JP3876731B2 - 触媒担体構造体と排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流通式の触媒担体構造体と排気ガス浄化用触媒に関し、とりわけ、自動車用エンジン等の内燃機関から排出される排気ガスを、低い圧力損失で効率よく浄化するための触媒担体構造体と排気ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エンジン等の内燃機関から排出される排気ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX)等が含まれ、これらの有害物質は、一般に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属を触媒成分とする排気ガス浄化用触媒によって浄化される。
こうした排気ガス浄化用触媒は、通常、多数のセルを備えたコージェライト製等のハニカム基材に、γ-アルミナ等の触媒担体をコートし、さらに上記の触媒成分、及び場合によりNOx吸蔵材等の助触媒成分を担持して構成される。
【0003】
しかるに、環境保護のため、こうした排気ガス浄化用触媒の浄化性能に対して各種の改良が重ねられている。この改良の方策の1つとして、ハニカム基材のセル密度を増加させて、セル壁にコートされる触媒担体が触媒成分に与える排気ガスとの接触面積を増加させ、それによって触媒成分の排気ガスとの接触効率を高めることが行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハニカム基材のセル密度は既に相当に増加されており、さらにセル数を増加させることは、排気ガス流路の断面に占めるセル壁断面と触媒担体のコート層断面の割合をかなり増加させることになる。このため、さらにセル密度を増加させることは、排気ガス浄化用触媒を流通する排気ガスの圧力損失を増大させ、燃費の悪化を招くことになる。
また、排気ガス浄化用触媒は、長期間にわたって振動等の機械的作用に耐える必要がある。
【0005】
ところで、本出願人は、先に、特開平9−94434号公報において、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるパティキュレート等を浄化することを目的とし、セルが1つ置きに栓詰めされ、排気ガスが開気孔のセル壁を貫通して流れるウォールフロー型排気ガス浄化用フィルタを提案している。
しかし、この公報においては、流通式の排気ガス浄化用触媒における浄化性能、圧力損失、耐久性については特段の記載をしていない。
【0006】
したがって、本発明は、流通式の排気ガス浄化用触媒において、排気ガス浄化用触媒を流れる排気ガスの圧力損失を増大させず、触媒成分の排気ガスとの接触効率を高めることによって排気ガス浄化性能を向上させ、かつ耐久性にも優れる排気ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、第1の態様として、排気ガス浄化用触媒に用いられ、ハニカム基材に触媒担体がコートされてなる流通式の触媒担体構造体であって、触媒担体が、ハニカム基材のセル壁気孔内とセル壁表面上にコートされ、そのコートされたセル壁表面上の触媒担体の量が、触媒担体全体の10〜40質量%であり、かつセル壁表面上の触媒担体のコート層が100μm未満の厚みであることを特徴とする触媒担体構造体によって達成される。
【0008】
図1は、かかる触媒担体構造体の排気ガスの流れ方向から見た断面図をモデル的に示すものである。図1に示すように、γ-アルミナ等の触媒担体の一部が、ハニカム基材のセル壁気孔内にコートされてセル壁の一部を構成し、そのセル壁の全体を覆って触媒担体のコート層が存在する。
【0009】
即ち、本発明の触媒担体構造体は、セル壁に気孔を有するハニカム基材を構成材料とし、セル壁気孔内とセル壁表面上の2つの領域に触媒担体のコート層を有する。
触媒担体のコート層は、多孔質であり、排気ガスを流通することから、ある許容厚さまでの触媒担体に担持された触媒成分は、有効に触媒機能を発揮することができる。このため、セル壁表面上の触媒担体のコート層の上面からこの許容厚さまでのセル壁内の触媒担体は、排気ガス浄化に有効な触媒担体となる。
【0010】
したがって、許容厚さを満たすセル壁気孔内の触媒担体に相当する量を、セル壁表面のコート層から減量させることができ、この結果、セル壁表面のコート層の厚さが減少し、排気ガスの流路を広くすることができる。
【0011】
また、セル壁気孔内に触媒担体が存在することで、ハニカム基材の欠陥部分としての気孔が埋設され、ハニカム基材の機械的強度が確保される。さらに、セル壁気孔内の触媒担体が、セル壁表面のコート層に、いわゆるアンカー効果を与えるため、セル壁気孔内とセル壁表面のコート層の触媒担体が、一体として、振動等の機械的作用による脱落等に対する高い耐久性を有することができる。
【0012】
上記の有効な触媒担体としての許容厚さは、約100μmであることが見出されており、このため、本発明では、セル壁表面上の触媒担体のコート層の厚さを100μm未満に限定する。この厚さは、好ましくは、70μm未満である。
また、セル壁表面上の触媒担体の量は、触媒担体全体の10〜40質量%である。この範囲であれば、上記のセル壁表面のコート層の厚さを有意に減少させることができ、また、アンカー効果も顕著になることができる。この範囲は、好ましくは、10〜30質量%である。
【0013】
好ましくは、ハニカム基材のセル壁は、40〜75%の気孔率と10〜50μmのD50気孔径を有する。ハニカム基材の気孔率とD50気孔径がこれらの範囲にある場合、ハニカム基材は、上記の範囲に触媒担体をコートすることが容易であり、また、コートされた触媒担体と一体になって十分な強度を提供することができる。
また、好ましくは、ハニカム基材のセル壁の気孔は実質的に非貫通孔である。これにより、セル壁がかなりの気孔を有していても、セル壁の部分的な脱落が抑制され、振動等の機械的作用に対して高い耐久性を発揮することができる。
【0014】
こうした本発明の触媒担体構造体に、Pt等の触媒成分及び場合によりNOx吸蔵材のような助触媒成分を担持して、排気ガス浄化用触媒が構成される。
ここで、セル壁気孔内の触媒担体に担持される触媒成分及び/又は助触媒成分(以下「触媒成分等」と称する。)と、セル壁表面上の触媒担体に担持される触媒成分等は、実質的に同一である又は相違することができ、浄化されるべき有害物質の反応性及び/又は触媒成分等の耐熱性等によって決定されることができる。
【0015】
例えば、排気ガスが主としてストイキ雰囲気となる内燃機関の排気ガス浄化用触媒においては、三元触媒性能を十分に発現するように、触媒成分としてPt、Pd、Rh等の貴金属を担持する必要がある。また、排気ガスが主としてリーン雰囲気となる内燃機関の排気ガスに対しては、これらの貴金属に加えてカリウム(K)、バリウム(Ba)等のNOx吸蔵材が担持された吸蔵還元型NOx浄化用触媒が高い排気ガス浄化性能を提供することができる。
【0016】
こうした排気ガス浄化用触媒においては、セル壁気孔内の触媒担体にPt及び/又はPdを担持し、セル壁表面上の触媒担体にRhを担持すると、Rhは、PtとPdに比較して耐熱性が高いため、触媒成分が全体として高い耐熱性を有することができる。
また、K、Ba等のNOx吸蔵材の担持は、セル壁気孔内に担持することが好ましい。これにより、NOx吸蔵材から放出されたNOxが触媒成分に接触せずに素通りすることが顕著に抑制されることができる。
【0017】
また、ゼオライト等のHC吸着材を利用して、触媒が暖機するまでにHCを一時的に吸着させる目的では、セル壁表面上の触媒担体にHC吸着材を担持することが望ましい。
【0018】
上記の目的は、第2の態様として、排気ガス浄化用触媒に用いられ、ハニカム基材に触媒担体がコートされてなる流通式の触媒担体構造体であって、触媒担体が、ハニカム基材のセル壁気孔内とセル壁表面上にコートされ、触媒担体構造体の排気ガス下流側において、そのコートされたセル壁表面上の触媒担体の量が、触媒担体全体の10〜40質量%であり、かつセル壁表面上の触媒担体のコート層が100μm未満の厚みであり、触媒担体構造体の排気ガス上流側において、そのコートされたセル壁気孔内の触媒担体の量が、触媒担体全体の90質量%以上であることを特徴とする触媒担体構造体によって達成される。
【0019】
図2は、かかる第2の態様の触媒担体構造体の、排気ガスの流れの垂直方向から見た断面図をモデル的に示すものである。図2に示すように、触媒担体構造体の排気ガス下流側は、上記の第1の態様の触媒担体構造体と同じ構成であるが、排気ガス上流側では、セル壁表面上の触媒担体コート層は、僅かな量でのみ存在する又は実質的に存在せず、セル壁気孔内に殆どの触媒担体が存在する。
【0020】
第2の態様の触媒担体構造体は、排気ガス上流側で、排気ガス流路がさらに広くなり、全体として排気ガスの圧力損失が第1の態様よりも低下する。そして、第1の態様と同様に、排気ガス上流側と下流側の上記の許容厚さにあるセル壁気孔内の触媒担体が、有効な触媒担体となることができる。
この態様の触媒担体構造体に、第1の態様と同様にして触媒成分等を担持し、排気ガス浄化用触媒が構成される。
【0021】
この態様においては、コートされた触媒担体は、排気ガス上流側のセル壁気孔内、及び排気ガス下流側のセル壁気孔内とセル壁表面上の3つの領域に区分することができる。
これらの領域の触媒担体は、いずれも同じ触媒成分等が担持されることができるが、それぞれ異なる触媒成分等が担持されることもできる。
【0022】
例えば、排気ガス上流側と下流側のセル壁気孔内の触媒担体にNOx吸蔵材とPt等の貴金属を担持し、排気ガス下流側のセル壁表面に三元触媒の貴金属を担持して、吸蔵還元型NOx浄化用触媒を構成する。
この構成においては、リーン運転時にセル壁気孔内のNOx吸蔵材に吸蔵されたNOxは、一時的なリッチ運転時にHCとCOによって還元され、NOxの還元に過剰なHCとCOは、セル壁表面上の三元触媒によって酸化される。即ち、過剰なHCとCOが三元触媒に接触することが確保されるため、従来の触媒担体構造体を用いた構成よりも、HCとCOの浄化性能が高められた吸蔵還元型NOx浄化用触媒が提供されることができる。
また、このようにNOx吸蔵材を担持し、排気ガス下流側のセル壁表面上の触媒担体にHC吸着材を担持することもできる。
【0023】
ここで、本発明の触媒担体構造体を製造するにおいて、ハニカム基材のセル壁気孔内に触媒担体をコートした後、セラミック繊維を含むスラリーを用いて、ハニカム基材のセル壁表面上に触媒担体をコートすることが、好ましい製造方法として挙げられる。この理由は次のように考えられる。
【0024】
ハニカム基材のセル壁気孔内に触媒担体をコートする際に、触媒担体を焼成すると、一般に、触媒担体原料の収縮等によって細孔が生じる。したがって、次にセル壁表面上に触媒成分をコートすると、触媒成分の一部がこの細孔の中に浸入する。ここで、スラリー中にセラミック繊維が含まれると、図3にモデル的に示すように、この浸入を防ぐことができ、セル壁気孔内とセル壁表面上の領域の触媒担体を明確に区分することができる。
したがって、セル壁気孔内とセル壁表面上とで触媒担体及び/又は触媒成分が異なる場合に、かかる製造方法が有効であり、また、この細孔は、セル壁気孔内の触媒担体に担持された触媒成分と排気ガスとの接触を高める作用を奏するため、排気ガス浄化性能を高めることができる。
【0025】
図4は、従来技術の触媒担体構造体をモデル的に示す。図4に示すように、触媒担体は、実質的にセル壁表面上にのみコートされることから、コート層が厚くなり、排気ガスの圧力損失の増大を招くことになる。
また、厚いコート層に由来して、セルのコーナーの箇所では触媒担体が厚くコートされ、このコーナーの箇所には排気ガスが実質的に流通しない。このため、圧力損失の増大を招くのみならず、触媒担体と触媒成分が無駄になり、さらに、排気ガス浄化用触媒の熱容量の不必要な増加をもたらすことにもなる。
【0026】
こうした従来技術の問題は、本発明の触媒担体構造体においては、セル壁表面上のコート層が薄いことにより著しく軽減され、セルのコーナーにおける触媒担体と触媒成分等の無駄も解消され、この無駄に由来する熱容量の不必要な増加もまた解消される。したがって、早期暖機性が改良され、エンジン排気口の近くに配置されるスタートアップ触媒としても好適に使用されることができる。
【0027】
このような従来技術の問題の解消に加え、本発明は、上記のように、触媒担体のコート層の耐久性を高め、また、触媒担体の領域区分を明確することで排気ガス浄化性能の向上に寄与することができる。
なお、本発明において、ハニカム基材のセルの形状は、通常の四角形であることができ、また、図5に示す六角形その他の多角形であることができる。本発明は、セル壁の一部を触媒担体に置き換えるものであるから、多角形にしてセル壁の断面の周長が増すことが、触媒担体と触媒成分の担持量の増加をもたらすためである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の流通式の触媒担体構造体は、第1の態様において、触媒担体が、ハニカム基材のセル壁気孔内とセル壁表面上にコートされ、そのコートされたセル壁表面上の触媒担体の量が、触媒担体全体の10〜40質量%、好ましくは、10〜30質量%であり、かつセル壁表面上の触媒担体のコート層が100μm未満、好ましくは、70μm未満の厚みである。
【0029】
触媒担体としては、アルミナ、ジルコニア、セリアのような酸化物のほか、ジルコニア-セリア、アルミナ-セリア-ジルコニア、セリア-ジルコニア-イットリア、ジルコニア-カルシアのような複合酸化物からなるものが好適に使用可能である。
【0030】
ハニカム基材としては、コージェライト、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素のような耐熱性のあるセラミック材料からなるものが好適に使用可能である。
このハニカム基材は、両端が開口した多数のセルを有するものが使用され、ハニカム基材のセル密度は、本発明においては特に限定される必要はなく、約200セル/平方インチのような中密度のもの、1000セル/平方インチ以上のように高密度のものが使用されることができる。
【0031】
このハニカム基材のセル壁は、好ましくは、40〜75%の気孔率と10〜50μmのD50気孔径を有するが、本発明における「セル壁の気孔率」とは、水銀ポロシメーターを用いて水銀圧入法にしたがって測定された気孔率を意味し、「セル壁のD50気孔径」とは、この水銀ポロシメーターを用いた方法にしたがって測定された気孔径分布における累積体積が50%の気孔径を意味する。
【0032】
好ましくは、ハニカム基材のセル壁に存在する気孔は実質的に非貫通孔であり、本発明における用語「実質的に非貫通孔」とは、排気ガスの流れ方向に垂直な方向のセル壁の断面に観察される気孔において、個数平均で少なくとも70%、より好ましくは、少なくとも90%が、セル壁の両壁を貫通していないことを意味する。このセル壁の気孔が貫通孔であるか否かは、セル壁の断面を観察することによって評価することができる。
【0033】
こうしたハニカム基材とそれに触媒担体がコートされた本発明の触媒担体構造体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
ハニカム基材は、ハニカム金型を用いてセラミック原料配合物を押出成形し、次いで乾燥・焼成を行うことによって得ることができる。ここで、例えば、原料配合物の中に粒子径が調整された焼失性の材料を所定量で配合しておけば、得られるハニカム基材のセル壁の気孔率とD50気孔径を目的の範囲に制御することが可能である。
【0034】
この焼失性の材料としては、例えば、黒鉛粒子、カーボンブラック、炭素繊維チョップ等が挙げられ、これらは、粒子径や長さが所望の範囲に調整されたものが、比較的容易に入手可能である。
【0035】
また、セル壁の気孔が実質的に非貫通孔のハニカム基材は、好ましくは、粒子径分布の比較的狭い黒鉛粒子又はカーボンブラックを用い、これらの焼失性材料が配合物中で凝集しないように必要により分散剤を加えて原料配合物を調製し、次いで上記の押出成形、乾燥・焼成を行うことにより得ることができる。
また、セル壁の厚さよりも短い炭素繊維チョップを用いることにより、同様にして、一次元的に延びる非貫通孔を備えたハニカム基材を得ることができる。
【0036】
このようにして得られたハニカム基材に、触媒担体がコートされる。このコートは、例えば、次のようにして行うことができる。
上記のアルミナ、ジルコニア、セリア-ジルコニア等の粉末を用いてスラリーを調製し、このスラリーにハニカム基材を浸漬してスラリーを含浸させる。あるいは、このスラリーにハニカム基材を浸漬してスラリーを減圧する、又はハニカム基材に超音波等の機械的振動を与えることにより、スラリーをハニカム基材に強制的に含浸させる。
【0037】
次いで、このスラリーを含浸したハニカム基材を乾燥・焼成して触媒担体をコートすることができる。
ここで、触媒担体をセル壁気孔内にコートするには、スラリー中で触媒担体が、ハニカム基材のセル壁のD50気孔径を下回るD90粒子径を有するスラリーを調製し、次いでこのスラリーをハニカム基材にウォッシュコートすることにより、触媒担体をハニカム基材のセル壁の気孔内に比較的容易に配置させることができる。
【0038】
この触媒担体のスラリーの「D90粒子径」とは、調製されたスラリーにおける触媒担体の90%累積質量の粒子径を意味する。ここで、スラリー中の粒度の測定法には、動的光散乱法、光回折散乱法、ガスクロマトグラフィー法、沈降法等が挙げられるが、本発明における「D90粒子径」は、光回折散乱法によって測定された値である。
スラリー中の触媒担体のD90粒子径は、スラリーをミリングする時間や強度、あるいは分散剤の添加により、所望のレベルまで低下させることができる。
【0039】
セル壁表面上には、100μm未満の厚みで触媒担体のコート層が存在する。この表面上のコート層は、セル壁気孔内のコート層と同時に形成されることができ、あるいは、セル壁気孔内にコートした後に、セル壁表面上のコート層を形成することもできる。この場合、目的とする触媒性能により、気孔内と表面上のコート層を、異なる触媒担体とすることもできる。
セル壁表面上のコート層の厚みは、ウォッシュコートするスラリーの粘度の調節、又はウォッシュコートの回数等の手段により調整することができる。
【0040】
本発明の流通式の触媒担体構造体は、第2の態様において、触媒担体が、ハニカム基材のセル壁気孔内とセル壁表面上にコートされ、触媒担体構造体の排気ガス下流側において、そのコートされたセル壁表面上の触媒担体の量が、触媒担体全体の10〜40質量%であり、かつセル壁表面上の触媒担体のコート層が100μm未満の厚みであり、触媒担体構造体の排気ガス上流側において、そのコートされたセル壁気孔内の触媒担体の量が、触媒担体全体の90質量%以上である。
【0041】
第2の態様においては、触媒担体構造体の排気ガス下流側が、第1の態様の触媒担体構造体であるが、排気ガス上流側は、セル壁気孔内に殆どの触媒担体が存在する。
このような触媒担体構造体は、例えば、上記のようにして、必要によりスラリーをハニカム基材に強制的に含浸させる等の手段を用い、ハニカム基材のセル壁気孔内に触媒担体を担持し、次いで、そのハニカム基材の下部をスラリーに浸し、所定の高さまでスラリーを吸引してウォッシュコートする等によって調製することができる。
【0042】
このようにして調製された第1と第2の態様の触媒担体構造体に、触媒成分、及び必要によりNOx吸蔵材等の助触媒成分が担持されて排気ガス浄化用触媒が構成される。
触媒成分としては、周期律表の3A〜7A族、貴金属を含む8族、1B族、及びf-ブロック元素を含む遷移金属が好適に使用可能であり、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、及び白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)等の貴金属が例示され、好ましくは、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pt、Au、Pd、Ru、及びRhから選択された少なくとも1種の遷移金属、より好ましくは、Pt、Pd、Rhから選択された少なくとも1種の貴金属である。
【0043】
助触媒成分としては、リチウム(Li)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等のNOx吸蔵能を有するもの、特定のゼオライトZSM-5のようにHC吸収能を有するものが例示される。
これらの触媒成分と助触媒成分は、各種の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、錯体、又は粉末スラリー等を用い、蒸発乾固法、沈殿法、吸着法、イオン交換法、還元析出法等による通常手段によって触媒担体に担持することができる。
【0044】
ここで、セル壁気孔内の触媒担体に担持される触媒成分等と、セル壁表面上の触媒担体に担持される触媒成分等が相違する場合、セル壁気孔内に触媒担体をコートした後、その触媒担体に触媒成分等を担持し、次いで、セル壁表面上に触媒担体をコートした後、その触媒担体に触媒成分等を担持することで、触媒成分の担持位置を調節することができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。
【0045】
【実施例】
実施例1
以下のようにして、セル壁気孔内とセル壁表面上に触媒担体がコートされた本発明の触媒担体構造体を製造した。
酸化物原料として350質量部のカオリン、300質量部のタルク、100質量部のアルミナを用い、これらに300質量部の水、バインダーとして30質量部のメチルセルロース、及び造孔材としてD50粒子径が10μmの黒鉛粒子10質量部を加え、これらを混練機によって2時間混練し、ハニカム基材の原料配合物を調製した。
【0046】
この配合物を押出成形し、1450℃の大気雰囲気中で20時間焼成し、直径80mm×長さ95mm、セル壁厚さ150μm、セル密度400セル/平方インチのコージェライト組成のハニカム基材を得た。
得られたハニカム基材の気孔状態を、水銀ポロシメーター(マイクロメリティック社製オートポア9420)を用いて水銀圧入法にしたがって測定した結果、気孔率は60%、D50気孔径は30μmであった。
【0047】
次いで、以下のようにしてこのハニカム基材に触媒担体を担持した。
50質量部のγ-アルミナ(比表面積:約150m2/g、D50粒子径:20μm)と50質量部のセリア-ジルコニア(比表面積:約100m2/g、CeO2/ZrO2=1/1のモル比)に200質量部のイオン交換水を加え、ボールミルにて50時間にわたって混合した。
【0048】
この混合粉末のD50粒子径は2μm、D90粒子径は15μmであった。この混合粉末にアルミナゾル(日産化学製A-200)を、アルミナゾルの固形分が混合粉末との合計質量を基準に3%となる量で加え、さらにイオン交換水を添加して固形分25%の触媒担体スラリーを得た。D50粒子径とD90粒子径の測定は、光回折散乱法(オリバ製LA−920)によって行った。
【0049】
次いで、上記のハニカム基材をこの触媒担体スラリーに浸漬した後、高圧空気によって軽度に触媒担体スラリーを吹き払い、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材に80gの触媒担体のコート層を形成した(160gの触媒担体/1リットルの担体)。
【0050】
次いで、このハニカム基材を、上記の触媒担体スラリーに再度浸漬し、高圧空気によって軽度に触媒担体スラリーを吹き払い、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成し、ハニカム基材に40gの触媒担体をコートして(80gの触媒担体/1リットルの担体)、本発明の触媒担体構造体を得た。
この触媒担体構造体には、セル壁表面上に触媒担体全体の35質量%の触媒担体がコートされていた。なお、このコート量は、触媒担体構造体を切断し、セル壁の外側に位置する触媒担体を削り取り、その質量と、セル壁の質量から求めた値である。
【0051】
比較例1
以下のようにして、セル壁表面上に多くの触媒担体がコートされた比較例の触媒担体構造体を製造した。
実施例1におけるハニカム基材の原料配合物として、黒鉛粒子10質量部に代えて、黒鉛粒子2質量部とした以外は実施例1と同様にして、原料配合物を調製した。次いで、実施例1と同様にして、この配合物を押出成形した後、焼成し、直径80mm×長さ95mm、セル密度400セル/平方インチ、セル壁厚さ150μmのコージェライト組成のハニカム基材を得た。
得られたハニカム基材の気孔状態は、気孔率38%、D50気孔径7μmであった。
【0052】
次いで、実施例1と同様にして、質量比でγ-アルミナ/セリア-ジルコニア/イオン交換水=50/50/200の混合物を調製した。但し、ボールミルによる粉砕時間を1時間としてD50粒子径を15μm、D90粒子径を30μmに留めた。この混合物から、実施例1と同様にして触媒担体スラリーを作成し、ハニカム基材に触媒担体を2回にわたってコートし、γ-アルミナとセリア-ジルコニアを含む120gの触媒担体のコートを形成して、比較例の触媒担体構造体を得た。この触媒担体構造体には、セル壁表面上に触媒担体全体の90質量%がコートされていた。
【0053】
−触媒担体の機械的強度評価−
実施例1と比較例1の触媒担体構造体の機械的強度を、以下の剥離促進条件下のコート剥離率によって評価した。
触媒担体構造体のそれぞれを、250℃で4時間乾燥した後、秤量した。次いで、その触媒担体構造体を水の中に浸し、出力100Wで周波数約35kHzの超音波に1分間曝し、次いで、触媒担体構造体のセルの中に加圧空気を通して付着水を軽度に吹き飛ばし、250℃で4時間乾燥した後、その触媒担体構造体を秤量した。
【0054】
この秤量値と最初の秤量値の差から減少した質量を求め、それをハニカム基材上の触媒担体の質量で割算し、得られた値をコート剥離率とした。この結果、コート剥離率は、実施例1では0.03%、比較例1では0.5%であった。
【0055】
−圧力損失の測定−
実施例1と比較例1の各触媒担体構造体に7m3/分の流量で空気を流通させながら、触媒担体構造体の前後の差圧を測定した。この結果、実施例1では1.7kPa、比較例1では2.1kPaであった。
【0056】
実施例2
以下のようにして、本発明の触媒担体構造体にPt、Ba、Kが担持された排気ガス浄化用触媒を製造した。
実施例1と同様にして調製した直径80mm×長さ95mmで気孔率60%、D50気孔径30μmのハニカム基材のセル壁気孔内に、実施例1と同様にして、質量比でγ-アルミナ/セリア-ジルコニア/イオン交換水=50/50/200の混合物から調製した触媒担体スラリーを用いて、γ-アルミナとセリア-ジルコニアを含む80gの触媒担体のコート層を形成した。
【0057】
次いで、このコート層に、ジニトロジアンミン白金錯体水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり1.0gのPtを担持し、さらに、このコート層に、酢酸バリウムと酢酸カリウムを溶解した水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり0.2モルのBaと0.1モルのKを担持した。
【0058】
次いで、触媒担体の材料として、平均で直径約1μm×長さ約50μmのアルミナ繊維を追加して、質量比でγ-アルミナ/セリア-ジルコニア/アルミナ繊維/イオン交換水=50/50/10/200の混合物を調製し、この混合物から実施例1と同様にして、触媒担体スラリーを調製した。
次いで、上記のPtとBaとKを担持したハニカム基材の下側をこの触媒担体スラリーに浸した後、高圧空気によって軽度に触媒担体スラリーを吹き払い、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成し、ハニカム基材の下側20mmに4gの触媒担体のコート層を形成した。
【0059】
次いで、この下側のコート層にジニトロジアンミン白金錯体水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり2.0gのPtを担持した。
以上の工程により、セル壁表面上の触媒担体は、排気ガスの下流側にのみコートし、Ptは触媒担体の全体に担持し、BaとKはセル壁気孔内の触媒担体にのみ担持し、セル壁表面上の触媒担体はアルミナ繊維を含む本発明の排気ガス浄化用触媒を得た。
【0060】
参考例1
BaとKを触媒担体の全体に担持した以外は実施例1と同様にして、排気ガス浄化用触媒を製造した。
実施例2と同様にして、ハニカム基材にγ-アルミナとセリア-ジルコニアの80gのコート層を形成した後、実施例2と同様にして、ハニカム基材の下側20mmにγ-アルミナとセリア-ジルコニアとアルミナ繊維を含む40gの触媒担体のコート層を形成した。
【0061】
次いで、実施例2と同様にして、これらのコート層の全体に、ジニトロジアンミン白金錯体水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり1.5gのPtを担持し、さらに、このコート層に、酢酸バリウムと酢酸カリウムを溶解した水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり0.2モルのBaと0.1モルのKを担持した。
【0062】
実施例3
以下のようにして、本発明の触媒担体構造体にPt、Pd、Rhが担持された排気ガス浄化用触媒を製造した。
実施例1と同様にして調製した直径80mm×長さ95mmで気孔率60%、D50気孔径30μmのハニカム基材のセル壁気孔内に、実施例1と同様にして、質量比でγ-アルミナ/セリア-ジルコニア/イオン交換水=50/50/200の混合物から触媒担体スラリーを調製し、γ-アルミナとセリア-ジルコニアを含む80gの触媒担体のコート層を形成した。
【0063】
次いで、このコート層に、塩化パラジウム水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり1.0gのPdを担持した。
【0064】
次いで、触媒担体の材料として、平均で直径約1μm×長さ約50μmのアルミナ繊維を追加して、質量比でγ-アルミナ/セリア-ジルコニア/アルミナ繊維/イオン交換水=50/50/10/200の混合物を調製し、この混合物から実施例1と同様にして、触媒担体スラリーを調製した。
次いで、上記のPdを担持したハニカム基材の全体をこの触媒担体スラリーに浸した後、高圧空気で軽度にスラリーを吹き払い、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、セル壁表面上に20gの触媒担体のコート層を形成した。
【0065】
次いで、このコート層にジニトロジアンミン白金錯体と硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり0.5gのPtと0.5gのRhを担持した。
以上の工程により、セル壁表面上の触媒担体は、触媒担体構造体の全体にコートし、Pdはセル壁気孔内に担持し、PtとRhはセル壁表面上に担持し、セル壁表面上の触媒担体はアルミナ繊維を含む本発明の排気ガス浄化用触媒を得た。
【0066】
参考例2
以下のようにして、Pdはセル壁気孔内に担持し、PtとRhはセル壁表面上に担持した以外は実施例1と同様にして、排気ガス浄化用触媒を製造した。
実施例1と同様にして調製した直径80mm×長さ95mmで気孔率60%、D50気孔径30μmのハニカム基材のセル壁気孔内に、実施例1と同様にして、質量比でγ-アルミナ/セリア-ジルコニア/イオン交換水=50/50/200の混合物から触媒担体スラリーを調製し、γ-アルミナとセリア-ジルコニアを含む80gの触媒担体のコート層を形成した。
【0067】
次いで、このコート層に、ジニトロジアンミン白金錯体と硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり0.5gのPtと0.5gのRhを担持した。
次いで、触媒担体の材料として、平均で直径約1μm×長さ約50μmのアルミナ繊維を追加して、質量比でγ-アルミナ/セリア-ジルコニア/アルミナ繊維/イオン交換水=50/50/10/200の混合物を調製し、この混合物から実施例1と同様にして、触媒担体スラリーを調製した。
【0068】
次いで、上記のPtとRhを担持したハニカム基材の全体をこの触媒担体スラリーに浸した後、高圧空気で軽度にスラリーを吹き払い、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成し、セル壁表面上に20gの触媒担体のコート層を形成した。
次いで、このコート層に塩化パラジウム水溶液を含浸し、乾燥の後、400℃の大気雰囲気中で1時間焼成して、ハニカム基材1リットルあたり1.0gのPdを担持した。
【0069】
−触媒性能の評価(1)−
実施例2と参考例1の各触媒を排気ガス浄化性能評価装置に配置し、各触媒に、500℃のリッチガスを10分間流通させて前処理を行い、次いでリッチガスとリーンガスを2分間ずつ交互に流通させた後、空間速度100000h-1において500℃のリーンガスにおけるNOX浄化率を測定した。
リーンガス組成:
NO:800ppm + C36:2400ppm + CO2:11.0%
+ CO:700ppm + O2:7.0% + H2O:3.0% (残余:N2
リッチガス組成:
NO:100ppm + C36:6700ppm + CO2:11.0%
+ CO:5900ppm + O2:0% + H2O:3.0% (残余:N2
このNOX浄化率の測定結果、実施例2では75%、参考例1では62%であった。
【0070】
−触媒性能の評価(2)−
実施例3と比較例2の各触媒を、ステンレス製容器に装着し、排気量1リットルのガソリンエンジンのエキゾーストマニホールド後段に配置して、触媒の入口ガス温度が850℃のストイキの排気ガス雰囲気に50時間曝す耐久処理に供した。
次いで、この耐久処理後の各触媒を、エキゾーストマニホールド下に配置し、エンジンを2000rpmで運転して、HC浄化率が50%になる温度を測定した。この結果、実施例3では320℃、比較例2では390℃であった。
【0071】
【発明の効果】
排気ガスの圧力損失が低く、排気ガス浄化性能が高く、かつ耐久性の高い排気ガス浄化用触媒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒担体構造体をモデル的に示す図である。
【図2】本発明の別な態様の触媒担体構造体をモデル的に示す図である。
【図3】本発明のある態様の触媒担体構造体の細部をモデル的に示す図である。
【図4】従来技術の触媒担体構造体をモデル的に示す図である。
【図5】本発明の触媒担体構造体の別な態様をモデル的に示す図である。

Claims (9)

  1. 排気ガス浄化用触媒に用いられ、ハニカム基材に触媒担体がコートされてなる流通式の触媒担体構造体であって、
    触媒担体が、ハニカム基材のセル壁気孔内とセル壁表面上にコートされ、
    触媒担体構造体の排気ガス下流側において、そのコートされたセル壁表面上の触媒担体の量が、触媒担体全体の10〜40質量%であり、かつセル壁表面上の触媒担体のコート層が100μm未満の厚みであり、
    触媒担体構造体の排気ガス上流側において、そのコートされたセル壁気孔内の触媒担体の量が、触媒担体全体の90質量%以上であり、かつ排気ガス上流側におけるセル壁表面上の触媒担体のコート層が存在しないか又は排気ガス下流側におけるセル壁表面上の触媒担体のコート層よりも薄いことを特徴とする触媒担体構造体。
  2. 触媒担体構造体の排気ガス下流側において、そのコートされたセル壁表面上の触媒担体の量が、触媒担体全体の10〜30質量%であり、かつセル壁表面上の触媒担体のコート層が70μm未満の厚みである請求項に記載の触媒担体構造体。
  3. ハニカム基材のセル壁が、40〜75%の気孔率と10〜50μmのD50気孔径を有する請求項1又は2に記載の触媒担体構造体。
  4. 触媒担体が、アルミナ、ジルコニア、セリア、ジルコニア-セリア、アルミナ-セリア-ジルコニア、セリア-ジルコニア-イットリア、及びジルコニア-カルシアから選択された少なくとも1種である請求項1〜のいずれか1項に記載の触媒担体構造体。
  5. ハニカム基材のセル壁の気孔が非貫通孔である請求項1〜のいずれか1項に記載の触媒担体構造体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の触媒担体構造体に触媒成分が担持されてなる排気ガス浄化用触媒であって、セル壁気孔内の触媒担体に担持された触媒成分と、セル壁表面上の触媒担体に担持された触媒成分が相違することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  7. セル壁気孔内の触媒担体にNOx吸蔵材が担持され、セル壁表面上の触媒担体にPt、Pd、Rhから選択された少なくとも1種の貴金属が担持された請求項に記載の排気ガス浄化用触媒。
  8. セル壁気孔内の触媒担体にPt及び/又はPdが担持され、セル壁表面上の触媒担体にRhが担持された請求項に記載の排気ガス浄化用触媒。
  9. ハニカム基材のセル壁気孔内に触媒担体をコートした後、セラミック繊維を含むスラリーを用いて、ハニカム基材のセル壁表面上に触媒担体をコートすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の触媒担体構造体の製造方法。
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