JPH1115028A - 高分子熱光学光スイッチ - Google Patents

高分子熱光学光スイッチ

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JPH1115028A
JPH1115028A JP16229097A JP16229097A JPH1115028A JP H1115028 A JPH1115028 A JP H1115028A JP 16229097 A JP16229097 A JP 16229097A JP 16229097 A JP16229097 A JP 16229097A JP H1115028 A JPH1115028 A JP H1115028A
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JP
Japan
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refractive index
optical switch
core
polymer
clad
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JP16229097A
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English (en)
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Naoki Oba
直樹 大庭
Akemasa Kaneko
明正 金子
Toshio Watanabe
俊夫 渡辺
Takashi Kurihara
栗原  隆
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/0147Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on thermo-optic effects
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
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    • G02F1/31Digital deflection, i.e. optical switching
    • G02F1/313Digital deflection, i.e. optical switching in an optical waveguide structure
    • G02F1/3137Digital deflection, i.e. optical switching in an optical waveguide structure with intersecting or branching waveguides, e.g. X-switches and Y-junctions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のモード径でシングルモード光導波条件
を乱すことなくコアとヒーターを近接させる新しい熱光
学光スイッチ用導波路の設計法を提案するものであり、
その目的は、低電力・高速で動作する実用的な高分子デ
ジタル熱光学光スイッチを提供することにある。 【解決手段】 基板3上に形成される下部クラッド5
と、該下部クラッド5の上部に形成されかつ該下部クラ
ッド5よりも高い屈折率を有しかつ光を導波するコア4
と、該コア4よりも低い屈折率を有する上部クラッド6
と、前記コア4が複数に分岐する分岐形状を有する部分
の前記上部クラッド6の上部に形成される加熱要素とか
らなる積層構造を有する導波路型熱光学光スイッチにお
いて、前記加熱要素の下部に位置する上部クラッド6が
積層方向の少なくとも一部に屈折率が変化する領域8を
有していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱光学効果を利用
した光路切替型空間分割光スイッチを低電力駆動するた
めの設計概念及びそれに基づいて製造される高分子デジ
タル熱光学光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】高分子熱光学光スイッチは、熱光学定数
がガラスよりも1桁大きいという高分子の優位性を十分
に活かした光デバイスであり、光波ネットワークにおけ
る光クロスコネクトや光アドドロップマルチプレクサ
(ADM)に使われる光パス切替スイッチの有望な候補
として、各機関で活発な研究開発が進められている(A.
Boneman等, ECOC 96, 5.59-5.62 (1996), N. Kei 等,
ECOC 96, 2.71-2.74, N.Ooba等, Proc. ACS PMSE Vol.7
5, 362-363(1996))。
【0003】特に、上記の文献で報告されるデジタル型
の高分子熱光学光スイッチは、従来の熱光学位相シフタ
による干渉計型スイッチよりも、スイッチ動作点や作製
精度のトレランスが大きく、かつ、波長依存性が小さい
ことから、実用上有利と考えられている。
【0004】図3に一般的なデジタル型熱光学光スイッ
チの構造を示す。図3(a)は、その斜視図、図3
(b)はその平面図、図3(c)は図3(a)中のa−
a’線に沿った断面図である。同図に示すように、基板
3上には高分子光分岐路1の枝分かれ先のどちらか一方
が、その上に装荷されたヒーター2の点灯による屈折率
低下により消光され、他方の分岐路のみに光信号が導波
されるというメカニズムのスイッチが構成されている。
【0005】デジタル型光スイッチの欠点は、干渉型に
比べて原理的により大きな屈折率変化を必要とするため
消費電力も大きくなる事である。したがって、真に実用
的な高分子デジタル熱光学光スイッチを提供するために
は、低電力化の実現が最も重要である。
【0006】消費電力を低くするためには、熱光学効果
によるコアの分岐部近傍の屈折率勾配を効率的に与える
必要がある。屈折率勾配をもたらす熱勾配は、熱拡散に
支配されるため、コアと加熱要素(以下、ヒーターと記
す)を如何に接近させるか、が低電力化に対する支配的
な要因となる。更に、スイッチの切り替え速度は、ヒー
ターからコアまでの熱拡散時間に支配されるため、コア
とヒーターの接近はスイッチ速度の向上をもたらす効果
もある。
【0007】通常のシングルモード導波路は、入出力の
ための光ファイバとの接続損失を考慮してコアとコアを
囲むクラッドとの比屈折率差は例えばコアサイズ8μm
×8μmならば0.3%程度が適当とされている。この
場合、ヒーター金属による導波光の吸収(メタルクラッ
ディング)を、導波路自体の導波損失に比べて十分小さ
くするためには、理論的にはコアとヒーター間のクラッ
ド層(上部クラッド層)の厚みは10数μm必要とされ
ている。
【0008】メタルクラッディング損失を低く抑えたま
ま、コアにヒーターを近づけるためには、すなわち上部
クラッドを薄くするためには、上部クラッドの屈折率を
低くして光の閉じ込め効率を上げる方法が第1に考えら
れる。
【0009】特開平7−84226号では、上部クラッ
ドの屈折率を低くすることでコアとヒーターを接近させ
低電力で動作する熱光学光スイッチを提案し、シングル
モード導波条件及び入出力光ファイバとの結合損失を考
慮した上で、上部クラッドの屈折率を下部クラッドのそ
れより0.01から0.02低く、コアの厚み7〜8μ
mの条件が効果的としている。
【0010】光回路を形成するためには、チャネル型の
コアをもつ導波路を形成する必要がある。この方法とし
て、エッチングによりコアリッジを残す方法、感光性樹
脂を用いて露光後現像によりコアリッジを残す方法が一
般的である。
【0011】これらの方法の場合、断面構造は図2
(a)に示すように、上部クラッド6がコア4の側面も
被うこととなる。この場合、上部クラッド6と下部クラ
ッド5の屈折率差が大きいと、コア4は、下部クラッド
6より更に高い必要があるので、横方向のシングルモー
ド条件が厳しくなる。
【0012】例えば、上記のように上部クラッド6の屈
折率が下部クラッド5のそれより0.01低い場合、シ
ングルモード条件を満たすためにはコア幅は4μm以下
である必要があり、光ファイバとの結合損失は1dB以
上になる。
【0013】一方、チャネル形成法として、光屈折率性
すなわち光照射により屈折率変化を起こす樹脂を用い、
コアパターンを露光する方法がある。この場合、図2
(b)に示すように、側方クラッド7の材料と上部クラ
ッド6の材料は別なので、上記の問題は起こらない。実
際、この方法で上部クラッドの薄い熱光学光スイッチが
作製されている(N.Keil等, Electron. Lett., 30,639-
640(1994) )。
【0014】しかし、光反応性のある材料をコア及びク
ラッドに用いることは、導波路作製後も屈折率変化を生
じる可能性を生み、信頼性の高い素子を作製することが
困難となる。更に、図2(a)、(2)共、導波路構造
の上下方向と、左右方向で非対称であり、導波損失やス
イッチ特性が、導波光の偏波面方向に依存しやすい欠点
を持つ。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、通常のモー
ド径でシングルモード光導波条件を乱すことなくコアと
ヒーターを近接させる新しい熱光学光スイッチ用導波路
の設計法を提案するものであり、その目的は、低電力・
高速で動作する実用的な高分子デジタル熱光学光スイッ
チを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1に係る高分子熱光学光スイッチは、基板上
に形成される下部クラッドと、該下部クラッドの上部に
形成されかつ該下部クラッドよりも高い屈折率を有しか
つ光を導波するコアと、該コアよりも低い屈折率を有す
る上部クラッドと、前記コアが複数に分岐する分岐形状
を有する部分の前記上部クラッドの上部に形成される加
熱要素とからなる積層構造を有する導波路型熱光学光ス
イッチにおいて、前記加熱要素の下部に位置する上部ク
ラッドが積層方向の少なくとも一部に屈折率が変化する
領域を有していることを特徴とする。
【0017】上記課題を解決する本発明の請求項2に係
る高分子熱光学光スイッチは、請求項1において、前記
上部クラッドの屈折率が変化する領域が、積層方向に近
接する部分よりも低い屈折率を有することを特徴とす
る。上記課題を解決する本発明の請求項3に係る高分子
熱光学光スイッチは、請求項1又は2において、前記上
部クラッドの屈折率が変化する領域が、積層方向に近接
する部分の少なくとも片方に対してステップ状に屈折率
が低くなっている低屈折率層であることを特徴とする。
【0018】上記課題を解決する本発明の請求項4に係
る高分子熱光学光スイッチは、請求項3において、前記
低屈折率層を一つ以上有し、該低屈折率層の一つが加熱
要素に接していることを特徴とする。上記課題を解決す
る本発明の請求項5に係る高分子熱光学光スイッチは、
請求項3において、前記低屈折率層を一つ以上有し、該
低屈折率層の一つがコアに接していることを特徴とす
る。
【0019】上記課題を解決する本発明の請求項6に係
る高分子熱光学光スイッチは、請求項3,4又は5にお
いて、前記低屈折率層を一つ以上有し、該低屈折率層の
一つが加熱要素に接し、他の一つがコアに接しているこ
とを特徴とする。上記課題を解決する本発明の請求項7
に係る高分子熱光学光スイッチは、請求項3,4,5又
は6において、前記低屈折率層は、ポリシロキサン、フ
ッ素化ポリシロキサン、パーフルオロポリマ、部分フッ
素化ポリマ、フッ素化UV硬化樹脂のいずれか一つある
いはそれらの組み合わせであることを特徴とする。
【0020】上記課題を解決する本発明の請求項1に係
る高分子熱光学光スイッチは、請求項1,2,3,4,
5,6又は7において、前記下部クラッド及び上部クラ
ッドの屈折率が変化しない部分とコアに重水素化メチル
メタクリレートとフッ素化メタクリレートの共重合体又
は、重水素化ポリメチルメタクリレートを用いることを
特徴とする。上記課題を解決する本発明の請求項9に係
る高分子熱光学光スイッチは、請求項1,2,3,4,
5,6又は7において、前記下部クラッド及び上部クラ
ッドの屈折率が変化しない部分及びコアにシリコーン樹
脂を用いることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記問題を解決す
るために光を閉じ込めたい領域に薄い低屈折率層を挿入
したところ、コア中を伝搬する光信号はシングルモード
条件を保持したまま効率的に閉じ込められることを見い
だし、本発明を完成するに至った。本発明の第1の発明
は、クラッド層よりも更に屈折率の低い低屈折率層が、
コアとヒーターの間に1層もしくは2層、薄く設けられ
ていることを特徴とする高分子熱光学光スイッチであ
る。
【0022】特に本発明が効果的なのは、図2(c)に
示すように低屈折率層8がコア4とクラッド6の間及び
ヒーター(図示省略)とクラッド6の間で、それぞれコ
ア表面とヒーター表面に接する場合である。また、図2
(d),(5)に示すように、コア表面のみ、あるい
は、ヒーター表面のみに低屈折率層8を形成した場合で
も顕著なメタルクラッディング防止効果を得ることが出
来る。
【0023】本発明の導波路は、通常のエッチングによ
る導波路作製工程のなかで、コア層塗布後又は上部クラ
ッド層塗布後に低屈折率層塗布工程を追加するのみで容
易に実現できる。本発明により、上部クラッド層の屈折
率は、ヒーター金属によるメタルクラッディング損失発
生を考慮せずに、シングルモード条件及び入出力光ファ
イバとの接続損失を優先して決定できるようになる。
【0024】この結果、シングルモード条件を乱すこと
なく、メタルクラッディング損失、入出力ファイバとの
接続損失を低く押さえたままで、ヒーターと導波路を近
づけることが可能となり、低電力・高速で動作する実用
的な高分子デジタル熱光学光スイッチを提供することが
可能となった。本発明者等は、有限要素法計算による光
電場シミュレーションの結果からメタルクラッディング
防止効果を確認した。
【0025】図1は、コア4とクラッド9の屈折率差が
0.3%、8μm角サイズのコアをもつ導波路における
光電場分布の計算結果であり、同図(a)は低屈折率層
8が無い場合を、同図(b)は低屈折率層8がコア4と
クラッド9の間に存在しコア4と接する場合を、同図
(c)は低屈折率層8がヒーター(図示省略)が作製さ
れるクラッド上面にある場合を、同図(d)は低屈折率
層8がこれらの両方にある場合をそれぞれ示す。
【0026】ここでは、低屈折率層8の屈折率はクラッ
ド9より7%低く、厚さ0.5μmとしている。図1中
に示される光電場の等高線10の形状から、低屈折率層
8の存在により、ヒーターが存在する上方への光電場の
漏れが減少して、メタルクラッディング損失が低下する
ことがわかる。
【0027】更に、詳細な計算結果、及び検証実験の結
果により、本発明のメタルクラッディングを効果的に阻
止する低屈折率層8について、低屈折率層8を形成する
材料の屈折率はコアのそれに対して、数%から10数%
の比屈折率差であることが望ましく、厚さは、コアに接
する場合は1μmより薄いことが望ましい事を見いだし
た。
【0028】更に、本発明の第2の発明は、いわゆるS
OG(Spin On Glass)を含むポリシロキサンあるいは
有機系フッ素化SOGあるいはパーフルオロポリマある
いは部分フッ素化ポリマあるいはフッ素化UV硬化樹脂
などの低屈折率かつ薄膜化が可能な材料が、メタルクラ
ッディングを効果的に阻止する低屈折率層として有効で
あることを提示する。
【0029】更に、シリコーン系材料を用いたデジタル
熱光学光スイッチにはSOGあるいは有機系フッ素化S
OGが、アクリル系ポリマあるいは指環系リニアポリマ
を用いたデジタル熱光学光スイッチにはパーフルオロポ
リマあるいは部分フッ素化ポリマあるいはフッ素化UV
硬化樹脂が、UV硬化樹脂を用いたデジタル熱光学光ス
イッチにはフッ素化UV硬化樹脂が適切な低屈折率層用
材料であることを示すものである。
【0030】
【実施例】以下、実施例により、本発明について詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるも
のではない。
【0031】〔実施例1〕図3に示される構造のデジタ
ル型高分子熱光学光スイッチを、コア材料として重水素
化ポリメチルメタクリレート(波長1.31μmでの屈
折率:1.4840)、クラッド材料として重水素化メ
チルメタクリレートとフッ素化メタクリレートの96:
4の共重合体(波長1.31μmでの屈折率:1.47
88)を用いて作製した。作製法は、特願平8−151
71号(「熱光学光スイッチ」)に準じている。
【0032】導波路の断面構造は、図2(c)に示され
るように、コアサイズは8μm角とした。低屈折率層8
として膜厚0.5μmのフッ素化メタクリレート(波長
1.31μmでの屈折率:1.3627)を用いた。コ
ア4とヒーター(図示省略)間の上部クラッド6の厚み
は8μmとした。
【0033】比較例として、断面構造が図2(a)で示
される低屈折率層のない光スイッチも同じ材料を用い、
同じコア及びクラッド寸法で作製した。これらの光スイ
ッチは、波長1.3μmにおいて、加熱電力50mWで
スイッチ動作した。このスイッチ電力は、上部クラッド
厚が15μm前後の従来の光スイッチの約半分である。
【0034】従来の光スイッチに比べて動作電力が減少
したのは薄い上部クラッド6を使用したことが原因であ
る。スイッチ動作時の挿入損失は、低屈折率層のある本
実施例の光スイッチでは0.8dBであり、比較例の低
屈折率層の無い光スイッチでは2.2dBであった。こ
の2値の差1.4dBは、ヒーター金属に依るメタルク
ラッディング損失である。
【0035】また、本実施例の光スイッチの入出力ファ
イバとの接続損失は0.1dB以下、挿入損失の偏波依
存は0.05dB以下であった。本発明によるメタルク
ラッディング阻止効果により、損失の増加なしに上部ク
ラッドを薄くすることが可能となり、これにより低動作
電力の熱光学光スイッチが実現できることが明らかとな
った。
【0036】〔実施例2〕実施例1にならって、コア
4、クラッド6ともにシリコーン樹脂、低屈折率層8に
は同じくシリコーン系の部分フッ素化有機系SOGを用
いて、図2(d)の分岐路断面によって表されるデジタ
ル熱光学光スイッチを作製した。
【0037】コア4、クラッド6、低屈折率層8の波長
1.55μmでの屈折率は、それぞれ1.4940、
1.4903、1.38であった。この光スイッチを波
長1.55μmで動作させたところ、従来の光スイッチ
と比べて挿入損失増を招くことなく、約半分の加熱電力
でスイッチ動作した。
【0038】〔実施例3〕実施例2と同様のシリコーン
樹脂を用いて、図2(e)の導波路断面によって表され
る低屈折率層8を有するデジタル熱光学光スイッチを作
製した。低屈折率層8の厚みは1μm、上部クラッド6
の厚さは6μmとした。
【0039】この光スイッチを波長1.55μmで動作
させたところ、従来の光スイッチと比べて挿入損失増を
招くことなく、約3分の1の加熱電力でスイッチ動作し
た。また、入出力ファイバとの接続損失は0.05dB
以下、挿入損失の偏波依存は0.02dB以下であっ
た。
【0040】〔実施例4〕実施例3にならって、コア
4、クラッド6、低屈折率層8ともにUV硬化樹脂を用
いて、図2(e)の分岐路断面によって表されるデジタ
ル熱光学光スイッチを作製し、実施例3と同様に消費電
力が3分の1に低減できることを確認した。
【0041】〔実施例5〕実施例2と同様のシリコーン
樹脂を用いて、図2(c)の導波路断面によって表され
る二つの低屈折率層8を有するデジタル熱光学光スイッ
チを作製した。二つの低屈折率層8の厚みは0.5μ
m、上部クラッド6の厚さは4μmとした。この光スイ
ッチを波長1.55μmで動作させたところ、従来の光
スイッチと比べて挿入損失増を招くことなく、約4分の
1の加熱電力でスイッチ動作した。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による高
分子熱光学光スイッチは、シングルモード光導波条件を
乱したり損失増を招くことなくコアとヒーターを近接さ
せることによって低電力動作を実現しているため、シン
グルモード光波ネットワークにおける光クロスコネクト
や光ADMに使われる実用的光パス切替スイッチとして
極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】導波路の断面構造と導波光の電場分布を示す説
明図であり、図1(a)は通常のコア・クラッドのみか
らなるチャネル導波路の場合、図1(b)はコア上面に
低屈折率層を挿入した場合、図1(c)は上部クラッド
上面に低屈折率層を被膜した場合、図1(d)はコア上
面と上部クラッド上面に低屈折率層を被膜した場合に係
る。
【図2】図2(a)はエッチング又は感光性樹脂使用に
よる通常の導波路の断面図、図2(b)は光屈折率性を
持つ樹脂使用による通常の導波路の断面図、図2(c)
はコア上面と上部クラッド上面に低屈折率層を被膜した
本発明の導波路の断面図、図2(d)はコア上面に低屈
折率層を挿入した本発明の導波路の断面図、図2(e)
は上部クラッド上面に低屈折率層を被膜した本発明の導
波路の断面図を示す。
【図3】高分子デジタル熱光学光スイッチの構造を示
し、図3(a)は、その斜視図、図3(b)はその平面
図、図3(c)は図3(a)中のa−a’線に沿った断
面図である。
【符号の説明】
1 高分子光分岐路 2 ヒーター 3 基板 4 コア 5 下部クラッド 6 上部クラッド 7 側部クラッド 8 低屈折率層 9 クラッド 10 等高線
フロントページの続き (72)発明者 栗原 隆 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成される下部クラッドと、該
    下部クラッドの上部に形成されかつ該下部クラッドより
    も高い屈折率を有しかつ光を導波するコアと、該コアよ
    りも低い屈折率を有する上部クラッドと、前記コアが複
    数に分岐する分岐形状を有する部分の前記上部クラッド
    の上部に形成される加熱要素とからなる積層構造を有す
    る導波路型熱光学光スイッチにおいて、前記加熱要素の
    下部に位置する上部クラッドが積層方向の少なくとも一
    部に屈折率が変化する領域を有していることを特徴とす
    る高分子熱光学光スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記上部クラッドの屈折率が変化する領
    域が、積層方向に近接する部分よりも低い屈折率を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の高分子熱光学光スイ
    ッチ。
  3. 【請求項3】 前記上部クラッドの屈折率が変化する領
    域が、積層方向に近接する部分の少なくとも片方に対し
    てステップ状に屈折率が低くなっている低屈折率層であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の高分子熱光学
    光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記低屈折率層を一つ以上有し、該低屈
    折率層の一つが加熱要素に接していることを特徴とする
    請求項3記載の高分子熱光学光スイッチ。
  5. 【請求項5】 前記低屈折率層を一つ以上有し、該低屈
    折率層の一つがコアに接していることを特徴とする請求
    項3記載の高分子熱光学光スイッチ。
  6. 【請求項6】 前記低屈折率層を一つ以上有し、該低屈
    折率層の一つが加熱要素に接し、他の一つがコアに接し
    ていることを特徴とする請求項3,4又は5記載の高分
    子熱光学光スイッチ。
  7. 【請求項7】 前記低屈折率層は、ポリシロキサン、フ
    ッ素化ポリシロキサン、パーフルオロポリマ、部分フッ
    素化ポリマ、フッ素化UV硬化樹脂のいずれか一つある
    いはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項
    3,4,5又は6記載の高分子熱光学光スイッチ。
  8. 【請求項8】 前記下部クラッド及び上部クラッドの屈
    折率が変化しない部分とコアに重水素化メチルメタクリ
    レートとフッ素化メタクリレートの共重合体又は、重水
    素化ポリメチルメタクリレートを用いることを特徴とす
    る請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の高分子熱
    光学光スイッチ。
  9. 【請求項9】 前記下部クラッド及び上部クラッドの屈
    折率が変化しない部分及びコアにシリコーン樹脂を用い
    ることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は
    7記載の高分子熱光学光スイッチ。
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