JP2008029998A - 面状流体の反応方法および反応装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れ、構造が単純で、熱交換性を犠牲にせず、ナノ粒子の合成の際にも閉塞を伴わない面状流体の反応方法を提供する。
【解決手段】少なくとも2つ以上の流体の流入口1、3から異なる物質を含有する流体を供給する工程、該流体を仕切り板5を通過させて、それぞれの層の厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする工程、該面状流体を仕切り板の終端位置7で合流させて異なる物質を反応させる工程を有する面状流体の反応方法。前記面状流体の対向する側面または周囲に該反応とは無関係な溶媒を流すのが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも2つ以上の流体の流入口1、3から異なる物質を含有する流体を供給する工程、該流体を仕切り板5を通過させて、それぞれの層の厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする工程、該面状流体を仕切り板の終端位置7で合流させて異なる物質を反応させる工程を有する面状流体の反応方法。前記面状流体の対向する側面または周囲に該反応とは無関係な溶媒を流すのが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、面状流体の反応方法および反応装置に関し、特にマイクロ空間反応場を利用した反応方法および反応装置に関するものである。
近年、マイクロ化学プラントという言葉が知れれるようになった。これはマイクロ空間反応場を利用して、混合および反応、乳化、分離、抽出、熱交換(加熱もしくは冷却)とうのプロセスを効率よく行おうとするものである。本発明は、そのマイクロ空間反応場を利用した反応装置、マイクロリアクタに関するものである。
マイクロリアクタの特徴は、例えば単純な微小流路どうしの合流であっても分子の拡散距離が短くてすむために、反応時間が非常に短く、熱容量も小さいので熱交換も容易である。その結果プロダクトの収率面や、反応場の均一性といった面からも、多くのアドバンテッジを保有している。しかしながら従来のマイクロリアクタは、流路が細いために生産性を犠牲にせざるを得なかった。このようなマイクロリアクタには、例えば特許文献1や、マイクロ化学技研株式会社のマイクロリアクタが例として挙げられる。
一方、マイクロ化学プラントとして位置付けられるマイクロリアクタとして、ドイツのIMM社(http://www.imm−mainz.de/v0/vvseitene/vvleistung/misch.html)などで知られている、櫛歯状の流路で二液界面の数を増やし、生産性の向上が図られたものが挙げられる。この方法はより小さな立方体の形状で、単位時間当りの収量の向上を図っているかに見られるが、構造が複雑で、双方からの反応液が櫛歯状に立体的に折り重なるために熱交換性をその分犠牲にしている。また、反応が例えばナノ粒子の合成であったりする場合、より蜜な体積の中で粒子合成が進行するために、反応装置の出口で閉塞が起こることが多く、その問題はしばしば学会等で取り上げられている(非特許文献1)。
特公昭63−034236号公報
「平成16年度マイクロ・ナノ融合加工技術研究会」、平成16年10月1日
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、生産性に優れ、構造が単純で、熱交換性を犠牲にせず、ナノ粒子の合成の際にも閉塞を伴わない面状流体の反応方法および反応装置を提供するものである。
上記課題を解決するための面状流体の反応方法は、少なくとも2つ以上の流体の流入口から異なる物質を含有する流体を供給する工程、該流体をそれぞれの層の厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする工程、該面状流体を合流させて異なる物質を反応させる工程を有することを特徴とする。
上記課題を解決するための面状流体の反応装置は、異なる物質を含有する流体を供給する少なくとも2つ以上の流体の流入口と、該流体をそれぞれの厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする手段と、該面状流体を合流させて異なる物質を反応させる手段と、反応生成物を流出する少なくとも一つ以上の流出口を有することを特徴とする。
前記面状流体の対向する側面または周囲に該反応とは無関係な溶媒を流すのが好ましい。
本発明は、生産性に優れ、構造が単純で、熱交換性を犠牲にせず、ナノ粒子の合成の際にも閉塞を伴わない面状流体の反応方法および反応装置を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反応装置は、異なる物質を含有する流体を供給する少なくとも2つ以上の流体の流入口と、該流体をそれぞれの厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする手段と、該面状流体を合流させて異なる物質を反応させる手段と、反応生成物を流出する少なくとも一つ以上の流出口を有することを特徴とする。
本発明の反応装置は、異なる物質を含有する流体を供給する少なくとも2つ以上の流体の流入口と、該流体をそれぞれの厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする手段と、該面状流体を合流させて異なる物質を反応させる手段と、反応生成物を流出する少なくとも一つ以上の流出口を有することを特徴とする。
本発明の反応装置は、流体をそれぞれの厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする手段を有するが、例えば少なくとも面内にへこみが1mm以下の凹凸形状を含む2枚の板の間に、任意の形状の厚さが1mm以下の板を、サンドイッチ状に挟み込んで張り合わせた構造が挙げられる。張り合わせ方は、ボルト固定、接着、溶融、いずれの形態も可能である。また、へこみが1mm以下の凹凸形状を含む板の代わりに、一枚の板と任意形状の厚さが1mm以下の板を、凹凸形状の代わりに追加してもよい。以上は流体の2つの流入口と、一つの流出口をもつ場合の説明で、同様に任意形状の1mm以下の板を追加していくことによって、それ以上の流入口と流出口をもった反応装置にも対応することが出来る。
なお、本発明における面状流体とは、フィルム状の薄い流体を表す。
図1は本発明の反応装置の一実施態様を示す概略図である。図1において、凹凸形状がない板31と板32の間に、任意形状の板4が設けられた例である。板4と組み合わせることで板31と板32に凹凸形状を形成させ、そこに流入口1と流入口2から反応に必要な流体を供給する。流体は任意形状の仕切り板5を設けることによって、面状流体へと変形するまでは混合されることはない。面状流体へと変形した後、仕切り板5の終端位置7へと到達した流体はお互い混合され、ある場合は、反応を起こしながら流出口へと向かう。流出口は図1には特に示されていない。流出口(および流入口)の形状は、図1の流入口1から3のように、パイプ状である必要はない。その理由は、このような反応装置を多段階に接続する場合には、面状流体であるほうが都合よいためである。図1の流出口は面状流体の形状そのままである。
図1は本発明の反応装置の一実施態様を示す概略図である。図1において、凹凸形状がない板31と板32の間に、任意形状の板4が設けられた例である。板4と組み合わせることで板31と板32に凹凸形状を形成させ、そこに流入口1と流入口2から反応に必要な流体を供給する。流体は任意形状の仕切り板5を設けることによって、面状流体へと変形するまでは混合されることはない。面状流体へと変形した後、仕切り板5の終端位置7へと到達した流体はお互い混合され、ある場合は、反応を起こしながら流出口へと向かう。流出口は図1には特に示されていない。流出口(および流入口)の形状は、図1の流入口1から3のように、パイプ状である必要はない。その理由は、このような反応装置を多段階に接続する場合には、面状流体であるほうが都合よいためである。図1の流出口は面状流体の形状そのままである。
本発明の反応装置の構造は、装置の壁面への反応生成物の粒子等の固形物の付着防止の観点から都合よい。それは反応自体が面状流体と面状流体の界面で開始されるために、流速がゼロに近く、粒子等の固形物の付着がおきやすい部分は両側の壁面のわずか高さ1mm以下の部分だけだからである。従って本来であれば無視しても構わないが、図1では流入口3から反応には寄与しない流体、例えば純水等の溶媒を流し、この溶媒はガイド6に導かれて、いわゆるシース構造を保持したまま流出口へと導かれる。面状流体の上下側面、左右側面または上下左右側面に、反応とは無関係な溶媒流体を流す。これにより、第一に粒子等の固形物の付着防止に役立つことと、第二に本来であれば2次曲線を描くであろう流速分布を、どの位置でもほぼ一様にすることが出来るため、反応の均一性に好都合である。
以上二つの流体を混合する場合について述べた。3つ以上の流体を混合する場合、単に任意形状の板4と仕切り板5の組を上下方向に追加してゆけばよいだけである。その際流入口が直接他の組とつながらないよう、スルーホールを形成すればよい。
尚、装置の材質は、反応に関わる物質が酸、アルカリである場合にはテフロン(登録商標)系統の樹脂、ポリプロピレンなどが使用でき、有機溶媒などの場合はステンレス系統、熱交換性を重視するのであれば銅やアルミ、また表面にテフロン(登録商標)コーティング等の処理を施しても良い。
面状流体の反応は、例えば顔料の析出の反応が挙げられる。
以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
図2に示すように、片面の表面粗さが約0.01mmの120×120×8mmのアルミ材2枚を、それぞれ反応装置の上板8と下板10とし、NC加工機で、中央の領域を50μm堀さげ、その両側に2次曲線で囲まれる領域を100μm掘下げる。上板8には1箇所、反応液Aを送り込む流入口11を、図3に示す形状に加工する。加工された穴には、UPCHURCH社のフィティング16とフェラル17とPEEK材のチューブ15を取り付けることが出来る。下板10には同様に反応液Bを送り込む流入口12と、A液B液が反応して生成した生成物を含んだ液を回収するための流出口13があり、同様に図3に示す形状に加工する。以上の上板と下板に挟まれるように、厚さ100μmのステンレス板SUS303を、レーザー加工機で加工し、中板9とする。中板9を挟んで、上板8と下板10の掘下げた面をお互い内側にして、3枚の板を張り合わせ、周囲に形成されたネジ穴14で3枚の板を張り合わせ反応装置を得る。
実施例1
図2に示すように、片面の表面粗さが約0.01mmの120×120×8mmのアルミ材2枚を、それぞれ反応装置の上板8と下板10とし、NC加工機で、中央の領域を50μm堀さげ、その両側に2次曲線で囲まれる領域を100μm掘下げる。上板8には1箇所、反応液Aを送り込む流入口11を、図3に示す形状に加工する。加工された穴には、UPCHURCH社のフィティング16とフェラル17とPEEK材のチューブ15を取り付けることが出来る。下板10には同様に反応液Bを送り込む流入口12と、A液B液が反応して生成した生成物を含んだ液を回収するための流出口13があり、同様に図3に示す形状に加工する。以上の上板と下板に挟まれるように、厚さ100μmのステンレス板SUS303を、レーザー加工機で加工し、中板9とする。中板9を挟んで、上板8と下板10の掘下げた面をお互い内側にして、3枚の板を張り合わせ、周囲に形成されたネジ穴14で3枚の板を張り合わせ反応装置を得る。
実施例2
120×180mm、厚さ2mmのガラス板2枚に、超音波加工装置で1.6mmの穴を、図4に示すように各6箇所あける。同サイズで厚さ100μmのガラス3枚のうち、2枚には中板18の形状、すなわち面状流体形状を示すパターンをレーザー加工機で図4のように加工する。残りの1枚には仕切り板20、すなわちシース液と流体混合部を表す形状のパターンを同じくレーザー加工機で加工する。以上のガラスを硫酸−過酸化水素洗浄槽で洗浄し、図4に示すように5枚の板を顕微鏡で確認しながらアライメントする。次に上下の板に380℃、800Vの電圧を印加しながら、陽極接合装置で接合して反応装置を得る。
120×180mm、厚さ2mmのガラス板2枚に、超音波加工装置で1.6mmの穴を、図4に示すように各6箇所あける。同サイズで厚さ100μmのガラス3枚のうち、2枚には中板18の形状、すなわち面状流体形状を示すパターンをレーザー加工機で図4のように加工する。残りの1枚には仕切り板20、すなわちシース液と流体混合部を表す形状のパターンを同じくレーザー加工機で加工する。以上のガラスを硫酸−過酸化水素洗浄槽で洗浄し、図4に示すように5枚の板を顕微鏡で確認しながらアライメントする。次に上下の板に380℃、800Vの電圧を印加しながら、陽極接合装置で接合して反応装置を得る。
本発明の反応装置は、生産性に優れ、構造が単純で、熱交換性を犠牲にせず、ナノ粒子の合成の際にも、閉塞を伴わないので、一般的な微粒子生成反応、その他の化学反応全般にわたって利用することができる。
1、2、3 流入口
4 任意形状の板
5 仕切り板
6 ガイド
7 仕切り板の終端位置
8 上板
9 中板
10 下板
11 A液を送り込む流入口
12 B液を送り込む流入口
13 流出口
14 ネジ穴
15 チューブ
16 フィッティング
17 フェラル
18 中板
19 上板(または下板)
20 仕切り板
21 A液を送り込む流入口
22 流出口
23 シース液流入口
24 B液を送り込む流入口
25 シース液流出口
31 板
32 板
4 任意形状の板
5 仕切り板
6 ガイド
7 仕切り板の終端位置
8 上板
9 中板
10 下板
11 A液を送り込む流入口
12 B液を送り込む流入口
13 流出口
14 ネジ穴
15 チューブ
16 フィッティング
17 フェラル
18 中板
19 上板(または下板)
20 仕切り板
21 A液を送り込む流入口
22 流出口
23 シース液流入口
24 B液を送り込む流入口
25 シース液流出口
31 板
32 板
Claims (4)
- 少なくとも2つ以上の流体の流入口から異なる物質を含有する流体を供給する工程、該流体をそれぞれの層の厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする工程、該面状流体を合流させて異なる物質を反応させる工程を有することを特徴とする面状流体の反応方法。
- 前記面状流体の対向する側面または周囲に該反応とは無関係な溶媒を流すことを特徴とする請求項1に記載の面状流体の反応方法。
- 異なる物質を含有する流体を供給する少なくとも2つ以上の流体の流入口と、該流体をそれぞれの厚みが1mm以下の2つ以上の面状流体とする手段と、該面状流体を合流させて異なる物質を反応させる手段と、反応生成物を流出する少なくとも一つ以上の流出口を有することを特徴とする面状流体の反応装置。
- 前記面状流体の対向する側面または周囲に該反応とは無関係な溶媒を流す手段を有することを特徴とする請求項3に記載の面状流体の反応装置。
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---|---|---|---|
JP2006208899A JP2008029998A (ja) | 2006-07-31 | 2006-07-31 | 面状流体の反応方法および反応装置 |
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