JP6700108B2 - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

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本発明は、排ガス浄化用触媒の製造方法に関するものである。
自動車等の内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分が含まれており、これらの有害成分は排ガス浄化用触媒によって浄化されてから大気中に放出されている。排ガス浄化用触媒としては、通常は、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)及び白金(Pt)等の貴金属の粒子を含有する触媒コート層が耐熱性の基材に被覆された触媒が使用される。このような従来の触媒の性能を向上させるために、これまで様々な試みが行われてきた。
例えば、排ガスと触媒との接触を向上させることを目的として、特許文献1には、基材と、前記基材の壁面に形成された少なくとも一層の触媒コート層とを有する排ガス浄化用触媒であって、前記触媒コート層の最表層が凹凸形成材を含むことにより、表面の凹凸の高さが2μm〜50μmに調節されていることを特徴とする排ガス浄化用触媒が記載されている。
特許文献2には、ハニカム担体のセル壁に排ガスを浄化するための触媒コート層が形成されている排ガス浄化用触媒であって、前記ハニカム担体は、各セル通路の両端が開口し、且つ相隣るセル通路を仕切るセル壁の表面に、セル通路同士を結ぶ連通孔がセル通路の全長にわたって多数開口したものであり、前記触媒コート層は、前記セル壁の表面に形成されているとともに、該触媒コート層を構成する触媒材の一部が前記連通孔の開口からその内部に入り込んでいて、前記連通孔の開口部位では、当該触媒コート層表面に凹部が形成され、又は当該触媒コート層表面に前記連通孔がその孔径を触媒材によって狭められた状態で開口しており、前記セル通路の長手方向中間部には、該セル通路内周面を周方向に延びる環状溝が形成されるように、前記触媒コート層の厚さが該長手方向前後の二層以上の多層構造からなる部位よりも薄くなった単層構造からなる薄層部が形成されていることを特徴とする排ガス浄化用触媒が記載されている。
特開2007−117907号公報 特開2009−195771号公報
近年では、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)等の、高負荷モード、例えば加速時等の吸入空気量が多い条件下(本明細書では、高SV(空間速度)条件下又は高Ga(吸入空気量)条件下ともいう)での排ガス試験法の導入が進められており、このような排ガス試験法での規制に対応するためにも、高SV条件下における反応効率が高い触媒が求められる。高SV条件下では、セル内の排ガス流れ速度が触媒コート層中の排ガス拡散速度よりも大きくなり、触媒コート層中の排ガス拡散が律速段階になる。つまり、触媒コート層の深さ方向に効率よくガスを拡散させることによって、触媒が排ガスと効率よく反応することができるようにすることが重要である。
しかしながら、特許文献1に記載される排ガス浄化用触媒では、触媒コート層中に含まれる無機材料繊維や粒子等の直接触媒反応に関与しない凹凸形成材が触媒性能を低下させる恐れがある。また、特許文献2に記載される排ガス浄化用触媒では、単層構造からなる薄層部の触媒性能が十分ではない。
したがって、本発明は、高SV条件下において、排ガスが触媒コート層中に効率よく拡散し、排ガス浄化率が向上する排ガス浄化用触媒を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、ストレートフロー型の基材と前記基材のセル隔壁上に被覆された触媒コート層とを含む排ガス浄化用触媒を、(i)前記基材のセル隔壁上にPdを含む触媒コート層スラリーをコートして、Pd含有触媒コート層を形成させるステップと、(ii)前記Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートして、Rh含有触媒コート層を形成させるステップであって、特定のテーパ溝がRh含有触媒コート層中に形成される前記ステップとによって製造したところ、得られた排ガス浄化用触媒において、排ガスと触媒コート層との接触頻度が向上され、特にPd含有触媒コート層でなされるHC浄化の浄化率が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)(i)排ガスが流通する複数のセル及び隣接するセル同士を区画するセル隔壁を有するストレートフロー型の基材のセル隔壁上にPdを含む触媒コート層スラリーをコートして、Pd含有触媒コート層を形成させるステップ並びに(ii)前記Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートして、Rh含有触媒コート層を形成させるステップを含む排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
(ii)のステップが、
(a)前記Rhを含む触媒コート層スラリーを前記基材の排ガス流入口から流入することにより第1のRh含有触媒コート層を形成させるステップであって、
前記第1のRh含有触媒コート層は、一層又は二層以上の多層から形成され、前記第1のRh含有触媒コート層が多層から形成される場合、前記多層の各層は前記排ガス流入口から形成され、前記多層の連続する二層において、上層は下層と比較して排ガス流れ方向長さが短くなるよう形成される、前記ステップ、及び
(b)前記Rhを含む触媒コート層スラリーを前記基材の排ガス流出口から流入することにより第2のRh含有触媒コート層を形成させるステップ
を含み、
(a)のステップ及び(b)のステップにより形成された前記第1のRh含有触媒コート層と前記第2のRh含有触媒コート層との間のテーパ溝において、前記第1のRh含有触媒コート層の最上層における最上表面の排ガス流出口側末端接線及び前記第1のRh含有触媒コート層の最下層とPd含有触媒コート層との接触面における排ガス流出口側末端接線をそれぞれ四角形の向かい合う一対の辺とした時に形成される面と前記第2のRh含有触媒コート層の排ガス流入口側の面とからなる開き角が60°〜145°になるように調整される、
前記方法。
本発明の方法により、高SV条件下において、排ガスが触媒コート層中に効率よく拡散され、排ガス浄化率、特にPd含有触媒コート層でなされるHC浄化の浄化率が向上する排ガス浄化用触媒を提供することが可能になる。
Rh含有触媒コート層中に形成されるテーパ溝の一例を示す。 触媒コート層の厚さが80μm、溝の深さが40μmであるテーパ溝において、排ガスの流速が46m/秒である場合の、開き角に対する排ガス流量比(テーパ溝あり/テーパ溝なし)の計算値を示す。 第1のRh含有触媒コート層が三層から形成され、第2のRh含有触媒コート層が一層から形成される場合のRh含有触媒コート層中に形成されるテーパ溝の一例を示す。 比較例1で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。 比較例2で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。 実施例1で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。 実施例2で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。 比較例1及び2並びに実施例1及び2で調製した排ガス浄化用触媒のテーパ溝の開き角に対するNOx及びHCの浄化率を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、(i)ストレートフロー型の基材のセル隔壁上にPdを含む触媒コート層スラリーをコートするステップ(Pd含有触媒コート層の形成)、及び(ii)Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートするステップ(Rh含有触媒コート層の形成)を含む、排ガス浄化用触媒の製造方法であって、(ii)のステップが、特定のテーパ溝がRh含有触媒コート層中に形成されるステップを含む、前記方法に関する。
以下に(i)及び(ii)の各ステップについて説明する。
(i)ストレートフロー型の基材のセル隔壁上にPdを含む触媒コート層スラリーをコートするステップ
本発明の(i)のステップでは、ストレートフロー型の基材のセル隔壁上にPdを含む触媒コート層スラリーをコートして、Pd含有触媒コート層を形成させる。
ここで、ストレートフロー型の基材は、排ガスが流通する複数のセル及び隣接するセル同士を区画するセル隔壁を有し、当該技術分野において従来から使用できるもの、例えば限定されないが、コージェライト、炭化ケイ素(SiC)、シリカ、アルミナ、ムライト等の多孔質材料であるセラミックス又はステンレス等の合金から形成される、ハニカム形状のモノリス基材等がある。
Pdを含む触媒コート層スラリーは、溶剤、Pd、及び場合により従来の添加剤を含む。
溶剤としては、水、アルコール、水とアルコールの混合物等を挙げることができる。溶剤としては、コストや環境、操作性の面から水が好ましい。
Pdを含む触媒コート層スラリーに含まれるPdは、好ましくは、金属酸化物、例えば限定されないが、酸化アルミニウム(Al、アルミナ)、酸化セリウム(CeO、セリア)、酸化ジルコニウム(ZrO、ジルコニア)、酸化珪素(SiO、シリカ)、酸化イットリウム(Y、イットリア)、酸化ランタン(La)及び酸化ネオジム(Nd)並びにこれらの二種以上の混合物及び/又は複合酸化物等によって担持される。金属酸化物の量は、限定されないが、Pdを担持する金属酸化物総量で、基材1Lに対して、通常0g〜200g、好ましくは0g〜150gである。
Pdを含む触媒コート層スラリー中のPdの含有量は限定されず、目的とする設計等に応じて適宜必要量を担持させることができる。Pdを含む触媒コート層スラリー中のPdの含有量は、Pd金属換算で、基材1Lに対して、通常0.1g〜20g、好ましくは0.1g〜10gとなるように調整される。Pdの含有量を前記範囲とすることで、良好なコストパフォーマンスで、十分な触媒活性、特にHC浄化性能を得ることができる。
Pdを含む触媒コート層スラリーには、Pdと共に、排ガスを浄化する役割を担う触媒成分、例えば限定されないが、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)及びルテニウム(Ru)等の貴金属、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)等の遷移金属、その他従来のこの種の用途に用いられる活性触媒成分からなる群から選択される一種以上の触媒成分を含むことができる。Pd以外の触媒成分は、Pdと同様に、前記のような金属酸化物に担持されていることが好ましい。Pdを含む触媒コート層スラリー中のPd以外の触媒成分の含有量は限定されず、目的とする設計等に応じて適宜必要量を担持させることができる。Pdを含む触媒コート層スラリー中のPd以外の触媒成分の含有量は、成分に依存して異なり得るが、成分(金属)換算で、基材1Lに対して、通常0g〜20g、好ましくは0g〜10g、より好ましくは0g〜5gとなるように調整される。Pd以外の触媒成分の含有量を前記範囲とすることで、良好なコストパフォーマンスで、十分な触媒活性を得ることができる。
Pd及びPd以外の触媒成分が金属酸化物に担持される場合、Pd及びPd以外の触媒成分を当該技術分野における従来の方法により金属酸化物に担持することができる。Pd及びPd以外の触媒成分は、限定されないが、例えば1℃〜30℃の室温において、水中に、金属酸化物と、Pd及びPd以外の触媒成分の塩酸塩や硝酸塩等の触媒金属前駆体とを添加し、撹拌機により撹拌しながら、均一に分散させ、その後、蒸発乾固等の乾燥、場合により粉砕、さらに大気中において、例えば250℃〜600℃で0時間〜5時間焼成を行うことにより金属酸化物に担持される。粉砕には従来の粉砕技術、例えば乳鉢、ハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ローラーミル等、乾式、湿式を問わず用いることができる。
従来の添加剤としては、例えばAlゾル等のバインダーを挙げることができる。添加剤の量は、成分に依存して異なり得るが、Pd含有触媒コート層に含まれる添加剤総量で、基材1Lに対して、通常0.1g〜30g、好ましくは0.1g〜25g、より好ましくは0.1g〜20gである。
Pdを含む触媒コート層スラリーは、各材料を均一に混合することにより調製される。
Pdを含む触媒コート層スラリーの調製では、各材料の添加順序、添加温度、混合方法、混合時間、粉砕の有無等は限定されない。例えば、本発明のPdを含む触媒コート層スラリーの調製ステップでは、1℃〜30℃の室温において、水中にPdを担持させた金属酸化物及びバインダーとしてのAlゾルを加え、撹拌し、Pdを含む触媒コート層スラリーを調製してもよい。
Pdを含む触媒コート層スラリーは、通常5重量%〜65重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは15重量%〜55重量%の固形分を含む。
Pdを含む触媒コート層スラリーの粘度は、基材への塗布が可能な粘度である。
Pdを含む触媒コート層スラリーのコート量は、固形分として、基材1Lに対して、通常0.1g〜250gであり、好ましくは0.1g〜200g、より好ましくは0.1g〜150gである。
Pd含有触媒コート層の厚さは、Pdを含む触媒コート層スラリーのコート量に依存して異なり得るが、通常1μm〜70μm、好ましくは1μm〜60μm、より好ましくは1μm〜50μmである。
Pd含有触媒コート層のコート量及びコート厚さを前記の範囲にすることによって、排ガス浄化用触媒の圧力損失を抑えつつ、十分な触媒活性、特にHC浄化性能を発揮することができる。
Pdを含む触媒コート層スラリー又はPd含有触媒コート層に含まれるPd及びPd以外の触媒成分(Pd及びPd以外の触媒成分が金属酸化物に担持されている場合は、触媒担持金属酸化物)並びに場合によってはバインダー粒子等の添加剤粒子の全粒子の平均粒径は、レーザ回折式の粒度分布測定器により測定した場合に、通常1μm〜20μm、好ましくは2μm〜10μmである。
Pd含有触媒コート層中に含まれる全粒子の平均粒径を前記範囲にすることによって、排ガス浄化用触媒の耐久性を維持し、圧力損失を抑えつつ、十分なHC浄化性能を発揮することができる。
Pdを含む触媒コート層スラリーの基材のセル隔壁へのコート方法は、従来のコーティング技術により実施することができる。例えば、基材において、コートする部分以外をマスキングして、Pdを含む触媒コート層スラリーによりウォッシュコートで被覆する。余分なスラリーを吹き払った後、例えば、大気中、1℃〜150℃で0.1時間〜5時間乾燥して溶剤分を除去し、大気中、250℃〜600℃で0.1時間〜5時間焼成を行い、基材のセル隔壁上にPd含有触媒コート層を形成することができる。
(ii)Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートするステップであって、Rh含有触媒コート層を特定のテーパ溝を有するように形成させるステップ
本発明の(ii)のステップでは、Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートして、Rh含有触媒コート層を形成させる。
Rhを含む触媒コート層スラリーは、溶剤、Rh、及び場合により従来の添加剤を含む。
溶剤としては、水、アルコール、水とアルコールの混合物等を挙げることができる。溶剤としては、コストや環境面、操作性から水が好ましい。
Rhを含む触媒コート層スラリーに含まれるRhは、好ましくは、金属酸化物、例えば限定されないが、酸化アルミニウム(Al、アルミナ)、酸化セリウム(CeO、セリア)、酸化ジルコニウム(ZrO、ジルコニア)、酸化珪素(SiO、シリカ)、酸化イットリウム(Y、イットリア)、酸化ランタン(La)及び酸化ネオジム(Nd)並びにこれらの二種以上の混合物及び/又は複合酸化物等によって担持される。金属酸化物の量は、限定されないが、Rhを担持する金属酸化物総量で、基材1Lに対して、通常0g〜200g、好ましくは0g〜150gである。
Rhを含む触媒コート層スラリー中のRhの含有量は限定されず、目的とする設計等に応じて適宜必要量を担持させることができる。Rhを含む触媒コート層スラリー中のRhの含有量は、Rh金属換算で、基材1Lに対して、通常0.1g〜2g、好ましくは0.1g〜1gとなるように調整される。Rhの含有量を前記範囲とすることで、良好なコストパフォーマンスで、十分な触媒活性、特にNOx浄化性能を得ることができる。
Rhを含む触媒コート層スラリーには、Rhと共に、排ガスを浄化する役割を担う触媒成分、例えば限定されないが、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)及びルテニウム(Ru)等の貴金属、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)等の遷移金属、その他従来のこの種の用途に用いられる活性触媒成分からなる群から選択される一種以上の触媒成分を含むことができる。Rh以外の触媒成分は、Rhと同様に、前記のような金属酸化物に担持されていることが好ましい。Rhを含む触媒コート層スラリー中のRh以外の触媒成分の含有量は限定されず、目的とする設計等に応じて適宜必要量を担持させることができる。Rhを含む触媒コート層スラリー中のRh以外の触媒成分の含有量は、成分に依存して異なり得るが、成分(金属)換算で、基材1Lに対して、通常0g〜20g、好ましくは0g〜10g、より好ましくは0g〜5gとなるように調整される。Rh以外の触媒成分の含有量を前記範囲とすることで、良好なコストパフォーマンスで、十分な触媒活性を得ることができる。
Rh及びRh以外の触媒成分が金属酸化物に担持される場合、Rh及びRh以外の触媒成分を当該技術分野における従来の方法により金属酸化物に担持することができる。Rh及びRh以外の触媒成分は、限定されないが、例えば1℃〜30℃の室温において、水中に、金属酸化物と、Rh及びRh以外の触媒成分の塩酸塩や硝酸塩等の触媒金属前駆体とを添加し、撹拌機により撹拌しながら、均一に分散させ、その後、蒸発乾固等の乾燥、場合により粉砕、さらに大気中において、例えば250℃〜600℃で0時間〜5時間焼成を行うことにより金属酸化物に担持される。粉砕には従来の粉砕技術、例えば乳鉢、ハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ローラーミル等、乾式、湿式を問わず用いることができる。
従来の添加剤としては、例えばAlゾル等のバインダーを挙げることができる。添加剤の量は、成分に依存して異なり得るが、Rh含有触媒コート層に含まれる添加剤総量で、基材1Lに対して、通常0.1g〜30g、好ましくは0.1g〜25g、より好ましくは0.1g〜20gである。
Rhを含む触媒コート層スラリーは、各材料を均一に混合することにより調製される。
Rhを含む触媒コート層スラリーの調製では、各材料の添加順序、添加温度、混合方法、混合時間、粉砕の有無等は限定されない。例えば、本発明のRhを含む触媒コート層スラリーの調製ステップでは、1℃〜30℃の室温において、水中にRhを担持させた金属酸化物及びバインダーとしてのAlゾルを加え、撹拌し、Rhを含む触媒コート層スラリーを調製してもよい。
Rhを含む触媒コート層スラリーは、通常5重量%〜65重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは15重量%〜55重量%の固形分を含む。
Rhを含む触媒コート層スラリーの粘度は、基材への塗布が可能な粘度である。
Rhを含む触媒コート層スラリーのコート量は、Rh含有触媒コート層全体で、固形分として、基材1Lに対して、通常0.1g〜250g、好ましくは0.1g〜200g、より好ましくは0.1g〜150gである。
Rhを含む触媒コート層スラリー又はRh含有触媒コート層に含まれるRh及びRh以外の触媒成分(Rh及びRh以外の触媒成分が金属酸化物に担持されている場合は、触媒担持金属酸化物)並びに場合によってはバインダー粒子等の添加剤粒子の全粒子の平均粒径は、レーザ回折式の粒度分布測定器により測定した場合に、1μm〜20μm、好ましくは2μm〜10μmである。
Rh含有触媒コート層中に含まれる全粒子の平均粒径を前記範囲にすることによって、排ガス浄化用触媒の耐久性を維持し、圧力損失を抑えつつ、十分な触媒活性、特にNOx浄化性能を発揮することができる。
本発明の(ii)のステップは、(a)Rhを含む触媒コート層スラリーを基材の排ガス流入口から流入することにより第1のRh含有触媒コート層を形成させるステップ、及び(b)Rhを含む触媒コート層スラリーを基材の排ガス流出口から流入することにより第2のRh含有触媒コート層を形成させるステップを含む。
ここで、(a)のステップ及び(b)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーは同じものであっても、異なるものであってもよい。(a)のステップ及び(b)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーは、同じものが好ましい。(a)のステップ及び(b)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーが同じものであり、(b)のステップの前に(a)のステップを行う場合、Rhを含む触媒コート層スラリーの一部を(a)のステップで使用し、Rhを含む触媒コート層スラリーの残りを(b)のステップで使用してもよい。
(a)のステップにおいて、Rhを含む触媒コート層スラリーの量は、形成される第1のRh含有触媒コート層の全体の厚さや、第1のRh含有触媒コート層と第2のRh含有触媒コート層の境目(本明細書では、Rh含有触媒コート層境目ともいう)の位置等に依存して異なり得る。(a)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーの量は、(a)のステップ及び(b)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーが同じである場合、(b)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーの量と同じが好ましい。
第1のRh含有触媒コート層は、一層又は二層以上の多層から形成される。
第1のRh含有触媒コート層が一層からなる場合、第1のRh含有触媒コート層の厚さは、Rhを含む触媒コート層スラリーの量に依存して異なり得るが、通常1μm〜70μm、好ましくは1μm〜60μm、より好ましくは1μm〜50μmである。さらに、第1のRh含有触媒コート層は、Rhを含む触媒コート層スラリーの粘度に依存して異なり得るが、第1のRh含有触媒コート層の末端、すなわちRh含有触媒コート層境目から排ガス流入方向に向かって0μm〜100μmの位置からRh含有触媒コート層境目に向かって徐々に薄くなる。
第1のRh含有触媒コート層が二層以上の多層から形成される場合、多層の各層は基材の排ガス流入口から形成される。また、多層の連続する上下の二層において、上層は下層と比較して排ガス流れ方向長さが短くなるよう形成される。第1のRh含有触媒コート層の厚さは、Rhを含む触媒コート層スラリーの量に依存して異なり得るが、基材の排ガス流入口、すなわち第1のRh含有触媒コート層が一番厚くなる部分において、通常1μm〜70μm、好ましくは1μm〜60μm、より好ましくは1μm〜50μmである。第1のRh含有触媒コート層の厚さは、基材の排ガス流入口からRh含有触媒コート層境目に向かって、層が少なくなるにしたがい段々に薄くなる。
第1のRh含有触媒コート層が二層以上の多層から形成される場合、多層の各層を形成するために使用するRhを含む触媒コート層スラリーは同じものであっても、異なるものであってもよい。多層の各層を形成するために使用するRhを含む触媒コート層スラリーは、同じものが好ましい。
(b)のステップにおいて、Rhを含む触媒コート層スラリーの量は、形成される第2のRh含有触媒コート層の厚さや、Rh含有触媒コート層境目の位置等に依存して異なる。(b)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーの量は、(a)のステップ及び(b)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーが同じである場合、(a)のステップで使用するRhを含む触媒コート層スラリーの量と同じが好ましい。
第2のRh含有触媒コート層は、通常一層であるが、二層以上の多層から形成してもよい。
第2のRh含有触媒コート層が一層からなる場合、第2のRh含有触媒コート層の厚さは、Rhを含む触媒コート層スラリーの量に依存して異なり得るが、通常1μm〜70μm、好ましくは1μm〜60μm、より好ましくは1μm〜50μmである。さらに、第2のRh含有触媒コート層は、Rhを含む触媒コート層スラリーの粘度に依存して異なり得るが、第2のRh含有触媒コート層の末端、すなわちRh含有触媒コート層境目から排ガス流出方向に向かって0μm〜100μmの位置からRh含有触媒コート層境目に向かって徐々に薄くなる。
第2のRh含有触媒コート層が二層以上の多層から形成される場合、多層の各層は基材の排ガス流出口から形成される。また、多層の連続する上下の二層において、上層は下層と比較して排ガス流れ方向長さが短くなるよう形成される。第2のRh含有触媒コート層の厚さは、Rhを含む触媒コート層スラリーの量に依存して異なり得るが、基材の排ガス流出口、すなわち第2のRh含有触媒コート層が一番厚くなる部分において、通常1μm〜70μm、好ましくは1μm〜60μm、より好ましくは1μm〜50μmである。第2のRh含有触媒コート層の厚さは、基材の排ガス流出口からRh含有触媒コート層境目に向かって、層が少なくなるにしたがい段々に薄くなる。
第2のRh含有触媒コート層が二層以上の多層から形成される場合、多層の各層を形成するために使用するRhを含む触媒コート層スラリーは同じものであっても、異なるものであってもよい。多層の各層を形成するために使用するRhを含む触媒コート層スラリーは、同じものが好ましい。
(a)のステップ及び(b)のステップにより形成された第1のRh含有触媒コート層と第2のRh含有触媒コート層との境目には、テーパ溝が形成される。
図1に、Rh含有触媒コート層中に形成されるテーパ溝の一例を示す。テーパ溝とは、図1に示すように、Rh含有触媒コート層中に形成される溝であって、排ガス流入口から排ガス排出口に向かって直線的な勾配でRh含有触媒コート層の深さ方向に向かって深くなる溝のことを指し、Pd含有触媒コート層2上の第1のRh含有触媒コート層3−1と第2のRh含有触媒コート層3−2により形成される。
さらに、第1のRh含有触媒コート層3−1の排ガス流出口側の面(第1のRh含有触媒コート層3−1が多層からなる場合には、第1のRh含有触媒コート層3−1の最上層における最上表面の排ガス流出口側末端接線及び第1のRh含有触媒コート層3−1の最下層とPd含有触媒コート層2との接触面における排ガス流出口側末端接線をそれぞれ四角形の向かい合う一対の辺とした時に形成される面である。本明細書では、第1のRh含有触媒コート層3−1が一層であるか、多層であるかに関わらず、第1のRh含有触媒コート層3−1の排ガス流出口側の面ともいう。)と第2のRh含有触媒コート層3−2の排ガス流入口側の面(第2のRh含有触媒コート層3−2が多層からなる場合には、第2のRh含有触媒コート層3−2の最上層における最上表面の排ガス流入口側末端接線及び第2のRh含有触媒コート層3−2の最下層とPd含有触媒コート層2との接触面における排ガス流入口側末端接線をそれぞれ四角形の向かい合う一対の辺とした時に形成される面である。本明細書では、第2のRh含有触媒コート層3−2が一層であるか、多層であるかに関わらず、第2のRh含有触媒コート層3−2の排ガス流入口側の面ともいう)とからなる角度を開き角1又はテーパ溝の開き角1とする。
なお、Rh含有触媒コート層が多層からなる場合において、Rh含有触媒コート層の最上層における最上表面の排ガス流出口又は流入口側末端が緩やかに丸みを帯びているために接線を決定することが困難な場合には、Rh含有触媒コート層の最上層における最上表面を排ガス流出口又は流入口側に延長した面と、Rh含有触媒コート層の最上層における排ガス流出口又は流入口側の面を最上表面に向かって延長した面とが交わることにより形成される接線をRh含有触媒コート層の最上層における最上表面の排ガス流出口又は流入口側末端接線とする。
本発明の排ガス浄化用触媒では、図1に示すように、排ガス流入口から流入した排ガスは、第1のRh含有触媒コート層3−1の排ガス流出口側の面に沿って流れ、第2のRh含有触媒コート層3−2の排ガス流入口側の面に衝突し、排ガスはRh含有触媒コート層及びPd含有触媒コート層2に流入する。
本発明では、テーパ溝は、開き角が60°〜145°、好ましくは80°〜128°になるように調整される。
図2に、触媒コート層の全体の厚さが80μm、溝の深さが40μmであるテーパ溝において、排ガスの流速が46m/秒である場合の、開き角に対する排ガス流量比(テーパ溝あり/テーパ溝なし)の計算値を示す。
図2より、触媒コート層にテーパ溝がある場合の排ガス流量は、触媒コート層にテーパ溝がない場合の排ガス流量と比べて大きくなり、その流量は、テーパ溝の開き角に依存する。特に、触媒コート層中のテーパ溝の開き角を60°〜145°にした場合、排ガス流量はテーパ溝がない場合の2倍以上になる。また、コート層表面は凸ではなく凹溝になっているため、溝の深さが40μmのテーパ溝では、大きな圧力損失は生じない。
本発明において、テーパ溝の開き角を前記範囲に設定することにより、本発明により得られる排ガス浄化用触媒では、大きな排ガス流量を実現することができ、それによりテーパ溝による排ガスの拡散効果に加えて、テーパ溝に基づく動圧によって触媒コート層内への排ガス移動を促進させる効果が得られる。
第1のRh含有触媒コート層の排ガス流出口側末端及び第2のRh含有触媒コート層の排ガス流入口末端においては、第1のRh含有触媒コート層の最下層とPd含有触媒コート層との接触面と、第1のRh含有触媒コート層の排ガス流出口側の面とからなる角度(本明細書では、導入角ともいう)は、第2のRh含有触媒コート層の最下層とPd含有触媒コート層との接触面と、第2のRh含有触媒コート層の排ガス流入口側の面とからなる角度(本明細書では、衝突角ともいう)よりも小さいことが好ましい。導入角を衝突角よりも小さくすることにより、排ガス流入口から流入した排ガスは、第1のRh含有触媒コート層の排ガス流出口側の面に沿って流れ、第2のRh含有触媒コート層の排ガス流入口側の面に衝突しやすくなり、さらに、排ガスはRh含有触媒コート層及びPd含有触媒コート層に流入し、各コート層内で上下に広がりやすくなる。
導入角及び衝突角は、コート層の調製方法によって異なり、本発明ではコート層の数により角度を調整する。
図3に、第1のRh含有触媒コート層3−1が最下層3−1−1、中間層3−1−2及び最上層3−1−3の三層から形成され、第2のRh含有触媒コート層3−2が一層から形成される場合のRh含有触媒コート層中に形成されるテーパ溝の一例を示す。第1のRh含有触媒コート層3−1及び第2のRh含有触媒コート層3−2は、基材のセル隔壁4上のPd含有触媒コート層2上に形成され、開き角1のテーパ溝を形成する。
図3より、第1のRh含有触媒コート層3−1の厚さは、基材の排ガス流入口からRh含有触媒コート層境目に向かって、層の数が少なくなるにしたがい段々と薄くなり、第1のRh含有触媒コート層3−1の排ガス流出口側の面と第2のRh含有触媒コート層3−2の排ガス流入口側の面とにより形成されるテーパ溝では、導入角が衝突角よりも小さくなる。
触媒コート層において連続する上下の二層の接触面と、上層の排ガス流出口又は流入口側の面とからなる角度(Rh含有触媒コート層が一層から形成される場合には、導入角及び衝突角を指す)は、Rhを含む触媒コート層スラリーの粘度によっても調整することができる。例えば、Rhを含む触媒コート層スラリーの粘度が高ければ、当該角度は大きくなり、Rhを含む触媒コート層スラリーの粘度が低ければ、当該角度は小さくなるように制御ができる。
Rhを含む触媒コート層スラリーの基材のセル隔壁へのコート方法は、従来のコーティング技術により実施することができる。例えば、Pd含有触媒コート層がコートされた基材において、Pd含有触媒コート層上のコートする部分以外をマスキングして、Rhを含む触媒コート層スラリーによりウォッシュコートで被覆する。余分なスラリーを吹き払った後、例えば、大気中、1℃〜150℃で0.1時間〜5時間乾燥して溶剤分を除去し、大気中、250℃〜600℃で0.1時間〜5時間焼成を行い、Pd含有触媒コート層上にRh含有触媒コート層を形成することができる。
第1のRh含有触媒コート層が二層以上の多層から形成される場合には、Rhを含む触媒コート層スラリーを、下層から順に前記方法と同様にして層を形成させる。第2のRh含有触媒コート層が二層以上の多層から形成される場合も同様にして形成させる。この際、多層の各層は、第1のRh含有触媒コート層の場合はガス流入口から形成され、第2のRh含有触媒コート層の場合はガス流出口から形成され、さらに、多層の連続する上下の二層において、上層は下層と比較して排ガス流れ方向長さが短くなるよう形成される。
本発明の(ii)のステップでは、(a)のステップ及び(b)のステップは、(a)のステップの後に(b)のステップを実施しても、(b)のステップの後に(a)のステップを実施しても良い。
本発明により製造された排ガス浄化用触媒は、テーパ溝による排ガスの拡散効果に加えて、テーパ溝に基づく動圧によって触媒コート層内への排ガス移動を促進させる効果を有し、この効果は、排ガスの流速が大きくなるほど大きくなる。また、コート層表面が凸ではなく凹溝になり、圧力損失に影響を与えることがない。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.排ガス浄化用触媒の調製
1−1.使用原料
基材:875cc(6角600セル 長さ105mm)のコージェライトハニカム基材(日本ガイシ(株)製)
材料1(Al):1重量%−La複合化Al(Sasol製)
材料2(CZ):30重量%−CeO、60重量%−ZrO、5重量%−Y、5重量%−La複合酸化物(Solvay製)
材料3(ACZ):30重量%−Al、20重量%−CeO、44重量%−ZrO、2重量%−Nd、2重量%−La、2重量%−Y複合酸化物(第一稀元素化学工業製)
1−2.調製
比較例1 従来の排ガス浄化用触媒の調製
(2層触媒 Pd層:Pd(1.0g/L)/{CZ(45g/L)+Al(55g/L)}、Rh層:Rh(0.2g/L)/{ACZ(70g/L)+Al(50g/L)})
(i)ストレートフロー型の基材のセル隔壁上にPdを含む触媒コート層スラリーをコートするステップ
まず、硝酸Pd溶液を用いて、材料2(CZ)にPdを担時して、Pd/CZ(材料4)を調製した。担時方法には、前記で説明した含浸法を用いた。
次に、蒸留水に、撹拌しながら、材料4、材料1、Al系バインダーを懸濁させ、Pdを含む触媒コート層スラリーを調製した。調製したPdを含む触媒コート層スラリーを基材へ流し込み、ブロアーで余分なスラリーを吹き払うことで、基材壁面にPdを含む触媒コート層スラリーをコーティングした。材料の量は、最終的なPd含有触媒コート層において、基材容量に対して、Pdが1.0g/L、材料1が55g/L、材料2が45g/Lになるように調整した。
その後、乾燥機で120℃、2時間の乾燥を実施し、水分を飛ばした後、電気炉で500℃、2時間の焼成を実施し、Pd含有触媒コート層を形成した。
(ii)Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートするステップ
まず、硝酸Rh溶液を用いて、材料3(ACZ)にRhを担時して、Rh/ACZ(材料5)を調製した。担時方法には、前記で説明した含浸法を用いた。
次に、蒸留水に、撹拌しながら、材料1、材料5、Al系バインダーを懸濁させ、Rhを含む触媒コート層スラリーを調製した。調製したRhを含む触媒コート層スラリーをPd含有触媒コート層を塗布した基材へ流し込み、ブロアーで余分なスラリーを吹き払うことで、Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコーティングした。材料の量は、最終的なRh含有触媒コート層において、基材容量に対して、Rhが0.2g/L、材料1が50g/L、材料3が70g/Lになるように調整した。
その後、乾燥機で120℃、2時間の乾燥を実施し、水分を飛ばした後、電気炉で500℃、2時間の焼成を実施し、Rh含有触媒コート層を形成し、排ガス浄化用触媒を調製した。
図4に、比較例1で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。図4より、比較例1の触媒コート層は、基材のセル隔壁4上のPd含有触媒コート層2及びPd含有触媒コート層2上のRh含有触媒コート層3からなる。Rh含有触媒コート層3は40μmの膜厚である。
比較例2 開き角が平均〜180°である排ガス浄化用触媒の調製
(2層触媒 Pd層:Pd(1.0g/L)/{CZ(45g/L)+Al(55g/L)}、Rh層(三層+三層):Rh(0.2g/L)/{ACZ(70g/L)+Al(50g/L)})
比較例1の(ii)のステップを以下に変更した以外は、比較例1と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。
(ii)Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートするステップ
硝酸Rh溶液を用いて、材料3(ACZ)にRhを担時して、Rh/ACZ(材料5)を調製した。担時方法には、前記で説明した含浸法を用いた。
次に、蒸留水に、撹拌しながら、材料1、材料5、Al系バインダーを懸濁させ、Rhを含む触媒コート層スラリーを調製した。
(b)Rhを含む触媒コート層スラリーの一部を基材の排ガス流出口から流入することにより第2のRh含有触媒コート層を形成させるステップ
調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/6の量を、Pd含有触媒コート層を塗布した基材の排ガス流出口(Rr端面ともいう)から基材の排ガス流れ方向長さの50%まで流し込み、Pd含有触媒コート層上に第2のRh含有触媒コート層の最下層となるスラリーをコーティングした。さらに、調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/6の量を、第2のRh含有触媒コート層の最下層となるスラリーを塗布した基材のRr端面から基材の排ガス流れ方向長さの40%まで流し込み、第2のRh含有触媒コート層の最下層となるスラリー上に第2のRh含有触媒コート層の中間層となるスラリーをコーティングした。さらに、調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/6の量を、第2のRh含有触媒コート層の中間層となるスラリーを塗布した基材のRr端面から基材の排ガス流れ方向長さの30%まで流し込み、第2のRh含有触媒コート層の中間層となるスラリー上に第2のRh含有触媒コート層の最上層となるスラリーをコーティングした。
(a)Rhを含む触媒コート層スラリーの残りを基材の排ガス流入口から流入することにより第1のRh含有触媒コート層を形成させるステップ
調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/6の量を、Pd含有触媒コート層及び第2のRh含有触媒コート層となるスラリーを塗布した基材の排ガス流入口(Fr端面ともいう)から基材の排ガス流れ方向長さの50%まで流し込み、Pd含有触媒コート層上に第1のRh含有触媒コート層の最下層となるスラリーをコーティングした。さらに、調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/6の量を、第1のRh含有触媒コート層の最下層となるスラリーを塗布した基材のFr端面から基材の排ガス流れ方向長さの40%まで流し込み、第1のRh含有触媒コート層の最下層となるスラリー上に第1のRh含有触媒コート層の中間層となるスラリーをコーティングした。さらに、調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/6の量を、第1のRh含有触媒コート層の中間層となるスラリーを塗布した基材のFr端面から基材の排ガス流れ方向長さの30%まで流し込み、第1のRh含有触媒コート層の中間層となるスラリー上に第1のRh含有触媒コート層の最上層となるスラリーをコーティングした。
材料の量は、最終的なRh含有触媒コート層全体において、基材容量に対して、Rhが0.2g/L、材料1が50g/L、材料3が70g/Lになるように調整した。
その後、乾燥機で120℃、2時間の乾燥を実施し、水分を飛ばした後、電気炉で500℃、2時間の焼成を実施し、各Rh含有触媒コート層を形成し、排ガス浄化用触媒を調製した。
図5に、比較例2で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。図5より、比較例2の触媒コート層は、基材のセル隔壁4上のPd含有触媒コート層2並びにPd含有触媒コート層2上の第1のRh含有触媒コート層(最下層3−1−1、中間層3−1−2及び最上層3−1−3)及び第2のRh含有触媒コート層(最下層3−2−1、中間層3−2−2及び最上層3−2−3)からなる。
第1のRh含有触媒コート層により形成される導入角及び第2のRh含有触媒コート層により形成される衝突角は共に平均0.1°以下であったため、テーパ溝の開き角1は平均〜180°であった。
実施例1 開き角が平均85°である排ガス浄化用触媒の調製
(2層触媒 Pd層:Pd(1.0g/L)/{CZ(45g/L)+Al(55g/L)}、Rh層(一層+一層):Rh(0.2g/L)/{ACZ(70g/L)+Al(50g/L)})
比較例2の(b)のステップ及び(a)のステップを以下に変更した以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。
(b)Rhを含む触媒コート層スラリーの一部を基材の排ガス流出口から流入することにより第2のRh含有触媒コート層を形成させるステップ
調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/2の量を、Pd含有触媒コート層を塗布した基材のRr端面から基材の排ガス流れ方向長さの50%まで流し込み、ブロアーで余分なスラリーを吹き払うことで、第2のRh含有触媒コート層となるスラリーをPd含有触媒コート層上にコーティングした。
(a)Rhを含む触媒コート層スラリーの残りを基材の排ガス流入口から流入することにより第1のRh含有触媒コート層を形成させるステップ
調製したRhを含む触媒コート層スラリーの1/2の量を、Pd含有触媒コート層及び第2のRh含有触媒コート層となるスラリーを塗布した基材のFr端面から基材の排ガス流れ方向長さの50%まで流し込み、ブロアーで余分なスラリーを吹き払うことで、第1のRh含有触媒コート層となるスラリーをPd含有触媒コート層上にコーティングした。
材料の量は、最終的なRh含有触媒コート層全体において、基材容量に対して、Rhが0.2g/L、材料1が50g/L、材料3が70g/Lになるように調整した。
その後、乾燥機で120℃、2時間の乾燥を実施し、水分を飛ばした後、電気炉で500℃、2時間の焼成を実施し、各Rh含有触媒コート層を形成し、排ガス浄化用触媒を調製した。
図6に、実施例1で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。図6より、実施例1の触媒コート層は、基材のセル隔壁4上のPd含有触媒コート層2並びにPd含有触媒コート層2上の第1のRh含有触媒コート層3−1及び第2のRh含有触媒コート層3−2からなる。
第1のRh含有触媒コート層のRr端面側末端及び第2のRh含有触媒コート層のFr端面側末端はコーティングが徐々に薄くなり、第1のRh含有触媒コート層と第2のRh含有触媒コート層との間にテーパ溝が形成され、開き角1は平均85°であった。
実施例2 開き角が平均132.5°である排ガス浄化用触媒の調製
(2層触媒 Pd層:Pd(1.0g/L)/{CZ(45g/L)+Al(55g/L)}、Rh層(三層+一層):Rh(0.2g/L)/{ACZ(70g/L)+Al(50g/L)})
比較例2の(b)のステップを実施例1の(b)のステップに変更した以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。
図7に、実施例2で調製した排ガス浄化用触媒の触媒コート層を示す。図7より、実施例2の触媒コート層は、基材のセル隔壁4上のPd含有触媒コート層2並びにPd含有触媒コート層2上の第1のRh含有触媒コート層(最下層3−1−1、中間層3−1−2及び最上層3−1−3)及び第2のRh含有触媒コート層3−2からなる。
第1のRh含有触媒コート層により形成される導入角は平均0.1°以下であり、第2のRh含有触媒コート層のFr端面側末端はコーティングが徐々に薄くなり平均47.5°の衝突角を形成したため、テーパ溝の開き角1は平均132.5°であった。
2.評価
2−1.性能試験
比較例1及び2並びに実施例1及び2で調製した排ガス浄化用触媒について、NOx及びHC浄化活性を評価した。
ガス拡散律速領域での排ガス浄化性能を評価するために、空燃比(A/F)14.4の排ガスを、高Ga条件(Ga=35g/s)、450℃の定常状態で、各排ガス浄化用触媒に供給し、NOx及びHCの浄化率を評価した。
図8に結果を示す。
図8に示すように、NOx浄化率は、比較例1及び2並びに実施例1及び2で調製した排ガス浄化用触媒において同等であるが、HC浄化率は、実施例の排ガス浄化用触媒の方が比較例のものと比較して良好であることが分かった。実施例の排ガス浄化用触媒中のRh含有触媒コート層中に形成されたテーパ溝により、Pd含有触媒コート層に流入する排ガス量が増大し、HCがPdによって効率的に浄化されたためである。
1.テーパ溝の開き角 2.Pd含有触媒コート層 3.Rh含有触媒コート層 3−1.第1のRh含有触媒コート層 3−1−1.第1のRh含有触媒コート層の最下層 3−1−2.第1のRh含有触媒コート層の中間層 3−1−3.第1のRh含有触媒コート層の最上層 3−2.第2のRh含有触媒コート層 3−2−1.第2のRh含有触媒コート層の最下層 3−2−2.第2のRh含有触媒コート層の中間層 3−2−3.第1のRh含有触媒コート層の最上層 4.基材のセル隔壁

Claims (3)

  1. (i)排ガスが流通する複数のセル及び隣接するセル同士を区画するセル隔壁を有するストレートフロー型の基材のセル隔壁上にPdを含む触媒コート層スラリーをコートして、Pd含有触媒コート層を形成させるステップ並びに(ii)前記Pd含有触媒コート層上にRhを含む触媒コート層スラリーをコートして、Rh含有触媒コート層を形成させるステップを含む排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
    (ii)のステップが、
    (a)前記Rhを含む触媒コート層スラリーを前記基材の排ガス流入口から流入することにより第1のRh含有触媒コート層を形成させるステップであって、
    前記第1のRh含有触媒コート層は、二層以上の多層から形成され、前記第1のRh含有触媒コート層が多層から形成される場合、前記多層の各層は前記排ガス流入口から形成され、前記多層の連続する二層において、上層は下層と比較して排ガス流れ方向長さが短くなるよう形成される、前記ステップ、及び
    (b)前記Rhを含む触媒コート層スラリーを前記基材の排ガス流出口から流入することにより第2のRh含有触媒コート層を形成させるステップ
    を含み、
    (a)のステップ及び(b)のステップにより形成された前記第1のRh含有触媒コート層と前記第2のRh含有触媒コート層との間のテーパ溝において、前記第1のRh含有触媒コート層の最上層の平坦な最上表面の排ガス流出口側末端接線及び前記第1のRh含有触媒コート層の最下層とPd含有触媒コート層との接触面における排ガス流出口側末端接線をそれぞれ四角形の向かい合う一対の辺とした時に形成される面と前記第2のRh含有触媒コート層の最上層の平坦な最上表面の排ガス流入口側末端接線及び前記第2のRh含有触媒コート層の最下層とPd含有触媒コート層との接触面における排ガス流入口側末端接線をそれぞれ四角形の向かい合う一対の辺とした時に形成される面とからなる開き角が60°〜145°になるように調整される、
    前記方法。
  2. 前記第1のRh含有触媒コート層の厚さが、1μm〜70μmであり、前記第2のRh含有触媒コート層の厚さが、1μm〜70μmである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記開き角が80°〜128°になるように調整される、請求項1又は2に記載の方法。
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