JP3655086B2 - アフォーカル結像光学系及びレーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビーム空間強度分布の高品質を保ってレーザビームを伝送するアフォーカル結像光学系及びこれを適用して多段増幅を行うレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5はアフォーカル結像光学系の構成図である。
このアフォーカル結像光学系は、2枚の球面レンズ1、2を配置したもので、一方の球面レンズ1が入射側レンズ、他方の球面レンズ2が出射側レンズである。このうち入射側の球面レンズ1の焦点面3には、円形開口より成る空間フィルタ4が配置されている。
【0003】
このような構成であれば、2枚の球面レンズ1、2は、物体面Oにおけるレーザビーム像5の径φinを、これら球面レンズ1、2による倍率Mにより口径変換し、レーザビーム像の径φout として結像面Iに転送する。
【0004】
このとき、空間フィルタ4は、入射されたレーザビーム像5に存在する高空間周波数の変調成分を低減する。
これにより、レーザビーム伝搬時に生じる回折の影響に起因するビームブレークアップを抑制し、これと同時にビーム強度分布の平坦化を実現し、高ビーム品質のレーザビームを発生できる。
【0005】
ここで、このような高ビーム品質のレーザビームを発生するためには、2枚の球面レンズ1、2の各焦点距離をf1 、f2 としたとき、物体面Oと結像面Iとの距離Lを次式が満足するようにする必要がある。
【0006】
L=(1−M2 )・f1 +(1−M)2 ・a …(1)
M=−f2 /f1 …(2)
なお、aは物体側の作動距離である。
【0007】
2枚の球面レンズ1、2のレンズ間隔は、アフォーカル条件によりf1 +f2 であり、結像面側の作動距離bは、
b=(1−M)・f2 −M2 ・a …(3)
となる。
【0008】
しかしながら、このようなアフォーカル結像光学系を高出力のレーザビームに適用すると、焦点面3でのエネルギー密度が過大となり、しばしば空間フィルタ4に損失が生じることがある。
【0009】
このような空間フィルタ4の損失を避ける手段として、レーザビーム像5をシリンドリカルレンズのようなアナモルフィックに光学系によりラインフォーカスすることが行われている。
【0010】
図6はかかるシリンドリカルレンズを用いたアフォーカル結像光学系の構成図である。
このアフォーカル結像光学系は、2枚のシリンドリカルレンズ6、7を配置し、このうち入射側のシリンドリカルレンズ6の焦点面8には、スリット状の有限開口より成る空間フィルタ9が配置されている。
【0011】
このような構成であれば、2枚のシリンドリカルレンズ6、7は、物体面Oにおけるレーザビーム像5を焦点面8において線状にラインフォーカスし、空間フィルタ9を通過し、再び円形に戻して倍率Mにより口径変換して結像面Iに転送する。
【0012】
このような構成であれば、焦点面8におけるエネルギー密度は、球面レンズ1、2により集光した場合と比較して大幅に低減されるので、空間フィルタ9の耐久性を高くできる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2枚のシリンドリカルレンズ6、7を用いた場合、その結像条件は、これらレンズ6、7の作用する方向にのみ成立するため、この方向と垂直な断面方向では、回折によるビームブレークアップが生じる。
【0014】
又、空間フィルタ9が作用するのも、レーザビーム像5の一断面方向のみに限定される。
そこで本発明は、高出力レーザビームに対する空間フィルタの耐久性を高め、かつ回折によるビームブレークアップの抑制を図ることができるアフォーカル結像光学系を提供することを目的とする。
【0015】
又、本発明は、高出力レーザビームに対する空間フィルタの耐久性を高め、かつ回折によるビームブレークアップの抑制を図ることができるアフォーカル結像光学系を用いてレーザビームを伝送し、高品質のレーザビームを出力できるレーザ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、物体面におけるビーム像を所定の倍率により結像面に結像するアフォーカル結像光学系において、
ビーム像の一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の物体面と結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、
この光学レンズ系における一断面方向と他の断面方向との各焦点面上にそれぞれ配置され、ビーム像中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタと、
を備えて上記目的を達成しようとするアフォーカル結像光学系である。
【0017】
このような構成であれば、ビーム像の一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の物体面と結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系を配置し、これら一断面方向と他の断面方向との各焦点面上にそれぞれ空間フィルタを配置することにより、ビーム像の一断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻り、これと同時にビーム像の他の断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻され、このビーム像が結像面に結像される。
【0018】
従って、高出力レーザビームに対する空間フィルタの耐久性が高めれ、かつ回折によるビームブレークアップが抑制される。
請求項2によれば、光学レンズ系は、ビーム像の一断面方向に対して結像条件を満足する如く配置された第1のシリンドリカルレンズ対と、
ビーム像の他の断面方向に対して結像条件を満足する如く配置された第2のシリンドリカルレンズ対と、
を配置している。
【0019】
このような構成であれば、第1のシリンドリカルレンズ対によりビーム像の一断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻り、これと同時に第2のシリンドリカルレンズ対によりビーム像の他の断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻される。
【0020】
請求項3によれば、光学レンズ系は、一断面方向に作用する第1のシリンドリカルレンズ対の各焦点距離をf1 ,f2 、他の断面方向に作用する第2のシリンドリカルレンズ対の各焦点距離をf1',f2'、物体側の第1及び第2のシリンドリカルレンズ対に対する各作動距離をa、a´とした場合、物体面と結像面との距離L、
を満足するように第1及び第2のシリンドリカルレンズ対を配置している。
【0021】
このような構成であれば、第1のシリンドリカルレンズ対の焦点距離をf1 ,f2 、第2のシリンドリカルレンズ対の焦点距離をf1',f2'、物体側の第1及び第2のシリンドリカルレンズ対に対する各作動距離をa、a´とした場合、物体面と結像面との距離Lを、
を満足するように第1及び第2のシリンドリカルレンズ対を配置することにより、それぞれの結像条件が満たされる。
【0022】
請求項4によれば、各空間フィルタは、光学レンズ系による一断面方向と他の断面方向の各焦点面上に沿って配置されたスリット状の各有限開口である。このような構成であれば、スリット状の有限開口から成る空間フィルタを一断面方向と他の断面方向との各焦点面上に沿って配置し、一断面方向と他の断面方向とにおけるビーム像中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する。
【0023】
請求項5によれば、少なくともレーザ発振器から出力されるレーザビーム光路上にアフォーカル結像光学系を配置したレーザ装置において、
このアフォーカル結像光学系は、レーザビームの一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の物体面と結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、この光学レンズ系における一断面方向と他の断面方向との各焦点面上に配置され、レーサビーム中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタと、により形成して上記目的を達成しようとするレーザ装置である。
【0024】
このような構成であれば、レーザ発振器から出力されたレーザビームは、アフォーカル結像光学系に入射し、ここで、レーサビームの一断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻り、これと同時にレーザビームの他の断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻されて出射される。
【0025】
請求項6によれば、レーザ発振器から出力されたレーザビームをレーザ増幅器により増幅出力するレーザ装置において、
少なくともレーザ発振器から出力されたレーザビームをレーザ増幅器に伝送するアフォーカル結像光学系を備え、
このアフォーカル結像光学系は、レーザビームの一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の物体面と結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、この光学レンズ系における一断面方向と他の断面方向との各焦点面上に配置され、レーサビーム中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタと、により形成により形成して上記目的を達成しようとするレーザ装置である。
【0026】
このような構成であれば、レーザ発振器から出力されたレーザビームは、アフォーカル結像光学系に入射し、ここで、レーサビームの一断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻り、これと同時にレーザビームの他の断面方向に対してラインフォーカスされて空間フィルタを通過し再び円形のビーム像に戻され、この出射されたレーサビームがレーザ増幅器に伝送されて増幅出力される。
【0027】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はアフォーカル結像光学系の構成図である。
このアフォーカル結像光学系には、4枚のシリンドリカルレンズ10、11、12、13が同一光軸上に配置されている。
【0028】
このうち第1のシリンドリカルレンズ対10、11は、レーザビーム像5の一断面方向(以下、縦方向と称する)に対して作用するようにシリンドリカル面を配置している。
【0029】
第2のシリンドリカルレンズ対12、13は、レーザビーム像5の一断面方向に対して垂直方向の他の断面方向(以下、横方向と称する)に対して作用するようにシリンドリカル面を配置している。
【0030】
これら第1及び第2のシリンドリカルレンズ対10、11及び12、13は、それぞれアフォーカルの結像条件を満足する如く配置されている。
すなわち、第1のシリンドリカルレンズ対10、11の各焦点距離をf1 ,f2 、第2のシリンドリカルレンズ対12、13の各焦点距離をf1',f2'、物体側の第1及び第2のシリンドリカルレンズ対に対する各作動距離をa、a´とした場合、物体面Oと結像面Iとの距離L、
を満足するように第1及び第2のシリンドリカルレンズ対10、11及び12、13は配置されている。
【0031】
これにより、縦及び横方向共に同一の物体面O、結像面Iに対して結像条件が成立する。
具体的な一例を挙げると、図2に示すように第1のシリンドリカルレンズ対10、11の各レンズの焦点距離f1 、f2 を450mm、360mm、第2のシリンドリカルレンズ対12、13の各レンズの焦点距離f1'、f2'を437mm、350mmとし、第1及び第2のシリンドリカルレンズ対に対する各作動距離a、a´を400mm、520mm、縦横方向の各結像倍率M、M´を共に0.8倍とすると、物体面Oと結像面Iとの距離Lは、1602mmとなる。
【0032】
又、第1のシリンドリカルレンズ対10、11の入射側のレンズ10の焦点面14には第1の空間フィルタ15が配置され、第2のシリンドリカルレンズ対12、13の入射側のレンズ12の焦点面16には第2の空間フィルタ17が配置されている。
【0033】
これら第1及び第2の空間フィルタ15、16は、それぞれスリット状の有限開口に形成されており、そのスリット幅は500μmに形成され、回折限界集光径の約5倍となっている。
【0034】
このうち第1の空間フィルタ15は、第1のシリンドリカルレンズ対10、11による縦方向のラインフォーカスに対してスリットを平行になるように配置されている。
【0035】
第2の空間フィルタ17は、第2のシリンドリカルレンズ対12、13による横方向のラインフォーカスに対してスリットを平行になるように配置されている。
【0036】
次に上記の如く構成されたアフォーカル結像光学系の作用について図3に示す模式図を参照して説明する。
第1のシリンドリカルレンズ対10、11は、物体面Oにおけるレーザビーム像5を焦点距離f1 の焦点面14において縦方向のラインフォーカスとし、空間フィルタ15においてビーム縦方向の変調成分を低減し、再び円形に戻して倍率Mにより口径変換して結像面Iに転送する。
【0037】
これと共に、第2のシリンドリカルレンズ対12、13は、物体面Oにおけるレーザビーム像5を焦点距離f1'の焦点面16において横方向のラインフォーカスとし、空間フィルタ17においてビーム横方向の変調成分を低減し、再び円形に戻して倍率Mにより口径変換して結像面Iに転送する。
【0038】
このように上記第1の実施の形態においては、第1のシリンドリカルレンズ対10、11をレーザビーム像5の縦方向に対して結像条件を満足する如く配置し、第2のシリンドリカルレンズ対12、13をレーザビーム像5の横方向に対して結像条件を満足する如く配置し、かつこれらレンズ対の各焦点面14、16にそれぞれスリット状の空間フィルタ15、17を配置したので、レーザビームの縦横方向の各変調成分が低減され、出射されるレーザビーム像の空間強度分布を平坦化できる。
【0039】
又、各空間フィルタ15、17上で縦横方向共にそれぞれラインフォーカスが形成されるので、エネルギー密度は球面レンズを用いた場合よりも大幅に低減でき、各空間フィルタ15、17の耐久性を向上できる。
【0040】
さらに、縦横方向共に同一の物体面O、結像面Iに対して結像条件が成立しているので、縦横方向においてそれぞれ回折によるビームブレークアップが抑制できる。
(2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0041】
図4はアフォーカル結像光学系を適用したYAGレーザ装置の構成図である。
YAGレーザ発振器20から出力されるレーザビームの光路上には、1台の増幅器21が配置されている。これらYAGレーザ発振器20及び増幅器21は、それぞれコントローラ22、23によりYAGレーザ媒質を励起するフラッシュランプを点灯して発振制御されるものとなっている。
【0042】
主コントローラ24は、これらYAGレーザ発振器20及び増幅器21の発振タイミングを制御するタイミング制御信号を各コントローラ22、23に送出する機能を有している。
【0043】
YAGレーザ発振器20と増幅器21との間のレーザビーム光路上、及び増幅器21の出力光路上には、それぞれ各アフォーカル結像光学系25、26が配置されている。
【0044】
これらアフォーカル結像光学系25、26は、それぞれ図1に示すアフォーカル結像光学系と同一構成となっている。すなわち、4枚のシリンドリカルレンズ10、11、12、13が同一光軸上に配置され、このうち第1のシリンドリカルレンズ対10、11が、YAGのレーザビームの縦方向に対して作用するようにシリンドリカル面を配置し、かつ第2のシリンドリカルレンズ対12、13が、YAGのレーザビームの横方向に対して作用するようにシリンドリカル面を配置している。
【0045】
これら第1及び第2のシリンドリカルレンズ対10、11及び12、13は、それぞれ上記式(4) 及び(5) のアフォーカルの結像条件を満足する如く配置されている。
【0046】
このような構成であれば、YAGレーザ発振器20からレーザビームが出力されると、このレーザビームはアフォーカル結像光学系25により伝送されて増幅器21に入射する。
【0047】
このとき、アフォーカル結像光学系25は、第1のシリンドリカルレンズ対10、11によりレーザビームを縦方向のラインフォーカスとし、空間フィルタ15においてビーム縦方向の変調成分を低減し、再び円形に戻して倍率Mにより口径変換して転送し、これと共に第2のシリンドリカルレンズ対12、13によりレーザビームを横方向のラインフォーカスとし、空間フィルタ17においてビーム横方向の変調成分を低減し、再び円形に戻して倍率Mにより口径変換して転送する。
【0048】
このようにして伝送されたYAGのレーザビームは、増幅器21において増幅出力され、この後、アフォーカル結像光学系26により所望の空間に伝送される。なお、アフォーカル結像光学系26の作用は、アフォーカル結像光学系25と同様である。
【0049】
このように上記第2の実施の形態においては、YAGレーザ装置にアフォーカル結像光学系25、26を適用したので、YAGレーザ発振器20から出力されたレーザビームの空間強度分布を平坦化しかつ回折によるビームブレークアップを抑制して増幅器21に伝送でき、さらに増幅器21から増幅出力されたレーザビームの空間強度分布を平坦化しかつ回折によるビームブレークアップを抑制し、高品質のYAGレーザを所望の空間に伝送できる。
【0050】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよい。
例えば、アフォーカル結像光学系を適用するレーザ装置は、YAGレーザ装置に限らず、CO2 、エキシマ等の気体レーザ装置、色素レーザ等の液体レーザ装置に適用してもよい。
【0051】
又、多段増幅のレーザ装置における各増幅器間にそれぞれアフォーカル結像光学系を配置し、高品質のレーザビームを所望の空間に伝送するようにしてもよい。
【0052】
さらに、多段増幅のレーザ装置に限らず、YAGレーザ発振器20から出力されるレーザビーム光路上にアフォーカル結像光学系を配置し、YAGレーザ発振器20から出力されたレーザビームの空間強度分布を平坦化しかつ回折によるビームブレークアップを抑制し、高品質のYAGレーザとして所望の空間に伝送するに適用してもよい。
又、レーザ装置の適用に限らず、各種ビーム像の伝送にも適用できる。
【0053】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、ビーム像の一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の物体面と結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、この光学レンズ系における一断面方向と他の断面方向との各焦点面上にそれぞれ配置され、ビーム像中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタとを備えたことによって、高出力レーザビームに対する空間フィルタの耐久性を高め、かつ回折によるビームブレークアップの抑制を図ることができるアフォーカル結像光学系を提供できる。
【0054】
又、本発明は、レーザビームの一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の物体面と結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、この光学レンズ系における一断面方向と他の断面方向との各焦点面上に配置され、レーサビーム中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタとによりアフォーカル結像光学系を形成したことによって、高出力レーザビームに対する空間フィルタの耐久性を高め、かつ回折によるビームブレークアップの抑制を図ることができるアフォーカル結像光学系を用いてレーザビームを伝送し、高品質のレーザビームを出力できるレーザ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1の実施の形態のアフォーカル結像光学系の構成図。
【図2】アフォーカル結像光学系の具体的な配置の一例を示す図。
【図3】アフォーカル結像光学系の作用を示す模式図。
【図4】アフォーカル結像光学系を適用したYAGレーザ装置の構成図。
【図5】従来の球面レンズを用いたアフォーカル結像光学系の構成図。
【図6】従来のシリンドリカルレンズを用いたアフォーカル結像光学系の構成図。
【符号の説明】
5…レーザビーム、
10,11…第1のシリンドリカルレンズ対、
12,13…第2のシリンドリカルレンズ対、
15…第1の空間フィルタ、
17…第2の空間フィルタ、
20…YAGレーザ発振器、
21…増幅器、
22,23…コントローラ、
24…主コントローラ、
25,26…アフォーカル結像光学系。
Claims (6)
- 物体面におけるビーム像を所定の倍率により結像面に結像するアフォーカル結像光学系において、
前記ビーム像の一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の前記物体面と前記結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、
この光学レンズ系における前記一断面方向と前記他の断面方向との各焦点面上にそれぞれ配置され、前記ビーム像中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタと、
を具備したことを特徴とするアフォーカル結像光学系。 - 前記光学レンズ系は、前記ビーム像の前記一断面方向に対して前記結像条件を満足する如く配置された第1のシリンドリカルレンズ対と、
前記ビーム像の前記他の断面方向に対して前記結像条件を満足する如く配置された第2のシリンドリカルレンズ対と、
を配置したことを特徴とする請求項1記載のアフォーカル結像光学系。 - 前記光学レンズ系は、前記一断面方向に作用する前記第1のシリンドリカルレンズ対の各焦点距離をf1 ,f2 、前記他の断面方向に作用する第2のシリンドリカルレンズ対の各焦点距離をf1',f2'、前記物体側の前記第1及び前記第2のシリンドリカルレンズ対に対する各作動距離をa、a´とした場合、前記物体面と前記結像面との距離L、
L=(1−M2 )a+(1−M)2 ・f1
=(1−M´2 )a´+(1−M´)2 ・f1'
但し、M=−f2 /f1 、M´=−f2'/f1'
を満足するように前記第1及び前記第2のシリンドリカルレンズ対を配置することを特徴とする請求項2記載のアフォーカル結像光学系。 - 前記各空間フィルタは、前記光学レンズ系による前記一断面方向と前記他の断面方向の前記各焦点面上に沿って配置されたスリット状の各有限開口であることを特徴とする請求項1記載のアフォーカル結像光学系。
- 少なくともレーザ発振器から出力されるレーザビーム光路上にアフォーカル結像光学系を配置したレーザ装置において、
前記アフォーカル結像光学系は、前記レーザビームの一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の前記物体面と前記結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、この光学レンズ系における前記一断面方向と前記他の断面方向との各焦点面上に配置され、前記レーサビーム中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタと、により形成したことを特徴とするレーザ装置。 - レーザ発振器から出力されたレーザビームをレーザ増幅器により増幅出力するレーザ装置において、
少なくとも前記レーザ発振器から出力された前記レーザビームを前記レーザ増幅器に伝送するアフォーカル結像光学系を備え、
このアフォーカル結像光学系は、前記レーザビームの一断面方向とこの断面方向に対して垂直な他の断面方向とに対してそれぞれ独立に同一の前記物体面と前記結像面とに対して各結像条件を満足し、かつ同一光軸上で少なくとも一部を重複させて配置された各レンズ対を有する光学レンズ系と、この光学レンズ系における前記一断面方向と前記他の断面方向との各焦点面上に配置され、前記レーサビーム中に存在する高空間周波数の変調成分を低減する各空間フィルタと、により形成したことを特徴とするレーザ装置。
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