JP2008030386A - 低透過樹脂ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】層間接着性および柔軟性に優れるとともに、燃料や冷媒等に対する低透過性にも優れた低透過樹脂ホースを提供する。
【解決手段】管状の低透過層1の外周に外層2が形成されてなる低透過樹脂ホースであって、上記低透過層1が下記の(A)を用いて形成されているとともに、上記外層2が下記の(B)を用いて形成されている。
(A)エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料。
(B)高アミノ価のポリアミド系樹脂。
【選択図】図1

Description

本発明は、低透過樹脂ホースに関するものであり、詳しくは自動車等に用いられる、ガソリン,アルコール混合ガソリン(ガソホール),アルコール,水素,軽油,ジメチルエーテル,ディーゼル,CNG(圧縮天然ガス),LPG(液化石油ガス)等の燃料、もしくはエアコン・ラジエター等に用いられるフロン,代替フロン,水,二酸化炭素等の冷媒に対する耐透過性に優れた低透過樹脂ホースに関するものである。
世界的な環境意識の高まりから、自動車用燃料系ホース等からの炭化水素蒸散量の規制が強化されてきており、なかでも米国ではかなり厳しい蒸散規制が法制化されている。このような状況の中で、炭化水素蒸散量の規制に対応するため、フッ素樹脂からなる燃料低透過層を備えた多層構造のホースが提案されている。
上記フッ素系樹脂層は、比較的、燃料低透過性に優れるものの、近年の蒸散規制に対応するには、その層の厚みを厚くせざるを得ず、そのため材料コストが高くつくという難点がある。
そこで、フッ素系樹脂よりも燃料低透過性に優れる樹脂として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)が注目されている。すなわち、EVOH層を備えたホースとすることにより、その層の厚みが比較的薄くても充分な燃料低透過性が得られるようになり、材料コストの面でも有利となる。
このように、EVOHからなる燃料低透過層を備えたホースとして、例えば、つぎの(1)〜(3)に示すような構成のものが提案されている。
(1)EVOHからなる内層の外周に、変性高密度ポリエチレン(変性HDPE)からなる外層を形成してなる多層燃料チューブ(特許文献1参照)。
(2)EVOHからなる内層の外周に、高密度ポリエチレン(HDPE),エチレン−αオレフィン,ジカルボン酸変性ポリオレフィン(無水マレイン酸変性ポリプロピレン等)から構成されたアロイ材料からなる外層を形成してなる多層燃料チューブ(特許文献2参照)。
(3)EVOHからなる層の内周および外周に、変性HDPE層を形成してなる多層燃料チューブ(特許文献3参照)。
特開2003−191396公報 特開2003−194263公報 特開2004−122459公報
しかしながら、EVOHは、曲げ弾性率がおよそ4000MPa程あり、非常に堅い樹脂であるため、柔軟性に欠ける。したがって、上記特許文献に記載のホースは、曲げ加工によりEVOH層の折れが生じたり、また、コネクタをホースに圧入した後の燃料の浸漬により、ソルベントクラックが生じたりしやすく、このことに起因し、燃料低透過性が損なわれるおそれがある。また、EVOHは吸水性があるため、特にホース内層がEVOH層である場合、その吸水により、剛性、低透過性等の特性が劣化するおそれもある。
また、上記特許文献に記載のホースのように、その外層に変性HDPE層を形成した場合、紫外線により、外層の劣化が生じるおそれがある。他方、変性HDPE等のポリオレフィンの融点と、EVOHの融点との差が大きいことから、上記ホースは、例えば加熱曲げ加工時に、ポリオレフィン層が剥がれ落ちる(一般に、「棚落ち」という)おそれもある。そのため、このような場合であっても層間接着性が確保される層形成が要求される。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、層間接着性および柔軟性に優れるとともに、燃料や冷媒等に対する低透過性にも優れた低透過樹脂ホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、管状の低透過層の外周に外層が形成されてなる低透過樹脂ホースであって、上記低透過層が下記の(A)を用いて形成されているとともに、上記外層が下記の(B)を用いて形成されている低透過樹脂ホースを第一の要旨とする。
(A)エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料。
(B)高アミノ価のポリアミド系樹脂。
また、本発明は、管状の低透過層の外周に結合層が形成され、この結合層の外周に外層が形成されてなる低透過樹脂ホースであって、上記低透過層が下記の(A)を用いて形成され、上記結合層が下記の(C)を用いて形成されているとともに、上記外層が下記の(D)を用いて形成されている低透過樹脂ホースを第二の要旨とする。
(A)エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料。
(C)変性高密度ポリエチレン樹脂。
(D)低アミノ価のポリアミド系樹脂。
すなわち、本発明者は、層間接着性および柔軟性に優れるとともに、燃料や冷媒等に対する低透過性にも優れた低透過樹脂ホースを得るため、鋭意研究を重ねた。その結果、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料を用いて低透過層を形成したところ、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)のみで層を形成したときのように高弾性とならず、低透過性および柔軟性に優れるようになり、ソルベントクラック等の問題も解消されることを突き止めた。そして、このような低透過層の外周に、ポリアミド系樹脂からなる外層を形成することにより、紫外線による劣化の問題が解消されることも突き止めた。さらに、この外層の材料を、高アミノ価(末端アミノ基濃度が40μ当量/g以上)のポリアミド系樹脂とすることにより、層間接着性が向上し、加熱曲げ加工時の棚落ち等の問題も解消されることを見いだし、本発明に到達した。
一方、上記外層が低アミノ価のポリアミド系樹脂層の場合、上記ホースのように所望の層間接着性を得ることはできなかった。しかしながら、上記低透過層と外層との間に、変性高密度ポリエチレン樹脂を用いて形成された結合層を設けることにより、この問題が解消されたため、上記低透過樹脂ホースと同様に優れた作用効果が得られるようになることも突き止めた。
このように、本発明の低透過樹脂ホースは、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる海相中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相が分散されたアロイ材料を用いて形成された低透過層を備えているため、ソルベントクラック等の問題を生じず、燃料や冷媒に対する低透過性が向上するとともに、柔軟性にも優れており、また、その層の外周に形成された高アミノ価ポリアミド系樹脂外層との層間接着性も高く、接着力を20N/cm以上(目標値)に維持することが可能となる。そして、加熱曲げ加工時の外層の棚落ち等といった問題も解消され、さらに、紫外線耐性にも優れるようになる。
また、上記外層が低アミノ価のポリアミド系樹脂層であっても、上記外層と上記低透過層との層間に、変性高密度ポリエチレン樹脂を用いて形成された結合層を設けることにより、層間接着性の問題が解消され、上記低透過樹脂ホースと同様の優れた効果を得ることができる。
そして、これら低透過樹脂ホースにおける低透過層の内周に、変性高密度ポリエチレン樹脂からなる海相中にエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる島相が分散されたアロイ材料、または、変性高密度ポリエチレン樹脂を用いて形成された内層が設けられていると、上記低透過層の吸水による物性低下を防ぐことができるとともに、コネクタに内層を熱接着させることもでき、それにより、コネクタとの締結部における燃料等の漏れをより防ぐことができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の低透過樹脂ホースは、例えば、図1に示すように、管状の低透過層1の外周に外層2が形成されてなる低透過樹脂ホースであって、上記低透過層1が下記の(A)を用いて形成されているとともに、上記外層2が下記の(B)を用いて形成されている。
(A)エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料。
(B)高アミノ価のポリアミド系樹脂。
上記低透過層1の形成材料(低透過層用材料)としては、上記(A)に示すとおり、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂(変性HDPE)からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料が用いられる。ここで、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)とは、比重が0.93〜0.97、好ましくは0.93〜0.96の範囲内であり、かつ、融点が120〜145℃の範囲内のものを示す。なお、上記比重は、ISO 1183に基づく値であり、上記融点は、ISO 3146に基づく値である。そして、上記変性HDPEとしては、変性により、マレイン酸無水物残基,マレイン酸基,アクリル酸基,メタクリル酸基,アクリル酸エステル基,メタクリル酸エステル基,酢酸ビニル基,およびアミノ基のいずれか、もしくは2種以上の官能基を有するHDPEがあげられる。このような変性HDPEの変性率は、好ましくは、0.1〜5重量%の範囲内である。
そして、上記(A)のアロイ材料は、EVOHと変性HDPEとを特定の割合で溶融混練(混練温度は、好ましくは、室温(22℃)〜280℃の範囲であり、より好ましくは、40〜260℃)することにより得ることができる。そして、上記アロイ材料は、EVOHを海相としていることから、ガソリン燃料や冷媒ガス等に対する低透過性を確保することができ、変性HDPEからなる島相によって、EVOHを単独使用した場合の弱点である耐衝撃性の弱さ等を改善することができるようになる。
ここで、上記アロイ材料(A)における、EVOHと、変性HDPEとの体積混合比は、好ましくは、EVOH/変性HDPE=25/75〜90/10の範囲内であり、より好ましくはEVOH/変性HDPE=30/70〜80/20の範囲内である。すなわち、EVOHの体積混合比率が90%を超える(変性HDPEの体積混合比率が10%未満である)と、曲げ弾性率が高くなり、EVOHの体積混合比率が25%未満である(変性HDPEの体積混合比率が75%を超える)と、海−島構造が逆転し、低透過性に劣るようになるからである。なお、上記低透過層1における海と島の比率(体積比率)は、上記アロイ材料に用いるEVOHと変性HDPEとの体積混合比率に略相当する。
上記のような海−島構造の識別は、例えば、上記低透過層1の断面を面出し、ヨウ素で染色した後(例えば、室温で1時間程度)、断片(0.5mm角程度)を面出しして、走査電子顕微鏡(SEM)で観察することにより行うことができる。すなわち、EVOHからなる相は、ヨウ素で染色されるため、この部分に、電子線が照射されると、電子線を反射して白っぽく見えるようになるが、変性HDPEからなる相は、ヨウ素で染色されないため、黒っぽく見える。このような色の違いによって、海−島構造を観察することができる。
なお、上記低透過層1用材料には、EVOHおよび変性HDPEに加えて、相溶化剤、難燃剤、酸化防止剤等を必要に応じて配合しても差し支えない。
つぎに、上記図1の低透過樹脂ホースでは、その外層2の形成材料(外層用材料)に、上記(B)の、高アミノ価のポリアミド系樹脂が用いられる。
上記高アミノ価のポリアミド系樹脂は、末端アミノ基濃度が40μ当量/g以上のものが好ましく、特に好ましくは45〜100μ当量/gの範囲内である。すなわち、上記ポリアミド系樹脂の末端アミノ基濃度が、40μ当量/g未満であると、低透過層1との接着性が劣る傾向がみられるからである。なお、上記高アミノ価のポリアミド系樹脂の末端アミノ基濃度が100μ当量/gを超えると、上記ポリアミド系樹脂の分子量が小さくなるため、成形時溶融粘度面で加工性が悪くなる傾向がみられ、また、成形体の物性も悪くなる傾向がみられるため、高アミノ価のポリアミド系樹脂は、末端アミノ基濃度が45〜100μ当量/gの範囲内のものが、より好ましい。
ここで、上記高アミノ価のポリアミド系樹脂の末端アミノ基濃度は、例えば、つぎのようにして測定することができる。すなわち、活栓付三角フラスコに所定量のポリアミド系樹脂を入れ、あらかじめ調製しておいた溶媒〔フェノール/メタノール=9/1(体積比)〕40mlを加えた後、マグネットスターラーで攪拌溶解し、指示薬にチモールブルーを用いて、0.05Nの塩酸で滴定を行うことにより求めることができる。
そして、上記高アミノ価のポリアミド系樹脂としては、上述のように高アミノ価であれば、特に限定はなく、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド99(PA99)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド910(PA910)、ポリアミド912(PA912)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド6とポリアミド66との共重合体(PA6/66)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、低透過層1との接着性、耐塩化カルシウム性、柔軟性等の観点から、PA11およびPA12が好適に用いられる。
なお、上記外層2用材料には、高アミノ価のポリアミド系樹脂に加えて、可塑剤、老化防止剤、難燃剤、耐衝撃材等を必要に応じて配合しても差し支えない。また、柔軟性や耐衝撃性を改善するために、熱可塑性エラストマーを配合しても差し支えない。
上記熱可塑性エラストマーとしては、融点が160℃以下であり、室温でゴム弾性を有するエラストマー(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等)が好ましい。なかでも、耐熱性、混合の容易さ、耐低温衝突性向上の点で、ガラス転移点が−40℃以下のものが、低温でもゴム弾性を有するため好ましい。そして、上記熱可塑性エラストマーは、エポキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基、ビニル基、あるいは酸無水基、およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性エラストマーであることが、耐低温衝突性向上の点で好ましく、さらにこれらの中でも、エポキシ基あるいは酸無水物、酸、エステル等のカルボン酸に起因する官能基が、ポリアミド系樹脂との親和性が大きくなるため特に好ましい。
ここで、前記図1に示した低透過樹脂ホースは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、前記低透過層1用材料および外層2用材料を準備し、これらを、各々、溶融押出成形機を用いて、これら二層を同時に溶融押出成形することにより、目的とする二層構造の低透過樹脂ホースを得ることができる(図1参照)。なお、上記ホースにおける低透過層1と外層2とは、接着剤レスで、所望の接着力(20N/cm以上)で積層一体化がなされるようになる。
なお、本発明の低透過樹脂ホースは、図1に示したような二層構造に限定されるものではなく、例えば、上記低透過層1と外層2との間に、変性HDPEからなる海相中にEVOHからなる島相が分散されたアロイ材料、または、変性HDPEを用いて形成された結合層4を設けることもできる(図2参照)。これにより、所望の層間接着性が得られるとともに、上記低透過層1の吸水による物性低下を防ぐことができる。また、上記低透過層1の内周にも、上記低透過層1の吸水による物性低下を防ぐため、内層3を設けることができる(図2参照)。この内層3用材料としては、特に限定はないが、例えば、変性HDPEからなる海相中にEVOHからなる島相が分散されたアロイ材料、または、変性HDPEを用いて形成されたものであれば、コネクタに内層3を熱接着させることもでき、それにより、コネクタとの締結部における燃料等の漏れをより防ぐことができるようになる。
一方、上記図1に示す低透過樹脂ホースのように、その外層2が、高アミノ価のポリアミド系樹脂を用いて形成されたものでなく、低アミノ価(末端アミノ基濃度が40μ当量/g未満)のポリアミド系樹脂を用いて形成されている場合、上記ホースのように所望の層間接着性を得ることはできない。しかしながら、図3に示すように、低透過層1と、低アミノ価のポリアミド系樹脂2’との間に、変性HDPEを用いて形成された結合層4’を設けることにより、この問題が解消され、それにより、上記図1に示す低透過樹脂ホースと同様に優れた作用効果が得られるようになる。なお、このホースの内周(低透過層1の内周)にも、上記と同様の目的で、上記と同様の内層を設けることができる(図2参照)。
本発明の低透過樹脂ホースにおいて、ホース内径は2〜40mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは2.5〜36mmの範囲内であり、ホース外径は3〜44mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは4〜40mmの範囲内である。また、上記低透過層1の厚みは、0.02〜1.0mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.05〜1.0mmの範囲内である。また、上記外層2(外層2’)の厚みは、0.3〜3mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜2.0mmの範囲内である。なお、上記内層3を設ける場合、その厚みは、0.02〜1.0mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.5の範囲内である。また、上記結合層4(結合層4’)を設ける場合、その厚みは、0.02〜2.0mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.05〜1.0の範囲内である。
本発明の低透過樹脂ホースは、輸送機器(自動車,飛行機,フォークリフト,ショベルカー,クレーン等の産業用輸送車両、鉄道車両等)等に用いられる、ガソリン,アルコール混合ガソリン(ガソホール),アルコール,水素,軽油,ジメチルエーテル,ディーゼル,CNG(圧縮天然ガス),LPG(液化石油ガス)等の燃料輸送用(特に自動車燃料輸送用)ホース、もしくはエアコン・ラジエター等に用いられるフロン(フレオン),代替フロン,水,二酸化炭素等の冷媒輸送用ホース等に好適に用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔PA12(i)〕
エムス社製、グリルアミドL25ANZ、末端アミノ基当量:63μ当量/g
〔PA12(ii)〕
宇部興産社製、ウベスタ3030JLX2、末端アミノ基当量:31μ当量/g
〔EVOH〕
下記の表1に示す特性(MFR,比重,融点,エチレン共重合比率)を有するEVOH(i)および(ii)をそれぞれ準備した。
Figure 2008030386
〔変性HDPE(i)〕
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHY430、比重:0.956、融点:135℃)に、無水マレイン酸(含有量:0.4重量%)および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(含有量:0.015重量%)を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して作製した(変性率:0.4重量%、融点:135℃、最大引張強度:15MPa)。
〔変性HDPE(ii)〕
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ362N、比重:0.953、融点:132℃)に、無水マレイン酸(含有量:0.4重量%)および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(含有量:0.015重量%)を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して作製した(変性率:0.4重量%、融点:132℃、最大引張強度:14MPa)。
〔HDPE(未変性)〕
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHB111R、比重:0.95、融点:129℃)
〔アロイ材料の調製〕
下記の表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、二軸混練押出機(日本製鋼所製TEX30α)を用い、同表に示す混練温度で混練してペレット(アロイ材料a〜e)を作製した。なお、得られたアロイ材料における各成分の分散状態は、ヨウ素で染色した試料を走査電子顕微鏡(SEM)で観察することにより行った。
Figure 2008030386
つぎに、上記材料を用いて、ホースを作製した。
〔実施例1〜12、比較例1〜6〕
下記の表3および表4に示す、内層用材料,低透過層用材料,結合層用材料および外用材料を準備し、これらを充填した各押出機から、上記各材料を熱溶融押し出し(共押し出し)して1つのダイに合流させ、これをサイジングダイスに通すことにより、内層,低透過層,結合層,外層が順次形成されてなるホース(内径8mm、外径10mm)を作製した。なお、表3および表4にデータの記載がないものは、その層の形成は行っておらず、また、各層の厚みは、下記の表3および表4に示す通りである。
Figure 2008030386
Figure 2008030386
このようにして得られた実施例および比較例の低透過樹脂ホースを用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表5〜表7に併せて示した。
〔ガソリン透過性〕
等圧式ホース透過率測定装置(GTRテック社製、GTR−TUBE3−TG)を用いて、トルエン/イソオクタン/エタノールを45:45:10(体積比)の割合で混合した模擬アルコール添加ガソリンの透過係数を、40℃で一カ月間測定した(単位:mg/m/day)。なお、表に記載した値は、平衡に達したときの値である。また、上記測定方法では、0.1mg/m/dayが測定限界であるため、0.1mg/m/day未満であったものは「<0.1」と表記した。
〔層間接着性〕
各ホースを10mm幅で短冊状に切断して、サンプルを作製した。そして、各サンプルの端部から各層界面を剥離させ、各々引張試験機のチャックに挟み、引張速度50mm/分の条件で、180度剥離強度(N/cm)を測定した。なお、界面剥離させることができず材破したものは、層間接着性に優れることから、「○」と表記した。剥離強度が20N/cm以上であれば、層間接着性が良好であると考えられる。
〔ソルベントクラック〕
各ホースの端部を、QCコネクタのアッセンブリ部(直径10mm)に圧入し、その後、ホース内に、上記ガソリン透過性の評価に用いた模擬アルコール添加ガソリンを封入し、60℃環境下で500時間放置した。その後、上記アッセンブリ部からホースを取り外し、そのホース端部におけるクラックの有無を確認した。評価は、ホース端部にクラックが入っていないものを○、クラックが入っていたものを×とし、表記した。
Figure 2008030386
Figure 2008030386
Figure 2008030386
上記結果から、実施例品は、いずれもガソリン透過量が小さく、層間接着性に優れ、かつソルベントクラックも生じることはなかった。
これに対して、比較例1,5品は、低アミノ価のポリアミドからなる外層に対し層間接着性が劣っていた。比較例2,6品は、特定のアロイ材料からなる低透過層を備えたものでないことから、ガソリン透過量が大きくなった。比較例3,4品は、低透過層としてEVOH層を備えており、ソルベントクラックが発生した。
なお、実施例1,2および7の低透過樹脂ホースに関し、そのホース端部に、QCコネクタのアッセンブリ部(直径10mm)に圧入し、その後、アッセンブリした個所の外周に対し、200℃に加熱したU字治具を均一に当てて、樹脂ホースとQCコネクタとを溶着した。上記QCコネクタは、先のPA12(i)にガラス繊維(GF)を30重量%の割合で混合したものを、その形成材料とするものである。そして、上記溶着部のガソリン透過性を、等圧式ホース透過率測定装置(GTRテック社製、GTR−TUBE3−TG)により測定したところ、実施例1,2および7の低透過樹脂ホースでは、0.1mg/dayであった。これは、実施例2および7の低透過樹脂ホースを溶着しなかったときの測定値(1mg/day)よりも遥かに少ない値であった。
本発明の低透過樹脂ホースは、ガソリン燃料ホース等の自動車燃料輸送用ホース、自動車等の車両におけるエアコン用冷媒輸送ホース、エンジンとラジエーターとの接続に用いられるラジエーターホース、エンジンとヒーターコアとの接続に用いられるヒーターホース等のエンジン冷却系ホース、メタノール燃料ホース,水素燃料ホース等の燃料電池車用ホースとして好適に用いることができる。
本発明の低透過樹脂ホースの一例を示す構成図である。 本発明の低透過樹脂ホースの他の例を示す構成図である。 本発明の低透過樹脂ホースの他の例を示す構成図である。
符号の説明
1 低透過層
2 外層

Claims (7)

  1. 管状の低透過層の外周に外層が形成されてなる低透過樹脂ホースであって、上記低透過層が下記の(A)を用いて形成されているとともに、上記外層が下記の(B)を用いて形成されていることを特徴とする低透過樹脂ホース。
    (A)エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料。
    (B)高アミノ価のポリアミド系樹脂。
  2. 上記低透過層の内周に、変性高密度ポリエチレン樹脂からなる海相(マトリクス)中にエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料、または、変性高密度ポリエチレン樹脂を用いて形成された内層が設けられて構成されている請求項1記載の低透過樹脂ホース。
  3. 上記低透過層と外層との間に、変性高密度ポリエチレン樹脂からなる海相(マトリクス)中にエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料、または、変性高密度ポリエチレン樹脂を用いて形成された結合層が設けられて構成されている請求項1または2記載の低透過樹脂ホース。
  4. 上記(B)の高アミノ価のポリアミド系樹脂が、末端アミノ基濃度が40μ当量/g以上のものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の低透過樹脂ホース。
  5. 管状の低透過層の外周に結合層が形成され、この結合層の外周に外層が形成されてなる低透過樹脂ホースであって、上記低透過層が下記の(A)を用いて形成され、上記結合層が下記の(C)を用いて形成されているとともに、上記外層が下記の(D)を用いて形成されていることを特徴とする低透過樹脂ホース。
    (A)エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる海相(マトリクス)中に変性高密度ポリエチレン樹脂からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料。
    (C)変性高密度ポリエチレン樹脂。
    (D)低アミノ価のポリアミド系樹脂。
  6. 上記低透過層の内周に、変性高密度ポリエチレン樹脂からなる海相(マトリクス)中にエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる島相(ドメイン)が分散されたアロイ材料、または、変性高密度ポリエチレン樹脂を用いて形成された内層が設けられて構成されている請求項5記載の低透過樹脂ホース。
  7. 自動車燃料輸送用ホースまたは冷媒輸送用ホースである請求項1〜6のいずれか一項に記載の低透過樹脂ホース。
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