JP2002252398A - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JP2002252398A
JP2002252398A JP2001048748A JP2001048748A JP2002252398A JP 2002252398 A JP2002252398 A JP 2002252398A JP 2001048748 A JP2001048748 A JP 2001048748A JP 2001048748 A JP2001048748 A JP 2001048748A JP 2002252398 A JP2002252398 A JP 2002252398A
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laser
prism
optical axis
laser beam
mountain
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Kazuaki Sajiki
一明 桟敷
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光の強度分布を、所望する分布形状に
効率良く変換することの可能なレーザ装置を提供する。 【解決手段】レーザ媒質を挟んで互いに対向して配置さ
れた、レーザ光(11)を部分反射する部分反射光学部品
(6)、及びレーザ光(11)を全反射する全反射光学部品(3
6)を備えたレーザ装置において、前記全反射光学部品(3
6)が、互いに直交する反射面(19A,19B)を備えた直角プ
リズム(42,43)を、底面(37A,37B)が互いに直交するよう
に2個組み合わせた形状を有する山型プリズム(36)であ
ることを特徴とするレーザ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ装置に関し、
より詳細には、レーザ装置から発振するレーザ光の強度
分布を均一化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ装置のリアミラーを頂
角が90度の円錐ミラーとすることによって、レーザ光
の強度分布をレーザ光軸に対して対称化する技術が知ら
れており、例えば特開平7−106669号公報に示さ
れている。以下、これを第1従来技術と呼ぶ。図20
は、同公報に開示されたレーザ装置101を表してお
り、以下図20に基づいて第1従来技術を説明する。レ
ーザ装置101は、レーザ媒質113の前方に、レーザ
光111を部分反射するフロントミラー106を備えて
いる。また、レーザ媒質113の後方には、内面が円錐
形状をした円錐ミラー119が配置されている。レーザ
媒質を図示しない手段により励起することによって発生
したレーザ光111は、円錐ミラー119の内面で2度
反射されることで、往路と復路とでレーザ光軸110に
対して対称な光路を通過する。これにより、レーザ光軸
110に対して非対称な増幅率(ゲイン)の分布を相殺
し、レーザ光軸110に対して対称なレーザ光111の
強度分布を得ている。
【0003】また、特許第2964202号公報、或い
は第53回(1992年)秋期応用物理学会学術講演会の講
演予稿集(第3分冊877頁17a-SS-4)「共振器内のプリ
ズムによるレーザビーム強度分布の均一化」には、図2
1に示すように、レーザ媒質113とリアミラー108
との間にプリズム120を配置する技術が開示されてい
る。これにより、レーザ光111の通過する光路を、往
路と復路とで変更し、強度分布を均一化させる。以下、
これを第2従来技術と言う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、第1
従来技術においては、円錐ミラー119をリアミラーと
して用いている。このとき、円錐内面に全反射膜を施さ
ない場合には、円錐内面でレーザ光111が反射するた
びに、数%の損失が生じる。レーザ光111は円錐ミラ
ー内面で2回反射するため、10%近い損失が生じて、
レーザ光111の出力低下を招くことになる。
【0005】この出力低下を防ぐために、円錐内面に全
反射膜をコーティングするという技術も知られている
が、このような全反射膜を円錐内面のような曲面に対し
て均一にコーティングすることは、困難が伴う。その結
果、コーティングの不均一が生じ、そこにレーザ光11
1が集中して全反射膜が汚損されて反射率が低下し、甚
だしきは円錐ミラーが破損することがある。さらに、特
にレーザ光111が紫外線であるような場合には、全反
射膜が紫外線の長時間の照射によって劣化することがあ
る。さらに全反射膜は、紫外線によって酸素から発生す
るオゾンによっても汚損される。従って、第1従来技術
をエキシマレーザ装置やフッ素レーザ装置のような紫外
線レーザ装置に用いるのは困難である。
【0006】また、第2従来技術については、前記予稿
集にも記載があるように、プリズム120の挿入によっ
てレーザ出力が約10%低下するという問題がある。こ
の原因としては、プリズム120を共振器内部に挿入し
たためにリアミラー108が後方に押しやられ、共振器
長が長くなったことによって生まれる損失がある。さら
に、プリズム120の表面における反射損失や、リアミ
ラー108の表面での反射損失も、出力低下の原因とな
っている。
【0007】また、ミラー106,108及びプリズム
120のすべてを、レーザ媒質に対して正しく位置合わ
せ(アライメント)しなければならず、アライメントの
手間が煩雑になる。さらに、上のような方法ではレーザ
光111の強度分布を、例えば均一化することは可能で
あっても、加工に好適な任意の強度分布にすることは困
難である。
【0008】また、目的は異なるが、リアミラー108
における反射損失を低減するために、共振器の最後段に
全反射プリズムを用いるという技術が、特開平11−3
66947号公報に開示されている。以下、これを第3
従来技術と言う。図22に、第3従来技術に係るフッ素
レーザ装置の構成例を示す。図22において、フッ素レ
ーザ装置121は、フッ素ガスを含むレーザガスを封入
したレーザチャンバ102を備えている。レーザチャン
バ102の両端部にはウィンドウ107,109が固定
されている。また、レーザチャンバ102の後方には、
フッ素レーザ光112をシングルライン化する分散プリ
ズム118と、フッ素レーザ光112を全反射する直角
プリズム125とが配置されている。
【0009】これにより、フッ素レーザ光112は直角
プリズム125の内部で全反射を2度行なって反射され
るので、反射による損失が少ない。このとき、フッ素レ
ーザ光112が入射する入射面126が平坦であると、
シングルライン化されていないフッ素レーザ光112が
入射面126で反射してレーザチャンバ2内に戻り、出
射するフッ素レーザ光112の品位が低下する。これを
防ぐために入射面126をフッ素レーザ光112に対し
てブリュースタ角とし、入射面126での反射率を低く
している。その結果、直角プリズム125の構造が複雑
になるとともに、直角プリズム125をフッ素レーザ光
112に対して正確に角度合わせするのが難しいという
問題がある。
【0010】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、レーザ光の強度分布を、所望する分布形状
に効率良く変換することの可能なレーザ装置を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するためには、本発明によれば、レーザ媒質を
挟んで互いに対向して配置された、レーザ光を部分反射
する部分反射光学部品、及びレーザ光を全反射する全反
射光学部品を備えたレーザ装置において、前記全反射光
学部品が、互いに直交する反射面を有する直角プリズム
としている。
【0012】かかる構成によれば、レーザ光が直角プリ
ズムの直交する反射面で2度にわたって全反射され、往
路と復路とでレーザ光軸に対して対称な経路を通る。こ
れにより、レーザ光軸に対するレーザ媒質の増幅率の非
対称を相殺し、レーザ光軸に対して対称な強度分布のレ
ーザ光を得ることができる。また、直角プリズムに入射
したレーザ光は、全反射によって損失なくレーザ媒質に
戻るため、反射による損失が生じない。しかも、直角プ
リズムの底面で反射したレーザ光もレーザ媒質に戻って
再増幅されるため、直角プリズムの入射面における反射
でも損失が生じない。従って、レーザ光の損失が、非常
に小さなものとなり、また、レーザ光の入射面をブリュ
ースタ角のような複雑な形状にする必要がない。
【0013】また、本発明によるレーザ装置は、全反射
光学部品が、互いに直交する反射面を備えた直角プリズ
ムを、底面が互いに直交するように2個組み合わせた形
状を有する山型プリズムであってもよい。
【0014】かかる構成によれば、レーザ光の一部は底
面で部分反射され、レーザ光軸に対して互いに対称な光
路を通るので、レーザ光軸を中心とする強度分布の非対
称性を相殺される。一方、レーザ光の残りの成分は、底
面を透過して反射面で全反射され、往路と復路とで、レ
ーザ光軸から異なる距離の経路を通過する。従って、レ
ーザ光軸からの距離に対する増幅率の強弱が相殺され、
レーザ光の強度分布が、レーザ光軸からの距離に対して
均一化される。出射光は、レーザ光軸を中心とする強度
分布の非対称性を相殺されたレーザ光と、レーザ光軸か
らの距離に対する増幅率の強弱を相殺されたレーザ光と
の合成であるため、全体としてレーザ光軸に対称で均一
な強度分布のレーザ光を得ることができる。これによ
り、レーザ加工の際に、レーザ光を照射する全面積に対
して、均質な加工が可能となる。
【0015】また、本発明によるレーザ装置は、全反射
光学部品が、互いに直交する反射面を有する2個の直角
プリズムを、レーザ光軸を挟んで対称に組み合わせた形
状を有する山型プリズムであってもよい。かかる構成に
よれば、レーザ光軸に垂直な1方向の、レーザ光軸から
の距離に対する増幅率の強弱を相殺でき、この方向に対
する強度分布を均一化できる。
【0016】また、本発明によるレーザ装置は、レーザ
媒質を挟んで互いに対向して配置された、レーザ光を全
反射する一対の全反射光学部品と、レーザ媒質と、いず
れか一方の全反射光学部品との間に配置され、レーザ光
を取り出す部分反射光学部品とを備えたレーザ装置にお
いて、前記全反射光学部品が、互いに直交する反射面を
有する2個の直角プリズムを、レーザ光軸を挟んで対称
に配置した山型プリズムであって、レーザ媒質の一側に
配置された山型プリズムの反射面がなす稜線と、他側に
配置された山型プリズムの稜線とを直交させて配置して
いる。
【0017】かかる構成によれば、一側の山型プリズム
で、レーザ光軸に垂直な1方向の、レーザ光軸からの距
離に対する増幅率の強弱を相殺できる。また、他側の山
型プリズムで、前記1方向及びレーザ光軸に垂直な他方
向の、レーザ光軸からの距離に対する増幅率の強弱を相
殺できる。従って、レーザ光軸に対して垂直な2方向の
増幅率の強弱を相殺できるので、レーザ光の強度分布が
2方向に対して均一化され、より均一な強度分布のレー
ザ光を得ることが可能である。
【0018】また、本発明によるレーザ装置は、前記全
反射光学部品の一方が、互いに直交する反射面を有する
直角プリズムであり、他方が、互いに直交する反射面を
有する2個の直角プリズムを、レーザ光軸を挟んで対称
に配置した山型プリズムであってもよい。
【0019】かかる構成によれば、レーザ光は、直角プ
リズムで全反射される際に、往路と復路とでレーザ光軸
に対して対称な通路を通り、レーザ光軸を中心とする強
度分布の非対称性を相殺される。一方、レーザ光は、他
側の山型プリズムで全反射される際には、往路と復路と
でレーザ光軸からの距離が異なる道筋を通り、レーザ光
軸からの距離に対する増幅率の強弱を相殺される。出射
光は、直角プリズムで全反射されたレーザ光と、山型プ
リズムで全反射されたレーザ光との合成であるため、全
体としてレーザ光軸に対称で均一な強度分布のレーザ光
を得ることができる。これにより、レーザ加工の際に、
レーザ光を照射する全面積に対して、均質な加工が可能
となる。しかも、いずれの反射も反射面での全反射であ
るので、損失が少ない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1及び図2は、本実施形態に係るエキシ
マレーザ装置1の構成図を示している。図1は平面図、
図2は、図1におけるA−A視断面図である。尚、以下
の図において、図1における上下方向をY方向、紙面に
垂直な方向をX方向とし、X,Y方向に直交するレーザ
光軸の方向をZ方向として説明する。
【0021】図1、図2において、エキシマレーザ装置
1は、レーザ媒質であるレーザガスを封入したレーザチ
ャンバ2を備えている。レーザチャンバ2の前後部に
は、レーザ光11を透過させるフロントウィンドウ7及
びリアウィンドウ9がそれぞれ固定されている。また、
レーザチャンバ2の内部には、一対の放電電極4,5が
図1中紙面と垂直に対向して配置されている。この放電
電極4,5間に、図示しない高圧電源から高電圧を印加
することにより放電を起こし、レーザガスを励起してレ
ーザ光11を発振させる。このとき、発振したレーザ光
11の中心軸を、レーザ光軸10と言い、レーザガスを
励起する放電電極4,5間に挟まれた領域を、励起空間
と呼ぶ。レーザチャンバ2の内部には、レーザガスを放
電電極4,5間に送り込む貫流ファン14が設置されて
いる。レーザガスの流れを、図2中、矢印Gで示す。ま
た、レーザチャンバ2の内部には、レーザガスを冷却す
る熱交換器3が設置されている。
【0022】レーザチャンバ2の前方(図1中右方)に
は、レーザ光11を部分透過するフロントミラー6が配
置されている。また、レーザチャンバ2の後方には、レ
ーザ光11を全反射する直角プリズム20が配置されて
いる。図3に、第1実施形態に係る直角プリズム20の
斜視図を示す。図3において、直角プリズム20は、反
射面22Aと反射面22Bとのなす角が直角であり、断
面が直角二等辺三角形状を有している。図1に示すよう
に、直角プリズム20は、その底面21がレーザ光軸1
0に対して略垂直となるようにレーザチャンバ2に対面
し、かつ直角二等辺三角形の頂点がレーザ光軸10上に
来るように配置されている。
【0023】図1に基づき、このような直角プリズム2
0を用いたエキシマレーザ装置1におけるレーザ光11
の振舞いについて説明する。レーザチャンバ2内で放電
によって発生したレーザ光11は、リアウィンドウ9を
透過し、直角プリズム20で反射されてレーザチャンバ
2内で増幅され、その一部がフロントミラー6を部分透
過して、出射光27として前方に出射する。以下、レー
ザチャンバ2から直角プリズム20に向かうレーザ光1
1の通過する道筋を往路24と言う。また、直角プリズ
ム20で反射され、レーザチャンバ2に向かうレーザ光
11の通過する道筋を復路25と言う。
【0024】図1においてレーザ光11は、レーザ光軸
10の図1中上方の往路24を通過して、直角プリズム
20に入射する。直角プリズム20に入射したレーザ光
11は、直角プリズム20の底面21を透過し、直角プ
リズム10内部から反射面22Aに入射角45度で入射
する。レーザ光11は、反射面22Aで図1中下方に反
射角45度で反射され、反射面22Bに入射角45度で
入射する。そして、やはり反射角45度で反射面22B
で反射されて、レーザ光軸10よりも図1中下方から、
往路24と平行に出射する。即ち、レーザ光11はレー
ザ光軸10に対して対称な復路25を通ってレーザチャ
ンバ2に戻ることになる。
【0025】このときレーザ光11は、直角プリズム2
0内の反射面22A,22Bで2回反射する際に、いず
れも全反射されるため、反射面22A,22Bでの反射
による損失はほぼゼロとなる。また、往路24において
直角プリズム20に入射したレーザ光11のうち、底面
21で反射した反射光26は、往路24と同じ経路を辿
ってレーザチャンバ2に入射し、レーザチャンバ2内で
再増幅される。
【0026】前記第1従来技術に記載があるように、レ
ーザガスの流れによって、励起空間の増幅率には、例え
ばY方向にレーザ光軸10に対する非対称性が生じてい
る。第1実施形態においては、レーザ光11が直角プリ
ズム20内部で2度反射することにより、往路24と復
路25とでレーザ光軸10に対してY方向に対称な光路
を通過する。従って、レーザチャンバ2から、直接前方
へ進むレーザ光11と、直角プリズム20内部で反射さ
れたレーザ光11とを合成することにより、Y方向にお
ける増幅率の非対称性を相殺し、レーザ光軸10に対し
て対称な強度分布を得ることができる。
【0027】以上説明したように、第1実施形態によれ
ば、直角二等辺三角形状を有する直角プリズム20を全
反射光学部品として用いることにより、Y方向における
レーザ光11の強度分布をレーザ光軸10に対して対称
とすることができる。これにより、レーザ光11の集光
性が良好となるとともに、例えば図示しないホモジナイ
ザ等を用いて強度分布を均一化するのも容易となり、こ
のレーザ光11を加工等の光源として用いた場合の加工
精度が向上する。しかも、直角プリズム20に入射した
レーザ光11は、内部で全反射されてレーザチャンバ2
に戻るため、損失が殆んど生じない。
【0028】また、直角プリズム20の底面21で反射
したレーザ光11は、反射光26となってレーザチャン
バ2に戻って再増幅され、所望する出射光27として出
射するので、底面21における反射での損失も生じな
い。従って、直角プリズム20による損失は、直角プリ
ズム20の内部での吸収のみであり、これは第1従来技
術に係る円錐ミラー119の表面での反射損失に比較し
て、非常に小さなものとなる。しかもこの吸収は、レー
ザ光11に対して吸収率の小さい材質を用いることによ
り、最小限に抑えることが可能である。例えば、KrF
エキシマレーザ装置の場合には、CaF2等が好適であ
る。
【0029】さらに、直角プリズム20の底面21での
反射光26を抑制する必要がないので、底面21に全反
射膜をコーティングする必要がない。従って、レーザ光
11の照射によって全反射膜が劣化して直角プリズム2
0が損傷するようなことがなく、直角プリズム20の寿
命が長くなる。また、レーザ光11の入射面をブリュー
スタ角のような複雑な形状にする必要がない。しかも、
直角プリズム20の底面21を、レーザ光軸10に対し
て垂直となるようにアライメントするのは容易であり、
アライメントの手間が軽減される。
【0030】図4に、第1実施形態に係るエキシマレー
ザ装置1の他の実施例を示す。図4において、直角プリ
ズム20の底面21には、レーザ光11を所定の反射率
で反射し、残りを透過する部分反射膜28がコーティン
グされている。図4に示すように、往路24を通って直
角プリズム20に入射するレーザ光11のうち、一部は
上述したように直角プリズム20の底面21を透過し
て、復路25を通ってレーザチャンバ2に戻る。これに
対して、残りは直角プリズム20の底面21の部分反射
膜28で反射して反射光26となり、往路24と同じ光
路を逆方向に通ってレーザチャンバ2内に戻る。
【0031】即ち、出射光27は、直角プリズム20内
部で全反射したレーザ光11と、部分反射膜28で反射
したレーザ光11との合成となる。全反射したレーザ光
11は、レーザ光軸10に対する非対称性を相殺されて
いるのに対し、部分反射膜28で反射したレーザ光11
は相殺されていない。従って、部分反射膜28の反射率
を変更することにより、レーザ光11の強度分布を変え
ることが可能となっている。そして、レーザ光11の強
度分布は、部分反射膜28の反射率が大きいほど、直角
プリズム20の代わりに平板リアミラーを配置した場合
の強度分布に近づくことになる。
【0032】次に、第2実施形態を説明する。図5に、
第2実施形態に係るエキシマレーザ装置1に用いられ
る、山型プリズム17の斜視図を示す。図5に示すよう
に、第2実施形態に係る山型プリズム17は、断面が直
角二等辺三角形状を有する直角プリズム38,39を、
底面18,18が同一平面となるように、上下に2個組
み合わせた形状を有している。以下の説明では、これら
を上側プリズム38、下側プリズム39と呼んで説明す
る。図6に、この山型プリズム17を用いたエキシマレ
ーザ装置1の構成断面図を示す。図6において、レーザ
チャンバ2の前後方には、山型プリズム17A,17B
が、その稜線23,23を互いに直交させてそれぞれ配
置されている。また、前方(図6中右方)の山型プリズ
ム17Bとレーザチャンバ2との間には、レーザ光11
の一部を透過し、残りを反射するビームスプリッタ12
が、レーザ光軸10に対して45度の角度で配置されて
いる。ビームスプリッタ12の両面には部分反射膜2
8,28がコーティングされ、レーザ光11を透過/反
射する割合を任意に設定自在である。また、ビームスプ
リッタ12の図6中上方には、レーザ光11を全反射す
る全反射ミラー31が配置されている。
【0033】図6に示すように、レーザ光軸10の近傍
の往路24Aを通るレーザ光11は、上側プリズム38
の底面18から入射し、上側プリズム38の反射面19
Bに入射角45度で入射する。そして、2箇所の反射面
19A,19Bでいずれも全反射されて、上側プリズム
38の底面18から、レーザ光軸10から距離が離れた
復路25Aを通って、往路24Aと平行に出射し、レー
ザチャンバ2に入射する。一方、これとは逆に、レーザ
光軸10から遠方の往路24Bを通るレーザ光11は、
上側プリズム38の底面18から入射し、上側プリズム
38の反射面19Aに入射角45度で入射する。そし
て、2箇所の反射面19でいずれも全反射されて、上側
プリズム38の底面18から、レーザ光軸10の近傍の
復路25Bを通って、往路24Bと平行に出射し、レー
ザチャンバ2に入射する。
【0034】このとき、レーザチャンバ2内部の励起空
間においては、一般的にレーザ光軸10近傍が最も増幅
率が高く、遠方ほど増幅率が低くなっている。従って、
図7に破線29で示すように、全反射光学部品が平坦な
平板ミラーである場合には、中央部(レーザ光軸10近
傍)が強く、端部(レーザ光軸10から遠方)が弱い強
度分布を示す。これに対して第2実施形態によれば、レ
ーザ光11は往路24と復路25とで、増幅率の高い近
傍と増幅率の低い遠方とを通過する。従って、レーザチ
ャンバ2から直接前方へ進むレーザ光11と、山型プリ
ズム17Aで反射されたレーザ光11とが合成されて増
幅率の強弱が相殺され、レーザ光11の強度分布が、レ
ーザ光軸10からの距離に対して均一化される。以上、
レーザ光軸10よりも上方を通るレーザ光11について
説明したが、レーザ光軸10よりも下方を通るレーザ光
11についても同様である。従って、図7に実線30で
示すように、第2実施形態に係るエキシマレーザ装置1
から発振したレーザ光11は、図6中Y方向に対して、
レーザ光軸10からの距離に対して平坦な強度分布を示
すことになる。
【0035】そして、山型プリズム17Aで反射したレ
ーザ光11は、レーザチャンバ2を通過し、前方に出射
してビームスプリッタ12に入射する。レーザ光11の
一部の成分11Aは、ビームスプリッタ12で図6中下
方へ反射される。この成分11Aは、山型プリズム17
によって、レーザ光軸10からの距離に対するY方向の
強度分布を均一化されている。また、レーザ光11の残
りの成分11Bは、ビームスプリッタ12を透過して図
6中右方へ進み、他側の山型プリズム17Bに入射す
る。山型プリズム17Bは、一側の山型プリズム17A
と垂直に配置されているので、レーザ光11Bは、この
山型プリズム17Bによって、X方向におけるレーザ光
軸10を中心とする強度分布の非対称性を相殺され、強
度分布を均一化される。そして、ビームスプリッタ12
に再入射したレーザ光11Bは、そのうちの一部が透過
してレーザチャンバ2内に戻る。また、ビームスプリッ
タ12で図6中上向きに反射した成分11Bは、全反射
ミラー31によって反射され、ビームスプリッタ12を
透過して図6中下方へ出射する。
【0036】従って、ビームスプリッタ12から下方に
出射するレーザ光11は、Y方向に対してレーザ光軸1
0からの距離に対する強度分布を均一化された成分11
Aと、X方向に対して強度分布を均一化された成分11
Bとが合成されている。即ち、レーザ光軸10に対して
XY両方向に強度分布を均一化されたレーザ光11とな
っている。
【0037】尚、第2実施形態では、山型プリズム17
Aの断面形状として、図6に示したように直角二等辺三
角形状の直角プリズム20を並べたものを例示したが、
これに限られるものではない。即ち、この直角プリズム
20は、互いに直交する反射面19A,19B、及びこ
れらの反射面19A,19Bに対してそれぞれ45度の
角度をなす底面18を備えていればよく、例えば図8に
示すような五角形の直角プリズム38,39でもよい。
勿論、山型プリズム17Bも同様である。さらには、こ
の底面18がレーザ光軸10に対してブリュースタ角を
なすように製作されていてもよい。これにより、底面1
8での反射光26が殆んどなくなる。また、第1実施形
態に係る直角プリズム20も、直角二等辺三角形状から
なるものとは限らず、図8に示す五角形形状の山型プリ
ズム38,39の片方からなるようなプリズムでもよ
い。さらには、底面がレーザ光軸10に対してブリュー
スタ角をなすようなプリズムでもよい。さらに、例えば
図6において、全反射ミラー31と山型プリズム17B
の位置を置き換えてもよく、全反射ミラー31と山型プ
リズム17Aとを置き換えてもよく、山型プリズム17
Aと山型プリズム17Bとを置き換えてもよい。
【0038】図9に、第2実施形態に係る山型プリズム
17A,17Bの、他の実施例を示す。レーザ光11の
強度分布は、図7に破線29に示したように中心に向か
ってガウシアン状に強くなると限られるものではなく、
レーザチャンバ2の内部の放電電極4,5の形状などの
条件によって変化する。図9の例においては、破線29
で示すように、中央のピークがより高く、端部がよりフ
ラットな強度分布をしている。即ち、強度がピークの1
/2となるY方向の位置29A,29Aが、図7に示し
たものよりもレーザ光軸10に近づいている。図9にお
いては、山型プリズム17Aが、互いに直交する反射面
19A,19Bを有する直角プリズム51,52を備え
ている。そして、直角プリズム51,52のそれぞれの
稜線23,23が、位置29A,29Aを通ってレーザ
光軸10に平行な一点鎖線13A,13Bを通るよう
に、レーザ光軸10に対称に配置している。これによ
り、中央部の強度分布がより高いレーザ光11の強度分
布も、図10の実線30に示すように均一化される。
【0039】また、図11に示すように、断面が直角二
等辺三角形の直角プリズム38,39を、その稜線2
3,23が一点鎖線13A,13Bを通るように配置し
てもよい。但し、このような場合には、往路24A,2
4Bを通過するレーザ光11が底面18,18に入射す
る際に屈折するので、一点鎖線13A,13Bを、図9
に示した一点鎖線13A,13Bよりもわずかにレーザ
光軸10側に寄せる必要がある。
【0040】以上説明したように第2実施形態によれ
ば、レーザ光軸10からの距離に対するレーザ光11の
強度分布を、全方向にわたって均一化することができ
る。このレーザ光11を、例えばマスクやレンズアレイ
等に照射してマーキングや孔あけ加工を行なうような場
合には、マスクやレンズアレイの全面にわたって均一な
強度のレーザ光11を照射することが可能である。従っ
て、被加工物の加工領域にレーザ光11が均一に照射さ
れるので、加工領域全体にわたって、均質な加工が可能
となる。また、山型プリズム17A,17Bにおいて
は、全反射を用いてレーザ光11を反射しているので、
損失がほとんど生じない。しかも、山型プリズム17
A,17Bの底面18,18で反射したレーザ光11
は、往路24と同じ光路を逆方向に通ってレーザチャン
バ2に戻り、再増幅される。これにより、レーザ光11
の損失が、山型プリズム17内部での吸収のみとなり、
非常に小さくなる。
【0041】さらにこのとき、第1実施形態と同様に、
山型プリズム17A,17Bの底面18に、レーザ光1
1を所定の反射率で反射し、残りを透過する部分反射膜
をコーティングすれば、任意の強度分布を得ることも可
能となる。尚、第2実施形態においては、図6に示した
山型プリズム17Aと、図9又は図11に示した山型プ
リズム17とを組み合わせてもよい。さらには、山型プ
リズム17は、図6に示すようにレーザチャンバ2の両
側に配置されると限られるものではなく、図1における
直角プリズム20の代わりに、片側のみに配置されても
よい。これにより、X又はY方向の、少なくともいずれ
か一方の強度分布を均一化することが可能である。
【0042】次に、第3実施形態を説明する。図12
に、第3実施形態に係るエキシマレーザ装置1の構成図
を示す。図12において、エキシマレーザ装置1は、レ
ーザチャンバ2の後方(図6左方)には、図5で説明し
た山型プリズム17を、前方には、図3で説明した直角
プリズム20を、それぞれ揃えている。また、レーザチ
ャンバ2と直角プリズム20との間には、レーザ光11
の一部を透過し、残りを反射するビームスプリッタ12
が、レーザ光軸10に対して45度の角度で配置されて
いる。ビームスプリッタ12の両面には部分反射膜2
8,28がコーティングされ、レーザ光11を透過/反
射する割合を任意に設定自在である。また、ビームスプ
リッタ12の図12中上方には、レーザ光11を全反射
する全反射ミラー31が配置されている。
【0043】レーザ光11は、山型プリズム17での反
射によって、往路24と復路25とでY方向の光路を変
えられ、第2実施形態で説明したようにレーザ光軸10
からの距離に対する強度分布を均一化される。そして、
山型プリズム17で反射したレーザ光11は、レーザチ
ャンバ2を通過し、前方に出射してビームスプリッタ1
2に入射する。レーザ光11の一部の成分11Aは、ビ
ームスプリッタ12で図12中下方へ反射される。この
成分11Aは、山型プリズム17によって、レーザ光軸
10からの距離に対する強度分布を均一化されている。
【0044】また、レーザ光11の残りの成分11B
は、ビームスプリッタ12を透過して図12中右方へ進
み、直角プリズム20に入射する。レーザ光11は、こ
の直角プリズム20で全反射し、第1実施形態で説明し
たように、Y方向におけるレーザ光軸10を中心とする
強度分布の非対称性を相殺される。ビームスプリッタ1
2に再入射したレーザ光11Bのうち、一部の成分は透
過してレーザチャンバ2内に戻る。また、ビームスプリ
ッタ12で図12中上向きに反射した成分11Bは、全
反射ミラー31によって反対方向へ反射され、ビームス
プリッタ12を透過して図12中下方へ出射する。従っ
て、ビームスプリッタ12から下方に出射する出射光2
7は、Y方向におけるレーザ光軸10からの距離に対す
る強度分布を均一化された成分11Aと、その成分11
Aに対するレーザ光軸10を中心とする強度分布の非対
称性を相殺された成分11Bとが合成されている。
【0045】以上説明したように第3実施形態によれ
ば、レーザチャンバ2の前後両側に、レーザ光11を全
反射するプリズム17,20をそれぞれ設置している。
レーザ光11は、一側の直角プリズム20では、レーザ
光軸10を中心とする強度分布の非対称性を相殺され、
強度分布をレーザ光軸10に対して対称化される。ま
た、他側の山型プリズム17では、レーザ光軸10から
の距離に対する増幅率の強弱を相殺され、強度分布をレ
ーザ光軸10からの距離に対して均一化される。これに
より、出射光27の強度分布は、Y軸に関してレーザ光
軸10に対称に均一化され、これを加工に用いたときに
均質な加工が可能である。そして、ビームスプリッタ1
2の部分反射膜28を変更して、ビームスプリッタ12
の反射率を変更することにより、任意の強度分布を得る
ことも可能である。
【0046】尚、第3実施形態では、レーザチャンバ2
と直角プリズム20との間に、レーザ光11を外部に取
り出すビームスプリッタ12を配置するように説明した
が、レーザチャンバ2と山型プリズム17との間にビー
ムスプリッタ12を配置してもよい。また、直角プリズ
ム20をレーザ光軸10を中心として90度回転させて
もよい。このようにすれば、出射光27の強度分布は、
山型プリズム17により、レーザ光軸10からの距離に
対する増幅率の強弱をY軸に対して相殺され、直角プリ
ズム20により、レーザ光軸10を中心とする強度分布
の非対称性をX軸に対して相殺される。また、図13に
示すように、平板型のビームスプリッタ12の代わり
に、二等辺三角形状の、プリズム44を配置してもよ
い。プリズム44の入射面45には、所定の反射率でレ
ーザ光11を透過/反射させる部分反射膜28がコーテ
ィングされている。また、プリズム44の図13中上面
46には、プリズム内部から図13中上向きに進行して
きたレーザ光11Bを、全反射させる全反射膜47がコ
ーティングされている。このとき、プリズム44に入射
するレーザ光11Aは、その入射面45、及び出射面4
8で屈折するため、直角プリズム20をレーザ光軸10
からずらし、傾けて配置するようにする。
【0047】図14に、第3実施形態に係るエキシマレ
ーザ装置1の、他の構成例を示す。図14において、エ
キシマレーザ装置1の前方には、互いに垂直な3個の反
射面41A,41B,41Cを有する、コーナーキュー
ブプリズム40が配置されている。尚、図14において
は、説明のためにコーナーキューブプリズム40を、傾
けて描画している。コーナーキューブプリズム40とレ
ーザチャンバ2との間には、45度直角プリズムを2個
組み合わせた、立方体形状のキューブビームスプリッタ
32が、レーザ光11が反射面33に対して45度の入
射角で入射するように配置されている。キューブビーム
スプリッタ32の反射面33には、所定の反射率でレー
ザ光11を透過/反射させる部分反射膜28がコーティ
ングされている。また、プリズムの図14中上面34に
は、プリズム内部から図14中上向きに進行してきたレ
ーザ光11を、全反射させる全反射膜35がコーティン
グされている。
【0048】図14において、山型プリズム17によっ
て、Y方向におけるレーザ光軸10からの距離に対する
強度分布を均一化されたレーザ光11のうち、一部の成
分11Aが反射面28で図14中下方に反射される。ま
た、反射面28を透過し、コーナーキューブプリズム4
0に入射した成分11Bは、反射面41A,41B,4
1Cでそれぞれ全反射される。そして、X,Y両方向に
対してレーザ光軸10に対称にコーナーキューブプリズ
ム40から出射する。これにより、X,Y両方向に対し
て、レーザ光軸10を中心とする強度分布の非対称性を
相殺される。成分11Bは、一部がキューブビームスプ
リッタ32を透過して、レーザチャンバ2に戻り、残り
は反射面33及び上面34で反射して図14中下方に出
射する。これにより、Y方向における強度分布を均一化
され、かつXY両方向における非対称性を相殺された出
射光27を得ることができる。
【0049】またこのとき図14において、キューブビ
ームスプリッタ32をレーザ光軸10を中心として90
度回転させ、出射光27を紙面と垂直方向に出射させる
ようにしてもよい。このようにするならば、キューブビ
ームスプリッタ32の反射面33に部分反射膜28がな
かったとしても、レーザ光11のうちS偏光が反射面3
3で7〜10%程度反射して出射するので、部分反射膜
28が不要となる。これにより、部分反射膜28がレー
ザ光11の照射によって劣化することがなく、キューブ
ビームスプリッタ32の寿命を伸ばすことが可能とな
る。
【0050】次に、第4実施形態について説明する。図
15に、第4実施形態に係るエキシマレーザ装置1に用
いられる山型プリズム36の斜視図を示す。図16は、
山型プリズム36を用いたエキシマレーザ装置1の構成
断面図である。図15、図16に示すように、山型プリ
ズム36は、互いに直交する反射面19A,19Bを有
し、その底面37A,37Bが反射面19A,19Bに
それぞれ平行な台形形状の2個の台形プリズム42,4
3を備えている。そして、これらの台形プリズム42,
43と、直角二等辺三角形状の直角プリズム49とを組
み合わせて形成されている。台形プリズム42,43と
直角プリズム49とが接する底面37A,37Bには、
例えばレーザ光11を50%透過し、50%反射させる
部分透過膜28,28がコーティングされている。山型
プリズム36は、中心軸をレーザ光軸10に一致させ、
底面50をレーザチャンバ2側に向け、レーザチャンバ
2の後方に配置されている。尚、図16において、レー
ザチャンバ2の前方(図16中右方)には、図4と同様
に、図示しないフロントミラー6が配置されている。
【0051】図16において、往路24を通るレーザ光
11は、底面50を通過し、底面37Aに入射角45度
で入射する。その一部の成分11Aは、部分透過膜28
で図16中下向きに反射し、底面37Bで再反射して、
レーザ光軸10に対してY方向に対称な復路25を通っ
てレーザチャンバ2に戻る。これにより、Y方向におけ
る増幅率の非対称性が相殺される。また、底面37Aの
部分透過膜28を透過したレーザ光11Bは、山型プリ
ズム36の反射面19A,19Bで2度全反射する。そ
して、例えば往路24がレーザ光軸10近傍を通ったの
であれば、復路25はレーザ光軸10の遠方を通ってレ
ーザチャンバ2に戻るようになっている。これにより、
Y方向において、レーザ光軸10に対する増幅率が均一
化される。さらに、底面50で反射した図示しないレー
ザ光11は、往復共に同一の光路を通ってレーザチャン
バ2に戻る。
【0052】尚、上記の説明では、例えば山型プリズム
36を2個の台形プリズム42,43、及び直角プリズ
ム49を組み合わせた形状として説明したが、製作時に
は一体として製作するものであり、各プリズム間には継
ぎ目がない。他の実施形態の山型プリズムについても、
同様である。また、山型プリズム36は、図15のよう
な形状に限らず、図17や図18に示したような形状で
もよい。さらに、図19に示すように、山型プリズム3
6を、互いに垂直な反射面19A,19Bを有する五角
形のプリズム42,43を組み合わせたような形状とし
てもよい。このように、底面50がない場合には、レー
ザ光11は反射面37A,37Bを透過する際に屈折す
るため、反射面19Bと反射面19Aとのなす角θが鈍
角になるように山型プリズム36を形成する。
【0053】このように、第4実施形態によれば、底面
37A,37Bで反射したレーザ光11の一部の成分1
1Bは、Y方向における増幅率の非対称性を相殺され、
レーザ光軸に対して対称な強度分布を得る。一方、底面
37A,37Bを透過した成分11Aは、レーザ光軸1
0の近傍と遠方とを通過するので、レーザ光軸10から
の距離に対する強度分布を均一化される。出射光27
は、これらの成分11A,11Bの合成であるので、レ
ーザ光軸10に対称で、かつ均一な強度分布のレーザ光
11が得られ、これを加工に用いたときに、均質な加工
が可能である。しかも、山型プリズム36に入射したレ
ーザ光11は、吸収される成分を除いてすべてレーザチ
ャンバ2に返って再増幅されるので、損失が少ない。ま
たこのとき、図6における山型プリズム17A,17B
の代わりに、山型プリズム36,36を互いにその稜線
23,23を直交させて配置してもよい。これにより、
X,Y両方向において、強度分布が均一なレーザ光11
を得ることが可能となる。
【0054】尚、本実施形態では、部分透過膜28の反
射比率を、透過50%、反射50%としたが、これに限
られるものではなく、比率を変更することによって、任
意の強度分布を得ることが可能である。また、底面37
A,37Bに、部分透過膜28をコーティングしないよ
うにしてもよい。これにより、底面37A,37Bで反
射するレーザ光11Bの比率が小さくなり、レーザ光1
1のレーザ光軸10からの距離に対する強度分布を均一
化する作用のほうが大きくなる。このようにすることに
より、部分透過膜28がレーザ光11の照射によって劣
化するのを防止することができるので、山型プリズム3
6の寿命が長くなる。
【0055】また、エキシマレーザ装置1について説明
したが、これはエキシマレーザ装置1から出射するレー
ザ光11が、特にレーザ光軸10に対する非対称性が大
きいことによる。また、エキシマレーザ装置1から出射
するレーザ光11を加工に応用する場合には、リソグラ
フィなどの応用が一般的であり、レーザ光11を集光せ
ずにマスク等に照射する加工が多い。そのため、レーザ
光11の非対称性を予め是正し、強度分布を均一化する
ことが、加工効率の向上に大きく寄与する。即ち、本発
明は特にエキシマレーザ装置1やフッ素レーザ装置に対
して有効である。しかしながら、本発明の応用範囲はこ
れらのレーザ装置に限られるものではなく、すべてのレ
ーザ装置について応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成
断面図。
【図2】図1のA−A視断面図。
【図3】第1実施形態に係る円錐プリズムの斜視図。
【図4】エキシマレーザ装置の他の実施例を示す構成断
面図。
【図5】第2実施形態に係る山型プリズムの斜視図。
【図6】図5の山型プリズムをエキシマレーザ装置に用
いた際の断面図。
【図7】レーザ光の強度分布を示す説明図。
【図8】エキシマレーザ装置の他の実施例を示す構成断
面図。
【図9】第2実施形態に係る山型プリズムの他の実施例
を示す説明図。
【図10】レーザ光の強度分布を示す説明図。
【図11】第2実施形態に係る山型プリズムの他の実施
例を示す説明図。
【図12】第3実施形態に係るエキシマレーザ装置の構
成断面図。
【図13】エキシマレーザ装置の他の実施例を示す構成
断面図。
【図14】エキシマレーザ装置の他の実施例を示す構成
断面図。
【図15】第4実施形態に係る山型プリズムの斜視図。
【図16】山型プリズムをエキシマレーザ装置に用いた
際の断面図。
【図17】山型プリズムの他の構成例を示す断面図。
【図18】山型プリズムの他の構成例を示す断面図。
【図19】エキシマレーザ装置の他の実施例を示す構成
断面図。
【図20】第1従来技術に係るレーザ装置の説明図。
【図21】第2従来技術に係るレーザ装置の説明図。
【図22】第3従来技術に係るフッ素レーザ装置の構成
例。
【符号の説明】
1:エキシマレーザ装置、2:レーザチャンバ、3:熱
交換器、4:アノード、5:カソード、6:フロントミ
ラー、7:フロントウィンドウ、9:リアウィンドウ、
10:レーザ光軸、11:レーザ光、12:ビームスプ
リッタ、14:貫流ファン、17:山型プリズム、1
8:底面、19:反射面、20:直角プリズム、21:
底面、22:反射面、23:稜線、24:往路、25:
復路、26:反射光、27:出射光、28:部分反射
膜、29:強度分布、30:強度分布、31:全反射ミ
ラー、32:キューブビームスプリッタ、33:反射
面、34:上面、35:全反射膜、36:山型プリズ
ム、37:底面、38:上側プリズム、39:上側プリ
ズム、40:コーナーキューブプリズム、41:反射
面、42:台形プリズム、43:台形プリズム、44:
プリズム、45:入射面45、46:上面、47:全反
射膜、48:出射面、49:直角プリズム、50:底
面、51:直角プリズム、52:直角プリズム。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ媒質を挟んで互いに対向して配置
    された、レーザ光(11)を部分反射する部分反射光学部品
    (6)、及びレーザ光(11)を全反射する全反射光学部品(2
    0)を備えたレーザ装置において、 前記全反射光学部品(20)が、互いに直交する反射面(22
    A,22B)を有する直角プリズム(20)であることを特徴とす
    るレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザ媒質を挟んで互いに対向して配置
    された、レーザ光(11)を部分反射する部分反射光学部品
    (6)、及びレーザ光(11)を全反射する全反射光学部品(3
    6)を備えたレーザ装置において、 前記全反射光学部品(36)が、互いに直交する反射面(19
    A,19B)を備えた直角プリズム(42,43)を、底面(37A,37B)
    が互いに直交するように2個組み合わせた形状を有する
    山型プリズム(36)であることを特徴とするレーザ装置。
  3. 【請求項3】 レーザ媒質を挟んで互いに対向して配置
    された、レーザ光(11)を部分反射する部分反射光学部品
    (6)、及びレーザ光(11)を全反射する全反射光学部品(17
    A)を備えたレーザ装置において、 前記全反射光学部品(17A)が、互いに直交する反射面(19
    A,19B)を有する2個の直角プリズム(51,52)を、レーザ
    光軸(10)を挟んで対称に組み合わせた形状を有する山型
    プリズム(17A)であることを特徴とするレーザ装置。
  4. 【請求項4】 レーザ媒質を挟んで互いに対向して配置
    された、レーザ光(11)を全反射する一対の全反射光学部
    品(17A,17B)と、 レーザ媒質と、いずれか一方の全反射光学部品(17B)と
    の間に配置され、レーザ光(11)の一部を部分反射して取
    り出す部分反射光学部品(12)とを備えたレーザ装置にお
    いて、 前記全反射光学部品(17A,17B)が、互いに直交する反射
    面(19A,19B)を有する2個の直角プリズム(38,39)を、レ
    ーザ光軸(10)を挟んで対称に組み合わせた形状を有する
    山型プリズム(17A,17B)であって、 レーザ媒質の一側に配置された山型プリズム(17A)の反
    射面(19A,19B)がなす稜線(23)と、他側に配置された山
    型プリズム(17B)の稜線(23)とを直交させて配置したこ
    とを特徴とするレーザ装置。
  5. 【請求項5】 レーザ媒質を挟んで互いに対向して配置
    された、レーザ光(11)を全反射する一対の全反射光学部
    品(17,20)と、 レーザ媒質と、いずれか一方の全反射光学部品(20)との
    間に配置され、レーザ光(11)の一部を部分反射して取り
    出す部分反射光学部品(12)とを備えたレーザ装置におい
    て、 前記全反射光学部品(17,20)の一方が、互いに直交する
    反射面(22A,22B)を有する直角プリズム(20)であり、 他方が、互いに直交する反射面(19A,19B)を有する2個
    の直角プリズム(38,39)を、レーザ光軸(10)を挟んで対
    称に組み合わせた形状を有する山型プリズム(17)である
    ことを特徴とするレーザ装置。
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Cited By (3)

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