JP6662628B2 - 揮散容器 - Google Patents

揮散容器 Download PDF

Info

Publication number
JP6662628B2
JP6662628B2 JP2015241555A JP2015241555A JP6662628B2 JP 6662628 B2 JP6662628 B2 JP 6662628B2 JP 2015241555 A JP2015241555 A JP 2015241555A JP 2015241555 A JP2015241555 A JP 2015241555A JP 6662628 B2 JP6662628 B2 JP 6662628B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
container body
outer lid
liquid
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015241555A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017104342A (ja
Inventor
明神 弘恭
弘恭 明神
哲平 松本
哲平 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ST Corp
Original Assignee
ST Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ST Corp filed Critical ST Corp
Priority to JP2015241555A priority Critical patent/JP6662628B2/ja
Publication of JP2017104342A publication Critical patent/JP2017104342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6662628B2 publication Critical patent/JP6662628B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、揮発性の薬剤を内部に含む容器体を筐体に収容可能な揮散容器に関する。
芳香液が収容された容器体を薄型矩形状のケーシングに収容した芳香剤が知られている(特許文献1)。この容器体の開口は、気化した香料を透過する透過フィルムで覆われている。透過フィルム上には、気化した香料の透過を防止する不透過性フィルムが積層されており、使用前での香料の拡散を防止する。容器体は、芳香剤のケーシング内に収容されており、使用時には、容器体の不透過性フィルム剥離して透過フィルムを露出することで、気化した香料を、透過フィルムを介して芳香剤の外部に拡散するようになっている。
特開2010−126204号公報
しかしながら、このような容器体において、芳香剤の使用前(不透過性フィルムを剥離する前)において、芳香液が透過フィルムを透過した結果、透過フィルムと不透過性フィルムとの界面の接合力が弱まり隙間が生じ、透過した芳香液が透過フィルムと不透過性フィルムとの隙間に液体として溜まってしまうことがあることが判明した。このような状態で、不透過性フィルムを剥離して芳香剤の使用を開始すると、透過フィルムと不透過性フィルムとの隙間に溜まった芳香液が容器体やケーシングをつたって芳香剤の外部に垂れ落ちてしまう。
また、芳香剤の使用中(不透過性フィルムを剥離した後)においても、高温環境や衝撃等により容器体の容積が減少し容器体の内圧が上昇すると、芳香液が透過フィルム上に液体として染み出してしまうことがあることも判明した。このような状態でも、染み出した芳香液が揮散する前に容器体やケーシングをつたって芳香剤に外部に垂れ落ちてしまうことがある。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、揮発性の薬剤の液垂れを抑制する揮散容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の好ましい一態様によれば、揮発性の薬剤を内部に含む容器体を筐体に収容可能な揮散容器であって、前記容器体は、開口と、前記開口を覆い前記容器体に固着された薬剤透過性の内蓋と、前記内蓋を覆い前記容器体に剥離可能に接着された薬剤不透過性の外蓋とを有し、前記筐体は、通気孔と、前記容器体を収容するための収容室と、前記容器体の収容時に前記外蓋に当接する又は前記外蓋の近傍に位置する吸液性の部材と、を備える揮散容器を構成する。
容器体から揮発した薬剤は、容器体の開口を覆う薬剤透過性の内蓋を透過するものの、内蓋を覆う不透過性の外蓋は透過しない。すなわち、外蓋の剥離前は、揮発性の薬剤は容器体の外部には揮散されず、外蓋を容器体から剥離した段階で容器体の外部に放出される。揮散容器は、容器体を収容可能な収容室と、通気孔とを有しているので、容器体を収容室に収容して容器体の外蓋を剥離すると、容器体の外部に放出される薬剤は、通気孔を介して外部の空気と触れて周囲環境に揮散される。
ここで、外蓋の剥離前の状態において、芳香液が透過フィルムを透過した結果、容器体の内蓋と外蓋との間の接合力が弱まり隙間が生じ、透過した芳香液がこの隙間に液体として溜まる場合がある。この状態で収容室に収容した容器体の外蓋を剥離すると、隙間に溜まった薬剤が容器体から垂れ出す。また、外蓋の剥離後においても、高温環境や衝撃等により容器体の容積が減少して内圧が上昇すると、芳香液が透過フィルム上に液体として染み出す場合がある。このような状態でも、染み出した芳香液が揮散する前に容器体やケーシングをつたって芳香剤に外部に垂れ落ちる。
この点、上記構成によれば、容器体の収容時において吸液性の部材が外蓋に当接する又は近傍に位置するので、容器体から薬剤が垂れ出したとしても、薬剤を吸液性の部材に吸収させることができる。これにより、揮散容器の外部への薬剤の液垂れを抑制することができる。また、吸収した薬剤は吸液性の部材から徐々に揮散されるので、薬剤を無駄なく利用することができる。
なお、容器体の内蓋と外蓋との間の隙間は、製造時の内蓋と外蓋との接着不良で生じる場合、経時的に又は容器体の変形等で内蓋と外蓋の接着が弱まって生じる場合、内蓋に含浸された薬剤により内蓋と外蓋との接着が弱まって生じる場合、設計上最初から設けられている場合等種々の可能性がある。
また、前記吸液性の部材は、シート状の紙又は不織布であるようにしてもよい。
上記構成によれば、吸液性の部材が紙又は不織布であるので、薬剤の吸液性が高く液垂れをさらに抑制することができる。また形状がシート状であり、吸収した薬剤は面方向に広がるので、吸収した薬剤を周囲環境に効率よく揮散することができる。
また、前記筐体は、前記収容室を有する前ケースと、前記通気孔を有する後ケースとが嵌め合わされて構成されており、前記後ケースは、後ケースの内側面から前記収容室に向かって突出し、前記容器体の収容時に先端が前記容器体の外蓋に当接することで前記容器体と前記後ケースとの間に隙間を画定する突出部を有し、前記吸液性の部材は、前記隙間に配置されているようにしてもよい。
上記構成によれば、容器体の収容時に後ケースと容器体との間に隙間が形成されるので、薬剤が垂れ出したとしても、後ケースの内側の面全面に薬剤が付着することはなく、この隙間に配置された吸液性の部材で薬剤を吸収することができる。また容器体の収容時に後ケースと容器体との間に隙間が形成されるので、後ケースに設けられた通気孔が容器体の収容時に容器体によって塞がれてしまうことも抑制できる。
また、前記吸液性の部材は、前記突出部に当接するようにしてもよい。
突出部の先端は、容器体の収容時に容器体の外蓋の剥離前には外蓋、外蓋の剥離後には容器体の内蓋と当接するので、薬剤が垂れ出した場合に薬剤が付着しやすいが、突出部の先端に吸液性の部材が当接するので、吸液性の部材で薬剤をより確実に吸収することができる。
また、前記外蓋は、前記外蓋から延びる延出部を引っ張ることで前記容器体から剥離されるように構成されており、前記延出部は、前記容器体の収容時に前記筐体に設けられた引出口から外部に延出し、前記吸液性の部材は、前記隙間から前記引出口に向かって延在するようにしてもよい。
薬剤が外蓋と内蓋の間に溜まっている場合、延出部を引っ張って外蓋を剥離すると、薬剤は延出部の引出口に向かって流れやすいが、吸液性の部材は、前記隙間から前記引出口に向かって延在するので、吸液性の部材で薬剤をより確実に吸収することができる。このとき、外蓋はその内側面(内蓋との界面を形成する面)が吸液性の部材に向かって対向するように剥離されるので、剥離開始から引出口から取り出されるまでの間に、この内側面が吸液性の部材に対して当接する。そのため、外蓋に薬剤が付着していた場合であっても、吸液性の部材によってより外蓋の薬剤を取り除くことができる。これにより、引出口から取り出された外蓋に薬剤が残ることによってユーザの手や衣服等に付着してしまうようなことを抑制できる。
また、前記吸液性の部材は、前記通気孔の一部を覆うようにして設けられているようにしてもよい。
上記構成によれば、吸液性の部材が通気孔の一部を覆っているので、この通気孔を介して吸液性の部材が周囲環境に露出する。これにより、吸液性の部材で吸収した薬剤を周囲環境に直接揮散することができる。
また、前記筐体は、前記通気孔が設けられた側に、空調機器の吹出口への取付具を備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、空調機器の吹出口から筐体の通気孔に効率よく空気を取り込むことができ、薬剤の揮散効率を高めることができる。
本発明によれば、揮発性の薬剤の液垂れを抑制する揮散容器を提供することができる。
本発明の実施形態にかかる揮散容器に収容可能な容器体の側面図である。 同容器体の正面図であり、(A)は、延出部を折り曲げる前の状態を示し、(B)は、延出部を折り曲げた状態を示す。 本実施の形態にかかる揮散容器の側面図である。 同揮散容器の斜視図である。 同揮散容器の前ケースの斜視図である。 同揮散容器の後ケースの斜視図である。 同揮散容器の後ケースの正面図である。 同揮散容器のケースに吸液性の部材が取り付けられた状態を示す模式図である。 変形例にかかる吸液性の部材の構成を示す模式図である。 変形例にかかる吸液性の部材の構成を示す模式図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態に係る揮散容器を説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
(容器体の構成)
はじめに、本発明の実施の形態にかかる揮散容器1に収容可能な容器体10について説明する。図1及び図2に示すように、容器体10は、正面視略円形状の容器本体12と、容器本体12から一方向に延出する延出部14を備えている。
図1に示すように容器本体12は、カップ120、内蓋122、外蓋124を備える。
カップ120は、上面に開口120Aを有するカップ状の容器体であり、内部に揮発性の薬剤Mを収容する。カップ120は、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の透明な樹脂で構成され、収容した揮発性の薬剤Mの残量が外部から目視できるようになっている。また、カップ120には、後に説明する内蓋122および外蓋124を熱圧着させるためにポリエチレン等のシール層を積層して設けてもよい。なお、揮発性の薬剤Mは、液体又はゲル状の薬剤であり、例えば、防虫剤、芳香剤、消臭剤、防かび剤等が用いられる。
内蓋122は、開口120A全面を覆うように配置されており、具体的には、カップ120の開口120Aの外周縁に形成されたフランジ120Bに固着されている。内蓋122は、薬剤透過性のシートである。内蓋122は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体等を単独又は複数貼り合わされて構成され、例えば、10〜100μmの厚みを有する。内蓋122は、液体又はゲル状の薬剤Mが流出することを防止する一方で、内蓋122を透過した薬剤Mをその表面で気化させるようになっている。
外蓋124は、内蓋122を覆うようにして内蓋122上に剥離可能に積層されている。外蓋124は、例えばアルミシートにポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等を積層させた薬剤不透過性のシートであり、薬剤Mを透過させないようになっている。これにより、外蓋124が内蓋122上に積層された状態において(外蓋124が剥離される前の状態において)、内蓋122を透過した薬剤Mが揮散してしまうことを防止する。
内蓋122及び外蓋124は、例えば、内蓋122及び外蓋124をカップ120上に積層した上で外蓋124を熱圧着することで、カップ120のフランジ120Bに接合されている。外蓋124は、延出部14を引っ張ることで容器本体12から剥離可能であるが、内蓋122はフランジ120Bに融着しており、外蓋の剥離の際に容器本体12から剥離されることはない。なお、内蓋122及び外蓋124のフランジ120Bへの接合方法は、これに限られるものではなく、例えば、接着材等を用いてもよい。
図2(A)に示すように、延出部14は、容器本体12から一方向(図中上方向)に延出しており、延出部14との間には、切り込み溝140が延出部14を横断するように延設されている。図2(B)に示すように、切り込み溝140で延出部14を容器本体12の側に折曲することで、延出部14は、容器本体12上に折り返されるようになっている。延出部14は、容器本体12より十分に長く設定されており、延出部14は、折返し状態において、その先端142が容器本体12より突出している。この状態で、延出部14の先端142を延出方向とは逆方向(図中下方向)に引くことで、延出部14とともに外蓋124が容器本体12から剥離するようになっている。
(揮散容器の構成)
揮散容器1は、例えばプラスチックで形成されており、図3及び図4に示すように、前ケース2、後ケース3、引出口4、開閉蓋5、取付具6及び吸液部材7(図8参照)等を備えている。揮散容器1は、前ケース2と後ケース3とが嵌め合わされて構成される筐体内に、上述した容器体10(図1及び図2)を収容する。揮散容器1は、例えば車両の空調器等に取り付けて使用する。
図5に示すように、前ケース2は、略半球状の中空体であり、収容室20、開口部22、係合突起24、係合穴26、切欠28等を備えている。
収容室20は、支持壁200及び支持片202を有し、これらに囲まれる空間内に容器体10を収容する。支持壁200は、容器体10を収容した際に容器体10のカップ120の側面に沿うように垂設されており、支持片202は、容器体10のフランジ120Bの外縁に当接するように垂設されている。これにより、容器体10は、収容室20内でその位置が規制される。なお、支持片202は、後ケース3との接合時に、後述する後ケース3の係合穴38Aと係合する係合突起としても機能する。
開口部22は、前ケース2の前面に半月状に形成された開口である。容器体10は、収容室20内に、容器体10のカップ120が開口部22に対向して配置されるようになっている。そのため、容器体10の収容時に、容器体10のカップ120の一部が開口部22を介して外部から目視可能な状態となる。カップ120は透明であるためその中の薬剤Mも目視可能である。従って、容器体10を揮散容器1に収容した状態において、薬剤Mの残量を把握することができる。
係合突起24及び係合穴26は、それぞれ後述する後ケース3の係合穴38B及び係合突起36と係合する。切欠28は、前ケース2の外周縁の一部に設けられたスリットであり、後述する後ケース3の切欠39とともに、引出口4を画定する。
図6及び図7に示すように、後ケース3は、略円板状であり、開口30、通気孔32、突出部34A、34B、係合突起36、係合穴38A、38B、切欠39等を備えている。なお、図6及び図7は、後ケース3をその内側面(前ケース2との接合時に前ケース2と対向する面であって、筐体の内部空間を画定する面)側からみた図である。
開口30は、後ケース3の略中央に設けられており、取付具6(図3及び図4参照)の先端が挿通される。
通気孔32は、略同心円上に略等間隔で複数(本実施形態では6個)配置され、内部に空気を取り込むとともに、外部に揮散薬剤を放出するための揮散孔として機能する。
突出部34A、34Bは、図6に示すように、後ケース3の内側面から垂直方向に(前ケース2の収容室20に向かって)突出しており、略同心円上に間隔をおいて配置されている。突出部34Aは、一つの通気孔32を挟んで配置され、突出部34Bは、開口30を挟んで互いに対称の位置に配置されている。突出部34A、34Bの突出長さは同一であり、それぞれの先端が、容器体10の収容時に容器体10の外蓋124の表面に当接するように寸法決めされている。
突出部34A、34Bは、容器体10の収容時には容器体10の外蓋124と当接するので、容器体10の後ケース3への移動が規制される。また容器体10の収容時に後ケース3と容器体10との間に隙間が形成されるので、通気孔32が容器体10の収容時に容器体10によって塞がれてしまうことが抑制できる。また、開口30に挿通される取付具6の先端が、容器体10の内蓋122又は外蓋124に接触して損傷してしまうことも抑制できる。
係合突起36、係合穴38A及び38Bは、前述のとおり、前ケース2との接合時にそれぞれ前ケース2の係合穴26、支持片202及び係合突起24と係合する。切欠39は、後ケース3の周壁の一部に設けられたスリットであり、前ケース2の切欠28とともに、引出口4を画定する。
図3及び図4に戻って説明を続ける。引出口4は、揮散容器1の筐体の一部に設けられた幅広の開口であり、前述のとおり、前ケース2の切欠28と後ケース3の切欠39とによって画定されている。引出口4の開口幅は、容器体10の延出部14よりも大きく、容器体10の収容時には、容器本体12の側に折曲された延出部14(図2(B)参照)の先端が、引出口4から延出する。
開閉蓋5は、後ケース3の外側面に配置された円板状の薄板であり、後ケース3に対して回動可能である。開閉蓋5には、後ケース3の通気孔32と同形状の開口が設けられており、開閉蓋5を後ケース3に対して時計方向に回動することで通気孔32を開き、逆方向に回動することで通気孔32を塞ぐようになっている。すなわち、開閉蓋5は、後ケース3の通気孔32の開閉蓋として機能する。
取付具6は、後ケース3の外側面に装着されたクリップである。図示してはいないが、取付具6の先端は、断面円形の棒状になっており、後ケース3の開口30に着脱自在に挿通される。取付具6は、例えば車両の空調機器の吹出口の羽等に取り付けることができ、取付後の形状復元性やクリーピング耐性の観点からはポリアセタール、ポリアミド等が、取付対象への傷防止の観点からはエラストマー等の材料を用いることが望ましい。
図8に示すように、吸液部材7(吸液性の部材)は、後ケース3の内側面に貼着されたシートである。吸液部材7は、例えば、例えば、紙、不織布、フェルト状織物、無機繊維等の吸液性の材料で形成されており、容器体10から漏出する液状の薬剤Mを吸収可能である。さらに、この吸液部材7にシクロデキストリン等の吸液性のある粒子を含有させておくことも可能である。この場合、漏出した液状の薬剤Mがシクロデキストリン等に担持され、より効率よく薬剤Mを吸収させることができる。
より具体的には、吸液部材7は、楕円形状であり、後ケース3の中央部から切欠39(引出口4)に向かって、通気孔32の一つを覆いつつ延在している。吸液部材7は、収容室20に対向して配置されており、収容室20に容器体10に収容されると、吸液部材7は、容器体10の外蓋124と後ケース3の内側面との間の隙間に位置する。吸液部材7の厚みは、突出部34A、34Bの突出長さに応じて決定されており、容器体10の収容時に、吸液部材7が容器体10の外蓋124の表面に当接する又は近傍に位置するように寸法決めされている。
(揮散容器の使用方法)
次に、容器体10を収容した揮散容器1の使用方法について説明する。容器体10を収容した状態では、折り曲げられた状態の容器体10の延出部14(図2(B)参照)の先端が引出口4から延出している。ユーザがこの延出部14の先端をその延出方向に向かって引っ張ると、容器本体12自体は支持壁200によってその位置が保持されつつ、外蓋124は延出部14とともに引っ張られて容器本体12から剥離され、引出口4から取り出される。
ここで、容器体10の内蓋122と外蓋124との界面は隙間なく密着されており、外蓋124の剥離前においては通常は両者の間に隙間は存在しない。
しかしながら、外蓋124の剥離前の状態において、多量の薬剤Mが内蓋122を透過した結果、内蓋122と外蓋124との界面の接合力が弱まり隙間が生じ透過した薬剤がこの隙間に液体として溜まる場合がある。この状態でユーザが引出口4から延出する延出部14を引っ張って外蓋124を剥離すると、隙間に溜まった液状の薬剤Mが内蓋122または外蓋124を伝わって容器体10から垂れ出してしまう。なお、本実施形態とは異なるが、隙間は、例えば、製造時の内蓋と外蓋との接着不良で生じる場合、経時的に又は容器本体12の変形等で内蓋122と外蓋124の接着が弱まって生じる場合、内蓋122に含浸された薬剤Mにより内蓋122と外蓋124との接着が弱まって生じる場合、設計上最初から内蓋122と外蓋124との間に隙間を設ける場合等もあり得る。
このような隙間がある場合、揮発して内蓋122を透過した薬剤Mが内蓋122と外蓋124との隙間に液化して溜まっていることがある。
また、外蓋124の剥離後においても、高温環境や衝撃により容器体10の容積が減少した結果、薬剤Mが内蓋122上に液体として染み出す場合がある。このような状態でも、染み出した薬剤Mが揮散する前に内蓋122を伝わって容器体10から垂れ出すことがある。
しかしながら、本実施形態においては、吸液部材7は、剥離時においては外蓋124、外蓋124の剥離後には内蓋122に当接しているか又は近傍に位置しているので、容器体10から垂れ出した液状の薬剤Mは、吸液部材7に直接又は滴下して付着する。吸液部材7は、吸液性の材料で構成されているので、容器体10から垂れ出した液状の薬剤Mを吸収する。これにより、薬剤Mが揮散容器1の筐体外部に漏れ出ることを抑制できる。
特に液状の薬剤Mは外蓋124の剥離に伴って延出部の引出口4に向かって移動しやすいが、吸液部材7は引出口4に向かって延在しているので、液状の薬剤Mをより確実に吸収することができる。また、外蓋124はその内側面(内蓋122との界面を形成する面)が吸液部材7に向かって対向するように剥離されるので、剥離から引出口から取り出されるまでの間に、この内側面が吸液部材7に対して当接する。そのため、外蓋124に薬剤Mが付着していた場合であっても、吸液部材7によってより外蓋124の薬剤Mを取り除くことができる。これにより、引出口4から取り出された外蓋124に薬剤が残ることによってユーザの手や衣服等が汚れてしまうようなことを抑制できる。
ユーザが、外蓋124を剥離すると、気化した薬剤Mは薬剤透過性の内蓋122を通って揮散容器1の筐体内に放出される。ユーザは、開閉蓋5を時計方向に回動して通気孔32を露出させる。これにより、筐体内に放出された薬剤Mが、外部の空気と交じり合い周囲環境に揮散される。ユーザは、取付具6のクリップを用いて、揮散容器1を例えば車両の空調機器の吹出口の羽に取り付けてもよい。このとき、取付具6は、通気孔32が設けられた後ケース3の外側面に設けられているので、通気孔32は、空調機器の吹出口に対向する。そのため、空調機器から吹き出された空気は、揮散容器1の内部にそのまま流入され、筐体内に効率よく空気を取り入れることができる。
吸液部材7が液状の薬剤Mを吸収している場合、この薬剤Mも吸液部材7から徐々に揮散される。そのため、薬剤Mを無駄なく利用することができる。また、吸液部材7は、形状がシート状であり、吸収した薬剤は面方向に広がるので、吸収した薬剤Mを周囲環境により効率よく揮散することができる。さらに、吸液部材7は、通気孔32を一つ覆っているので、この通気孔32を介して外部に露出されるので、吸収した薬剤Mを周囲環境により直接的に揮散することができる。
(変形例)
以上本発明の実施形態を示したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な態様での実施が可能である。
例えば、上記実施形態においては、吸液部材7は楕円形状としたが、これに限られるものではなく、例えば図9や図10に示すような形状が可能である。
図9に示すように、第1の変形例にかかる吸液部材8は、後ケース3の略中央に配置される円形部80と、この円形部80から互いに反対方向に延出する一対の支持部82とで構成されている。支持部82は略長方形状であり、先端が突出部34Bの上端に載置されている。
突出部34Bは、容器体10の収容時に容器体10の外蓋124の剥離前には外蓋124、外蓋124の剥離後には容器体の内蓋122と当接する。そのため、液状の薬剤Mが漏れ出した場合には、突出部34Bに液状の薬剤Mが伝わりやすい。本変形例においては、突出部34Bの先端に吸液部材8の支持部82が当接するので、支持部82において突出部34Bに付着した液状の薬剤Mを吸収することができる。また支持部82の先端が突出部34Bの上端に載置されているので、吸液部材8が後ケース3から(例えば両者の接着が弱まることで)外れてしまった場合であっても、吸液部材8を突出部34Bにて支持することができる。また、吸液部材8は、通気孔32を塞いでいないので、通気孔32の一部を塞ぐ場合に比べて、筐体内部への空気の流入量を多くすることができる。
図10に示すように、第2の変形例にかかる吸液部材9は、後ケース3の略中央に配置される円形部90と、円形部90から放射状に延びる6つの支持部92とで構成されている。6つの支持部92は、いずれも略台形状であり通気孔32、32の間に向かって延出し、そのうち2つの支持部92は、その先端が突出部34Aに当接し、また他の2つの支持部92は、その先端が突出部34Bに当接する。これにより、吸液部材9は、突出部34A、34Bにより挟持される。
突出部34A、34Bは、容器体10の収容時に容器体10の外蓋124の剥離前には外蓋124、外蓋124の剥離後には容器体の内蓋122と当接する。そのため、液状の薬剤Mが垂れ出した場合には、突出部34A、34Bに液状の薬剤Mが伝わりやすい。本変形例においては、突出部34A、34Bの先端に吸液部材9の支持部92が当接するので、支持部92において突出部34A、34Bに付着した液状の薬剤Mを吸収することができる。また支持部92が突出部34A、34に挟持されているので、吸液部材9が後ケース3から(例えば両者の接着が弱まることで)外れてしまった場合であっても、吸液部材9を突出部34A、34Bにて支持することができる。また、吸液部材9は、通気孔32を塞いでいないので、通気孔32の一部を塞ぐ場合に比べて、筐体内部への空気の流入量を多くすることができる。しかも、通気孔32間それぞれに支持部92を有しているので、吸液部材9全体の表面積が大きくなり、液状の薬剤Mをより多く吸収することができる。
1……揮散容器、2……前ケース、20……収容室、200……支持壁、202……支持片、22……開口部、24……係合突起、26……係合穴、28……切欠、3……後ケース、30……開口、32……通気孔、34A、34B……突出部、36……係合突起、
38A、38B……係合穴、39……切欠、4……引出口、5……開閉蓋、6……取付具、7、8、9……吸液部材、80、90……円形部、82、92……支持部、10……容器体、12……容器本体、120……カップ、120A……開口、120B……フランジ、122……内蓋、124……外蓋、14……延出部、140……溝、142……先端

Claims (7)

  1. 揮発性の薬剤を内部に含む容器体を筐体に収容可能な揮散容器であって、
    前記容器体は、開口と、前記開口を覆い前記容器体に固着された薬剤透過性の内蓋と、前記内蓋を覆い前記容器体に剥離可能に接着された薬剤不透過性の外蓋とを有し、
    前記筐体は、通気孔と、前記容器体を収容するための収容室と、前記容器体の収容時に前記外蓋に当接する又は前記外蓋の近傍に位置し、かつ、前記外蓋の剥離後に前記内蓋に当接する又は前記内蓋の近傍に位置する吸液性の部材と、を備え
    前記筐体は、前記収容室を有する前ケースと、前記通気孔を有する後ケースとが嵌め合わされて構成されており、
    前記後ケースは、前記後ケースの内側面から前記収容室に向かって突出し、前記容器体の収容時に先端が前記容器体の外蓋に当接することで前記容器体と前記後ケースとの間に隙間を画定する複数の突出部を有し、
    前記吸液性の部材は、前記複数の突出部の内側において前記隙間に配置され、前記容器体の収容時に前記外蓋の少なくとも中央部に対向し、かつ、前記外蓋の剥離後に前記内蓋の少なくとも中央部に対向するシート状の形状を有している、揮散容器。
  2. 前記吸液性の部材の前記形状は、楕円形状である、請求項1に記載の揮散容器。
  3. 前記複数の突出部は、略同心円状に間隔をおいて配置されている、請求項1又は2に記載の揮散容器。
  4. 前記複数の突出部は、前記通気孔を挟んで配置された二つの第1の突出部と、前記後ケースの中央を挟んで配置された二つの第2の突出部と、を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の揮散容器。
  5. 前記外蓋は、前記外蓋から延びる延出部を引っ張ることで前記容器体から剥離されるように構成されており、前記延出部は、前記容器体の収容時に前記筐体に設けられた引出口から外部に延出し、
    前記吸液性の部材は、前記隙間から前記引出口に向かって延在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の揮散容器。
  6. 前記吸液性の部材は、前記通気孔の一部を覆うようにして設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の揮散容器。
  7. 前記筐体は、前記通気孔が設けられた側に、空調機器の吹出口への取付具を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の揮散容器。
JP2015241555A 2015-12-10 2015-12-10 揮散容器 Active JP6662628B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015241555A JP6662628B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 揮散容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015241555A JP6662628B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 揮散容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017104342A JP2017104342A (ja) 2017-06-15
JP6662628B2 true JP6662628B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=59058118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015241555A Active JP6662628B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 揮散容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6662628B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7288758B2 (ja) * 2018-12-28 2023-06-08 小林製薬株式会社 薬剤揮散器
JP2020104924A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 小林製薬株式会社 薬剤揮散器
JP7295639B2 (ja) * 2018-12-28 2023-06-21 小林製薬株式会社 薬剤揮散器
JP7270482B2 (ja) * 2019-06-27 2023-05-10 小林製薬株式会社 薬液揮散器
JP7365153B2 (ja) * 2019-06-27 2023-10-19 小林製薬株式会社 薬液揮散器
JP7398272B2 (ja) * 2019-12-24 2023-12-14 小林製薬株式会社 自動車用揮散器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017104342A (ja) 2017-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6662628B2 (ja) 揮散容器
US10814029B2 (en) Membrane device for the release of volatile compositions
US9675723B2 (en) Device and method for delivering volatile substances
JP4832983B2 (ja) 容器
JPS6164255A (ja) 空気処理用物品
JP2007525271A (ja) 放出装置
US11123755B2 (en) Diffuser of active agents such as insecticides, perfumes, detergents or disinfectants, and manufacturing process thereof
JP6338841B2 (ja) 薬剤容器
JP3817001B2 (ja) 揮散性薬剤収納体
JPH10120041A (ja) 薬液吸収材包装体
JP2016137935A (ja) 構造体およびその利用
JP3071108U (ja) 揮発性用材入り容器
JP2012086871A (ja) 収納袋
JP7064248B2 (ja) 揮発性液体の収容装置
JP2001219977A (ja) ガス徐放用包装体
JP6876441B2 (ja) 揮散装置
JP2000062872A (ja) 液体薬剤揮散容器
JP5916812B2 (ja) 薬剤収容具の製造方法
JP4641857B2 (ja) 薬剤保持体の包装体
JP5827471B2 (ja) 薬剤収容具
JP7171284B2 (ja) 揮散装置
US20230389673A1 (en) Diffuser of volatile liquid substances equipped with a vapor permeable membrane, activated at the time of use
JP5902432B2 (ja) 薬液揮散容器
JP3789805B2 (ja) 容器
JP3205343U (ja) 徐放容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6662628

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250