JP2008030846A - 容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の容器本体内における複数種の気化薬剤の組合わせの自由度を高めて、一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能のバリエーションを容易に増やす。
【解決手段】通気孔11eを有する容器本体11の内部に、第1気化薬剤を表面から揮発または昇華可能に構成された収納容器が収納され、この収納容器にその開口部12aを覆うように微多孔性シール14が設けられるとともに、この微多孔性シール14の表面にその全域を覆うように帯状の密封シール15が取り外し可能に貼着され、収納容器内に第2気化薬剤13が充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器本体内に複数種の気化薬剤が収納された容器に関するものである。
例えば防虫剤、消臭剤、芳香剤および抗菌剤等の気化薬剤を収納する容器として、例えば下記特許文献1に示されるように種々提案されている。
そして、従来から、同一の容器本体内に、互いに異なる効能を有する複数種の気化薬剤を収納して、使用時において一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能を発揮させることが試みられている。
特開2001−197999号公報
ところで近年では、同一の容器本体内において複数種の気化薬剤の組合わせの自由度を高めて、一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能のバリエーションを容易に増やすことができる容器が要望されている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、同一の容器本体内における複数種の気化薬剤の組合わせの自由度を高めて、一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能のバリエーションを容易に増やすことができる容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の容器は、通気孔を有する容器本体の内部に、第1気化薬剤を表面から揮発または昇華可能に構成された収納容器が収納され、この収納容器にその開口部を覆うように微多孔性シールが設けられるとともに、この微多孔性シールの表面にその全域を覆うように帯状の密封シールが取り外し可能に貼着され、前記収納容器内に第2気化薬剤が充填されていることを特徴とする。
この発明では、容器本体内に前記収納容器が収納されているので、前記第1気化薬剤の種類、および収納容器内に充填する第2気化薬剤の種類の少なくとも一方を異ならせることにより、この容器本体内に収納する複数種の気化薬剤の組合わせを異ならせることが可能になる。したがって、同一の容器本体内における複数種の気化薬剤の組合わせの自由度を高めて、一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能のバリエーションを容易に増やすことができる。
ここで、前記密封シールは、その一端部側が前記微多孔性シールの表面に貼着された状態で、他端部側が前記一端部側に向けて折返されて、この他端部が前記容器本体の外部に突出してもよい。
この場合、収納容器内の第2気化薬剤を気化させ始めるのに、前記密封シールの他端部を容器本体の外部に向けて引張することにより、微多孔性シールの表面から前記一端部側を剥がしながら、この密封シールを容器本体から引き出して取り外すことが可能になる。すなわち、容器本体を開けないで閉じた状態で、密封シールを微多孔性シールの表面から剥がして、収納容器内の第2気化薬剤を気化させ始めることが可能になり、この容器の取り扱い性を向上させることができる。
また、前記収納容器は、実質的に気化薬剤を含有しない材料で形成された収納体と、前記第1気化薬剤を含有する材料からなる外装体とを備え、前記収納体に前記第2気化薬剤が充填されるとともに、前記外装体はこの収納体をその外面側から囲繞してもよい。
この場合、収納容器の外面を構成する前記外装体から第1気化薬剤が揮発または昇華することになる。
これに代えて、前記収納容器は、前記第1気化薬剤を含有する層を少なくとも1層備えた多層構造とされてもよい。
この場合、前記組合わせの自由度を一層高めることが可能になるばかりでなく、この容器全体のコンパクト化も図ることができる。
この発明に係る容器によれば、同一の容器本体内における複数種の気化薬剤の組合わせの自由度を高めて、一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能のバリエーションを容易に増やすことができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。この実施形態に係る容器10は、図1に示されるように、多数の通気孔11eを有する容器本体11の内部に、第1気化薬剤を表面から揮発または昇華可能に構成された収納容器が収納され、この収納容器内に第2気化薬剤13が充填されている。
本実施形態では、収納容器は、実質的に気化薬剤を含有しない材料で形成された収納体12と、前記第1気化薬剤を含有する材料からなる外装体16とを備え、収納体12に第2気化薬剤13が充填されるとともに、外装体16はこの収納体12をその外面側から囲繞している。なお、収納体12はカップ状体とされている。
図示の例では、第2気化薬剤13は粒状物とされている。また、収納体12の開口部12aには、その開口周縁から面方向外方に延びる縁面12bが設けられている。さらに、容器本体11は、上端開口部を有する収納部11aと、収納部11aの上端開口部を閉塞する蓋部11bとを備えている。なお、収納部11aと蓋部11bとは、収納部11aの上端開口部に蓋部11bを嵌めた状態で接合されている。これら11a、11bの接合は、アンダーカットによる嵌合や、超音波による溶着等、種々の方法を採用することができる。また、蓋部11bの上面には、クローゼット等のハンガーロッドに引っ掛けられるフック11dがこの蓋部11bと一体的に形成されて設けられている。
さらに、この収納体12には、その開口部12aを覆うように微多孔性シール14が設けられるとともに、この微多孔性シール14の表面にその全域を覆うように帯状の密封シール15が取り外し可能に貼着されている。例えば、微多孔性シール14は通気性および防水性の双方を有する材質で形成され、また、密封シール15はアルミニウム箔や積層フィルム等のガスバリア機能を有する材質で形成されている。
本実施形態では、微多孔性シール14は、収納体12の開口部12a全域を覆うように前記縁面12bに貼着されている。また、密封シール15は、その一端部15a側が微多孔性シール14の表面に貼着された状態で、他端部15b側が上方に一端部15a側に向けて折返されて、この他端部15bが容器本体11の外部に突出している。
なお、図示の例では、密封シール15の他端部15bは、この密封シール15における他の部分と比べて幅が狭くなっている。また、この密封シール15の他端部15bは、図2に示されるように、容器本体11の蓋部11bに形成された側方開口部11cからこの容器本体11の外方に向けて突出している。
さらに本実施形態では、前述した外装体16は、前記第1気化薬剤を含浸させた例えば紙等からなる含浸シートとされている。図示の例では、外装体16はコ字状に折り曲げられ、収納体12の一側面を除く外側面のほぼ全域を囲繞している。
ここで、収納体12の外側面には、前記開口部12aが開口する方向に延びる凸リブ12cが複数延設されるとともに、収納部11aの内側面にも、この収納部11aの上端開口部が開口する方向に延びる凸リブ11gが複数延設されている。これらの凸リブ12c、11gにより、外装体16の表裏面と収納体12の外側面および収納部11aの内側面との密着を防止してこれらの間の通気性を確保し、外装体16中の第1気化薬剤の気化効率を維持できるようになっている。
さらに、図示の例では、収納部11aの一側面に確認窓11fが形成されており、収納体12が透明の材料で形成された場合に、この確認窓11fを通して、収納体12内に充填された第2気化薬剤13の残存量を視認できるようになっている。
なお、前記各気化薬剤は、全てが同種にならないように、例えば防虫剤、消臭剤、芳香剤および抗菌剤等から適宜選ばれる。例えば、第2気化薬剤13として消臭剤を採用し、外装体16中の第1気化薬剤として防虫剤を採用することができる。また、収納体12は、例えばポリエチレン等の樹脂材料からなるシート材をサーモフォーム成形したり、あるいはこの樹脂材料を用いてインジェクション成形することによって形成することができる。
以上説明したように本実施形態に係る容器10によれば、容器本体11内に前記収納容器が収納されているので、外装体16に含浸させる前記第1気化薬剤の種類、および収納体12内に充填する第2気化薬剤13の種類の少なくとも一方を異ならせることにより、この容器本体11内に収納する複数種の気化薬剤の組合わせを異ならせることが可能になる。したがって、同一の容器本体11内における複数種の気化薬剤の組合わせの自由度を高めて、一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能のバリエーションを容易に増やすことができる。
また、本実施形態では、密封シール15が、その一端部15a側が微多孔性シール14の表面に貼着された状態で、他端部15b側が一端部15a側に向けて折返されて、この他端部15bが容器本体11の外部に突出して容器本体11内に収納されているので、収納体12内の第2気化薬剤13を気化させ始めるのに、密封シール15の他端部15bを容器本体11の外部に向けて引張することにより、微多孔性シール14の表面から一端部15a側を剥がしながら、この密封シール15を容器本体11から引き出して取り外すことが可能になる。
すなわち、容器本体11を開けないで閉じた状態で、密封シール15を微多孔性シール14の表面から剥がして、収納体12内の第2気化薬剤13を気化させ始めることが可能になり、この容器10の取り扱い性を向上させることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では 収納体12内に充填した第2気化薬剤13として、粒状物を示したが、これに代えて、例えばゲル状物や液状物等を採用してもよい。
さらに、前述した各気化薬剤が気化し尽くしたか否かを表示するインジケータを例えば微多孔性シール14等に適宜取り付けてもよい。この場合、容器本体11において前記インジケータと対向する部分に表示窓としての貫通孔を形成するのが好ましい。
また、第1気化薬剤を表面から揮発または昇華可能に構成された収納容器として、実質的に気化薬剤を含有しない材料で形成された収納体12と外装体16とを備える構成を示したが、これに代えて、例えば、気化薬剤を含有する材料で全体が一体的に形成された収納体と外装体16とを採用してもよい。この場合、3種類の気化薬剤を有する収納容器が得られることになる。さらに外装体16として、収納体12の外面に、第1気化薬剤を含有するシールを貼着してもよいし、収納体12を第1気化薬剤を含有する材料からなるカップ体内に嵌合してもよい。
さらに、前述した各実施形態で示した前記収納容器に代えて、例えば図3および図4に示すように、前記第1気化薬剤を含有する材料で形成された単層構造のカップ状の収納容器29や、第1気化薬剤を含有する層を少なくとも1層備えた多層構造のカップ状の収納容器29を採用してもよい。そして、この収納容器29の内部に第2気化薬剤13を充填してもよい。
この場合、前記組合わせの自由度を一層高めることが可能になるばかりでなく、この容器全体のコンパクト化も図ることができる。
また、前記実施形態の容器本体11に代えて、図3および図4に示されるような、第1容器体23と第2容器体25とがヒンジ部22を介して連結されて、両容器体23、25がヒンジ部22回りに回動することによりこの容器本体21の内部が開閉可能となる構成を採用してもよい。また、この容器本体21では、第1容器体23に側方開口部24を形成して、密封シール15の他端部15bを、図4に示されるように、この側方開口部24から容器本体21の外方に突出させてもよい。また、第2容器体25において、収納容器29等が収納される開口部の開口面に沿った方向で、ヒンジ部22と対向する上面にフック26を立設してもよい。さらに、微多孔性シール27にインジケータ28を貼り付け、第1容器体23においてインジケータ28と対向する部分に表示窓としての貫通孔23aを形成してもよい。
さらに、前述した各気化薬剤は、前記実施形態で示したものに限らず、気化することによって所定の効能を発揮するものであれば、その種類は限定されるものではない。また、外装体16、および収納体12をそれぞれ形成する材質は、前述したものに限られるものではない。また、収納体12若しくは収納容器29と、1つ、若しくは複数の外装体16とを設けることなどによって、3種類以上の気化薬剤が収納された容器を構成してもよい。さらに、収納容器29として同一の気化薬剤を複数層に含有させた多層構造を採用してもよい。
同一の容器本体内における複数種の気化薬剤の組合わせの自由度を高めて、一種類の気化薬剤では発揮し得ない優れた効能のバリエーションを容易に増やすことができる。
本発明に係る一実施形態として示した容器の展開斜視図である。 本発明に係る一実施形態として示した容器の斜視図である。 本発明に係る他の実施形態として示した容器の展開斜視図である。 本発明に係る他の実施形態として示した容器の斜視図である。
符号の説明
10 容器
11、21 容器本体
12 収納体
12a 開口部
13 第2気化薬剤
14、27 微多孔性シール
15 密封シール
15a 密封シールの一端部
15b 密封シールの他端部
16 外装体
29 収納容器

Claims (4)

  1. 通気孔を有する容器本体の内部に、第1気化薬剤を表面から揮発または昇華可能に構成された収納容器が収納され、この収納容器にその開口部を覆うように微多孔性シールが設けられるとともに、この微多孔性シールの表面にその全域を覆うように帯状の密封シールが取り外し可能に貼着され、前記収納容器内に第2気化薬剤が充填されていることを特徴とする容器。
  2. 請求項1記載の容器であって、
    前記密封シールは、その一端部側が前記微多孔性シールの表面に貼着された状態で、他端部側が前記一端部側に向けて折返されて、この他端部が前記容器本体の外部に突出していることを特徴とする容器。
  3. 請求項1または2に記載の容器であって、
    前記収納容器は、実質的に気化薬剤を含有しない材料で形成された収納体と、前記第1気化薬剤を含有する材料からなる外装体とを備え、前記収納体に前記第2気化薬剤が充填されるとともに、前記外装体はこの収納体をその外面側から囲繞していることを特徴とする容器。
  4. 請求項1または2に記載の容器であって、
    前記収納容器は、前記第1気化薬剤を含有する層を少なくとも1層備えた多層構造とされていることを特徴とする容器。

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