JP2006082000A - ディーゼル排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストレートフロー構造のハニカム基材を用いて、粗大粒子を用いることなく、スートの一時捕捉を可能とする。
【解決手段】ストレートフロー構造のハニカム基材に、コート層(21〜25)を3層以上のN層形成し、排ガス上流側より排ガス下流側が20μm以上高いコート層の段差部(26〜29)を、排ガス流れ方向に2箇所以上で最大N−1箇所形成した。
段差部にスートが衝突して一時捕捉されるため、スートと触媒金属との接触確率が高まり、スート浄化性能が向上する。しかもストレートフロー構造であるので、スートが堆積しても圧損の上昇を抑制することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、スートを含むディーゼルエンジンからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に関し、詳しくはストレートフロー構造のディーゼル排ガス浄化用触媒に関する。
ディーゼルエンジンからの排ガス中には、炭素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子、 SOFなどからなるPMが含まれている。このうち炭素微粒子及び SOFなどは、互いに凝集してスートを形成しているために、排ガス浄化用触媒の触媒金属とは固−固接触となる。またこのようなスートは燃焼温度が高く、燃焼時間が長く必要となる。そのため、通常のストレートフロー構造の酸化触媒などではスートはほとんど浄化できない。したがってスートを一旦捕集し、燃焼時間を確保して除去する必要がある。
そこで、ウォールフロー構造のトラップ型の排ガス浄化装置(ディーゼルPMフィルタ(以下 DPFという))が一般に用いられている。この DPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とよりなり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してスートを捕集することで排出を抑制するものである。
しかし DPFでは、スートの堆積によって圧損が上昇するため、何らかの手段で堆積したスートを定期的に除去して再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合にバーナあるいは電気ヒータ等で堆積したスートを燃焼させることで DPFを再生することが行われている。しかしながらこの場合には、スートの堆積量が多いほど燃焼時の温度が上昇し、それによる熱応力で DPFが破損する場合もある。
そこで近年では、 DPFのセル隔壁の表面にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)などの触媒金属を担持した連続再生式 DPFが開発されている。この連続再生式 DPFによれば、捕集されたスートが触媒金属の触媒反応によって酸化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続して燃焼させることで DPFを再生することができる。そして触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少ないうちに燃焼できることから、 DPFに作用する熱応力が小さく破損が防止されるという利点がある。
このような連続再生式 DPFとして、例えば特開平09−173866号公報には、セル隔壁の表面にはセル隔壁の平均細孔径より大きな粒径の活性アルミナよりなる多孔質コート層を形成し、細孔内部にはセル隔壁の平均細孔径より小さな粒径の活性アルミナをコーティングし、さらに触媒金属を担持したものが開示されている。この連続再生式 DPFによれば、コート層の比表面積が増大するため、スートと触媒金属との接触度合いが高まりスート浄化性能が格段に向上する。
しかしながら連続再生式 DPFであっても、ウォールフロー構造である以上、ストレートフロー構造の触媒に比べてスート堆積時の圧損の上昇度合いが大きいため、スートを効率良く捕集でき、かつ圧損の上昇も抑制できるディーゼル排ガス浄化用触媒の開発が望まれている。
そこで特開2003−326162公報には、両端で開口する多数のセル通路をもつストレートフロー構造のハニカム基材のセル壁の少なくとも一部に、粒径が50〜 300μmの粗大粒子を固着させ、セル壁と粗大粒子の表面に触媒層を被覆形成した排ガス浄化用触媒が提案されている。
この触媒によれば、排ガス中のスートは粗大粒子に衝突して流動が妨げられ、停滞して一時捕捉された状態となるので、スートと触媒金属との接触確率が高まり、高いスート浄化性能が発現される。またストレートフロー構造であるので、圧損の上昇も抑制することができる。
しかしながら粗大粒子はセル壁との接触面積が小さく、粗大粒子が脱落しやすいという問題がある。また比表面積が小さいために、その表面に被覆された触媒層が剥離しやすく、剥離した触媒層の分だけ浄化性能が低下するという問題もあった。さらに粗大粒子はスラリー中で沈殿し易く、粗大粒子を触媒全体に均一に分散させるのが困難であり、品質が安定しないという不具合もある。
特開平09−173866 特開2003−326162
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ストレートフロー構造のハニカム基材を用いて、粗大粒子を用いることなく、スートの一時捕捉を可能とすることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のディーゼル排ガス浄化用触媒の特徴は、両端で開口しセル隔壁で区画された多数のセル通路をもつストレートフロー構造のハニカム基材と、酸化物担体に少なくとも触媒金属を担持してなるコート層が3層以上のN層積層されることでセル隔壁の表面に形成された触媒層と、よりなり、触媒層は、排ガス上流側より排ガス下流側が20μm以上高いコート層の段差部を、排ガス流れ方向に2箇所以上で最大N−1箇所備えたことにある。
段差部は、排ガス下流側ほどセル通路の内周側に形成されていることが好ましい。また触媒層の最大厚さは、セル通路の開口径の13%以下であることが望ましい。
本発明のディーゼル排ガス浄化用触媒によれば、コート層の段差部にスートが衝突して一時捕捉されるため、スートと触媒金属との接触確率が高まり、スート浄化性能が向上する。しかもストレートフロー構造であるので、スートが堆積しても圧損の上昇を抑制することができる。さらにコート層どうしは付着性に優れているので、コート層が剥離するような不具合もない。また触媒金属によってスートを酸化浄化するので、熱応力でハニカム基材が破損あるいは溶損することもない。
本発明の排ガス浄化用触媒では、酸化物担体に少なくとも触媒金属を担持してなるコート層が3層以上のN層積層されることで形成された触媒層を備え、触媒層には排ガス上流側より排ガス下流側が20μm以上高いコート層の段差部が形成されている。したがってセル通路の外周部を流れる排ガス中のスートは、段差部に衝突して停滞し、段差部に一時的に捕捉された状態となる。これによりコート層に担持されている触媒金属とスートとの接触確率が高まり、スートは触媒金属によって酸化浄化される。
段差部の段差は20μm以上とする。スートの粒径は20〜50μmの範囲のものが多く、段差部の段差が20μm未満であると段差部を乗り越えるスートが多くなり、触媒金属とスートとの接触確率が低下してしまう。なお段差部の段差が大きくなり過ぎると、その分セル通路の開口面積が狭まり圧損が上昇するので、段差は 150μm以下とすることが望ましく、触媒層の最大厚さはセル通路の開口径の13%以下とすることが望ましい。
段差部は、排ガス流れ方向に2箇所以上で最大N−1箇所形成されている。1箇所では効果がほとんど奏されないので、少なくとも2箇所形成することとした。段差部の数が多ければ多いほどスートの捕捉率が高まる。しかしその分コート層の積層数が多くなるので、圧損の上昇を抑制するために触媒層の最大厚さは上記範囲となるように、かつ段差部の高さが20μm以上となるように調整する。本願発明者らの研究によれば、Nを大きくしてもスートの浄化率が飽和する傾向にあり、圧損の上昇も顕著になるので、Nは10以下とし段差部の数は9以下とすることが望ましい。
段差部は、排ガス下流側ほどセル通路の内周側に形成されていることが望ましい。このように構成することで、前の段差部を乗り越えたスートが後の段差部で捕捉される確率が高まる。また各段差部の形成も容易に行うことができる。なお排ガス流れ方向における段差部の位置は特に制限されず、排ガス入口から出口までの範囲に均一に形成する、排ガス入口側ほど多く形成する、あるいは排ガス出口側ほど多く形成するなど、種々の形態とすることができる。
段差部を形成するには、先ず下層コート層を形成し、下層コート層の排ガス上流側端部から所定距離下流側の位置から上層コート層を形成する。これにより上層コート層の排ガス上流側端面に段差部が形成される。これを順次N回行うことで、N−1箇所に段差部を形成することができる。
しかしながら一般のウオッシュコート法では、上層コート層の形成時にスラリーの濡れ性によって上層コート層の端面と下層コート層の表面とのなす角度が小さくなり、下層コート層から上層コート層が滑らかに連続するため段差が形成されにくい。そこで下層コート層を形成後に、下層コート層の排ガス上流側端部から所定距離下流側の位置までを所定厚さのマスキングで覆った状態で上層コート層を形成することが望ましい。そして上層コート層を形成した後にマスキングを除去すれば、下層コート層の表面から上層コート層の端面が直角に立ち上がった段差部を容易に形成することができる。さらに上層コート層の端面を凹状とすることも可能であり、そのようにすれば段差部におけるスートの捕捉率をさらに向上させることができる。
上記方法におけるマスキング材としては、コートされるスラリーの濡れ性が低いものが望ましく、作業性からは融点が40〜80℃の熱可塑性材料が好ましい。このようなものとしては、例えばパラフィンワックス、牛脂、ひまし硬化油、ステアリンさん、密蝋、カルバナ蝋などが例示される。
ハニカム基材としては、コージェライト、 SiCなどの耐熱性セラミックスから形成されたもの、金属箔製の波板と平板とが交互に積層されたもの、あるいは金属箔製の波板と平板とを重ねて巻回されたものなど、従来の触媒に用いられているストレートフロー構造のものを用いることができる。セル密度、寸法などは、用途に応じて種々選択される。
コート層は、酸化物担体に少なくとも触媒金属を担持してなるものであり、酸化物担体としてはアルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、シリカ、あるいはこれらから選ばれる複数種の複合酸化物などを単種で、あるいは混合して用いることができる。また触媒金属としては、Pt、Rh、Pd、Irなどの白金族貴金属が代表的なものであるが、場合によっては卑金属も併用することができる。NOx 吸蔵材を共存担持してもよい。さらに、排ガス上流側ほど貴金属を高濃度に担持したりすることも好ましい。複数のコート層から触媒層を形成しているので、各コート層において触媒金属の種類や濃度を変更することもきわめて容易である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例のディーゼル排ガス浄化用触媒の斜視図を、図2にその排ガス流入側端面の要部拡大図を、図3にその要部拡大断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、両端で開口しセル隔壁10で区画された多数のセル通路をもつストレートフロー構造で全長 150mmのハニカム基材1と、セル隔壁10の表面に被覆形成された触媒層2とから構成されている。なお図2、図3では、コート層の厚さを誇張している。
触媒層2は、5層のコート層が積層されてなり、排ガス流入側端面からハニカム基材1の全長に形成された第1コート層21と、排ガス流入側端面から30mm内部へ入った位置から排ガス流出側端面までの範囲に形成された第2コート層22と、排ガス流入側端面から60mm内部へ入った位置から排ガス流出側端面までの範囲に形成された第3コート層23と、排ガス流入側端面から90mm内部へ入った位置から排ガス流出側端面までの範囲に形成された第4コート層24と、排ガス流入側端面から 120mm内部へ入った位置から排ガス流出側端面までの範囲に形成された第5コート層25と、から構成されている。各コート層はアルミナ粉末からそれぞれ形成され、Ptがそれぞれ担持されている。
第2コート層22の排ガス上流側端面には第1コート層21から垂直に立ち上がる高さ40μmの第1段差部26が形成され、第3コート層23の排ガス上流側端面には第2コート層22から垂直に立ち上がる高さ40μmの第2段差部27が形成され、第4コート層24の排ガス上流側端面には第3コート層23から垂直に立ち上がる高さ40μmの第3段差部28が形成され、第5コート層25の排ガス上流側端面には第4コート層24から垂直に立ち上がる高さ40μmの第4段差部29が形成されている。
以下、この触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
γ-Al2O3粉末と、アルミナバインダとイオン交換水とを適量ミリングし、スラリーを調製した。次にコージェライト製のハニカム基材1(直径 129mm、長さ 150mm、セル密度 個/in2 )を用意し、排ガス流入側端面から全セル通路内に注入して排ガス流出側端面から吸引する方法でコートし、 250℃で1時間熱処理して、98gの第1コート層21を形成した。第1コート層21のコート量は、ハニカム基材1の1L当たり50gである。
次に、湯煎により溶融したパラフィンワックスを用意し、第1コート層21が形成されたハニカム基材1の排ガス流入側端面から30mm内部までを浸漬して引き上げ、室温まで冷却してパラフィンワックスを固化させることで、第1コート層21の排ガス流入側端面から30mm内部までの表面にマスキングを行った。そして上記と同様にしてスラリーをコートし、 250℃で1時間熱処理した。これによりパラフィンワックスが溶融して流出するとともに、マスキングされていた部分にコートされていた部分が除去され、マスキングされていた部分を除く第1コート層21の表面に78gの第2コート層22が形成された。第2コート層22のコート量は、第1コート層21と同様にハニカム基材1の1L当たり50gである。
続いて、第1コート層21及び第2コート層22が形成されたハニカム基材1の排ガス流入側端面から60mm内部までを溶融したパラフィンワックスに浸漬して引き上げ、室温まで冷却してパラフィンワックスを固化させることで、排ガス流入側端面から60mm内部までの表面にマスキングを行った。そして上記と同様にしてスラリーをコートし、 250℃で1時間熱処理した。これにより59gの第3コート層23が形成された。第3コート層23のコート量は、第1コート層21と同様にハニカム基材1の1L当たり50gである。
続いて、第1コート層21、第2コート層22及び第3コート層23が形成されたハニカム基材1の排ガス流入側端面から90mm内部までを溶融したパラフィンワックスに浸漬して引き上げ、室温まで冷却してパラフィンワックスを固化させることで、排ガス流入側端面から90mm内部までの表面にマスキングを行った。そして上記と同様にしてスラリーをコートし、 250℃で1時間熱処理した。これにより39gの第4コート層24が形成された。第4コート層24のコート量は、第1コート層21と同様にハニカム基材1の1L当たり50gである。
さらに、第1コート層21、第2コート層22、第3コート層23及び第4コート層24が形成されたハニカム基材1の排ガス流入側端面から 120mm内部までを溶融したパラフィンワックスに浸漬して引き上げ、室温まで冷却してパラフィンワックスを固化させることで、排ガス流入側端面から 120mm内部までの表面にマスキングを行った。そして上記と同様にしてスラリーをコートし、 250℃で1時間熱処理した。これにより20gの第5コート層25が形成された。第5コート層25のコート量は、第1コート層21と同様にハニカム基材1の1L当たり50gである。
得られた各コート層が形成されたハニカム基材1を 600℃で1時間熱処理し、各コート層を焼成するとともにパラフィンワックスを焼失させた。その後、Ptとして3.92g含むジニトロジアンミン白金水溶液を各コート層全体に吸水させ、 250℃で熱処理して本実施例の触媒を調製した。Ptの担持量は、触媒1L当たり2gである。
(実施例2)
本実施例の触媒は、触媒層2は3層のコート層が積層されてなり、排ガス流入側端面からハニカム基材1の全長に形成された第1コート層21と、排ガス流入側端面から50mm内部へ入った位置から排ガス流出側端面までの範囲に形成された第2コート層22と、排ガス流入側端面から 100mm内部へ入った位置から排ガス流出側端面までの範囲に形成された第3コート層23と、から構成されていること以外は実施例1と同様である。
第1コート層21は 147g、第2コート層22は98g、第3コート層23は49g、それぞれ形成され、コート量はいずれもハニカム基材1の1L当たり75gである。またPtの担持量は、触媒1L当たり2gである。
第2コート層22の排ガス上流側端面には第1コート層21から垂直に立ち上がる高さ60μmの第1段差部26が形成され、第3コート層23の排ガス上流側端面には第2コート層22から垂直に立ち上がる高さ60μmの第2段差部27が形成されている。
(実施例3)
本実施例の触媒は、触媒層2は10層のコート層が積層されてなり、第2コート層22より排ガス下流側のコート層は一つ下層の上流側端面より15mm排ガス下流側から形成されていること以外は実施例1と同様である。各コート層は表1に示すように形成され、コート量はいずれもハニカム基材1の1L当たり27gである。また各段差部の高さは、それぞれ22μmである。Ptの担持量は、触媒1L当たり2gである。
(比較例1)
本比較例の触媒は、全長に第1コート層21のみを有すること以外は実施例1と同様である。第1コート層21は 294g形成され、コート量はハニカム基材1の1L当たり 150gである。またPtの担持量は、触媒1L当たり2gである。
(比較例2)
本比較例の触媒は、第2コート層22及び第3コート層23の形成時にパラフィンワックスによるマスキングを行わず、スラリーを排ガス流入側端面から50mm及び 100mm入った位置から流出側端面までに付着させたこと以外は実施例2と同様にして製造された。スラリーの濡れ性により、図4に示すように、第2コート層22及び第3コート層23の上流側端面は第1コート層21及び第2コート層22に向かって滑らかに傾斜し、垂直な第1段差部26及び第2段差部27は形成されていない。
(比較例3)
本比較例の触媒は、触媒層2は2層のコート層が積層されてなり、排ガス流入側端面からハニカム基材1の全長に形成された第1コート層21と、排ガス流入側端面から75mm内部へ入った位置から排ガス流出側端面までの範囲に形成された第2コート層22とから構成されていること以外は実施例1と同様である。各コート層は表1に示すように形成され、コート量はいずれもハニカム基材1の1L当たり 100gである。また第1段差部26の高さは、80μmである。Ptの担持量は、触媒1L当たり2gである。
<試験・評価>
各触媒を2L、4気筒のディーゼルエンジンの排気系にそれぞれ装着し、 ECEモードを模擬した評価を行った。そして評価中の触媒前後の排ガスをフィルタでサンプリングし、PM量を測定することでPM浄化率を測定した。段差部の数で区分した結果を5に示す。
Figure 2006082000
図5より、比較例3の触媒は各実施例に比べてスートの浄化性能が劣り、段差の数が1個ではスートの捕集効果がほとんど得られないことが明らかである。また比較例2は、実施例2と比較してPM浄化率が低いことから、段差部を形成することでPM浄化率が向上したことが明らかであり、これは図6に示すように、段差部でスートが捕集された効果によるものである。
そして実施例どうしの比較より、段差部の数が多いほどPM浄化率が高いことが明らかであるが、段差部の数が多くなるにつれてPM浄化率が飽和する傾向が認められることから、本実施例の場合は段差部の数は4から5個程度で十分であると考えられる。
(実施例4〜7、比較例4)
コート量を変更したこと以外は実施例2と同様にして、実施例4〜7及び比較例4の触媒を調製した。それぞれ段差部の数は2個であり、段差部の高さは表2に示すとおりである。なお各触媒とも、2個の段差部の高さは同一である。なお表2に、セル通路の開口径に対する触媒層の最大厚さの割合を各触媒について算出して示している。
Figure 2006082000
<試験・評価>
実施例4〜7及び比較例4の触媒について、上記と同様にしてPM浄化率を測定した。結果を実施例1及び比較例1の触媒の結果と共に図7に示す。
また実施例2、実施例4〜7、比較例1及び比較例4の各触媒について、7m3の空気を室温にて空間速度4200hr-1で流した時の圧損を測定し、比較例1の触媒の圧損に対する差を算出した結果を図8に示す。
図7より、段差部の高さが20μm未満ではスートの捕集効果が奏されないことが明らかである。また図8より、段差部の高さが 150μmでは圧損が高くなるので、本実施例の場合は段差部の高さは 100μm以下とし、セル通路の開口径に対する触媒層の最大厚さの割合を13%以下とするのが望ましいことがわかる。
本発明のディーゼル排ガス浄化用触媒は、ディーゼルエンジンばかりでなく、スートを含む排ガスを排出する機関の排気系に用いることができる。
また本発明の排ガス浄化用触媒は単独で用いてもよいし、その上流側あるいは下流側にDPFや連続再生式 DPF、あるいは酸化触媒、三元触媒、NOx 吸蔵還元触媒、HC吸着材などを配置することも自由に行うことができる。
本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の斜視図である。 本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の排ガス流入側端面の要部拡大正面図である。 本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の要部拡大断面図である。 比較例2の触媒の要部拡大断面図である。 段差部の数とPM浄化率との関係を示すグラフである。 本発明の触媒の作用を示す説明図である。 段差部の高さとPM浄化率との関係を示すグラフである。 段差部の高さと圧損との関係を示すグラフである。
符号の説明
1:ハニカム基材 2:触媒層 21〜25:コート層 26〜29:段差部

Claims (3)

  1. 両端で開口しセル隔壁で区画された多数のセル通路をもつストレートフロー構造のハニカム基材と、酸化物担体に少なくとも触媒金属を担持してなるコート層が3層以上のN層積層されることで該セル隔壁の表面に形成された触媒層と、よりなり、
    該触媒層は、排ガス上流側より排ガス下流側が20μm以上高い該コート層の段差部を、排ガス流れ方向に2箇所以上で最大N−1箇所備えたことを特徴とするディーゼル排ガス浄化用触媒。
  2. 前記段差部は、排ガス下流側ほど前記セル通路の内周側に形成されている請求項1に記載のディーゼル排ガス浄化用触媒。
  3. 前記触媒層の最大厚さは、前記セル通路の開口径の13%以下である請求項1又は請求項2に記載のディーゼル排ガス浄化用触媒。
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