混合溶液とSSAレクチンとの結合試験
I型CDG患者の血清トランスフェリンには、2-Tf、1-Tfおよび0-Tfが混在する場合がある。そこで、2-Tfと1-Tfとを各種割合で混合した溶液を調製し、固相化したSSAとの結合量を調べた。
96well-ELISAプレートに10μg/mlのSSAレクチンを50μlずつ添加し、4℃で一晩放置し、レクチンを固相化させた。ウェルをPBSで3回洗い、3%BSA/PBS 170μlを加え、室温で3時間ブロッキングした。
トランスフェリン濃度100μg/ml〜12.5μg/mlの条件で、2-Tfと1-Tfを10:0〜0:10の割合で混合し、各混合液を、SSAレクチンを固相化したウェルに50μl加え、2時間、室温で反応させた。
PBS-T 170μlで3回洗浄後、8000倍希釈したmouse anti-transferrin monoclonal antibody 2A2(HyTest #4T15)、3000倍希釈したHRP-anti-mouse IgG (H+L)(Zymed #62-6520)を50μl加え、各1時間反応させた。それぞれPBS-T 170μlで3回洗浄した。
ABTS/H2O2を50μl添加後、OD405/490を測定した。なお、H2O2(Wako #81-04215)は、測定直前に1/1000量加えて使用した。トランスフェリン濃度25μg/mlにおいて、2-Tf割合の減少に伴う直線的なシグナル減少が見られた(図5)。1-TfのSSAへの結合量は、2-Tfの結合量に比べて4分の1程度まで低下していた。2-Tfと1-Tfとが混在した糖鎖異常であっても、レクチン結合量の変動によって明らかにできる。
〔実施例2〕I型CDGとII型CDGの判別方法
ヒト血清(Cosmobio #12181201)からトランスフェリンを除去し、さらに糖鎖異常モデルトランスフェリンを添加することで、本発明のグリコシル化異常症の検査方法が有効かどうかを検証した。
[1]トランスフェリンフリー血清の調製
トランスフェリンフリーの血清を調製するため、抗トランスフェリンポリクローナル抗体を用いて、ヒト血清からトランスフェリンを除いた。具体的な手順は、以下のとおりである。
(1)抗トランスフェリンポリクローナル抗体結合ビーズの調製
粒径0.5μmのカルボキシルコートビーズ0.5mlに、Polyscience社のプロトコールに従って、ウサギ抗トランスフェリンポリクローナル抗体(rabbit anti-transferrin polyclonal antibody (Biogenesis #9099-9959))溶液30μl加え、反応させた。
(2)ポリクローナル抗体結合ビーズによる血清からのトランスフェリンの除去
PBSにて1000倍に希釈したヒト血清1mlをとり、上記抗トランスフェリンポリクローナル抗体結合ビーズを10μl加え、4℃で2時間反応させた。ビーズは、pH2.7のグリシン-塩酸緩衝液1mlで再生し、すぐにPBSにて平衡化した。
(3)トランスフェリン除去の確認
ヒト血清をSDS-PAGE(8%)で展開し、PVDF膜に転写し、3% BSA/PBSでブロッキングした。1000倍希釈したrabbit anti-transferrin polyclonal antibodyを1時間、室温で反応させた。PBS-Tで30分洗浄した後、1000倍希釈したHRP-goat anti rabbit IgGを1時間、室温で反応させた。PBS-Tで2時間洗浄した後、ECL発色法によってバンドを検出した。
[2]HRP標識抗体結合ビーズを用いた血清トランスフェリン糖鎖のプロファイリング
(1)グリコシル化異常トランスフェリン含有血清の調製
上記でトランスフェリンを除いた1000倍希釈血清に、NA-Tf(正常なシアリルトランスフェリン、SIGMA#T4382)、Gal-TfまたはGlcNAc-Tfを3μg/mlとなるよう加えた。
(2)抗体結合ビーズによるトランスフェリンの回収
NA-Tf、Gal-TfまたはGlcNAc-Tfを含む血清を1mlとり、調製例1(1)〜(3)で作製したHRP標識抗体結合ビーズを1μl加え、4℃で2時間反応させた。反応後、1%NP40-PBS 0.5mlで1回洗浄した。トランスフェリンを免疫沈降反応させたHRP標識化抗体結合ビーズを、調製例1(4)で作製した4種類のレクチン固相化ウェルに加えた。反応を加速させるため、プレート遠心機で2500rpm、5分間遠心した後、PBSにつけて4回洗浄した。
(3)回収トランスフェリンとレクチンとの結合量の測定
TMBを50μl添加後、OD450を測定した。図1に、各レクチン固相化ウェルへの結合の結果を示す。PHA-E4またはGSL-IIは、NA-Tfには結合量を示さないものの、Gal-TfまたはGlcNAc-Tfには結合量を示した。Gal-TfおよびGlcNAc-Tfは、CDGのうちのII型CDG(糖鎖プロセシング異常)をシミュレートする糖鎖モデルである。したがって、PHA-E4またはGSL-IIは、II型CDGをスクリーニングするためのレクチンとして有用なことがわかる。
実施例1の結果とあわせると、以下のことがいえる。検査したい複合型N結合型糖鎖を有する糖タンパク質とSSAとの間に結合量の低下が見られた場合、CDGが疑われる。さらにPHA-E4またはGSL-IIとの結合量を調べ、これらとの結合量が上昇していれば、CDGはII型CDGの可能性が高い。一方、上昇していなければ、CDGはI型CDGの可能性が高い。比較例となるのがConAである。ConAは、図1に示すように、正常なトランスフェリン(NA-Tf)、糖鎖プロセシング異常のトランスフェリン(Gal-TfおよびGlcNAc-Tf)のいずれに対しても結合を示す。SSAをConAに代えると、糖鎖プロセシング異常を見逃す可能性がある。
以上の結果から、抗体結合ビーズを血清などの生体試料と反応させ、そのビーズと特定の固相化レクチンとの結合性を調べることで、糖鎖プロファイリングが行え、さらにグリコシル化異常症の検査が可能であることが示された。
本発明において、II型CDGを検出する方法をシミュレートした実験結果である。 本発明の検査方法のフローを示す概略図である。 本発明の検査方法を検証するために使用する糖鎖異常モデルの調製方法を示す。 本発明において、CDGを検出する方法をシミュレートした実験結果である。 本発明において、糖鎖異常モデルと糖鎖正常モデルの混合物とレクチンとの結合量を測定した実験結果である。 CDGの種類とその成り立ちを示す概要図である。

Claims (15)

  1. (1) グリコシル化異常症を検査したい者から採取した生体試料を、生体試料中の複合型N結合型糖鎖を有する糖タンパク質に特異的に反応する第一抗体を予めビーズに結合させた第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、
    (2) 前記糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を回収する工程、
    (3) シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、
    (4) 前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を測定する工程、および
    (5) 前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して低下していれば、糖タンパク質のグリコシル化異常と判断する工程
    を含む、グリコシル化異常症の検査方法。
  2. 前記グリコシル化異常症が、先天性グリコシル化異常症である、請求項1に記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  3. 工程(3)において、シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体に代えて、ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンおよびアガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンから選ばれる少なくとも一種のレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、そして、
    工程(5)において、前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して増大していれば、II型CDGと判断する工程
    を含む、請求項2に記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  4. さらに、工程(3)および(4)の前、後または同時に、以下の工程:
    (6) ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンおよびアガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンから選ばれる少なくとも一種のレクチンを予め固相化させたレクチン固相化担体を、前記回収した糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体と接触させ、レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体を得る工程、および
    (7) 前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を測定する工程
    を実施し、工程(5)の後に、以下の工程:
    (8) 工程(5)でグリコシル化異常と判断された生体試料について、工程(7)で測定した前記糖タンパク質結合量が、健常者の糖タンパク質結合量と比較して、増大していればII型CDGと判断し、増大していなければI型CDGと判断する工程
    を含む、請求項2に記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  5. 前記ガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンが、PHA-E4、ACG、BPL、ECA、GSL-I、MCL、RCA120、SBAおよびWFAの少なくとも一種である、請求項3または4に記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  6. 前記アガラクトシル糖鎖に特異的に結合するレクチンが、GSL-II、ABA、LCAおよびPVLの少なくとも一種である、請求項3、4または5に記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  7. 前記シアル酸を含む糖鎖に特異的なレクチンが、SSA、SNAおよびTJA-Iの少なくとも一種である、請求項1〜6のいずれかに記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  8. 前記生体試料が血清である、請求項1〜7のいずれかに記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  9. 前記糖タンパク質がトランスフェリンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  10. 工程(1)において、第一抗体と特異的に反応する標識化第二抗体を前記第一抗体-ビーズ複合体に結合させた後、前記生体試料と接触させ、糖タンパク質-第一抗体・標識化第二抗体-ビーズ複合体を得、そして、
    工程(4)において、前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体-ビーズ複合体の代わりに前記レクチン固相化担体-糖タンパク質-第一抗体・標識化第二抗体-ビーズ複合体中の糖タンパク質結合量を、前記標識化第二抗体の検出により測定することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  11. 前記レクチンを固相化する担体が、ELISAプレートまたはマイクロアレイである、請求項1〜10のいずれかに記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  12. 工程(3)において、レクチン固相化担体と糖タンパク質-第一抗抗体-ビーズ複合体との接触を、遠心処理により加速させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  13. 前記第一抗体は、糖鎖が保護され、もしくは糖鎖の一部または全部が除去されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  14. 前記標識化第二抗体は、糖鎖が保護され、もしくは糖鎖の一部または全部が除去されていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載のグリコシル化異常症の検査方法。
  15. 前記請求項1〜14のいずれかの方法を実施するための、グリコシル化異常症検査キット。
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