JP7270482B2 - 薬液揮散器 - Google Patents

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Description

本発明は、薬液揮散器に関する。
特許文献1及び2は、自動車に搭載されるエアコンの空気の吹出口のルーバーに、クリップにより固定されて使用される薬液揮散器を開示している。特許文献1の薬液揮散器は、クリップが取り付けられた支持体を有し、支持体は、薬液を収容する容器を支持する。当該容器の上部の開口には、薬液を吸い上げるための吸液芯が差し込まれ、支持体には、吸液芯を目隠しするように、カバー部材が取り付けられる。支持体及びカバー部材には、エアコンの吹出口から吹き出される空気を、支持体及びカバー部材により囲まれる空間内に吸い込み、同空間から排出するための通気孔が形成されており、通気孔を通り抜ける気流に乗って、薬液が車内に拡散される。
特許文献2の薬液揮散器も、クリップが取り付けられた支持体を有し、支持体は、通気孔を有するとともに、薬液を収容する容器を支持する。当該容器の背面の開口は、通気性膜で覆われている。エアコンの吹出口から吹き出された空気は、特許文献1の場合と同様、通気孔を介して支持体内を通り抜ける気流を形成し、当該気流が支持体内で薬液が浸み込んでいる通気性膜に触れることにより、薬液が気流に乗って、車内に拡散される。
特開2017-63898号公報 特表2012-523304号公報
特許文献1の薬液揮散器では、温度変化等により、吸液芯から薬液が過度に浸み出し、浸み出した薬液が外部に漏れ出し、周囲環境を汚染する虞がある。また、特許文献2の薬液揮散器でも、温度変化等により、通気性膜から薬液が過度に浸み出し、同様の問題が生じる虞がある。なお、この問題は、特許文献1及び2のようなタイプの薬液揮散器に限らず、様々なタイプの薬液揮散器に当てはまり得る。
本発明は、薬液が外部に漏れ出し、周囲環境が汚染されることを防止することができる薬液揮散器を提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る薬液揮散器は、外部空間に薬液を揮散する薬液揮散器であって、前記薬液が含浸した吸収体と、前記吸収体全体を収容する内部空間を有し、開閉可能であり、閉状態で前記内部空間と前記外部空間とを連通させる1又は複数の通気孔を有する容器とを備える。前記容器は、前記容器の内面から起立し、前記吸収体に接触することにより、前記吸収体と、前記容器の内面の少なくとも一部である離間面とが面接触しないように、前記吸収体と前記離間面とを離間させる離間部材を有する。
本発明の第2観点に係る薬液揮散器は、第1観点に係る薬液揮散器であって、前記離間部材は、前記離間面から起立する。
本発明の第3観点に係る薬液揮散器は、第1観点又は第2観点に係る薬液揮散器であって、前記容器は、前記外部空間に空気を吹き出す外部装置に含まれる前記空気の吹出口の近傍に配置される。前記1又は複数の通気孔は、前記空気を前記内部空間へ導入する導入口と、前記空気を前記内部空間から排出する排出口とを含む。
本発明の第4観点に係る薬液揮散器は、第3観点に係る薬液揮散器であって、前記容器の背面部に固定されており、前記背面部が前記吹出口に対面するように、前記容器を前記吹出口の近傍に固定する固定具をさらに備える。前記導入口は、前記背面部に形成されている。
上記の観点によれば、薬液が含浸した吸収体を収容する容器の内面に、離間部材が設けられる。離間部材は、容器の内面から起立し、吸収体に接触することにより、吸収体を容器の内面の少なくとも一部である離間面から離間させる部材である。ところで、容器の内面に吸収体が面接触する場合、そのような接触面では、吸収体から薬液が浸み出し易くなる。しかし、ここでは、以上の離間部材が、吸収体と離間面との面接触を阻害するため、離間面において吸収体から薬液が過度に浸み出すことが防止される。よって、容器に形成された隙間を介して、薬液が外部へ漏れ出し、周囲環境が汚染されることが防止される。
本発明の一実施形態に係る薬液揮散器を正面側から視た斜視図。 図1の薬液揮散器を背面側から視た斜視図。 図1の薬液揮散器の左側面図。 正面側部材単体の背面図。 背面側部材単体の正面図。 吸収体がセットされた正面側部材を正面側から視た斜視図。 吸収体の製造工程を説明する図。 凹凸領域の拡大画像の例。 凹凸領域の薬液の保持能力を検証した結果を示す写真。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る薬液揮散器について説明する。
<1.薬液揮散器の全体構成>
図1に、本実施形態に係る薬液揮散器1を正面側から視た斜視図を示し、図2にその背面側から視た斜視図を示し、図3にその左側面図を示す。ただし、図1及び図2では、図3に示される固定具50が省略されている。以下の説明では、特に断らない限り、前後、左右、及び上下方向は、図1~図3の通りに定義され、前側は正面側を意味し、後側は背面側を意味するものとする。
薬液揮散器1は、外部空間に薬液を揮散することにより、薬液が有する様々な効能を外部空間に提供する装置である。これに限定されないが、本実施形態の薬液揮散器1は、自動車用であり、車内に設置される。より詳細には、薬液揮散器1は、車載のエアコンの空気の吹出口に配置されるルーバーに取り付けられる。これにより、薬液揮散器1は、エアコンの吹出口から吹き出される気流に乗せて、車内に薬液を効率的に行き渡らせることができる。
ここで使用される薬液は、特にその種類は限定されないが、典型的には芳香剤、消臭剤又は防虫剤、或いはこれらの混合物であり、使用目的に応じて、香料、消臭成分、防虫成分、着色料等の添加剤が含有される。薬液に含まれる溶媒は、使用される添加剤の種類に応じて適宜選択され、親水性溶媒又は親油性溶媒、或いはこれらの混合物とすることができる。薬液が香料を含む場合には、その香り強度を高めるために、溶媒として少なくとも親油性溶媒を含むことが好ましい。親水性溶媒としては、例えば、水又はエタノール、或いはこれらの混合物を使用することができる。親油性溶媒としては、例えば、グリコールエーテル又はイソパラフィン系溶媒、或いはこれらの混合物を使用することができる。また、薬液には、香料、消臭成分、防虫成分、着色料等の機能性成分を可溶化させるために、溶解剤が含まれていてもよい。
薬液揮散器1は、薬液が含浸した吸収体10(図6参照)と、吸収体10を収容する筐体としての容器20と、容器20をエアコンの吹出口の近傍に固定する固定具50とを備える。容器20は、開閉可能であり、互いに分離可能な正面側部材30と、背面側部材40とを有する。図4は、正面側部材30単体の背面図であり、図5は、背面側部材40単体の正面図である。容器20の開状態で、容器20の内部空間S1内の所定の位置に、薬液を含浸させた吸収体10がセットされる。図6は、吸収体10がセットされた正面側部材30を正面側から視た斜視図である。図2に示す通り、容器20は、複数の通気孔C1~C3を有し、エアコンから送り出された空気がこれらの通気孔C1~C3を通り抜けることにより、薬液が車内に拡散される。通気孔C1~C3は、容器20の閉状態で、容器20の内部空間S1と外部空間とを連通させる。
<2.各部の構成>
以下、各部の構成について、詳細に説明する。
<2-1.吸収体>
吸収体10は、多孔質の構造体であり、多量の薬液を内部に保持することができる。本実施形態の吸収体10は、合成樹脂製の繊維、特にポリエステル繊維から構成され、不織の構造を有し、これを直方体形状のブロック塊に加工した部材である。
本実施形態の吸収体10は、図7に示すように、押出成形により製造される。より具体的には、シリンダー100内に充填された繊維の材料を、加熱しながらダイスプレート101の矩形状の押出口101aから押し出すことにより、断面が矩形状の細長い繊維塊102を成形する。その後、繊維塊102を所定の長さごとにカットすることにより、吸収体10が製造される。繊維塊102の外表面は、ダイスプレート101の押出口101aから押し出されるとき、ダイスプレート101からの伝熱により熱溶着される。よって、吸収体10の外表面のうち、繊維塊102をカットしたときに露出する2面に相当する上面10a及び下面10b(図6参照)を除く、4つの側面10c(図6参照)は、熱溶着による表面処理が施された加工面となる。よって、吸収体10の側面10cにおいては、材料である繊維どうしが結着している。一方、吸収体10の上面10a及び下面10bは、以上のような表面処理が施されていない非加工面となる。以上の結果、吸収体10の側面10cでは、吸収体10の上面10a及び下面10b、並びに吸収体10の内部に比べて、薬液の浸透が抑制される。よって、吸収体10は、その外表面の大部分を構成する側面10cから薬液が漏れ出しにくくなっているため、薬液を内部に保持する能力が高められている。
ただし、以上に説明した吸収体10の構成は、例示であり、薬液を保持することができる限り、特に限定されない。例えば、吸収体10は、植物繊維や動物繊維、鉱物繊維等の天然繊維から構成することができ、好ましい例を挙げると、木材や草等から抽出したパルプ(紙)製とすることができる。また、吸収体10は、不織の構造ではなく、織物の構造を有していてもよいし、発泡成形品であってもよい。
<2-2.容器>
容器20は、上述した通り、正面側部材30及び背面側部材40を有し、正面側部材30に対し背面側部材40を着脱することにより、開閉することができる。これに限定されないが、正面側部材30及び背面側部材40は、いずれもポリプロピレン等の合成樹脂製である。本実施形態では、正面側部材30は、1つの部品としてその全体が分離不能に一体的に構成されており、背面側部材40も、1つの部品としてその全体が分離不能に一体的に構成されている。また、本実施形態の正面側部材30及び背面側部材40は、透明又は半透明に構成されている。
これに限定されないが、本実施形態の容器20は、図1に示す通り、意匠性を高めるため、ヒトを模した形状を有する。正面側部材30は、頭、胴体、両手及び両足を連結した形状を有し、正面部31と、正面部31の外周縁から筒状に背面側に延びる側面部32とを有する。正面部31と側面部32とは、その境界付近において滑らかに湾曲しながら連続しており、正面側部材30において頭に相当する部分は、略半球状である。
図4に示す通り、正面側部材30は、正面部31の内面において両手と胴部との境界に相当する部分から背面側に起立する一対の側壁34L及び34Rを有する。この一対の側壁34L及び34Rと、正面部31及び側面部32において頭、胴及び両足に相当する部分とにより、頭、胴及び両足を連結した形状の内部空間S1が形成される。本実施形態の内部空間S1は、吸収体10全体を収容することができる。正面側部材30において両手に相当する部分により形成される空間S2は、内部空間S1と連通しておらず、内部空間S1から分離されている。
一方、背面側部材40は、以上の内部空間S1を覆うように正面側部材30に取り付けられる部材である。図5に示す通り、背面側部材40は、背面部41と、背面部41の外周縁から正面側に起立する背の低い外周部42とを有する。背面部41は、頭、胴及び両足を連結した形状の板状の部材である。内部空間S1は、正面側部材30に背面側部材40を取り付けたときに閉状態となり、通気孔C1~C3を除き、外部空間から閉鎖される。
図4に示すように、正面側部材30は、正面部31の内面において股に相当する部分から背面側に起立する突出片301を有する。突出片301は、左右方向に延びる板状の部材であり、略水平面を構成する上面301aを有する。図6に示す通り、突出片301は、内部空間S1に吸収体10が収容されたときに、その上面301aで吸収体10を受け取る。このとき、上面301aは、吸収体10の下面10bに接触する。また、このとき、吸収体10の左右の側面10cは、それぞれ側壁34L及び34Rに接触する。これにより、内部空間S1における吸収体10の位置が安定する。
また、図4に示すように、正面側部材30は、正面部31の内面から背面側に起立する突出片302及び303を有する。突出片302及び303は、内部空間S1において突出片301よりも上方に配置される。突出片302は、主として頭及び胴に相当する部分において上下方向に延びる板状の部材である。一方、突出片303は、頭と胴との境界に相当する部分において左右方向に延びる板状の部材であり、略水平面を構成する上面303aを有する。突出片302及び303は、内部空間S1に吸収体10が収容されたとき、吸収体10の正面側の側面10cに接触する。
一方、図5に示すように、背面側部材40は、背面部41の内面から正面側に起立するリブ401及び402を有する。リブ401及び402は、内部空間S1において突出片301よりも上方に配置される。リブ401は、頭に相当する部分において左右方向に延び、上面401aを有する。一方、リブ402は、胴と両足との境界付近に相当する部分において左右方向に延び、上面402aを有する。リブ401及び402は、内部空間S1に吸収体10が収容されたとき、吸収体10の背面側の側面10cに接触する。
また、図5に示すように、背面側部材40は、正面側部材30の突出片301に対面する位置において、背面部41の内面から正面側に起立するリブ403を有する。リブ403は、股に相当する部分において左右方向に延び、上面403aを有する。リブ403は、内部空間S1に吸収体10が収容されたとき、吸収体10の下面10bに接触する。
以上の突出片302及び303は、吸収体10の正面側の側面10cと、正面部31の内面とが面接触しないように、これらの面を離間させる。この意味で、以下、突出片302及び303を、それぞれ、離間部材302及び303と呼ぶことがある。離間部材302及び303は、正面部31の内面から起立し、内部空間S1に収容された状態の吸収体10に接触することにより、吸収体10と、正面部31との面接触を阻害する。
同様に、以上のリブ401及び402は、吸収体10の背面側の側面10cと、背面部41の内面とが面接触しないように、これらの面を離間させる。この意味で、以下、リブ401及び402を、それぞれ、離間部材401及び402と呼ぶことがある。離間部材401及び402は、背面部41の内面から起立し、内部空間S1に収容された状態の吸収体10に接触することにより、吸収体10と背面部41との面接触を阻害する。
以上の離間部材302、303、401及び402は、吸収体10の薬液の保持能力を高める役割を果たす。すなわち、容器20の内面に吸収体10が面接触する場合、そのような接触面では、薬液が吸収体10から浸み出し易くなる。特に車内の温度が高温になる等すると、吸収体10から薬液が過度に浸み出し得る。この点、離間部材302、303、401及び402は、吸収体10と、これと正面部31及び背面部41の内面との面接触を阻害するため、正面部31及び背面部41の内面において吸収体10から薬液が過度に浸み出すことが防止される。ひいては、容器20に形成された隙間、特に正面側部材30と、これに取り付けられた背面側部材40との微細な隙間を介して、薬液が外部へ漏れ出すことが防止される。よって、薬液により、周囲環境が汚染されることが防止される。
また、以上のリブ401~403は、吸収体10から浸み出した薬液を、それぞれの上面401a~403aで回収し、回収した薬液を吸収体10に戻すことができる。すなわち、吸収体10から浸み出した薬液は、内部空間S1内に形成される気流に乗って外部空間へ放出されるが、その一部は、内部空間S1に留まり得る。特に、車両のエアコンの不使用時には、気流が形成されにくいため、吸収体10から浸み出した薬液は、内部空間S1に留まり易くなる。加えて、車内の温度が高温になる等すると、薬液が過度に浸み出し得る。このとき、吸収体10から浸み出した薬液の一部は、背面側部材40の内面に付着し、その後、背面側部材40の内面から滴り落ち、リブ401~403のそれぞれの上面401a~403aに集められる。以上の通り、リブ401及び402は、内部空間S1に収容された状態の吸収体10の背面側の側面10cに接触し、リブ403は、吸収体10の下面10bに接触する。そのため、上面401a~403aで回収された薬液は、これらの面401a~403aを伝って吸収体10に戻される。
同様に、以上の突出片301及び303も、吸収体10から浸み出した薬液を、それぞれの上面301a及び303aで回収し、回収した薬液を吸収体10に戻すことができる。すなわち、吸収体10から浸み出した薬液の一部は、背面側部材40だけでなく、正面側部材30の内面にも付着し得、その後、正面側部材30の内面から滴り落ち、突出片301及び303のそれぞれの上面301a及び303aに集められる。以上の通り、突出片301は、内部空間S1に収容された状態の吸収体10の下面10bに接触し、突出片303は、内部空間S1に収容された状態の吸収体10の正面側の側面10cに接触する。そのため、上面301a及び303aで回収された薬液は、これらの面301a及び303aを伝って吸収体10に戻される。
以上の通り、吸収体10から薬液が過度に浸み出したとしても、リブ401~403、並びに突出片301及び303の存在により、当該薬液は、吸収体10へ再び吸収され得る。この意味で、以下、リブ401~403、並びに突出片301及び303を、それぞれ、液戻し部401~403、301及び303と呼ぶことがある。液戻し部401~403、301及び303は、容器20に形成された隙間、特に正面側部材30と背面側部材40との微細な隙間を介して、薬液が外部へ漏れ出すことを、より一層防止することができる。
図5に示す通り、背面側部材40は、外周部42の上部において、板バネ状の爪部43を有する。爪部43は、側面視において略V字形状を有する。一方、図4に示す通り、正面側部材30は、側面部32の上部において、一対の薄片321L及び321Rを有する。一対の薄片321L及び321Rは、左右方向に一定の幅を有する隙間をあけて配置されており、当該隙間内に背面側部材40の爪部43を受け取ることができる。
また、図4に示す通り、正面側部材30は、正面部31の内面において両足に相当する部分から背面側に起立する一対の突起33L及び33Rを有する。突起33L及び33Rは、内部空間S1において吸収体10を下方から支持する突出片301よりも下方に配置される。一方、図5に示す通り、背面側部材40は、背面部41の内面において両足に相当する部分から正面側に起立する一対の筒状の突起44L及び44Rを有する。正面側部材30に背面側部材40を取り付けるとき、背面側部材40の筒状の突起44L及び44Rの中央の穴は、それぞれ正面側部材30の突起33L及び33Rを受け取り、突起44L及び44Rと、突起33L及び33Rとがそれぞれ篏合する。また、このとき、背面側部材40の爪部43を上下方向に押圧して圧縮し、これを正面側部材30の一対の薄片321L及び321R間の隙間に挿入した後、上下方向の押圧力を解除すると、薄片321L及び321Rと、爪部43とが篏合する。さらに、このとき、正面側部材30の側面部32の内面が、背面側部材40の外周部42の外面と部分的に接触し、側面部32と外周部42とが篏合する。これにより、正面側部材30と背面側部材40とが固定され、内部空間S1が閉状態となる。
図4及び図6に示す通り、突起33L及び33Rは、互いに同様の構造を有している。突起33L及び33Rは、各々、前後方向に延びる軸部331と、軸部331の周りに等間隔に配置される4枚の薄片332~335を有する。すなわち、突起33L及び33Rは、各々、背面視において略十字状である。薄片332及び334は、上下方向に延びている。一方、薄片333及び335は、左右方向に延びており、それぞれ、略水平面を構成する上面333a及び335aを有する。
また、正面側部材30は、側面部32の内面において両足に相当する部分から左右方向に起立する4枚の薄片322~325を有する。薄片322及び325は、側面部32の内面において両足の外側に相当する部分から内側に向かうように突出している。一方、薄片323及び324は、側面部32の内面において両足の内側に相当する部分から外側に向かうように突出している。薄片322~325は、左右方向に延びており、それぞれ、上面322a~325aを有する。
以上の薄片333、335及び322~325は、吸収体10から浸み出した薬液をそれぞれ上面333a、335a及び322a~325aで受け取り、保持することができる。この意味で、以下、薄片333、335及び322~325を、それぞれ、液受け部333、335及び322~325と言うことがある。
液受け部333、335及び322~325は、内部空間S1において吸収体10を下方から支持する突出片301よりも下方に配置される。吸収体10の下面10bは、上記の通り、薬液の浸透を抑制する表面処理が施されていない非加工面であり、比較的薬液が浸み出し易い。しかし、下面10bから浸み出した薬液は、その多くが、液戻し部301に捉えられ、吸収体10に戻される。一方、一部の薬液は、液戻し部301から下方に落下することがあるが、そのような薬液は、液受け部333、335及び322~325に捉えられる。その結果、薬液が、内部空間S1において両足の足先に相当する下端部に達する可能性が低減される。よって、容器20に形成された隙間、特に正面側部材30と背面側部材40との微細な隙間を介して、薬液が外部へ漏れ出すことがより一層防止される。
背面部41の内面は、その全面が、微細な凹凸パターンの形成された凹凸領域を形成している。図8は、凹凸領域の拡大画像の例である。これに限定されないが、同図に示すように、本実施形態の凹凸パターンは、多数の皴模様である。また、これらの皴は、繰り返しパターンを形成せず、ランダムに形成されている。これに限定されないが、例えば、この凹凸パターンは、背面側部材40を成形するための金型において、背面部41の内面に対面する面に凹凸パターンを付けておくことにより形成することができる。これにより、背面部41の内面に、金型の凹凸パターンが転写される。このような凹凸パターンは、例えば、シボ加工により形成することができる。
この凹凸パターンは、微細な構造を有するため、薬液を保持可能である。図9は、凹凸パターンが施された合成樹脂製の薄板と、凹凸パターンが施されていない同様の薄板とに、色付きの液体を付着させたときの様子を撮影した写真である。これらを比較すると明らかな通り、凹凸パターンは、液体を保持することに成功している。既に述べた通り、吸収体10から浸み出した薬液の一部は、背面側部材40の内面に付着する。特に、車内の温度が高温になる等し、薬液が過度に浸み出したときには、多量の薬液が背面側部材40の内面に付着し得る。しかし、このとき、薬液は、以上のような凹凸パターンが付与された背面部41の内面に薄く広がり、背面部41の内面に捉えられる。よって、背面部41の内面において液滴のサイズが成長し難くなり、薬液が下方に滴り落ちにくくなる。よって、薬液が外部へ漏れ出すことがより一層防止される。
図5に示す通り、背面部41の略中央には、開口C1が形成されている。この開口C1には、点線で示す位置に固定具50のベース部51(後述される)が挿入され、固定される。ベース部51は、開口C1に固定された状態においても、開口C1を完全に閉じることがなく、開口C1は依然として開いたままとなる。この開口C1は、正面側部材30に背面側部材40が取り付けられた閉状態において、容器20の内部空間S1と外部空間とを連通させる通気孔となる。また、この開口C1は、主としてエアコンから送り出される空気を内部空間S1へ導入する導入口となる。以下、開口C1を、通気孔C1又は導入口C1と呼ぶことがある。
また、図2に示すように、容器20の上部において、爪部43と薄片321L及び321Rとの連結部分の近傍には、開口C2が形成されている。この開口C2も、正面側部材30に背面側部材40が取り付けられた閉状態において、容器20の内部空間S1と外部空間とを連通させる通気孔となる。また、この開口C2は、主として内部空間S1から空気を排出する排出口となる。以下、開口C2を、通気孔C2又は排出口C2と呼ぶことがある。
通気孔C2は、吸収体10の上面10aよりも上方において、上面10aの近傍に配置される。吸収体10の上面10aは、上記の通り、薬液の浸透を抑制する表面処理が施されていない非加工面であり、比較的薬液が浸み出し易い。しかし、ここから浸み出した薬液は、通気孔C2が近傍にあることにより、内部空間S1内に形成される気流に捉えられ易くなり、外部空間へ揮散し易くなる。よって、薬液が外部へ漏れ出すことがより一層防止される。
容器20の左側面にも、開口C3が形成されている。この開口C3も、正面側部材30に背面側部材40が取り付けられた閉状態において、容器20の内部空間S1と外部空間とを連通させる通気孔となる。また、この開口C3も、主として内部空間S1から空気を排出する排出口となる。以下、開口C3を、通気孔C3又は排出口C3と呼ぶことがある。
通気孔C1~C3の役割は、以上に説明した役割に限定されない。すなわち、エアコンの風量や風向き等によって、導入口及び排出口の役割が入れ替わることがある。また、1つの通気口が、導入口及び排出口の役割を兼ねることがある。
<2-3.固定具>
固定具50は、容器20の背面部41がエアコンの空気の吹出口に対面するように、容器20をエアコンの吹出口の近傍に固定する部材である。これに限定されないが、固定具50は、ポリプロピレンやポリアセタール等の樹脂製である。図3に示す通り、固定具50は、ベース部51と、ベース部51から後方に延び、エアコンの吹出口の近傍、典型的にはルーバーに固定されるクリップ部52とを有する。本実施形態では、固定具50は、1つの部品としてその全体が分離不能に一体的に構成されている。
クリップ部52は、一対の弾性片521及び522を有する。弾性片521及び522どうしは互いに対面しており、ベース部51から後方へ延びている。弾性片521及び522は、ベース部51側の部位を基準として、互いからより離間するように、弾性変形により所定量だけ折れ曲がることができる。よって、弾性片521及び522に外力を加えることにより、弾性片521及び522どうしの間隔を広げることができる。そして、こうして広がった弾性片521及び522の隙間に、典型的にはエアコンのルーバーを挟み込むことにより、クリップ部52、ひいては薬液揮散器1全体の位置を固定することができる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は適宜組み合わせることができる。
<3-1>
薬液揮散器1は、エアコンに限らず、送風機等、外部空間に空気を吹き出す外部装置に含まれる空気の吹出口の近傍に、好ましく配置することができる。また、空気の吹出口の近傍以外にも、配置することができる。
<3-2>
上記実施形態では、容器20に通気孔が3つ形成されたが、通気孔の数は、特に限定されず、1つであってもよい。この場合、1つの通気孔が、空気の導入口及び排出口を兼用して含むことになる。
<3-3>
正面側部材30と背面側部材40とは、分離可能ではなく、例えば、一端がヒンジ等により固定され、回動式に開閉してもよい。
<3-4>
上記実施形態では、固定具50にクリップ部52が設けられ、薬液揮散器1はクリップ式にルーバー等に固定可能とされた。しかし、薬液揮散器1の設置方法はこれに限られず、例えば、両面シール等によりルーバー等に固定可能としてもよい。
<3-5>
上記実施形態では、背面部41の内面の全面に、薬液を保持可能な微細な凹凸パターンが形成された。しかし、容器20の内面において、凹凸パターンが形成される箇所は、これに限られない。例えば、背面部41の内面の一部にのみ凹凸パターンが形成されてもよいし、正面側部材30の内面の全面又は一部に凹凸パターンが形成されてもよい。
<3-6>
上記実施形態とは反対に、突起33L及び33Rを背面側部材40に設け、突起44L及び44Rを正面側部材30に設けてもよい。
<3-7>
上記実施形態では、離間部材302、303、401及び402は、吸収体10から離間される面(離間面)である、正面部31及び背面部41の内面から起立するように構成された。しかしながら、離間部材を、離間面ではなく、例えば、正面側部材30の側面部32の内面から起立させ、吸収体10の正面側及び背面側の側面10cに接触させることにより、吸収体10を離間面から離間させるようにもよい。
<3-8>
上記実施形態では、吸収体10の4つの側面10cが加工面とされ、上面10a及び下面10bが非加工面とされた。しかしながら、吸収体10は、加工面を有していなくてもよいし、加工面を有するとしても、加工面を上記実施形態とは異なる位置に配置することができる。また、吸収体10の外表面の全面を、加工面とすることもできる。
1 薬液揮散器
10 吸収体
10a 上面(加工面)
10b 下面(加工面)
10c 側面(非加工面)
20 容器(筐体)
30 正面側部材
301 突出片(液戻し部、突出部)
302 突出片(離間部材)
303 突出片(離間部材、液戻し部、突出部)
322~325 薄片(液受け部)
333 薄片(液受け部)
335 薄片(液受け部)
40 背面側部材
41 背面部
401 リブ(離間部材、液戻し部、突出部)
402 リブ(離間部材、液戻し部、突出部)
403 リブ(液戻し部、突出部)
S1 内部空間
50 固定具
C1 通気孔(導入口)
C2 通気孔(排出口)
C3 通気孔(排出口)

Claims (4)

  1. 外部空間に薬液を揮散する薬液揮散器であって、
    前記薬液が含浸した吸収体と、
    前記吸収体全体を収容する内部空間を有し、開閉可能であり、閉状態で前記内部空間と前記外部空間とを連通させる1又は複数の通気孔を有する容器と
    を備え、
    前記容器は、前記容器の内面から起立し、前記吸収体に接触することにより、前記吸収体と、前記容器の内面の少なくとも一部である離間面とが面接触しないように、前記吸収体と前記離間面とを離間させる離間部材を有する、
    薬液揮散器。
  2. 前記離間部材は、前記離間面から起立する、
    請求項1に記載の薬液揮散器。
  3. 前記容器は、前記外部空間に空気を吹き出す外部装置に含まれる前記空気の吹出口の近傍に配置され、
    前記1又は複数の通気孔は、前記空気を前記内部空間へ導入する導入口と、前記空気を前記内部空間から排出する排出口とを含む、
    請求項1又は2に記載の薬液揮散器。
  4. 前記容器の背面部に固定されており、前記背面部が前記吹出口に対面するように、前記容器を前記吹出口の近傍に固定する固定具
    をさらに備え、
    前記導入口は、前記背面部に形成されている、
    請求項3に記載の薬液揮散器。
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