JP2008026235A - 車両検知装置及び信号制御システム - Google Patents

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英晃 白永
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Abstract

【課題】車両の有無と降水の有無とを検知することができる車両検知装置、及び降水の際、より安全な交通となるように信号制御を行う信号制御システムを提供する。
【解決手段】車両検知装置1は、道路上の監視範囲を通過する車両を検知するものであり、車両や道路といった検知対象からの赤外線を感知する赤外線素子2と、素子2から得られた入力レベル値を用いて監視範囲に存在する車両の有無を判定する車両判定部3とを具える。また、この検知装置1は、車両判定部3が車両有りとの判定に用いた入力レベル値を用いて降水の有無を判定する降水判定部4を具える。判定結果は、出力部6により、信号制御装置といった外部装置に出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の有無を検知する車両検知装置、及びこの車両検知装置からの情報を利用して信号制御を行う信号制御システムに関するものである。特に、設置作業性に優れる車両検知装置、及び降水の際に安全な交通となるように信号制御を行うことができる信号制御システムに関する。
従来より、高速道路などの道路に気象観測設備を配置し、路面温度、雨量、風速や風向きなどを測定し、得られた気象情報を交通管制センターなどの中央処理装置に伝達し、このセンターを介して車両の運転者に注意を呼び掛けたり、道路を封鎖するなどして、交通安全の維持に努めている。例えば、雨や雪などの降水の有無を検知する降水検知器として、金属製の検知板に付着した水により電気伝導度が変化することで降水を検知するものがある。また、凍結や濡れといった路面状態を検知する路面状態検知装置として、路面に投光する光源と、光源からの光のうち、路面で反射した反射光を受光する受光部と、受光部から得られた光量に基づき路面状態を判定する判定部とを具えるものがある(特許文献1,2参照)。
一方、通過交通量や占有率などを調べるために車両を検知する装置として、赤外線素子を利用した車両検知器が提案されている(特許文献3,4参照)。この車両検知器は、サーモパイル素子といった赤外線を感知するセンサを具え、車両が発する赤外線と、道路といった車両以外の物体が発する赤外線とをそれぞれ検出し、これら赤外線の量に基づいて車両の有無を判定する。
他方、予め設定した信号制御内容に基づき、信号制御装置が交通信号灯器を制御することが行われている(特許文献5参照)。また、車両検知器といった交通情報取得用装置から得られた通過交通量、占有率、平均速度などの交通諸情報を利用して、信号制御装置が信号灯器を制御することが行われている。
特開平8-247940号公報 特開平9-318766号公報 特開2003-317186号公報 特開2004-302699号公報 特開平2-68699号公報
気象情報や交通情報は、円滑な交通の実現や交通安全の確保に欠かせない情報である。しかし、従来は、これらの情報を取得しようとすると、気象観測設備と車両検知器との双方を道路に設置しなければならず、設置作業性が悪いという問題がある。特に、従来の路面状態検知装置は、光源からの光をそのまま受光するのではなく、一旦路面で反射された反射光を受ける構成であることから、光源と受光素子との双方を高精度に位置調整する必要があり、設置作業時間が長くなり易い。
また、従来の路面状態検知装置は、消費電力が大きい光源が必要となるため、大型な電源装置、又は電源線の布設が別途必要となる。これら電源設備の構築のために更に設置作業時間が長くなる。
更に、気象観測設備と車両検知器との双方を設置することで、工事費も増大し、コストアップを招く。
そこで、本発明の主目的は、設置作業性に優れる車両検知装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、降水時の交通安全に寄与することができる信号制御システムを提供することにある。
本発明車両検知装置は、赤外線素子からの入力レベル値を用いて車両の検知を行うと共に、車両の検知に利用した入力レベル値を用いて降水の有無を判定可能な構成とすることで上記主目的を達成する。具体的には、本発明車両検知装置は、道路上の監視範囲に存在する検知対象からの赤外線を感知する赤外線素子と、この素子から得られた入力レベル値を用いて、前記監視範囲に存在する車両の有無を判定する車両判定部と、入力レベル値のうち、車両判定部が車両有りとの判定に用いた入力レベル値に基づいて降水の有無を判定する降水判定部とを具える。本発明検知装置は、車両の有無といった交通情報に加えて、降水の有無といった気象情報をも検知することができるため、従来のように交通情報取得用の装置(車両検知器)と気象観測設備との双方を設置する必要がなく、設置作業性に優れる。また、本発明検知装置から得られた情報を利用して信号制御を行うことで、特に、降水時において、交通安全の維持に貢献できると推測される。そこで、本発明信号制御システムは、降水情報を利用して信号制御を行う構成とする。具体的には、本発明システムは、上記本発明車両検知装置と、この車両検知装置からの降水判定結果を取得し、降水有りのとき、信号制御内容を降水対応制御に変更する信号制御装置とを具える。以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明検知装置は、道路上の監視範囲に存在する検知対象からの赤外線を自動的に感知する赤外線素子をセンサとし、このセンサから得られた赤外線の量に基づく値(入力レベル値)を用いて車両の有無の判定、及び降水の有無の判定を行う。検知対象とは、具体的には、監視範囲に存在する車両、及び車両以外の物体(主として路面)である。本発明検知装置は、アクティブセンサと比較して消費電力が小さいパッシブセンサを利用することで、センサ用の電源線の布設や大きな電源装置が不要であり、設置作業性に優れる。特に、本発明検知装置は、道路の側方に配置された状態、いわゆるサイドファイア式に配置された状態であっても、車両を精度よく検知することができる。そのため、本発明検知装置は、比較的容易に位置合わせを行うことができ、設置時間が短くて済む。
車両や路面といった検知対象からの赤外線を受光する赤外線素子としては、サーモパイル素子や焦電素子といった熱型赤外線素子が挙げられる。特に、熱起電力の出力が大きいサーモパイル素子を用いると、車両をより精度よく検知できる。赤外線素子は、この素子に基づく感知エリアが道路上の監視範囲における所定の位置に形成されるように検知装置に配置する。本発明検知装置は、赤外線素子を一つ具えてもよいし、二つ以上具えてもよい。赤外線素子を一つとする場合、本発明検知装置は、より簡易な構成とすることができる。このとき、感知エリアは、監視範囲において車両が通過する可能性が最も高いと考えられる箇所、例えば、車線が分かれた道路では一車線内の中央部分に設ける。赤外線素子を複数とし、監視範囲に複数の感知エリアを設けて、1台の車両を複数の赤外線素子で感知する構成としてもよい。このとき、各感知エリアの大きさが比較的小さくなるように、各赤外線素子を具えることで本発明検知装置は、S/N比の低下を低減して、検知精度を高められる。複数の感知エリアの配置は、車幅方向に並べた配置(横並び)、車線方向に並べた配置(縦並び)、車線方向及び車幅方向に並べた配置(格子状)のいずれでもよい。隣り合う感知エリアは、接させてもよいし、所定の間隔をあけてもよい。
本発明検知装置は、上記赤外線素子から得られた入力レベル値を用いて、車両判定部によって車両の有無を判定する。車両判定部は、例えば、赤外線素子から得られた入力レベル値に基づく演算値を車両比較値とし、この車両比較値と車両閾値とを比較して、車両の有無を判定するように構成する。例えば、車両比較値が車両閾値以上であるとき、車両有りと判定するように車両判定部を構成する。このような車両判定部は、入力レベル値を取得する入力手段、車両比較値といった演算値を演算する演算手段、予め設定した設定値を記憶する記憶手段、車両比較値と車両閾値とを比較判定する判定手段などを具えておく。
車両比較値としては、入力レベル値のうち、車両以外の物体が発する赤外線の量に基づく値を演算し、得られた演算値を背景レベルとし、この背景レベルと入力レベル値とを用いた演算値が挙げられる。特に、入力レベル値と背景レベルとの差に基づく演算値が好ましい。このような演算値として、入力レベル値と背景レベルとの差を一定時間積算した値や、この積算値に入力レベル値の単位時間当たりの変化量を加味した値が挙げられる。背景レベルは、指数平滑法に基づく演算値が挙げられる。車両閾値は、設定値に補正値を加味した演算値が挙げられる。設定値は、予め設定して、車両判定部の記憶手段に入力しておく。補正値は、取得した入力レベル値に基づいて変化させることが好ましい。背景レベルや車両閾値は、過去の車両の判定結果に応じて変化させると、実際の環境により即した値となる。
本発明検知装置が複数の赤外線素子を具える、つまり、複数の感知エリアを設ける構成とする場合、車両比較値と車両閾値との比較は、例えば、感知エリアごとに行う。具体的には、車両判定部は、感知エリアごとに、背景レベル、車両比較値、車両閾値を演算して、車両比較値と車両閾値とを比較し、例えば、車両比較値が車両閾値以上である感知エリアの数が所定数以上のとき、車両有りと判定するように構成する。所定数は、1でもよいし、2以上でもよい。
そして、本発明検知装置は、上記車両判定部に加えて、赤外線素子からの入力レベル値を用いて降水の有無を判定する降水判定部を具える。図8は、赤外線素子から得られた入力レベル値を模式的に示す波形グラフと、車両の有無を示すON/OFFグラフである。赤外線素子から得られた入力レベル値は、赤外線を発した検知対象の温度に概ね応じた大きさとなる。道路に対する車両の相対温度は、季節や時間によって傾向が異なり、車両の方が高温のときもあれば、道路の方が高温のときもある。図8に示す例では、多くの車両の温度が、道路よりも高い場合を想定している。従って、入力レベル値が比較的大きな値をとっているとき、この入力レベル値は、車両からの赤外線に基づくものであると考えられる。このとき、車両判定部は、車両有りと判定し、図8のON/OFFグラフにおいて「ON」で示す。「ON」が連続して現れている間は、1台の車両が感知エリアを通過していると考えられる。一方、入力レベル値が比較的小さい場合(図8の波形グラフでは、起伏(山)と起伏(山)との間の直線で示す)、この入力レベル値は、車両以外の物体、具体的には、道路(路面)からの赤外線に基づくものであると考えられる(なお、先に説明した背景レベルは、このような入力レベル値を利用した演算値であり、図8では、説明の都合上、背景レベルを上記波形グラフの直線部分と同様に直線(点線)で示す)。このとき、車両判定部は、車両無しと判定し、図8のON/OFFグラフにおいて「OFF」で示す。
そして、晴れている場合、車両からの赤外線に基づく入力レベル値と、道路からの赤外線に基づく入力レベル値との差は、比較的大きく現れる。これに対し、雨や雪などが降り始めて、車両と道路との温度差が吸収される(小さくなる)と、車両からの赤外線に基づく入力レベル値と、道路からの赤外線に基づく入力レベル値との差が小さくなる。従って、車両からの赤外線に基づく入力レベル値、つまり、車両判定部が車両有りとの判定に用いた入力レベル値(以下、この入力レベル値を感知ONレベル値と呼ぶ)を利用することで、降水の有無を判定することができる。そこで、本発明検知装置は、感知ONレベル値を用いて降水の有無を判定する構成とする。
降水判定部は、感知ONレベル値を用いた演算値を演算し、この演算値を降水比較値とし、この降水比較値と降水閾値とを比較することで降水の有無を判定するように構成する。そこで、降水判定部は、感知ONレベル値を取得する入力手段、降水比較値といった演算値を演算する演算手段、予め設定した種々の設定値を記憶する記憶手段、降水比較値と降水閾値とを比較判定する判定手段などを具えておく。
上述のように雨などが降り始めると、車両からの赤外線に基づく入力レベル値と、道路からの赤外線に基づく入力レベル値との差が小さくなる。従って、車両からの赤外線に基づく入力レベル値と、道路からの赤外線に基づく入力レベル値との差が小さくなったことを調べれば、雨や雪などが降り始めたことを精度よく判別することができる。また、これら入力レベル値の差が小さい状態が継続している場合、雨や雪などが降り続いていることがわかる。つまり、感知ONレベル値と背景レベルとの差を調べることで、降水の有無が判断できる。そこで、感知ONレベル値を用いた演算値としては、車両有りとの判定に用いた入力レベル値(感知ONレベル値)と、このときの判定に用いた背景レベルとの差に基づく演算値が挙げられる。
感知ONレベル値と背景レベルとの差(以下、この差を背景差分と呼ぶ)に基づく演算値を利用することで、降水の有無を精度よく検知することができる。この演算値は、背景差分をそのまま用いた値としてもよいが、過去の背景差分を所定数積算した積算値に基づく値とすると、傾向をより確実に把握することができ、検知精度を高められる。例えば、図8において連続してONが続いている時間txに亘って感知ONレベル値を積算し、その積算値Sxを時間txで割った平均値を降水比較値としてもよいし、積算値Sxを複数の車両台分積算し、車両数で割った平均値を降水比較値としてもよい。このような積算値の平均値を降水比較値とすることで、検知精度を更に高めることができる。このとき、車両検知装置は、時間txを計測可能なタイマ手段を具えておき、降水判定部は、感知ONレベル値及び背景レベルと共に、上記時間txを取得できるようにしておく。時間txは、例えば、車両の検知処理を一定周期で一定の間隔ごとに行う場合、タイマ手段により入力レベル値の取得時間を計測しておき、この取得時間を利用することで求めたり、車両有りとの判定を行った判定時間を計測しておき、この判定時間を利用することで求めることが挙げられる。
本発明検知装置は、降水判定部が得た判定結果(降水情報)を信号制御装置や管制センターといった外部装置に出力する場合、出力部を具えておく。出力部は、無線方式(アンテナ)としてもよいし、有線方式(接続端子)としてもよい。出力部により、降水情報を信号制御装置に伝えることで、信号制御装置は、交通信号灯器の制御内容を降水情報に応じて変更することができる。
その他、本発明検知装置は、装置の駆動に必要な電力供給源として、ソーラー電源を具えてもよい。赤外線素子や車両判定部、降水判定部などは、消費電力が少ないため、ソーラー電源でも十分に駆動電力を供給できる。公知のソーラー電源を用いてもよい。ソーラー電源を具える本発明検知装置は、大型な電源装置や電源線の布設が不要であり、設置作業性に更に優れる。
赤外線素子、車両判定部、降水判定部などは、筐体に収納して、道路際に立てた支柱に取り付ける。筐体は、アルミニウムなどの軽量で強度、耐食性に優れる金属材料から形成することが好ましい。筐体には、赤外線素子の検知方向前方に赤外線透過レンズを配置したり、レンズの指向角を所望の方向に調整する照準部を具えてもよい。
上記筐体は、例えば、道路上の車両に対して斜め上方に赤外線素子が位置するように配置する、いわゆるサイドファイア式に配置することができる。本発明検知装置は、道路の側方からでも、車両の有無を精度よく検知することができる。筐体は、道路際に立てた支柱に直接取り付けてもよいし、この支柱から突出するように支持腕材を固定し、この支持腕材に取り付けてもよい。支持腕材は、比較的短くてよい。本発明検知装置は、位置合わせが比較的容易な配置形態とすることができ、設置作業性に優れることに加えて、美観を損なうことも無い。
上記構成を具える本発明検知装置と、この装置に具える出力部からの降水情報を受け取り、この降水情報に応じて、交通信号灯器の制御を行う信号制御装置とを道路上に設置することで、本発明信号制御システムを構築することができる。信号制御装置は、本発明検知装置の出力部からの降水情報や管制センターなどからの情報を入力する入力部と、入力された情報に基づき信号灯器の制御を行う制御部とを具える。その他、信号制御装置は、予め設定された制御内容(各灯色(青、黄、赤、全赤)のステップ時間など)などを記憶する記憶部、信号灯器の灯色のステップ時間(表示時間)を計測する時計部、制御内容に従って信号灯器の灯色の切換を行う開閉部などを具えておく。本発明システムは、上述した設置作業性に優れる本発明検知装置を具えることで、交差点などの道路に容易に構築することができる。
車両検知装置は、降水有り、降水無しとの双方の判定結果を出力するように構成してもよいし、降水有りのみを出力するように構成してもよい。一方、信号制御装置は、車両検知装置から出力された降水情報を随時入力可能にしておくと、雨の降り始めなどで、速やかに制御内容の変更を行える。雨などの降り始めでは、スリップ事故などが生じ易い。このような事故を防止し、より安全な交通を維持するためには、気象の変化に迅速に対応した信号制御が望まれる。特に、雨は、雪などと比較して突発的、また局所的に生じ易いと考えられる。従って、降水情報を随時入力可能であり、局所的、突発的に生じた気象の変化に対応した信号制御を行う信号制御装置を具える信号制御システムは、交通安全の維持に大いに貢献すると考えられる。
基本的な制御内容は、灯色(例えば、青、黄、全赤、赤)の順序と、各灯色の表示時間とを組み合わせた灯色配列を単数、又は複数設定して記憶手段に入力しておき、信号制御装置は、選択された灯色配列を繰り返すように構成する。そして、信号制御装置は、基本制御を行っている場合に降水情報を取得したら、例えば、黄ステップを所定時間延長したり、赤ステップ及び全赤ステップの少なくとも一方を所定時間延長したり、黄ステップ及び赤ステップの双方を所定時間延長したり、黄ステップ及び全赤ステップの双方を所定時間延長したり、黄ステップ及び赤ステップ及び全赤ステップの全てを所定時間延長する、即ち、特定の灯色の表示時間を延長することで、速度超過による事故などの低減に寄与すると推定される。特定の灯色の表示時間を延長する場合、この延長分に合わせて基本制御の周期時間(サイクル時間)を延長させてもよいし、周期時間を変えず、他の灯色(例えば、青)の表示時間を延長分だけ短縮させるようにしてもよい。前者は、信号制御装置が、ある一つの信号灯器のみを独立に制御する地点制御を行っている場合、後者は、複数の信号灯器を連携して制御する系統制御を行っている場合に利用することが挙げられる。系統制御を行っている場合、周期時間が変化しないことで、他の信号灯器との連携が崩れず、円滑な交通を維持することができる。
本発明車両検知装置は、車両の検知と、降水の検知との双方を一つの装置で行うことができるため、設置作業性に優れる。また、本発明検知装置は、いわゆるサイドファイア式配置のように道路の側方に配置されても、車両や降水を精度よく検知することができるため、より簡単に設置することができる。更に、本発明検知装置は、消費電力が大きいアクティブセンサを具えていないことから、電源線の布設や大型な電源装置が不要であり、電源設備の構築のために設置作業時間が長くなることがない。また、本発明信号制御システムは、雨の降り始めといった気象の変化に対して、適切な信号制御を行い、円滑な交通及び交通安全に貢献できる。
(実施例1 車両検知装置)
図1は、道路際に立てられた支柱に本発明車両検知装置を設置した状態を示す説明図、図2は、本発明検知装置の機能ブロック図である。この検知装置1は、道路100上の監視範囲Mに存在する車両200を検知するものであり、車両や道路といった検知対象からの赤外線を感知する赤外線素子2と、素子2から得られた入力レベル値を用いて監視範囲Mに存在する車両の有無を判定する車両判定部3とを具える。この検知装置1の最も特徴とするところは、車両判定部3に加えて、素子2から得られた入力レベル値を用いて降水の有無を判定する降水判定部4を具える点にある。以下、各構成をより詳しく説明する。
赤外線素子2は、サーモパイル素子であり、サーモパイル素子の起電力を増幅するアンプ、増幅された値をA/D変換するA/D変換器、車両判定部3、降水判定部4が搭載される回路基板に接続されている。車両判定部3は、A/D変換された入力レベ値を取得する入力手段3eと、得られた入力レベル値を用いて車両比較値や背景レベル(後述)、車両閾値といった演算値を演算する演算手段3oと、車両比較値と車両閾値とを比較し、車両比較値が車両閾値以上のとき、車両有りと判定する判定手段3jと、予め設定した設定値などを記憶する記憶手段3mとを具える。また、この検知装置1は、一定周期(例えばt=0〜99)で一定の間隔(例えば、10msec)でカウントアップを行うタイマ手段(図示せず)を具えており、一定間隔ごとに車両の検知処理を行う構成である。車両判定部は、このタイマ手段を利用して、車両の有無の判定時間を計測可能である。
車両の有無の判定に用いる背景レベルは、入力レベル値のうち、車両以外の物体(ここでは主として道路)からの入力レベル値を用いた指数平滑法による演算値とする。指数平滑法で用いる平滑係数は、前回の車両の判定結果に応じて変化させてもよい。車両比較値は、入力レベル値と背景レベルとの差を一定時間積算した積算値に、入力レベル値の単位時間当たりの変化量を加味した演算値とする。車両閾値は、設定値+補正値とする。設定値は、予め設定して記憶手段3mに記憶させておき、演算手段3oが呼び出せるようにする。補正値は、入力レベル値に基づく演算値であり、前回の車両の判定結果に応じて変化させてもよい。判定に用いる演算値は、演算手段3oが演算する。判定手段3jは、演算手段3oから得られた車両比較値と車両閾値とを比較し、車両比較値が車両閾値以上のとき、車両有りと判定し、車両比較値が車両閾値未満のとき、車両無しと判定する。具体的な判定手順は、後述する。
赤外線素子2から得られた入力レベル値は、車両有り、又は車両無しのいずれかの判定がなされる。降水判定部4は、赤外線素子2から得られた入力レベル値のうち、車両無しとの判定に用いた入力レベル値を用いず、車両判定部3が車両有りとの判定に用いた入力レベル値を用いて、降水の有無を判定する。具体的な構成は、車両判定部3からの入力レベル値を取得する入力手段4eと、得られた入力レベル値を用いて降水比較値を演算する演算手段4oと、降水比較値と降水閾値とを比較し、降水の有無を判定する判定手段4jと、予め設定した設定値などを記憶する記憶手段4mとを具える。
降水比較値は、車両判定部3が車両有りと判定した際、このときの判定に用いた入力レベル値及び背景レベルとを用いた演算値であり、ここでは、入力レベル値と背景レベルとの差(以下、この差を背景差分と呼ぶ)を用いた演算値である。雨などが降り始めると、背景差分は、晴れていた場合と比較して小さくなる。従って、この背景差分の状況を調べることで、降水の有無を精度よく判定することができる。より具体的には、車両有りとの判定「ON」が連続して現れている時間(以下、この時間を感知ON時間と呼ぶ)に亘る背景差分を利用する。例えば、車両有りとの判定時間が図8のグラフの時間tnであるとき、この時間tnに直近する車両無しの判定時間tn-mを求め(但し、tn>tn-m)、感知ON時間t=tn-tn-mを求める。そして、感知ON時間tに亘る背景差分(図8においてSn)を求める。一続きの感知ON時間(「OFF」と「OFF」とで挟まれる間)は、1台の車両が感知エリアを通過する時間と考えられる。従って、時間tに亘る背景差分(時間tn-mからtnまでの背景差分の総和)の平均は、この車両における平均背景差分となる。この平均背景差分を降水比較値としてもよいが、ここでは、時間tに亘る背景差分の平均と、過去複数台の車両分の感知ON時間に亘る背景差分の平均とを積算し、この積算値の平均を降水比較値とする。つまり、現在の車両だけでなく、過去の車両についても加味した値とする。降水閾値は、経験値などを参照して予め設定し、記憶手段4mに入力しておき、判定手段4jが呼び出せるようにしておく。具体的な判定手順は、後述する。
なお、上記説明では、tn-m<tnを想定しているが、タイマ手段が一定周期で時間を計測する場合、tn-mとtnとの大小関係が逆転する、いわゆるオーバーフローすることが考えられる。例えば、tn-m=99>tn=2の場合、オーバーフローである。このような場合、オーバーフローを適宜補正する処理を行うように降水比較部を構成しておく。例えば、tn-mとtnとの大小を比較し、tn-m>tnのとき、tnに周期数:100を足すといった処理を行う。
その他、検知装置1は、赤外線素子2、アンプやA/D変換器、車両判定部3、降水判定部4、後述する出力部6といった電力が必要な需要部材に電力供給を行うソーラー電源5を具える。ソーラー電源5は、太陽光を受光するパネル部5pと、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換する変換部5cと、余剰の電気エネルギーを充電するバッテリ部5bとを具える。バッテリ部の代わりに電気二重層コンデンサでもよい。変換部5c及びバッテリ部5bと、需要部材との間を接続する配線には、切り換えスイッチを具え、このスイッチの切り換え操作により、需要部材は、変換部5c、又はバッテリ部5bから電力が供給される。
検知装置1は、車両判定部3の車両判定結果や降水判定部4の降水判定結果を外部装置に出力する出力部6を具える。外部装置は、信号制御装置や管制センターへの送信装置が挙げられる。出力部6は、無線により判定結果を外部装置に送信可能なアンテナを具える。
赤外線素子2、車両判定部3、降水判定部4、バッテリ部5b、変換部5cは、アルミニウム製の筐体1pに収納している。筐体1pにおいて赤外線素子2の検知方向前方には、ZnS製の赤外線透過レンズを配している。この筐体1pは、赤外線素子2が路面側からの赤外線を道路100の側方から受光可能なように支柱110に取り付けている。いわゆるサイドファイア式配置である。このような配置により、監視範囲Mの所定の位置に感知エリアSが投影された状態となる。また、パネル部5p、出力部6も支柱110に取り付けている。
車両検知装置1を用いて、車両の有無の判定及び降水の有無の判定を行う手順を具体的に説明する。まず、車両の有無を判定する手順を説明する。図3は、本発明車両検知装置が車両の有無を判定する手順を示すフローチャートである。赤外線素子の作動により、処理が始まる。処理開始直後は、背景レベル及び車両閾値の初期学習を行い(ステップS10)、背景レベル及び車両閾値が実際の環境により即した値となるようにしている。車両判定部の入力手段は、赤外線素子から得られた起電力をアンプで増幅した後、A/D変換した入力レベル値を取得する(ステップS11)。次に、車両判定部の比較値演算手段は、背景レベルと入力レベル値とを用いて車両比較値を演算し、車両判定部の閾値演算手段は、車両閾値を演算する(ステップS12)。次に、車両判定部の判定手段は、車両比較値と車両閾値とを比較し(ステップS13)、車両比較値が車両閾値以上のとき、車両有りと判定する(ステップS14)。
車両有りと判定した場合、車両判定部は、この車両有りとの判定に用いた入力レベル値(以下、感知ONレベル値と呼ぶ)及びこのときの判定に用いた背景レベルを降水判定部に送り、降水判定部が降水の有無を判定できるようにする。降水判定部は、車両判定部から感知ONレベル値及び背景レベルを受け取ったら、降水の有無を判定する(ステップS15)。更に、車両判定部は、タイマ手段を利用して、車両有りとの判定を行った判定時間を計測し、この判定時間も降水判定部に送る。
一方、車両比較値が車両閾値未満のとき、車両判定部の判定手段は、車両無しと判定する(ステップS16)。車両無しとの判定に用いた入力レベル値及びこのときの判定に用いた背景レベルは、降水の有無の判定に用いないため、車両判定部は、この判定に用いた入力レベル値を降水判定部に送らない。但し、車両判定部は、タイマ手段を利用して、車両無しとの判定を行った判定時間を計測し、この判定時間を降水判定部に送る。
車両の有無の判定に用いた入力レベル値は、次の判定に用いる背景レベルの演算に利用する。そこで、車両判定部の背景レベル演算手段は、車両の有無の判定が終わったら、判定に用いた入力レベル値を用いて、背景レベルを演算する(ステップS17)。更に、車両判定部は、判定結果を出力部に送り、信号制御装置などの外部装置に判定結果を送信できるようにする。出力部は、受け取った判定結果を外部装置に出力する(ステップS18)。車両の判定結果は、随時送信してもよいし、記憶手段に判定結果を保存しておき、保存された判定結果を所定の間隔で送信してもよい。以下、車両判定部は、ステップS11以降の手順を繰り返す。
次に、降水の有無を判定する手順を説明する。図4は、本発明車両検知装置が降水の有無を判定する手順を示すフローチャートである。降水判定部は、車両有りとの判定に用いた入力レベル値(感知ONレベル値)が車両判定部から送られているか否かを調べ(ステップS20)、感知ONレベル値が有れば、降水判定部の入力手段は、感知ONレベル値、及び感知ONレベル値と共に送られてきた背景レベルを取得する(ステップS21)。次に、降水判定部の比較値演算手段は、感知ONレベル値と背景レベルとを用いて降水比較値Rを演算する(ステップS22)。具体的には、感知ONレベル値をan、背景レベルをbnとするとき、背景差分|an−bn|を求める。また、判定時間tnを用いて、車両有りとの判定が継続して行われている時間:感知ON時間tを求める。感知ON時間tは、現在の判定時間と、車両無しから車両有りに判定が変わったときの判定時間tn-mとの差:(tn-tn-m)を求めることで得られる。更に、感知ON時間tに亘る背景差分:SN=Σ|an−bn|とするとき、感知ON時間tに亘る背景差分の平均Bm=SN/tを求める。そして、平均Bmを複数台(ここでは32台)分求め、この複数台分の背景差分の平均についての平均値を降水比較値Rとする。つまり、R=(1/32)×ΣBm (但し、Σはm=1〜32の総和)を演算する。過去の平均Bは、演算後、一時的に記憶手段に保存しておき、降水比較値Rを演算する際に呼び出せるようにしておくと、演算が容易である。
次に、降水判定部の判定手段は、予め設定して降水判定部の記憶手段に入力されている降水閾値rを呼び出し、降水比較値Rと降水閾値rとを比較する(ステップS23)。そして、降水判定部の判定手段は、降水比較値Rが降水閾値r以下のとき、降水有りと判定し(ステップS24)、降水比較値Rが降水閾値r超のとき、降水無しと判定する(ステップS25)。判定結果が得られたら、降水判定部は、この結果を出力部に送り、信号制御装置などの外部装置に判定結果を送信できるようにする。出力部は、受け取った判定結果を外部装置に出力する(ステップS26)。出力部は、降水有りとの判定結果のみを出力するように構成してもよいし、降水の有無に係わらず、降水の判定結果を出力するように構成してもよい。また、降水有りとの判定結果は、速やかに出力するように出力部を構成し、降水無しとの判定結果は、記憶手段に一時的に保存しておき、降水有りとの判定結果が得られた際にまとめて出力するように出力部を構成してもよい。降水の出力結果を随時出力するように出力部を構成してもよい。以下、降水判定部は、ステップS20以降の手順を繰り返す。
以上説明したように本発明車両検知装置によれば、車両の有無と降水の有無とを共通のセンサで検知することができるため、車両検知用の装置と、降水検知用の装置との双方を設置する必要がない。特に、図1に示す検知装置では、消費電力が少ない赤外線素子を用いることから、大型な電源装置や電源線の布設が不要であり、これら電源設備の設置時間を大幅に短縮することができる。従って、本発明車両検知装置は、設置コストも低減できる。
<変形例1-1 赤外線素子を複数具える場合>
上記実施例1では、赤外線素子を一つ具える場合を説明したが、赤外線素子を複数具えてもよい。このとき、車両判定部は、各赤外線素子に基づく感知エリアごとに車両比較値と車両閾値とを比較し、車両比較値が車両閾値以上となる感知エリア(以下、この感知エリアをONエリアと呼ぶ)が所定数(例えば、2)以上の場合、車両有りと判定し、ONエリアが所定数未満の場合、車両無しと判定するように構成する。そして、降水判定部は、各ONエリアについて感知ONレベル値を取得し、感知ONレベル値ごとに降水比較値を演算して、降水閾値と比較し、降水比較値が降水閾値以下となっている比較結果が所定数以上の場合、降水有りと判定し、所定数未満の場合、降水無しと判定するように構成する。この構成は、複数の感知エリアについて、降水の有無を判定するため、検知精度を高めることができる。或いは、降水判定部は、複数のONエリアのうち、いずれか一つを選択し、選択されたONエリアについて感知ONレベル値を取得し、降水の有無を判定するように構成してもよい。
(実施例2 信号制御システム)
図5(A)は、十字交差点に本発明信号制御システムを構築した状態を示す概略図、(B)は、本発明システムの機能ブロック図である。図5において図1と同一物は、同一符号で示す。また、図5(B)において、車両検知装置1の構成要素を一部省略して示す。まず、交差点及びこの交差点で行われている信号制御について説明する。この交差点は、主道路101と従道路102とが交差する十字交差点であり、交差点近傍の支柱111〜114に車両用の交通信号灯器121〜124が取り付けられている。信号灯器121〜124は、支柱111に取り付けられた信号制御装置10によって灯色が制御される。信号制御装置10は、予め設定されている制御内容や管制センターの中央処理装置などから配信された制御内容に基づいて、信号灯器の制御を行う。一方、交差点近傍の支柱110には、車両検知装置1が取り付けられており、車両検知装置1は、降水情報(降水判定結果)を信号制御装置10に出力する。信号制御装置10は、取得した降水情報に応じて制御内容の変更を行う。このような信号制御装置10と上述した車両検知装置1とを具える信号制御システムにおいて、ここでは、信号制御装置10を詳細に説明し、車両検知装置1については説明を省略する。
信号制御装置10は、検知装置1の出力部6が出力した降水情報や管制センターの中央処理装置などから配信された情報などを入力する入力部10eと、入力された情報に基づいて信号灯器121〜124を制御する制御部10cと、設定された制御内容や管制センターなどからの情報を記憶する記憶部10mと、制御部10cからの命令に基づき信号灯器121〜124の灯色を切り換える開閉部10sと、灯色のステップ時間を計測する時計部10tとを具える。制御部10cなどは、筐体に収納して支柱111に取り付けている。入力部10eは、無線により送信可能なアンテナを具えており、このアンテナも支柱111に取り付けている。
図6は、主道路側の灯色ステップの例を示すタイムチャートであり、(A)は、基本制御の灯色配列、(B)は、サイクル時間を延長し、黄ステップを延長した灯色配列、(C)は、サイクル時間を延長し、全赤ステップを延長した灯色配列、(D)は、青ステップを短縮して黄ステップを延長した灯色配列、(E)は、青ステップを短縮して全赤ステップを延長した灯色配列である。信号制御装置10の記憶部10mには、図6(A)に示す基本制御の制御内容(灯色配列)を予め入力している。基本制御では、青、黄、全赤(主道路側信号灯器の灯色及び従道路側信号灯器の灯色の双方が赤)、赤、全赤の順に灯色を配列した灯色配列を繰り返し行う。各灯色は、所定の表示時間が定められており、所定の表示時間ごとに灯色が切り換えられる。信号制御装置10は、通常、図6(A)に示す基本制御を行い、降水有りとの情報を取得した場合、図6(B)〜(E)に示すような降水対応制御に切り換える。
具体的には、例えば、信号制御装置10が信号灯器121〜124以外の信号灯器と連携した制御を行っていない地点制御を行っている場合、基本制御の灯色配列のうち、特定の灯色の表示時間を延長し、この延長に伴って灯色配列のサイクル時間を延長させても信号灯器121〜124以外の信号灯器に与える影響は少ないと考えられる。従って、この場合、信号制御装置10は、降水有りとの情報を取得したら、図6(B)に示すように基本制御の灯色配列CBと比較して、黄ステップを延長した灯色配列Cy1、或いは、図6(C)に示すように全赤ステップを延長した灯色配列Cr1に変更する。黄ステップ及び全赤ステップの双方を延長した灯色配列としてもよい。そして、信号制御装置10は、降水有りとの情報を取得している間、この変更した灯色配列で信号制御を行い、降水有りとの情報が途絶えたら、或いは、降水無しとの情報を取得したら、基本制御に戻す。
信号制御装置10が信号灯器121〜124以外の信号灯器と連携した系統制御を行っている場合、基本制御の灯色配列のうち、特定の灯色の表示時間を延長させると共に、サイクル時間を延長すると、信号灯器121〜124以外の信号灯器との連携がうまく取れなくなり、円滑な交通を妨げる恐れがある。従って、この場合、信号制御装置10は、基本制御の灯色配列CBのサイクル時間を変更せずに、特定の灯色の表示時間を変更する。具体的には、信号制御装置10は、降水有りとの情報を取得したら、図6(D)に示すように基本制御の灯色配列CBにおいて、青ステップの表示時間を短縮し、その短縮時間分だけ黄ステップを延長した灯色配列Cy2、或いは、図6(E)に示すように全赤ステップを延長した灯色配列Cr2に変更する。黄ステップ及び全赤ステップの双方を延長した灯色配列としてもよい。そして、信号制御装置10は、降水有りとの情報を取得している間、この変更した灯色配列で信号制御を行い、降水有りとの情報が途絶えたら、或いは、降水無しとの情報を取得したら、基本制御に戻す。
なお、ここでは、主道路側の制御内容のみを説明しているが、主道路側の制御内容の変更に伴い、従道路側も変更する。
次に、信号制御装置が信号制御を行う手順を説明する。図7は、降水情報を受け取った信号制御装置が信号制御を行う手順を示すフローチャートである。信号制御装置は、車両検知装置からの降水情報の有無を調べ(ステップS30)、降水情報が有る場合、信号制御装置の入力部は、降水情報を入力する(ステップS31)。ここでは、降水情報は、降水有りと降水無しとの双方を含むものとする。そこで、信号制御装置は、入手した降水情報に基づき降水の有無を調べ(ステップS32)、降水有りの場合、基本制御から上述した特定の灯色の表示時間を延長した延長制御に制御内容を変更する。ここでは、降水有りの情報が入力されている間、延長制御を行うものとする。そこで、降水有りの場合、信号制御装置は、現在の制御内容が基本制御か否かを調べる(ステップS33)。基本制御でない場合、延長制御が行われているため、ステップS30以降を繰り返す。基本制御である場合、延長制御に変更が必要である。ここでは、変更した制御内容は、現在のサイクルが終了した後、次回のサイクルから用いるようにする。そこで、信号制御装置は、現在のサイクルが終了したか否かを調べる(ステップS34)。現在のサイクルが終了した後、上述した図6(B)〜(E)に示すような延長制御に変更を行う(ステップS35)。以下、ステップS30以降を繰り返す。
一方、取得した降水情報が降水無しのとき、雨などが降っていない場合と、雨などが上がった場合とが考えられる。前者の場合、基本制御のままでよく、延長制御に変更する必要がない。しかし、後者の場合、現在行われている延長制御から基本制御に戻す必要がある。そこで、降水無しの場合、信号制御装置は、現在の制御内容が基本制御か否かを調べる(ステップS36)。基本制御であるとき、雨などが降っていないと考えられる。従って、基本制御に戻す必要がなく、そのまま基本制御を行う。以下、ステップS30以降を繰り返す。一方、基本制御でないとき、つまり、延長制御を行っているとき、雨などが上がったと考えられる。そこで、信号制御装置は、現在のサイクルが終了したか否かを調べ(ステップS37)、現在のサイクルが終了した後、図6(A)に示す基本制御に戻す(ステップS38)。以下、ステップS30以降を繰り返す。
以上説明したように、本発明信号制御システムは、設置作業性に優れる実施例1の車両検知装置1を具えることで、簡単に構築することができる。また、本発明信号制御システムは、降水情報に基づいて信号制御を行う、具体的には、黄ステップや全赤ステップを延長することで、降水の際の事故を効果的に防止し、交通安全の維持に貢献すると考えられる。特に、気象の変化が起きた際に速やかに上述したような制御内容に変更することで、例えば、雨などの降り始めに生じ易いスリップ事故の防止に効果があると考えられる。また、上記で説明した構成では、降水の間、黄ステップや全赤ステップを延長しているため、車両が速度超過になることを効果的に防止できると考えられる。
更に、本発明信号制御システムは、車両検知装置と信号制御装置とを別個に配置する構成としており、雨センサと信号制御装置とが一体である構成と異なり、両者を離して配置させることができる。例えば、車両の進行方向に対して車両検知装置を上流側、信号制御装置を下流側に配置することができる。このとき、車両検知装置は、降水を検知した際、車両が進行していく側に配置される信号制御装置に降水情報を出力できる。つまり、車両検知装置を通過した車両がこれから従うであろう交通信号灯器の制御内容を降水情報に応じて迅速に変化させられる。このように本発明システムは、信号制御装置を中心とした広範囲の天候を制御に反映することができるため、より多くの車両の交通安全の維持に貢献できると予想される。
なお、上記構成では、降水有りとの情報を取得したとき、延長制御に変更し、変更後に、降水無しとの情報を取得したら、基本制御に戻す構成について説明したが、延長制御に変更した後、所定のサイクル数のみ延長制御を行い、所定のサイクル数が終了したら基本制御に戻すように構成してもよい。この構成は、例えば、スリップなどの事故が発生し易い雨などの降り始めのみ、延長制御を行う場合に利用することができる。このとき、信号制御装置は、延長制御に変更し、所定のサイクル数経過後、基本制御に戻してから、降水無しとの情報が得られるまで、制御内容の変更を行わないように構成する。
また、上記構成では、降水有り及び降水無しの双方の情報が出力され、信号制御装置は、双方の情報を取得する構成について説明したが、降水有りとの情報のみが出力され、信号制御装置は、降水有りの情報のみを取得する構成としてもよい。この場合、降水有りの情報が途切れたときが降水無しと考えられる。従って、図7に示すフローチャートにおいて、降水情報があるとき、ステップS33以降を行い、降水情報がないとき、ステップS36以降を行うように信号制御装置を構成する。
なお、上述した実施例1,2及び変形例は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明車両検知装置は、交通量などの検知が望まれる道路などに配置して、車両の検知に利用することができる。かつ、本発明車両検知装置は、交通量に合わせて気象観測が望まれる道路に設置して、降水の検知に利用することができる。本発明信号制御システムは、交差点などに配置される交通信号灯器の制御に利用することができる。特に、本発明信号制御システムは、降水の際に適した信号制御を行うことができ、降水が生じ得る道路に好適に利用することができる。
道路に立てられた支柱に本発明車両検知装置を設置した状態を示す説明図である。 本発明車両検知装置の機能ブロック図である。 本発明車両検知装置が車両の有無を判定する手順を示すフローチャートである。 本発明車両検知装置が降水の有無を判定する手順を示すフローチャートである。 (A)は、十字交差点に本発明信号制御システムを構築した状態を示す概略図、(B)は、本発明システムの機能ブロック図である。 主道路側の灯色ステップを示すタイムチャートであり、(A)は、基本制御の灯色配列、(B)は、サイクル時間を延長し、黄ステップを延長した灯色配列、(C)は、サイクル時間を延長し、全赤ステップを延長した灯色配列、(D)は、青ステップを短縮して黄ステップを延長した灯色配列、(E)は、青ステップを短縮して全赤ステップを延長した灯色配列である。 降水情報を受け取った信号制御装置が信号制御を行う手順を示すフローチャートである。 赤外線素子からの入力レベル値を模式的に示す波形グラフと、車両の有無を示すON/OFFグラフである。
符号の説明
1 車両検知装置 1p 筐体 2 赤外線素子 3 車両判定部 3e,4e 入力手段
3j,4j 判定手段 3m,4m 記憶手段 3o,4o 演算手段 4 降水判定部
5 ソーラー電源 5b バッテリ部 5c 変換部 5p パネル部 6 出力部
10 信号制御装置 10c 制御部 10e 入力部 10m 記憶部 10s 開閉部
10t 時計部
110,111〜114 支柱 100 道路 101 主道路 102 従道路
121〜124 交通信号灯器 200 車両 M 監視範囲 S 感知エリア

Claims (4)

  1. 道路上の監視範囲に存在する検知対象からの赤外線を感知する赤外線素子と、この素子から得られた入力レベル値を用いて、前記監視範囲に存在する車両の有無を判定する車両判定部とを具える車両検知装置であって、
    入力レベル値のうち、車両判定部が車両有りとの判定に用いた入力レベル値に基づいて降水の有無を判定する降水判定部を具えることを特徴とする車両検知装置。
  2. 車両判定部は、入力レベル値のうち、車両以外の物体が発する赤外線の量に基づく値を演算し、得られた演算値を背景レベルとし、
    入力レベル値と背景レベルとを用いた演算値を利用して車両の有無を判定し、
    降水判定部は、車両有りとの判定に用いた入力レベル値及び背景レベルについて、入力レベル値と背景レベルとの差に基づく値を演算し、得られた演算値を降水比較値とし、降水比較値と閾値とを比較して降水の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
  3. 降水比較値は、入力レベル値と背景レベルとの差を積算した積算値に基づく演算値であることを特徴とする請求項2に記載の車両検知装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の車両検知装置と、
    この車両検知装置から降水判定結果を取得し、降水有りのとき、信号制御内容を降水対応制御に変更する信号制御装置とを具えることを特徴とする信号制御システム。
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