JP4158307B2 - 光伝送モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテーパ構造を有する、新規な光伝送モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いる光通信等において、その通信端末においては受光素子を光ファイバに結合させる必要がある。例えば図13のように、通信端末において光伝送路91を媒質92中に有し、受光素子93を組み合わせた光伝送モジュール900に光ファイバ90を接続することが一般的である。即ち、光ファイバ90により送信された光信号が光伝送路91を通り、媒質92中に一旦放射されたのち、ミラー94により方向を変えられて受光素子93の受光面931に到達する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光通信に用いられる光導波路や光ファイバなどの光伝送路において、閉じ込め構造のない空間への放射端においては、放射光は一般的に広がる。例えば図13において、媒質92中に放射された光信号は広がるので、ミラー94と受光素子93との距離が長くなるほど受光素子93の受光面931の面積を大きくする必要がある。即ち、この放射光を受光素子などに結合させるためには、放射光の広がりが受光素子等の受光面よりも小さくなるよう、近距離にそれら受光素子等を配置しなければならない。
【0004】
しかしながら、放射角度の大きなマルチモード光伝送路を使用する場合においては、受光素子を極めて近傍に配置するか、レンズ等を組み合わせる必要があった(例えば特開平9−230152号公報)。即ち、マルチモード伝送路においては最大伝播角が大きい。開口数をNA'と置くと、真空中での放射角度は2arcsinNA'となる。受光素子をマルチモード光伝送路終端の極めて近傍に配置することは作業性が悪く且つ極めて高い精度が要求される。レンズを使用する場合は個々のレンズが高価であり、且つレンズ配置に高い精度が要求され、光伝送モジュールのコストが高くなる。また、レンズを使用する場合は、レンズの配設のための領域を確保する必要があり、モジュールが大型化するという問題もあった。
【0005】
さて、図14のように、光伝送路990が、テーパ部902を有するならば、放射光の広がりWを小さくすることが可能である。この様なテーパ部を有する光伝送路の形成方法としては特開平3−12612号公報、特開平4−34505公報のような技術も知られているが、これらはテーパ構造を有しているものの、その形状を精確に制御することは開示されていない。事実、これらの技術では、図14に示すような、円柱状の細径直管部901から円錐台状のテーパ部902を通して拡大された径を有する円柱状の太径直管部903を形成することは開示されていない。
【0006】
一方、光ファイバからの照射光により、光硬化性樹脂中に光伝送路(又は光導波路)を自己形成させることについては知られている(S. J. Frisken, Opt. Lett., 18, 1035 (1993))。しかしこれに関連する報告はほとんどなく、本発明者らの特許出願(特開平11−326660号公報他)まで、光通信における光伝送モジュール等においての進展は余りなかった。
【0007】
よって本発明の目的は、テーパ構造を有する光伝送路を用いた、レンズ等の光学部品を要しない光伝送モジュールを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため請求項1に記載の発明によれば、屈折率n1のコアとコアを覆う屈折率n2(n1>n2)のクラッドから成る開口数NA=(n1 2−n2 2)1/2の光伝送路と、該光伝送路の出射端から距離bの位置に受光素子とを有する光伝送モジュールにおいて、光伝送路の出射端から受光面までの平均屈折率をns、該光伝送路の出射端のコア径をtbとしたとき、受光素子の受光面の径aが次の不等式(1−1)を満たし、且つ光伝送路の一部が光の進行方向とともに幅が徐々に広くなるテーパ構造を有し、テーパ構造を有する光伝送路のコアが、光の進行方向に対して略円錐台面のテーパ部と、それに続く略円柱状の直路部とから成り、テーパ部の円錐台面と中心線の成す角αが、次の式(2)を満たすことを特徴とする。
【数7】
Figure 0004158307
【数8】
Figure 0004158307
【0009】
ここで、光伝送路の出射端から距離bの位置に受光素子を有するとは、次の2通りの場合を含めた意味とする。第1には、光伝送路のコアの中心線を伝播する光信号が、コアの中心線とコアと屈折率の異なる外部との境界面との交点である出射端から、受光素子に到達するまでに通過する距離がbである場合とする。また、第2には、光伝送路のコアを横切るようミラーが設けられた場合、光伝送路のコアの中心線を伝播する光信号が、コアの中心線とミラーとの境界面との交点を出射端とし、その出射端から受光素子に到達するまでに通過する距離がbである場合とする。
【0010】
また、受光素子の受光面の径がaであり、光伝送路の出射端のコア径をtbとするとは、光伝送路の出射端における光伝送路のコア径をtbとし、それが直径tbの円であれば、受光素子の受光面が直径aの円を包含する面であることを意味する。光伝送路の出射端における光伝送路のコアの形状が円以外の場合は、それを包含する直径tbの円として、同様に考える。
【0012】
ここで略円錐台面とは、その面と中心線の成す角がほぼ一定であれば良い。また、略円柱状とは、その面と中心線の成す角がほぼ0であれば良い。成す角がほぼ0とは例えば0.2度未満であれば良い。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の光伝送モジュールにおいて、テーパ部の開始部分でのコア径をtaとして、テーパ部の長さLが、次の式(3)を満たすことを特徴とする。
【数9】
Figure 0004158307
【0014】
ここでテーパ部の長さLとは、請求項1に記載の発明において説明した通り、その面と中心線の成す角がほぼ一定である略円錐台面の、中心線の長さ言う。
【0015】
また、請求項3に記載の発明によれば、屈折率n1のコアとコアを覆う屈折率n2(n1>n2)のクラッドから成る開口数NA=(n1 2−n2 2)1/2の光伝送路と、該光伝送路の出射端から距離bの位置に受光素子とを有する光伝送モジュールにおいて、該光伝送モジュールに接続される前段の別の光伝送路の開口数をNfAとしたとき、NfA<NAであり、光伝送路の出射端から受光面までの平均屈折率をns、該光伝送路の出射端のコア径をtbとしたとき、受光素子の受光面の径aが次の不等式(4−1)を満たし、且つ光伝送路の一部が光の進行方向とともに幅が徐々に広くなるテーパ構造を有することを特徴とする。
【数10】
Figure 0004158307
【0016】
ここで、光伝送路の出射端から距離bの位置に受光素子を有すること、及び受光素子の受光面の径がaであり、光伝送路の出射端のコア径をtbとすることは、請求項1に記載の発明において説明したものと同じである。また、前段の別の光伝送路の開口数をNfAとするとは、コアの屈折率nf1、クラッドの屈折率nf2のステップインデックス型光ファイバにおいては上記式(4−2)を言う。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の光伝送モジュールにおいて、テーパ構造を有する光伝送路のコアが、光の進行方向に対して略円錐台面のテーパ部と、それに続く略円柱状の直路部とから成り、テーパ部の円錐台面と中心線の成す角αが、次の式(5)を満たすことを特徴とする。
【数11】
Figure 0004158307
【0018】
ここで略円錐台面及び略円柱状とは、請求項1に記載の発明について説明したものと同じである。
【0019】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の光伝送モジュールにおいて、テーパ部の開始部分でのコア径をtaとして、テーパ部の長さLが、次の式(6)を満たすことを特徴とする。
【数12】
Figure 0004158307
【0020】
ここでテーパ部の長さLとは、請求項2に記載の発明において説明したものと同じである。
【0021】
【作用及び発明の効果】
コアの屈折率n1、クラッドの屈折率n2の光伝送路と、その終端から平均屈折率nsの媒質を挟んで距離bの位置に径aの受光素子を有する光伝送モジュールにおいて、該光伝送路の屈折率差による最大伝播角はarcsin(NA/n1)、ただしNA=(n1 2−n2 2)1/2である。よって、終端以降にレンズ等のない光伝送モジュールにおいては、径tbの終端から平均屈折率nsの媒質に放射された光は、コアの中心線に沿って伝播する光が終端から距離b進む間に径2btan(arcsin(NA/ns))+tbに広がる。
【0022】
よって、受光素子の径aが径2btan(arcsin(NA/ns))+tbより小さいなら、テーパ部を有する光伝送路のテーパ部は、十分に制御されたものである(請求項1)。このような、レンズを用いない、光伝送路の十分に制御されたテーパ部を形成することは、その一例を後述の実施例にも記載した通り、実施可能であることが本願発明者らによって初めて証明された。即ち、光伝送路の十分に制御されたテーパ部により、レンズを用いない、全体として小型且つ部品点数の少なく、部品コスト及び製造コストの低減された光伝送モジュールを提供することができる。
【0023】
図1及び図2を用いて、本発明の概念を示す。図1は、テーパ角αの円錐台形状の光伝送路に伝播角θで光信号が入射した場合を示している。いま、伝播角θの光信号がテーパ角αの円錐台面で反射されるとする(θ>α>0)。伝播角θの光信号とテーパ角αの円錐台面との成す角は明らかにθ−αであり、これにより反射された光信号は、中心線と|θ−2α|を成す角度で進行することとなる。
【0024】
図2の(a)のような、伝播角θによる強度分布(規格化強度分布)を有する入射光について考える。伝播角θは、最大伝播角θc>0により、−θc≦θ≦θcの範囲である。今、|θ|>α>0の入射光が全て、光伝送路のテーパ部(円錐台形状部分)で1回だけ反射され、|θ|≦αの入射光は反射されないとすると、その反射後の角度θ'と相対強度の関係は、テーパ角αと最大伝播角θcの大きさにより、図2の(b)乃至(d)のようになる。
【0025】
即ち、α<θc/3の場合は、
−θc≦θ<−3αの入射光は反射されて−θc+2α≦θ'<−α、
−3α≦θ<−αの入射光は反射されて−α≦θ'<α、
−α≦θ≦αの入射光は反射されず、−α≦θ'≦α、
α<θ≦3αの入射光は反射されて−α<θ'≦α、
3α<θ≦θcの入射光は反射されてα<θ'≦θc−2α、
となるθ'を伝播角とする反射光となる。α<θc−2α<θcであるので、伝播角θ'の反射光の相対強度は図2の(b)のようになる。
【0026】
また、α=θc/3の場合は、
−3α=θc≦θ<−α=−θc/3の入射光は反射されて−α≦θ'<α、−α≦θ≦α=θc/3の入射光は反射されず、−α≦θ'≦α、
α<θ≦3α=θcの入射光は反射されて−α<θ'≦α、
となるθ'を伝播角とする反射光となる。伝播角θ'の反射光の相対強度は図2の(c)のようになる。
【0027】
また、α>θc/3の場合は、
−θc≦θ<−αの入射光は反射されて−θc+2α≦θ'<α、
−α≦θ≦αの入射光は反射されず、−α≦θ'≦α、
α<θ≦θcの入射光は反射されて−α≦θ'<θc−2α、
となるθ'を伝播角とする反射光となる。ここでα>θc−2αであるので、伝播角θ'の反射光の相対強度は図2の(d)のようになる。
【0028】
すると、α>θc/3の場合は、α≦θc/3の場合と比して、テーパ部により全く反射されない、即ち伝播角が抑制されない光の範囲が広いことがわかる。このように、テーパ部のテーパ角αは、必ずしも任意の角度で良いわけではなく、光伝送路の入射部における最大伝播角θcによりα≦θc/3とすることが望ましいことがわかる。また、この時、光伝送路の入射部における最大伝播角θcからθc−2α(>0)まで反射後の最大伝播角が減少するので、終端において最大伝播角θc−2αの光の媒質nsでの距離bでの広がりが、a−tb以下であることから、次の式が成り立つ。
【数13】
Figure 0004158307
【0029】
よって、請求項1を満たすテーパ角αのテーパ構造の光伝送モジュールにより、受光素子との結合が大きくなる。
【0030】
テーパ角αのテーパ部で、|θ|>α>0の入射光が全て、1回以上反射されるためには、テーパ部の長さLは、最大伝播角θcとして少なくともta/(tanθc−tanα)の長さが必要である。よって請求項2を満たすテーパ部長Lのテーパ構造の光伝送モジュールにより、受光素子との結合が大きくなる。
【0031】
上述の光伝送モジュールにおいて、前段までの別の光伝送路により、最大伝播角θcが小さく抑えられているならば、更に受光素子の径aを小さく、テーパ角αの範囲を狭く、テーパ部の長さLを小さくすることも可能である。例えば開口数NfA(NfA<NA)のステップインデックス型光ファイバならば、請求項1及び請求項2において、NAに代えてNfAとすれば良い。これらにより、より適切なテーパ構造を有する光伝送モジュールとすることができる(請求項3乃至請求項5)。
【0032】
前段までの別の光伝送路により、最大伝播角θcが小さく抑えられているならば、本発明のテーパ構造を有する光伝送路に伝送された最大伝播角θcをもとに、上述の手順で受光素子の径a、テーパ角α、テーパ部の長さLの範囲を計算することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
〔光硬化性樹脂溶液を用いる光伝送路の製造方法〕
まず、本発明に係るテーパ構造を有する光伝送モジュールの、主要部たるテーパ構造を有する光伝送路の製造方法の一例を示す。本発明者らによる特願平11−85203に示した方法を応用してテーパ構造を有する光伝送路を形成することができる。
【0034】
本発明者らによる特願平11−85203に示した方法の概略は以下の通りである。図3に示すように、2種の光硬化性樹脂溶液から成る混合溶液89を透明容器71に入れ、これに光ファイバ90の先端部(光出射端)を浸す(図3の(a))。ここで、2種の光硬化性樹脂溶液から成る混合溶液89は、光硬化後の屈折率が異なり、且つ光硬化後の屈折率の高い光硬化性樹脂溶液は、より長波長で光硬化するものとする。
【0035】
次に、光硬化後の屈折率の高い光硬化性樹脂溶液のみが硬化する波長λ1の光を導入し、透明容器71中の混合溶液89中に照射すれば、屈折率の高い樹脂が硬化し、光伝送路81が形成される(図3の(b))。光伝送路が十分形成されたのち(図3の(c))、2種の光硬化性樹脂溶液のどちらもが硬化する波長λ2の光を透明容器71の全体に照射すれば、より屈折率の高い光伝送路81と、より低い屈折率のクラッド部82が形成できる。
【0036】
この出願では直管状の光伝送路を形成することが目的であったが、こののち、本発明者らは鋭意努力を重ね、テーパ部の制御が可能であることを示した。これを図4に示す。アルゴンレーザ装置50により波長488nmのレーザ光を集光レンズ60を介して光ファイバ90に照射する。この時、光ファイバ90の出射端からの出射光の出射角は、集光レンズ60のオフセットにより調整可能である。この、空気中への光ファイバ90出射端からの出射光の出射角をθ0とする。θ0=2arcsinN、ただしNは光ファイバ90の開口数である。こうしてθ0を変化させて上述のような実験を行い、光伝送路に形成されるテーパ部のテーパ角α、及び光伝送路末端の径tbを調べた。ただし、単一の光硬化性樹脂溶液80を用い、硬化によるクラッド部形成は行わなかった。結果を図5に示す。このように、θ0(空気中)を調節することにより、テーパ部のテーパ角αは制御可能であることが証明された。
【0037】
〔テーパ構造の設計例〕
本発明においては、テーパ部の長さL、出射端のコア径tb、受光素子の受光面の径aの構造パラメータの内、設計に応じて、制限のかかるパラメータから他のパラメータの範囲を計算することができる。図6に、これらと、テーパ角αの関係を示す。
【0038】
図7は、光伝送路の出射端と受光素子との距離bと、必要となるテーパ角αmi nの関係図である。これは次の式においてn1=1.49、n2=ns=1.41、a−tb=300μmとして計算したものである。
【数14】
Figure 0004158307
【0039】
本発明を用いないテーパ角α=0では、b=413μmと極めて小さい距離であり、レンズ等を用いるか極めて精度の高い組み立て作業が必要となる。よって、本発明により、数ミリメートルと、精度的に無理のない光伝送モジュールの製作が可能となる。
【0040】
図8は、光伝送路の出射端と受光素子までとの距離bと、必要となるテーパ長Lminの関係図である。これは次の式においてn1=1.49、n2=1.41、ta=100μmとし、αとして式(8)の結果を用いて計算したものである。
【数15】
Figure 0004158307
【0041】
図9は、光伝送路の出射端と受光素子までとの距離bと、出射端におけるコア径tbの関係図である。これは次の式においてta=100μmとし、式(8)、式(9)の結果を用いて計算したものである。
【数16】
Figure 0004158307
【0042】
〔具体的な光伝送モジュールの例示〕
以下、具体的な光伝送モジュールの構成例を図を示しながら説明する。なお、距離bと言うときは、光伝送路の中心線に沿って伝播する光の通過距離を言うものとする。
【0043】
図10は、本発明の具体的な第1の実施例に係る光伝送モジュール100の構成を示す断面図である。本発明者らが開発した方法により形成される、テーパ構造を有する光伝送路10を媒質201中に有し、光伝送路10の出射端から距離bの位置に受光素子30を有する。光伝送路10は屈折率n1のコア部11とそれを取り巻く屈折率n2のクラッド部12からなる。また、光伝送路10はテーパ部101と直管部102からなる。テーパ部101の長さはL、テーパ角はα、径はtaからtbに広がる。光信号は光ファイバ90から光伝送路10のテーパ部101に導かれ、テーパ部101の円錐台面での反射により伝播角の範囲が小さくなる。こうして、最大伝播角が小さくなった光信号が直管部102を通過して屈折率nsの媒質201に導かれる。こうして、出射端での径tbから、距離b進む間に広がるよりも大きい径aの受光面301を有する受光素子30に、全ての光信号が到達することとなる。
【0044】
図11は、本発明の具体的な第2の実施例に係る光伝送モジュール200の構成を示す断面図である。本発明者らが開発した方法により形成される、テーパ構造を有する光伝送路10を媒質202(空気)中に有し、光伝送路10の出射端から距離b1の位置にミラー40を有し、ミラー40から距離b2の位置に受光素子30を有する。尚、b1+b2=bと置く。光伝送路10は屈折率n1のコア部11とそれを取り巻く屈折率n2のクラッド部12からなる。また、光伝送路10はテーパ部101と直管部102からなる。テーパ部101の長さはL、テーパ角はα、径はtaからtbに広がる。光信号は光ファイバ90から光伝送路10のテーパ部101に導かれ、テーパ部101の円錐台面での反射により伝播角の範囲が小さくなる。こうして、最大伝播角が小さくなった光信号が直管部102を通過して屈折率nsの媒質202に導かれる。こうして、出射端での径tbから、ミラー40を介して距離b進む間に広がるよりも大きい径aの受光面301を有する受光素子30に、全ての光信号が到達することとなる。
【0045】
図12は、本発明の具体的な第3の実施例に係る光伝送モジュール300の構成を示す断面図である。本発明者らが開発した方法により形成される、テーパ構造を有する光伝送路10を媒質203中に有し、光伝送路10を横切るようミラー41及び42が設けられている。ミラー41はハーフミラー又は波長選択性ミラーであり、ミラー42は全反射ミラーである。ミラー41及び42からそれぞれ距離bの位置に、受光素子31及び32を有する。光伝送路10は屈折率n1のコア部11とそれを取り巻く屈折率n2のクラッド部12からなる。また、光伝送路10はテーパ部101と直管部102からなる。テーパ部101の長さはL、テーパ角はα、径はtaからtbに広がる。光信号は光ファイバ90から光伝送路10のテーパ部101に導かれ、テーパ部101の円錐台面での反射により伝播角の範囲が小さくなる。こうして、最大伝播角が小さくなった光信号が直管部102に導かれ、ミラー41で反射された成分が屈折率nsの媒質203に導かれる。こうして、ミラー41でのコア径tbから、距離b進む間に広がるよりも大きい径aの受光面311を有する受光素子31に、全ての光信号が到達することとなる。これは、ミラー42で反射された成分が受光面321を有する受光素子32に導かれる場合も同様である。図3のように、波長選択性ミラーと受光素子、又はハーフミラーと波長選択性受光素子の組み合わせにより、複数波長の光信号のそれぞれに対して独立に光受信する光伝送モジュールを形成することができる。
【0046】
以上のように、本発明により、レンズ等を使用しない、部品点数の低減された、部品コスト及び組立コストの抑制された光伝送モジュールを形成することができる。
【0047】
テーパ構造を精度良く制御する方法として1種又は複数の光硬化性樹脂溶液に光ファイバから光を入射して自己形成により光伝送路を形成する方法を例示したが、本発明のテーパ部を有する光伝送路の製造方法はこれに限定されない。任意の製造方法により形成されたテーパ部を有する光伝送路について、本発明は適用される。
【0048】
また、本明細書には、1種又は複数の光硬化性樹脂溶液に光ファイバから光を入射して自己形成により光伝送路を形成する方法において、光ファイバからの光の出射角の分布を調整することにより、制御されたテーパ部を有する光伝送路の形成方法の発明が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテーパ構造における光の反射を示す図。
【図2】本発明に係るテーパ構造の光伝送路に入射した光の角度θと規格化相対強度の図(a)、及びテーパ角αと出射角及び相対強度を示した図(b)、(c)、(d)。
【図3】2種の光硬化性樹脂溶液の混合溶液による光伝送路の自己形成方法を示した概念図。
【図4】本発明に係るテーパ構造を有する光伝送路の形成方法の一例を示す概略図。
【図5】テーパ構造を有する光伝送路の形成データ。
【図6】計算例における光伝送路のテーパ構造を示す図。
【図7】光伝送路の出射端と受光素子との距離bと、必要となるテーパ角αminの関係図。
【図8】光伝送路の出射端と受光素子との距離bと、必要となるテーパ長Lminの関係図。
【図9】光伝送路の出射端と受光素子との距離bと、最大伝送路径tbminの関係図。
【図10】本発明の具体的な第1の実施例に係る光伝送モジュールの構成を示す断面図。
【図11】本発明の具体的な第2の実施例に係る光伝送モジュールの構成を示す断面図。
【図12】本発明の具体的な第3の実施例に係る光伝送モジュールの構成を示す断面図。
【図13】従来の、テーパ構造を有しない光伝送路91を用いた光伝送モジュール900の構造を示した断面図。
【図14】従来の、精度良く形成されていないテーパ構造を有する光伝送路990を示す概略図。
【符号の説明】
100、200、300、900 光伝送モジュール
10、91 光伝送路
101 テーパ部
102 直管部
11 コア部
12 クラッド部
201、203、92 媒質
202 媒質(空気)
30、31、32、93 受光素子
301、311、321、931 受光面
40、94 ミラー
41 ハーフミラー
42 全反射ミラー
50 レーザ装置
60 集光レンズ
70 ケース
71 透明容器
80 光硬化樹脂溶液
89 2種の光硬化樹脂溶液からなる混合溶液
81 高屈折率の硬化した樹脂
82 低屈折率の硬化した混合樹脂
90 光ファイバ
990 テーパを有する光伝送路
901 細径直管部
902 テーパ部
903 太径直管部
W 放射ビームの広がり

Claims (5)

  1. 屈折率n1のコアとコアを覆う屈折率n2(n1>n2)のクラッドから成る開口数NA=(n1 2−n2 2)1/2の光伝送路と、該光伝送路の出射端から距離bの位置に受光素子とを有する光伝送モジュールにおいて、
    前記光伝送路の出射端から受光面までの平均屈折率をns、該光伝送路の出射端のコア径をtbとしたとき、前記受光素子の受光面の径aが次の不等式(1−1)を満たし、且つ光伝送路の一部が光の進行方向とともに幅が徐々に広くなるテーパ構造を有し、
    前記テーパ構造を有する光伝送路の前記コアが、光の進行方向に対して略円錐台面のテーパ部と、それに続く略円柱状の直路部とから成り、前記テーパ部の円錐台面と中心線の成す角αが、次の式(2)を満たすことを特徴とする光伝送モジュール。
    Figure 0004158307
    Figure 0004158307
  2. 前記テーパ部の開始部分でのコア径をtaとして、前記テーパ部の長さLが、次の式(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光伝送モジュール。
    Figure 0004158307
  3. 屈折率n1のコアとコアを覆う屈折率n2(n1>n2)のクラッドから成る開口数NA=(n1 2−n2 2)1/2の光伝送路と、該光伝送路の出射端から距離bの位置に受光素子とを有する光伝送モジュールにおいて、
    該光伝送モジュールに接続される前段の別の光伝送路の開口数をNfAとしたとき、NfA<NAであり、
    前記光伝送路の出射端から受光面までの平均屈折率をns、該光伝送路の出射端のコア径をtbとしたとき、前記受光素子の受光面の径aが次の不等式(4−1)を満たし、且つ光伝送路の一部が光の進行方向とともに幅が徐々に広くなるテーパ構造を有することを特徴とする光伝送モジュール。
    Figure 0004158307
  4. 前記テーパ構造を有する光伝送路の前記コアが、光の進行方向に対して略円錐台面のテーパ部と、それに続く略円柱状の直路部とから成り、前記テーパ部の円錐台面と中心線の成す角αが、次の式(5)を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光伝送モジュール。
    Figure 0004158307
  5. 前記テーパ部の開始部分でのコア径をtaとして、前記テーパ部の長さLが、次の式(6)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の光伝送モジュール。
    Figure 0004158307
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