JP7101674B2 - 担体に固相化された真核細胞膜またはエクソソームの表面分子に対する結合性タンパク質への非特異的結合を抑制する方法 - Google Patents
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Description
[1]真核細胞膜またはエクソソームの表面分子に対する結合性タンパク質をゼラチン存在下で担体に固相化することを含む、該結合性タンパク質に対する非特異的結合を抑制する方法;
[2]該結合性タンパク質が固相化された該担体をゼラチンまたはカゼインで被覆することをさらに含む、[1]に記載の方法;
[3]該真核細胞が哺乳動物細胞である、[1]または[2]に記載の方法;
[4]該結合性タンパク質が抗体またはレクチンである、[1]~[3]のいずれか1つに記載の方法;
[5](1)真核細胞膜またはエクソソームの表面分子に対する結合性タンパク質をゼラチン存在下で担体に固相化すること、(2)被験試料を該担体に接触させること、および(3)該真核細胞膜またはエクソソームの表面分子と該結合性タンパク質の結合を検出することを含む、該真核細胞膜またはエクソソームの表面分子を特異的に検出する方法;
[6]工程(1)と工程(2)の間において、該結合性タンパク質が固相化された該担体をゼラチンまたはカゼインで被覆することをさらに含む、[5]に記載の方法;
[7]該真核細胞膜またはエクソソームの表面分子と該結合性タンパク質の結合が免疫学的方法または表面プラズモン共鳴法によって検出される、[5]または[6]に記載の方法;
[8]該真核細胞が哺乳動物細胞である、[5]~[7]のいずれか1つに記載の方法;
[9]該結合性タンパク質が抗体またはレクチンである、[5]~[8]のいずれか1つに記載の方法;
[10]真核細胞膜またはエクソソームの表面分子に対する結合性タンパク質がゼラチン存在下で固相化された、担体;
[11]ゼラチンまたはカゼインでさらに被覆された、[10]に記載の担体;
[12]該真核細胞が哺乳動物細胞である、[10]または[11]に記載の担体;
[13]該結合性タンパク質が抗体またはレクチンである、[10]~[12]のいずれか1つに記載の担体;
を提供する。
植物細胞としては、細胞壁を分解することによって得られるプロトプラストが好ましく挙げられる。
また、抗体には、前記のポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体に加えて、これらの抗体の断片が含まれる。抗体の断片とは、前述の抗体の一部分の領域を意味し、具体的にはFab、Fab’、F(ab’)2、scAb、scFv、またはscFv-Fc等を包含する。
本発明の抑制方法において、表面分子に結合するレクチンとしては、例えば、Soybean Agglutinin (SBA)、Lens culinaris Agglutinin (LCA)、Aleuria aurantia Lectin (AAL)、Ulex europaeus Agglutinin (UEA)、Peanut Agglutinin (PNA)、Wheat Germ Agglutinin (WGA)、Concanavalin A (Con A)、Maackia amurensis(MAM)、フコース特異的レクチン(LF)、シアル酸特異的レクチン(SSA)、Lotus tetragonolobus Lectin(Lotus)などが挙げられる。
表面プラズモン共鳴(SPR)による細胞検出バイオセンサーは、マイクロアレイ型SPRi装置((株)堀場製作所:OpenPlex)と装置専用のバイオチップ((株)堀場製作所:CS-HD; スクシンイミドで活性化されたカルボキシ基をチップ表面に固相化したタイプ)を用いて構築した。構築したセンサーは、チップ表面への細胞の結合によって誘起されるSPR現象に伴う反射光の変化量を反射率(%)として、3秒毎に測定することができる。同時に、SPRの反射率変化をスポットイメージとして観察することができる。またチップは12 mm×23 mmの表面積があるので、固相化するためのリガンド溶液のスポット径(スポット量)を調整することで多数のスポットを並列できる特徴がある。
細胞には、P3X63Ag 8.653細胞(P3X細胞;マウス骨髄腫細胞株)、MEG01S細胞(ヒト巨核芽球白血病細胞株)、およびHEK293細胞(ヒト胎児腎臓上皮細胞株)を用いた。抗体には、これらの細胞表面に発現しているc-Kit抗原(ヒトおよびマウス)に対する抗体(抗c-Kit 抗体;R&D systems Inc., AF1356)を用いた。また陰性抗体には、未感作ヤギ抗体(Abcam Inc., ab37373)を用いた。抗体は、スポッターを用いてチップ表面に10 nLスポットし、16時間静置することで固相化した。ダルベコのPBS(-)(以下、PBSと略記)で洗浄し、1%牛血清アルブミン(BSA)を溶解したPBSをチップ表面に満たして1時間室温で静置し、ブロッキングした。ブロッキングしたチップは、PBSで3回洗浄後、装置に装着した。チップ表面へのバッファーまたはサンプルの接触は、Flow-cell(図1)を介して行った。Flow-cellは、Gasket全体がチップに完全に覆われるような位置(図2)で、チップと接触固定する。また、Flow-cellの平面のうち、Gasketの枠に囲まれた平面は、Gasketの枠の周囲の平面よりも、80μm凹んでいる。結果的に、Flow-cellと接触したチップは、Flow-cellのGasketの枠に囲まれた平面とチップ表面の間に幅80μmの空間的隙間が生じる。従って、Flow-cellにFittingを介して連結された片方のポリ塩化ビニルチューブ(内径380μm)から送液されたバッファー等は、幅80μmの空間的隙間を満たすことによってチップ表面に接触し、もう片方のポリ塩化ビニルチューブから排出される。チップを装着した装置には、ランニングバッファーとして0.2% BSAと0.02% Tween20を含むPBS(バッファーA)を25μL/分の流速で送液し、チップ表面をコンディショニングした。安定化した時点の反射率を0%として、P3X細胞をバッファーAに懸濁して480秒間送液し、その後ただちにバッファーAのみを480秒間送液した。その結果、抗c-Kit抗体反射率から未感作ヤギ抗体反射率の差分は0.67%と、抗c-Kit抗体に特異的な結合を検出できたが、SPRiスポットイメージでわかるように未感作ヤギ抗体にも非特異的な結合が観察された(図3-A)。Yamasaki et al., AnaChem, (2016) 88, 6711-6717(以下、Yamasaki et al.)に基づく再生条件でチップを再生後、MEG01S細胞も同様にバッファーAに懸濁して480秒間送液し、その後ただちにバッファーAのみを480秒間送液した。その結果、抗c-Kit抗体反射率から未感作ヤギ抗体反射率の差分は0.4%と、抗c-Kit抗体に特異的な結合を検出できたが、P3X細胞の結果と同様にSPRiスポットイメージにおいて未感作ヤギ抗体にも非特異的な結合が観察された(図3-B)。HEK293細胞についてもバッファーAに懸濁して480秒間送液し、その後ただちにバッファーAのみを480秒間送液した。その結果、抗c-Kit抗体反射率から未感作ヤギ抗体反射率の差分は0.02%と、抗c-Kit抗体にわずかな特異的な結合しか検出できなかった(図3-C)。上記のように、c-kitに対して反応性を持たない陰性抗体にも反射率変化が見られたことは、陰性抗体は各細胞の細胞膜に対する非特異的結合を生じたことを示している。さらに、このことは、抗c-kit抗体は各細胞膜表面のc-kitに対する特異的結合を生じているが、同時に各細胞の細胞膜に対する非特異的結合もまた生じていることを示している。また、チップは抗体固相化後にBSAでブロッキングしたが、抗体の細胞膜への非特異的結合を抑制しなかった。従って、抗体を用いた細胞膜表面タンパク質の検出系を確立するためには、この非特異結合を抑える必要のあることが判った。
上記を鑑みて、発明者らは、抗体固相化の際にゼラチン使用することを試みた。具体的には、センサーチップには、0.1%ゼラチン(Gelatin, fine powder (Nacalai tesque 16631-05))を含んだ抗体を、スポッターを用いてチップ表面に10 nLスポットし、16時間静置することで固相化した。PBSで洗浄し、1%ゼラチンを溶解したPBSをチップ表面に満たして1時間室温で静置し、ブロッキングした。チップを装置に装着し、0.1%ゼラチンと0.02% Tween20を含むPBS(バッファーB)を25μL/分の流速で送液し、コンディショニングした。安定化した時点の反射率を0%として測定を開始した。P3X細胞、MEG01S細胞あるいはHEK293細胞をバッファーBに懸濁し480秒間送液した後、バッファーBに切り替えて、さらに480秒間送液した。その結果、反射率は、P3X細胞が2.28%、MEG01S細胞が0.91%、HEK293細胞が0.72%と上昇し、細胞がチップ上の抗c-Kit抗体と特異的に結合した結果、ゼラチンを含まない上記の実験条件と比較して、特異的な反応性が飛躍的に向上した(図4A-C)。図4に示したように、これらの結合はSPRスポットイメージでも容易に観察することができ、抗c-Kit抗体を固相化したスポットでは反射率の上昇を白いイメージとして観察できた。一方、陰性抗体ではスポットが黒く抜けており、反射率は上昇しなかった。これらの結果から、抗体固相化時における0.1%ゼラチンの添加により、抗c-Kit抗体と細胞膜上のc-kitの特異的な相互作用を観察できたことが明らかになった。
構築できた細胞検出条件を用いて、赤血球とレクチンの結合能を調べた。赤血球には、EDTA処理されたウサギ赤血球((株)日本バイオテスト研究所)を使用した。レクチンには、ウサギ赤血球と結合することが判明しているGlycine Max(SBA)、および結合しないことが判明しているMacackia amurensis(MAM)を用いた。抗体の場合と同様に、0.1%ゼラチンを含んだレクチン(SBA(J117)、MAM(J210);J-オイルミルズ)を、スポッターを用いてチップ表面に10 nLスポットし、16時間静置することで固相化した。PBSで洗浄し、1%ゼラチンを溶解したPBSをチップ表面に満たして1時間室温で静置し、ブロッキングした。チップを装置に装着し、バッファーBを25μL/分の流速で送液し、コンディショニングした。安定化した時点の反射率を0%として測定を開始した。ウサギ赤血球をバッファーBで10倍希釈し抗体と同様の条件で240秒間送液した。しかし、連続的な送液状態では、赤血球が結合できずに素通りすることが判った。そこで送液を20秒間停止し、赤血球の懸濁液をチップ表面に留めることによって、ウサギ赤血球とレクチンを結合させた。その後、バッファーBを1200秒間送液した。この時点の反射率は、SBAが1.5%となり、赤血球が固相化SBAと結合した(図5-A)。一方、MAMとは結合しなかった(図5-B)。SPRのスポットイメージにおいても、赤血球は固相化SBAと特異的に結合していることが判った(図5-A, -B)。これらの結果から、リガンドとしてレクチンを固相化する際の0.1%ゼラチンの添加は、抗体だけでなくレクチンと細胞の特異的な相互作用を観察するうえでも、効果的であることが判った。
細胞表面には、細胞膜を形成する脂質以外に膜蛋白質である表面抗原と糖鎖が存在する。表面抗原は、対応したリガンドや外部刺激の受容体として細胞の活性化を担う。また、糖鎖は、細胞がリガンドや外部刺激により分化や成熟した後、その配列が変化し標的分子となることが知られている。たとえば、微生物やウイルスは、特定細胞表面糖鎖を認識し、細胞に感染また侵入する。正常細胞からガン化する過程においては、ガン細胞特異的糖鎖発現や特定糖鎖発現が増加や、これら細胞が放出するエクソソームの表面糖鎖配列も変化する。従って、糖鎖は、微生物、細胞、エクソソーム識別に有用なバイオマーカーとして期待できる。実際に、臨床現場では、バイオマーカーとして表面抗原や糖鎖を使用する。表面抗原は、フローサイトメーターに代表される解析が主流である。しかし、糖鎖解析はその構造が複雑且つ、多くの環境要因に敏感に影響され、短時間での構造変化やDNAシークエンスによる解析ができず、糖鎖の解析方法は煩雑で大変困難である。このため、膜蛋白質である表面抗原と糖鎖解析の同時検出は現在のところなされていない。そこで本実施例では、アナライトとしてヒト検体を想定したヒト精製エクソソームを使用し、糖鎖配列特異的に認識するタンパクであるレクチンまたは表面抗原特異的抗体をリガンドとして用いることで、糖鎖と表面抗原の同時検出を行った。検出を行う手法としては、多検体の同時検出が可能であるSPRi法を用いた。
アナライトとして使用したヒト血清由来エクソソームは、Bio west社のHuman Serum (S4200-100) 10 mlと富士フイルム和光純薬株式会社製のMagCapture エクソソームアイソレーションキットPS (293-77601)を用いて、そのプロトコールに従って精製した。リガンドとして、エクソソーム糖鎖検出は、Concanavalin A (ConA;ナカライテスク株式会社、09446‐94)、Soybean Agglutinin(SBA; J-ケミカル社、J117)、Maackia amurensis(MAM; J-ケミカル社、J110)、Aspergillus oryzae由来精製フコース特異的レクチン(LF;東京化成株式会社、L0169)、Sambucus sieboldiana由来精製シアル酸特異的レクチン(SSA;、J-ケミカル社、J118)、Aleuria aurantia Lectin(AAL; J-ケミカル社、J101‐R)、Ulex europaeus Agglutinin I(UEA-I; J-ケミカル社、J119)、Lotus tetragonolobus Lectin(Lotus; J-ケミカル社、J109)の8種類を使用した。また、エクソソーム表面抗原検出は、テトラスパニン抗体であるCD9抗体(CD9;R&D systems Inc., MAB1880)、CD63抗体(CD63; Santa Cruz Biotechnology, sc-365604)、CD81抗体(CD81; Santa Cruz Biotechnology Inc., sc-166029)の3種類を使用した。陰性コントロールとしてはマウス抗体(Mouse IgG’s;Sigma-Aldrich Inc., 18765)を使用した。
前記の各リガンドとエクソソーム間の非特異的結合抑制効果を有する0.1%ゼラチンと前記の各リガンドを混合し、スポッターを用いてチップ表面に10 nLスポットし、16時間静置することで結合した。PBSでチップ表面を洗浄し、1%カゼインでチップ表面に満たして1時間室温で静置し、ブロッキングした。ブロッキングしたチップを、PBSで3回洗浄後、装置に装着した。装置には、ランニングバッファーとして 0.1%カゼインを含んだPBS(バッファーA)を25 μL/分の流速で送液し、チップ表面を平衡化した時点の反射率を0とした。次に、精製エクソソームを10倍希釈になるようにバッファーAで希釈した。希釈したエクソソーム 200 μLを装置に注入後、240秒間送液した。エクソソームとレクチンとの結合速度は遅く、液の流れにより結合が阻害されるため送液を一旦停止し、エクソソーム希釈液をチップ表面に600秒間留めることによって、エクソソームとレクチンを結合および凝集させた。その後、さらにバッファーAのみを240秒間送液し、合計1080秒を結合過程とした。その後、解離過程として、バッファーAのみを480秒間送液し、バイオチップ表面を洗浄した。
その結果、バッファーAに置換された解離過程における約1500秒後のSPRイメージにおいては、陽性レクチンがSBA、MAM、LF、SSA、UEA-I、Lotus、かつ、抗体は、CD63が陽性、Mouse IgG’sは陰性であった(図6)。以上の結果は、精製エクソソーム上には、α-結合フコースとシアル酸含有NまたO型糖鎖、脂質結合型糖鎖が存在し、かつ、表面抗原であるテトラスパニンは、CD63が存在することが同時計測できた。かつ、陰性コントロールのMouse IgG’sが陰性であることから、測定系は成立していた。
Claims (10)
- (1)真核細胞膜またはエクソソームの表面分子に対する結合性タンパク質をゼラチン存在下で担体に固相化すること、および(2)該結合性タンパク質が固相化された該担体をゼラチンまたはカゼインで被覆することを含む、該結合性タンパク質に対する真核細胞膜またはエクソソームの非特異的結合を抑制する方法。
- 該真核細胞が哺乳動物細胞である、請求項1に記載の方法。
- 該結合性タンパク質が抗体またはレクチンである、請求項1または2に記載の方法。
- (1)真核細胞膜またはエクソソームの表面分子に対する結合性タンパク質をゼラチン存在下で担体に固相化すること、(2)該結合性タンパク質が固相化された該担体をゼラチンまたはカゼインで被覆すること、(3)真核細胞またはエクソソームを該担体に接触させること、および(4)該真核細胞膜またはエクソソームの表面分子と該結合性タンパク質の結合を検出することを含む、該真核細胞膜またはエクソソームの表面分子を特異的に検出する方法。
- 該真核細胞膜またはエクソソームの表面分子と該結合性タンパク質の結合が免疫学的方法または表面プラズモン共鳴法によって検出される、請求項4に記載の方法。
- 該真核細胞が哺乳動物細胞である、請求項4または5に記載の方法。
- 該結合性タンパク質が抗体またはレクチンである、請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
- 真核細胞膜またはエクソソームの表面分子に対する結合性タンパク質がゼラチン存在下で固相化され、ゼラチンまたはカゼインでさらに被覆された、担体。
- 該真核細胞が哺乳動物細胞である、請求項8に記載の担体。
- 該結合性タンパク質が抗体またはレクチンである、請求項8または9に記載の担体。
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