以下、本発明に係る導波路基板、光コネクタ、及び導波路基板の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における光コネクタを示す分解斜視図であり、図2は、図1の光コネクタの平面図である。ただし、図2では、図1に示す一部の部材の記載が省略されている。図1、図2に示すように、本実施形態の光コネクタ1は、ケース10と、導波路基板20と、光導波路部材としてのマルチコアファイバ30とを主な構成として備える。
ケース10は、概ね直方体の形状であり、導波路基板20を収容する。このケース10は、面11及び当該面11と反対側の面12を有する。本実施形態の光コネクタ1は面11側が接続方向とされる。従って、光コネクタ1が他の光コネクタ等と接続される場合、面11側が他の光コネクタ等に向けられて、光コネクタ1は面11側から他の光コネクタ等に接続される。また、ケース10は、面11と面12とを貫通する一対のガイドピン孔19が形成されている。ガイドピン孔19には、図示しないガイドピンが挿入され、他の光コネクタに接続される際に、このガイドピンにより、光コネクタ1と他の光コネクタとの位置決めがなされる。
ケース10は、面11及び面12と概ね垂直な面13を有しており、この面13には、凹部10Dが形成されている。この凹部10Dは、概ね直方体の形状をしており、面11に形成された開口11Hを介して外部空間と連通している。この凹部10Dは、概ね上記導波路基板20と同一の外形とされ、導波路基板20の接続方向側の面が上記開口11Hから外部に突出している。
ケース10には、面12から凹部10Dに通じる貫通孔12Hが形成されている。この貫通孔12Hには、円筒形のブーツ39がマルチコアファイバ30と共に挿通される。具体的には、ブーツ39の貫通孔にマルチコアファイバ30が挿通された状態で、ブーツ39がマルチコアファイバ30と共に貫通孔12Hに挿通され、マルチコアファイバ30の一端が凹部10D内に位置する。こうして、マルチコアファイバ30は、一端がケース10内に配置され、他端側がケース10の接続方向側以外の面12から導出する。なお、ケース10の外に導出されるマルチコアファイバ30を保護する不図示のカバーがケース10に設けられていても良い。
図3は、図1のマルチコアファイバ30の長手方向に垂直な断面図である。図3に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ30は、複数のコア31と、複数のコア31の外周面を隙間なく囲むクラッド32と、クラッド32の外周面を被覆する樹脂等から成る保護層33と、を備える。なお、本実施形態では、コア31の数が4つの場合について説明する。
本実施形態のマルチコアファイバ30では、それぞれのコア31が互いに所定距離離れて等間隔で配置されている。具体的には、複数のコア31が2×2に配置されている。従って、図3のようにマルチコアファイバ30を断面で見る場合に、コア31が上下方向、及び左右方向に並んで配置されている。それぞれのコア31の直径は、例えば、6μm〜10μmとされ、クラッド32の直径は、例えば、79μm〜250μmとされる。また、それぞれのコア31の屈折率は、クラッド32の屈折率よりも高く、それぞれのコア31のクラッド32に対する比屈折率差は、例えば、0.3%〜1.0%とされる。
コア31は、例えば、ゲルマニウム等の屈折率が高くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成り、この場合、クラッド32は、例えば、何らドーパントが添加されない純粋なシリカガラスやフッ素等の屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成る。或いは、コア31が何らドーパントが添加されない純粋なシリカガラスから成り、クラッド32が例えばフッ素等の屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成る構成であっても良い。
なお、図3の例では、それぞれのコア31とクラッド32との間に他の部材が配置されていない例を示した。しかし、それぞれのコア31とクラッド32との間にクラッド32の屈折率よりも低い屈折率のトレンチ層が配置されても良い。
マルチコアファイバ30の一端が配置されているケース10の凹部10D内には、導波路基板20が配置される。具体的には、導波路基板20は、凹部10D内に位置するマルチコアファイバ30の一端から僅かに離間して凹部10D内に配置される。また、本実施形態では、導波路基板20が配置された状態で、凹部10D内の空間に光透過性の樹脂50が充填されている。従って、マルチコアファイバ30の一端と導波路基板20との間には、光透過性の樹脂50が充填されている。このような樹脂50としては、光透過性を有するアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを挙げることができる。なお、図1では、この樹脂50の記載が省略されている。
このように、凹部10D内に導波路基板20が配置されると共に、光透過性の樹脂50が充填された状態で、凹部10Dには蓋体10Lが被せられて、凹部10Dは封止される。なお、図2では蓋体10Lの記載が省略されている。
図4は、図1の導波路基板20を示す図である。図4に示すように、本実施形態の導波路基板20は概ね直方体の形状とされる。導波路基板20は、光透過性の材料から構成される。導波路基板20内には、複数の導波路21が形成され、導波路21の周りがクラッド22とされる。このような導波路21のそれぞれは、3次元的なパターンで形成され、各導波路21の一方側と他方側とで、配列、互いに隣り合う導波路間の距離、導波路の断面積、及び向きの少なくとも一つが互いに異なるように形成され得る。本実施形態において、それぞれの導波路21の一方側の端部は、所定の間隔を空けて直線状に配列されている。本実施形態では、この一方側の端部が接続方向側の端部とされる。上述のように、導波路基板20の接続方向側の面が上記開口11Hから外部に突出している。したがって、複数の導波路21の各一方側の端部は、ケース10の接続方向側の面11から光学的に露出している。一方、それぞれの導波路21の他方側の端部は、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31の配列と同じように配列されている。従って、本実施形態では、複数の導波路21は、他方側の端部において2×2に配置されている。したがって、本実施形態の導波路基板20の互いに隣り合う導波路21間の距離は、導波路21の他方側よりも一方側の方が広く、また、本実施形態の導波路基板20の導波路21の配列は、導波路21の一方側と他方側とで互いに異なる。なお、図2では、図の複雑化を避けるため、導波路21は、平面的に並ぶように簡略化されて記載されている。
複数の導波路21のそれぞれは、所定位置Mを境として上記他方側に位置する小径部21Aと、当該所定位置Mを境として上記一方側に位置する大径部21Bとを有している。すなわち、導波路21の他方側の端部から所定位置Mまでの区間が小径部21Aとされ、導波路21の一方側の端部から所定位置Mまでの区間が大径部21Bとされる。この大径部21Bは、小径部21Aよりも大きな径とされる。また、大径部21Bの当該大径部21Bの周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差は、小径部21Aの当該小径部21Aの周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差以下とされる。小径部21Aの径は延在方向に沿って概ね一定とされ、大径部21Bの径も延在方向に沿って概ね一定とされる。後述するが、このような導波路21は、導波路基板20に例えばフェムト秒レーザを照射することによって形成される。
マルチコアファイバ30は上記のようにケース10に挿通される。そして、このマルチコアファイバ30は、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31の一端と導波路基板20のそれぞれの導波路21の他方側の端部とが対向するように調心される。従って、マルチコアファイバ30の複数のコア31の配列と同じ配列にされた各導波路21の他方側の端部が、マルチコアファイバ30の各コア31と一対一で対向する。
そして、上記のように、それぞれの導波路21の他方側の端部とマルチコアファイバ30のそれぞれコア31との間に光透過性の樹脂50が充填される。このため、導波路基板20の各導波路21の他方側の端部と、マルチコアファイバ30の各コア31の一端とが光学的に結合する。このように、導波路21の他方側の端部は、光導波路部材としてのマルチコアファイバ30のコア31と光学的に結合する結合端と解釈することができる。一方、導波路21の一方側の端部は、ケース10の接続方向側の面11から光学的に露出する露出端と解釈することができる。こうして、導波路21は、露出端における径が結合端における径よりも大きい構成とされる。
次に、光コネクタ1の光の伝搬について説明する。
マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31を伝搬する光は、それぞれのコア31の一端から樹脂50に出射する。上記のようにそれぞれのコア31の一端と、導波路基板20のそれぞれの導波路21の結合端とが一対一で対向するため、それぞれのコア31から樹脂50に出射した光は、コア31に対向する導波路21の結合端から導波路21内に入射する。導波路21に入射した光は、3次元状に形成された導波路21を伝搬し、やがて導波路21の上記所定位置Mに達する。
上述のように、この所定位置Mを境として接続方向側には、大径部21Bが形成されている。上述のように、大径部21Bの径は小径部21Aよりも大きい。また、大径部21Bの当該大径部21Bの周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差は、小径部21Aの当該小径部21Aの周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差以下とされる。このため、大径部21Bを伝搬する光のモードフィールド径が、小径部21Aを伝搬する光のモードフィールド径よりも大きくなる。こうして、導波路21を介して光のモードフィールド径が変換され、モードフィールド径が拡大された光が導波路21の露出端から外部に出射される。
また、光コネクタ1に接続される他の光コネクタの光の出射端から各導波路21の露出端に入射する光は、導波路21の露出端から導波路21に入射し、大径部21Bを伝搬して所定位置Mに達する。そして、所定位置Mから小径部21Aを伝搬することにより、導波路21への入射時に比べて光のモードフィールド径が小さくなる。こうして、モードフィールド径が小さくされた光がマルチコアファイバ30のコア31に入射する。
こうして、光コネクタ1により、光の入射や出射が行われる。
以上説明したように、本実施形態の光コネクタ1は、導波路21を有する導波路基板20を備えている。この導波路21は、上述のように、光透過性の基板内に3次元的なパターンで形成されることにより、一方側の位置と他方側の位置とが互いに異なるように形成される。このため、この導波路基板20によれば、導波路基板20の他方側に配置される光導波路部材としてのマルチコアファイバ30のコア31と、導波路基板20の一方側に配置される他の光導波路部材のコアとを、導波路21を介して光学的に結合させ得る。また、この導波路基板20の導波路21は、上記小径部21Aと上記大径部21Bとを有している。上述のように、大径部21Bの当該大径部21Bの周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差は、小径部21Aの当該小径部21Aの周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差よりも小さくなっている。このため、導波路21の結合端から露出端に向かって光が伝搬する場合、結合端への入射時に比べてモードフィールド径が大きくされた光が露出端から出射する。一方、導波路21の露出端から結合端に向かって光が伝搬する場合、露出端への入射時に比べてモードフィールド径が小さくされた光が、結合端を介してマルチコアファイバ30のコア31に入射する。
本実施形態の光コネクタ1は、このような導波路基板20を備えており、導波路21の結合端側と露出端側とで光のモードフィールド径が変換される。そのため、本発明の光コネクタを構成する結合端側の光導波路部材のコアにおける光のモードフィールド径と、本発明の光コネクタの露出端側に配置される他の光導波路部材のコアにおける光のモードフィールド径とが相違する場合でも、光の接続損失が生じることを抑制することができる。例えば、光コネクタ1に接続される他の光コネクタの導波路における光のモードフィールド径が、光コネクタ1のコア31のモードフィールド径よりも大きい場合でも、導波路21の露出端のモードフィールド径が大きくなっているため、光コネクタ1を構成する結合端側のコア31と、光コネクタ1の露出端側に配置される他の光導波路部材のコアとの間で、光の接続損失が生じることを効果的に抑制することができる。
また、本発明の光コネクタでは、光導波路部材のコアの一端がケース内に配置されているため、本発明の光コネクタの光導波路部材のコアの一端に他の光コネクタが接することがなく、本発明の光導波路部材のコアの一端に応力等がかかることを抑制することができる。また、導波路基板の導波路の結合端がケース内に配置されているため、当該結合端にケースの外部からの応力がかかることを抑制することができる。
また、本実施形態の光コネクタ1では、コア31の少なくとも1つは、ケース10の接続方向側以外の面12に形成された貫通孔12Hから導出される。従って、この貫通孔12Hが導波路基板20の導波路21に対してコア31をガイドする役割を果たすので、コア31がケース10の貫通孔12H以外から導出される場合と比べて、マルチコアファイバ30のコア31と導波路基板20の導波路21との調心を容易にし得る。また、この貫通孔12Hの外径は、クラッド32、保護層33またはブーツ39の外径と同程度の大きさとすることが好ましい。この場合、クラッド32、保護層33またはブーツ39の外径と同程度の大きさを有する貫通孔12Hがクラッド32、保護層33またはブーツ39をガイドしやすくなるので、コア31をより一層ガイドしやすくなる。このため、マルチコアファイバ30のコア31と導波路基板20の導波路21との調心をより一層容易にし得る。
また、本実施形態の光コネクタ1では、導波路21の露出端がケース10の接続方向側の面11からケース10の外部に突出する。このように構成することで、ケース10の外部に突出する導波路基板20の導波路21の露出端を、他の光コネクタにおける複数の光の入出射端に圧着して、本発明の光コネクタ1の各導波路21を他の光コネクタにおける複数の光の入出射端に結合させ得る。また、ケース10内において、導波路基板20の各導波路21の結合端とマルチコアファイバ30の各コア31の一端との結合部以外に、光の結合個所が増えることを抑制でき、光の損失が増えることを抑制することができる。
また、本実施形態の光コネクタ1では、導波路基板20における互いに隣り合う導波路21間の距離が、導波路21の結合端側と露出端側とで互いに異なる。具体的には、導波路基板20の互いに隣り合う導波路21間の距離は、導波路21の結合端側よりも露出端側の方が広い。一般的に、複数の光ファイバを並べた場合のコア間の距離は、マルチコアファイバ30のコア31間の距離よりも大きい。従って、光コネクタ1がこのような構成にされることで、マルチコアファイバ30の複数のコア31を、複数の光ファイバのコアに結合させるのに適する。
また、本実施形態の光コネクタ1では、導波路基板20の複数の導波路21の配列は、導波路21の結合端側と露出端側とで互いに異なる。従って、本実施形態の光コネクタ1におけるマルチコアファイバ30の複数のコア31の配列と、光コネクタ1に接続される他の光コネクタにおける複数の光の入出射端の配列とが異なる場合であっても、光コネクタ1におけるマルチコアファイバ30の複数のコア31と、他の光コネクタにおける複数の光の入出射端とで、適切に光を伝搬し得る。
また、本実施形態の光コネクタ1では、複数の導波路21の結合端側の端部と、マルチコアファイバ30の複数のコア31の一端との間に、光透過性の樹脂50が充填されている。このため、それぞれの導波路21の一端にマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31の一端を圧着させずとも、導波路基板20のそれぞれの導波路21とマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31とを結合し得る。したがって、コア31に負荷がかかることを抑制し得る。また、マルチコアファイバ30の一端が曲面状である場合、クラッド32の中心以外に配置されるコア31は、クラッド32の中心と比べて導波路基板20から離れる。従って、クラッド32の中心以外に配置されるコア31を導波路基板20の導波路21に圧着しづらい。このため、上記のように光透過性の樹脂50が充填されることで、適切にマルチコアファイバ30のコア31と導波路基板20の導波路21とを結合させ得る。
なお、光コネクタ1には、マルチコアファイバ30が必須の構成ではなく、マルチコアファイバ30を備えない光コネクタ1も光コネクタとして成り立つ。この場合、使用時において、マルチコアファイバ30を上記実施形態のように配置すればよい。
次に、このような光コネクタ1の製造方法について説明する。
図5は、光コネクタ1の製造方法を示すフローチャートである。図5に示すように、光コネクタ1の製造方法は、準備工程PS1と、配置工程PS2と、導波路形成工程PS3とを備えている。
(準備工程PS1)
本工程は、光透過性の基板を準備する工程である。従って、まず、光透過性の基板20Pを準備する。また、一端側にブーツ39が装着されたマルチコアファイバ30が貫通孔12Hに挿通された状態のケース10を準備する。基板20Pは、ケース10の凹部10Dと略同一の形状とされる。
(配置工程PS2)
本工程は、基板20Pをケース10内に配置する工程である。図6は、本工程の様子を概略的に示す平面図である。図6に示すように、本工程では、基板20Pの面20PBがケース10の面11から僅かに突出するように基板20Pをケース10の凹部10D内に配置する。また、基板20Pの面20PAとマルチコアファイバ30のコア31の一端との間に僅かに隙間が形成されるように基板20Pを凹部10D内に配置する。この状態で、凹部10D内に樹脂50を充填する。こうして、ケース10の凹部10Dに基板20Pが配置される。
なお、準備工程PS1において、ケース10の貫通孔12Hにマルチコアファイバ30が挿入されたものを準備したが、ケース10の貫通孔12Hにマルチコアファイバ30が挿入されたものを準備し、本工程において基板20Pをケース10内に配置した後にマルチコアファイバ30を貫通孔12Hに挿入してもよい。
(導波路形成工程PS3)
本工程は、光の集光スポットを基板20Pの内部で走査することにより基板20Pの内部に導波路を形成する工程である。上記配置工程PS2の後、本工程を行う。図5に示すように、本工程は、第1照射工程PS31と、第2照射工程PS32とを含んでいる。本工程は、基板20Pの内部に光の集光スポットを形成可能な不図示の照射装置を用いて行われる。この照射装置は、出射される光のパワーを変化させたり、また、集光スポットの大きさを変化させたりできるように構成されている。このような集光スポットを基板20Pの内部で走査することにより、基板20Pの面20PAから面20PBまで延在する導波路が形成される。本実施形態において、本工程はフェムト秒レーザを用いて行われる。
ここで、フェムト秒レーザとは、パルス幅が10-15〜10-13秒程度とされる超短パルスレーザをいう。フェムト秒レーザは、このように非常に短いパルス幅を有するため、極めて大きなピークパワーをもつ。例えば、フェムト秒レーザが集光されて形成される集光スポットでは、数十〜数百TW/cm2程度の高パワー密度を実現し得る。このような高パワー密度の集光スポットを被照射体の内部に位置させることで、集光スポットに照射された部分において多光子吸収反応が励起され、当該部分の材料の状態が改質される。その結果、被照射体のうち集光スポットに照射された部分の屈折率が、照射されていない部分に比べて高くなる。上記多光子吸収反応は、照射する光の強度が一定の閾値以上でなければ励起されない傾向にある。このため、集光スポットにおける光のパワー密度が多光子吸収反応が励起される程度の強さになるようにフェムト秒レーザのパワーを調整することによって、被照射体のうち集光スポットに照射されない部分における材料の状態の改質を抑制しつつ、集光スポットに照射された部分における材料の状態のみを改質し得る。
以下、本工程について、図7〜図14を参照して説明する。図7〜図14は、第1照射工程PS31、第2照射工程PS32の様子を概略的に示す平面図である。
<第1照射工程PS31>
導波路形成工程PS3では、まず本工程を行う。上述のように、マルチコアファイバ30は、ケース10の凹部10Dに導出されている。したがって、基板20Pのマルチコアファイバ30側の面20PAは、マルチコアファイバ30の複数のコア31と対向しており、図7に示すように、面20PAは、当該複数のコア31の1つに正対するコア正対部20Sを含んでいる。本工程では、まず、上記照射装置を操作して、このコア正対部20Sにフェムト秒レーザの集光スポットSPを位置させる。なお、図7〜図14は平面図であるため、集光スポットSPが基板20Pの主面方向のみに広がっているように見えるが、実際には、集光スポットSPは基板20Pの厚み方向にも広がっている。その後、図7において矢印で示すように、この集光スポットSPを3次元的に走査する。具体的には、出射されるフェムト秒レーザのパワー及び集光スポットSPの大きさを一定に保ちながら、図7の平面視において、集光スポットSPをコア正対部20Sから所定位置Mまで左斜め上方に走査する。これにより、集光スポットSPに照射された基板20P内の部分において、集光スポットSPの走査方向に沿って材料の状態が改質される。こうして、図8に示すように、基板20Pの他の部分に比べて屈折率が高く、また、コア正対部20Sから所定位置Mまで上記走査方向に沿って延在する領域が、基板20Pの内部に形成される。
<第2照射工程PS32>
次に、本工程を行う。本工程では、まず、集光スポットSPの走査を停止した状態で、出射されるフェムト秒レーザのパワーを第1照射工程PS31に比べて小さくする。なお、本工程における集光スポットSPは、第1照射工程PS31における集光スポットSPと同じ大きさとされる。そして、図9に示すように、フェムト秒レーザのパワーを一定に保ちながら、所定位置Mから集光スポットSPを左斜め上方に走査する。こうして、図10に示すように、集光スポットSPが基板20Pの面20PBに達することで、基板20Pの内部に、材料の状態が改質された改質領域21Kが、面20PAから面20PBまで形成される。上述のように、所定位置Mから面20PBまで集光スポットSPが走査される間、フェムト秒レーザのパワーは第1照射工程PS31に比べて小さくされ、また、集光スポットSPは第1照射工程PS31における集光スポットSPと同じ大きさとされる。すなわち、所定位置Mから面20PBまで集光スポットSPが走査される間、基板20Pに照射される光のエネルギー密度は、第1照射工程PS31における光のエネルギー密度に比べて小さくなる。このため、改質領域21Kのうち面20PBから所定位置Mまでの区間における材料の状態の改質度合は、面20PAから所定位置Mまでの区間における材料の改質度合よりも小さくなる。その結果、改質領域21Kのうち面20PBから所定位置Mまでの区間における屈折率が、面20PAから所定位置Mまでの区間に比べて低くなる。以下、面20PBから所定位置Mまでの区間における屈折率を面20PAから所定位置Mまでの区間に比べて低くする上記ステップを、第1ステップということがある。
次に、フェムト秒レーザのパワー及び集光スポットSPの大きさを第1ステップと同じ大きさにして、図11に示すように、改質領域21Kの所定位置Mから当該改質領域21Kの径方向左側に僅かにずれた位置に、集光スポットSPを位置させる。その後、図11において矢印で示すように、改質領域21Kの延在方向に沿って、集光スポットSPを面20PBまで走査する。これにより、改質領域21Kの径方向左側で改質領域21Kに隣接する部分において、材料の状態が改質される。その結果、図12に示すように、所定位置Mから面20PBまでの改質領域21Kの径が左側に拡張される。上述のように、本ステップにおけるフェムト秒レーザのパワー及び集光スポットSPの大きさは第1ステップと同じである。このため、左側に拡張された区間では、第1ステップと同様に材料の状態が改質される。こうして、所定位置Mから面20PBまで延在する低屈折率の区間の径が左側に拡張される。
次に、フェムト秒レーザのパワー及び集光スポットSPの大きさを第1ステップと同じ大きさにして、図13に示すように、改質領域21Kの所定位置Mから当該改質領域21Kの径方向右側に僅かにずれた位置に、集光スポットSPを位置させる。その後、図13において矢印で示すように、改質領域21Kの延在方向に沿って、集光スポットSPを面20PBまで走査する。これにより、改質領域21Kの径方向右側で改質領域21Kに隣接する部分において、材料の状態が改質される。その結果、図14に示すように、所定位置Mから面20PBまでの改質領域21Kの径が右側に拡張される。上述のように、本ステップにおいてフェムト秒レーザのパワー及び集光スポットSPの大きさは第1ステップと同じである。このため、右側に拡張された区間では、第1ステップと同様に材料の状態が改質される。こうして、所定位置Mから面20PBまで延在する低屈折率の区間の径が右側に拡張される。その結果、小径部21Aと、小径部21Aよりも径が大きく小径部21Aよりも屈折率が低い大径部21Bと、を有する導波路21が基板20Pの内部に形成される。
その後、図示を省略するが、集光スポットSPの照射位置を基板20Pの厚み方向に移動させ、導波路21の厚み方向の上側又は下側で、導波路21をトレースしてもよい。すなわち、導波路21の厚み方向の上側又は下側で、第1照射工程PS31及び第2照射工程PS32を行ってもよい。このようにするには、集光スポットSPの焦点位置を基板20Pの厚み方向に移動させて、導波路21をトレースすればよい。こうすることで、導波路21を厚み方向に拡張することができる。
なお、ここでは、面20PA、面20PBに対して傾斜して延びる導波路21を形成する例を示した。しかし、面20PA及び面20PBに対して垂直に延びる導波路21を形成する場合は、集光スポットSPの位置を細かに調整する必要がなく、より容易に導波路21を形成し得る。
このように、本実施形態における導波路形成工程PS3では、集光スポットSPの大きさを一定として光のパワーを第1照射工程PS31と第2照射工程PS32との間で変化させる。
このような第1照射工程PS31及び第2照射工程PS32のプロセスをマルチコアファイバ30の複数のコア31の数だけ行うことで、複数のコア31のそれぞれと一対一対応で光学的に結合する複数の導波路21が基板20Pに形成され、本発明の導波路基板20が製造される。その結果、導波路基板20を備える光コネクタ1が製造される。
以上のように、本実施形態における光コネクタ1の製造方法は、光透過性の基板20Pを準備する準備工程PS1と、光の集光スポットSPを基板20Pの内部で走査することにより基板20Pの内部に導波路21を形成する導波路形成工程PS3と、を備え、導波路形成工程PS3では、導波路の一方側の端部の径が他方側の端部の径よりも大きくなるように集光スポットSPが走査され、上記一方側の端部に照射される光のエネルギー密度が、上記他方側の端部に照射される光のエネルギー密度よりも小さくされる、導波路基板20の製造方法を含んでいる。
なお、本実施形態における光コネクタ1の製造方法では、上記光としてフェムト秒レーザを使用した。しかし、基板20Pの特定の領域の材料の状態を改質して基板20Pの内部に3次元的に導波路21を描くことが可能な光であれば、フェムト秒レーザ以外の光を使用してもよい。例えば、パルス幅が10-12秒程度とされるピコ秒レーザを使用し得る。
また、本実施形態における光コネクタ1の製造方法では、導波路形成工程PS3において、集光スポットSPの大きさを一定として光のパワーを第1照射工程PS31と第2照射工程PS32との間で変化させる例を説明した。しかし、第1照射工程PS31と第2照射工程PS32とにおいてフェムト秒レーザのパワーを一定として、第2照射工程PS32における集光スポットSPの大きさを第1照射工程PS31における集光スポットSPの大きさよりも大きくしてもよい。この場合、露出端から所定位置Mまでの区間において集光スポットSPに照射される領域が、結合端から所定位置Mまでの区間において集光スポットSPに照射される領域よりも大きくなる。また、露出端から所定位置Mまでの区間における集光スポットSPの光のエネルギー密度が、結合端から所定位置Mまでの区間における集光スポットSPの光のエネルギー密度よりも小さくなる。このため、上記製造方法と同様に、小径部21Aに比べてモードフィールド径が大きい上記大径部21Bを形成し得る。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
本実施形態における光コネクタ1は、導波路基板20の導波路21の形状を除いて第1実施形態における光コネクタ1と同様の構成とされる。したがって、本実施形態では、導波路基板20についてのみ説明する。図15は、本発明の第2実施形態における導波路基板20を示す図である。図15に示すように、本実施形態における導波路基板20は、導波路21のうち所定位置Mよりも一方側に位置する部分である接続方向側の部分の形状がテーパ状とされる点において、導波路21のうち所定位置Mよりも一方側に位置する部分の径が延在方向に沿って同一とされる第1実施形態における導波路基板20と異なる。
図15に示すように、本実施形態における導波路基板20の複数の導波路21は、それぞれ、所定位置Mよりも他方側の区間である接続方向側とは反対側の区間における非テーパ部121Aと、所定位置Mよりも一方側の区間である接続方向側の区間におけるテーパ部121Bとを有している。すなわち、非テーパ部121Aは、マルチコアファイバ30のコア31と光学的に結合する結合端を含み、テーパ部121Bは、ケース10の開口11Hから光学的に露出する露出端を含んでいる。非テーパ部121Aは、延在方向に沿って同一の径及び同一の屈折率となるように形成される。一方、テーパ部121Bは、露出端側ほど径が拡径するとともに、露出端側ほど屈折率が低くなるように形成される。したがって、本実施形態における導波路21は、露出端における径が結合端における径よりも大きい構成とされる。
次に、本実施形態における導波路基板20の導波路21における光の伝搬について説明する。
非テーパ部121Aの結合端から導波路21に光が入射すると、当該光は、非テーパ部121Aを伝搬して所定位置Mに達する。上述のように、テーパ部121Bは、露出端側ほど径が拡径するとともに、露出端側ほど屈折率が低くなるように形成されるため、所定位置Mからテーパ部121Bに光が入射して、当該光が露出端に向かって伝搬するに従って、この光のモードフィールド径が次第に大きくなる。こうして、モードフィールド径が拡大された光が、テーパ部121Bの露出端から出射する。
一方、テーパ部121Bの露出端から導波路21に光が入射すると、当該光はテーパ部121Bを伝搬するに従ってモードフィールド径が小さくなり、所定位置Mにおいてモードフィールド径が最小となる。その後、当該光は、所定位置Mから結合端に向かって非テーパ部121A内を伝搬し、モードフィールド径が最小とされた状態で結合端から出射する。
このように、本実施形態の導波路基板20によれば、導波路21の結合端側と露出端側とで光のモードフィールド径が変換される。そのため、本実施形態の導波路基板20を有する光コネクタにおいて、光導波路部材のコアにおける光のモードフィールド径と、当該光コネクタの露出端側に配置される他の光導波路部材のコアにおける光のモードフィールド径とが相違する場合でも、光の接続損失が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態の導波路基板20の導波路21は、上記テーパ部121Bを有しており、このテーパ部121Bでは、露出端側ほどモードフィールド径が小さくなっている。このため、所定の箇所で導波路基板20の長さを変えることで、導波路21の他方側における所定の箇所からテーパ部121Bのモードフィールド径を変化させることができる。したがって、導波路21の露出端におけるモードフィールド径が、当該露出端側に配置される光導波路部材のコアのモードフィールド径と一致しない場合でも、テーパ部121Bの露出端におけるモードフィールド径を上記コアのモードフィールド径と一致させることができる。このため、本実施形態の導波路基板20によれば、光の接続損失が生じることを効果的に抑制することができる。
次に、本実施形態の導波路基板20を有する光コネクタ1の製造方法について説明する。
この光コネクタ1の製造方法は、準備工程PS1と、配置工程PS2と、導波路形成工程PS3とを備えている。また、導波路形成工程PS3は、第1照射工程PS31と、第2照射工程PS32とを備えている。ここで、本実施形態における準備工程PS1、配置工程PS2、及び第2照射工程PS32は、第1実施形態における光コネクタ1の製造方法における準備工程PS1、配置工程PS2、及び第1照射工程PS31とそれぞれ同じであり、第2照射工程PS32のみが、第1実施形態における第2照射工程PS32と異なっている。したがって、以下、本実施形態における第2照射工程PS32について説明する。
本実施形態における第2照射工程PS32では、第1照射工程PS31によってコア正対部20Sから所定位置Mまで延在する改質領域21Kを形成した後、フェムト秒レーザのパワーを一定に保ちながら、図16及び図17に示すように、集光スポットSPを面20PB側に走査するに従って拡径させていく。こうすることで、材料の状態が改質された領域が、所定位置Mから面20PBに向かって基板20Pの主面方向及び厚み方向に次第に広がっていく。なお、図16及び図17は平面図であるため、集光スポットSPが基板20Pの主面方向のみに広がっているように見えるが、実際には、集光スポットSPは基板20Pの厚み方向にも広がっている。また、上述のように、フェムト秒レーザのパワーは一定であるため、集光スポットSPが次第に大きくされることで、集光スポットSPにおける光のエネルギー密度が、集光スポットSPの走査方向に沿って次第に小さくなる。すなわち、本実施形態における第2照射工程PS32では、露出端から所定の区間において導波路の径が露出端側ほど拡径するように集光スポットSPが走査され、この所定の区間において、照射される光のエネルギー密度が露出端側ほど低くされる。その結果、当該走査方向に沿って材料の状態の改質度合が次第に小さくなる。したがって、このようなフェムト秒レーザを面20PBまで走査することで、集光スポットSPの走査方向に沿って改質領域21Kの径が次第に大きくなり、また、当該走査方向に沿って改質領域21Kの屈折率が次第に小さくなる。こうして、図18に示すように、非テーパ部121Aとテーパ部121Bとを有する導波路21が基板20Pに形成され、導波路21の周囲がクラッド22とされる。また、このテーパ部121Bにおいては、クラッド22に対する比屈折率差が、テーパ部121Bの延在方向において露出端側ほど低くされる。
なお、ここでは、面20PA、面20PBに対して傾斜して延びる導波路21を形成する例を示した。しかし、上述のように、面20PA及び面20PBに対して垂直に延びる導波路21を形成する場合は、集光スポットSPの位置を細かに調整する必要がなく、より容易に導波路21を形成し得る。
このような第1照射工程PS31及び第2照射工程PS32のプロセスをマルチコアファイバ30の複数のコア31の数だけ行うことで、複数のコア31のそれぞれと一対一対応で光学的に結合する複数の導波路21が基板20Pに形成され、本発明の導波路基板20が製造される。その結果、導波路基板20を備える光コネクタ1が製造される。
以上のように、本実施形態における光コネクタ1の製造方法は、光透過性の基板20Pを準備する準備工程PS1と、光の集光スポットSPを基板20Pの内部で走査することにより基板20Pの内部に導波路21を形成する導波路形成工程PS3と、を備え、導波路形成工程PS3では、導波路の一方側の端部の径が他方側の端部の径よりも大きくなるように集光スポットSPが走査され、上記一方側の端部に照射される光のエネルギー密度が、上記他方側の端部に照射される光のエネルギー密度よりも小さくされる、導波路基板20の製造方法を含んでいる。
なお、本実施形態において、例えば図19に示すように、テーパ部121Bが結合端を含み、非テーパ部121Aが露出端を含むように導波路を形成してもよい。具体的には、図19に示す導波路基板は、他方側の端部である結合端から所定位置Mまでの所定の区間において、導波路の径が結合端側ほど縮径するテーパ部121Bを有し、テーパ部121Bのクラッド22に対する比屈折率差は、テーパ部121Bの延在方向において結合端側ほど高くなるように形成される。このような構成によれば、結合端から入射してモードフィールド径が拡大された光が、非テーパ部121Aの露出端から出射する。その結果、上述のように、光の接続損失が生じることを効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、導波路21が非テーパ部121Aとテーパ部121Bとを有する例を説明した。すなわち、所定の区間であるテーパ部121Bが、導波路21の全長のうち一部の区間である例を説明した。しかし、図20に示すように、導波路21の全長をテーパ状に形成してもよい。具体的には、図20の例では、基板の面20PAから面20PBに向かって径が拡径するように導波路21が形成されており、また、面20PAから面20PBに向かって次第に屈折率が低くなるように導波路21が形成されている。この場合、テーパ部を形成する導波路21の上記所定の区間は当該導波路の一方側の端部から他方側の端部までの全長となる。このような構成によっても、上述した第2実施形態における導波路基板20と同様の効果を得ることができる。すなわち、光導波路部材のコアにおける光のモードフィールド径と、当該光コネクタの露出端側に配置される他の光導波路部材のコアにおける光のモードフィールド径とが相違する場合でも、光の接続損失が生じることを抑制することができる。また、導波路21の所定の箇所で基板を切断して導波路21の長さを変えることで、導波路21の露出端におけるモードフィールド径を切断前から変化させることができる。また、全体がテーパ状とされる上記導波路21は、例えば、以下のようにして形成し得る。すなわち、面20PAのコア正対部20Sに光の集光スポットSPを位置させた後に、照射される光のパワーを一定として集光スポットSPを次第に大きくしながら、当該集光スポットSPを面20PBに向かって走査することによって形成し得る。したがって、この場合、集光スポットSPの大きさを一定として上記所定位置Mまで集光スポットSPを走査する上記第1照射工程PS31が不要となる。また、別の例では、照射される光のパワーを小さくしつつ、集光スポットSPを次第に大きくしてもよい。この場合、テーパ部121Bにおいて、一方側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差を、他方側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差に比べてより小さくし得る。
また、本実施形態における光コネクタ1の製造方法では、上記光としてフェムト秒レーザを使用した。しかし、基板20Pの特定の領域の材料の状態を改質して基板20Pの内部に3次元的に導波路21を描くことが可能な光であれば、フェムト秒レーザ以外の光を使用してもよい。例えば、パルス幅が10-12秒程度とされるピコ秒レーザを使用し得る。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図21は、本実施形態における光コネクタを図1と同様の方法で示す分解斜視図であり、図22は、図21の光コネクタを図2と同様の方法で示す平面図である。図21、図22に示すように、第1実施形態の光コネクタ1が光導波路部材として1つのマルチコアファイバ30を備えたのに対して、本実施形態の光コネクタ1は光導波路部材として一組のマルチコアファイバ30を備える点において、第1実施形態の光コネクタ1と主に異なる。
本実施形態の光コネクタ1は、一組のマルチコアファイバ30を備えるため、面12から凹部10Dに通じる一組の貫通孔12Hが形成されている。それぞれのマルチコアファイバ30は、クラッド32が露出される一端側近傍が、ブーツ39の貫通孔に挿通されて、ブーツ39と共に貫通孔12Hに挿通される。こうして、それぞれのマルチコアファイバ30の一端がケース10内に配置され、それぞれのマルチコアファイバ30の他端側がケース10の接続方向側以外の面12から導出する。なお、ケース10の外に導出されるそれぞれのマルチコアファイバ30を保護する不図示のカバーがケース10に設けられても良い。
図23は、図21の導波路基板20を示す図である。上記のように、本実施形態では、一組のマルチコアファイバ30がケース10内に挿通される。従って、本実施形態の導波路基板20は複数の導波路21が一組のマルチコアファイバ30のコア31の数と同じだけ形成されている。具体的には、一部の導波路21の他方側の端部が、一方のマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31の一端と対向する位置に形成され、他の一部の導波路21の他方側の端部が、他方のマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31の一端と対向する位置に形成される。従って、一部の導波路21の他方側の端部及び他の一部の導波路21の他方側の端部は、それぞれ2×2となる位置に形成されている。このような構成により、導波路21のそれぞれの他方側の端部と、一組のマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31の一端とが光学的に結合する。すなわち、本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、導波路21のそれぞれの他方側の端部が光コネクタ1の結合端となる。更に、本実施形態では、一部の導波路21の一方側の端部は直線状に並列する位置に形成され、他の一部の導波路21の一方側の端部も直線状に並列する位置に形成され、一部の導波路21の一方側の端部と他の一部の導波路21の一方側の端部とが、上記の直線状に並列する方向と垂直な方向に並ぶ位置に形成される。本実施形態では、2×2に配置された導波路21の他方側が第1実施形態と同様の小径部21Aとされ、直線状に並列する位置に形成された導波路21の一方側が第1実施形態と同様の大径部21Bとされる。ただし、図23では、図が煩雑になることを避けるために、小径部21Aと大径部21Bとの区別なく導波路21が示されている。なお、この導波路21の一方側の端部の配置は一例であり、例えば、一部の導波路21の一方側の端部及び他の一部の導波路21の一方側の端部が、それぞれ上記のそれぞれの導波路21の他方側の端部における導波路間の距離と異なる距離で2×2となる位置に形成されてもよい。
このように配置されたそれぞれの導波路21の大径部21B側の端部が、第1実施形態の導波路基板20のそれぞれの導波路21と同様にケース10の面11から露出している。すなわち、本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、導波路21のそれぞれの一方側の端部が光コネクタ1の露出端となる。このように、本実施形態では、導波路21の他方側に位置する小径部21Aが結合端を含み、導波路21の一方側に位置する大径部21Bが露出端を含む。
本実施形態の光コネクタ1は光導波路部材が一組のマルチコアファイバ30を含んで構成されるため、第1実施形態の光コネクタ1と比べて、より多くのコア31を他の光コネクタの光の入出射端に結合させることができる。
また、本実施形態の光コネクタ1では、複数の導波路21がケース10内に配置されているため、導波路21にケース10の外部からの応力がかかることを抑制することができる。
また、本実施形態の光コネクタ1では、コア31の少なくとも1つは、ケース10の接続方向側以外の面12に形成された貫通孔12Hから導出される。従って、この貫通孔12Hが導波路基板20の導波路21に対してコア31をガイドする役割を果たすので、コア31がケース10の貫通孔12H以外から導出される場合と比べて、マルチコアファイバ30のコア31と導波路基板20の導波路21との調心を容易にし得る。また、この貫通孔12Hの外径は、クラッド32、保護層33またはブーツ39の外径と同程度の大きさとすることが好ましい。この場合、クラッド32、保護層33またはブーツ39の外径と同程度の大きさを有する貫通孔12Hがクラッド32、保護層33またはブーツ39をガイドしやすくなるので、コア31をより一層ガイドしやすくなる。このため、マルチコアファイバ30のコア31と導波路基板20の導波路21との調心をより一層容易にし得る。
なお、本実施形態では、一組のマルチコアファイバ30を例に示したが、3つ以上のマルチコアファイバ30の端部がケース10内に挿通され、それぞれのマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31と結合する導波路21が導波路基板20に形成されてもよい。
また、本実施形態では、導波路21に小径部21Aと大径部21Bとが形成される例を説明したが、導波路21に第2実施形態と同様にして非テーパ部121Aとテーパ部121Bとを形成してもよい。また、本実施形態においても第2実施形態と同様に導波路21の全体をテーパ状に形成して、導波路21の一方側の端部から他方側の端部にかけて屈折率を変化させてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図24は、本実施形態における光コネクタを図1と同様の方法で示す分解斜視図である。図24に示すように、第1実施形態の光コネクタ1の導波路21は、一方側の端部である大径部21B側の端部がケース10の開口11Hから露出しているのに対して、本実施形態の光コネクタ1の導波路21は、一方側の端部である大径部21B側の端部が凹部10D内で光ファイバ40のコアと結合している点において、第1実施形態の光コネクタ1と主に異なる。
本実施形態では、ケース10には、接続方向側の面11から凹部10Dに通じる複数の貫通孔が並列して形成され、これらの貫通孔に光ファイバ40が挿通されている。従って、複数の貫通孔に挿通される複数の光ファイバ40は、互いに並列している。それぞれの光ファイバ40は、一端が凹部10D内に位置し、他端は面11から僅かに突出している。こうして、それぞれの光ファイバ40は、一端がケース10内に配置され他端がケース10の接続方向側の面11からケース10の外部に露出する。光ファイバ40が面11から突出する突出量は、例えば、2μm〜10μmとされる。
図25は、図24の光ファイバ40の長手方向に垂直な断面図である。図25に示すように、本実施形態の光ファイバ40は、中心にコア41が配置され、コア41の外周面をクラッド42が囲う形状とされる。それぞれの光ファイバ40は互いに同様の構成とされる。具体的には、光ファイバ40のコア41の直径は、マルチコアファイバ30のコア31の直径よりも大きく、導波路21の大径部21Bの直径と概ね等しい。また、クラッド42の直径は、マルチコアファイバ30のクラッド32の直径と概ね等しい。また、本実施形態において、クラッド42に対するコア41の比屈折率差は、マルチコアファイバ30のクラッド32に対するコア31の比屈折率差と同じとされ、0.3%〜1.0%とされる。なお、それぞれの光ファイバ40のクラッド42の外周面が保護層で覆われていても良い。
図24に示すように、複数の光ファイバ40の一端とマルチコアファイバ30の一端とが配置されているケース10の凹部10D内には、導波路基板20が配置される。具体的には、導波路基板20は、凹部10D内における、複数の光ファイバ40のそれぞれの一端と、マルチコアファイバ30の一端との間に配置される。本実施形態では、導波路21のうち、マルチコアファイバ30側の端部が第1実施形態と同様の小径部21Aとされ、光ファイバ40側の端部が第1実施形態と同様の大径部21Bとされる。複数の光ファイバ40のそれぞれの一端と導波路21の大径部21B側の端部との間に僅かな隙間が形成され、また、マルチコアファイバ30の一端と導波路21の小径部21A側の端部との間にも僅かな隙間が形成されている。こうして導波路基板20が配置された状態で、凹部10D内の空間に樹脂50が充填されている。従って、複数の光ファイバ40のそれぞれの一端と導波路基板20との間、及び、マルチコアファイバ30の一端と導波路基板20との間には、光透過性の樹脂50が充填されている。こうして、導波路基板20の導波路21の大径部21B側の端部が、光ファイバ40の一端と結合し、小径部21A側の端部が、マルチコアファイバ30の一端と結合する。
上述のように、マルチコアファイバ30の複数のコア31の配列と同じ配列にされたそれぞれの導波路21の一端がマルチコアファイバ30のそれぞれコア31と一対一で対向する。また、導波路基板20は、複数の光ファイバ40のコア41と同じ配列にされた各導波路21の大径部21B側の端部が各光ファイバ40のコア41と一対一で対向するように配置される。
そして、上記のように、それぞれの導波路21の一端とマルチコアファイバ30のそれぞれコア31との間、及び、それぞれの導波路21の他端とそれぞれの光ファイバ40のコア41との間に光透過性の樹脂50が充填される。このため、導波路基板20のそれぞれの導波路21の他方側の端部と、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31の一端とが光学的に結合し、導波路基板20のそれぞれの導波路21の一方側の端部と、それぞれの光ファイバ40のコア41の一端とが光学的に結合する。
以上のように、実施形態の光コネクタ1は、一端がケース10内に配置され他端がケース10の接続方向側の面からケース10の外部に突出する複数の光ファイバ40を備える。導波路基板20の各導波路21の一方側の端部である大径部21B側の端部は、各光ファイバ40のコア41の一端と光学的に結合し、光ファイバ40のコア41を介してケース10の接続方向側の面11から光学的に露出する。すなわち、本実施形態では、導波路21の一方側の端部である大径部21B側の端部が、光コネクタ1の露出端となる。上述のように、コア41の直径は、導波路21の大径部21Bの直径と概ね等しいため、大径部21Bにおいてモードフィールド径が拡大されて導波路21の露出端から出射する光が、適切にコア41に結合し得る。
また、上記のように光ファイバ40の他端をケース10の接続方向側の面11から外部に突出させることで、突出した光ファイバ40の当該他端を凸状に形成することが可能となる。光ファイバ40のコア41は、概ね光ファイバ40の中心に配置されるため、光ファイバ40の他端を凸状に形成することで、コア41がケース10から最もつき出た構造にすることができる。従って、本実施形態の光コネクタ1によれば、光コネクタ1のそれぞれの光ファイバ40のコア41の他端を、他の光コネクタの複数の光の入出射端に圧着して、本実施形態の光コネクタ1のそれぞれの光ファイバ40のコア41を他の光コネクタにおける複数の光の入出射端に結合させ得る。
なお、本実施形態では、導波路21に小径部21Aと大径部21Bとが形成される例を説明したが、導波路21に第2実施形態と同様にして非テーパ部121Aとテーパ部121Bとを形成してもよい。また、本実施形態においても第2実施形態と同様に導波路21の全体をテーパ状に形成して、導波路21の一方側の端部から他方側の端部にかけて屈折率を変化させてもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図26は、本実施形態における光コネクタを図1と同様の方法で示す分解斜視図であり、図27は、図26の光コネクタを図2と同様の方法で示す平面図である。図26、図27に示すように、第1実施形態の光コネクタ1は光導波路部材としてマルチコアファイバ30を備えたのに対して、本実施形態の光コネクタ1は光導波路部材として光ファイバテープ6を備える点において、第1実施形態の光コネクタ1と主に異なる。
図28は、図26の光ファイバテープ6の長手方向に垂直な断面図である。図28に示すように、光ファイバテープ6は、複数の光ファイバ60を含んで構成される。それぞれの光ファイバ60は、中心にコア61が配置され、コア61の外周面をクラッド62が囲い、クラッド62の外周面を保護層63が被覆する構成とされる。それぞれの光ファイバ60は互いに同様の構成とされ、コア61の直径は、例えば、6μm〜10μmとされ、クラッド62の直径は、例えば、79μm〜150μmとされる。また、それぞれのコア61の屈折率はクラッド62の屈折率よりも高く、それぞれのコア61のクラッド62に対する比屈折率差は、例えば、0.3%〜1.0%とされる。また、それぞれの光ファイバ60は、並列されて一体化樹脂65で被覆されて一体化されている。このようにそれぞれの光ファイバ60が並列されているため、本実施形態の光ファイバテープ6では、それぞれの光ファイバ60のコア61の端部は直線状に一列に並んでいる。
また、ケース10には、面12から凹部10Dに通じる光ファイバ60の数と同数の貫通孔12Hが形成されている。また、光ファイバテープ6の一方側の端部近傍において、一体化樹脂65及び保護層63が剥離されて、クラッド62が露出されている。そして、それぞれの光ファイバ60のクラッド62が露出された部位が、それぞれ円筒形のブーツ69に挿通されて、それぞれのブーツ69と共にそれぞれの貫通孔12Hに挿通される。こうして、光ファイバテープ6のそれぞれの光ファイバ60は、一端がケース10内に配置され、他端側がケース10の接続方向側以外の面12から導出する。なお、ケース10の外に導出される光ファイバテープ6を保護する不図示のカバーがケース10に設けられても良い。
図29は、図26の導波路基板を示す図である。図29に示すように、本実施形態の導波路基板20のそれぞれの導波路21の他方側の端部は、複数の光ファイバ60のそれぞれのコア61の配列と同じように配列されている。従って、本実施形態では、複数の導波路21は他方側の端部において、直線状に一列に配置されている。また、本実施形態の導波路基板20のそれぞれの導波路21の一方側の端部は、第1実施形態の導波路基板のそれぞれの導波路21の他方側の端部と同様に2×2に配置されている。本実施形態では、直線状に一列に配置された導波路21の他方側が第1実施形態と同様の小径部21Aとされ、2×2に配置された導波路21の一方側が第1実施形態と同様の大径部21Bとされる。ただし、図29では、図が煩雑になることを避けるために、小径部21Aと大径部21Bとの区別なく導波路21が示されている。なお、これは例であるため、導波路基板20のそれぞれの導波路21の大径部21B側の端部が、例えば、導波路21の小径部21A側の端部における導波路21間の距離よりも小さい距離で直線状に一列に配置されても良い。
このような導波路基板20によれば、それぞれの光ファイバ60のコア61の配列と同じ配列にされたそれぞれの導波路21の小径部21A側の端部が、それぞれの光ファイバ60のそれぞれのコア61と一対一で対向するようにケース10の凹部10D内に配置され、これらコア61と光学的に結合する。このように、それぞれの導波路21の他方側の端部である小径部21A側の端部は、光コネクタ1の結合端となる。すなわち、本実施形態の小径部21Aは、光コネクタ1の結合端を含んでいる。一方、導波路基板20のそれぞれの導波路21の大径部21Bが形成される側の面は、ケース10の接続方向側の面11に形成された開口11Hよりも外側に位置している。従って、それぞれの導波路21の大径部21B側の端部もケース10の面11に形成された開口11Hの外側に位置している。このように、それぞれの導波路21の一方側の端部である大径部21B側の端部は、ケース10の接続方向側の面11から光学的に露出して、光コネクタ1の露出端となる。すなわち、本実施形態の大径部21Bは、光コネクタ1の露出端を含んでいる。
本実施形態の光コネクタ1では、光導波路部材が複数の光ファイバ60を含んで構成される。このため、本実施形態の光コネクタ1の複数の光ファイバ60のコア61と、本発明の光コネクタに接続される他の光コネクタにおける複数の光の入出射端とを結合させることができる。
また、本実施形態の光コネクタ1の導波路基板20では、導波路基板20の互いに隣り合う導波路21間の距離は、導波路基板20の導波路21の小径部21A側よりも大径部21B側の方が狭くされている。一般的に、複数の光ファイバを並べた場合のコア間の距離は、マルチコアファイバのコア間の距離よりも大きい。従って、光コネクタ1の導波路基板20が本実施形態のような構成にされることで、複数の光ファイバ60のコア61を、他の光コネクタのマルチコアファイバの複数のコアに結合させるのに適する。
また、本実施形態の光コネクタ1では、複数の導波路21がケース10内に配置されているため、導波路21にケース10の外部からの応力がかかることを抑制することができる。
また、本実施形態の光コネクタ1では、コア61の少なくとも1つは、ケース10の接続方向側以外の面12に形成された貫通孔12Hから導出される。従って、この貫通孔12Hが導波路基板20の導波路21に対してコア61をガイドする役割を果たすので、コア61がケース10の貫通孔12H以外から導出される場合と比べて、光ファイバ60のコア61と導波路基板20の導波路21との調心を容易にし得る。また、この貫通孔12Hの外径は、クラッド62、保護層63またはブーツ69の外径と同程度の大きさとすることが好ましい。この場合、クラッド62、保護層63またはブーツ69の外径と同程度の大きさを有する貫通孔12Hがクラッド62、保護層63またはブーツ69をガイドしやすくなるので、コア61をより一層ガイドしやすくなる。このため、光ファイバ60のコア61と導波路基板20の導波路21との調心をより一層容易にし得る。
なお、本実施形態の光コネクタ1では、複数の光ファイバ60は長手方向の少なくとも一部において互いに束ねられて、複数の光ファイバ60を含む光導波路部材が光ファイバテープ6とされている。従って、ケース10の外で光ファイバ60がバラけることが防止される。ただし、それぞれの光ファイバ60は互いに束ねられなくても良い。
また、本実施形態では、導波路21に小径部21Aと大径部21Bとが形成される例を説明したが、導波路21に第2実施形態と同様にして非テーパ部121Aとテーパ部121Bとを形成してもよい。また、本実施形態においても第2実施形態と同様に導波路21の全体をテーパ状に形成して、導波路21の一方側の端部から他方側の端部にかけて屈折率を変化させてもよい。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図30は、本実施形態における光コネクタを図1と同様の方法で示す分解斜視図であり、図31は、図30の光コネクタのマルチコアファイバの延在方向に沿った断面図である。ただし、図が複雑化することを避けるため、図31では、ハッチングの記載が省略されている。図30、図31に示すように本実施形態の光コネクタ1は、蓋体10Lを備えず、ケース10の凹部10Dが面13において開口しており、この面13に形成された開口13Hから導波路基板20が露出している。
図32は、図30の導波路基板を示す図である。図30から図32に示すように、本実施形態の光コネクタ1では、導波路基板20のそれぞれの導波路21の一端と他端とが互いに非平行な面に形成されている。このため、それぞれの導波路21の一端と他端とは互いに非平行な方向を向いている。具体的には、導波路基板20のそれぞれの導波路21の一端と他端とが互いに垂直な面に形成されている。それぞれの導波路21の一端と他端とは互いに垂直(90度)な方向を向いても良いが、導波路21の一端と他端とは互いに垂直からわずかにずれても良い。例えば、複数のグレーティングカップラを光コネクタ1に接続し、光を入出力する場合は、75度から88度をなすことが好ましい。この場合、導波路21の他端は、導波路基板20の当該他端が形成される面に対して75度から88度をなす。このように、それぞれの導波路21の一端と他端とは互いに非平行な方向を向いて形成されるため、本実施形態では、面13が光コネクタ1の接続方向側の面とされる。こうして、それぞれの導波路21の一方側の端部は、ケース10の接続方向側の面13から光学的に露出している。従って、本実施形態では、ケース10の接続方向側の面13と、ケース10の光導波路部材としてのマルチコアファイバ30が導出される面12とが非平行である。本実施形態では、ケース10の面13側の導波路21の部分が第1実施形態と同様の大径部21Bとされ、ケース10の面12側の導波路21の部分が第1実施形態と同様の小径部21Aとされる。ただし、図32では、図が煩雑になることを避けるために、小径部21Aと大径部21Bとの区別なく導波路21が示されている。
図31に示すように、ケース10の面13側の導波路基板20の面には、光透過性の樹脂50が形成されており、この樹脂50を介して、導波路21の大径部21Bと他の光導波路部材90とが光学的に結合している。
本実施形態の光コネクタ1では、導波路基板20のそれぞれの導波路21の小径部21A側の端部と大径部21B側の端部とが互いに非平行な方向を向き、ケース10の接続方向側の面13と、ケース10の光導波路部材であるマルチコアファイバ30が導出される面12とが非平行である。従って、光コネクタ1に入射する光は、導波路基板20のそれぞれの導波路21で伝搬方向が変えられる。このように構成されることで、マルチコアファイバ30の複数のコア31の延在方向に対して、光コネクタ1から出射する光や光コネクタに入射する光の方向を変えることができる。本実施形態では、光コネクタ1に入射する光や光コネクタ1から出射する光に対して、マルチコアファイバ30の延在方向を垂直な方向や、上記のように75度から88度にすることができる。
また、本実施形態の光コネクタ1では、複数の導波路21の小径部21A側の端部がケース10内に配置されているため、導波路21の小径部21A側の端部にケース10の外部からの応力がかかることを抑制することができる。
また、本実施形態の光コネクタ1では、コア31の少なくとも1つは、ケース10の接続方向側以外の面12に形成された貫通孔12Hから導出される。従って、この貫通孔12Hが導波路基板20の導波路21に対してコア31をガイドする役割を果たすので、コア31がケース10の貫通孔12H以外から導出される場合と比べて、マルチコアファイバ30のコア31と導波路基板20の導波路21との調心を容易にし得る。また、この貫通孔12Hの外径は、クラッド32、保護層33またはブーツ39の外径と同程度の大きさとすることが好ましい。この場合、クラッド32、保護層33またはブーツ39の外径と同程度の大きさを有する貫通孔12Hがクラッド32、保護層33またはブーツ39をガイドしやすくなるので、コア31をより一層ガイドしやすくなる。このため、マルチコアファイバ30のコア31と導波路基板20の導波路21との調心をより一層容易にし得る。
なお、本実施形態では、導波路21に小径部21Aと大径部21Bとが形成される例を説明したが、導波路21に第2実施形態と同様にして非テーパ部121Aとテーパ部121Bとを形成してもよい。また、本実施形態においても第2実施形態と同様に導波路21の全体をテーパ状に形成して、導波路21の一方側の端部から他方側の端部にかけて屈折率を変化させてもよい。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。なお、第5実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
上記第1実施形態〜第6実施形態では、小径部21A又は非テーパ部121Aが上記結合端を含み、大径部21B又はテーパ部121Bが上記露出端を含む例を説明した。しかし、小径部21A又は非テーパ部121Aが上記露出端を含み、大径部21B又はテーパ部121Bが上記結合端を含むように光コネクタ1を構成してもよい。以下、このような光コネクタの例について説明する。
図33は本実施形態に係る光コネクタ1を図2と同様の方法で示す平面図であり、図34は図33の導波路基板を示す図である。図33及び図34に示すように、本実施形態の光コネクタ1は、図27及び図29に示す第5実施形態の光コネクタ1と概ね同様の構成を有する。しかし、本実施形態の光コネクタ1は、導波路基板20の導波路21の各大径部21Bが、光ファイバテープ6の複数の光ファイバ60のコア61に光学的に接続され、各小径部21Aが光学的に露出している点において、導波路21の各小径部21Aが複数の光ファイバ60のコア61に光学的に接続され、大径部21Bが光学的に露出している第5実施形態の光コネクタ1と異なる。すなわち、本実施形態の光コネクタ1では、導波路21の大径部21Bが上記結合端を含み、この結合端が本実施形態の光コネクタ1における一方側の端部となる。また、小径部21Aが上記露出端を含み、この露出端が本実施形態の光コネクタ1における他方側の端部となる。なお、第1実施形態と同様に、導波路21の一方側である大径部21Bのクラッド22に対する比屈折率差は、他方側である小径部21Aのクラッド22に対する比屈折率差以下である。
このように、本実施形態の光コネクタ1では、導波路21は、導波路21の一方側の端部である大径部21B側の端部における径が他方側の端部である小径部21A側の端部における径に比べて大きい構成とされ、一方側の端部である大径部21B側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差が、他方側の端部である小径部21A側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差以下とされる。
このような光コネクタ1において、光ファイバテープ6における光ファイバ60のコア61を伝搬する光は、導波路21の大径部21Bの結合端から導波路21内に入射し、所定位置Mに達する。その後、この光は、所定位置Mから小径部21Aを伝搬して、小径部21Aの露出端から導波路21の外部に出射する。すなわち、導波路21を介して光のモードフィールド径が変換され、モードフィールド径が縮小された光が導波路21の露出端から外部に出射される。
また、光コネクタ1に接続される他の光コネクタの光の出射端から各導波路21の露出端に入射する光は、導波路21の露出端から導波路21に入射し、小径部21Aを伝搬して所定位置Mに達する。そして、所定位置Mから大径部21Bを伝搬することにより、導波路21への入射時に比べて光のモードフィールド径が拡大される。こうして、モードフィールド径が拡大された光が光ファイバテープ6における光ファイバ60のコア61に入射する。
こうして、光コネクタ1により、光の入射や出射が行われる。
したがって、本実施形態における光コネクタ1によれば、光コネクタ1とは異なる他の光のコネクタに形成される導波路のモードフィールド径が光コネクタ1の導波路21のモードフィールド径よりも小さい場合において、当該他の光コネクタと光コネクタ1とを適切に接続し得る。
本実施形態の光コネクタ1は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、準備工程として、図35に示すように、基板20Pと、光ファイバ60の一端側にブーツ69が装着されている光ファイバテープ6が固定された状態のケース10と、を準備する。光ファイバテープ6が固定された状態のケース10において、光ファイバ60の一端はケース10の凹部10D内に突出している。次に、配置工程として、基板20Pを凹部10D内に配置し、光ファイバ60と基板20Pとの間に樹脂50を充填する。こうして、基板20Pの面20PAが光ファイバ60のコア61に正対した状態で基板20Pがケース10に固定される。
次に、導波路形成工程を行う。この導波路形成工程は、第1照射工程と第2照射工程とを含んでいる。まず、図36に示すように、第1照射工程として、フェムト秒レーザのパワー及び集光スポットSPの大きさを一定に保ちながら、面20PAのコア正対部20Sから所定位置Mまで集光スポットSPを走査する。これにより、面20PAから所定位置Mまでの区間わたって、基板20Pの材料の状態が改質された改質領域21Kが形成される。
次に、図37に示すように、第2照射工程として、フェムト秒レーザのパワーを第1照射工程におけるパワーと同じにしつつ、集光スポットSPを第1照射工程における大きさよりも小さくし、当該小さくされた集光スポットSPの大きさを一定に保ちながら、面20PAとは反対側の面20PBまで集光スポットSPを走査する。これにより、所定位置Mから面20PBの区間にわたって、基板20Pの材料が改質された改質領域21Kが形成される。この第2照射工程では、フェムト秒レーザのパワーを第1照射工程におけるフェムト秒レーザのパワーと同じにしつつ集光スポットSPの大きさが第1照射工程に比べて小さくされるため、第2照射工程において照射される光のエネルギー密度が、第1照射工程において照射される光のエネルギー密度よりも大きくなる。したがって、第2照射工程において形成される改質領域21Kの幅は、第1照射工程において形成される改質領域21Kの幅よりも狭くなり、また、第2照射工程において形成される改質領域21Kにおける材料の改質度合は、第1照射工程において形成される改質領域21Kにおける材料の改質度合よりも大きくなる。
その結果、所定位置Mを境にして面20PA側に位置するモードフィールド径の大きな大径部21Bと、所定位置Mを境にして面20PB側に位置するモードフィールド径の小さな小径部21Aとを有する導波路21が、基板20Pに形成される。上述のように、基板20Pの面20PAは光ファイバ60のコア61に正対しているため、大径部21Bの所定位置Mとは反対側の端部と、光ファイバ60のコア61とが光学的に結合する。こうして、大径部21Bに結合端が含まれる導波路21が基板20Pに形成される。
その後、図示を省略するが、集光スポットSPの照射位置を基板20Pの厚み方向に移動させ、導波路21の厚み方向の上側又は下側で、導波路21をトレースしてもよい。すなわち、導波路21の厚み方向の上側又は下側で、第1照射工程PS31及び第2照射工程PS32を行ってもよい。このようにするには、集光スポットSPの焦点位置を基板20Pの厚み方向に移動させて、導波路21をトレースすればよい。こうすることで、導波路21を厚み方向に拡張することができる。
このような第1照射工程及び第2照射工程のプロセスを光ファイバテープ6の複数のコア61の数だけ行うことで、複数のコア61のそれぞれと一対一対応で光学的に結合する複数の導波路21が基板20Pに形成され、本実施形態の導波路基板20が製造される。その結果、導波路基板20を備える光コネクタ1が製造される。
なお、本実施形態における光コネクタ1の製造方法では、上記光としてフェムト秒レーザを使用した。しかし、基板20Pの特定の領域の材料の状態を改質して基板20Pの内部に3次元的に導波路21を描くことが可能な光であれば、フェムト秒レーザ以外の光を使用してもよい。例えば、パルス幅が10-12秒程度とされるピコ秒レーザを使用し得る。
また、本実施形態における光コネクタ1の製造方法では、導波路形成工程において光のパワーを一定として、集光スポットSPの大きさを第1照射工程と第2照射工程との間で変化させる例を説明した。しかし、導波路形成工程における集光スポットSPの大きさ一定として、第1照射工程における光のパワーを第2照射工程における光のパワーよりも小さくしてもよい。この場合、1回目の第1照射工程を行った後、2回目の第2照射工程を行って、1回目の第1照射工程によって形成された改質領域21Kに隣接する位置において材料の状態を改質する。こうすることで、径方向に拡張された改質領域21Kを形成することができる。すなわち、このような第1照射工程を複数回行うことで、大径部21Bを形成することができる。その後、集光スポットSPを同じにしつつ、第1照射工程に比べて光のパワーを上げて第2照射工程を行うことで、複数回の第1照射工程によって形成された大径部21Bよりも幅が狭く、改質度合が大径部21Bよりも大きな小径部21Aが形成され得る。
なお、本実施形態では、導波路21が小径部21Aと大径部21Bとから形成される例を説明した。しかし、例えば、図38に示すように、導波路21を非テーパ部121Aとテーパ部121Bとから形成してもよい。この図38に示す第7実施形態の一変形例では、図18に示す第2実施形態の光コネクタ1と異なり、導波路21の結合端がテーパ部121Bに含まれ、露出端が非テーパ部121Aに含まれる。すなわち、この一変形例では、導波路21は、結合端から所定位置Mまで次第に縮径して所定位置Mにて径が最小となり、当該所定位置Mから露出端までは同一径となるように形成される。このように、この一変形例では、導波路21は、導波路21の一方側の端部であるテーパ部121Bの端部における径が他方側の端部である非テーパ部121A側の端部における径に比べて大きい構成とされ、一方側の端部であるテーパ部121B側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差が、他方側の端部である非テーパ部121A側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差以下とされる。したがって、この一変形例によっても、光コネクタ1とは異なる他の光のコネクタに形成される導波路のモードフィールド径が光コネクタ1の導波路21のモードフィールド径よりも小さい場合において、当該他の光コネクタと光コネクタ1とを適切に接続し得る。
あるいは、図39に示すように、他の変形例では、導波路21の結合端が非テーパ部121Aに含まれ、露出端がテーパ部121Bに含まれる。すなわち、この他の変形例では、導波路21は、結合端から所定位置Mまでは同一径であり、当該所定位置Mから露出端まで次第に縮径して露出端にて径が最小になるように形成される。このように、この他の変形例では、導波路21は、導波路21の一方側の端部である非テーパ部121Aの端部における径が他方側の端部であるテーパ部121B側の端部における径に比べて大きい構成とされ、一方側の端部である非テーパ部121A側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差が、他方側の端部であるテーパ部121B側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差以下とされる。したがって、この一変形例によっても、光コネクタ1とは異なる他の光のコネクタに形成される導波路のモードフィールド径が光コネクタ1の導波路21のモードフィールド径よりも小さい場合において、当該他の光コネクタと光コネクタ1とを適切に接続し得る。
また、本実施形態の別の変形例として、図40に示すように、導波路21の全体をテーパ状に形成してもよい。具体的には、結合端から露出端に向かって次第に縮径するように導波路21を形成してもよい。このように、この他の変形例では、導波路21は、導波路21の一方側の端部における径が他方側の端部における径に比べて大きい構成とされ、一方側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差が、他方側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差以下とされる。したがって、この一変形例によっても、光コネクタ1とは異なる他の光のコネクタに形成される導波路のモードフィールド径が光コネクタ1の導波路21のモードフィールド径よりも小さい場合において、当該他の光コネクタと光コネクタ1とを適切に接続し得る。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、導波路基板20の導波路21の数は上記実施形態と異なっていても良い。また、光導波路部材に用いられる光ファイバ60の数やマルチコアファイバ30の数は上記実施形態と異なっても良い。
また、上記実施形態では、導波路基板20の導波路21間の距離が一端と他端とで異なる構成とされた。しかし、導波路21間の距離が一端と他端とで同一であっても良い。
また、上記実施形態では、マルチコアファイバ30がブーツ39の貫通孔に挿通され、マルチコアファイバ30がブーツ39と共に貫通孔12Hに挿通される例、或いは、それぞれの光ファイバ60がブーツ69に挿通されて、光ファイバ60がブーツ69と共に貫通孔12Hに挿通される例が示された。しかし、ブーツ39,69は必須ではない。例えば、貫通孔12Hの直径をマルチコアファイバ30のクラッド32の外径や光ファイバ60のクラッド62の外径と同程度にし、保護層33や保護層63が剥離されたマルチコアファイバ30や光ファイバ60を直接貫通孔12Hに挿通して固定しても良い。もしくは、貫通孔12Hの直径をマルチコアファイバ30の保護層33の外径や光ファイバ60の保護層63の外径と同程度にし、保護層33や保護層63を有するマルチコアファイバ30や光ファイバ60を直接貫通孔12Hに挿通して固定しても良い。
また、上記実施形態では、光コネクタ1の光導波路部材の一端と導波路基板20の小径部21A側の面とが樹脂50を介して固定された例を説明したが、当該光導波路部材の一端を導波路基板20の小径部21A側の面に圧着してもよい。
また、上記実施形態では、導波路21の大径部21B側の端部がケース10内に配置された状態でケース10の接続方向側の面11から光学的に露出する例を説明した。しかし、例えば図41に示すように、導波路基板20の導波路21の露出端をケース10の凹部10D内に配置してもよい。このように構成することで、導波路21の露出端がケース内に収容されるため、例えば、他の光コネクタを本発明の光コネクタ1に接続する際に当該他の光コネクタが導波路21の露出端に当たることが抑制され、導波路21の露出端に外部からの応力がかかることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、導波路基板20に複数の導波路21が形成された例を説明したが、導波路基板20に形成される導波路21は1つであってもよい。
また、上記実施形態では、複数の導波路21のすべてに、小径部21A又は非テーパ部121Aと、大径部21B又はテーパ部121Bとが形成されている例を説明したが、複数の導波路21の少なくとも1つに、小径部21A又は非テーパ部121Aと、大径部21B又はテーパ部121Bとを形成してもよい。
また、上記実施形態では、導波路基板20を用いて光コネクタを構成した例を説明したが、本発明の導波路基板の用途はこれに限られない。
また、上記実施形態では、導波路21が小径部及び大径部を有している例、及び、導波路21がテーパ状に形成されている例を説明した。しかし、導波路21の一方側の端部における径が導波路21の他方側の端部における径に比べて大きい構成とされ、かつ、上記一方側の端部の当該端部の周囲に位置するクラッド22に対する比屈折率差が、上記他方側の端部の当該端部の周囲に位置する前記クラッドに対する比屈折率差以下であるならば、導波路21の形状は特に限定されない。
また、上記第1及び第2実施形態では、配置工程PS2の後に導波路形成工程PS3を行う例を説明したが、導波路形成工程PS3の後に配置工程PS2を行ってもよい。具体的には、導波路21が形成された導波路基板20をケース10に固定した後、マルチコアファイバ30などの光導波路部材を調心しながら導波路基板20の結合端に固定してもよい。