JP2001290181A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP2001290181A JP2000391681A JP2000391681A JP2001290181A JP 2001290181 A JP2001290181 A JP 2001290181A JP 2000391681 A JP2000391681 A JP 2000391681A JP 2000391681 A JP2000391681 A JP 2000391681A JP 2001290181 A JP2001290181 A JP 2001290181A
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱光学効果を利用した光スイッチにおいて、
挿入損失の低減を図る。 【解決手段】 クラッド層3の中に、途中で分岐部4b
を介してふたつのコア(分岐コア5a、5b)に分岐し
ているY型コア4を設け、前記分岐部4bを加熱する分
岐部ヒータ11、13と、前記分岐コア5a、5bを加
熱する分岐コアヒータ12、14が設け、この分岐部ヒ
ータ11、13と、この分岐コアヒータ12、14とを
別々に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱光学効果を利用し
た光スイッチに関し、特に挿入損失の低減を図るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】次世代光通信網においてはクロスコネク
ト技術がキーテクノロジーのひとつである。次世代光通
信網においては、様々な形態の光スイッチが用いられる
ことになると想定される。一例として熱光学効果を利用
した光スイッチがあり、種々の提案がなされている。
【0003】図7(a)は光スイッチの一例を示した平
面図、図7(b)は図7(a)に示したA−Aにおける
断面図である。図中符号2は基板であり、この基板2の
上にクラッド層3が形成され、その内部にY型コア4が
配置されている。基板2としては、例えばシリコン基板
などが用いられる。クラッド層3、Y型コア4は透明材
料から形成されている。Y型コア4は光を導波するよう
に、クラッド層3よりも高屈折率の材料から形成されて
いる。また、Y型コア4は後述するように加熱によって
屈折率が変化しやすいように、好ましくはプラスチック
から形成される。クラッド層3の材料としてはY型コア
4と同様のプラスチックなどが好ましく用いられる。
【0004】Y型コア4は、1本の断面四角形の柱状の
コアが途中で2本に分岐している。しなわち、Y型コア
4は、入射側から伸びる1本の入射側直線部4aと、そ
の出射側に形成された、この入射側直線部4a(コア)
の幅が徐々に拡大している分岐部4bと、この分岐部4
bから伸びる2本の分岐コア5a、5bが相互に離れる
ように曲線状、または直線状に配置された分離部4c
と、さらにこれらの分岐コア5a、5bが平行に配置さ
れた出射側直線部4dとから構成されている。分岐部4
bにおいては、その頂点から入射側直線部4aが伸び、
この頂点に対向する底辺から分岐コア5a、5bが伸び
ている。Y型コア4の入射側のポート6aと、出射側の
ふたつのポート6b、6cは、基板2の上下面と平行な
同一平面上に配置されている。
【0005】クラッド層3の上には、チタン、金、アル
ミニウムなどの導電体薄膜からなる線状のヒータ7、8
が、Y型コア4の外側に、このY型コア4の長さ方向に
そって、入射側直線部4aの途中から分岐部4bを経て
分離部4cまで設けられている。ヒータ7は分岐コア5
a側に設けられ、ヒータ8は分岐コア5b側に設けられ
ている。なお、これらヒータ7、8の両端部には、Y型
コア4の外側に長方形状の電極パッド7a、7aおよび
電極パッド8a、8aがそれぞれ設けられており、これ
らには、それぞれ外部電極が接続されている。電極パッ
ド7a、7aおよび電極パッド8a、8aはヒータ7、
8と同様の材料からなる薄膜状のものである。
【0006】また、入射側直線部4aにおいては、ヒー
タ7、8と適切な距離が設けられており、分岐部4bお
よび分離部4cにおいては、ヒータ7、8が近接して設
けられている。したがって、ヒータ7にのみ電力を印加
すると、分岐部4bの分岐コア5a側と、分岐コア5a
の分離部4cが加熱される。温度の上昇は熱光学効果に
よる有効屈折率の減少を引き起こす。その結果、加熱さ
れていない分岐部4bの分岐コア5b側から分岐コア5
bに光が伝搬するようになる。すなわち、分岐コア5a
への光の伝搬が選択的に遮断される。一方、ヒータ8に
のみ電力を印加した場合は、分岐部4bの分岐コア5b
側と分岐コア5bの分離部4cが加熱されるため、加熱
されていない分岐部4bの分岐コア5a側から分岐コア
5aに光が伝搬するようになる。すなわち分岐コア5b
への光の伝搬が選択的に遮断される。
【0007】その結果、ヒータ7を作動させたときは、
ポート6aに入射した光は分岐コア5bを経てポート6
cから出射し、ヒータ8を作動させたときは、ポート6
aから入射した光は分岐コア5aを経て6bから出射す
る。そして、ヒータ7とヒータ8を作動させるスイッチ
を切り替えることによって分岐部4bと分岐コア5a、
5bにおける加熱部分を変更することにより、光路を変
更し、ポート6aに入射した光をポート6b、6cのい
ずれかから任意に出射させることができる光スイッチと
しての機能が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この光スイッチにおい
て、分岐部4bから分岐コア5aもしくは分岐コア5b
に光を導くためには、ヒータ7もしくはヒータ8の加熱
によって、分岐部4bにおける温度分布(屈折率分布)
を適切に調節することが必要である。加熱温度が低い
と、分岐部4bの加熱部において屈折率の十分な変化量
を実現することができない。その結果、この加熱部を光
が伝搬し、加熱されている分岐コアに到達することによ
り、挿入損失となる。逆に温度が高すぎると、光を出射
させる分岐コア側の屈折率まで変化してしまうため、光
を出射させる分岐コアに光が到達できなくなり、やはり
挿入損失が大きくなる。一方、光を出射させない分岐コ
アは十分に加熱し、そのポートからの光の出射を抑制す
る必要がある。
【0009】しかしながら、この光スイッチにおいて
は、分岐部4bと分離部4cとを一体に加熱するため、
分岐部4bの温度分布を適切に設定すると分離部4cが
十分に加熱されず、逆に分離部4cの加熱条件を適切に
設定すると、分岐部4bの適切な温度分布が得られない
場合があった。したがって加熱条件の調整が難しく、挿
入損失の低減が困難であった。
【0010】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、熱光学効果を利用した光スイッチにおいて、挿入損
失の低減を図ることを課題とする。具体的には、コアの
分岐部の温度分布の調整と、分岐したコアの加熱を適切
に行うことができる光スイッチを提供することを課題と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、以下のような解決手段を提案す
る。第1の発明は、クラッド層と、その内部に設けられ
た光を導波するコアとを備え、該コアが、実質的に、そ
の途中で該コアの幅が拡大した分岐部を介して複数のコ
アに分岐しており、該分岐部と該複数のコアを加熱する
部分を変更することによって光路を変更する光スイッチ
であって、前記分岐部を加熱する分岐部ヒータと、前記
複数のコアを加熱する分岐コアヒータとが別々に制御さ
れるようになっていることを特徴とする光スイッチであ
る。第2の発明は、第1の発明の光スイッチにおいて、
分岐した複数のコアへの光の伝搬を選択的に阻止するた
めに、該複数のコアごとに、一組の分岐部ヒータと分岐
コアヒータが設けられてることを特徴とする光スイッチ
である。第3の発明は、第2の発明の光スイッチにおい
て、一組の分岐部ヒータと分岐コアヒータにおいて、該
分岐部ヒータと該分岐コアヒータが別々に制御されるよ
うになっていることを特徴とする光スイッチである。第
4の発明は、第2の発明の光スイッチにおいて、一組の
分岐部ヒータと分岐コアヒータが一体に形成されている
ことを特徴とする光スイッチである。第5の発明は、第
1〜4のいずれかひとつの発明の光スイッチにおいて、
分岐した複数のコアのうちのひとつを加熱する分岐コア
ヒータと、該分岐コアヒータが加熱するコアと隣接する
コアの中心との最小距離が40μm以上であることを特
徴とする光スイッチである。第6の発明は、第1〜5の
いずれかひとつの発明の光スイッチにおいて、コアがふ
たつに分岐したY型コアであることを特徴とする光スイ
ッチである。第7の発明は、第1〜6のいずれかひとつ
の発明の光スイッチにおいて、コアとクラッド層の少な
くとも一方がプラスチックからなることを特徴とする光
スイッチである。第8の発明は、第1〜7のいずれかひ
とつの発明の光スイッチにおいて、分岐部ヒータと分岐
コアヒータがクラッド層の上に設けられた導電性薄膜か
らなることを特徴とする光スイッチである。第9の発明
は、第1〜8のいずれかひとつの発明の光スイッチを実
質的に複数組み合わせたことを特徴とする光スイッチで
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の光スイッチの第1
の例を示した平面図である。クラッド層3は図7(b)
に示したものと同様に、基板2の上に形成されたもので
ある。以下図7(b)も参照しながら説明する。なお、
図7(a)、図7(b)に示したものと同様の構成につ
いては同符号を付している。
【0013】この例の光スイッチの特徴は、クラッド層
3の上に設けられたヒータの構成である。すなわち、分
岐コア5a側のヒータは、入射側直線部4aの途中から
分岐部4bにかけて設けられた線状の分岐部ヒータ11
と、この分岐部ヒータ11と間隔をあけて、分離部4c
に沿って設けられた線状の分岐コアヒータ12とからな
る一組から構成され、これら分岐部ヒータ11と分岐コ
アヒータ12が別々に制御されるようになっている。分
岐部ヒータ11と分岐コアヒータ12の両端部には、そ
れぞれ長方形状の電極パッド11a、11aおよび電極
パッド12a、12aが設けられており、これらにはそ
れぞれ外部電極が接続されている。
【0014】分岐部ヒータ11の入射側直線部4a側
は、入射側直線部4aから離れた位置に配置されてお
り、入射側直線部4aにおける光の伝搬を妨げないよう
になっている。一方、分岐部4b側は分岐部4bの外縁
に近接しており、分岐部4bの分岐コア5a側を加熱で
きるようになっている。また、分岐コアヒータ12は分
岐コア5aの分離部4cに近接して設けられている。分
岐コアヒータ12は、分離部4cの形状にそって曲線状
に形成すると好ましい。
【0015】分岐コア5b側のヒータも分岐コア5a側
のヒータと同様であって、分岐部ヒータ11と対向配置
された、この分岐部ヒータ11と同様の構成の分岐部ヒ
ータ13と、分岐コアヒータ12と対向配置された、こ
の分岐コアヒータ12と同様の構成の分岐コアヒータ1
4とからなる一組から構成され、これら分岐部ヒータ1
3と分岐コアヒータ14とが別々に制御されるようにな
っている。分岐部ヒータ13と分岐コアヒータ14の両
端部は電極パッド13a、13aおよび電極パッド14
a、14aが設けられており、それぞれ外部電極が接続
されている。
【0016】この例において、基板2のサイズはY型コ
ア4の長さ方向に平行な辺が10mm、これに直交する
辺(幅)が3mm、厚さが1mmである。入射側直線部
4aおよび分岐コア5a、5bは、それぞれ長さ方向に
直交する方向に切断した断面のサイズが7μm×7μm
である。クラッド層3の厚さは約40μm、Y型コア4
は、クラッド層3の上下方向のほぼ中心に位置してい
る。また、分岐コア5a、5bの中心間の最大距離は
0.25mmであり、最小距離は10μmである。Y型
コア4の長さ方向において、分岐部4bの長さL1は約
0.4mm、分離部4cの長さL2は4.4mmであ
る。また、入射側直線部4aと分岐部ヒータ11、13
との最大距離は特に限定しないが、例えばそれぞれ10
μm以上とする。入射側直線部4aは、そのポート6a
側においては、分岐部ヒータ11、13と離れている方
が好ましい。分岐部4bと分岐部ヒータ11、13との
距離は特に限定しないが、例えば、分岐部4bの中心か
ら分岐部ヒータ11、13の外縁までの距離が20μm
以下程度とされる。
【0017】この光スイッチにおいて、基板2としては
シリコン基板などが用いられる。クラッド層3と、Y型
コア4は透明材料から形成されている。Y型コア4は光
を導波するため、クラッド層3よりも高屈折率である。
Y型コア4は、熱光学効果が大きいため、好ましくはプ
ラスチックから形成される。熱光学効果は屈折率の温度
係数によって表されるが、プラスチックは熱光学効果が
大きく、この温度係数が石英ガラスなどのガラス材料と
比較して1桁大きいためである。具体的には例えば、シ
リコーン樹脂、フッ化ポリイミドなどのポリイミド系樹
脂、フッ化メタクリレートなどのメタクリル系樹脂など
が用いられる。中でも耐熱性が高いため、ポリイミド系
樹脂が好ましい。クラッド層3は、好ましくはY型コア
4の材料として例示したものと同様のプラスチックなど
から形成される。
【0018】この例においては、例えば特開平9−21
920号公報に開示されている、複屈折の大きさが同程
度の2種類のポリイミドの共重合体などを用いている。
この2種類のポリイミドの例としては、例えば2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン二無水物(6FDB)と2,2’−ビス(トリ
フルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(T
FDB)から合成されるポリイミド(6FDA/TFD
B)と、6FDAと4,4’−オキシジアニリン(4,
4’−ODA)から合成されるポリイミド(6FDA/
4,4’−ODA)などを挙げることができる。そし
て、これらのポリイミドの共重合比を変更することによ
って、Y型コア4とクラッド層3の屈折率差を変化させ
ることができる。
【0019】クラッド層3とY型コア4をプラスチック
から形成する場合は、この光スイッチは、例えば以下の
ようにして製造することができる。すなわち、基板2の
上面に、スピンコート法などにより、Y型コア4の下の
クラッド層3の厚さに相当する下部クラッド層を形成
し、その上面全体にY型コア4の厚さに相当するコア層
を形成する。そして、このコア層を、Y型コア4のパタ
ーンに沿ってリアクティブイオンエッチング法などによ
って加工し、Y型コア4を形成するとともに、Y型コア
4の周囲に下部クラッド層を露出させる。そして、さら
にスピンコート法などにより、これら下部クラッド層と
Y型コア4の上に上部クラッド層を形成し、下部クラッ
ド層と上部クラッド層とが一体化したクラッド層3を完
成させる。ついで、このクラッド層3の上に蒸着法など
によってチタン、金、アルミニウムなどからなる導電体
薄膜を形成する。そしてこの導電体薄膜をエッチング法
などによって加工して、長方形状の電極パッドと線状の
ヒータ部分とからなる電極パターンを形成し、分岐部ヒ
ータ11、13および分岐コアヒータ12、14を完成
させる。
【0020】この光スイッチにおいては、光路を変更す
るための分岐部4bを加熱する分岐部ヒータ11、13
と、分岐コア5a、5bを加熱する分岐コアヒータ1
2、14とが別々に制御できるようになっている。すな
わち、ポート6cから光を出射させる場合は分岐部ヒー
タ11および分岐コアヒータ12を作動させて分岐コア
5a側を加熱する。このとき、分岐部ヒータ11の加熱
温度を、分岐部4bに適切な温度分布を形成して分岐コ
ア5b側に光を伝搬させるように制御する。一方、分岐
コアヒータ12の加熱温度は、分岐コア5aを光が伝搬
することを選択的に阻止し(遮断し)、ポート6bから
の光の出射を十分に防止できるように制御する。このよ
うに分岐部4bと分岐コア5aを、それぞれ適切な温度
条件に制御することができるため、挿入損失の低減を図
ることができ、かつ出射を予定しないポートからの光の
出射を抑制することができる。ポート6bから光を出射
させる場合は、同様にして分岐部ヒータ13および分岐
コアヒータ14を作動させ、これらを別々に制御して分
岐部4bと分岐コア5bを加熱する。なお、分岐コアヒ
ータ12を作動させた場合には、光が伝搬する分岐コア
5bがこの分岐コアヒータ12の加熱の影響を受けない
ようになっていなければならない。そのためには、他の
設計条件などにもよるが、分岐コア5bの中心から分岐
コアヒータ12までの最小距離L3が少なくとも40μ
m以上確保されている必要がある。また、分岐コアヒー
タ14を作動させる場合にも同様に分岐コア5aがこの
分岐コアヒータ14の加熱の影響を受けないのようにな
っていなければならず、同様に分岐コア5aの中心から
分岐コアヒータ14までの最小距離L3が少なくとも4
0μm以上確保されている必要がある。L3は原理上大
きければ大きい程好ましく、その上限値は特に限定する
ことはない。
【0021】この第1の例の光スイッチにおいては、分
岐コア5a、5bが十分に加熱されることが望ましいた
め、図2に示したように、分岐コアヒータ12、14
を、分岐コア5a、5bの分離部4cの真上に配置する
こともできる。
【0022】図3は本発明の第2の例を示したもので、
この例において、第1の例と異なるのはヒータの構成で
ある。すなわち、分岐部ヒータと分岐コアヒータとが連
続した略弓型の一体型ヒータ15、17が、これらの凸
部が対向するように、分岐部4bと分離部4cにそって
設けられている。一体型ヒータ15の両端部のY型コア
4の外側には長方形状の電極パッド16a、16aが設
けられ、さらに、中央(分離部4cの途中であって、L
3を十分に確保できるだけ、分岐部4bから十分にはな
れた位置)にも電極パッド16bが設けられている。一
体型ヒータ17においても同様であって、両端部に電極
パッド18a、18aが設けられ、中央(分離部4cの
途中であって、L3を十分に確保できるだけ、分岐部4
bから十分にはなれた位置)に電極パッド18bが設け
られている。
【0023】そして、一体型ヒータ15においては、両
端部の電極パッド16a、16aと中央の電極パッド1
6bから電力を印加する。このとき分岐部4b側の電極
パッド16aに印加する電力と、分離部4c側の電極パ
ッド16aに印加する電力の制御により、分岐部4b側
の分岐部ヒータ15aと分離部4c側の分岐コアヒータ
15bによる加熱温度を別々に制御することができる。
一体型ヒータ17においても同様であって、両端部の電
極パッド18a、18aと中央の電極パッド18bから
電力を印加し、分岐部4b側の電極パッド18aに印加
する電力と、分離部4c側の電極パッド18aに印加す
る電力の制御により、分岐部4b側の分岐部ヒータ17
aと分離部4c側の分岐コアヒータ17bによる加熱温
度を別々に制御することができる。
【0024】また、図4に示したようにY型コアが途中
で物理的に分離している構成を適用することもできる。
この例において、ヒータの構成は図1に示した第1の例
と同様である。この例のY型コア24は、入射側から伸
びる1本の入射側直線部24aと、その出射側に形成さ
れた分岐部24bと、この分岐部24bの出射側から、
間隔をおいて伸びる2本の分岐コア25a、25bが相
互に離れるように曲線状、または直線状に配置された分
離部24cと、さらにこれらの分岐コア25a、25b
が平行に配置された出射側直線部24dとから構成され
ている。
【0025】分岐部24bは、入射側直線部24aの幅
が徐々に拡大している入射部27と分岐コア25a、2
5bの端部からなる出射部28とから構成されている。
入射部27の頂点27aからは入射側直線部24aが伸
びており、この頂点27aに対向する底辺27bからは
1〜5μm程度のわずかな間隔をあけて、分岐コア25
a、25bが伸びている。分岐コア25a、25bの端
部(出射部28)は底辺27bに向かって徐々に細くな
っている。そして、入射側のポート26aから入射した
光は、入射側直線部24aを経て分岐部24bに至り、
頂点27aから入射部27に入射し、底辺27bから出
射し、クラッド層3を経て分岐コア25a、25b(出
射部28)に入射し、伝搬する。よって、この場合も光
の伝搬は図1〜図3に示したものと同様に行われる。
【0026】したがって、本発明において「コアが、実
質的に、その途中で複数のコアに分岐しいる」とは、図
1〜図3に示したように、コアが物理的に連続的に形成
されている場合のみならず、図4に示したようにコアが
物理的には途中で分断されていたとしても、光が連続的
に伝搬する構成となっている場合も包含するものとす
る。そして、この例においても、分岐部ヒータ11およ
び分岐コアヒータ12、あるいは分岐部ヒータ13およ
び分岐コアヒータ14のいずれかを作動させることによ
り、光スイッチとしての機能が得られる。
【0027】また、図1〜図4に示した例においては、
Y型コアが用いられ、入射側のポートが1つ、出射側の
ポートが2つの1×2型であるが、これに限定するもの
ではない。例えば用途に応じて、本発明の光スイッチを
複数組み合わせた光スイッチを構成することができる。
具体的には図1〜図4に示したような1×2型のものを
複数、多段に組み合わせた構成とすることができる。例
えば1×2型の光スイッチを用意し、一方の1×2型の
光スイッチの出射ポートのひとつに他方の1×2型の光
スイッチの入射ポートを接続すると、全体で1×3型の
光スイッチを構成することができる。また、以下のよう
に実質的に本発明の光スイッチを複数組み合わせた光ス
イッチを構成することもできる。例えば1枚の基板上に
形成された同一クラッド層内に1×2型のふたつのY型
コアを形成するにおいて、ふたつのY型コアを並列さ
せ、一方のY型コアの出射ポート(分岐コア)のひとつ
と、他方のY型コアの出射ポート(分岐コア)のひとつ
とが結合するように配置すると、実質的にふたつの光ス
イッチを組み合わせて、ふたつの入射ポートと3つの出
射ポートを備えた2×3型の光スイッチを構成すること
ができる。また、このとき、ふたつのY型コアにおい
て、2つの出射ポート(分岐コア)どうしがそれぞれ結
合するように配置すると、ふたつの入射ポートとふたつ
の出射ポートを備えた2×2型の光スイッチを構成する
ことができる。
【0028】
【実施例】(実施例)図3に示したものと同様の構成の
光スイッチを製造した。そして、ポート6cから光が出
射しないように、一体型ヒータ17の分岐部ヒータ17
aと分岐コアヒータ17bのそれぞれに、表1に示した
ように、電力を、その大きさを変化させながら印加し、
分岐コア5b側を加熱した。そして、このときのポート
6bの挿入損失とポート6cの挿入損失の変化を測定し
た。結果を表1および図5のグラフに示した。なお、損
失はマイナスの符号で示されており、例えば−40dB
の場合は損失の大きさが40dBであったことを示して
いる。その結果、ポート6bの挿入損失の大きさは安定
しており、ポート6bはポート6c側の一体型ヒータ1
7の加熱の影響を受けないことが明かとなった。
【0029】
【表1】
【0030】(比較例)図7に示したものと同様の構成
の光スイッチを製造した。そして、ポート6cから光が
出射しないように、ヒータ8に、表1に示したように、
電力を、その大きさを変化させながら印加して分岐コア
5b側を加熱した。そして、このときのポート6bの挿
入損失とポート6cの挿入損失の変化を測定した。結果
を表2および図6のグラフに示した。その結果、電力が
大きくなるに従って(加熱温度が高くなるに従って)ポ
ート6bの挿入損失が大きくなり(マイナス側にシフト
し)、ポート6bへの光の伝搬が妨げられるようになる
ことが明かとなった。
【0031】
【表2】
【0032】これらの結果より、本発明に係る実施例に
おいては、挿入損失を低減することができ、かつ出射を
予定しないポートからの光の出射を抑制できることが確
認できた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光スイッチ
においては、分岐部を加熱するヒータと、分岐した複数
のコアを加熱するヒータとが別々に制御されるようにな
っているため、分岐部と分岐したコアを、それぞれ適切
な温度条件に制御することができる。その結果、挿入損
失の低減を図ることができ、かつ出射を予定しないポー
トからの光の出射を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光スイッチの第1の例を示した平面
図である。
【図2】 図1に示した光スイッチのヒータの配置の他
の例を示した平面図である。
【図3】 本発明の光スイッチの第2の例を示した平面
図である。
【図4】 本発明の光スイッチにおいて、コアが分岐部
の途中で分割されている構成例を示した平面図である。
【図5】 実施例の結果を示したグラフである。
【図6】 比較例の結果を示したグラフである。
【図7】 図7(a)は光スイッチの一例を示した平面
図、図7(b)は図7(a)に示したA−Aにおける断
面図である。
【符号の説明】
3…クラッド層、4…Y型コア、4a、24a…入射側
直線部、4b、24b…分岐部、4c、24c…分離
部、4d、24d…出射側直線部、5a、5b…分岐コ
ア、11、13、15a、17a…分岐部ヒータ、1
2、14、15b、17b…分岐コアヒータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 利貞 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 細谷 英行 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H079 AA06 AA12 BA01 CA05 DA07 DA22 EB02 EB12 EB15 EB27 2K002 AA02 AB04 BA13 CA06 CA22 DA08 EB02 EB03 EB05 EB09 HA11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッド層と、その内部に設けられた光
    を導波するコアとを備え、該コアが、実質的に、その途
    中で該コアの幅が拡大した分岐部を介して複数のコアに
    分岐しており、該分岐部と該複数のコアを加熱する部分
    を変更することによって光路を変更する光スイッチであ
    って、 前記分岐部を加熱する分岐部ヒータと、前記複数のコア
    を加熱する分岐コアヒータとが別々に制御されるように
    なっていることを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光スイッチにおいて、
    分岐した複数のコアへの光の伝搬を選択的に阻止するた
    めに、該複数のコアごとに、一組の分岐部ヒータと分岐
    コアヒータが設けられてることを特徴とする光スイッ
    チ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光スイッチにおいて、
    一組の分岐部ヒータと分岐コアヒータにおいて、該分岐
    部ヒータと該分岐コアヒータが別々に制御されるように
    なっていることを特徴とする光スイッチ。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の光スイッチにおいて、
    一組の分岐部ヒータと分岐コアヒータが一体に形成され
    ていることを特徴とする光スイッチ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光
    スイッチにおいて、分岐した複数のコアのうちのひとつ
    を加熱する分岐コアヒータと、該分岐コアヒータが加熱
    するコアと隣接するコアの中心との最小距離が40μm
    以上であることを特徴とする光スイッチ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光
    スイッチにおいて、コアがふたつに分岐したY型コアで
    あることを特徴とする光スイッチ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光
    スイッチにおいて、コアとクラッド層の少なくとも一方
    がプラスチックからなることを特徴とする光スイッチ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光
    スイッチにおいて、分岐部ヒータと分岐コアヒータがク
    ラッド層の上に設けられた導電性薄膜からなることを特
    徴とする光スイッチ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の光スイッチを実質
    的に複数組み合わせたことを特徴とする光スイッチ。
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JP2008026555A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Hamamatsu Photonics Kk 光導波路素子

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