JP2008026555A - 光導波路素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータの消費電力を低減できる光導波路素子を提供する。
【解決手段】光導波路素子1aは、シングルモード光Lを導波するコア部15を有する光導波路層11と、光導波路層11上に設けられたヒータ部3とを備える。コア部15は、入射側コア部15a、2つの出射側コア部15c及び15d、並びに入射側コア部15aの一端と2つの出射側コア部15c及び15dそれぞれの一端とを互いに結合する拡幅部15bを有する。ヒータ部3は、コア部15の両側に配置されコア部15に局所的に近接する一対の頂部31a及び31bを有する。頂部31aまたは31bが光導波路層11を加熱すると、熱光学効果によって光導波路層11に局所的な屈折率変化が生じる。シングルモード光Lには、この局所的な屈折率変化をきっかけとして揺らぎが生じる。シングルモード光Lは、揺らいだ方向に配置された出射側コア部へ進む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヒータを備える光導波路素子に関するものである。
光通信の分野において用いられるヒータ付光導波路素子として、例えば熱光学効果型の光スイッチがある。このような光スイッチの例としては、特許文献1〜3に記載されたものがある。このうち、特許文献1に記載された構成を図21に示す。この光スイッチ100は、直線光導波路101、テーパ光導波路102、及び分岐光導波路103からなるY分岐光導波路と、このY分岐光導波路に沿う薄膜ヒータ105とにより構成されている。そして、テーパ光導波路102に沿う領域の薄膜ヒータ105の部分の幅が、分岐光導波路103側から直線光導波路101側へ向けて徐々に太くなっている。これにより、薄膜ヒータ105における直線光導波路101側の部分の発熱量を抑え、消費電力を低減しようとしている。
特開2000−241838号公報 特開2004−85744号公報 特許第3471314号明細書
しかしながら、特許文献1〜3に開示されたような従来の素子では、光導波路に沿った比較的広い領域にヒータを設けている。従って、上記のような工夫を施したとしても、或る程度大きな電力を消費してしまう。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、ヒータの消費電力を効果的に低減できる光導波路素子を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による第1の光導波路素子は、重合体を含んで構成され、シングルモード光を導波するコア部、及びコア部よりも屈折率が小さいクラッド部を有する光導波路層と、光導波路層を部分的に加熱するためのヒータ部とを備え、コア部が、入射側コア部、2つの出射側コア部、及び入射側コア部の一端と2つの出射側コア部それぞれの一端とを互いに結合する拡幅部を有しており、ヒータ部が、コア部の両側に配置されコア部に局所的に近接する一対の第1の頂部を有することを特徴とする。
また、本発明による第2の光導波路素子は、重合体を含んで構成され、シングルモード光を導波するコア部、及びコア部よりも屈折率が小さいクラッド部を有する光導波路層と、光導波路層を部分的に加熱するためのヒータ部とを備え、コア部が、入射側コア部、2つの出射側コア部、及び入射側コア部の一端と2つの出射側コア部それぞれの一端とを互いに結合する拡幅部を有しており、ヒータ部が、コア部の両側に配置されシングルモード光に揺らぎを与える一対の第1の頂部を有することを特徴とする。
上記第1または第2の光導波路素子においては、ヒータ部が、コア部の両側に配置された一対の第1の頂部を有している。この一対の第1の頂部は、コア部に局所的に近接しており、そのいずれか一方が光導波路層を加熱すると、熱光学効果によって光導波路層に局所的な屈折率変化が生じる。このため、コア部を伝搬するシングルモード光には、この局所的な屈折率変化をきっかけとして揺らぎが生じる。そして、2つの出射側コア部のうち、シングルモード光が揺らいだ方向に配置された出射側コア部へ該シングルモード光が進むこととなる。
このように、上記第1または第2の光導波路素子によれば、シングルモード光の進行方向を好適に制御できる。また、ヒータ部の第1の頂部による局所的な加熱によってシングルモード光の進行方向を変化させ得るので、例えば図21に示した従来の構成と比較して、ヒータの発熱部分を小さくできる。従って、ヒータの消費電力を効果的に低減できる。
なお、本発明において「局所的に近接する」位置は、シングルモード光がコア部を伝搬する際に、第1の頂部によってその伝搬が影響されないような位置であることが好ましい。例えば、コア部の径(幅)が8μmである場合、コア部と第1の頂部との間隔が10μm以上あれば良い。また、コア部の両側(側方)とは、光導波路層の層厚方向から見た場合のコア部の両側(側方)を指す。
また、第1または第2の光導波路素子は、ヒータ部の一対の第1の頂部が拡幅部の両側に配置されていることを特徴としてもよい。これにより、シングルモード光に効果的に揺らぎを与え、進行方向をより確実に変化させることができる。
また、第1または第2の光導波路素子は、ヒータ部が、2つの出射側コア部それぞれの側方に配置され各出射側コア部に局所的に近接する一対の第2の頂部を更に有することを特徴としてもよい。シングルモード光が進行しない側の出射側コア部をこのような第2の頂部によって局所的に加熱することにより、該出射側コア部の屈折率を変化させてシングルモード光の進入を抑制できる。従って、この光導波路素子によれば、出射側コア部における消光比をより高めることができる。また、この場合、一対の第1の頂部の一方と一対の第2の頂部の一方とが一体に形成され、一対の第1の頂部の他方と一対の第2の頂部の他方とが一体に形成されていることが好ましい。これにより、ヒータ部の電極の数を少なくできる。
また、第1または第2の光導波路素子は、光導波路層の層厚方向から見た拡幅部の側面形状が、入射側コア部の側面から出射側コア部の側面へ連続する曲線であることを特徴としてもよい。或いは、第1または第2の光導波路素子は、光導波路層の層厚方向から見た拡幅部の平面形状が、入射側コア部の一端と2つの出射側コア部それぞれの一端とを個別に結合する2つのシングルモード光導波路の平面形状を重ね合わせた形状であることを特徴としてもよい。拡幅部がこれらのような形状を有することによって、拡幅部内においてシングルモード光の伝搬モードの変動を抑えることができるので、該シングルモード光に揺らぎを効果的に与えることができる。
また、第1または第2の光導波路素子は、光導波路層の層厚方向から見たヒータ部の頂部の側面形状が曲線であることを特徴としてもよい。これにより、頂部における電流分布を均一化し、ストレスが一点に集中することを防止できる。従って、長時間の使用による光導波路層からの頂部の剥離を抑えることができる。
本発明による光導波路素子によれば、ヒータの消費電力を低減できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光導波路素子の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、本発明による光導波路素子の一実施形態について説明する。図1(a)は、本実施形態による光導波路素子の構成を示す平面図である。また、図1(b)は、図1(a)に示す光導波路素子1aのI−I断面を示す断面図である。なお、本実施形態の光導波路素子1aは、いわゆる埋込み型の光導波路基板にヒータ部を設けた熱光学効果型の光スイッチ素子である。
図1(a)及び図1(b)を参照すると、本実施形態の光導波路素子1aは、基板10、光導波路層11、及びヒータ部3を備える。基板10は、例えばシリコン、石英、ガラスエポキシ樹脂、セラミック、ポリイミド樹脂などの材料によって構成されている。基板10は、その平面形状が矩形状であり、主面10aを有する。
光導波路層11は、基板10の主面10a上に設けられている。光導波路層11は、シングルモード光を導波するコア部15、及びコア部15よりも屈折率が小さいクラッド部13を有する。クラッド部13は、基板10の主面10a上に層状に形成されている。コア部15は、クラッド部13の内部に形成されており、クラッド部13に覆われている。コア部15は、光導波路層11の対向する側面間を結ぶY字形の平面形状を呈しており、光導波路層11の一方の側面に光入射端15eを有し、他方の側面に2つの光出射端15f及び15gを有する。光入射端15eへ入射したシングルモード光は、後述するヒータ部3の作用(熱光学効果)によって、光出射端15f及び15gのいずれか一方から選択的に出射される。
コア部15は、光入射端15eから延びる入射側コア部15aと、光出射端15f及び15gのそれぞれへ延びる2つの出射側コア部15c及び15dとを有する。また、コア部15は、光入射端15eとは反対側の入射側コア部15aの一端と、光出射端15f及び15gとは反対側の出射側コア部15c及び15dそれぞれの一端とを、互いに結合する拡幅部15bを有する。
光導波路層11を構成する材料としては、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などを主剤とする有機系の重合体(ポリマー)が好適である。なお、このような有機系の重合体としては、例示した各材料のC−H基におけるHがフッ素や重水素に置換されたもの等も含まれる。
ヒータ部3は、光導波路層11を部分的に加熱するための構成要素であり、光導波路層11上に設けられている。ヒータ部3は、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の両側に配置された2つのヒータ線3a及び3bを有する。2つのヒータ線3a及び3bは、光導波路素子1aの外部に用意された電源装置等と電気的に接続され、常にいずれか一方にのみ通電される。ヒータ線3a及び3bは、例えばCr、Au、WSi、Ti等の金属によって好適に構成される。また、ヒータ線3a及び3bの厚さは、例えば0.1μm〜2μmである。
ヒータ線3aは、頂部31aと、裾部32a及び33aと、電極34a及び35aとを有する。同様に、ヒータ線3bは、頂部31bと、裾部32b及び33bと、電極34b及び35bとを有する。頂部31a及び31bは、本実施形態における一対の第1の頂部であり、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の両側に配置されている。頂部31a及び31bの断面積は、それぞれヒータ線3a及び3bの裾部32a,33a及び32b,33bの断面積よりも小さい。
ヒータ線3aの裾部32a及び33aは、頂部31aと電極34a及び35aとを電気的に接続するための部位である。すなわち、裾部32a及び33aの一端は頂部31aの一端及び他端とそれぞれ繋がっており、裾部32a及び33aの他端は電極34a及び35aとそれぞれ繋がっている。裾部32a及び33aは、頂部31aに繋がる一端寄りの部分がコア部15に近接し、他端寄りの部分がコア部15から遠ざかるように配置されている。
また同様に、ヒータ線3bの裾部32b及び33bは、頂部31bと電極34b及び35bとを電気的に接続するための部位である。裾部32b及び33bの一端は頂部31bの一端及び他端とそれぞれ繋がっており、裾部32b及び33bの他端は電極34b及び35bとそれぞれ繋がっている。裾部32b及び33bは、頂部31bに繋がる一端寄りの部分がコア部15に近接し、他端寄りの部分がコア部15から遠ざかるように配置されている。これらの構成により、頂部31a及び31bは、それぞれヒータ線3a及び3bにおいてコア部15に局所的に近接する部位となっている。
ヒータ線3aの電極34a及び35aは、ヒータ線3aへの制御電圧を受けるためのパッド電極であり、光導波路素子1aの外部に用意された電源装置等と電気的に接続される。同様に、ヒータ線3bの電極34b及び35bは、ヒータ線3bへの制御電圧を受けるためのパッド電極であり、光導波路素子1aの外部に用意された電源装置等と電気的に接続される。
ここで、頂部31a及び31b付近の構成について、更に詳細に説明する。図2は、頂部31a及び31b付近の構成を示す拡大平面図である。なお、理解を容易にするために、図2においてはクラッド部13の図示を省略している。図2に示すように、本実施形態の頂部31a及び31bは、コア部15の拡幅部15bの両側、すなわちコア部15の拡幅開始位置(拡幅部15bの一端15j)からコア部15の分岐位置(拡幅部15bの他端15k)までの部分の両側に配置されている。また、光導波路層11の層厚方向から見た頂部31a及び31bの側面形状は、コア部15へ向かって凸の曲線状に形成されている。
また、コア部15の拡幅部15bは、次のような平面形状を有する。すなわち、シングルモード光Lが導波する方向と交差する方向における拡幅部15bの幅は、その一端15j側が入射側コア部15aの幅と同じになっており、その他端15k側が2つの出射側コア部15c及び15dの幅を合わせた幅と同じになっている。また、拡幅部15bの側面15h及び15iの形状は、入射側コア部15aの側面から出射側コア部15c,15dの側面へ連続する、内側に凸の曲線状になっている。そして、光導波路層11の層厚方向から見た拡幅部15bの幅は、一端15jから他端15kへ徐々に拡大している。
図3(a)は、拡幅部15bの平面形状を詳しく説明するためのコア部15の平面図である。また、図3(b)は、比較のため、図21に示した従来の構成における光導波路の形状を示す平面図である。図3(a)を参照すると、光導波路層11の層厚方向から見た本実施形態の拡幅部15bの平面形状は、その側面15h及び15iの形状が内側に凸の曲線状になっており、また、入射側コア部15aの一端15mと2つの出射側コア部15c及び15dそれぞれの一端15n及び15pとを個別に結合する架空の2つのシングルモード光導波路W及びWの平面形状を重ね合わせた形状となっている。これに対し、図3(b)に示す従来の構成においては、直線光導波路101と2つの分岐光導波路103とを結合するテーパー光導波路102の側面形状が直線状となっている。
以上の構成を備える本実施形態の光導波路素子1aの作用効果について説明する。ヒータ部3のヒータ線3a(または3b)の電極34a及び35a(電極34b及び35b)間に制御電圧が供給されると、裾部32a、頂部31a、及び裾部33a(裾部32b、頂部31b、及び裾部33b)に電流が流れる。このとき、頂部31a(31b)の断面積は裾部32a及び33a(32b及び33b)の断面積よりも小さいので、頂部31a(31b)は裾部32a及び33a(32b及び33b)と比較して高抵抗となる。従って、主に頂部31a(31b)において電力が消費され、熱に変換される。頂部31a(31b)において発生した熱は光導波路層11へ伝わり、また、光導波路層11は重合体(ポリマー)を含んで構成されているので、熱光学効果によって光導波路層11の加熱部分の屈折率が他の部分の屈折率よりも小さくなる。
頂部31a(31b)はコア部15に対して局所的に近接しているので、上記した屈折率変化もまた、コア部15に対して局所的に作用する。このとき、シングルモード光Lは屈折率が小さい部分から大きい部分へ(すなわち、温度が低い方向へ)その進路を変化させるが、屈折率変化が局所的なので、この屈折率変化をきっかけとしてシングルモード光Lに揺らぎが生じる。なお、シングルモード光Lが揺らぐ様子は、後述する実施例の図14〜図16(特に、図15)に明瞭に示されている。そして、シングルモード光Lは、2つの出射側コア部15c及び15dのうち、該シングルモード光Lが揺らいだ方向に配置された出射側コア部15cまたは15dへと進む。なお、ここでいう揺らぎとは、拡幅部15bの一方の側面15hと他方の側面15iとの間をシングルモード光Lが往復することを必ずしも要しない。すなわち、図15,図16に示されるように、揺らぐきっかけが与えられた直後に出射側コア部15cまたは15dへ入射してもよい。
このように、シングルモード光Lは、ヒータ線3aまたは3bの発熱に応じて、出射側コア部15cまたは15dへ選択的に入射する。なお、光導波路素子1aの光入射端15eには、例えばLEDやレーザダイオードといった発光素子や、光ファイバといった光伝送媒体が光結合される。また、光導波路素子1aの光出射端15f及び15gには、例えばフォトダイオードといった受光素子や光伝送媒体が光結合される。そして、光導波路素子1aは、光入射端15eと光出射端15f及び15gとを選択的に光結合する光スイッチとして機能する。
ここで、図4(a)は、本実施形態の光導波路素子1aにおける消光比と、コア部15に対する頂部31a(31b)の最近接位置(頂点位置)との相関についてのシミュレーション結果を示すグラフである。また、図4(b)は、本実施形態の光導波路素子1aにおける入出力比と、コア部15に対する頂部31a(31b)の最近接位置(頂点位置)との相関についてのシミュレーション結果を示すグラフである。図4(a)及び図4(b)は、いずれもシングルモード光Lの波長が1.3μmである場合を示している。
なお、図4(a)及び図4(b)において、頂部31a(31b)の頂点位置は、拡幅部15bの一端15jを基準とした数値である。また、ここでいう消光比とは、シングルモード光Lが通るよう選択された(以下、選択側という)出射側コア部からの出射光強度と、シングルモード光Lが通るよう選択されなかった(以下、非選択側という)出射側コア部からの出射光強度との比をいう。また、ここでいう入出力比とは、入射側コア部15aへの入射光強度と、出射側コア部15c,15dからの出射光強度との比(すなわち入射側コア部15aから出射側コア部15c,15dへの伝搬効率)をいう。図4(b)において、グラフG11は選択側の出射側コア部における入出力比を示しており、グラフG12は非選択側の出射側コア部における入出力比を示している。
図4(a)及び図4(b)に示されるように、本実施形態の光導波路素子1aにおける消光比及び入出力比は、頂部31a(31b)の頂点位置によって変動するものの、光スイッチとして良好な値であることがわかる。なお、消光比及び入出力比が頂部31a(31b)の頂点位置によって変動するのは、本実施形態の光導波路素子1aが、局所的な屈折率変化によってシングルモード光Lの進行方向を変化させていることに起因する。つまり、シングルモード光Lの揺らぎのきっかけを与える位置によって、選択側の出射側コア部へのシングルモード光Lの入射効率は異なる。このことからも、光導波路層11を局所的に加熱する本実施形態の光導波路素子1aによってシングルモード光Lの進行方向を好適に制御可能であることが理解できる。
以上に述べたように、本実施形態の光導波路素子1aによれば、シングルモード光Lの進行方向を好適に制御できる。そして、ヒータ部3の頂部31aまたは31bによる局所的な加熱によってシングルモード光Lの進行方向を変化させ得るので、例えば図21に示した従来の構成と比較して、ヒータの発熱部分を小さくできる。従って、ヒータの消費電力を効果的に低減できる。
また、図3(a)に示したように、光導波路層11の層厚方向から見た拡幅部15bの平面形状は、入射側コア部15aの側面から出射側コア部15c,15dの側面へ連続する曲線であることが好ましい。或いは、拡幅部15bの平面形状は、入射側コア部15aの一端15mと2つの出射側コア部15c及び15dそれぞれの一端15n及び15pとを個別に結合する架空の2つのシングルモード光導波路W及びWの平面形状を重ね合わせた形状であることが好ましい。これにより、拡幅部15b内を伝搬するシングルモード光Lの伝搬モードの変動を抑えることができるので、コア幅が拡大してもシングルモード光Lは安定して伝搬できる。従って、光導波路層11の局所的な加熱によるシングルモード光Lの揺らぎを効果的に与えることができる。
また、本実施形態のように、光導波路層11の層厚方向から見た頂部31a及び31bの側面形状は、曲線であることが好ましい。これにより、頂部31a及び31bにおける電流分布を均一化し、ストレスが一点に集中することを防止できる。従って、長時間の使用による光導波路層11からの頂部31a及び31bの剥離を抑えることができる。
(第1の変形例)
図5は、上記実施形態の第1変形例に係る光導波路素子1bの構成を示す平面図である。本変形例による光導波路素子1bと上記実施形態の光導波路素子1aとの相違点は、ヒータ部の形状である。本変形例の光導波路素子1bは、上記実施形態のヒータ部3に代えてヒータ部4を備えている。本変形例のヒータ部4は、光導波路層11上に設けられている。ヒータ部4は、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の両側に配置された2つのヒータ線4a及び4bを有する。ヒータ線4a及び4bの構成材料及び厚さは、上記実施形態のヒータ線3a及び3bと同様である。
本変形例のヒータ線4a及び4bは、V字状に構成されている。具体的には、ヒータ線4aは、頂部41aと、裾部42a及び43aと、電極44a及び45aを有する。同様に、ヒータ線4bは、頂部41bと、裾部42b及び43bと、電極44b及び45bを有する。
ヒータ線4aの裾部42aの一端は裾部43aの一端と繋がっており、裾部42aの他端は電極44aと繋がっている。また、裾部43aの他端は電極45aと繋がっている。裾部42a及び43aは、互いに繋がる一端寄りの部分がコア部15(拡幅部15b)に近接し、他端寄りの部分がコア部15から遠ざかるように配置されている。そして、裾部42a及び43aの結合部分が、本変形例における頂部41a(第1の頂部)となっている。ヒータ線4bの頂部41b、裾部42b及び43b、並びに電極44b及び45bもまた、ヒータ線4aと同様の構成を有する。すなわち、頂部41a及び41bは、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の拡幅部15bの両側に配置され、拡幅部15bに局所的に近接している。
本発明における一対の第1の頂部は、上記実施形態の頂部31a及び31bのような曲線状の他にも、本変形例のようにV字形状の頂点であってもよい。このような構成であっても、上記実施形態で説明した効果を好適に得ることができる。
(第2の変形例)
図6(a)は、上記実施形態の第2変形例に係る光導波路素子1cの構成を示す平面図である。また、図6(b)は、図6(a)に示した光導波路素子1cのII−II断面を示す断面図である。また、図7は、図6(a)に示した光導波路素子1cのIII−III断面を示す断面図である。本変形例による光導波路素子1cと上記実施形態の光導波路素子1aとの相違点は、ヒータ部の形状である。本変形例の光導波路素子1cは、上記実施形態のヒータ部3に代えてヒータ部5を備えている。ヒータ部5は、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の両側に配置された2つのヒータ線5a及び5bを有する。なお、ヒータ線5a及び5bの構成材料及び厚さは、上記実施形態のヒータ線3a及び3bと同様である。
ヒータ線5aは、頂部51aと、裾部52a及び53aと、電極54a及び55aとを有する。同様に、ヒータ線5bは、頂部51bと、裾部52b及び53bと、電極54b及び55bとを有する。頂部51a及び51bは、本変形例における一対の第1の頂部であり、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の拡幅部15bの両側に配置されている。また、光導波路層11の層厚方向から見た本変形例のヒータ線5a及び5bの平面形状は、上記実施形態のヒータ線3aおよび3bの平面形状と同様である。
但し、本変形例のヒータ線5a,5bは、上記実施形態とは異なり、光導波路層11の内部に配置されている。すなわち、ヒータ線5a,5bは、光導波路層11内の拡幅部15bの両側において、コア部15と同じ層厚方向位置に埋め込まれており、クラッド部13に覆われている。そして、ヒータ線5a及び5bの電極54a,55a及び54b,55bは、ダイシング及びドライエッチングによりクラッド部13に形成された凹部の底において露出している。
本発明における一対の第1の頂部は、本変形例のように光導波路層11の内部に埋め込まれてもよい。このような構成であっても、上記実施形態で説明した効果を好適に得ることができる。
(第3の変形例)
図8は、上記実施形態の第3変形例に係る光導波路素子1dの構成を示す平面図である。本変形例による光導波路素子1dと上記実施形態の光導波路素子1aとの相違点は、ヒータ部の形状である。本変形例の光導波路素子1dは、上記実施形態のヒータ部3に代えてヒータ部6を備えている。ヒータ部6は、光導波路層11上に設けられたヒータ線6a〜6dを有する。なお、ヒータ線6a〜6dの構成材料及び厚さは、上記実施形態のヒータ線3a及び3bと同様である。
ヒータ線6aは、頂部61aと、裾部62a及び63aと、電極64a及び65aとを有する。同様に、ヒータ線6bは、頂部61bと、裾部62b及び63bと、電極64b及び65bとを有する。頂部61a及び61bは、本変形例における一対の第1の頂部であり、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の拡幅部15bの両側に配置されている。また、光導波路層11の層厚方向から見た本変形例のヒータ線6a及び6bの平面形状は、上記実施形態のヒータ線3aおよび3bの平面形状と同様である。
ヒータ線6cは、頂部61cと、裾部62c及び63cと、電極64c及び65cとを有する。同様に、ヒータ線6dは、頂部61dと、裾部62d及び63dと、電極64d及び65dとを有する。頂部61c及び61dは、本変形例における一対の第2の頂部であり、光導波路層11の層厚方向から見てコア部15の出射側コア部15c及び15dの側方にそれぞれ配置されている。頂部61c及び61dの断面積は、それぞれヒータ線6c及び6dの裾部62c,63c及び62d,63dの断面積よりも小さくなっており、ヒータ線6c及び6dは頂部61c及び61dにおいて主に発熱する。
ヒータ線6cの裾部62c及び63cは、頂部61cと電極64c及び65cとを電気的に接続するための部位である。すなわち、裾部62cの一端は頂部61cの一端と繋がっており、裾部62cの他端は電極64cと繋がっている。また、裾部63cの一端は頂部61cの他端と繋がっており、裾部63cの他端は電極65cと繋がっている。裾部62c及び63cは、頂部61cに繋がる一端寄りの部分がコア部15(出射側コア部15c)に近接し、他端寄りの部分がコア部15から遠ざかるように配置されている。
また、ヒータ線6dの裾部62d及び63dは、頂部61dと電極64d及び65dとを電気的に接続するための部位である。裾部62dの一端は頂部61dの一端と繋がっており、裾部62dの他端は電極64dと繋がっている。また、裾部63dの一端は頂部61dの他端と繋がっており、裾部63dの他端は電極65dと繋がっている。裾部62b及び63bは、頂部61bに繋がる一端寄りの部分がコア部15(出射側コア部15d)に近接し、他端寄りの部分がコア部15から遠ざかるように配置されている。これらの構成により、頂部61c及び61dは、それぞれヒータ線6c及び6dにおいて出射側コア部15c及び15dに局所的に近接する部位となっている。
本変形例のヒータ部6は、2つの出射側コア部15c及び15dそれぞれの側方に配置され各出射側コア部15c及び15dに局所的に近接する一対の第2の頂部61c及び61dを有する。これにより、非選択側の出射側コア部15cまたは15dを頂部61c及び61dによって局所的に加熱し、この非選択側の出射側コア部15cまたは15dの屈折率を下げてシングルモード光Lの進入を抑制できる。従って、本変形例によれば、光導波路素子の消光比を更に高めることができる。
(第4の変形例)
図9は、上記実施形態の第4変形例に係る光導波路素子1eの構成を示す平面図である。本変形例による光導波路素子1eと上記実施形態の光導波路素子1aとの相違点は、ヒータ部の形状である。本変形例の光導波路素子1eは、上記実施形態のヒータ部3に代えてヒータ部7を備えている。ヒータ部7は、光導波路層11上に設けられたヒータ線7a及び7bを有する。なお、ヒータ線7a及び7bの構成材料及び厚さは、上記実施形態のヒータ線3a及び3bと同様である。
ヒータ線7aは、3つの頂部70a〜72aと、4つの裾部73a〜76aと、電極77a及び78aとを有する。同様に、ヒータ線7bは、3つの頂部70b〜72bと、4つの裾部73b〜76bと、電極77b及び78bとを有する。ヒータ線7aの頂部70a〜72aの断面積は、裾部73a〜76aの断面積よりも小さくなっており、ヒータ線7aは頂部70a〜72aにおいて主に発熱する。同様に、ヒータ線7bの頂部70b〜72bの断面積は、裾部73b〜76bの断面積よりも小さくなっており、ヒータ線7bは頂部70b〜72bにおいて主に発熱する。
頂部70a及び70bは、本変形例における一対の第1の頂部であり、光導波路層11の層厚方向から見て拡幅部15bの両側にそれぞれ配置されている。また、頂部71a及び71bは本変形例における一対の第2の頂部であり、頂部72a及び72bは本変形例における別の一対の第2の頂部である。頂部71a及び72aは、光導波路層11の層厚方向から見て出射側コア部15cの側方にそれぞれ配置されている。頂部71b及び72bは、光導波路層11の層厚方向から見て出射側コア部15dの側方にそれぞれ配置されている。
ヒータ線7aの裾部73a〜76aは、頂部70a〜72a及び電極77a,78aを互いに電気的に接続するための部位である。すなわち、裾部73aの一端は電極77aと繋がっており、裾部73aの他端は頂部70aと繋がっている。裾部74aの一端は頂部70aと繋がっており、裾部74aの他端は頂部71aと繋がっている。裾部75aの一端は頂部71aと繋がっており、裾部75aの他端は頂部72aと繋がっている。裾部76aの一端は頂部72aと繋がっており、裾部76aの他端は電極78aと繋がっている。そして、裾部73a〜76aは、頂部70a〜72a寄りの部分がコア部15に近接し、他の部分がコア部15から遠ざかるように配置されている。これらの構成により、頂部70a〜72aは、ヒータ線7aにおいてコア部15に局所的に近接する部位となっている。
また、ヒータ線7bも、ヒータ線7aと同様の構成を有する。すなわち、裾部73bの一端は電極77bと繋がっており、裾部73bの他端は頂部70bと繋がっている。裾部74bの一端は頂部70bと繋がっており、裾部74bの他端は頂部71bと繋がっている。裾部75bの一端は頂部71bと繋がっており、裾部75bの他端は頂部72bと繋がっている。裾部76bの一端は頂部72bと繋がっており、裾部76bの他端は電極78bと繋がっている。そして、裾部73b〜76bは、頂部70b〜72b寄りの部分がコア部15に近接し、他の部分がコア部15から遠ざかるように配置されている。これらの構成により、頂部70b〜72bは、ヒータ線7bにおいてコア部15に局所的に近接する部位となっている。
本変形例では、一対の第1の頂部の一方(頂部70a)と一対の第2の頂部の一方(頂部71a及び72a)とが一体に形成され、一対の第1の頂部の他方(頂部70b)と一対の第2の頂部の他方(頂部71b及び72b)とが一体に形成されている。この構成によって、ヒータ部の電極の数を少なくできる。
上記実施形態の光導波路素子1aを試作した結果について説明する。図10(a)は、試作した光導波路素子1aの頂部31a及び31b付近のヒータ部3の平面パターンと、拡幅部15b付近のコア部15の平面パターンとを併せて示す図である。図10(b)は、試作した光導波路素子1aにおける、入射光強度に対する出射光強度の比率(入出力比)の時間変化を示すグラフである。また、図11(a)は、比較のために試作した光導波路素子における、コア部15及びヒータ線110a,110bの平面パターンを併せて示す図である。このヒータ線110a,110bは、コア部15の入射側コア部15aから出射側コア部15c,15dに亘って延びる従来型の構成を有する。また、図11(b)は、比較のために試作した光導波路素子における、入射光強度に対する出射光強度の比率(入出力比)の時間変化を示すグラフである。
なお、図10(a)及び図11(a)において、コア部15の幅は8〜9μmである。また、図10(b)及び図11(b)において、グラフG21,G31は選択側の出射側コア部における入出力比を示しており、グラフG22,G32は非選択側の出射側コア部における入出力比を示している。また、図10(b)及び図11(b)は、或る区間t〜tにおいてヒータ線3aまたは3bを加熱し、選択側の出射側コア部へシングルモード光Lが入射するように動作させたときの入出力比の時間変化を示している。
従来型の光導波路素子(図11(a),(b))と比較して、本実施形態の光導波路素子1a(図10(a),(b))においては、選択側の出射側コア部の出射光強度が非選択側の出射側コア部の出射光強度よりも充分に大きくなっており、良好な消光比が得られることが示された。
また、次の表1は、本実施例において試作した光導波路素子1a(図10(a))のヒータ線3a,3bに必要な電流値、電圧値、及びこれらから算出される消費電力値を示す表である。なお、表1には、従来型の光導波路素子(図11(a))のヒータ線110a,110bに必要な電流値、電圧値、及びこれらから算出される消費電力値もあわせて示している。この表1から明らかなように、上記実施形態の光導波路素子1aによれば、シングルモード光Lの進行方向の制御に必要な電力を効果的に低減できる。
Figure 2008026555
ヒータ部3の頂部31a及び31bの位置による、光導波路素子1aの出力特性の違いについて調べた結果を説明する。図12は、試作した光導波路素子1aの頂部31a及び31b付近のヒータ部3の平面パターンと、拡幅部15b付近のコア部15の平面パターンとを併せて示す図である。本実施例では、頂部31a及び31bを図中の位置Aに配置した素子と、図中の位置Bに配置した素子と、図中の位置Cに配置した素子とをそれぞれ試作し、選択側の出力側コア部及び非選択側の出力側コア部における入出力比を各々測定した。なお、理解を容易にするため、図12には、位置A〜Cに配置された頂部31a及び31bを併せて示している。
また、図13(a)〜(c)は、頂部31a,31bを位置A〜Cに配置した素子それぞれにおける、入出力比の時間変化を示すグラフである。図13(a)〜(c)において、グラフG41,G51,及びG61は選択側の出射側コア部における入出力比を示しており、グラフG42,G52,及びG62は非選択側の出射側コア部における入出力比を示している。また、図13(a)〜(c)は、或る区間t〜tにおいてヒータ線3aまたは3bを加熱し、選択側の出射側コア部へシングルモード光Lが入射するように動作させたときの入出力比の時間変化を示している。
図13(a)〜(c)に示されるように、頂部31a及び31bの位置によって光導波路素子1aの出力特性が大きく異なる。本実施例においては、図12に示すように、位置Aを入射側コア部15aの両側(すなわち、拡幅部15bの前方)に設定し、位置Bを拡幅部15bの両側に設定し、位置Cを出射側コア部15c,15dの両側(すなわち、分岐位置の後方)に設定している。図13(a)〜(c)に示す結果より、頂部31a及び31bを拡幅部15bの両側に配置した場合に、光導波路素子1aにおける消光比が最も良好となることが示された。
図14〜図16は、頂部31a,31bを位置A〜Cに配置した素子それぞれにおいて、シングルモード光Lがコア部15を伝搬する様子を示すシミュレーション結果である。図14〜図16を参照すると、シングルモード光Lには頂部31a及び31bの位置を起点として揺らぎが生じていることが観察された。また、揺らぎが与えられる位置によって、選択側の出射側コア部への入射率が大きく異なることも観察された。
本実施例の結果から、コア部15の中でも特に拡幅部15bの両側に頂部31a及び31bを配置することにより、シングルモード光Lに効果的に揺らぎを与え、進行方向をより確実に変化させ得ることが示された。
ヒータ部3の頂部31a及び31bの位置による出力特性の違いについて、更に詳細に調べた結果を説明する。本実施例では、拡幅部15bの両側に配置した頂部31a及び31bの光軸方向の位置が少しずつ異なる複数の光導波路素子1aを試作し、消光比及び入出力比を測定した。図17は、頂部31a及び31bの位置と消光比との相関を示すグラフである。なお、図17において、グラフG71はシングルモード光Lの波長が1.3μmである場合を示しており、グラフG72はシングルモード光Lの波長が1.5μmである場合を示している。また、図17の縦軸(消光比[dB])及び横軸(頂部31a及び31bの頂点位置[μm])の設定は、上記実施形態の図4(a)と同じである。
また、図18(a)及び(b)は、シングルモード光Lの波長がそれぞれ1.3μm及び1.5μmである場合における、頂部31a及び31bの位置と入出力比との相関を示すグラフである。なお、図18(a)及び(b)において、グラフG81,G91は選択側の出射側コア部における入出力比を示しており、グラフG82,G92は非選択側の出射側コア部における入出力比を示している。
図17、図18(a)、及び図18(b)に示す結果より、上記実施形態の光導波路素子1aにおける消光比及び入出力比は、頂部31a(31b)の頂点位置によって変動するものの、光スイッチとして良好な値であることが示された。また、シングルモード光Lの波長やヒータ部3に印加する電圧値などの諸々の条件によって変動するものの、消光比及び入出力比が最適値となる頂部31a及び31bの位置が存在することが示された。
上記第1変形例(図5参照)に係るヒータ部4の頂部41a及び41bの位置による、光導波路素子1bの出力特性の違いについて調べた結果を説明する。図19は、試作した光導波路素子1bの頂部41a及び41b付近のヒータ部4の平面パターンと、拡幅部15b付近のコア部15の平面パターンとを併せて示す図である。本実施例では、頂部41a及び41bを位置Aに配置した素子と、位置Bに配置した素子と、位置Cに配置した素子とをそれぞれ試作し、選択側の出力側コア部及び非選択側の出力側コア部における入出力比を各々測定した。なお、上記実施例2と同様に、図19には、位置A〜Cに配置された頂部41a及び41bを併せて図示している。
また、図20(a)〜(c)は、頂部41a,41bを位置A〜Cに配置した素子それぞれにおける、入出力比の時間変化を示すグラフである。図20(a)〜(c)において、グラフG101,G111,及びG121は選択側の出射側コア部における入出力比を示しており、グラフG102,G112,及びG122は非選択側の出射側コア部における入出力比を示している。また、図20(a)〜(c)は、或る区間t〜tにおいてヒータ線4aまたは4bを加熱し、選択側の出射側コア部へシングルモード光Lが入射するように動作させたときの入出力比の時間変化を示している。図20(a)〜(c)に示す結果より、第2変形例に係る光導波路素子1bにおいても、頂部41a及び41bを拡幅部15bの両側に配置した場合に消光比が最も良好となることが示された。
また、次の表2は、本実施例において試作した光導波路素子1b(図20(b))のヒータ線4a,4bに必要な電流値、電圧値、及びこれらから算出される消費電力値を示す表である。なお、表2には、比較のため、実施例1に示した従来型のヒータ線110a,110bにおけるこれらの数値も併せて示す。この表2から明らかなように、第1変形例に係る光導波路素子1bによれば、シングルモード光Lの進行方向の制御に必要な電力を格段に低減できる。
Figure 2008026555
本発明による光導波路素子は、上記した実施形態及び各変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態及び変形例ではヒータ部の一対の第1の頂部の形状として曲線状やV字状の場合を示したが、本発明の一対の第1の頂部は、コア部に局所的に近接していればよく、他にも様々な形状が可能である。また、上記実施形態及び変形例では一つの基板上に一つの光スイッチが設けられる場合を示したが、複数の光スイッチや他の様々な光学部品が集積された光集積素子にも本発明を適用できる。
(a)実施の形態に係る光導波路素子の構成を示す平面図である。(b)(a)に示す光導波路素子のI−I断面を示す断面図である。 ヒータ部の頂部付近の構成を示す拡大平面図である。 (a)拡幅部の平面形状を詳しく説明するためのコア部の平面図である。(b)比較のため、従来の構成における光導波路の形状を示す平面図である。 (a)光導波路素子における消光比と、頂部におけるコア部への最近接位置(頂点位置)との相関についてのシミュレーション結果を示すグラフである。(b)光導波路素子における入出力比と、頂部におけるコア部への最近接位置(頂点位置)との相関についてのシミュレーション結果を示すグラフである。 第1変形例に係る光導波路素子の構成を示す平面図である。 (a)第2変形例に係る光導波路素子の構成を示す平面図である。(b)(a)に示す光導波路素子のII−II断面を示す断面図である。 図6(a)に示す光導波路素子のIII−III断面を示す断面図である。 第3変形例に係る光導波路素子の構成を示す平面図である。 第4変形例に係る光導波路素子の構成を示す平面図である。 (a)試作した光導波路素子のヒータ部の頂部付近の平面パターンと、コア部の拡幅部付近の平面パターンとを併せて示す図である。(b)試作した光導波路素子における、入射光強度に対する出射光強度の比率(入出力比)の時間変化を示すグラフである。 (a)比較のために試作した従来型の光導波路素子における、コア部及びヒータ線の平面パターンを併せて示す図である。(b)比較のために試作した光導波路素子における、入射光強度に対する出射光強度の比率(入出力比)の時間変化を示すグラフである。 試作した光導波路素子のヒータ部の頂部付近の平面パターンと、コア部の拡幅部付近の平面パターンとを併せて示す図である。 (a)〜(c)頂部を位置A〜Cに配置した素子それぞれにおける、入出力比の時間変化を示すグラフである。 頂部を位置Aに配置した光導波路素子において、シングルモード光がコア部を伝搬する様子を示す写真である。 頂部を位置Bに配置した光導波路素子において、シングルモード光がコア部を伝搬する様子を示す写真である。 頂部を位置Cに配置した光導波路素子において、シングルモード光がコア部を伝搬する様子を示す写真である。 ヒータ部の頂部の位置と消光比との相関を示すグラフである。 (a)シングルモード光の波長が1.3μmである場合における、頂部の位置と入出力比との相関を示すグラフである。(b)シングルモード光の波長が1.5μmである場合における、頂部の位置と入出力比との相関を示すグラフである。 試作した第1変形例に係る光導波路素子のヒータ部の頂部付近の平面パターンと、コア部の拡幅部付近の平面パターンとを併せて示す図である。 (a)第1変形例に係る光導波路素子において、頂部を位置Aに配置した場合の入出力比の時間変化を示すグラフである。(b)頂部を位置Bに配置した場合の入出力比の時間変化を示すグラフである。(c)頂部を位置Cに配置した場合の入出力比の時間変化を示すグラフである。 従来の光スイッチの構成を示す図である。
符号の説明
1a〜1e…光導波路素子、3〜7…ヒータ部、3a〜7a,3b〜7b,6c,6d…ヒータ線、10…基板、11…光導波路層、13…クラッド部、15…コア部、15a…入射側コア部、15b…拡幅部、15c,15d…出射側コア部、31a,31b,41a,41b,51a,51b,61a〜61d,71a,71b…頂部。

Claims (8)

  1. 重合体を含んで構成され、シングルモード光を導波するコア部、及び前記コア部よりも屈折率が小さいクラッド部を有する光導波路層と、
    前記光導波路層を部分的に加熱するためのヒータ部と
    を備え、
    前記コア部が、入射側コア部、2つの出射側コア部、及び前記入射側コア部の一端と前記2つの出射側コア部それぞれの一端とを互いに結合する拡幅部を有しており、
    前記ヒータ部が、前記コア部の両側に配置され前記コア部に局所的に近接する一対の第1の頂部を有することを特徴とする、光導波路素子。
  2. 重合体を含んで構成され、シングルモード光を導波するコア部、及び前記コア部よりも屈折率が小さいクラッド部を有する光導波路層と、
    前記光導波路層を部分的に加熱するためのヒータ部と
    を備え、
    前記コア部が、入射側コア部、2つの出射側コア部、及び前記入射側コア部の一端と前記2つの出射側コア部それぞれの一端とを互いに結合する拡幅部を有しており、
    前記ヒータ部が、前記コア部の両側に配置され前記シングルモード光に揺らぎを与える一対の第1の頂部を有することを特徴とする、光導波路素子。
  3. 前記ヒータ部の前記一対の第1の頂部が前記拡幅部の両側に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の光導波路素子。
  4. 前記ヒータ部が、前記2つの出射側コア部それぞれの側方に配置され各出射側コア部に局所的に近接する一対の第2の頂部を更に有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光導波路素子。
  5. 前記一対の第1の頂部の一方と前記一対の第2の頂部の一方とが一体に形成され、前記一対の第1の頂部の他方と前記一対の第2の頂部の他方とが一体に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の光導波路素子。
  6. 前記光導波路層の層厚方向から見た前記拡幅部の側面形状が、前記入射側コア部の側面から前記出射側コア部の側面へ連続する曲線であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光導波路素子。
  7. 前記光導波路層の層厚方向から見た前記拡幅部の平面形状が、前記入射側コア部の前記一端と前記2つの出射側コア部それぞれの前記一端とを個別に結合する2つのシングルモード光導波路の平面形状を重ね合わせた形状であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光導波路素子。
  8. 前記光導波路層の層厚方向から見た前記ヒータ部の前記頂部の側面形状が曲線であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光導波路素子。
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