JP3969320B2 - 導波路型光部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路のコア層と光ファイバのコアとが光軸が一致するように突き合わせ接続された導波路型光部品に係り、特に接続部分にスポットサイズ変換部を有する導波路型光部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
AWG(Arrayed Waveguide Grating)フィルタ、スプリッタ、光スイッチなどのガラス導波路型光部品は、半導体プロセスを利用することにより量産し易いことから、既に多くのものが実用化されているが、更なる小型化、低コスト化のための研究開発が進められている。
【0003】
その例として、ガラス導波路型光部品の高比屈折率差(高Δ)化による小型化、低コスト化が検討されており、具体例として、比屈折率差Δが1.5%以上、2.5%程度の光部品が検討されている。
【0004】
ここで、比屈折率差Δは、コアの最大屈折率をn1 、クラッドの屈折率をn2 としたとき、次の数1式で表される。
【0005】
【数1】
Δ={(n1 −n2 )/n1 }×100%
ところが、ガラス導波路型光部品本体は高Δ化されているのに対して、それに接続されている光ファイバは通常のシングルモード光ファイバであり、Δは0.3%から1%の範囲内の低Δのものが用いられる。そのため、ガラス導波路型光部品本体と光ファイバとの間にモードミスマッチングが生じるという問題がある。
【0006】
これを解決するために、従来は図5、図6に示すような2つの手段が用いられていた。
【0007】
図5、図6は従来のモード変換方式を説明するための説明図である。
【0008】
第1の手段は、図5に示すように、高屈折率のコア層53を低屈折率のクラッド層54で覆った光部品本体50に、光ファイバと接続する側(図では左側)にはヒータ52を配置し、その反対側(この場合右側)には内部に冷却水wを循環させる保持部材55を取り付け、モード変換部51を形成する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
具体的には、光部品本体50の端面側をヒータ52で長時間にわたり高温(1300℃)に加熱することにより、光部品本体50のコア層53内の屈折率制御用ドーパント(GeO2 )を、コア層53を覆っているクラッド層54側に拡散させ、モード変換部51を形成する。
【0010】
第2の方法は、図6に示すように、高Δのシングルモード光ファイバ56−1(56−2)の一端を高Δの光部品本体60に接続し、その光ファイバ56−1(56−2)の他端に低Δのシングルモード光ファイバ57−1(57−2)をTEC(Thermal Expand Core)技術を用いて加熱・融着接続し、そのTEC接続部58でモード変換を実現する方法である(例えば、特許文献2参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−43330号公報
【特許文献2】
特開平5−257032号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のモード変換方式には以下に示すような課題が存在している。
【0013】
図5に示したヒータ52により加熱してモード変換部51を形成する方式は、光部品のサイズが非常に大きくなり、低コスト化が難しいという問題がある。さらに、ヒータ52ではコア層53の微細加工が困難であるため、光部品の損失が大きくなり、実用的でない。
【0014】
また、図6に示したTEC接続部58でモード変換を実現する方式は、低損失で実現できるというメリットがあるが、高Δの光ファイバ56−1(56−2)を別途作製しなければならないために、コスト高になる。さらに、実装コストが高くなり、低コスト化が難しい。さらにそれぞれの光ファイバ長を少なくとも数十cmは長くして接続しなければならないため、小型化にも制約を受ける。
【0015】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術の課題を解決し、光ファイバと光導波路とが低損失で接続され、かつ小型化、低コスト化を実現できる導波路型光部品を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、所定の比屈折率差を有する光導波路のコア層端面と、その光導波路の比屈折率差よりも低い比屈折率差を有する光ファイバのコア端面とが接続されて構成された導波路型光部品において、光ファイバと光導波路との接続部近傍のコア内に、コア端面に向かってそのコアの屈折率が徐々に高くなる略球状のレンズ媒質を少なくとも2個、所望間隔、所望径、所望屈折率を持つように形成してなる光ファイバスポットサイズ変換部と、光導波路と光ファイバとの接続部近傍のコア層に、コア層端面に向かってそのコア層の屈折率が連続的に低くなると共にコア層の断面積が徐々に増加するガラス導波路型スポットサイズ変換部とを有し、ガラス導波路型スポットサイズ変換部と光ファイバスポットサイズ変換部との間がモードフィールド整合されているものである。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成に加え、光導波路のコア層とクラッド層との比屈折率差は2.0%から4.0%の範囲内にあり、かつ光ファイバのコアとクラッドとの比屈折率差は0.3%から1.5%の範囲内にあることが好ましい。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、ガラス導波路型スポットサイズ変換部は、光導波路のコア層端面の少なくとも1箇所以上に形成されており、各ガラス導波路型スポットサイズ変換部に、それぞれ光ファイバの光ファイバスポットサイズ変換部が接続されていることが好ましい。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、光導波路のコア層の接続端面と光ファイバのコアの接続端面は、それぞれ光軸の垂線に対して斜めに加工されていることが好ましい。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、ガラス導波路型スポットサイズ変換部及び光ファイバスポットサイズ変換部は、パルス幅が30fsから200fsの範囲内でありかつパルス繰り返し周波数が1kHzから250kHzの範囲内である超短パルスレーザービームのビームスポットサイズ及び照射エネルギーを変えて集光、照射されることによって形成されたものであることが好ましい。
【0022】
すなわち、本発明は、低い比屈折率差Δlの光ファイバの一方の端面方向に向かってそのコア内に、コアの屈折率よりも徐々に高い所定の屈折率を有する略球状のレンズ媒質を少なくとも2個、所定間隔、所定径を持つように形成してなる光ファイバスポットサイズ変換部の端面と、高い比屈折率差Δhの光導波路の接続端面に向かってそのコア層の屈折率が連続的に低くなるように変化しているガラス導波路型スポットサイズ変換部の端面とを接続した構成であり、互いに信号光のスポットサイズを変えることができるスポットサイズ変換部を接続端面に向かって形成し、それらのスポットサイズ変換部の端面同士を接続することにより製造される。
【0023】
上記請求項1の構成によれば、Δhが2%以上4%程度以下の超高比屈折率差のガラス導波路型光部品本体と、Δlが0.3%から1.5%の範囲内の光ファイバとをモードフィールド整合をとって接続することができ、光導波路と光ファイバとを低損失で接続可能になる。
【0025】
上記請求項2の構成によれば、従来の低Δ(Δ:約0.75%)のガラス導波路型光部品に比して1/20から1/40に超小型化したガラス導波路型光部品が実現可能になる。
【0026】
上記請求項3の構成によれば、AWGフィルタやスプリッタのような多入力・多出力ポートを有するガラス導波路型光部品の入出力端にスポットサイズ変換部の端面を形成し、各端面にスポットサイズ変換部端面付き光ファイバの端面を接続した導波路型光部品が実現可能になる。
【0027】
上記請求項4の構成によれば、それぞれの端面同士は斜めに加工されて隙間がないように密着接続されていることにより、それぞれの端面からの信号光の反射の影響を取り除くことができ、他の端面への反射の影響を抑圧することが可能になり、低クロストーク、低反射のガラス導波路型光部品が実現可能になる。
【0028】
上記請求項5の構成によれば、光ファイバコア内のほぼ球状のレンズ媒質及びガラス導波路型光部品本体内の連続した屈折率分布部は、パルス幅が30fsから200fsの範囲内、パルス繰り返し周波数が1kHzから250kHzの範囲内の超短パルスレーザービームのビームスポットサイズ、照射エネルギーを変えて、透明な光ファイバコア内及び光導波路内に集光、照射し、より透明度を高め、かつ屈折率を変えることによって形成される。このスポットサイズ変換部により、光部品の更なる低損失化を実現できると共に、最終実装や組み立て段階で加工することができるようになる。すなわち、光学特性をモニタしながら光部品を加工することが可能になり、導波路型光部品を製造する際の歩留まりの向上が期待できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0030】
図1(a)は本発明の一実施の形態を示す光部品の正面断面図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線断面図であり、図1(c)は図1(b)のIc−Ic線の屈折率分布を示す図である。図1(c)において縦軸は屈折率を示し、横軸は光部品内の位置を示している。
【0031】
図1(a)に示すように、導波路型光部品は、比屈折率差Δが高い(Δh:2%から4%の範囲内、スポットサイズ:約4μmから約2μmの範囲内)ガラス導波路型光部品本体5と、このガラス導波路型光部品本体5と光学的に接続され、比屈折率差Δが低い(Δl:0.3%、スポットサイズ:約10μm)光ファイバ6とで構成されている。
【0032】
ガラス導波路型光部品本体5は、基板(例えばSi基板)1上に、低屈折率nuの下部クラッド層(例えばSiO2 ガラス層)2dを有し、その下部クラッド層2d上に、高屈折率nwのほぼ矩形断面形状のコア層(例えばSiO2 −GeO2 )3が形成され、そのコア層3及び下部クラッド層2dを覆うように、低屈折率nuの上部クラッド層(例えばSiO2 層)2uが形成された構造を有する。
【0033】
ガラス導波路型光部品本体5のコア層3は、説明を簡単にするために直線パターンで示されているが、実際には曲線パターンを含む光信号処理回路からなり、例えば導波路格子グレーティング、方向性結合器、カプラ、フィルタ、リング共振器、Y分岐器などを有する。
【0034】
また、コア層3は、光ファイバ6との接続端面5Aに向かって屈折率が連続的に低く変化している領域10を有するスポットサイズ変換部4が形成されている(図1(c)参照。)。このスポットサイズ変換部4は、光ファイバ6側のスポットサイズに近づけるように接続端面5Aに向かってテーパ状に形成されている。
【0035】
光ファイバ6は、屈折率ncのコア7の外周に、このコア7よりも低い屈折率nclのクラッド8が形成された構造を有する。
【0036】
この光ファイバ6のコア7内には、ガラス導波路型光部品本体5の接続端面5Aの近傍に、屈折率が徐々に高くなるように、そのコア7の屈折率ncよりも高い異なる屈折率及び直径を有するほぼ球状のレンズ媒質9a,9bが所定の間隔を隔てて2個形成されてなると共にスポットサイズを中間的な値Dm(4μmから6μm)までに変換する光ファイバスポットサイズ変換部9が形成されている(図1(c)参照。)。
【0037】
具体的には、図1(b)に示すように、光ファイバ6の接続端面の近傍に、その接続端面から(fb)離れたコア7内に直径Rb、屈折率nbのレンズ媒質9bが形成され、さらにそのレンズ媒質9bから(fa+fb)離れたコア7内に直径Ra、屈折率naのレンズ媒質9aが形成されている。
【0038】
この光ファイバ6側のスポットサイズ変換部9の近似計算による具体的な設計例について述べる。
【0039】
光ファイバ6として、例えば、直径10μm、屈折率n2=1.4619のコア7と、直径125μm、屈折率n1=1.4575のクラッド8とがステップ型屈折率分布(Δl=0.3%)を有するものを用いた場合について説明する。
この構造でコア7内を伝搬しているビームのスポットサイズ(約10μm)が出射端で小さなビームスポットサイズDmに変換できる条件を次の数2から数4の近似式を用いて算出する。
【0040】
尚、レンズ媒質9aから(fa)離れた位置のコア7内のスポットサイズをwiとして計算する。
【0041】
【数2】
Dm=fbwi/fa
【数3】
fa=naRa/[2(na−n2)]
【数4】
fb=nbRb/[2(nb−n2)]
ここで、wi=10μm、na=1.4722、Ra=4μm、nb=1.4797、Rb=2μmとすると、Dmを3.3μmに絞り込むことができる。
【0042】
すなわち、この光ファイバ6を用いることにより、Δhが約2%の高比屈折率差導波路型光部品と低損失でモードフィールド整合をとって結合させることができる。
【0043】
また、他の例としてwi=10μm、na=1.4722、Ra=4μm、nb=1.4797、Rb=1.25μmとすると、Dmを2.0μmに絞り込むことができる。
【0044】
すなわち、この光ファイバを用いることにより、Δhが約3%の超高比屈折率差導波路型光部品と低損失でモードフィールド整合を行って結合させることができる。そして超小型・超低損失光部品を実現することができる。しかし、光ファイバ6側のスポットサイズ変換部だけでΔhが4%の超高比屈折率差導波路型光部品(コア層の屈折率:1.5182、コア層の厚み及び幅:1.5μm)のスポットサイズ(約1.3μm)にまでは近づけることが難しい。そこで、本実施の形態のように光部品本体側にもスポットサイズ変換部4を形成する。このスポットサイズ変換部4の実現方法を以下に示す。
【0045】
まず、ガラス導波路型光部品本体側の入力端近傍のコア層3の一部を切断除去し、その切断除去した部分及びコア層全体をクラッド層2で埋め込み、そのカットされたコア層3との間のクラッド層2の領域内に超短パルスレーザービームを集光、照射して、屈折率及びその形状を変えて端面5AでのスポットサイズがDm(3.3μmか、或いは2.0μm)になるように、そのクラッド層2内の屈折率及びその形状がテーパ状に変化する新しいコア層10を形成する。
【0046】
この方法は、今まで全く実現されていなかった、Δが4%までの超高比屈折率差導波路型光部品用のビームスポット変換を実現するものである。
【0047】
次に、図1(a)の導波路型光部品の製造方法を図2(a)から(j)を用いて作用と共に説明する。
【0048】
図2(a)から図2(e)は導波路型光部品の製造方法を説明するための中間体の正面断面図であり、図2(f)から図2(j)は図2(a)から図2(e)の右側面図である。
【0049】
導波路型光部品を製造するに際しては、まず、図2(a)、図2(f)に示すように、アルコキシド系の原料ソースを用いたプラズマCVD法により、低温(例えば400℃)で、基板(Si基板)1上に下部クラッド層(SiO2ガラス層)2dを例えば厚さ20μm形成し、その下部クラッド層2d上にコア層(SiO2 −GeO2ガラス層)3aを例えば1.5μm形成し、コア層3aと下部クラッド層2dとの比屈折率差Δが約4%の光導波路を作製する。
【0050】
次に、図示されていないが、スパッタリング法により、コア層3aの上にWSi膜を約1μm形成し、そのWSi膜上にフォトレジストを塗布した後、フォトマスクを用いてフォトリソグラフィ工程により、フォトレジストパターンを形成し、ついでそのフォトレジストパターンをマスクにしてドライエッチング工程により、WSi膜をパターニングする。
【0051】
その後、図2(b)、図2(g)に示すように、図示されていないWSi膜パターンをマスクにして、ほぼ矩形断面形状のコアパターン(光信号処理回路)に加工したコア層3を形成する。また、下部クラッド層2dの一部をエッチングにより除去し、段差部11を形成する。
【0052】
そして、図2(c)、図2(h)に示すように、コア層3を覆うように、下部クラッド層2d上に上部クラッド層2uを形成する。
【0053】
さらに、図2(d)、図2(i)に示すように、波長800nmの超短パルスレーザービーム14(パルス幅:150fs、パルス繰り返し周波数200kHz、平均出力600mW)をコア層3の延長線上のクラッド層内にレンズ15で集光、照射しながらコア層3の端部の位置12Aから光部品本体5の端面の位置12Bの方向に矢印13のごとく連続的に集光させると共に照射位置をずらしながら、かつ少しずつレーザービーム14のパワーを下げつつ、ビームスポット径も大きくしつつ移動させて、コア層3の屈折率が徐々に変化しかつ形状がテーパ状に変化した領域10を形成する。
【0054】
そして、図2(e)、図2(j)に示すように、今度は光ファイバ6のコア7内の所定の位置に、波長800nmの超短パルスレーザービーム14(パルス幅:150fs、パルス繰り返し周波数200kHz、平均出力600mW)を集光、照射しながらコア7内の屈折率を高めてほぼ球状のレンズ媒質9aを形成する。
【0055】
このとき、レンズ媒質9aの屈折率及び直径はレーザービーム14のパワー、スポット径、照射時間等を変えることにより制御する。具体的には、レンズ媒質9aの直径はレーザービーム14のスポット径に依存しており、そのスポット径で調整することができる。また、レンズ媒質9aの屈折率はレーザービーム14の照射エネルギー(照射時間、照射パワー、パルス幅、パルス繰り返し周波数)に依存しており、そのエネルギーが大きいほど屈折率を大きくできるが、あまりエネルギーを大きくすると飽和傾向になり、さらに大きくしていくとコア7内に空孔が発生してしまう。従って、レーザービーム14の照射で実現できる最大屈折率は1.485程度であり、数3、数4式に用いた屈折率を十分に達成することができる。
【0056】
なお、超短パルスレーザービームは、波長は400nmから980nmの範囲内、パルス幅は30fsから250fsの範囲内、パルス繰り返し周波数は1kHzから250kHzの範囲内、平均出力は200mWから800mWの範囲内が好ましい。
【0057】
同様にして、ガラス導波路型光部品本体5の端面方向に矢印16のごとく所定距離ずらして、同様にコア7内に集光、照射して屈折率を高めて他のレンズ媒質9bを形成し、光部品が製造される。
【0058】
このようにしてスポットサイズ変換部4,9を形成することにより、光学特性をモニタしながら加工することが可能になり、光部品の更なる低損失化を実現できると共に、最終実装や組み立て段階で加工することができるようになる。すなわち、導波路型光部品を製造する際の歩留まりの向上が期待できる。
【0059】
また、本実施の形態の光部品は、光ファイバ6内を伝搬する信号光のスポットサイズは、コア径とほぼ等しい10μm程度の大きなスポットサイズから端面に向かって中間的な値Dmのスポットサイズになるように変換され、またガラス導波路型光部品本体5内のコア層3のスポットサイズも端面5Aに向かって中間的な値Dmになるように変換されているので、光部品本体5と光ファイバ6とが低損失で接続されていることになる。
【0060】
さらに、両スポットサイズ変換部4,9として、2つ以上の異なる直径のレンズ媒質9a,9bを用いているため、その長さを短くすることができると共に、それぞれのスポットサイズ変換部4,9が急激にスポットサイズを変換していないので、これらのスポットサイズ変換部4,9の屈折率及びコアの断面積も急激に変化しないので、非常に低損失な接続を実現することができる。
【0061】
また、Δhが2%以上4%程度以下の超高Δのガラス導波路型光部品本体5と、Δlが0.3%から1.5%の範囲内の光ファイバ6とをモードフィールド整合をとって接続することが可能になるので、従来の低Δ(Δ:約0.75%)のガラス導波路型光部品に比して1/20から1/40に超小型化した超高比屈折率差のガラス導波路型光部品が実現可能になる。
【0062】
次に、本発明の他の実施の形態について詳述する。
【0063】
図3は本発明の他の実施の形態を示す導波路型光部品の正面断面図である。
【0064】
図3に示すように、この導波路型光部品は、ガラス導波路型光部品本体25のコア層の両端面25A,25B側にそれぞれスポットサイズ変換部24a,24bが形成されており、それらの両端面25A,25Bに、それぞれスポットサイズ変換部29,29を有する光ファイバ26,26が接続された構造を有する。
【0065】
ガラス導波路型光部品本体25は、図1(a)に示した光部品本体と同様に、基板(例えばSi基板)21上に、低屈折率nuの下部クラッド層(例えばSiO2 ガラス層)22dを有し、その下部クラッド層22d上に、基板21の両端面にわたって高屈折率nwのほぼ矩形断面形状のコア層(例えばSiO2 −GeO2 )23が形成され、そのコア層23及び下部クラッド層22dを覆うように、低屈折率nuの上部クラッド層(例えばSiO2 層)22uが形成された構造を有する。
【0066】
光部品本体25の両端面25A,25B側のコア層23に形成されたスポットサイズ変換部24a,24bは、同様に、それぞれ光ファイバ26,26との接続端面25A,25Bに向かって屈折率が連続的に低くなるように変化している領域20a,20bを有すると共に、この領域20a,20bは、光ファイバ26,26側のスポットサイズに近づけるように接続端面25A,25Bに向かってそれぞれテーパ状に形成されている。
【0067】
また、この実施の形態にあっては、光ファイバ26,26のスポットサイズ変換部29,29は、それぞれ3個のレンズ媒質29a,29b,29cが光部品本体25側に向かって直径が小さくなる順に、すなわち第1のレンズ媒質29a、第2のレンズ媒質29b、第3のレンズ媒質29cの順に適宜間隔を隔てて形成されて構成されている。
【0068】
このように構成することにより、例えば、AWGフィルタ、スプリッタ、光スイッチなどの多ポート入出力を有する光部品の場合に適用することができる。
【0069】
この場合、適用する光回路の入出力の数に合わせて、ガラス導波路型光部品本体25の両端面25A,25B側にはスポットサイズ変換部をN及びM個(N,M:≧1)設ければ良い。
【0070】
また、図4は本発明の他の実施の形態を示す導波路型光部品の正面断面図である
【0071】
図4に示すように、この導波路型光部品は、基本的な構成は図1(a)に示した光部品と同様であるが、ガラス導波路型光部品本体35と光ファイバ36との接続端面35A,36Aがそれぞれ光軸の垂線に対して斜めに加工されている点で異なるものである。
【0072】
具体的には、ガラス導波路型光部品本体35及び光ファイバ36のコア内を伝搬する信号光の光軸の垂線に対する傾斜角をθとすると、θは2°から8°の範囲内が好ましい。
【0073】
このように構成することにより、ガラス導波路型光部品本体35と光ファイバ36とが接続されるので、それぞれの接続端面35A,36Aからの信号光の不要な反射の影響を取り除くことができ、他の端面への反射の影響を抑圧することができ、低クロストーク、低反射の導波路型光部品を得ることができる。
【0074】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。
【0075】
まず、比屈折率差Δの低い(Δl)光ファイバのΔlは、0.3%から1.5%の範囲内から選ぶことができるので、種々の光ファイバを用いて超高比屈折率差導波路型光部品を実現することができる。このΔlが大きいほど、そのコア内に形成されるレンズ媒質9a,9bの屈折率を大きくすることができるので、数3式及び数4式から分かるように、直径Ra,Rbを小さくしてビームスポットサイズDmを小さくすることができる。さらに、ガラス導波路型光部品本体5側のスポットサイズ変換部4のDmも小さい値で良いために、非常に低損失のスポットサイズ変換部4を構成することができる。
【0076】
また、本発明に用いられる光ファイバ6としては、光ファイバ6の外周部に被覆材料が形成されていても良い。例えば、プリコーティング材料、2次被覆材料の高分子材料が被覆されていても良い。また、光ファイバ6のコア径も10μm以外に、数μmから10μmの範囲内のものを用いることができる。また数2から数4式においてfa,fb,na,nb,Ra,Rb等の値は広い範囲から選ぶことができる。例えば、Ra及びRbは1μmから10μmの範囲内から、na及びnbは1.458から1.490の範囲内から選んでそれぞれ加工することができる。
【0077】
さらに、本実施の形態にあっては、光ファイバ6,26はスポットサイズ変換部9,29が2個或いは3個のレンズ媒質で構成されているが、それよりも多くても良い。また、光ファイバ6,26の先端部に向けて先細りするようにテーパ構造に加工されていても良い。また、光ファイバ6,26は先端部が球状に加工されていても良い。
【0078】
また、ガラス導波路型光部品本体5の基板1として、ガラス基板以外に、Si基板、GaAs基板等の半導体基板、LiNbO3 、LiTaO5 等の強誘電体基板、セラミックス基板、或いはプラスチックス基板などを用いても良い。
【0079】
さらに、ガラス導波路型光部品本体5のΔhは1.5%から4.0%の範囲内のものを用いることができるが、光ファイバ6のΔlに高いものを用いれば、さらに高いΔhのものに適用することもできる。
【0080】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、光ファイバと光導波路とが低損失で接続され、かつ小型化、低コスト化を実現できる導波路型光部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施の形態を示す光部品の正面断面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線断面図であり、(c)は(b)のIc−Ic線の屈折率分布を示す図である。
【図2】(a)から(e)はモード変換機能付きガラス導波路の中間体の正面断面図であり、(f)から(j)は(a)から(e)の右側面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す光部品の正面断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す光部品の正面断面図である。
【図5】従来のモード変換方式を説明するための説明図である。
【図6】従来のモード変換方式を説明するための説明図である。
【符号の説明】
3 コア層
4 ガラス導波路型スポットサイズ変換部
5 ガラス導波路型光部品本体
6 光ファイバ
7 コア
9 光ファイバスポットサイズ変換部
9a,9b レンズ媒質
Claims (5)
- 所定の比屈折率差を有する光導波路のコア層端面と、その光導波路の比屈折率差よりも低い比屈折率差を有する光ファイバのコア端面とが接続されて構成された導波路型光部品において、上記光ファイバと上記光導波路との接続部近傍のコア内に、上記コア端面に向かってそのコアの屈折率が徐々に高くなる略球状のレンズ媒質を少なくとも2個、所望間隔、所望径、所望屈折率を持つように形成してなる光ファイバスポットサイズ変換部と、上記光導波路と上記光ファイバとの接続部近傍のコア層に、上記コア層端面に向かってそのコア層の屈折率が連続的に低くなると共に上記コア層の断面積が徐々に増加するガラス導波路型スポットサイズ変換部とを有し、上記ガラス導波路型スポットサイズ変換部と上記光ファイバスポットサイズ変換部との間がモードフィールド整合されていることを特徴とする導波路型光部品。
- 上記光導波路のコア層とクラッド層との比屈折率差は2.0%から4.0%の範囲内にあり、かつ上記光ファイバのコアとクラッドとの比屈折率差は0.3%から1.5%の範囲内にある請求項1記載の導波路型光部品。
- 上記ガラス導波路型スポットサイズ変換部は、上記光導波路のコア層端面の少なくとも1箇所以上に形成されており、各ガラス導波路型スポットサイズ変換部に、それぞれ上記光ファイバの上記光ファイバスポットサイズ変換部が接続されている請求項1または2に記載の導波路型光部品。
- 上記光導波路のコア層の接続端面と上記光ファイバのコアの接続端面は、それぞれ光軸の垂線に対して斜めに加工されている請求項1〜3のいずれかに記載の導波路型光部品。
- 上記ガラス導波路型スポットサイズ変換部及び上記光ファイバスポットサイズ変換部は、パルス幅が30fsから200fsの範囲内でありかつパルス繰り返し周波数が1kHzから250kHzの範囲内である超短パルスレーザービームのビームスポットサイズ及び照射エネルギーを変えて集光、照射されることによって形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の導波路型光部品。
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