JP2008027122A - 画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、及び画像処理プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、及び画像処理プログラムを記憶した記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】粒状性を評価するために画像処理後のデータに基づいて実際に画像を印刷し、印
刷結果をスキャナでスキャンする必要があった。
【解決手段】ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対して画像処理
を実施するにあたり、上記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを取得し、印
刷媒体上に記録されるドットの形状を示すドット形状データを取得し、前記画素より小さ
なサブ画素にて構成されるサブ画素平面上で上記画像データによって形成されるドットの
記録状態を示す記録状態データを作成する。また、実測値データの無い仮想ドットに対す
るドット形状データについては、実測値データに対して補間演算を行い推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、及び画像処理プログラ
ムを記憶した記憶媒体に関する。
従来、印刷装置において画像を印刷する際には、通常、ドットマトリクス状の各画素に
ついて色成分毎に階調表現した階調データに対して色変換処理やハーフトーン処理、印刷
媒体上で隣接するドットを形成するノズルが同じノズルに偏ることを防止するマイクロウ
ィーブ処理など、種々の画像処理を行っている。このような画像処理を経て印刷される印
刷物の画質は、当該画像処理の内容に大きく依存している。この画質は種々の視点に基づ
いて評価することができるが、ノイズや見た目の滑らかさ、すなわち粒状性を評価する手
法として周波数解析が知られている(例えば、非特許文献1)。
非特許文献1においては、粒状性を評価するために画像処理後のデータに基づいて実際
に画像を印刷し、印刷結果をスキャナでスキャンする必要があった。従って、画像処理の
内容を変更して画質を最適化するに際して、画像処理を変更するたびに印刷作業およびス
キャン作業が必要となり、非常に時間がかかっていた。この作業には非常に時間がかかる
ため、画像処理のパラメータを変えながら試行錯誤を繰り返し、画質を最適化することは
実質的に不可能であった。
このような課題に対して、実際に印刷やスキャンを行うことなく印刷物の画質を評価す
ることが可能な技術として、例えば、特許文献1に記載の画像処理装置がある。
この画像処理装置は、ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対し
て画像処理を実施するにあたり、上記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを
取得し、印刷媒体上に記録されるドットの形状を示すドット形状データを取得し、上記画
素より小さなサブ画素にて構成されるサブ画素平面上で上記画像データによって形成され
るドットの記録状態を示す記録状態データを作成するものである。
特開2005−103921号公報 藤野真著,「Japan Hardcopy '99 論文集」,p.291-294
しかしながら、上記特許文献1の従来技術においては、コンピュータを用いたシミュレ
ーションによってドットの記録状態データの作成処理を行うに際して、ドット形状データ
として、実際の印刷装置で形成したドットの直径(例えば、ドットの形状が楕円形であれ
ば、ドットの短径及び長径)を予め測定したものを用いている。また、サブ画素の記録状
態を示すために用いる分光反射率についても、実際の印刷装置に用いるインクの分光反射
率を所定波長毎に予め測定したもの(例えば、印刷に用いる媒体の種類毎に測定したもの
)を用いている。つまり、上記特許文献1の従来技術においては、ドットの記録状態デー
タの作成処理を行うに際して、ドット形状データ及び分光反射率として、共に実測値デー
タを用いてドットの記録状態データを作成している。そのため、精度良くドットの記録状
態データを作成するためには、様々な状況に対応した多くの実測値データを得る必要があ
る。
また、ドットの記録状態データの作成に実測値を用いることから、作成することができ
るドットの記録状態データの内容(例えば、記録状態として表現できるドットサイズの種
類等)は、実測値の測定に用いる印刷装置の性能(例えば、実際に印字できるドットサイ
ズの種類等)によって決まる。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたも
のであって、実際に印刷やスキャンを行うことなく印刷物の画質を評価することが可能で
あり、ドットの記録状態データの作成に使用する実測値データには無いデータを簡易に推
定可能で、且つ当該推定結果から印刷装置の性能に左右されない任意の内容の記録状態デ
ータを作成可能な画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、及び画像処理プロ
グラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的としている。
〔形態1〕 上記目的を達成するために、形態1の画像処理装置は、
ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対して画像処理を実施する
画像処理装置であって、
前記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを取得する画像データ取得手段と

印刷に用いる媒体上に形成されるドットの形状を示すドット形状データを記憶する記憶
媒体と、
前記記憶媒体に記憶されたドット形状データに基づき、前記記憶媒体に記憶されていな
い他のドット形状データを推定するドット形状データ推定手段と、
前記ドット形状データを参照し、前記画素より小さなサブ画素にて構成されるサブ画素
平面上で前記画像データによって形成されるドットの記録状態を示す記録状態データを作
成する記録状態データ作成手段と、を備えることを特徴としている。
このような構成であれば、画像データ取得手段によって、前記画素毎にドットの形成状
態を特定する画像データを取得することが可能であり、記憶媒体に、印刷に用いる媒体上
に形成されるドットの形状を示すドット形状データを記憶することが可能であり、ドット
形状データ推定手段によって、前記記憶媒体に記憶されたドット形状データに基づき、前
記記憶媒体に記憶されていない他のドット形状データを推定することが可能であり、記録
状態データ作成手段によって、前記ドット形状データを参照し、前記画素より小さなサブ
画素にて構成されるサブ画素平面上で前記画像データによって形成されるドットの記録状
態を示す記録状態データを作成することが可能である。
つまり、画素毎のドットの形成状態を示す画像データを取得し、この画像データによっ
て印刷に用いる媒体上に記録されるドットをシミュレートする。すなわち、当該画像デー
タにおいては、各画素毎にドットの形成状態(インクによって形成されるドットの有無(
異なるインク滴によって形成するドットの有無を含む))を示しているが、実際に印刷に
用いる媒体上に記録されるドットの記録状態(印刷に用いる媒体上で記録されるドットの
様子)を示してはいないので、この記録状態をシミュレートする。また、記憶媒体には、
実在する印刷装置から測定した実測値から構成されるドット形状データを記憶しておく。
そして、シミュレートに際しては、記憶媒体に記憶されていないドット形状データ(例え
ば、実測値には無いドットサイズ種類に対応するデータ等)を、記憶媒体に記憶された実
測のドット形状データに基づき推定し、この推定データを用いることで、実測値の測定に
用いた印刷装置では形成できない内容のドットの記録状態をシミュレートすることが可能
となる。
ここで、サブ画素平面上に記述されたドットの記録状態は、印刷に用いる媒体上に記録
されるドットの様子に相当するので、実際に印刷やスキャンを行うことなく印刷物の画質
を評価することが可能になる。すなわち、印刷やスキャンなど、時間や人手による労力を
要する作業が一切不要であり、非常に容易かつ高速にドットの記録状態を得ることができ
る。この結果、ドットの記録状態を繰り返し算出することも非常に容易になり、多量の画
像データであっても非常に容易に評価することが可能になる。従って、上記画像データに
対する画像処理について試行錯誤を行って、好ましい画像処理を特定することが可能にな
る。
また、前記記憶媒体に記憶されていないドット形状データを、当該記憶媒体に記憶され
た実測値から構成されるドット形状データから推定することができるので、例えば、実測
値にある階調の間の階調に対応するドット形状データを推定することで、より精度良くド
ットの記録状態をシミュレートすることが可能になる。また、これにより、所望のデータ
を実測せずに容易に得ることが可能となる。
また、例えば、実在する印刷装置では形成不可能なドットサイズ種類や階調値などに対
するドット形状データを推定することで、例えば、新規開発予定の印刷装置の性能に応じ
たドット形状データに対するドットの記録状態をシミュレートすることが可能になる。例
えば、既存の印刷装置よりも多種類のドットサイズに対するドットの記録状態などをシミ
ュレートすることで、問題点等を事前に把握し、開発期間の短縮等に役立てることが可能
である。
ここで、上記「画像データ」は、画素毎にドットの形成状態を特定することができれば
よく種々の構成を採用可能である。例えば、ドットの有無(2階調)でドットの形成状態
を記述しても良いし、異なる大きさのドットを記録する場合であればそのドットの大きさ
およびドットの有無(3階調以上)でドットの形成状態を記述しても良い。ドットを記録
する印刷装置において複数色のインクを使用する場合には、各色毎の画像データを用意し
て各色毎にドットの記録状態をシミュレートすることができる。
このような画像データの例として、ハーフトーン処理を実施した後のデータを採用して
も良い。すなわち、コンピュータで扱う画像のデータとしては各画素の色を色成分毎の階
調値で表現したデータが一般的であり、この画像のデータを印刷する際には、印刷装置で
使用するインクの色毎にその使用量を少数の階調(通常2〜4階調程度)で階調表現した
階調データを生成し、さらに、このデータに対してハーフトーン処理を行うことが一般的
である。そこで、ハーフトーン処理後のデータを上記画像データとして取得する構成を採
用すれば、本発明を一般的な印刷装置に対して適用することができる。
ハーフトーン処理後のデータにおいては、上述のように各画素毎にドットの形成状態を
特定しているので、ハーフトーン処理後のデータは上記画像データ取得手段で取得される
データとしてそのまま採用することが可能である。むろん、ハーフトーン処理のアルゴリ
ズムとしては、種々の構成を採用可能であり、誤差拡散,ディザ等種々のアルゴリズムを
採用可能である。また、画像データが示す画像としては、特定の絵や写真であっても良い
し、特定のパターン、例えば、特定の色のベタパターンやグラデーションパターンであっ
ても良い。画像の大きさも特に限定されず、種々の大きさの画像についてシミュレート可
能である。以下、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態
、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最
良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記「記録状態データ作成手段」は、前記画素をサブ画素に分割し、サブ画素に
よってドットマトリクス状のサブ画素平面を形成してドット記録の有無をサブ画素平面上
で記述できればよい。上述のように印刷装置において使用するインク色毎の画像データを
用意して、各色毎にドットの記録状態をシミュレートする場合には、各色毎に形成される
ドットマトリクス状の各画素を重ね合わせることで同じ位置を示す画素を定義することが
できる。これに伴って、各色毎に同じ位置を示すサブ画素を定義することができ、印刷媒
体上での各色インクの重なりを評価することも可能になる。従って、多色の印刷物におけ
る記録状態も容易に評価することが可能になる。
ドットの記録状態を評価する手法としては、種々の手法が採用可能であり、その構成例
として、前記サブ画素毎の色彩値を評価する構成を採用可能である。すなわち、サブ画素
毎の色彩値を特定することができれば、各サブ画素が集まって形成するドットの明度,彩
度,色相を評価することが可能になる。さらに、これらの色彩値が判明していれば、各ド
ットが集まって形成する画像における画質、例えば、粒状性や階調性を評価することが可
能になる。つまり、各サブ画素毎に色彩値を特定することができれば、各ドットについて
の微視的な色の評価も巨視的な画質の評価も実施することができる。以下、「画像処理プ
ログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記
録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載におい
て同じである。
また、上記「ドット」とは、印刷物の文字や図形を表す基本単位であり、1または複数
のノズルから吐出されたインクが媒体上に着弾した1つの領域をいう。また、この「ドッ
ト」は、面積が「ゼロ」ではなく、一定の大きさ(面積)をもつことは勿論、大きさごと
に複数種類存する。また、ドットの形状としては、必ずしも真円形であるとは限らず、楕
円形などの真円形以外の形状のものも含むものとし、この場合には直径が一律でないこと
からドットが占める面積によって、あるいはその平均的な径に基づいてそのドットサイズ
が決定されるものとする。以下、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法
」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実
施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
なお、この「ドット径」をより厳密に定義すれば、ある量のインクを吐出して形成され
たドットの面積と等しい面積を有する真円の等価ドットを想定し、その等価ドットの径を
ドット径とする。また、一般に、印刷媒体によってインクの吸収率なども変わってくるこ
とから、同じインク量であっても印刷媒体が変われば形成されるドット径は、様々に変化
することは勿論である。また、この「ドット」は、必ずしも1回の吐出による1つのイン
ク滴によって形成されたものに限定されるものでなく、極大ドットの場合などにように、
2つ以上の吐出によるインク滴を組み合わせて形成されるものも含むものとする。
〔形態2〕 更に、形態2の画像処理装置は、形態1の画像処理装置において、
前記ドットの形状に係る情報を指定するドット形状情報指定手段を備え、
前記ドット形状データ推定手段は、前記記憶媒体に記憶されたドット形状データと前記
ドット形状情報指定手段で指定された情報とに基づき、当該指定された情報から特定され
るドットの形状に対する、前記記憶媒体に記憶されていない他のドット形状データを推定
することを特徴としている。
このような構成であれば、ドット形状情報指定手段によって、前記ドットの形状に係る
情報を指定することが可能であり、前記ドット形状データ推定手段は、前記記憶媒体に記
憶されたドット形状データと前記ドット形状情報指定手段で指定された情報とに基づき、
当該指定された情報から特定されるドットの形状に対する、前記記憶媒体に記憶されてい
ない他のドット形状データを推定することが可能である。
従って、所望のドット形状に係る情報(例えば、ドットサイズ、インク重量などの情報
)を指定することで、指定したドット形状に係る情報から特定されるドットの形状に対す
るドット形状データを推定することができるので、簡易に、推定したドット形状データを
用いたシミュレーションを実行することが可能である。
〔形態3〕 更に、形態3の画像処理装置は、形態2の画像処理装置において、
前記ドット形状データは、前記ドットの形状に係る情報である前記ドットの大きさを前
記サブ画素平面上で特定するドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応する
前記ドットの分光反射率を示す分光反射率データとを含み、
前記記録状態データ作成手段は、前記画像データによって形成されるドットの分光反射
率データから各サブ画素毎の色彩値を算出して前記記録状態を示す記録状態データとする
ことを特徴としている。
ここで、色彩値は各種手法で算出することが可能であるが、各ドットの分光反射率から
算出するのが好ましい。すなわち、本形態の構成のように、ドット形状データとして分光
反射率を有していれば、この分光反射率から、任意の光源下でのドットの色を特定するこ
とが可能になり、高い自由度で各ドットの色や画質を評価することが可能になる。本形態
においては、前記サブ画素によってドットの形状を記述するので、各ドットは複数の連続
するサブ画素に渡っている。これらのサブ画素について同じ色のドットであれば同じ分光
反射率であると定義すれば、容易にドットの色を評価することが可能になるが、むろん、
散乱等の影響を考慮して分光反射率補正し、あるいは演算過程で補正を行ってドットの端
と中央とで異なる色彩値になるようにしても良い。
なお、各サブ画素によって形成される色を評価するに際し、各色毎の分光反射率が判明
していれば、各色を重畳した結果として得られる色彩値を算出することも可能である。例
えば、同じ位置に相当するサブ画素の分光反射率同士を波長毎に乗じて得られた分光反射
率を重畳後のドットの分光反射率とする構成等を採用可能である。また、上述のように各
ドットについての巨視的な画質を評価するために各サブ画素の色彩値を算出する際には、
ドットを形成しないサブ画素については印刷に用いる媒体の分光反射率になるとすればよ
い。以下、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態、並び
に「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形
態の欄などの記載において同じである。
〔形態4〕 更に、形態4の画像処理装置は、形態3の画像処理装置において、
前記記録状態データ作成手段は、前記画像データによって形成される分光反射率データ
から各サブ画素毎の明度を算出して前記記録状態を示す記録状態データとすることを特徴
としている。
このような構成であれば、分光反射率に基づいて算出する色彩値として明度を採用する
ことが可能であり、これによって、簡単かつ効果的にドットの色や画質を評価することが
できる。すなわち、人間の目は彩度や色相と比較して明度の変化に敏感であるので、各サ
ブ画素が集まって形成するドットや各ドットが集まって形成する画像における画質を評価
する際に明度に基づいて評価を行えば、1種類の色成分のみに基づいて効果的に評価を行
うことが可能になる。むろん、詳細に評価を行うのであれば、明度,彩度,色相のうち、
2種類以上の色成分に基づいて評価を行っても良い。
〔形態5〕 更に、形態5の画像処理装置は、形態3又は4の画像処理装置において、
前記ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータと、前記
媒体に形成されるドットの径長を示すデータとの少なくとも一方を含むことを特徴として
いる。
このような構成であれば、ドットを形成するインク(滴)の重量と、当該インク滴から
形成されるドットの径長(例えば、ドットの直径など)とは関係が深いので、例えば、実
測したインクの重量とドットの径長とを対応付けておくことで、所定のインク重量を指定
して、当該指定したインク重量に対するドットの径長を推定することができる。また、同
様に実測したドットの径長と分光反射率データとを対応付けておくことで、推定したドッ
トの径長に対する分光反射率データも推定することができる。もちろん、これとは逆に、
所定のドットの径長を指定し、この径長に対するインクの重量を推定し、当該推定したイ
ンクの重量に対する分光反射率データを推定することも可能である。この場合は、実測し
たインクの重量と分光反射率データとを対応付ける。また、例えば、新規に開発する印刷
装置が、最小サイズのドットとして、1ナノグラム(=1ピコリットル)のインクの重量
を目指しているとすると、実測できないその目標重量のドットに対する画像データのドッ
トの記録状態を簡易にシミュレートすることが可能となる。これにより、ハードウェア等
の開発前に、ドットの記録状態を予測することができるので、開発期間の短縮等に役立て
ることが可能である。
ここで、上記「ドットの径長」は、例えば、ドットの形状が真円又は略真円であれば、
その直径の長さとなり、ドットの形状が楕円であれば、その長径及び短径の少なくとも一
方の長さとなる。以下、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関す
る形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するた
めの最良の形態の欄などの記載において同じである。
〔形態6〕 更に、形態6の画像処理装置は、形態3乃至5のいずれか1の画像処理装
置において、
前記記憶媒体は、前記ドット形状データとして、複数種類のドットサイズに対応する前
記ドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応する分光反射率データとを記憶
し、
前記ドット形状情報指定手段は、前記ドット形状に係る情報として、前記ドットサイズ
の情報を指定し、
前記ドット形状データ推定手段は、前記記憶媒体に記憶されたドット形状データと前記
ドット形状情報指定手段で指定された情報とに基づき、分光反射率推定用補間演算によっ
て、前記指定されたドットサイズに対する前記記憶媒体に記憶されていない分光反射率デ
ータを推定することを特徴としている。
このような構成であれば、記憶媒体に記憶された複数種類のドットサイズに対応する前
記ドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応する分光反射率データとに対し
て、分光反射率推定用の補間演算によって、例えば、記憶媒体に記憶されていないドット
サイズの分光反射率データを推定したり、記憶媒体に記憶されていない波長や階調値に対
する分光反射率データを推定したりすることなどが可能となる。
従って、実測可能ではあるが実測していない分光反射率データを簡易に推定したり、実
在する印刷装置では形成不可能なドットサイズ種類などに対する分光反射率データなどの
実測不可能なデータを推定したりして、これらに対する画像データのドット記録状態のシ
ミュレートを簡易に実行したりすることが可能となる。
〔形態7〕 更に、形態7の画像処理装置は、形態3乃至5のいずれか1の画像処理装
置において、
前記ドット形状データは、前記ドットサイズデータである、複数種類のドットサイズに
対応する前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上で特定する第1ドットサイズデータ、
及び当該第1ドットサイズデータに対応する、前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上
で特定する前記第1ドットサイズデータとは異なる属性の第2ドットサイズデータと、当
該第2ドットサイズデータに対応する分光反射率データとを含み、
前記ドット形状情報指定手段は、前記ドット形状に係る情報として、前記第1ドットサ
イズデータに係るドットサイズの情報を指定し、
前記ドット形状データ推定手段は、前記記憶媒体に記憶されたドット形状データと前記
ドット形状情報指定手段で指定された情報とに基づき、ドットサイズデータ推定用補間演
算によって、前記指定されたドットサイズの情報に対する前記記憶媒体に記憶されていな
い第2ドットサイズデータを推定すると共に、分光反射率推定用補間演算によって、前記
推定した第2ドットサイズデータに対する分光反射率データを推定することを特徴として
いる。
このような構成であれば、記憶媒体には、ドットの大きさを特定可能な異なる2種類の
ドットサイズデータを対応させて記憶しているので、一方のドットサイズデータ(第1ド
ットサイズデータ)に係るドットサイズの情報を指定することで、これらの関係から、他
方のドットサイズデータ(第2ドットサイズデータ)を推定することが可能である。更に
、記憶媒体には第2ドットサイズデータに対応させて分光反射率データが記憶されている
ので、推定した第2ドットサイズデータに対する分光反射率データを推定することが可能
である。これにより、実測可能であるが実測していない第2ドットサイズデータや分光反
射率データを推定したり、実在する印刷装置では形成不可能なドットサイズ種類に対する
分光反射率データを推定したりして、これらに対する画像データのドット記録状態のシミ
ュレートを簡易に実行したりすることが可能となる。
〔形態8〕 更に、形態8の画像処理装置は、形態7の画像処理装置において、
前記第1ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータであ
り、前記第2ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータで
あることを特徴としている。
このような構成であれば、ドットを形成するインクの重量を示すデータから、簡易にド
ットの径長を示すデータを推定することが可能であり、更に、当該推定したドットの径長
を示すデータに対する分光反射率データを簡易に推定することが可能である。これにより
、シミュレーションを実行したいドットの径長が解らなくても、インクの重量が解ってい
れば、簡易にそのインクの重量に対する分光反射率データを推定して所望のインク重量の
ドット形状データに対するドットの記録状態をシミュレートすることができる。
〔形態9〕 更に、形態9の画像処理装置は、形態7の画像処理装置において、
前記第1ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータであ
り、前記第2ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータで
あることを特徴としている。
このような構成であれば、ドットの径長を示すデータから、簡易にドットを形成するイ
ンクの重量を示すデータを推定することが可能であり、更に、当該推定したドットを形成
するインクの重量を示すデータに対する分光反射率データを簡易に推定することが可能で
ある。これにより、シミュレーションを実行したいインクの重量が解らなくても、ドット
の径長が解っていれば、簡易にそのドットの径長に対する分光反射率データを推定して所
望のドット径長のドット形状データに対するドットの記録状態をシミュレートすることが
できる。
〔形態10〕 更に、形態10の画像処理装置は、形態7乃至9のいずれか1の画像処
理装置において、
ドットサイズデータ推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記第1ドットデー
タに対応する第2ドットデータを線形補間する補間演算であることを特徴としている。
このような構成であれば、例えば、インクの重量からドットの径長を、ドットの径長か
らインクの重量を精度良く推定することが可能である。つまり、インクの重量とドットの
径長とは略正比例する関係となるので、線形補間によって精度良く実測値間のデータを補
間して目標値を推定することができる。
〔形態11〕 更に、形態11の画像処理装置は、形態6乃至10のいずれか1の画像
処理装置において、
前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
に対応する分光反射率データを、スプライン補間する補間演算であることを特徴としてい
る。
このような構成であれば、公知のスプライン補間演算を用いるので、例えば、インクの
重量やドットの径長に対する分光反射率データのように、実測値間が非線形(例えば、3
次以上の曲線等)に変化する場合でも、実測値間のデータを精度良く補間して目標値を推
定することができる。
〔形態12〕 更に、形態12の画像処理装置は、形態6乃至10のいずれか1の画像
処理装置において、
前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
に対応する分光反射率データを、前記複数種類のドットサイズのサイズ順に、それぞれ2
つのサイズのドットサイズデータに対応する分光反射率データを指数関数補間演算によっ
て補間すると共に、当該補間演算結果を連結する補間演算であることを特徴としている。
このような構成であれば、例えば、インクの重量やドットの径長に対する分光反射率デ
ータのように、実測値間が非線形に変化する場合でも、実測値間のデータを精度良く且つ
比較的軽い処理で推定することができる。つまり、順番に並ぶ複数の実測値の各連続する
2点間をそれぞれ指数関数補間し、これら補間結果を順番に連結することで複数の実測値
の補間結果を得る。これにより、個々の補間を簡易な演算で行うことができるので、例え
ば、前述したスプライン補間演算のように複雑な演算処理が必要なものと比較して高速に
補間演算処理を行うことが可能となる。
〔形態13〕 一方、上記目的を達成するために、形態13の画像処理プログラムは、
ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対して画像処理を実施する
画像処理プログラムであって、
前記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを取得する画像データ取得ステッ
プと、
印刷に用いる媒体上に形成されるドットの形状を示すドット形状データを所定の記憶媒
体に記憶する記憶ステップと、
前記記憶媒体に記憶されたドット形状データに基づき、他のドット形状データを推定す
るドット形状データ推定ステップと、
前記ドット形状データを参照し、前記画素より小さなサブ画素にて構成されるサブ画素
平面上で前記画像データによって形成されるドットの記録状態を示す記録状態データを作
成する記録状態データ作成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用
するプログラムを含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態1記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
また、パソコン(PC)などの汎用のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによ
って前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段
を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの
一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行う
ことができる。以下の、画像処理プログラムの形態において同じである。
〔形態14〕 更に、形態14の画像処理プログラムは、形態13の画像処理プログラ
ムにおいて、
前記ドットの形状に係る情報を指定するドット形状情報指定ステップをコンピュータに
実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記ドット形状データ推定ステップにおいては、前記記憶媒体に記憶されたドット形状
データと前記ドット形状情報指定ステップで指定された情報とに基づき、当該指定された
情報から特定されるドットの形状に対する、前記記憶媒体に記憶されていない他のドット
形状データを推定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態2記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態15〕 更に、形態15の画像処理プログラムは、形態14の画像処理プログラ
ムにおいて、
前記ドット形状データは、前記ドットの形状に係る情報である前記ドットの大きさを前
記サブ画素平面上で特定するドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応する
前記ドットの分光反射率を示す分光反射率データとを含み、
前記記録状態データ作成ステップにおいては、前記画像データによって形成されるドッ
トの分光反射率データから各サブ画素毎の色彩値を算出して前記記録状態を示す記録状態
データとすることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態3記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態16〕 更に、形態16の画像処理プログラムは、形態15の画像処理プログラ
ムにおいて、
前記記録状態データ作成ステップにおいては、前記画像データによって形成される分光
反射率データから各サブ画素毎の明度を算出して前記記録状態を示す記録状態データとす
ることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態4記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態17〕 更に、形態17の画像処理プログラムは、形態16の画像処理プログラ
ムにおいて、
前記ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータと、前記
媒体に形成されるドットの径長を示すデータとの少なくとも一方を含むことを特徴として
いる。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態5記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態18〕 更に、形態18の画像処理プログラムは、形態15乃至17のいずれか
1の画像処理プログラムにおいて、
前記記憶ステップおいては、前記記憶媒体に、前記ドット形状データとして、複数種類
のドットサイズに対応する前記ドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応す
る分光反射率データとを記憶し、
前記ドット形状情報指定ステップにおいては、前記ドット形状に係る情報として、前記
ドットサイズの情報を指定し、
前記ドット形状データ推定ステップにおいては、前記記憶媒体に記憶されたドット形状
データと前記ドット形状情報指定ステップで指定された情報とに基づき、分光反射率推定
用補間演算によって、前記指定されたドットサイズに対する前記記憶媒体に記憶されてい
ない分光反射率データを推定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態6記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態19〕 更に、形態19の画像処理プログラムは、形態15乃至17のいずれか
1の画像処理プログラムにおいて、
前記ドット形状データは、前記ドットサイズデータである、複数種類のドットサイズに
対応する前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上で特定する第1ドットサイズデータ、
及び当該第1ドットサイズデータに対応する、前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上
で特定する前記第1ドットサイズデータとは異なる属性の第2ドットサイズデータと、当
該第2ドットサイズデータに対応する分光反射率データとを含み、
前記ドット形状情報指定ステップにおいては、前記ドット形状に係る情報として、前記
第1ドットサイズデータに係るドットサイズの情報を指定し、
前記ドット形状データ推定ステップにおいては、前記記憶媒体に記憶されたドット形状
データと前記ドット形状情報指定ステップで指定された情報とに基づき、ドットサイズデ
ータ推定用補間演算によって、前記指定されたドットサイズの情報に対する前記記憶媒体
に記憶されていない第2ドットサイズデータを推定すると共に、分光反射率推定用補間演
算によって、前記推定した第2ドットサイズデータに対する分光反射率データを推定する
ことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態7記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態20〕 更に、形態20の画像処理プログラムは、形態19の画像処理プログラ
ムにおいて、
前記第1ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータであ
り、前記第2ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータで
あることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態8記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態21〕 更に、形態21の画像処理プログラムは、形態19の画像処理プログラ
ムにおいて、
前記第1ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータであ
り、前記第2ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータで
あることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態9記載の画像処理装置と同
等の作用及び効果が得られる。
〔形態22〕 更に、形態22の画像処理プログラムは、形態19乃至21のいずれか
1の画像処理プログラムにおいて、
ドットサイズデータ推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記第1ドットデー
タに対応する第2ドットデータを線形補間する補間演算であることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態10記載の画像処理装置と
同等の作用及び効果が得られる。
〔形態23〕 更に、形態23の画像処理プログラムは、形態18乃至22のいずれか
1の画像処理プログラムにおいて、
前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
に対応する分光反射率データを、スプライン補間する補間演算であることを特徴としてい
る。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態11記載の画像処理装置と
同等の作用及び効果が得られる。
〔形態24〕 更に、形態24の画像処理プログラムは、形態18乃至22のいずれか
1の画像処理プログラムにおいて、
前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
に対応する分光反射率データを、前記複数種類のドットサイズのサイズ順に、それぞれ2
つのサイズのドットサイズデータに対応する分光反射率データを指数関数補間演算によっ
て補間すると共に、当該補間演算結果を連結する補間演算であることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られ
たプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態12記載の画像処理装置と
同等の作用及び効果が得られる。
〔形態25〕 また、上記目的を達成するために、形態25のコンピュータ読み取り可
能な記憶媒体は、形態13乃至24のいずれか1の画像処理プログラムを記憶したコンピ
ュータ読み取り可能な記憶媒体としている。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュー
タ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態13乃至24のいずれか1に記載の画像処理
プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
〔形態26〕 一方、上記目的を達成するために、形態26の画像処理方法は、
ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対して画像処理を実施する
画像処理方法であって、
前記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを取得する画像データ取得ステッ
プと、
印刷に用いる媒体上に形成されるドットの形状を示すドット形状データを所定の記憶媒
体に記憶する記憶ステップと、
前記記憶媒体に記憶されたドット形状データに基づき、他のドット形状データを推定す
るドット形状データ推定ステップと、
前記ドット形状データを参照し、前記画素より小さなサブ画素にて構成されるサブ画素
平面上で前記画像データによって形成されるドットの記録状態を示す記録状態データを作
成する記録状態データ作成ステップと、を含むことを特徴としている。
これによって、形態1の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態27〕 更に、形態27の画像処理方法は、形態26の画像処理方法において、
前記ドットの形状に係る情報を指定するドット形状情報指定ステップを含み、
前記ドット形状データ推定ステップにおいては、前記記憶媒体に記憶されたドット形状
データと前記ドット形状情報指定ステップで指定された情報とに基づき、当該指定された
情報から特定されるドットの形状に対する、前記記憶媒体に記憶されていない他のドット
形状データを推定することを特徴としている。
これによって、形態2の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態28〕 更に、形態28の画像処理方法は、形態27の画像処理方法において、
前記ドット形状データは、前記ドットの形状に係る情報である前記ドットの大きさを前
記サブ画素平面上で特定するドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応する
前記ドットの分光反射率を示す分光反射率データとを含み、
前記記録状態データ作成ステップにおいては、前記画像データによって形成されるドッ
トの分光反射率データから各サブ画素毎の色彩値を算出して前記記録状態を示す記録状態
データとすることを特徴としている。
これによって、形態3の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態29〕 更に、形態29の画像処理方法は、形態28の画像処理方法において、
前記記録状態データ作成ステップにおいては、前記画像データによって形成される分光
反射率データから各サブ画素毎の明度を算出して前記記録状態を示す記録状態データとす
ることを特徴としている。
これによって、形態4の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態30〕 更に、形態30の画像処理方法は、形態29の画像処理方法において、
前記ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータと、前記
媒体に形成されるドットの径長を示すデータとの少なくとも一方を含むことを特徴として
いる。
これによって、形態5の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態31〕 更に、形態31の画像処理方法は、形態28乃至30のいずれか1の画
像処理方法において、
前記記憶ステップおいては、前記記憶媒体に、前記ドット形状データとして、複数種類
のドットサイズに対応する前記ドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応す
る分光反射率データとを記憶し、
前記ドット形状情報指定ステップにおいては、前記ドット形状に係る情報として、前記
ドットサイズの情報を指定し、
前記ドット形状データ推定ステップにおいては、前記記憶媒体に記憶されたドット形状
データと前記ドット形状情報指定ステップで指定された情報とに基づき、分光反射率推定
用補間演算によって、前記指定されたドットサイズに対する前記記憶媒体に記憶されてい
ない分光反射率データを推定することを特徴としている。
これによって、形態6の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態32〕 更に、形態32の画像処理方法は、形態28乃至30のいずれか1の画
像処理方法において、
前記ドット形状データは、前記ドットサイズデータである、複数種類のドットサイズに
対応する前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上で特定する第1ドットサイズデータ、
及び当該第1ドットサイズデータに対応する、前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上
で特定する前記第1ドットサイズデータとは異なる属性の第2ドットサイズデータと、当
該第2ドットサイズデータに対応する分光反射率データとを含み、
前記ドット形状情報指定ステップにおいては、前記ドット形状に係る情報として、前記
第1ドットサイズデータに係るドットサイズの情報を指定し、
前記ドット形状データ推定ステップにおいては、前記記憶媒体に記憶されたドット形状
データと前記ドット形状情報指定ステップで指定された情報とに基づき、ドットサイズデ
ータ推定用補間演算によって、前記指定されたドットサイズの情報に対する前記記憶媒体
に記憶されていない第2ドットサイズデータを推定すると共に、分光反射率推定用補間演
算によって、前記推定した第2ドットサイズデータに対する分光反射率データを推定する
ことを特徴としている。
これによって、形態7の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態33〕 更に、形態33の画像処理方法は、形態32の画像処理方法において、
前記第1ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータであ
り、前記第2ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータで
あることを特徴としている。
これによって、形態8の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態34〕 更に、形態34の画像処理方法は、形態32の画像処理方法において、
前記第1ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータであ
り、前記第2ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータで
あることを特徴としている。
これによって、形態9の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態35〕 更に、形態35の画像処理方法は、形態32乃至34のいずれか1の画
像処理方法において、
ドットサイズデータ推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記第1ドットデー
タに対応する第2ドットデータを線形補間する補間演算であることを特徴としている。
これによって、形態10の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態36〕 更に、形態36の画像処理方法は、形態31乃至35のいずれか1の画
像処理方法において、
前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
に対応する分光反射率データを、スプライン補間する補間演算であることを特徴としてい
る。
これによって、形態11の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態37〕 更に、形態37の画像処理方法は、形態31乃至35のいずれか1の画
像処理方法において、
前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
に対応する分光反射率データを、前記複数種類のドットサイズのサイズ順に、それぞれ2
つのサイズのドットサイズデータに対応する分光反射率データを指数関数補間演算によっ
て補間すると共に、当該補間演算結果を連結する補間演算であることを特徴としている。
これによって、形態12の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図14は、本発明に係る画
像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、及び画像処理プログラムを記憶した記
憶媒体の実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係る画像処理装置の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係
る画像処理装置10の構成を示すブロック図である。
画像処理装置10は、演算処理の中枢をなす図示しないCPUや記憶媒体としてのRO
MやRAM等を備えており、図1に示すように、HDD15等の周辺機器を利用しながら
所定のプログラムを実行することができる。また、画像処理装置10にはI/O19aを
介してキーボードやマウス等の入力機器12が接続されており、I/O19bを介してデ
ィスプレイ18も接続されている。
なお、画像処理装置10には、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するも
のを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコン
ピュータに限定されるものではない。本実施の形態では、いわゆるデスクトップ型コンピ
ュータを採用するが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。
HDD15には、シミュレーション対象の画像データであるRGBデータと、sRGB
表色系とCMYKOG表色系との対応関係を記述したテーブルであるLUT15bと、シ
ミュレーション処理に必要な印刷条件を示すデータであるパラメータデータ15cと、ド
ット形状データとが記憶されている。
上記RGBデータは、RGB(レッド,グリーン,ブルー)の各色成分を階調表現して
各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、本実施の形態では各色256
階調であり、sRGB規格に従った表色系を採用したデータである。
また、上記ドット形状データは、既知ドットのインク重量と径長との対応関係を示すデ
ータであるドットサイズデータ15dと、当該ドットサイズデータ15dに対応する所定
波長及び所定階調毎の分光反射率データ15eと、仮想ドットのインク重量と径長との対
応関係を示すデータである仮想ドットサイズデータ15fと、当該仮想ドットサイズデー
タ15fに対応する所定波長及び所定階調毎の仮想分光反射率データ15gとが含まれる
更に、画像処理装置10は、図1に示すように、シミュレーションモジュール30と、
入力機器ドライバ(DRV)31と、ディスプレイドライバ(DRV)32とが、不図示
のOS(Operation System)に組み込まれている。
入力機器DRV31は、I/O19aを介して入力される上記キーボードやマウスなど
の入力機器12からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである
ディスプレイDRV32は、ディスプレイ18における印刷対象画像等の表示を制御す
るドライバである。
シミュレーションモジュール30は、シミュレーション指示が行われた画像データにつ
いて所定の処理を行って印刷シミュレートを実行可能である。つまり、実際の印刷を行う
ことなく、印刷媒体上に形成されるドットの記録状態をシミュレートすることができる。
また、ターゲットとする印刷装置で印字可能な既存ドットに対して実測した各種データに
基づき、前記印刷装置で印字できない仮想ドットに対する各種データを推定して、当該仮
想ドットの記録状態をシミュレートすることもできる。
シミュレーションモジュール30は、図1に示すように、仮想ドットに対するデータを
推定するために、ドット形状データ取得部30aと、仮想ドット条件設定部30bと、ド
ット形状データ推定部30cと、推定データ出力部30dとを含んだ構成となっている。
ドット形状データ取得部30aは、HDD15から、実測値からなるドットサイズデー
タ15dと、当該ドットサイズデータ15dに対応する分光反射率データ15eとを取得
し、これら取得したデータを仮想ドット条件設定部30bへと出力する。
仮想ドット条件設定部30bは、利用者が入力機器12を介して指定するもので、本実
施の形態においては、仮想ドットのドットサイズに係る情報(例えば、仮想ドットのイン
ク重量又は仮想ドットの径長など)等の仮想ドットの条件を指定でき、当該指定された仮
想ドット条件に対するドットサイズデータ及び分光反射率データを推定できるように当該
仮想ドット条件を設定する。
ドット形状データ推定部30cは、仮想ドット条件設定部30bで設定された仮想ドッ
ト条件に基づき、各種補間演算を用いて、当該仮想ドット条件に対応したドットサイズデ
ータ及び分光反射率データとを推定する。本実施の形態においては、仮想ドットのインク
重量を条件として指定且つ設定するようになっており、当該仮想ドットのインク重量に対
するドットの径長を線形補間によって推定し、当該推定した径長からドットの面積を算出
し、当該推定したドット面積に対する分光反射率データを連結指数関数補間によって推定
する。
推定データ出力部30dは、ドット形状データ推定部30cで推定された、仮想ドット
条件に対するドットサイズデータ及び分光反射率データを、それぞれ仮想ドットサイズデ
ータ15f及び仮想分光反射率データ15gとしてHDD15に記憶する。また、印刷条
件で指定された仮想ドット条件に対するドット形状データがHDD15に記憶されておら
ず、ドット形状データ推定部30cでこの仮想ドット条件に対するドット形状データを推
定したときは、HDD15に記憶すると共に、推定した仮想ドットサイズデータ15fを
記録状態データ作成部30kに出力し、推定した仮想分光反射率データ15gを明度算出
部30mに出力する。
図1に示すように、シミュレーションモジュール30は、更に、画像データ取得部30
eと、色変換モジュール30fと、ハーフトーン処理部30gと、印刷データ作成モジュ
ール30hとを含んだ構成をしている。
画像データ取得部30eは、HDD15からRGBデータ15aを取得し、予め設定さ
れた印刷解像度により、画素数に過不足があれば必要に応じて補間等によって画素数を減
らし、または増加させるモジュールである。
本実施の形態においては、RGBデータを例にして説明するが、YCbCr表色系を採
用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用したデータ等、種々のデータを採用可
能である。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登
録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会
社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用することもできる。
色変換モジュール30fは、HDD15に保存されているLUT15bを参照して、上
記RGBデータの表色系をCMYKOG表色系に変換するモジュールである。すなわち、
LUT15bは、sRGB表色系とCMYKOG表色系とのそれぞれによって色を表現す
るとともに両者を対応づけ、複数の色についてこの対応関係を記述したテーブルである。
従って、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であってLUT15b
に規定されたsRGBの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMY
KOG表色系の色を算出することができ、色変換を実施することができる。このLUT1
5bは予め複数のテーブルが用意してあり、印刷媒体の種類や解像度など印刷条件毎に対
応づけられている。なお、変換後のCMYKOGデータも各色成分を階調表現して各画素
の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、本実施の形態では各色256階調で
ある。
ハーフトーン処理部30gは、CMYKOGデータを参照して、各画素の色を256よ
り少ない階調(本実施の形態では2階調)で表現したハーフトーン画像データを色毎に生
成する。
ハーフトーン画像データ取得部30hは、上記ハーフトーン処理部30gでハーフトー
ン処理後のデータを取得する。
パラメータ取得部30iは、HDD15に記録されたパラメータデータ15cから必要
なデータを適宜取得する。本実施の形態においては、印刷装置の種類、仮想ドット条件、
X解像度,Y解像度,色数,印刷媒体,サブ画素数/画素のそれぞれを示すデータを取得
する。
サブ画素平面形成部30jは、ドットの記録状態をシミュレートするためのサブ画素平
面を形成する。すなわち、上記ハーフトーン画像データ取得部30hが取得したデータに
おける各画素を上記パラメータデータ15cのサブ画素数/画素で分割し、分割して得ら
れたサブ画素によってシミュレートを行う平面を形成する。すなわち、ハーフトーン画像
データのドットマトリクスをさらに分解能の高いドットマトリクスにする。
記録状態データ作成部30kは、HDD15に記憶されたドットサイズデータ15d、
若しくは仮想ドットサイズデータ15f、又は推定データ出力部30dから入力された仮
想ドットサイズデータ15fを参照し、サブ画素平面上でドット形状をシミュレートする
。すなわち、上記ハーフトーン処理後のハーフトーン画像データにおいては各画素につい
てドットを形成するか否かを2階調で指定しているので、このハーフトーン画像データか
ら各画素に対応するサブ画素上にドットを形成するか否かを決定することができる。また
、実測値の測定に用いられた印刷装置が解っているので、上記ハーフトーン画像データに
おける各画素のドットを形成するノズルを特定することができる。そこで、ドットサイズ
データ15d又は仮想ドットサイズデータ15fを参照すれば、各画素に対応するサブ画
素において形成されるドットの形状を詳細に特定することができる。
明度算出部30mは、印刷媒体に形成されたドットが人間の目によってどのように視認
されるのかを評価できるようにするために、各インクを重畳した状態での明度を算出する
。すなわち、所定の光源を想定し、前記印刷媒体に対応した分光反射率と人間の目の分光
感度とから三刺激値XYZを算出し、さらにこの三刺激値XYZからL*a*b*値を算出
する。このようにして得られたL*が明度であり、サブ画素平面上の各座標について明度
が特定されることになる(これをL(x,y)と表記する)。なお、各インク色毎のサブ
画素平面において座標(x,y)は同じ位置に相当するので、異なるインク色のサブ画素
平面で同じ座標上にドットが形成されている場合には、各色の分光反射率を互いに乗じて
重畳された分光反射率として明度を算出すればよい。座標(x,y)にドットが形成され
ていない場合には、印刷媒体における明度(上記分光反射率データ15eのW)がL(x
,y)となる。
粒状性指標算出部30nは、明度算出部30mで算出された明度L(x,y)に基づき
、画像の粒状性を評価するための粒状性指標を算出する。
仮想ドット条件に対応したドットサイズデータ及び分光反射率データの推定処理は、シ
ミュレーションモジュールの図示しないプロパティ画面において、仮想ドット形状データ
の推定処理の開始を指示するか、又は後述するシミュレーション処理において、印刷条件
で指定した仮想ドット条件に対応する仮想ドット形状データ(仮想ドットサイズデータ1
5f及び仮想分光反射率データ15g)がHDD15に記憶されていないときに実施され
る。
図2は、仮想ドット形状データの推定処理を示すフローチャートである。推定処理が開
始されると、ドット形状データ取得部30aは、仮想ドット条件が指定されたか否かを判
断し、仮想ドット条件が指定されたと判断すると、HDD15からドットサイズデータ1
5d及び分光反射率データ15eを取得する(S100)。
仮想ドット条件設定部30bは、ドット形状データ取得部30aで取得した仮想ドット
条件に基づき、ドット形状データを推定すべき仮想ドットの条件を設定する(S102)
本実施の形態においては、仮想ドット条件として、実測値を測定した印刷装置の種類と
、仮想ドットを形成するインク重量の情報である仮想インク重量を指定することができる
。仮想インク重量の指定方法としては、本実施の形態では[ng]等の重量(グラム)の単
位で指定するが、これに限らず、[pl]等の体積(リットル)の単位でも良い。
なお、指定された仮想ドット条件における印刷装置の種類が、既に補間式が作成されて
いる種類である場合には、HDD15から、ドット形状データではなくて作成された補間
式のデータを取得するようにしても良い。つまり、各印刷装置毎に作成した補間式をHD
D15に記憶しておくことで、既に補間式の作成してある印刷装置の仮想ドット条件に対
するデータを推定するときに、再度補間式の作成処理を行わずにすむ。
仮想ドット条件が設定されると、ドット形状データ推定部30cは、設定された仮想イ
ンク重量から、まず仮想ドットの径長(長径及び短径)を推定するための補間式を作成し
(S104)、次いで、仮想ドットの分光反射率データを推定するための連結補間式を作
成する(S106)。
以下、図3及び図4に基づき、仮想インク重量に対する仮想ドット径長を推定するため
の補間式の作成方法について具体的に説明する。ここで、図3は、ドットサイズデータ1
5dの例を説明する説明図である。また、図4(a)は、実測されたインク重量及びドッ
ト径長を線形補間した一例を示す図であり、(b)は、(a)の補間結果が得られる補間
式から算出した仮想ドットサイズデータ15fの一例を示す図である。
図3に示すように、ドットサイズデータ15dは、印刷媒体上に記録されるドットをサ
ブ画素平面上で再現するために、ドットの形状および大きさを特定するためのパラメータ
を記述したデータである。なお、図3には、ある1つのノズルに対するドットサイズデー
タ15dが示されており、実際は、データの実測に用いた印刷装置の有するノズル毎にデ
ータが記述される。また、本実施の形態においては、ドットの形状が楕円形であると予め
決められており、楕円の長径および短径によってその形状および大きさを特定するように
してある。また、ドットサイズデータ15dを生成するためのデータの実測に用いられた
印刷装置は、3種類のサイズのドットを形成することができ、図3に示すように、ドット
サイズデータ15dは、各サイズ(長径及び短径)のデータと、当該各サイズのドットを
形成するのに必要なインク重量のデータとをパラメータとして含んでいる。また、各パラ
メータは各ノズル毎、インクの色毎に記述され、これらのセットから構成されるドットサ
イズデータ15dが印刷媒体の種類毎に予め用意されている。
図3の下部には各パラメータによって特定されるドットの形状を示している。ドットサ
イズデータ15dによって指定される各走査方向のサイズを長径あるいは短径とした楕円
を形成し、各ドットの形状とする。なお、ドットサイズデータ15dは、実測値の測定に
用いられた印刷装置に搭載されるキャリッジに形成された各ノズルから実際にインクを吐
出するとともに印刷媒体での形状および大きさを計測することによって作成され、各パラ
メータの値はサブ画素単位で決められている。従って、サブ画素平面上で各走査方向のサ
イズを一義的に特定可能である。
また、図3に示す例では、Cインクについてノズル番号1にて形成される、インク重量
3[ng]のドットの主走査方向のサイズが39、副走査方向のサイズが29となる。また
、インク重量7[ng]のドットの主走査方向のサイズが52、副走査方向のサイズが40
となる。また、インク重量14[ng]のドットの主走査方向のサイズが73、副走査方向
のサイズが51となる。
また、実測値の測定に用いられる印刷装置に備えられたキャリッジを主走査方向に移動
させながらインク滴を吐出すると、インク滴は印刷媒体に対して主走査方向に相対速度を
持ちながら飛翔し、印刷媒体上で主走査方向と長径とが略平行な楕円のドットを形成する
。従って、ドット形状は一般的には図3の下部に示すように主走査方向が長径となった楕
円であるが、むろん、長径方向が限定されることはないし、長径と短径を同じ値にするこ
とによって円形のドットであるとしても良い。
ここで、図3に示す、インク重量と、当該インク重量に対するドットの長径及び短径と
を、それぞれインク重量に対するドットの長径及びインク重量に対するドットの短径の2
つの関係に分け、これらの実測値データから公知の最小二乗法を用いて補間式を求める。
図3に示す例においては、ドットの長径を求める補間式が「y1=3x+31」、ドッ
トの短径を求める補間式が「y2=2x+28」といったように求まる。但し、y1はド
ットの長径、y2はドットの短径、xはインク重量とする。
このようにして求めた補間式によって算出される仮想インク重量に対する仮想ドット径
長は、図4(a)に示すように、横軸をインク重量、縦軸をドット径長として実測値デー
タを大きなプロットで示すと、各大プロット間を直線で結ぶ傾き及び切片を有する。そし
て、この直線上のプロット(図4(a)中の小プロット)が、仮想インク重量に対する径
長となる。実際に、上記補間式にインク重量を3〜15まで1刻みで代入すると、図4(
a)に示すように、代入した各インク重量に対するドットの長径及び短径を算出すること
ができる。
なお、仮想ドット条件として、仮想ドットの長径及び短径が指定された場合は、必要で
あれば、仮想ドットの長径及び短径に対する仮想インク重量を推定する補間式を同様の方
法で作成する。例えば、分光反射率データ15eが、インク重量に対応したデータとなっ
ている場合は、仮想ドットの長径又は短径からインク重量を推定する線形補間式の作成が
必要となる。線形補間式を作成する必要が無い場合は、このステップS104を飛ばして
、ステップS106,S110の処理を実行する。
更に、図5〜図8に基づき、仮想ドットサイズデータに対する仮想分光反射率データを
推定するための連結補間式の作成方法について具体的に説明する。ここで、図5(a)〜
(c)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対する分光反射率データの一例を示す図
である。また、図6(a)及び(b)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対する分
光反射率データに対して、従来の多項式を用いた補間及び従来の指数関数補間をした一例
を示す図である。また、図7(a)〜(c)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対
する波長620[nm]の分光反射率データを連結指数関数補間した一例を示す図である。
また、図8(a)〜(c)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対する波長380[
nm]の分光反射率データを連結指数関数補間した一例を示す図である。
分光反射率データ15eは、印刷媒体上に記録したドットの反射率を複数の光の波長に
対応づけて示すデータである。この反射率は実測値を測定する印刷装置にて使用する各色
のインクおよび印刷媒体に対してインクを記録しない状態について予め決められている。
例えば、各インクの分光反射率を予め測定し、波長380[nm]から780[nm]まで1
0[nm]間隔で反射率を特定して分光反射率データ15eとする。本実施の形態において
は、各印刷媒体におけるインク量制限の最大値で所定の大きさのパッチを印刷し、所定の
光源下で当該パッチを測色することによって分光反射率を取得している。すなわち、この
ようにして得られた分光反射率が各ドットを観察したときの分光反射率であるとしている
。なお、このような分光反射率の取得法は一例であり、所定のインク記録率でパッチを印
刷し、印刷媒体上のドットの面積とドットが記録されていない部分の面積との比率を利用
して各色の分光反射率を算出してもよく、種々の構成を採用可能である。また、本発明に
おいては、各サブ画素毎に色彩値(本実施の形態では明度)を算出することができればよ
く、この意味では、分光反射率を示すデータを用意することが必須というわけではない。
例えば、単色での色彩値および複数色を重ね合わせたときの色彩値を示すデータを予め用
意する構成を採用可能である。
具体的に、図5(a)〜(c)に示すように、図3に示すドットサイズデータ15dに
対応するあるインク色の分光反射率データ15eは、ドットの長径及び短径から算出でき
る各ドットの面積に対する、所定波長毎且つ所定階調毎の分光反射率データとして記述さ
れる。ここで、図3に示す、インク重量3[ng]のドット(以下、ドットAと称す)の面
積は、約1005[μm2]となり、インク重量7[ng]のドット(以下、ドットGと称す
)の面積は、約1634[μm2]となり、インク重量14[ng]のドット(以下、ドット
Wと称す)の面積は、約2924[μm2]となる。つまり、ドットAの分光反射率データ
は図5(a)に示すようになり、ドットGの分光反射率データは図5(b)に示すように
なり、ドットWの分光反射率データは図5(c)に示すようになる。
次に、図5(a)〜(c)に示す分光反射率データ15eにおける、ドットA、G、W
の各面積に対する、階調11及び波長620[nm]のデータに対して、従来の補間方法を
用いた場合に生じる可能性のある問題点を説明する。図6(a)は、横軸を面積、縦軸を
分光反射率とした場合の、階調11及び波長620[nm]の分光反射率データをプロット
した一例を示す図である。図6(a)中の曲線αは、公知の多項式補間をしたときの補間
結果を示すもので、補間式の値が実測値データに対しても大きくずれている。また、図6
(a)中の曲線βは、公知の指数関数補間をしたときの補間結果を示すもので、ドットA
のプロットとドットGのプロットとの間は精度良く補間されているが、ドットGのプロッ
トとドットWのプロットとの間が、本来はマイナス値にならないはずの分光反射率がマイ
ナス値になるなど大きな誤差が生じている。このことは、図6(b)に示す、階調11及
び波長380[nm]の分光反射率データに対しても同じである。
そこで、本実施の形態においては、上記指数関数補間の問題点を考慮して、ドットAと
ドットGとの実測値データ間の指数関数補間と、ドットGとドットWとの実測値データ間
の指数関数補間とをそれぞれ別々に行い、これら補間結果を連結する連結指数関数補間を
行う。
ここで、指数関数補間は、指数関数近似式を用いた公知の補間演算方法であり、実測値
データを変数変換(X’=log(X)など)し、この変換後のデータに対して最小二乗
法などを用いた線形補間(近似)を行い、その補間結果を変数逆変換(X=exp(X’
)など)することで簡易に行うことができる。
例えば、あるインク色で印字された上記ドットA、G、Wの各ドット面積に対する階調
11、波長620[nm]の、実測された分光反射率データ間を指数関数補間する場合を説
明する。この場合は、まずドットA及びGの実測値データ間を指数関数近似式で補間して
指数関数補間式AGを求める。次に、ドットG及びドットWの実測値データ間を指数関数
近似式で補間して指数関数補間式GWを求める。そして、これら指数関数補間式AGと指
数関数補間式GWとを連結する(対応付ける)ことで、これを階調11、波長620[n
m]に対する、仮想ドット面積に対する仮想分光反射率データを推定する補間式とする。
なお、この補間式の補間曲線を示したものが、図7(a)に示す曲線である。この図7(
a)からは、従来のドットA、G、Wの3点の実測値データ間を一度に指数関数補間する
ことで生じていた、図6(a)に示すドットG及びWの実測値データ間での補間結果がマ
イナス値になる問題が解消されていることが解る。このことは、他の階調についても同様
の結果が得られ、例えば、波長620[nm]で、階調5のときの連結指数関数補間結果は
、図7(b)に示すように良好なものが得られる。また、波長620[nm]で、階調1の
ときの指数関数補間結果は、図7(c)に示すような、A、G、Wの3点の実測値データ
間が線形に変化する場合でも良好な結果が得られる。
また、例えば、あるインク色で印字された上記ドットA、G、Wの各ドット面積に対す
る階調11、波長380[nm]の、実測された分光反射率データ間を指数関数補間する場
合を説明する。この場合も、波長620[nm]のときと同様に、連結指数関数補間を用い
ることで、図8(a)に示すように、その補間結果は、図6(b)示すドットG及びWの
実測値データ間での補間結果がマイナス値になる問題が解消されていることが解る。この
ことは、他の階調についても同様の結果が得られ、例えば、波長380[nm]で、階調5
のときの連結指数関数補間結果は、図8(b)に示すように良好なものが得られる。また
、波長380[nm]で、階調1のときの指数関数補間結果は、図8(c)に示すような、
A、G、Wの3点の実測値データ間が線形に変化するような場合でも良好な結果が得られ
る。
以上のようにして、各インク色毎、各印刷媒体毎等の各組み合わせ毎の仮想インク重量
から仮想ドット径長(長径及び短径)を求める線形補間式と、各インク色毎、各印刷媒体
毎、各面積毎、各波長毎、各階調毎等の各組み合わせ毎の仮想ドット面積から仮想分光反
射率データ15gを求める連結指数関数補間式とが作成されると、これら作成した補間式
を用いて、所望の仮想ドットサイズデータ15f及び仮想分光反射率データ15gを推定
する(S108,S110)。
ここで、図9(a)及び(c)は、仮想インク重量と仮想ドットサイズデータの一例を
示す図であり、(b)及び(d)は、仮想ドット面積に対する仮想分光反射率データの一
例を示す図である。
図9(a)に示すように、仮想ドット条件として仮想インク重量5[ng]が設定された
とする。この場合の仮想ドットの長径及び短径は、上記線形補間式から、図9(a)に示
すように、長径が「45[μm]」、短径が「35.5[μm]」と算出(推定)することが
できる。そして、これら推定した長径及び短径から、図9(a)に示すように、この仮想
ドットの面積「1254[μm2]」を推定することができる。
仮想インク重量5[ng]の仮想ドットの面積が推定されると、上記各組み合わせ毎に作
成された連結指数関数補間式に推定された面積値「1254」を代入して、図9(b)に
示すように、当該仮想ドットに対する、各波長及び各階調毎の仮想分光反射率データを推
定する。
図9(c)の例は、仮想ドット条件として仮想インク重量10[ng]が設定された場合
である。この場合は、図9(a)の例と同様に、上記作成した線形補間式を用いて、図9
(c)に示すように、長径が「59.5[μm]」、短径が「44.4[μm]」と算出(推
定)することができる。そして、これら推定した長径及び短径から、図9(c)に示すよ
うに、この仮想ドットの面積「2076[μm2]」を推定することができる。仮想分光反
射率データ15gについても、上記図9(b)の例と同様に、上記作成した連結指数関数
補間式を用いて、図9(d)のように推定することができる。
以上、仮想ドット条件に対する仮想ドット形状データの推定のために、各2点間の指数
関数補間による連結指数関数補間式を作成する方法を説明したが、これに限らず、公知の
スプライン補間によって3点間を一度に補間する補間式を作成しても良い。スプライン補
間の補間精度であれば、図6(a)及び(b)に示す上記問題を解決することができ、且
つより良好な補間式を得ることも可能である。但し、スプライン補間は、指数関数補間に
比べて計算が複雑になるため、計算速度については指数関数補間の方が速くなる。従って
、各仮想ドット条件に対応する補間式を予め作成しておくような場合は、スプライン補間
を用いるのが望ましく、仮想ドット条件が指定される度にリアルタイムに補間式を演算す
るような場合は連結指数関数補間を用いるのが望ましい。
このようにして推定された仮想ドット条件に対する仮想ドットサイズデータ15d及び
仮想分光反射率データ15gは、HDD15に出力(記憶)されると共に、ドット記録状
態データの作成シミュレーションの実行中であれば、仮想ドットサイズデータ15dを記
録状態データ作成部30kに、仮想分光反射率データ15gを明度算出部30mにそれぞ
れ出力する(S112)。
以上、本実施の形態の画像処理装置10は、実測されたドットサイズデータ15dから
、実測不能な仮想ドットサイズに対する仮想ドットサイズデータ15fを、線形補間によ
り作成した補間式によって推定することが可能である。更に、推定された仮想ドットサイ
ズデータ15fと、実測された分光反射率データ15eとから、実測不能な仮想ドットサ
イズに対する仮想分光反射率データ15gを、連結指数関数補間により作成した連結指数
関数補間式によって推定することが可能である。これにより、例えば、ターゲットとする
印刷装置では印字不可能なドットサイズに対するドットサイズデータ及び分光反射率デー
タを推定することが可能となる。なお、実測不能なデータだけでなく、実測可能であるが
実測していないデータに対しても、同様の補間演算を用いて補間式を作成し推定すること
が可能である。
次に、図10〜図14に基づき、画像処理装置100のシミュレーション処理を説明す
る。
ここで、図10は、シミュレーション処理を示すフローチャートである。シミュレーシ
ョン処理が開始されると、利用者はマウス等の入力機器12を操作して上記RGBデータ
15aの印刷条件を入力し、シミュレーションモジュール30はこの印刷条件を示すデー
タを取得し、シミュレーション時の印刷条件として受け付ける(S200)。このとき、
受け付けた印刷条件を示すデータはパラメータデータ15cとしてHDD15に記録する
なお、ここではシミュレートのために印刷条件を特定するのみであり、実際に印刷を実
行するための印刷条件を指定するのではない。また、印刷を実行するために必要な総ての
情報(例えば、印刷時のモードや解像度、速度等)が印刷条件になり得る。印刷条件が確
定したら、上記画像データ取得部30eと、色変換モジュール30fと、ハーフトーン処
理部30gとは、この印刷条件に従ってそれぞれの処理を行う。
すなわち、画像データ取得部30eはRGBデータ15aを取得し、上記印刷条件とし
て特定された印刷解像度を参照する。そして、実測値の測定に用いられた印刷装置にて画
像を形成する際の各画素数を算出し、上記RGBデータ15aの画素数と比較する。これ
により、RGBデータ15aの画素数に過不足があれば、補間処理等によって画素数を調
整する(ステップS205)。
色変換モジュール30fは上記印刷条件として特定された印刷媒体の種類や解像度等に
対応したLUT15bを選択し、当該LUT15bを参照して上記RGBデータ15aあ
るいは画素数が調整されたデータの表色系を変換する(ステップS210)。すなわち、
CMYKOG各色の階調データを生成する。ハーフトーン処理部30gは当該色変換後の
階調データに対してハーフトーン処理を実施する。上記印刷条件としてハーフトーンアル
ゴリズムが指定可能である場合には指定されたアルゴリズムでハーフトーン処理を実施す
る(ステップS215)。
シミュレーション処理においては、ステップS215の後、上記ハーフトーン画像デー
タ取得部30hが上記ハーフトーン処理後のデータを取得し、シミュレーションモジュー
ル30の各部(30i〜30n)がステップS220以降の処理を行って粒状性指標を算
出する。本実施の形態においては、HDD15に上述のパラメータデータ15cと、ドッ
トサイズデータ15dと、分光反射率データ15eとが記録された状態で粒状性指標の算
出を行う。
図11は、パラメータデータ15cの例を説明する説明図である。パラメータデータ1
5cは、上述のようにして利用者に入力された印刷条件を示すデータと予め決められたデ
ータとを含む。同図においては、上記印刷条件として取得した、印刷装置の種類、仮想ド
ット条件、主走査方向の解像度(X解像度)と副走査方向の解像度(Y解像度)、インク
の色数および印刷媒体の種類が記述されている。
印刷装置の種類及び仮想ドット条件は、上記仮想ドットサイズデータ15f及び仮想分
光反射率データ15gの推定処理におけるものと同様である。
X解像度とY解像度は解像度をdpi等の単位で指定したデータであり、同図において
はそれぞれ1440[dpi]、720[dpi]である。インクの色数は実測値の測定に用
いられた印刷装置に搭載されるインクの色数であり、本実施の形態では6色が指定される
ことによってCMYKOGの各インク色を特定している。むろん、インクの色自体を直接
的に指定しても良い。印刷媒体は写真用紙等媒体の種類を示すデータであるが、複数種類
の媒体を選択可能に構成していないのであれば、当該印刷媒体を示すデータは必須ではな
い。
図11に示す例においては、予め決められたデータとして"サブ画素数/画素"およびノ
ズル数が記述されている。このサブ画素数/画素はハーフトーン処理後のデータにおける
各画素をそれより小さなサブ画素に分割する際の分割数を示しており、図11においては
各画素を縦横20個のサブ画素に分割することを示している。むろん、この分割数は利用
者が印刷条件として指定しても良いし、20に限定されるわけではない。ノズル数は、実
測値の測定に用いられた印刷装置に搭載されるキャリッジに形成されたノズルの副走査方
向の数を示している。なお、パラメータデータ15cには、以上の例以外にも粒状性指標
を算出する際に必要な種々のデータを記述可能であり必要に応じて各種データを記述し、
利用可能である。
上記図10に示すフローにおいて、上述のようにハーフトーン画像データ取得部30h
が上記ハーフトーン処理後のデータを取得すると、パラメータ取得部30iは上記HDD
15に記録されたパラメータデータ15cから必要なデータを適宜取得する(ステップS
220)。本実施の形態においては、印刷装置の種類、仮想ドット条件、X解像度,Y解
像度,色数,印刷媒体,サブ画素数/画素のそれぞれを示すデータを取得する。
なお、パラメータ取得部30iは、パラメータデータ15cを参照し、印刷装置の種類
に対する仮想ドット条件が算出されていない場合は、ドット形状データ取得部30aに印
刷装置の種類及び仮想ドット条件を出力して、ドット形状データ取得部30a、仮想ドッ
ト条件設定部及びドット形状データ推定部30cにおいて、仮想ドット条件に対する仮想
ドット形状データを推定させる。また、推定された仮想ドット形状データは、推定データ
出力部30dを介して、仮想ドットサイズデータ15fは記録状態データ作成部30kに
、仮想分光反射率データ15gは明度算出部30mにそれぞれ出力される。
次にサブ画素平面形成部30jは、ドットの記録状態をシミュレートするためのサブ画
素平面を形成する(ステップS225)。具体的な処理としては、上記ハーフトーン画像
データにおける各画素をサブ画素数/画素で分割し、分割して得られたサブ画素の各画素
について記録状態データを特定できるように配列を定義する。
図12は、本実施の形態におけるシミュレーション処理を説明するための説明図である
。同図において、左上にはハーフトーン処理後のハーフトーン画像データを示し、同図中
央にはサブ画素平面を示している。すなわち、同図中央に示すように画素より小さな矩形
で形成される平面をサブ画素平面と考える。なお、図12では、サブ画素平面の左上の端
を座標(0,0)とし、主走査方向の座標をx,副走査方向の座標をyとしている。サブ
画素平面を形成したら、記録状態データ作成部30kが上記ドットサイズデータ15d又
は仮想ドットサイズデータ15fを参照し、このサブ画素平面上でドット形状をシミュレ
ートする(ステップS230)。なお、本実施の形態においては、仮想ドットだけでなく
、実測値のある上記ドットA、G、Wについてもシミュレートを行うことが可能である。
また、本実施の形態においては、各画素の中心を基準の位置としており、ドットの中心
がこの基準の位置に相当するようにドットを配置する。この処理を全画素に対して行えば
、図にハッチをかけて示すようにサブ画素平面上にドットを形成することができる。以上
のように、ドットの形状を詳細に特定しつつサブ画素平面上にドットを形成したら、上記
ステップS220で取得した色数の全色についてドットを形成する処理が終了したか否か
判別し(ステップS235)、全色について終了したと判別されるまでステップS225
以降の処理を繰り返す。このようにして得られるデータが上記記録状態データである。
全色についてサブ画素平面上にドットを形成したら、各インク色によって形成されるド
ットが人間の目によってどのように視認されるのかを評価できるようにするために、明度
算出部30mは各インクを重畳した状態での明度を算出する(ステップS240)。すな
わち、所定の光源を想定し、上記ステップS220で又は推定データ出力部30dを介し
て取得した印刷媒体に対応した分光反射率データ15e又は仮想分光反射率データ15g
と人間の目の分光感度とから三刺激値XYZを算出し、さらにこの三刺激値XYZからL
*a*b*値を算出する。
得られたL*が明度であり、サブ画素平面上の各座標について明度が特定されることに
なる(これをL(x,y)と表記する)。なお、各インク色毎のサブ画素平面において座
標(x,y)は同じ位置に相当するので、異なるインク色のサブ画素平面で同じ座標上に
ドットが形成されている場合には、各色の分光反射率を互いに乗じて重畳された分光反射
率として明度を算出すればよい。座標(x,y)にドットが形成されていない場合には、
印刷媒体における明度(上記分光反射率データ15e又は上記仮想分光反射率データ15
gのW)がL(x,y)となる。L(x,y)が得られたら、粒状性指標算出部30nが
当該L(x,y)に基づいて画像の粒状性を評価するための粒状性指標を算出する(ステ
ップS245)。
図13は、粒状性指標を算出する際のフローチャートであり、図14は、粒状性指標を
算出する様子を説明する説明図である。本実施の形態において、粒状性指標は画像の明度
を空間周波数(cycle/mm)で評価する。このために、まず図14の左端に示す明
度L(x,y)に対してFFT(Fast Fourier Transformation)を実施する(ステップ
S300)。 図13、図14においては、得られた空間周波数のスペクトルをS(u,
v)として示している。なお、スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im
(u,v)とからなり、S(u,v)=Re(u,v)+jIm(u,v)である。
ここで、(u,v)は(x,y)の逆空間の次元を持つが、本実施の形態において(x
,y)は座標として定義され、実際の長さの次元に対応させるには解像度等を考慮しなけ
ればならない。従って、S(u,v)を空間周波数の次元で評価する場合も次元の変換が
必要である。そこで、まず、座標(u,v)に対応した空間周波数の大きさf(u,v)
を算出するため、シミュレート対象となっている画像の最低周波数を算出する(ステップ
S305)。シミュレート対象となっている画像の最低周波数は、シミュレート対象のハ
ーフトーン画像データで印刷される印刷結果において1回振動する周波数であり、主走査
方向と副走査方向とのそれぞれについて定義される。
すなわち、主走査方向の最低周波数euはX解像度/(主走査方向の画素数×25.4
),副走査方向の最低周波数evはY解像度/(副走査方向の画素数×25.4)と定義
される。なお、X解像度,Y解像度は上記ステップS220で取得したデータである。ま
た、ここでは1インチを25.4[mm]としている。各走査方向の最低周波数eu,evが
算出されれば、任意の座標(u,v)における空間周波数の大きさf(u,v)は((e
u・u)2+(ev・v)2))1/2として算出することが可能になる。
一方、人間の目は、空間周波数の大きさf(u,v)に応じて明度に対する感度が異な
り、当該視覚の空間周波数特性は、例えば、VTF(f)のような特性である。この図1
4におけるVTF(f)はVTF(f)=5.05×exp(-0.138・d・π・f/180)
×(1−exp(-0.1・d・π・f/180))である。なお、ここでdは印刷物と目と
の距離でありfは上記空間周波数の大きさfである。このfは上述(u,v)の関数とし
て表現されているので、視覚の空間周波数特性VTFは(u,v)の関数VTF(u,v
)とすることができる。
上述のスペクトルS(u,v)に対してこのVTF(u,v)を乗じれば、視覚の空間
周波数特性を考慮した状態でスペクトルS(u,v)を評価することができる。また、こ
の評価を積分すればサブ画素平面全体について空間周波数を評価することができる。そこ
で、本実施の形態においては、ステップS310〜S330の処理で積分までの処理を行
っており、まず、(u,v)を双方とも"0"に初期化し(ステップS310)、ある座標
(u,v)での空間周波数f(u,v)を算出する(ステップS315)。また、この空
間周波数fにおけるVTFを算出する(ステップS320)。
VTFが得られたら、当該VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とを乗じ、積
分結果を代入するための変数Powとの和を算出する(ステップS325)。すなわち、
スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とを含むので、その
大きさを評価するため、まず、VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とによって
積分を行う。そして、座標(u,v)の総てについて以上の処理を実施したか否かを判別
し(ステップS330)、全座標(u,v)について処理を終了したと判別されなければ
、未処理の座標(u,v)を抽出してステップS315以降の処理を繰り返す。尚、VT
Fは図に示すように空間周波数の大きさが大きくなると急激に小さくなってほぼ"0"とな
るので、座標(u,v)の値域を予め所定の値以下に制限することにより必要充分な範囲
で計算を行うことができる。
積分が終了したら、Pow1/2/全サブ画素数を算出する(ステップS335)。すな
わち、変数Powの平方根によって上記スペクトルS(u,v)の大きさの次元に戻すと
ともに、全サブ画素数で除して規格化する。この規格化により、元のハーフトーン画像デ
ータの画素数に依存しない客観的な指標(図13のInt)を算出している。むろん、こ
こでは規格化を実施できればよいので、上記ハーフトーン画像データの画素数で除して規
格化しても良い。また、規格化によれば、画像の大きさに関わらず粒状性を評価すること
ができるが、同じ画素数の画像について画像処理等のパラメータを変更して繰り返し粒状
性を評価するのであれば、必ずしも規格化は必要ない。
本実施の形態においては、さらに、印刷物全体の明度による影響を考慮した補正を行っ
て粒状性指標としている。すなわち、本実施の形態においては、空間周波数のスペクトル
が同じであっても印刷物全体が明るい場合と暗い場合とでは人間の目に異なった印象を与
え、全体が明るい方が粒状性を感じやすいものとして補正を行う。このため、まず、全画
素について明度L(x,y)を足し合わせ、全画素で除することにより、画像全体の明度
の平均Aveを算出する(ステップS340)。
そして、画像全体の明るさによる補正係数a(L)をa(L)=((Ave+16)/
116)0.8と定義し、この補正係数a(L)を算出(ステップS345)するとともに
上記Intに乗じて粒状性指標GIとする(ステップS350)。尚、補正係数としては
、明度の平均によって係数の値が増減する関数であればよく、他にも種々の関数を採用可
能である。以上の処理によって粒状性指標GIを算出したら、上記粒状性指標算出部30
nはディスプレイDRV32を介して所定の制御信号を出力させ、この粒状性指標GIを
ディスプレイ18上に表示させる(ステップS355)。
この粒状性指標は、ハーフトーン画像データによって印刷を行った場合の印刷物の粒状
性を示しているので、実際に印刷を行うことなくハーフトーン画像データの粒状性を評価
することができる。本実施の形態において上記図10、図13に示したフローでは粒状性
指標GIをディスプレイ18に表示して処理を終了するものであるが、むろん、一旦粒状
性指標GIを算出してからさらに印刷条件の変更を受け付け、再度粒状性指標GIを算出
する処理を繰り返すように構成しても良い。
すなわち、上記印刷条件を変えて粒状性指標GIの算出を繰り返せば、各種印刷条件下
での粒状性指標GIを容易に算出することができ、入力したRGBデータにおいて最も高
画質の得られる画像処理を決定することができる。むろん、画質のみを評価することが必
須ではなく、予想される印刷速度等も考えて最も好ましい画像処理を決定するようなこと
も可能である。
例えば、複数の解像度について粒状性指標GIを算出すれば、あるハーフトーン画像デ
ータに対して粒状性の観点から最低限必要な解像度を把握することができる。また、ある
解像度以上にしても粒状性が大きく向上しないのであれば画質向上効果のない無用の高解
像化を防止し、印刷速度の低下を防止することができ、印刷時の総合的な品質を最適化す
ることができる。また、LUTを複数個用意しておき、各LUTを参照して色変換した結
果から粒状性指標GIを算出したり、複数の補間手法によって色変換を実施した結果から
粒状性指標GIを算出することにより、粒状性の観点から最適な色変換手法を把握したり
、色変換の速度を加味して最適な色変換手法を把握することが可能である。さらに、複数
のハーフトーンアルゴリズムによって処理をした結果から粒状性指標を算出することによ
り、粒状性の観点から最適なアルゴリズムを把握したり、ハーフトーン処理の速度を加味
して最適なアルゴリズムを把握すること等が可能である。
以上、本実施の形態の画像処理装置10は、実際の印刷処理を行わずとも、評価対象の
印刷装置のドット記録状態をシミュレートすることが可能である。また、ドット記録状態
に対する粒状性指標GIを算出することが可能であり、これにより、印刷処理を行わずに
、印刷物の粒状性を評価することが可能である。
また、評価対象の印刷装置(実測値を測定する印刷装置)が印字できないドットサイズ
のドット(仮想ドット)についても、実測値データからこの仮想ドットに対するデータを
推定することができるので、仮想ドットを用いた印刷に対するドット記録状態をシミュレ
ートすることが可能である。これにより、例えば、現状では印字できないドットサイズの
ドットを印字できる印刷装置を新規に開発する際などに、そのテスト機を作成する前の段
階である程度の評価を行うことができるので、事前に問題点の一部等を取り除くことで、
開発期間の短縮等が可能となる。
上記実施の形態において、画像データ取得部30eは、形態1の画像データ取得手段に
対応し、HDD15は、形態1、2、6、7、10〜14、18、19、22、23、2
4、26、27、31、32、35、36及び37のいずれか1の記憶媒体に対応し、仮
想ドット条件設定部30bにおける利用者の指定した仮想ドット条件を設定する処理は、
形態2、6及び7のいずれか1のドット形状情報指定手段に対応し、ドット形状データ推
定部30cは、形態1、2、6及び7のいずれか1のドット形状データ推定手段に対応し
、サブ画素平面形成部30j及び記録状態データ作成部30kは、形態1、3及び4のい
ずれか1の記録状態データ作成手段に対応する。
また、上記実施の形態において、ステップS102は、形態14、18、19、27、
31及び32のいずれか1のドット形状情報指定ステップに対応し、ステップS104〜
S110は、形態13、14、18、19、26、27、31及び32のいずれか1のド
ット形状データ推定ステップに対応し、ステップS205は、形態13又は26の画像デ
ータ取得ステップに対応し、ステップS225〜S235は、形態13、15、16、2
6、28及び29のいずれか1の記録状態データ作成ステップに対応する。
なお、上記実施の形態においては、各ノズルから吐出されたインクが基準の位置に記録
されるが、各ノズルから吐出されたインクによって形成されるドットの形状が異なり得る
ことを考慮してシミュレートを行っているが、これに限らず、ドットの形成位置が基準の
位置からずれ得ることを考慮してシミュレートを行う構成としても良い。例えば、各ノズ
ルから吐出されたインクが基準のドット形成位置からずれるずれ量を予めデータ化してお
けば、記録状態データを作成する際にドット形成位置を微調整することができる。また、
各ノズル間の誤差も加味しながらドットの記録状態を特定し、これに基づいて粒状性指標
GIを算出すれば、ノズル間の誤差を含めて印刷画質を評価することが可能になる。また
、ノズル間の誤差を含めて粒状性指標GIを評価することができるので、複数の画像処理
について粒状性指標GIを算出することにより、誤差が含まれていたとしても高画質を維
持できるような画像処理を前記複数の画像処理から抽出することができる。
また、以上のようなノズル間誤差に限らず、例えば、キャリッジの送り誤差を考慮して
も良い。すなわち、キャリッジは主走査と副走査を繰り返してドットを記録するので、キ
ャリッジを主走査方向に駆動するときの駆動誤差や紙送りローラにおける送り誤差に起因
してドットの記録位置に誤差が生じ得る。そこで、実測値の測定対象の印刷装置において
各ノズルからインクを吐出させて記録位置を計測し、ずれ量を示すデータとする。基準の
ドット形成位置からずれが生じる場合には、主走査方向および副走査方向につき、そのず
れ量に相当するサブ画素をドット位置データとして記述する。なお、このドット位置デー
タにおいては、各インク色毎に各パスで生じる基準のドット形成位置からのずれを記述す
る。また、パス数の上限としては特に限定されないが、測定対象の印刷装置において印刷
可能な最大の印刷媒体サイズに対応させるのが好ましい。例えば、A4サイズの印刷媒体
の全面に印刷を行う場合に必要なパス数がパス数の上限となる。シミュレートにおいては
、ドットサイズデータ15dを参照して各パスによって形成されるドットの形状を特定す
るとともに、ドット位置データを参照してドットの形成位置を調整する。これによって、
各パス間の誤差も加味しながらドットの記録状態を特定し、これに基づいて粒状性指標G
Iを算出すれば、パス間の誤差を含めて印刷画質を評価することが可能になる。また、パ
ス間の誤差を含めて粒状性指標GIを評価することができるので、上述のように複数の画
像処理について粒状性指標GIを算出することにより、誤差が含まれていたとしても高画
質を維持できるような画像処理を上記複数の画像処理から抽出することができる。
また、上記実施の形態においては、実測値の測定対象の印刷装置が、上記ドットA、G
、Wの3種類のサイズのドットを形成し、画像処理装置10は、これら3種類のドットサ
イズに対する実測値データを用いて仮想ドット条件に対する仮想ドット形状データを推定
する補間式を作成する構成としたが、これに限らず、実在する印刷装置から測定できるの
であれば、2種類のドットサイズの実測値データを用いて補間式を作成できる構成として
も良いし、4種類以上のドットサイズに対する実測値データを用いて補間式を作成できる
構成としても良い。
本発明に係る画像処理装置10の構成を示すブロック図である。 仮想ドット形状データの推定処理を示すフローチャートである。 ドットサイズデータ15dの例を説明する説明図である。 (a)は、実測されたインク重量及びドット径長を線形補間した一例を示す図であり、(b)は、(a)の補間結果が得られる補間式から算出した仮想ドットサイズデータ15fの一例を示す図である。 (a)〜(c)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対する分光反射率データの一例を示す図である。 (a)及び(b)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対する分光反射率データに対して、従来の多項式を用いた補間及び従来の指数関数補間をした一例を示す図である。 (a)〜(c)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対する波長620[nm]の分光反射率データを連結指数関数補間した一例を示す図である。 (a)〜(c)は、図3に示す実測ドットサイズデータに対する波長380[nm]の分光反射率データを連結指数関数補間した一例を示す図である。 (a)及び(c)は、仮想インク重量と仮想ドットサイズデータの一例を示す図であり、(b)及び(d)は、仮想ドット面積に対する仮想分光反射率データの一例を示す図である。 シミュレーション処理を示すフローチャートである。 パラメータデータ15cの例を説明する説明図である。 本実施の形態におけるシミュレーション処理を説明するための説明図である。 粒状性指標を算出する際のフローチャートである。 粒状性指標を算出する様子を説明する説明図である。
符号の説明
10…画像処理装置、12…入力機器、15…HDD、15a…RGBデータ、15b…
LUT、15c…パラメータデータ、15d…ドットサイズデータ、15e…分光反射率
データ、15f…仮想ドットサイズデータ、15g…仮想分光反射率データ、18…ディ
スプレイ、19a,19b…I/O、30…シミュレーションモジュール、30a…ドッ
ト形状データ取得部、30b…仮想ドット条件設定部、30c…ドット形状データ推定部
、30d…推定データ出力部、30e…画像データ取得部、30f…色変換部、30g…
ハーフトーン処理部、30h…ハーフトーン画像データ取得部、30i…パラメータ取得
部、30j…サブ画素平面形成部、30k…記録状態データ作成部、30m…明度算出部
、30n…粒状性指標算出部、31…入力機器DRV、32…ディスプレイDRV

Claims (15)

  1. ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対して画像処理を実施する
    画像処理装置であって、
    前記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを取得する画像データ取得手段と

    印刷に用いる媒体上に形成されるドットの形状を示すドット形状データを記憶する記憶
    媒体と、
    前記記憶媒体に記憶されたドット形状データに基づき、前記記憶媒体に記憶されていな
    い他のドット形状データを推定するドット形状データ推定手段と、
    前記ドット形状データを参照し、前記画素より小さなサブ画素にて構成されるサブ画素
    平面上で前記画像データによって形成されるドットの記録状態を示す記録状態データを作
    成する記録状態データ作成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ドットの形状に係る情報を指定するドット形状情報指定手段を備え、
    前記ドット形状データ推定手段は、前記記憶媒体に記憶されたドット形状データと前記
    ドット形状情報指定手段で指定された情報とに基づき、当該指定された情報から特定され
    るドットの形状に対する、前記記憶媒体に記憶されていない他のドット形状データを推定
    することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記ドット形状データは、前記ドットの形状に係る情報である前記ドットの大きさを前
    記サブ画素平面上で特定するドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応する
    前記ドットの分光反射率を示す分光反射率データとを含み、
    前記記録状態データ作成手段は、前記画像データによって形成されるドットの分光反射
    率データから各サブ画素毎の色彩値を算出して前記記録状態を示す記録状態データとする
    ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記記録状態データ作成手段は、前記画像データによって形成される分光反射率データ
    から各サブ画素毎の明度を算出して前記記録状態を示す記録状態データとすることを特徴
    とする請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータと、前記
    媒体に形成されるドットの径長を示すデータとの少なくとも一方を含むことを特徴とする
    請求項3又は請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記記憶媒体は、前記ドット形状データとして、複数種類のドットサイズに対応する前
    記ドットサイズデータと、当該ドットサイズデータに対応する分光反射率データとを記憶
    し、
    前記ドット形状情報指定手段は、前記ドット形状に係る情報として、前記ドットサイズ
    の情報を指定し、
    前記ドット形状データ推定手段は、前記記憶媒体に記憶されたドット形状データと前記
    ドット形状情報指定手段で指定された情報とに基づき、分光反射率推定用補間演算によっ
    て、前記指定されたドットサイズに対する前記記憶媒体に記憶されていない分光反射率デ
    ータを推定することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像処理
    装置。
  7. 前記ドット形状データは、前記ドットサイズデータである、複数種類のドットサイズに
    対応する前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上で特定する第1ドットサイズデータ、
    及び当該第1ドットサイズデータに対応する、前記ドットの大きさを前記サブ画素平面上
    で特定する前記第1ドットサイズデータとは異なる属性の第2ドットサイズデータと、当
    該第2ドットサイズデータに対応する分光反射率データとを含み、
    前記ドット形状情報指定手段は、前記ドット形状に係る情報として、前記第1ドットサ
    イズデータに係るドットサイズの情報を指定し、
    前記ドット形状データ推定手段は、前記記憶媒体に記憶されたドット形状データと前記
    ドット形状情報指定手段で指定された情報とに基づき、ドットサイズデータ推定用補間演
    算によって、前記指定されたドットサイズの情報に対する前記記憶媒体に記憶されていな
    い第2ドットサイズデータを推定すると共に、分光反射率推定用補間演算によって、前記
    推定した第2ドットサイズデータに対する分光反射率データを推定することを特徴とする
    請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータであ
    り、前記第2ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータで
    あることを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  9. 前記第1ドットサイズデータは、前記媒体に形成されるドットの径長を示すデータであ
    り、前記第2ドットサイズデータは、前記ドットを形成するインクの重量を示すデータで
    あることを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  10. ドットサイズデータ推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記第1ドットデー
    タに対応する第2ドットデータを線形補間する補間演算であることを特徴とする請求項7
    乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
    に対応する分光反射率データを、スプライン補間する補間演算であることを特徴とする請
    求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記分光反射率推定用補間演算は、前記記憶媒体に記憶された前記ドットサイズデータ
    に対応する分光反射率データを、前記複数種類のドットサイズのサイズ順に、それぞれ2
    つのサイズのドットサイズデータに対応する分光反射率データを指数関数補間演算によっ
    て補間すると共に、当該補間演算結果を連結する補間演算であることを特徴とする請求項
    6乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対して画像処理を実施する
    画像処理プログラムであって、
    前記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを取得する画像データ取得ステッ
    プと、
    印刷に用いる媒体上に形成されるドットの形状を示すドット形状データを所定の記憶媒
    体に記憶する記憶ステップと、
    前記記憶媒体に記憶されたドット形状データに基づき、他のドット形状データを推定す
    るドット形状データ推定ステップと、
    前記ドット形状データを参照し、前記画素より小さなサブ画素にて構成されるサブ画素
    平面上で前記画像データによって形成されるドットの記録状態を示す記録状態データを作
    成する記録状態データ作成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用
    するプログラムを含むことを特徴とする画像処理プログラム。
  14. 請求項13記載の画像処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
  15. ドットマトリクス状の画素からなる画像を示す画像データに対して画像処理を実施する
    画像処理方法であって、
    前記画素毎にドットの形成状態を特定する画像データを取得する画像データ取得ステッ
    プと、
    印刷に用いる媒体上に形成されるドットの形状を示すドット形状データを所定の記憶媒
    体に記憶する記憶ステップと、
    前記記憶媒体に記憶されたドット形状データに基づき、他のドット形状データを推定す
    るドット形状データ推定ステップと、
    前記ドット形状データを参照し、前記画素より小さなサブ画素にて構成されるサブ画素
    平面上で前記画像データによって形成されるドットの記録状態を示す記録状態データを作
    成する記録状態データ作成ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
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