JP2008029914A - 排ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】担体基材のセルの隔壁のコーナー部を被覆する触媒層の厚塗りを抑制し、良好な触媒性能を発揮できる排ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供。
【解決手段】排ガス浄化用触媒は、断面多角形で所定の方向に延びる多数のセル通路10を区画する隔壁11を有する多孔質体からなる担体基材1と、隔壁11を被覆する触媒層2とをもつ。断面四角形のセル通路10を区画している隔壁11は、角12を含むコーナー部13と、隣接するコーナー部13との間に位置する中央部14とからなる。コーナー部13の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)は、中央部14の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vp)よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の内燃機関の排気系に搭載される排ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
自動車の内燃機関の排気系には、排ガス浄化用触媒が搭載されている。排ガス浄化用触媒は、断面多角形の複数のセル通路を持つハニカム形状の担体基材と、セル通路を区画している隔壁を被覆する触媒層とを有する。担体基材に触媒層を形成するにあたっては、アルミナなどの担体成分に触媒金属を担持させ、これをウォッシュコート液とする。次に、ウォッシュコート液に担体基材を浸漬し、余分な液を吸引除去し、乾燥・焼成する。これにより、担体基材の隔壁が触媒層により被覆される。
ウォッシュコート液に担体基材を浸漬すると、ウォッシュコート液の表面張力により、隔壁のコーナー部が液溜まり部になり、コーナー部に、中央部に比べて多量のウォッシュコート液が付着する。このため、コーナー部を被覆する触媒層の厚みが、中央部を被覆する触媒層の厚みよりも大きくなる。それゆえ、コーナー部の触媒層の深部まで排ガス、酸素などのガスが拡散し難くなり、コーナー部の深部の触媒金属が浄化性能を有効に発揮できない。
そこで、従来、特許文献1に示すように、アルミナなどの担体層を、ハニカム担体基材の隔壁に接して断面がセル通路の略内接円を構成するように形成し、次に、担体層の表面部に断面略円形の触媒金属層を担持させることが開示されている。
また、特許文献2には、γアルミナなどを主成分とする所定粒径のウォッシュコート粒を含む担体層を担体基材に形成し、担体層に貴金属触媒を担持させることが開示されている。
また、特許文献3には、長尺状のステンレス鋼の薄板に1/2六角形を連続して形成し、これを駆動歯車群で搬送しながら担体成分被覆及び金属触媒付着を行うことが開示されている。
特開2004−314057号公報 特開2002−346389号公報 特開2004−25014号公報
ところで、担体基材の中でも、ハニカム形状の多孔質体からなる担体基材は、現在広く利用されている。この担体基材についても触媒層形成用のウォッシュコート液に漬浸すると、その表面張力により、隔壁のコーナー部を被覆する触媒層が厚塗りとなる。このため、コーナー部を被覆する触媒層の深部までのガス拡散距離が長くなり、深部の触媒金属の浄化性能を有効に発揮できないという問題がある。
そこで、本発明は、ハニカム形状の多孔質体からなる担体基材を用いた排ガス浄化用触媒であって、担体基材のセル通路の隔壁のコーナー部を被覆する触媒層の厚塗りを抑制し、良好な触媒性能を発揮できる排ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒は、断面多角形で所定の方向に延びる複数のセル通路を区画する隔壁を有する多孔質体からなる担体基材と、隔壁を被覆する触媒層とを有する排ガス浄化用触媒であって、断面多角形のセル通路を区画している隔壁は、セル通路の断面の各辺の両端に位置する角を含むコーナー部と、隣接する該コーナー部との間に位置する中央部とからなり、コーナー部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)は、中央部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vp)よりも小さいことを特徴とする。
本発明は、多角形のセル通路を区画している隔壁のコーナー部と、隣接するコーナー部の間に位置する中央部とで、担体基材の細孔特性を変化させることにより、コーナー部及び中央部に形成される触媒層の厚みが変化することに着目したものである。
担体基材は、多孔質体からなり、粒子間に多数の細孔をもつ。細孔の中でも直径2μm以下の微細孔が多くなるにつれて、担体基材を構成する隔壁に触媒層が厚く堆積する傾向にある。そこで、担体基材の断面多角形のセル通路を区画している隔壁のコーナー部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)を、隔壁の中央部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vp)よりも小さくしている。微細孔の細孔容積が小さいコーナー部には、細孔容積を小さくしていない場合よりも薄く触媒層が形成される。このため、コーナー部を被覆する触媒層の深部までのガス拡散距離が短くなり、深部の触媒の浄化性能を有効に発揮できる。
前記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、断面多角形で所定の方向に延びる複数のセル通路を区画し、セル通路の断面の各辺の両端に位置する角を含むコーナー部と隣接するコーナー部の間に位置する中央部とからなる隔壁を有するセラミック製の未焼成のハニカム成形体を成形する成形工程と、隔壁のコーナー部に焼結促進剤を含浸させる含浸工程と、ハニカム成形体を焼成して多孔質体からなる担体基材を得る焼成工程と、隔壁を触媒層により被覆する触媒工程とを有することを特徴とする。
隔壁のコーナー部に含浸させた焼結促進剤は、ハニカム成形体の焼結速度を速める。焼結が進行すると、焼結粒子の粒度が大きくなり、粒子間に形成される細孔も大きくなる。これにより、隔壁のコーナー部の微細孔の細孔容積が減少する。一方、隔壁の中央部には焼結促進剤を含浸されないため、コーナー部よりも焼結速度が遅い。このため、粒度が小さく、粒子間に形成される微細孔も小さいものが多くなる。それゆえ、コーナー部の微細孔の細孔容積は、中央部の微細孔の細孔容積よりも相対的に小さくなる。微細孔の細孔容積の小さいコーナー部には薄く触媒層が堆積する。したがって、コーナー部を被覆する触媒層の深部までのガス拡散距離が短く、深部の触媒の浄化性能を有効に発揮できる排ガス浄化用触媒を製造できる。
本発明によれば、担体基材の隔壁のコーナー部を被覆する触媒層の厚塗りを抑制し、良好な触媒性能を発揮できる排ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供できる。
本発明の排ガス浄化用触媒に用いる担体基材は、断面多角形で所定の方向に延びる複数のセル通路を区画する隔壁を有する多孔質体からなる。
隔壁の中央部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vp)と、隔壁のコーナー部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)との比率(Vp/Vc)は、1.2以上であることが好ましい。前記比率(Vp/Vc)が1.2未満の場合には、コーナー部を被覆する触媒層が厚くなり、触媒層の深部までのガス拡散距離が長くなり、深部の触媒の浄化性能が低下するおそれがある。好ましくは、前記比率(Vp/Vc)は、1.6以上である。これにより、コーナー部を被覆する触媒層の浄化性能を有効に発揮させることができる。前記比率(Vp/Vc)の上限は、10であることが好ましい。10を越える場合には、コーナー部を被覆する触媒層が薄くなりすぎ、コーナー部の触媒の浄化性能が低下するおそれがある。
ここで、「隔壁のコーナー部」とは、隔壁が交差する角を含むコーナー部をいう。隔壁のコーナー部は、セル通路の断面の各辺の両端に形成されている。コーナー部は、微細孔の細孔容積を制御していないときに触媒層が、中央部を被覆する触媒層よりも厚く被覆する部位である。
「隔壁の中央部」とは、隔壁から構成されコーナー部の間に位置する部分をいう。隔壁の中央部には、触媒層が平坦に被覆している。
「微細孔の細孔容積」とは、担体基材の単位重量あたりに占める直径2μm以下の微細孔の容量をいう。「所定の方向」とは、担体基材が円柱状や角柱状などの柱状体であれば、担体基材の長手方向に相当し、通常、排ガスが流れる流路方向となる。
ここで、隔壁のコーナー部の微細孔の細孔容積(Vc)は、0.001〜0.11cc/gであることが好ましい。0.001cc/g未満の場合には、隔壁のコーナー部を被覆する触媒層の厚みが薄すぎて、排ガス浄化性能が低下するおそれがある。0.11cc/gを超える場合には、コーナー部を被覆する触媒層の厚みが大きくなり、触媒層の深部までのガス拡散距離が長くなり、深部の触媒の浄化性能を有効に発揮できないおそれがある。
隔壁の中央部の微細孔の細孔容積(Vp)は、0.001〜0.14cc/gであって、コーナー部の微細孔の細孔容積(Vc)よりも大きいことが好ましい。0.14cc/gを超える場合には、中央部を被覆する触媒層の厚みが過度に多すぎて、触媒層の深部までのガス拡散距離が長くなり、深部の触媒の浄化性能を有効に発揮できないおそれがある。
隔壁の中央部を被覆する触媒層の厚み(Dp)と隔壁のコーナー部を被覆する触媒層の厚み(Dc)との比率(Dp/Dc)は、0.20以上であることが好ましい。これにより、コーナー部の触媒層の厚み(Dc)が薄くなり、触媒層の深部までのガス拡散距離が短くなり、深部の触媒の浄化性能を有効に発揮できる。「隔壁のコーナー部を被覆する触媒層の厚み(Dc)」とは、隔壁が交差する角を被覆する触媒層の最深部から最表層までの距離をいう。「中央部を被覆する触媒層の厚み(Dp)」とは、隔壁の中央部を被覆する触媒層の平均厚みをいう。
更に好ましくは、前記比率(Dp/Dc)は0.41〜0.83であり、望ましくは0.52〜0.83である。これにより、コーナー部を被覆する触媒層の浄化性能が更に向上する。
コーナー部を被覆する触媒層の厚み(Dc)及び中央部を被覆する触媒層の厚み(Dp)は、ともに15〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜70μmである。Dp及びDcが小さすぎる場合には、触媒層の厚みが薄くなり、触媒の浄化性能が低下するおそれがある。Dp及びDcが大きすぎる場合には、触媒層の深部に存在する触媒の浄化性能を有効に発揮できないおそれがある。
担体基材は、複数のセル通路を有するハニカム状の多孔質体である。各セルの大きさや数に特に限定はなく、要求される性能に応じて適宜選択すればよい。たとえば、自動車用の排ガス浄化用触媒として用いるのであれば、セル密度は400〜900セル/inchの範囲が好ましく、隔壁の厚さは50〜220μmが好ましい。セル通路の断面形状は、多角形であり、一般には正方形、長方形などの四角形である。なお、セル通路の断面形状とは、所定方向に延びるセル通路を、所定方向に対して垂直な方向に切断したときの断面をいう。
担体基材の断面形状は、円、楕円、多角形など、いずれの形状でもよい。
担体基材の隔壁の材質はたとえばセラミック製であって、具体的には、ムライト、炭化珪素、コージェライト、窒化珪素、アルミナ、ジルコニアなどの酸化物を例示できる。
触媒層は、排ガスに含まれるNOx、CO、HC、HSなどの各排ガス成分を浄化できればよく、触媒金属と、触媒金属を担持した多孔質酸化物とから構成される。多孔質酸化物としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリアなどの単種あるいは混合物、あるいはこれらから選ばれる複数種の複合酸化物などを用いることができる。また触媒金属としては、Pt(プラチナ)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)などの貴金属、遷移金属を用いることができる。また、触媒金属として、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx吸蔵材などを用いることもできる。
排ガス浄化用触媒を製造するにあたっては、未焼成のハニカム成形体の隔壁のコーナー部に焼結促進剤を含浸させている。ここで用いる焼結促進剤としては、ハニカム成形体の焼結を促進させ得るものであれば特に限定されないが、ハニカム成形体がコージェライトの場合には、たとえば、タルク、アルミナ、シリカ及びこれらの混合物、酸化鉄、酸化チタンなどを用いることができる。
隔壁のコーナー部に焼結促進剤を含浸させるにあたっては、例えば、焼結促進剤を液状とし、これを注射器にてコーナー部に注入する。
担体基材の隔壁を触媒層により被覆するにあたっては、例えば、ウォッシュコート法、ディップコート法など、公知の方法を行うことができる。
以下に、本発明の排ガス浄化用触媒の実施例を、比較例とともに、図1、図2を参照しつつ説明する。
(実施例1〜4)
本例の排ガス浄化用触媒は、図1、図2に示すように、断面正方形で所定の方向に延びる多数のセル通路10を区画する隔壁11を有するセラミック製多孔質焼結体からなる担体基材1と、隔壁11を被覆する触媒層2とをもつ。断面四角形のセル通路10を区画している隔壁11は、角12を含むコーナー部13と、隣接するコーナー部13との間に位置する中央部14とからなる。コーナー部13の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)は、中央部14の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vp)よりも小さい。
以下、排ガス浄化用触媒を製造する方法について説明する。
まず、公知の方法でコージェライト原料を金型から押出し、乾燥させて、未焼成のハニカム成形体を得た。
次に、酸化チタンを含む焼結促進剤を水、アルコールなどに混濁させる。この混濁液を注射器にてハニカム成形体の開口端面から隔壁のコーナー部に注入した。このとき、隔壁により構成されるセルの各辺の長さ(La)のうち、各辺の両端のコーナー部の長さ(Lc)分だけ、焼結促進剤を含む混濁液を注入し、長さ(Lp)の中央部には注入しないようにした。混濁液の濃度を調整して、コーナー部の微細孔の細孔容積(Vc)を変えた。焼結促進剤の濃度が28重量%の場合には細孔容積が0.1cc/g、28.5重量%の場合には細孔容積が0.075cc/g、29重量%の場合には細孔容積が0.05cc/g、32重量%の場合には細孔容積が0.02cc/gとなるので、これを目安として、下記の表1に示す実施例1〜実施例5の細孔容積(Vc)をもつコーナー部を得た。一方、実施例1〜実施例5のいずれも、隔壁の中央部には焼結促進剤は注入しなかった。その後、ハニカム成形体を最高温度1400℃で4時間の焼成を行った。これにより、表1に示すように、隔壁のコーナー部の微細孔の細孔容積(Vc)が異なる5つの担体基材を得た。微細孔の細孔容積(Vc)が0.018cc/g,0.041cc/g,0.075cc/g,0.096cc/g、0.106cc/gの順に実施例1〜5とした。実施例1〜5のいずれも中央部の微細孔の細孔容積(Vp)は0.118cc/gと一定である。また、担体基材は、直径35mm、長さ50mm、セル密度0.93セル/mm(600セル/inch)、セル通路の隔壁厚み90μm、セル通路の断面は正方形である。セル通路の断面の一辺の長さ(La)は、1.04mmである。
次に、CeO系複合酸化物150重量部とZrO系複合酸化物80重量部とからなる多孔質酸化物を、Pt(NO(NH及びRh(NOを含む触媒金属混合溶液の中に浸漬して、触媒金属を多孔質酸化物に担持させた。次に、触媒金属を担持した多孔質酸化物を、アルミナバインダーからなるスラリーに加えた。アルミナバインダーは、アルミナ4重量部、アルミナゾル200重量部、及び酢酸6重量部からなる。次に、このスラリーに前記4つの担体基材を漬浸するウォッシュコート法を行った。その後、エアーにて余分なスラリーを吹き払い、乾燥(120℃×6時間)、焼成(400℃×3時間)を行った。これにより、担体基材の隔壁に、触媒金属と触媒金属を担持した多孔質酸化物とからなる触媒層が形成された。担体基材1リットル当たりの、触媒金属と多孔質酸化物とを合わせた担持量が270gであった。触媒金属であるPtとRhの担持重量は、Pt/Rh=1g/0.2gであった。以上により排ガス浄化用触媒を得た。
(比較例1)
ハニカム成形体の隔壁のコーナー部に焼結促進剤を含浸させることなく、排ガス浄化用触媒を製造した。その他は、前記実施例と同様に排ガス浄化用触媒を製造した。得られた排ガス浄化用触媒は、隔壁のコーナー部と中央部とで微細孔の細孔容積(Vc、Vp)に差異がないものであった。
Figure 2008029914
(試験・評価)
実施例1〜5及び比較例1に係る触媒を、入りガス温度950℃、空燃比(A/F)を15と14の間で1Hzにて振動させながら、50時間処理する耐久試験を行った。
耐久試験後の各触媒に排ガスを流通させた。その際に、入りガスの空燃比(A/F)を振幅量2で振動させながら振幅中心を13から15に上昇させるとともに、出ガスの空燃比の振幅量を測定した。出ガスの振幅量/入りガスの空燃比の振幅量(ΔA/F)を算出して、酸素吸蔵能(OSC)として評価した。
また、耐久試験後の触媒に、モデルガスを流通させた。触媒の昇温速度は25℃/minとした。そして触媒の昇温に伴うHCの浄化率を連続的に測定し、HCの浄化率が50%に到達したときの入りガスの温度を記録した。
また、隔壁のコーナー部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)を測定するにあたっては、図1に示すように、隔壁11が直角に交差する角12を含む長さ(Lc)0.05mmのコーナー部13を採取した。中央部14については、コーナー部13を採取した残差とした。直径2μm以下の微細孔の細孔容積は、水銀圧入式ポロシメータにて測定した。
また、コーナー部13を被覆する触媒層の厚み(Dc)は、図1に示すように、隔壁11が直角に交差する角12を被覆する触媒層2の最深部20から最表層21までの距離をいう。中央部14を被覆する触媒層の厚み(Dp)は、図1に示すように、隔壁11の中央部14を被覆する触媒層2の平均厚みをいう。Dc、Dpは、いずれもデジタルマイクロスコープにて測定した。
測定の結果、実施例1〜5のコーナー部の触媒層の厚み(Dc)は41〜91μm、中央部の触媒層の厚み(Dp)は18〜34μmであった。比較例1のDcは105μm、Dpは12μmであった。このことから、VcをVpよりも小さくした実施例1〜5の排ガス浄化用触媒は、VcとVpが同じ比較例1にくらべて、コーナー部を被覆する触媒層の厚み(Dc)が薄かった。実施例1〜5では、中央部を被覆する触媒層の厚み(Dp)とコーナー部を被覆する触媒層の厚み(Dc)との比率(Dp/Dc)は、0.20〜0.83であった。また、実施例1〜5は、比較例1に比べて、入りガスの空燃比の振幅量に対する出ガスの空燃比の振幅量の比率(ΔA/F)が小さく、十分に酸素が吸着されていた。このΔA/Fは、Vp/Vcの比率が大きくなるほど、小さくなった。また、HCを50%浄化できる温度については、実施例5は比較例1と同じであったが、実施例1〜4は比較例1に比べて低かった。この浄化温度は、Vp/Vcが大きくなるほど低くなった。特に、Vp/Vcが1.2以上の場合には、Dp/Dcが0.41以上と大きく、ΔA/Fが低く、HC−50%浄化温度も低かった。
実施例1〜5の排ガス浄化用触媒の隔壁の断面図。 実施例1〜5の排ガス浄化用触媒の斜視図。
符号の説明
図中、1は担体基材、10はセル通路、11は隔壁、12は角、13はコーナー部、14は中央部、2は触媒層を示す。

Claims (6)

  1. 断面多角形で所定の方向に延びる複数のセル通路を区画する隔壁を有する多孔質体からなる担体基材と、前記隔壁を被覆する触媒層とを有する排ガス浄化用触媒であって、
    前記断面多角形の前記セル通路を区画している前記隔壁は、前記セル通路の断面の各辺の両端に位置する角を含むコーナー部と、隣接する該コーナー部との間に位置する中央部とからなり、
    前記コーナー部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)は、前記中央部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vp)よりも小さいことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記中央部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vp)と、前記コーナー部の直径2μm以下の微細孔の細孔容積(Vc)との比率(Vp/Vc)は、1.2以上であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記コーナー部の前記微細孔の細孔容積(Vc)は、0.001〜0.11cc/gであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記中央部の前記微細孔の細孔容積(Vp)は、0.001〜0.14cc/gであって、前記コーナー部の前記微細孔の細孔容積(Vc)よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記中央部を被覆する前記触媒層の厚み(Dp)と前記コーナー部を被覆する前記触媒層の厚み(Dc)との比率(Dp/Dc)は、0.20以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 断面多角形で所定の方向に延びる複数のセル通路を区画し、前記セル通路の断面の各辺の両端に位置する角を含むコーナー部と隣接する該コーナー部の間に位置する中央部とからなる隔壁を有するセラミック製の未焼成のハニカム成形体を成形する成形工程と、
    前記隔壁の前記コーナー部に焼結促進剤を含浸させる含浸工程と、
    該ハニカム成形体を焼成して多孔質体からなる担体基材を得る焼成工程と、
    前記隔壁を触媒層により被覆する触媒工程と、
    を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
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