JP2008028316A - 伝送光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の伝送光学系10は、像転写光学系と、光形状等加工手段16を備える。像転写光学系は、光路上の所定の焦点位置を基準点として、基準点の光の像を基準点から所定距離を隔てた投影点に転写する。光形状等加工手段16は、基準点に配置されており、入射する光の形状又は大きさを限定すること及び当該光の拡がり角を変化させることのうち、少なくともいずれかを行なう。光形状等加工手段は、アパーチャ、レンズまたはこれらの組み合わせからなる。
【選択図】図1
Description
この構成により、レーザ光の焦点位置となる像転写の投影点を正確に決定して波長変換素子44をレーザ光の焦点位置に好適に配置することを可能としている。
M1=f2/f1・・・(1)
M2=f1/f2・・・(2)
仮に、第1のレンズ42と第2のレンズ43が同じ焦点距離をもつ場合(すなわち、f1=f2の場合)、基準点から投影点までの間で完全に対称的なビーム軌跡が形成されことになり、投影点では、基準点と同一のビーム径及びビーム拡がり角をもつレーザ光が転写される。
固体レーザ光伝搬装置50は、出射点と入射点との間に配置された互いに焦点距離fの等しい第1のレンズ57と第2のレンズ58とからなる。出射点から焦点距離fだけ離れた位置に第1のレンズ57が配置され、第1のレンズ57から焦点距離fの2倍(2f)だけ離れた位置に第2のレンズ58が配置され、第2のレンズ58から焦点距離fだけ離れた位置に入射点が配置されている。すなわち、上記の出射点は像転写光学系の基準点(焦点位置)であり、上記の入射点は像転写光学系の投影点である。
この構成により、レーザ光の発振出力に応じて熱レンズ効果が変化しても、入射点において、出射点と全く同じビーム径及びビーム拡がり角を正確に転写することを可能としている。
しかし、上記の式(1)、(2)から明らかなように、転写後の像の大きさと拡がり角を独立に制御できない。すなわち、M1、M2のいずれか一方を変化させると、必ず他方も変化するので、M1のみ、あるいはM2のみを独立に変化させることができず、このために、転写後の像の大きさと拡がり角を独立に制御することができないとう問題があった。
像転写光学系における基準点から投影点の間のいずれかの位置に、他のレンズやアパーチャを配置することにより、転写後の像の大きさと拡がり角を独立に制御することも考えられるが、この場合、厳密な像転写光学系ではなくなってしまうことから、転写先に形状や伝搬特性を再現できなくなるという問題がある。
(1)すなわち、本発明は、光を伝送する伝送光学系であって、光路上の所定の焦点位置を基準点として、該基準点の光の像を該基準点から所定距離を隔てた投影点に転写する像転写光学系と、前記基準点に配置され、入射する光の形状又は大きさを限定すること及び当該光の拡がり角を変化させることのうち、少なくともいずれかを行なう光形状等加工手段と、を備えることを特徴とする。
また、転写後の像の大きさや拡がり角については、像転写光学系を構成する各レンズの焦点距離の比率の調整により一方を制御し、光形状等加工手段により他方を制御することにより、大きさと拡がり角をそれぞれ独立に制御することができる。
従来、同一の装置において像転写光学系の各レンズの焦点距離の比率の調整により転写後の像の大きさや拡がりを調整する場合、像転写光学系全体を移動させる必要があり、大型の装置では移動機構も大掛かりな構成となる。本発明によれば、アパーチャや拡がり角加工用レンズを交換することにより、転写後の像の大きさや拡がり角を変化させることができるので、像転写光学系を移動させることなく、転写後の像の大きさや拡がりをそれぞれ独立に制御できる。
したがって、上記(4)と同様に、像転写光学系を移動させることなく、転写後の像の大きさや拡がりをそれぞれ独立に制御できる。
本発明によれば、レーザ光のうち波長変換素子にダメージを与える恐れのある半径方向外側のエネルギー分布が局部的に高い部分をアパーチャにより予め除去しておくことで、波長変換素子へのダメージを防止でき寿命を延ばすことができる。
本発明をこのような技術に適用すれば、レーザ光の加工により、入射条件を正確に決めることができる。したがって、レーザ媒質へのレーザ光の入射条件を最適化することができる。
図1に示すように、この伝送光学系10は、像転写光学系12と、光形状等加工手段16とを備えている。
像転写光学系12は、光路上の所定の焦点位置を基準点として、この基準点の光の像を基準点から所定距離を隔てた投影点に転写するものである。本実施形態において、像転写光学系12は、焦点距離f1をもつ第1のレンズ13と、焦点距離f2をもつ第2のレンズ14を備えている。
したがって、伝送光学系10の配置は図1に示したもの限られず、図2に示した条件に基づいて配置を決定してもよい。後述する各実施形態においても同様である。
また、転写後の像の大きさや拡がり角については、像転写光学系12を構成する各レンズの焦点距離の比率の調整により一方を制御し、光形状等加工手段16により他方を制御することにより、大きさと拡がり角をそれぞれ独立に制御することができる。
次に、本発明の適用例として、第1実施形態にかかる伝送光学系について説明する。図3は、第1実施形態にかかる伝送光学系10Aの構成図である。第1のレンズ13、第2のレンズ14、基準点、投影点の位置関係は、図1と同様である。
この実施形態は、レーザ発振器内の光路上に配置された伝送光学系を想定したものであり、図示しないレーザ媒質から出射されたレーザ光の波長を変換するために、光路上にSHG結晶などの波長変換素子20が配置されている。波長変換素子20は、変換効率を好適にするためにレーザ光の焦点位置に配置することが好ましいため、基準点におけるレーザ光を像転写光学系12により投影点に転写し、投影点に波長変換素子20を配置している。
このようなアパーチャ18により、基準点におけるレーザ光の形状又は大きさを限定することができるので、転写後の拡がり角については像転写光学系12の各レンズの焦点距離の比率の調整により制御し、転写後の大きさについては、アパーチャ18の開口径の大きさの設定により制御することができる。
本実施形態によれば、レーザ光のうち波長変換素子にダメージを与える恐れのある半径方向外側のエネルギー分布が局部的に高い部分をアパーチャ18により予め除去しておくことで、波長変換素子へのダメージを防止でき寿命を延ばすことができる。
次に、本発明の適用例として、第2実施形態にかかる伝送光学系について説明する。図4は、第2実施形態にかかる伝送光学系10Bの構成図である。第1のレンズ13、第2のレンズ14、基準点、投影点の位置関係は、図1と同様である。
この実施形態は、レーザ発振装置の光路上に配置された伝送光学系を想定したものであり、図示しない固体レーザ発振器から出射されたレーザ光を、励起源24により励起状態とした固体レーザ媒質26を通すことにより、光のエネルギーを増幅し、これにより高出力のレーザ光が得られるように構成されている。
そして、固体レーザ媒質26に所要のビーム拡がり角でレーザ光を入射させるために、基準点におけるレーザ光を像転写光学系12により投影点に転写し、この投影点の出射側にレーザ媒質26を配置している。
このような拡がり角加工用レンズ22により、基準点におけるレーザ光の拡がり角を変化させることができるので、転写後の像の大きさについては像転写光学系12の各レンズの焦点距離の比率の調整により制御し、転写後の拡がり角については、拡がり角加工用レンズ22の設定により制御することができる。
本発明をこのような技術に適用すれば、レーザ光の加工により、入射条件を正確に決めることができる。したがって、レーザ媒質へのレーザ光の入射条件を最適化することができる。
次に、本発明の適用例として、第3実施形態にかかる伝送光学系について説明する。図5は、第3実施形態にかかる伝送光学系10Cの構成図である。第1のレンズ13、第2のレンズ14、基準点、投影点の位置関係は、図1と同様である。
この第3実施形態において、光形状等加工手段16は、入射するレーザ光をその一部を遮蔽して形状又は大きさを限定して通過させるアパーチャ18と、入射するレーザ光をその拡がり角を変化させて通過させる拡がり角加工用レンズ22とが光路上に近接配置されたものである。本実施形態において、アパーチャ18と拡がり角加工用レンズ22は、レーザ光の進行方向に、この順で配置されているが、逆の配置であってもよい。光形状等加工手段16以外の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
従来、同一の装置において像転写光学系12の各レンズの焦点距離の比率の調整により転写後の像の大きさや拡がりを調整する場合、像転写光学系12全体を移動させる必要があり、大型の装置では移動機構も大掛かりな構成となる。本発明によれば、アパーチャ18や拡がり角加工用レンズ22を交換することにより、転写後の像の大きさや拡がり角を変化させることができるので、像転写光学系12を移動させることなく、転写後の像の大きさや拡がり角をそれぞれ独立に制御できる。
次に、本発明の適用例として、第4実施形態にかかる伝送光学系について説明する。図6は、第4実施形態にかかる伝送光学系10Dの構成図である。図6に示すように、この伝送光学系は、第1の像転写光学系12と、第2の像転写光学系28と、アパーチャ18と、拡がり角加工用レンズ22とを備えている。
第1の像転写光学系12は、光路上の所定の焦点位置を基準点として、この基準点のレーザ光の像を基準点から所定距離を隔てた中間投影点に転写するものである。本実施形態において、第1の像転写光学系12は、焦点距離f1をもつ第1のレンズ13と、焦点距離f2をもつ第2のレンズ14を備えている。
第2の像転写光学系28は、中間投影点のレーザ光の像を中間投影点から所定距離を隔てた投影点に転写するものである。本実施形態において、第2の像転写光学系28は、焦点距離f3をもつ第3のレンズ29と、焦点距離f4をもつ第4のレンズ30を備えている。
すなわち、基準点から距離f1を隔てた位置に第1のレンズ13を配置し、第1のレンズ13から距離f1と距離f2の合計距離(f1+f2)を隔てた位置に第2のレンズ14を配置し、第2のレンズ14から距離f2を隔てた位置に中間投影点を決定している。また、中間投影点から距離f3を隔てた位置に第3のレンズ29を配置し、第3のレンズ29から距離f3と距離f4の合計距離(f3+f4)を隔てた位置に第4のレンズ30を配置し、第4のレンズ30から距離f4を隔てた位置に投影点を決定している。
そして、固体レーザ媒質26に所要のビーム拡がり角でレーザ光を入射させるために、基準点におけるレーザ光を第1の像転写光学系12により中間投影点に転写し、さらに、中間投影点におけるレーザ光を第2の像転写光学系28により投影点に転写し、この投影点の出射側にレーザ媒質26を配置している。
拡がり角加工用レンズ22は、入射する光をその拡がり角を変化させて通過させるものである。本実施形態において、拡がり角加工用レンズ22は、中間投影点に配置されている。
なお、上記の構成とは逆に、アパーチャ18を中間投影点に配置し、拡がり角加工用レンズ22を基準点に配置してもよい。
したがって、上述した第3実施形態と同様に、像転写光学系12を移動させることなく、転写後の像の大きさや拡がりをそれぞれ独立に制御できる。
12 (第1の)像転写光学系
16 光形状等加工手段
20 波長変換素子
26 レーザ媒質
28 第2の像転写光学系
Claims (7)
- 光を伝送する伝送光学系であって、
光路上の所定の焦点位置を基準点として、該基準点の光の像を該基準点から所定距離を隔てた投影点に転写する像転写光学系と、
前記基準点に配置され、入射する光の形状又は大きさを限定すること及び当該光の拡がり角を変化させることのうち、少なくともいずれかを行なう光形状等加工手段と、
を備えることを特徴とする伝送光学系。 - 前記光形状等加工手段は、入射する光を、その一部を遮蔽して形状又は大きさを限定して通過させるアパーチャである、ことを特徴とする請求項1に記載の伝送光学系。
- 前記光形状等加工手段は、入射する光を、その拡がり角を変化させて通過させる拡がり角加工用レンズである、ことを特徴とする請求項1に記載の伝送光学系。
- 前記光形状等加工手段は、入射する光をその一部を遮蔽して形状又は大きさを限定して通過させるアパーチャと、入射する光をその拡がり角を変化させて通過させる拡がり角加工用レンズとが光路上に近接配置されたものである、ことを特徴とする請求項1に記載の伝送光学系。
- 光を伝送する伝送光学系であって、
光路上の所定の焦点位置を基準点として、該基準点の光の像を該基準点から所定距離を隔てた中間投影点に転写する第1の像転写光学系と、
前記中間投影点の光の像を該中間投影点から所定距離を隔てた投影点に転写する第2の像転写光学系と、
前記基準点及び前記中間投影点の一方に配置され、入射する光をその一部を遮蔽して形状又は大きさを限定して通過させるアパーチャと、
前記基準点及び前記中間投影点の他方に配置され、入射する光をその拡がり角を変化させて通過させる拡がり角加工用レンズと、
を備えることを特徴とする伝送光学系。 - 前記光はレーザ光であり、前記投影点に波長変換素子が配置されている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の伝送光学系。
- 前記光はレーザ光であり、前記投影点の出射側にレーザ媒質が配置されている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の伝送光学系。
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