JP2018155613A - 抗体の糖鎖検出法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、Fab領域に糖鎖が付加された抗体、特に遺伝子組換えモノクローナル抗体を検出するための簡便な方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、Fab領域糖鎖特異的な親和性を有する少なくとも一種類のR-型レクチンを固相側及び/又は液相側に用いた検出用装置又はキットを用いることでFab領域に糖鎖が付加された抗体のみを検出する方法を提供するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗体、特に組み換え技術により産生されたIgG抗体のFab領域に付加された糖鎖の簡便な検出法及びそのためのキットに関する。
組み換えDNA技術、細胞融合などのバイオテクノロジーで製造されたタンパク質性医薬品の多くは宿主の生合成系による糖鎖修飾を受ける。糖鎖修飾としては、タンパク質のアスパラギン残基にN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)が結合して開始されるN型糖鎖と、セリンまたはトレオニン残基にN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)が結合して開始されるO型糖鎖とが挙げられる。糖タンパク質に結合している糖鎖を構成する糖としては、ガラクトース、マンノース、フコース、グルコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルノイラミン酸、N-グリコリルノイラミン酸、キシロースなどが挙げられる。タンパク質に付加される糖鎖は細胞や培養条件によって多様に変化し、ヒトには存在しない糖鎖構造、例えばN-グリコリルノイラミン酸やα1−3ガラクトースが付加され異種抗原が形成される場合もある(第十七改正日本薬局方「2.64糖鎖試験法」、Nat Biotechnol. 2011 Jul 11;29(7):574-6.)。
バイオ医薬品の生産においては、異種抗原を有する医薬品は投与された患者の免疫系により薬効の漸次低下やアナフィラキシーショックを誘発する可能性があるため、バイオ医薬品に異種抗原が付加されないように生産系を制御することが求められる。
健常人の血清中のIgG抗体は、Fc領域の297番目のAsnにそれぞれ一つのN−グリコシド糖鎖を有しており、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)及び補体依存性細胞障害活性(CDC)や血中安定性に関わっているため、抗体医薬にとって重要である。典型的には下記に示す複合糖鎖であるが、一部に多型がある。Fuc残基の除去、又はバイセクティングGlcNAc残基の付加量の増加によりADCC活性が増強できることと共に、非還元末端のGal残基の付加がCDC活性に影響することが知られている(Chromatography, Vol.34 No.2, 2013, 83-88、Shinkawa T,et al., J.Biol. Chem.278, 3466-3473 2003)。
したがって、抗体医薬の製造の際には糖鎖を付加できる動物細胞、酵母などが宿主として選択されるが、選択されたCDR配列によってはFab領域に糖鎖が付加されることもある。Fab領域は抗体の外側に位置するため糖鎖が付加された場合には、抗体医薬品の抗原性や薬効に与える影響はFc領域の糖鎖よりも大きいと考えられる。特に非ヒト型の糖鎖(Neu5Gc、Gal-α1-3Galなど)が付加された場合生体内で免疫反応を引き起こす可能性が高い。セツキシマブマブでは、Fab領域に付加されたGal-α1-3Galにより、一部の患者でアナフラキシーを惹起することが報告されている(Christine H., et al, N.Engl.J.Med., 2008; 358: 1109-17、Curr Allergy Asthma Rep. 2010 January;10(1):29-33)。
また、製造承認申請や品質管理においては抗体の糖鎖不均一性を評価する必要があるが、複数の部位に糖鎖が付加されている場合は分析が複雑になり開発コストに大きく影響するため、抗体医薬開発の初期段階において好ましくない抗体生産株をふるい落とすことが求められている。とりわけ、生体内での副作用が懸念されるFab領域に糖鎖が付加された抗体の生産株を、開発初期のスクリーニング工程で、迅速で簡便な手段でふるい落とせることが望ましい。
抗体医薬品の糖鎖を分析する一般的な方法では、まずN-グリカナーゼを用いて抗体から糖鎖を切断し、次いで遊離した糖鎖の構造を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や質量分析(MS)などにより分析していた(非特許文献1,2)。しかしこれらの方法では、糖鎖を抗体から遊離する段階で糖鎖が結合していた部位の情報は失われる。また、糖鎖を遊離させることなく抗体分子全体の分子量を質量分析計で測定するインタクトMS法により、抗体に結合している糖鎖の分子量分布を知ることができるが、この方法でも糖鎖の結合部位の情報は得られない(非特許文献3)。
糖鎖結合部位を明らかにするためには抗体医薬品をトリプシンなどのプロテアーゼで消化することによりペプチド断片とし、得られたペプチド混合物から糖ペプチドを液体クロマトグラフィーなどにより分離し、さらに質量分析計で詳細に分析することを必要とする(特許文献1)。
現在では液体クロマトグラフィーと質量分析計を組み合わせたLC−MSを用いて分析されることが多い。しかし、この方法は高価な質量分析計を必要とするだけでなく、まず抗体医薬品を精製分離し、その後トリプシン消化するという煩雑な工程が必要であり、多検体処理が必要なスクリーニングには向いていない。
また別の方法では、抗体医薬品をパパインで消化することによりFc部分とFab部分に分離した後、糖鎖を分析することによりFab部分の糖鎖を明らかにすることができる。この方法も、まず抗体医薬品を精製分離し、その後パパイン消化、さらにはN-グリカナーゼ処理や糖鎖の蛍光標識など糖鎖分析の多段階の処理が必要であり、迅速性や簡便性が求められるスクリーニングには向いていない。
従来から特定の疾患に罹患した患者血清中の抗体等の糖タンパク質に発現する疾患特異的な糖鎖を検出する方法としてレクチンを用いる手法が多数開発されており、IgG抗体の特異的糖鎖についても、プロテインA又はプロレインGとMan糖鎖認識レクチンであるCoA(コンカナバリンA)又はLCA(レンズカリナリスアグリチニン)との組合せた診断薬によりFc領域糖鎖における非還元末端のGal欠損の有無を検出するリウマチ診断法(特許文献2)などが知られている。
抗体医薬品の糖鎖を分析するための手法としては、還元処理で変性させたIgG抗体のFc領域糖鎖のADCC活性に関わるFuc修飾の有無が、AALレクチンを用いて検出できること(非特許文献4)が知られている。同様に、Fc領域中のADCC活性又はCDC活性に関わる他の各種糖鎖に対しても、それぞれ認識するレクチンを用いて検出できる(特許文献3、4)ことが示唆されている。
しかしながら、いずれも特定の疾患特異的に発現する特異的な糖鎖、又は抗体医薬品として必須のFc領域中のADCC又はCDC活性に関わる特定の糖鎖の検出に当該糖鎖特異的なレクチンを利用しようというものであって、抗体のFab領域に付加された糖鎖のみを全て検出するための手法ではなかった。
特開2010−256101号公報 特許第2945075号公報 特開2012−255736号公報 特開2008−209261号公報 特開2011−039043号公報
Journal of Immunological Methods, Vol. 382, No.(1-2), 2012, 167-176. Journal of Immunological Methods, Vol. 326, No.(1-2), 2007, 116-126. Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - General Subjects, Vol. 1760, No. 4, 2006, 669-677. Songming Chen, et al,PLOS ONE (2012)Vol.7,Issue9,e44422 New England Journal of Medicine, Vol. 358, 2008, 1109-1117. Anal Bioanal Chem, Vol. 405, 2013, 5825-5831. Anal Chem, Vol. 86, 2014, 5661-5666.
本発明は、こうした諸問題に鑑み、Fab領域に糖鎖が付加された抗体を検出するための簡便な方法、特に組み換え技術により産生されたIgG抗体のFab領域に糖鎖が付加された抗体のみを,簡便で迅速、かつ正確に検出する方法を提供することを課題とする。そのことにより、抗体医薬開発早期の段階でのスクリーニング工程において、抗原性や体内動態への影響が懸念される抗体産生株を簡便かつ迅速に除去することのできる方法を提供しようとするものである。
本発明者は上記課題を解決すべく、Fc領域と共にFab領域にも糖鎖を有することが知られ、それぞれの糖鎖情報も明らかとなっている市販の抗体医薬であるセツキシマブ(イムノクローンシステムズ社製)をモデルとして用い、Fc領域のみに糖鎖を有するパリビズマブなどとの反応性をアフィニティ分子マトリクス電気泳動(特許文献5)により比較した。その際、対象抗体は還元処理などの変性処理や、他のタンパク質との融合体形成などの前処理を施すことなく用いた。
その結果、レクチンのうちでも典型的なR-型(Rタイプ)レクチンに属するRCA−I(RCA120)では、抗体のFab領域に付加された糖鎖とは相互作用するが、抗体本来のFc領域の糖鎖とは相互作用しないことが観察された。
RCA−IはGal認識性レクチンであり、Gal残基を非還元末端に有する糖鎖はFab領域のみならずFc領域にも存在していることを考慮すると、RCA−IがFab糖鎖のみを認識できたことは驚くべきことである。同じR-型レクチンに属するSSAでも同様にFab糖鎖のみに反応性を示した。
Fab糖鎖を有する抗体が含まれているヒト血清由来IgGを未変性の状態で各種レクチンとの反応性を確認したところ、明らかな反応性を確認できたのは、R-型レクチンに属するSSAのみであった。
そこで、これらの現象が、R-型レクチンで一般的な現象かどうかを調べるために、本発明者らが開発したレクチンアレイを用いて、Fab領域にも糖鎖を有する抗体であるセツキシマブと、パリビズマブなどのFc領域のみに糖鎖を有する抗体との各種レクチンの反応性を網羅的に検討した。
その結果、R-型レクチンに属するRCA−I及びSSAと共にSNA(SNA−I)、rPSL1a(Polyporus squamosusレクチンの組み換え体)、rACG(Agrocybe cylindraceaレクチンの組み換え体)、rMOA(Marasmius oreadesレクチンの組み換え体)は全てFab領域の糖鎖のみに反応する特性を有していることが確認できた。
また、各種の測定方法での挙動を確認するため、R-型レクチンのRCA−Iなどについてラテラルフローアッセイ及びELISA法により、各抗体の糖鎖との反応性を測定したところ、電気泳動結果と同様に、Fab領域に糖鎖を有する抗体のみと反応することを確認できた。
以上のように、R-型レクチンに属するレクチン群は、抗体のFab領域に付加された糖鎖とは相互作用するがFc領域の糖鎖は相互作用しないという特異的な性質を有していることがわかった。このようなレクチンを用いた簡易アッセイ系により、簡便かつ迅速にFab領域に糖鎖を有する抗体を検出できる。これらは抗体医薬の研究開発において非常に画期的かつ重要である。
以上の知見を得たことで、本発明を完成することができた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕Fab領域糖鎖特異的な親和性を有する少なくとも一種類のR-型レクチンを用いることを特徴とする、Fab領域に糖鎖を有する抗体の検出方法。
〔2〕 抗体が、遺伝子組み換え技術により合成された重鎖及び軽鎖を有するモノクローナル抗体である、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕 検出方法において、前記少なくとも一種類のR-型レクチンが固定化されている固相が用いられることを特徴とする、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕 検出方法が、アフィニティ電気泳動法、ラテラルフローアッセイ、レクチン−レクチンサンドイッチ法、及びELISAからなる群から選択されたいずれかの方法である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕 前記少なくとも一種類のR-型レクチンが、RCA−I(RCA120)、SNA(SNA−I)、SSA、PSL(PSL1a)、及びMOAレクチンからなる群から選択されたいずれか一種類のレクチンであることを特徴とする,前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕に記載のいずれかの方法に用いるための固相であって、Fab領域糖鎖特異的な親和性を有する少なくとも一種類のR-型レクチンを固定化した固相。
〔7〕 固相が、多孔性膜、プレート及びビーズからなる群から選択されたいずれか一種類の固相である、前記〔6〕に記載の固相。
〔8〕 前記〔1〕〜〔5〕に記載のいずれかの方法でFab領域に糖鎖を有する抗体を検出するための装置又はキットであって、Fab領域糖鎖特異的な親和性を有する少なくとも一種類のR-型レクチンを含むことを特徴とする装置又はキット。
〔9〕 検出用装置又はキットが、前記少なくとも一種類のR-型レクチンに属するレクチンが固定化された固相を含むことを特徴とする、前記〔8〕に記載の装置又はキット。
〔10〕 前記少なくとも一種類のR-型レクチンが、RCA−I(RCA120)、SNA(SNA−I)、SSA、PSL(PSL1a)、及びMOAレクチンからなる群から選択されたいずれか一種類のレクチンであることを特徴とする、前記〔8〕又は〔9〕に記載の装置又はキット。
本発明の方法により、R-型レクチンを抗原抗体反応で一般的に用いられる親和電気泳動、ラテラルフローラルアッセイ、ELISA法などの免疫測定手段に適用でき、Fab領域に糖鎖を有する抗体のみを簡便に検出することができる。そのことにより、抗体医薬開発の早期の段階で、抗原性や体内動態への影響が懸念される抗体産生株を速やかに排除することができる。
RCA−Iレクチン親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出 市販抗体医薬品の抗体表面の糖鎖と各種レクチンとの反応性の解析 RCA−Iレクチンを局所固定したレクチン親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出(PVDF膜の場合) RCA−Iレクチンを局所固定したレクチン親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出(ニトロセルロース膜の場合) RCA−Iレクチンをニトロセルロース膜に局所固定したレクチン親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出(蛍光標識抗体を用いた場合) RCA−Iレクチンを用いたラテラルフローアッセイによるFab糖鎖抗体の検出(金ナノ粒子標識抗体を用いる場合) RCA−Iレクチンを用いたラテラルフローアッセイによるFab糖鎖抗体の検出(FITC標識抗体を用いる場合) SSAレクチンを用いたラテラルフローアッセイによるFab糖鎖抗体の検出(FITC標識抗体を用いる場合) レクチンELISAによるFab糖鎖の検出
1.R-型(R-タイプ)レクチン
本発明は、Fab領域に糖鎖を有する抗体の検出に際して、Fab領域糖鎖特異的な親和性を有するR-型レクチンを用いることを特徴としている。
本発明で用いられるR-型(R-タイプ)レクチンに属するレクチンは、リシンBレクチン(Ricin-type beta-trefoil lectin domain、リシンB関連レクチン)などとも呼ばれる。タンパク質ドメインファミリーデータベース(Pfam)のRicin_B_lectin (PF00652)及びRicinB_lectin_2(PF14200)に属するタンパク質群である。細菌を含む生物界で広く見いだされるレクチンで、いずれの生物種由来レクチンのCDR(carbohydrate-recognition domein;糖質認識ドメイン)も保存性が高く、ヒマ種子毒リシンのCRDと立体構造的に類似している(Rajesh K.Gupta et al, Animal Lectins: Form, Function and Clinical Applications (2012),pp.313-330)。
具体的には、Abrin、CBM13、CEL−III、EW29、EW29−Ch、Ebulin、HA1(typeC)、LSL、MCL、MOA、PSL、RCA−I(RCA120)、SNA(SNA−I)、SNA−II、SNA−III、SNA−V、SNA−IV、SRC、SSA、SoCBM13、VAAなどが例示できる(LfDB-Lectin Frontier DataBaseによる。)
本発明の好ましいR−型レクチンとしは、Abrin(トウアズキ(jequirity bean)由来のGal認識レクチン)、CBM13(放線菌(Streptomyces lividans)由来のGal等認識レクチン)、EW29−Ch(ミミズ(Earth worm)由来のGal認識レクチン)、Ebulin(スイカズラ(Danewort)由来のGal認識レクチン)、LSL(アイカワタケ(Laetiporus sulphureus)由来のラクトース認識レクチン)、MOA(シバフタケ(Scotch bonnet)由来のGalα1−3Gal/GalNAc認識レクチン)、PSL(組換え体PSL1a、アミヒラタケ(Polyporus squamosus)由来のSia(α2−6Sialic Acid)認識レクチン)、RCA−I(RCA120、ヒマ、トウゴマ(Castor oil bean,Caster Bean)由来のGal/GalNAc認識レクチン)、SNA(SNA−I、セイヨウニワトコ(Elderberry)由来のNeuAc/a2−6Sia認識レクチン)、SRC(ミミズ(Earth worm)由来のNeuAc認識レクチン)、SSA(ニワトコ(Red-berried Elder)由来のNeuAc、Sia認識レクチン)、SoCBM13(放線菌(Streptomyces oliveceoviridis E-86)由来のGal等認識レクチン)、ML−I(ヤドリギ(Viscum album L.)由来のGalNAc認識レクチン)であり、より好ましくは、RCA−I(RCA120)、SNA(SNA−I)、SSA、PSL(PSL1a)、又はMOAレクチンである。
また、これらR-型レクチンはいずれも単独で用いることができるが、糖鎖認識性の異なる2以上のレクチンを組み合わせて用いてもよい。例えば、RCA−I(Gal認識レクチン)及びSNA(NeuAc、Sia認識レクチン)を組み合わせることができる。組み合わせる際に、いずれかのR-型レクチンを固相化し、他のレクチンを液相中で捕捉用レクチンとして用いてもよいが、両者を同じ固相表面に固定化してもよい。
さらに、キット化に際しては、コントロールとしてFab領域の糖鎖認識能のないR-型以外のレクチンを組み合わせても良い。その際には、R-型レクチンと同じ固相表面に固定化してコントロールとするか、また、液相中で捕捉用レクチンとして用いるR-型レクチンと競合させるために液相中に共存させておくこともできる。
なお、R-型レクチンには属さないが、本発明のFab領域糖鎖検出用レクチンとしては、他にrACG(Agrocybe cylindraceaレクチンの組み換え体)、TJAI(Trichosanthes japonicaレクチン)、rGal9N(ガレクチン9のN末端ドメインの組み換え体)、rOrysata(Oryza sativaレクチンの組み換え体)及びPSA(Pisum sativumレクチン))rGC2、rROAを用いることもできる。
2.本発明の検出対象
(2−1)検出対象となる糖鎖
本発明の検出対象となる糖鎖としては、Fab領域に結合した糖鎖であれば、N−結合型糖鎖であっても、O−結合型糖鎖であっても、またどのような糖鎖構造を有する糖鎖であってもよい。例えば、非ヒト型糖鎖構造を検出することができる。
典型的なFab糖鎖としては、従来シアル酸含有糖鎖(NeuGc含む)やαガラクトース含有糖鎖(非特許文献3、5)が知られているがこれら糖鎖には限定されない。
(2)検出対象となる抗体
本発明が対象とする抗体は、Fab領域に糖鎖を有するモノクローナル抗体であり、通常はFc領域にも糖鎖を有する。特に、遺伝子組み換え技術により人工的に合成された、重鎖及び軽鎖を含みかつFc領域を有するモノクローナル抗体を対象とする。当該抗体のクラスは、IgG,IgA、IgMなどの様々なクラスの抗体であり得るが、IgG抗体であることが好ましい。
なお、ヒトなど正常な哺乳動物の血液やリンパ液などの体液中には、Fab領域に糖鎖を有するIgG抗体もある一定の割合で含まれているが、本発明では、これらの正常な個体が産生する抗体の検出は意図していない。典型的には、ヒト細胞を含む哺乳動物細胞を宿主とした形質転換体により産生された組換えIgG抗体である。
本発明の対象となる抗体のFab領域の糖鎖としては、どのような糖鎖も対象となるが、例えば「Gal-α1-3Gal」などのヒト体内では見られない糖鎖を含む糖鎖、及び/又は宿主細胞由来の糖鎖であることが好ましい。
(3)検出対象となる抗体含有試料
本発明の検出対象となる抗体含有試料は、典型的には抗体医薬製造時の組換え細胞などから産生された抗体を含有する試料である。その際、対象となる抗体は精製されていることは好ましいが、精製前の培養液を含む状態であっても、本発明を適用することができる。
抗体医薬の製造において、創薬段階で候補を絞り込む際に、96穴プレートなどを用いたセルスクリーニングにより高生産株をピックアップした後の工程で、本発明のFab糖鎖修飾検出法を適用することで、Fab領域に糖鎖修飾を有する抗体のみをふるい落とすことができる。または、組換え細胞やハイブリドーマなどによって医薬用として各種抗体を産生する場合に、まれにFab領域に糖鎖が結合する場合があるため、その品質管理のためにFab糖鎖の検出に用いることができる。
または、本発明の検出対象となる試料が生体細胞由来の抗体を含む血清など血液や、唾液、鼻汁などの体液であってもよい。
例えば、がんや病原体により特定の疾患に罹患した際にFab領域に糖鎖が結合することが知られている場合であれば、罹患したおそれのある患者や動物由来の血液、唾液、鼻汁などの試料を用いて、本発明を適用して当該Fab糖鎖の存在を検出することで、その疾患への罹患の有無や程度を判定することができる。
3.本発明の測定方法及びそのためのキット
本発明のR-型レクチンを、担体に固定化し、既知のアフィニティ電気泳動(アフィノフォレシス、親和性電気泳動、親和膜電気泳動)、ラテラルフローアッセイ、レクチン−レクチンサンドイッチ法、ELISA等を適用する。レクチン−レクチンサンドイッチ法又はELISAの場合は、担体に固定化しないR-型レクチンを、直接的又は間接的に標識し、オーバーレイすることも可能である。本発明では、親和膜電気泳動法、ラテラルフローアッセイ、又はELISAが好ましい。2種類のR-型レクチンを組み合わせたレクチン−レクチンサンドイッチ法も有効である。
(3−1)R-型レクチンの固定化
R-型レクチンを固定化する担体としては、一般的な固定化用担体が適用でき、その固定化方法も既知の固定化方法を適用すればよい。固定化用担体としては、特に、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜、ニトロセルロース膜などの多孔質膜、又はガラスやプラスチック製のプレート、ビーズなどが好ましい。
また、レクチンの担体への固定化方法は、既知の物理的吸着法、化学的な結合法のいずれでも好く、担体に直接固定化する直接法でも、レクチンをビオチン化してからアビジンコートプレートに固定化するビオチン−アビジン間接法でもよい。
(3−2)アフィニティ電気泳動
アフィニティ電気泳動としては、レクチンをアフィニティリガンドとして含むゲルで電気泳動を行う、レクチン親和性電気泳動が一般的であるが、レクチンを、疎水性ポリマー膜に結合させた電気泳動であるアフィニティ分子マトリクス電気泳動を用いることができる。
R-型レクチンを用いるアフィニティ分子マトリクス電気泳動は、R-型レクチンを含む疎水性ポリマー膜に被検抗体試料を塗布して泳動を行い、その後、標識抗体コンジュゲートで発色させる方法などを用いることができる。また、被検抗体試料をあらかじめ蛍光色素などで標識した後に、R-型レクチンを含む疎水性ポリマー膜に塗布し、泳動後の膜を、蛍光イメージャーなどで可視化する方法などを用いることができる(特許文献5)。
レクチン親和膜電気泳動法では、多孔質膜(例えば、PVDF膜、ニトロセルロース膜など)又はプレートに、本発明のR-型レクチンを固定化させて用いる。レクチン親和膜電気泳動法のキットとしては、1つ以上のR-型レクチンを結合させたPVDF膜などのメンブレン、検出用の標識化抗体を含むものが好ましく、さらに緩衝液などを組み合わせたキットがより好ましい。
(3−3)ラテラルフローアッセイ(ラテラルフローイムノアッセイ)
ラテラルフローアッセイ(ラテラルフローイムノアッセイ)では、検出用に標識したコロイド貴金属ナノ粒子(金ナノ粒子),ラテックス微粒子、蛍光色素などと抗体(典型的にはヤギ抗ヒトIgG抗体)とのコンジュゲートを用いる。メンブレン(ニトロセルロース膜、酢酸セルロース膜など)上には、あらかじめR-型レクチンをライン状に固定化したテストラインを設けておき、被検抗体を含む液体試料をメンブレンの一端にアプライし、次いで標識抗体コンジュゲートをアプライする。テストライン上での標識(蛍光)量を測定することで、又は目視で、R-型レクチンと被検抗体との結合性の有無簡便に検出できる。なお、必要に応じ、結合しなかったレクチンを検出するためのコントロールラインを設けておくこともできる。
ラテラルフローアッセイ用キットとしては、1つ以上のR−型レクチンを含むものであり、さらに、例えば金ナノ粒子とヤギ抗ヒトIgG抗体とのコンジュゲート、及び1つ以上のR−型レクチンを固定化したニトロセルロース膜などのメンブレンなどを組み合わせたキットなどが好ましい。
(3−4)ELISA
ELISAでは、通常のELISA用装置をそのまま用いることができ、少なくとも1つのR-型レクチンと抗ヒトIgG抗体、抗ヒトFc抗体等の被検抗体のタンパク質領域を認識する抗体とを組み合わせる。R-型レクチンは、固相側に固定化しても、オーバーレイする側に用いてもよいが、ビオチン化したR-型レクチンをアビジンプレートに固定化し、被検抗体を含む液体試料を反応させ、洗浄後にHRP標識抗ヒトFc抗体など標識を反応させる検出法が好ましい。
そのようなELISA用キットの好ましい例としては、1つ以上のR-型レクチンを固定化したレクチンプレートを含み、さらに検出用のHRP標識抗ヒトFc抗体などを組み合わせることができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、例示のみを意図したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明におけるその他の用語や概念は、当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものであり、本発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。材料や試薬は特に断らない限り、市販されているか、又は当技術分野で慣用の手法、公知文献の手順に従って入手又は調製できる。また、各種の分析などは、使用した分析機器又は試薬、キットの取り扱い説明書、カタログなどに記載の方法を準用して行った。
なお、本明細書中に引用した技術文献、特許公報及び特許出願明細書中の記載内容は、本発明の記載内容として参照されるものとする。
本実施例では、Fc領域と共にFab領域にも糖鎖を有する抗体モデルとして下記(表1)に示す市販抗体医薬のセツキシマブを、Fc領域のみに糖鎖を有する抗体モデルとしては、同パリビズマブ、モガリズマブ、パニツムマブ及びデノスマブを用いた。
(実施例1) RCA−Iレクチン親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出
(1−1)レクチン親和電気泳動膜の作成
市販のPVDF膜(Immobilon-P,ミリポア社製)を縦6センチ、横3センチに切り取り、メタノールに数分間浸した。ついで、該PVDF膜をメタノールから取りだし、0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)に30分間浸した。その後、膜を1mg/mlの濃度でRCA−I(Ricinus communis AgglutininI)を含む前記緩衝液に30分間浸し、ついで0.25%のポリビニルアルコールを含む前記緩衝液に30分間浸した。レクチンを結合させない膜は、メタノールからとりだした後、直接ポリビニルアルコールを含む上記緩衝液に浸した。膜に付着した過剰の溶液をろ紙でかるく拭き取った後、電気泳動に使用した。
(1−2)レクチン親和膜電気泳動
泳動槽には、セルロースアセテート膜電気泳動装置(EPC105AA型、アドバンテック社製)を使用した。抗体医薬であるセツキシマブ(イムクローンシステムズ社製)とパニツムマブ(アムジェン社製)を膜の下端から1センチの部位にそれぞれ100ナノグラムをアプライし、通電した。通電条件は、膜の幅1cmあたり1.0mAとし、泳動時間は30分間とした。泳動緩衝液には0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)を使用した。
(1−3)抗体の検出
泳動後の膜をアセトン中で15分間振とうした後、従来公知の方法に従い実施した。具体的には、固定化後の膜を、5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で1時間振とうしてブロッキングした。膜をPBS−T(0.05%tween)で5分間洗浄し、この洗浄操作を合計3回繰り返した。
振とう洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識されたヤギ抗ヒトIgG抗体をPBS−Tで5,000倍希釈した溶液に浸し、1時間振とうした。その後、膜をPBS−T(0.05%tween)で5分間洗浄し、この洗浄操作を合計3回繰り返した後、PBSで洗浄しWestern Lightning Plus-ECLキット(パーキンエルマー社製)により発光させゲルイメージャーChemDoc XRS(バイオラッド社製)により画像データを取得した。
(1−4)泳動結果
Fab領域に糖鎖を有することが明らかとなっているセツキシマブは、RCA−Iを用いたレクチン親和膜電気泳動では、レクチンを用いない膜電気泳動に比べて明らかに泳動速度が減少した。一方、Fab領域に糖鎖を有さないパニツムマブはどちらの膜電気泳動でも泳動速度は変わらなかった(図1)。
(実施例2)市販抗体医薬品の抗体表面の糖鎖と各種レクチンとの反応性の解析
本実施例では、前記(表1)で示したFab領域に糖鎖を有するセツキシマブ及びFab領域には糖鎖を有さないパリビズマブなどの抗体モデルの含有糖鎖と各種レクチンとの反応性を、レクチンアレイ(産総研)を用いて解析した。
レクチンアレイのmean normalize値 100以上のレクチンをリスト化して、Fabに糖鎖をもつセツキシマブで反応のあったレクチンから、Fcのみに糖鎖をもつパリビズマブ、モガムリズマブ、パニツムマブ、デノスマブで反応したレクチンを除いた結果、R-型レクチンに属するrACG(Agrocybe cylindraceaレクチンの組み換え体)、SNA(Sambucus nigraレクチン)、SSA(Sambucus sieboldianaレクチン)、RCA120(Ricinus communisレクチン)PSL1a(Polyporus squamosus由来レクチン)、MOA(Scotch bonnet由来レクチン)はFab糖鎖選択的に反応することが分かった(図2)。
その他には、TJAI(Trichosanthes japonicaレクチン)、rGal9N(ガレクチン9のN末端ドメインの組み換え体)、rOrysata(Oryza sativaレクチンの組み換え体)及びPSA(Pisum sativumレクチン)が、Fab糖鎖選択的反応性を示した(Data not shown)。
以下に、各抗体試薬についての糖鎖の特徴を述べる。
<セツキシマブ>
セツキシマブは、ヒト上皮増殖因子レセプター(EGFR)を標的とするヒト・マウスキメラモノクローナル抗体(IgG1)であり、商品名「アービタックス(R)(イムクローンシステムズ社製)」で販売され、大腸がんなどに対する分子標的治療薬として用いられる。セツキシマブの糖鎖は、Fc領域のみならずFab領域にも存在していることが既知であり、レクチンアレイによると、Fc領域糖鎖由来と見られるFuc(コアフコース)、Man、αGalの他、Fab領域に結合していると考えられるα2−3Sia、α2−6Siaなどのシグナルが観察された(Data not shown,以下同様。)。
<パリビズマブ>
パリビズマブは、組換えマウスにより製造されたヒト化モノクローナル抗体であり、商品名「シナジス(R)(アッヴィ社製)」で販売され、RSウイルスの風邪予防に用いられる。パリビズマブの糖鎖は、Fc領域のみに存在し、コアフコースを含有する2本鎖である(非特許文献6)。
<モガムリズマブ>
モガムリズマブは、組換えマウスにより製造されたヒト化モノクローナル抗体であり、商品名「ポテリジオ(R)(協和キリン社製)」で販売され、成人T細胞白血病(ATL)治療薬として用いられている。モガムリズマブの糖鎖は、Fc領域のみに存在し、かつADCC活性を高めるためにフコースが除去されている。レクチンアレイ観察でも、コアフコースに相当するシグナルが欠如している。
<パニツムマブ>
パニツムマブは、組換えマウスにより製造されたヒト上皮増殖因子レセプターを標的とするヒト化モノクローナル抗体(IgG2)であり、商品名「ベクティビックス(R)(アムジェン社製)」で販売され、作用機序はセツキシマブと概ね同じであるがセツキシマブと比較して、アレルギー反応は低いが、ADCC活性が低いとされている。パニツムマブの糖鎖はFc領域のみであり、かつコアフコースを含有する2本鎖である(非特許文献7)。レクチンアレイでも、ADCC活性増強に関わる糖鎖のシグナルは観察されない。
<デノスマブ>
デノスマブは、RANKリガンドを標的とするヒト型モノクローナル抗体であり、商品名「ランマーク(R)(アムジェン社製)」で販売され、骨粗鬆症治療薬として用いられている。デノスマブの糖鎖は、Fc領域のみに存在する。
(実施例3) RCA−Iレクチンを局所固定した親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出(PVDF膜の場合)
(4−1)レクチンを局所固定したPVDF膜の作成
縦6センチ、横は1サンプル辺り1センチに切り取ったPVDF膜(Immobilon-P,ミリポア社製)の下端から1センチおよび1.5センチの部位に横幅8ミリの線を鉛筆で薄く描き、メタノールに数分間浸した。ついで、該PVDF膜をメタノールから取りだし、0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)に30分間浸した。該PVDF膜を膜電気泳動槽にセットし、膜が乾かないようにろ紙で緩衝液を補充しながら、鉛筆で線を引いた部分に1mg/mLの濃度でRCA−I(Ricinus communis AgglutininI)を含む前記緩衝液を10μLアプライし、膜に浸み込ませた。該膜を電気泳動槽からはずし、乾燥させた後、メタノールに数分間浸した。ついで、該PVDF膜をメタノールから取りだし、0.25%のポリビニルアルコールを含む前記緩衝液に30分間浸した。膜に付着した過剰の溶液をろ紙でかるく拭き取った後、電気泳動に使用した。
(4−2)レクチン親和膜電気泳動による抗体の検出結果
実施例1と同様の方法で、セツキシマブ(イムクローンシステムズ社製)、パニツムマブ(アムジェン社製)、パリビズマブ(アッヴィ社製)、モガムリズマブ(協和キリン社製)、デノスマブ(アムジェン社製)を膜の下端から0.5センチの部位にそれぞれ100ナノグラムをアプライし、通電した。
実施例1と同様に、泳動後の膜をブロッキングし、洗浄後、標識ヤギ抗ヒトIgG抗体により染色したところ、Fab領域に糖鎖を有することが明らかとなっているセツキシマブのみが、RCA−Iを固定化した部位(2箇所)に明瞭なバンドを示した。他の抗体による染色は何もアプライしていないレーン(ネガティブコントロール)と同等だった(図3)。
(実施例4) RCA−Iレクチンを局所固定した親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出(ニトロセルロース膜の場合)
(5−1)レクチンを局所固定したニトロセルロース膜の作成
縦6センチ、横は1サンプル辺り1センチに切り取ったニトロセルロース膜(Hybond HLC,GEヘルスケア社製)の下端から1センチおよび1.5センチの部位に横幅8ミリの線を鉛筆で薄く描き、0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)に30分間浸した。該ニトロセルロース膜を膜電気泳動槽にセットし、膜が乾かないようにろ紙で緩衝液を補充しながら、鉛筆で線を引いた部分に1mg/mlの濃度でRCA−I(Ricinus communis AgglutininI)を含む前記緩衝液を10μLアプライし、膜に浸み込ませた。該膜を電気泳動槽からはずし、乾燥させた後、0.25%のポリビニルアルコールを含む前記緩衝液に30分間浸した。膜に付着した過剰の溶液をろ紙でかるく拭き取った後、電気泳動に使用した。
(5−2)レクチン親和膜電気泳動による抗体の検出結果
実施例1と同様の方法で、セツキシマブ(イムクローンシステムズ社製)、パニツムマブ(アムジェン社製)を膜の下端から0.5センチの部位にそれぞれ100ナノグラムをアプライし、通電した。
実施例1と同様に、泳動後の膜をブロッキングし、洗浄後、標識ヤギ抗ヒトIgG抗体により染色したところ、Fab領域に糖鎖を有することが明らかとなっているセツキシマブのみが、RCA-Iを固定化した部位(2箇所)に明瞭なバンドを示した(図4)。
(実施例5) RCA−Iレクチンをニトロセルロース膜に局所固定した親和膜電気泳動によるFab糖鎖抗体の検出(蛍光標識抗体を用いた場合)
(6−1)レクチンを局所固定したニトロセルロース膜の作成
縦6センチ、横1センチに切り取ったニトロセルロース膜(HiFlow Plus HFC07502, ミリポア社製)の下端から1センチの部位に横幅8ミリの線を鉛筆で薄く描き、鉛筆で線を引いた部分に5mg/mlの濃度でRCA−I(Ricinus communis AgglutininI)を含む0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)を1μLアプライし、膜に浸み込ませた。該膜を乾燥させた後、0.25%のポリビニルアルコールを含む前記緩衝液に30分間浸した。膜に付着した過剰の溶液をろ紙でかるく拭き取った後、電気泳動に使用した。
(6−2)レクチン親和膜電気泳動による抗体の検出結果
実施例1と同様の方法で、セツキシマブ(イムクローンシステムズ社製)、パニツムマブ(アムジェン社製)、パリビズマブ(アッヴィ社製)、モガムリズマブ(協和キリン社製)、デノスマブ(アムジェン社製)を膜の下端から0.5センチの部位にそれぞれ2μgをアプライし、通電した。
移動後の膜を乾燥させ、FITC標識した抗ヒトIgG抗体溶液(0.1mg/mL)を膜の下端に20μLアプライし、蒸留水を浸み込ませたろ紙を膜の下端に載せ、膜全体が濡れるまで放置した。その後、蛍光イメージスキャナー(GELSCAN、アイメジャー社製)を用いてレクチン固定化部位に結合した抗体の画像データを取得した。
Fab領域に糖鎖を有することが明らかとなっているセツキシマブのみが、RCA−Iを固定化した部位に明瞭なバンドを示した(図5)。
(実施例6) RCA−Iレクチンを用いたラテラルフローアッセイによるFab糖鎖抗体の検出(金ナノ粒子標識抗体を用いる場合)
(7−1)レクチンを局所固定したニトロセルロース膜の作成
縦6センチ、横1センチに切り取ったニトロセルロース膜(HiFlow Plus HFC 09002、ミリポア社製)の下端から1センチの部位に横幅8ミリの線を鉛筆で薄く描き、鉛筆で線を引いた部分に5mg/mlの濃度でRCA−I(Ricinus communis AgglutininI)を含む0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)を1μLアプライし、膜に浸み込ませた。該膜を乾燥させた後、0.25%のポリビニルアルコールを含む前記緩衝液に30分間浸した。前記緩衝液で膜を洗浄後、0.5%の濃度でウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水に1時間浸した。その後、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し室温で自然乾燥させたものをラテラルフローアッセイ用の膜として用いた。
(7−2)金ナノ粒子で標識した検出用抗体の作成
「40nm NHS-Activated Gold Nanoparticle Conjugation Kit(Cytodiagnostics社製)」を用いて、ヤギ抗ヒトIgG抗体を標識した。前記抗体のPBS溶液(2.3mg/mL、シグマアルドリッチ社製)の80μLにキットに添付の反応緩衝液を100μL添加し、N−ヒドロキシスクシンイミドで活性化された金ナノ粒子に加えて4時間室温で攪拌した。キットに添付の反応停止液を17μL添加後、4000gにて30分間、遠心分離し、沈殿物に0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)を100μL加えて懸濁させたものを検出用抗体として用いた。
(7−3)ラテラルフローアッセイによる検出結果
セツキシマブ(イムクローンシステムズ社製)、パニツムマブ(アムジェン社製)、パリビズマブ(アッヴィ社製)、モガムリズマブ(協和キリン社製)、デノスマブ(アムジェン社製)、ヒト血清由来IgG(シグマアルドリッチ社製)をそれぞれ5mg/mLの濃度に調製し、膜の下端から0.5センチの部位にそれぞれ5μLをアプライし、0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)を浸み込ませたろ紙を膜の下端に載せて溶液が膜の上端まで浸み込むまで放置した。その後、膜の下端から0.5センチの部位に金ナノ粒子で標識したヤギ抗ヒトIgG抗体の懸濁液をそれぞれ2μLをアプライし、前記緩衝液を浸み込ませたろ紙を膜の下端に載せて、10分間放置した。
Fab領域に糖鎖を有することが明らかとなっているセツキシマブとヒト血清由来IgGのみが、RCA−Iを固定化した部位に明瞭なバンドを示した(図6)。
(実施例7) RCA−Iレクチンを用いたラテラルフローアッセイによるFab糖鎖抗体の検出(FITC標識抗体を用いる場合)
(8−1)レクチンを局所固定したニトロセルロース膜を用いたラテラルフローアッセイ
実施例5と同様の方法で作成したラテラルフローアッセイ用の膜を用いてFITC標識抗体によるラテラルフローアッセイを行った。
具体的には、セツキシマブ(イムクローンシステムズ社製)、パニツムマブ(アムジェン社製)、パリビズマブ(アッヴィ社製)、モガムリズマブ(協和キリン社製)、デノスマブ(アムジェン社製)、ヒト血清由来IgG(シグマアルドリッチ社製)をそれぞれ5mg/mLの濃度に調製し、膜の下端から0.5センチの部位にそれぞれ5μLをアプライし、0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)を浸み込ませたろ紙を膜の下端に載せて溶液が膜の上端まで浸み込むまで放置した。
その後、膜の下端から0.5センチの部位にFITCで標識したヤギ抗ヒトIgG抗体(ベチルラボラトリーズ社製)を前記緩衝液で10倍に希釈した溶液を、それぞれ5μLアプライし、さらに前記緩衝液を浸み込ませたろ紙を膜の下端に載せて15分間放置し、その後、室温で自然乾燥させた。
蛍光イメージスキャナー(GELSCAN、アイメジャー社製)を用いてレクチン固定化部位に結合した抗体の画像データを蛍光イメージとして取得した。
その結果、Fab領域に糖鎖を有することが明らかとなっているセツキシマブとヒト血清由来IgGのみが、RCA−Iを固定化した部位に明瞭なバンドを示した(図7)。
(実施例8) SSAレクチンを用いたラテラルフローアッセイによるFab糖鎖抗体の検出(FITC標識抗体を用いる場合)
本実施例では、レクチンとしてSSA(Sambucus sieboldiana agglutinin)を用い、実施例5と同様の方法でニトロセルロース膜に局所固定した。その際、SSAレクチンを2mg/mLの濃度で含む0.05Mトリス酢酸緩衝液(pH7.4)を3μLアプライすることにより膜への固定化を行った。
次いで、実施例6と同様の方法でラテラルフローアッセイを行い、蛍光イメージを取得した。
その結果、Fab領域に糖鎖を有することが明らかとなっているセツキシマブとヒト血清由来IgGのみが、SSAを固定化した部位に明瞭なバンドを示した(図8)。
(実施例9) SNAレクチンを用いたELISAによるFab糖鎖の検出
本実施例では、レクチンとしてa2−6シアル酸結合性レクチンの一種であるSNAレクチンを用いた。
具体的には、ビオチン化したa2−6シアル酸結合性レクチンの一種であるSNAレクチンを50ng/wellでアビジンプレート(住友ベークライト社製)に固定化した。次に、異なる濃度の抗体を反応させて洗浄後、HRP標識抗ヒトFc抗体(Jackson ImmunoResearch社製、1万倍希釈)を反応させた。洗浄後に基質液を加えて30分発色反応を行った。発色停止後、吸光度450nm(主波長)/620nm(副波長)で測定した。その結果、パリビズマブ、セツキシマブ、モガリズマブ、パニツムマブ、デノスマブセツキシマブの5種の抗体のうち、セツキシマブのみ反応性が確認された(図9)。
本発明における抗体のFab領域に存在する糖鎖検出技術は、化学(免疫工学・バイオ医薬品)分野及び製薬産業(抗体医薬品の開発)に利用可能である。その際に利用できる、装置、機器としては膜電気泳動用薄膜、ラテラルフローアッセイ用ストリップ、ELISA用装置があり、本発明のレクチンを単独又は組み合わせることで、これら測定用キットとして提供できる。

Claims (10)

  1. Fab領域糖鎖特異的な親和性を有する少なくとも一種類のR-型レクチンを用いることを特徴とする、Fab領域に糖鎖を有する抗体の検出方法。
  2. 抗体が、遺伝子組み換え技術により合成された重鎖及び軽鎖を有するモノクローナル抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. 検出方法において、前記少なくとも一種類のR-型レクチンが固定化されている固相が用いられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 検出方法が、アフィニティ電気泳動法、ラテラルフローアッセイ、レクチン−レクチンサンドイッチ法、及びELISAからなる群から選択されたいずれかの方法である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも一種類のR−型レクチンが、RCA−I(RCA120)、SNA(SNA−I)、SSA、PSL(PSL1a)、及びMOAレクチンからなる群から選択されたいずれか一種類のレクチンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1〜5に記載のいずれかの方法に用いるための固相であって、Fab領域糖鎖特異的な親和性を有する少なくとも一種類のR-型レクチンを固定化した固相。
  7. 固相が、多孔性膜、プレート及びビーズからなる群から選択されたいずれか一種類の固相である、請求項6に記載の固相。
  8. 請求項1〜5に記載のいずれかの方法でFab領域に糖鎖を有する抗体を検出するための装置又はキットであって、Fab領域糖鎖特異的な親和性を有する少なくとも一種類のR-型レクチンを含むことを特徴とする装置又はキット。
  9. 検出用装置又はキットが、前記少なくとも一種類のR-型レクチンに属するレクチンが固定化された固相を含むことを特徴とする、請求項8に記載の装置又はキット。
  10. 前記少なくとも一種類のR−型レクチンが、RCA−I(RCA120)、SNA(SNA−I)、SSA、PSL(PSL1a)、及びMOAレクチンからなる群から選択されたいずれか一種類のレクチンであることを特徴とする、請求項8又は9に記載の装置又はキット。
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