JP2007172246A - 車両検知装置及び逆走車両検知システム - Google Patents

車両検知装置及び逆走車両検知システム Download PDF

Info

Publication number
JP2007172246A
JP2007172246A JP2005368242A JP2005368242A JP2007172246A JP 2007172246 A JP2007172246 A JP 2007172246A JP 2005368242 A JP2005368242 A JP 2005368242A JP 2005368242 A JP2005368242 A JP 2005368242A JP 2007172246 A JP2007172246 A JP 2007172246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
warning
information
reverse running
vehicle detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005368242A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Nishihara
勉 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2005368242A priority Critical patent/JP2007172246A/ja
Publication of JP2007172246A publication Critical patent/JP2007172246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】電源線を敷設することなく設置することが可能な車両検知装置、及びこの車両検知装置を具える逆走車両検知システムを提供する。
【解決手段】車両検知装置1は、二つのサーモパイル素子をセンサとし、センサの電力供給手段として、パネル部11Pを有するソーラー電源部を具える。この構成により車両検知装置1は、電源線を敷設することなく簡単に道路100に設置することができる。道路100には、警告出力部21を具える警告手段2が配される。車両検知装置1は、逆走車両300Rを検知したら、情報出力部14にて逆走車両情報を出力し、警告手段2は、情報入力部20にてこの逆走車両情報を受け取り、制御部22が警告出力部21の電源をONにして、警告情報を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、逆走車両を検知可能な車両検知装置、及びこの検知装置を具える逆走車両検知システムに関するものである。特に、逆走車両を精度よく検知することができながら、設置作業性に優れる車両検知装置に関するものである。
高速道路や一般道などにおいて、車両を運転する運転者が当該道路に規定される走行方向を誤り、車両を逆方向に走行させることがある(以下、このような車両を逆走車両と呼ぶ)。逆走車両が存在すると、規定の走行方向を正しく走行する車両(以下、このような車両を順走車両と呼ぶ)と逆走車両とが衝突するなどの事故が起こる恐れがある。そのため、従来より、逆走車両の有無を検知し、逆走車両が存在した場合、逆走車両の運転者に逆走であることを警告したり、順走車両の運転者に逆走車両が存在することを警告する警告システムを構築し(例えば、特許文献1,2参照)、事故を未然に防ぐことが検討されている。
従来の警告システムは、逆走車両の有無を検知する車両検知器と、車両検知器が逆走車両を検知した際、この結果を受けて、逆走車両の運転者や順走車両の運転者に音声や文字などで警告を発する警告装置とを具える。車両検知器として、ループコイル式センサ、超音波センサ、発光部と受光部とを有する光式センサといったアクティブセンサを用いて逆走車両の検知を行う構成や、カメラ及び画像処理部を具え、得られた画像により逆走車両の検知を行う構成が特許文献1,2に開示されている。
一方、交通量や占有率などの交通流を調べるために車両を検知する装置として、赤外線感知センサを利用した車両検知器が提案されている(特許文献3,4参照)。この車両検知器は、サーモパイル素子といった赤外線を感知するセンサを具えており、車両が発する赤外線と、道路といった車両以外の物体が発する赤外線とをそれぞれ検出し、これら赤外線の量に基づいて車両の有無を判定する構成である。
特開2003−44984号公報 特開平10−269492号公報 特開2003−317186号公報 特開2004−302699号公報
従来の警告システムに具える車両検知器は、電源線が接続され、電源線により駆動に必要な電力が供給される。そのため、従来の警告システムを構築する場合、車両検知器や警告装置を道路に設置するだけでなく、上記電源線を敷設する必要がある。電源線の敷設には、通常、専用の作業設備が用いられ、この作業設備は、敷設作業中、道路に設置される。この設備の設置により道路が占有されることから、上記敷設作業は、円滑な交通を妨げることになり、好ましくない。
電源線の敷設作業をなくすために、車両検知器の電力供給に電源線を用いず、バッテリを利用することが考えられる。しかし、アクティブセンサやカメラを用いた従来の車両検知器は、消費電力が大きく、既存のバッテリでは十分な電力供給を行うことが難しい。
また、仮に電源線を用いないとしても、ループコイル式センサを利用する場合、センサを道路に埋没させる必要があるため、このセンサの設置にも交通規制が必要となる。超音波センサを利用する場合、道路を通過する車両に対してほぼ垂直に送波できるように送波部及び受波部を配置する必要がある。従って、超音波センサの取り付けには、道路幅に応じた水平材を有する門型の支柱が用いられており、この支柱の設置やセンサの取り付けに交通規制が必要となる。更に、超音波センサや従来の光式センサでは、発光部や送波部といった発信側部材と、受光部や受波部といった受信側部材とが必要であり、設置に時間がかかる。加えて、従来の警告システムは、電源線の敷設作業などを行うことでシステムの構築に時間がかかると共に、コスト高も招く。従って、できるだけ交通規制を行う時間を短くし、より簡単に設置することができる車両検知装置、及びより簡単に構築することができるシステムの開発が望まれる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、設置が容易でありながら、精度よく逆走車両の検知を行うことができる車両検知装置を提供することを目的の一つとする。また、本発明の他の目的は、容易に構築することができる逆走車両検知システムを提供することにある。
本発明車両検知装置は、車両の検知に用いるセンサをアクティブセンサではなくパッシブセンサとし、このセンサの駆動に必要な電源部を具えることで上記目的を達成する。具体的には、本発明車両検知装置は、道路上の監視範囲に存在する検知対象からの赤外線を感知する複数のサーモパイル素子と、これらサーモパイル素子から得られた入力レベル値を用いて、上記監視範囲を通過する車両の有無を判定する車両有無判定部とを具える。複数のサーモパイル素子のうち、少なくとも二つのサーモパイル素子は、各素子に基づく感知エリアが監視範囲内において車線方向に並べられるように具えられる。そして、この車両検知装置では、上記車両有無判定部が車両有りと判定した際、上記二つのサーモパイル素子から得られた入力レベル値を用いて、当該車両の走行方向が順方向か逆方向かを判定する走行方向判定部と、この走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、逆走車両情報を出力する情報出力部とを具える。更に、この車両検知装置は、上記サーモパイル素子に駆動電力を供給する第一ソーラー電源部を具える。
また、本発明逆走車両検知システムは、上記本発明車両検知装置と、この車両検知装置の情報出力部から出力された逆走車両情報を受け取り、警告を発する警告手段とを具える。警告手段は、上記情報出力部から出力された少なくとも逆走車両情報を受け取る情報入力部と、この情報入力部で受け取った逆走車両情報に基づき警告情報を出力する警告出力部とを具える。特に、本発明システムでは、逆走車両の運転者が警告を認識可能なように警告出力部を道路上に配する。
本発明車両検知装置及び本発明システムは、車両検知用のセンサとして、アクティブセンサやカメラよりも駆動に必要な消費電力が小さいパッシブセンサを利用する。特に、本発明では、ソーラー電源部でも十分駆動可能なサーモパイル素子をセンサとして用いる。従って、本発明では、センサ用電源線を不要とし、この電源線の敷設に伴う不具合をなくすことができる。また、パッシブセンサを用いることで、発信側部材を不要とすることができるため、本発明は、設置作業時間の短縮を図ることも可能である。更に、本発明システムは、少なくとも逆走車両の運転者に警告が認識できるように構成することで、事故防止に貢献すると期待される。以下、本発明をより詳しく述べる。
《車両検知装置》
<センサ及び感知エリア>
本発明装置は、車両の検知を行うセンサとして、複数のサーモパイル素子を具える。サーモパイル素子は、物体が発する赤外線により熱電対に発生した温度変化を熱起電力として出力する。物体が発する赤外線の量は、物体の絶対温度と相関関係にあり、道路上を走行する車両は、通常、道路と温度が異なる部分(代表的には、エンジンやタイヤなどの道路よりも高温な部分)を有する。従って、サーモパイル素子といった赤外線感知センサを道路面に向けて設置しておけば、車両が道路を通過した際、同素子が感知した入力レベル値が変化するため、この入力レベル値を用いれば、車両の有無を検知することができる。特に、熱起電力の出力が大きいサーモパイル素子を用いると、焦電センサなどの他の赤外線感知センサを用いることなく、サーモパイル素子のみで十分に赤外線の感知を行って、車両の検知が可能である。また、一つではなく複数のサーモパイル素子を用いることで、後述するように検知精度を高めることができる。そこで、本発明では、このようなサーモパイル素子を複数具える。
これら複数のサーモパイル素子は、各素子がそれぞれ別個の基板に配置された個別形状のもの、例えば、単素子チップ状のものを複数利用してもよいし、複数の素子が同一の基板に配置された一体化形状のもの、例えば、多素子チップ状のものを利用してもよい。サーモパイル素子を配置した基板は、回路基板に搭載して、筺体などに収納するとよい。多素子チップ状のものの場合、回路基板への搭載や筐体への収納を簡単に行うことができる。上記回路基板には、各サーモパイル素子の起電力を増幅するアンプや増幅された値のA/D変換を行うA/D変換器、後述する車両有無判定部、走行方向判定部などを搭載してもよい。上記筐体は、アルミニウムなどの軽量で強度、耐性に優れる金属材料からなるものが挙げられる。この筐体におけるサーモパイル素子の検知方向前方には、赤外線透過レンズ、例えば、一面が球面状でZnSから形成されるものを配置することが好ましい。その他、筐体には、赤外線透過レンズの指向角を目的の方向に合わせるための照準部を具えていてもよい。
道路上の監視範囲には、上記各サーモパイル素子に基づく感知エリアが素子数に応じて形成される。監視範囲内における感知エリアの配置形態は、各素子の配置形態に概ね依存する。例えば、複数のサーモパイル素子が一列に並べられている場合、監視範囲内における感知エリアは、車線方向に一列に並んだ状態、或いは車幅方向に一列に並んだ状態とすることができる。また、例えば、複数のサーモパイル素子が横列及び縦列からなる格子状に並べられている場合、監視範囲内における感知エリアは、車線方向及び車幅方向に格子状に並んだ形態とすることができる。これら複数の感知エリアは、隣接する他の感知エリアの領域と一部が重複するように設けてもよいし、間隔をあけずに接するように設けてもよいし、適当な間隔、例えば、車幅方向:20〜60cm程度、車線方向:50〜120cm程度の間隔をあけて設けられるようにサーモパイル素子の配置形態を調整してもよい。
特に、本発明装置は、監視範囲内に少なくとも二つの感知エリアが車線方向に並んで配されるように、サーモパイル素子を二つ以上具える。「二つの感知エリアが車線方向に並ぶ」とは、例えば、二つの感知エリアが車線方向に一列に並んだ状態でもよいし、二つの感知エリアが対角線上に並ぶ、つまり車線方向と車幅方向の両方にずれて並んだ状態でもよい。前者の場合、二つの感知エリアの中心間の距離が大き過ぎる、つまり感知エリアが車線方向に離れ過ぎると、各感知エリアをつくる二つのサーモパイル素子はそれぞれ、異なる車両を検知する恐れがある。一方、後者の場合も、車幅方向に並んだ二つの感知エリアの中心間の距離が大き過ぎる、つまり感知エリアが車幅方向に離れ過ぎると、各感知エリアをつくる二つのサーモパイル素子はそれぞれ、異なる車両を検知する恐れがある。本発明では、これら車線方向に並ぶ感知エリアをつくる二つのサーモパイル素子が同じ一台の車両を検知するように構成し、これらの素子の一方がある一台の車両を検知し、他方が異なる一台の車両を検知するように構成しないことが好ましい。従って、本発明では、少なくとも二つの感知エリアは、車線方向及び車幅方向共に近接させて並べられるようにすることが好ましい。少なくとも二つのサーモパイル素子により一台の車両を検知する構成とすると、一つのセンサに基づく感知エリアを小さくでき、S/N比の低下を低減して、検知精度を高められる。なお、一つの感知エリアの大きさとしては、20〜40cm×20〜40cm程度が挙げられる。
サーモパイル素子を二つのみとする場合、監視範囲において車両が最も走行する可能性が高い箇所、代表的には、道路の中央部に感知エリアが設けられるようにセンサの取り付け位置を調整することが好ましい。サーモパイル素子を三つ以上具える場合は、少なくとも二つのサーモパイル素子に基づく感知エリアが車線方向に並ぶようにする。三つ以上のサーモパイル素子に基づく感知エリアを車線方向に一列に並ぶように設ける場合は、上記二つのみの場合と同様に道路の中央部に感知エリアが設けられるようにすることが好ましい。車幅方向に複数の感知エリアを設ける場合は、少なくとも一つの感知エリアが道路の中央部に配されるようにすることが好ましい。監視範囲の大きさを車幅方向に広くする、例えば、一車線を超える大きさとし、車幅方向に複数の感知エリアが設けられるようにする場合、本発明装置は、障害物などが存在して車幅方向に車両が走行位置を変えたりした際にも、車両を適切に検知することができる。
<車両有無判定部>
本発明装置は、上記少なくとも二つのサーモパイル素子から得られた入力レベル値を用いて車両の有無を判定する車両有無判定部を具える。車両有無判定部は、判定、演算、記憶、入力レベル値の取得などといった種々の処理を行うことが可能なように、判定手段、演算手段、記憶手段、取得手段などを具えたものが利用できる。この点は、後述する走行方向判定部についても同様である。また、車両有無判定部は、入力レベル値の取得時間や判定結果を得た時間などの種々の時刻を計測できるようにタイマ手段を具えていてもよい。この車両有無判定部は、サーモパイル素子が搭載された回路基板に搭載して、これらの素子と共に上記筐体内に収納させてもよいし、別途設けた制御ボックス内に収納させてもよい。
[車両の有無の判定]
車両有無判定部がサーモパイル素子から得られる入力レベル値を用いて車両の有無を判定するには、例えば、特許文献3に記載される手法を基本手法として利用することができる。この手法は、サーモパイル素子からの入力レベル値を用いて背景レベルを演算し、この背景レベルを用いて更に比較値を演算し、この比較値を利用して、車両の有無を判定するものである。背景レベルは、サーモパイル素子から得られた入力レベル値のうち、車両以外の物体が発した赤外線に基づく値(例えば、アンプで増幅されA/D変換された値)を用いた演算値(例えば、指数平滑法に基づく演算値)としている。比較値は、この背景レベルと上記素子から得られた入力レベル値との差に基づく演算値(例えば、同差を一定時間積算した値や、この積算値に入力レベル値の単位時間当たりの変化量を加味した値)としている。閾値は、設定値+補正値としている。そして、これら背景レベルや閾値は、過去の処理結果(比較値と閾値との比較結果)に応じて変化させ、実際の環境により即した値としている。本発明では、複数のサーモパイル素子を具えることから、素子数に応じた複数の入力レベル値が得られることになる。そこで、本発明では、感知エリアごとに、その感知エリアをつくるサーモパイル素子から得られた入力レベル値を用いて背景レベルを演算する構成を提案する。そして、これら複数の入力レベル値及び背景レベルを用いて車両の有無を判定する方法として、I.複数の入力レベル値と複数の背景レベルとを組み合わせて用いた演算値を比較値として用いる方法、II.感知エリアごとに車両の存在可能性を判定し、得られた判定結果を総合判定する方法を提案する。
(車両有無判定方法I)
上記方法Iを利用する場合、例えば、特許文献4に記載される二つの手法を利用することができる。一つの手法は、感知エリアごとに、入力レベル値と背景レベルとの差を用いた演算値を求め、得られた演算値の和を比較値とし、この比較値が閾値以上の場合に車両有り、同比較値が閾値未満の場合に車両無しと判定するものである。もう一つの手法は、得られた複数の入力レベル値の和と複数の背景レベルの和との差を用いた演算値を第一比較値とし、複数の入力レベル値の差と複数の背景レベルの差との差を用いた演算値を第二比較値とし、まず、第一比較値が第一閾値以上か否かを判定すると共に、第二比較値が第二閾値以上か否かを判定する。次に、この手法は、これら二つの判定結果を総合的に判定し、少なくとも一方の比較値が閾値以上の場合に車両有り、両方の比較値が閾値未満の場合に車両無しと判定するものである。このような方法Iは、サーモパイル素子を二つのみ具える場合に好適に利用することができる。
(車両有無判定方法II)
方法IIとしては、感知エリアごとに入力レベル値と背景レベルとの差に基づく演算値を求めてこの演算値を比較値とし、この比較値が閾値以上となる感知エリア(以下、ONエリアと呼ぶ)の数に応じて、車両の有無を判定する。具体的には、ONエリアが所定数以上存在する場合に車両有りと判定し、所定数未満の場合に車両無しと判定することが挙げられる。この方法IIは、サーモパイル素子を二つ以上具える場合に好適に利用できる。
例えば、サーモパイル素子を二つのみ具える場合(このとき、感知エリアは、車線方向に並ぶように配する)、ONエリアが二つ存在する場合に車両有りと判定し、それ以外は車両無しと判定するように車両有無判定部を構成してもよい。車幅方向に複数の感知エリアが並ぶように複数のサーモパイル素子を具える車両検知装置の場合、ONエリアが車幅方向に所定数以上連続して存在するとき、この連続したONエリアを一つのグループとし、グループが存在する場合に車両有りと判定し、グループがない場合に車両無しと判定するように車両有無判定部を構成してもよい。また、複数のグループが存在すると共に、車線方向に並んでONエリアが存在する場合に車両有りと判定するように構成してもよい。本発明では、後述するように走行方向の判定に車線方向に並んだ感知エリアからの入力レベル値を利用するため、ONエリアが車線方向に並んで存在する場合に車両有りとの判定を行うように車両有無判定部を構成すると、走行方向の判定を簡単に行うことができる。
<走行方向判定部>
複数の感知エリアが車線方向に並べられている場合、車両の進行方向に対して手前側に配される感知エリアをつくるサーモパイル素子が走行する車両から入力レベル値を取得した時間と、同奥側に配される感知エリアをつくるサーモパイル素子が同入力レベル値を取得した時間とは異なるはずである。通常、手前側の感知エリアをつくるサーモパイル素子の方が、車両からの入力レベル値の取得時間が早く、奥側の感知エリアをつくるサーモパイル素子の方が、同じ車両からの入力レベル値の取得時間が遅くなる。つまり、車両は、車両からの入力レベル値の取得時間が早い方の感知エリアから、同遅い方の感知エリアに向かって走行する。従って、車線方向に並べられる二つの感知エリアをつくるサーモパイル素子が入力レベル値を取得した際、この入力レベル値に伴う時刻の大小関係を比較することで、車両の走行方向を判別することができる。
「入力レベル値に伴う時刻」としては、入力レベル値の取得時間をそのまま用いてもよいし、後述するように入力レベル値に基づいてONエリアであると判定された時刻を用いてもよい。入力レベル値の取得時間をそのまま用いる場合、例えば、入力レベル値におけるピーク時刻を用いることが挙げられる。入力レベル値は、検知対象からの赤外線の量を経時的に示すと時間的に変化する波形データとして取得することができる。この入力レベル値においてピーク(正負いずれのピークでもよい)が生じている場合、車両が存在すると考えられる。従って、このピークが生じたピーク時刻を車両の走行方向の判定に用いることができる。ピーク時刻を利用する場合、車両検知装置には、タイマ手段を設けて入力レベル値の取得時刻が計測できるようにし、走行方向判定部は、この時刻を取得できるように構成するとよい。ピークとしては、例えば、入力レベル値が増加から減少、或いは減少から増加に転じる時刻、つまり、入力レベル値の増減が変化する時刻が挙げられる。ピーク時刻の検出は、感知エリアごとに、所定範囲において行う。所定範囲としては、例えば、入力レベル値と背景レベルとの差を用いた演算値が閾値以上となった時刻から閾値未満となった時刻までの時間、つまり、この演算値が連続して閾値以上となっている時間が挙げられる。車両のうちでも特にエンジン部分やタイヤは、シャーシ(車体)といった他の部分よりも温度が高い場合が多く、波形データにおいて大きなピークを示し易い。従って、このような大きなピークをとる時刻を利用するとよい。1台の車両から得られた波形データの所定範囲内に複数のピークが存在することがある。例えば、前輪部分やエンジン部分からの入力レベル値によるピークと後輪部分からの入力レベル値によるピークが所定範囲に存在する場合が挙げられる。このように各波形データにおいて所定範囲に複数のピークが存在する場合、ピークの時間的順番(事象の時間的な順番(後先))や時間的位置(事象の絶対時刻又は相対時刻)などにより車両の同じ部位に基づくピークであると考えられるピーク、つまりある波形データと別の波形データとにおいて対応関係にあるピークについてそれぞれ時刻を検出するように走行方向判定部を構成するとよい。対応関係にあるピーク同士について時刻を検出するのであれば、所定範囲に存在する複数のピークのうち、いずれのピーク時刻を検出してもよく、例えば、所定範囲において最初に現れたピークの時刻を検出してもよい。ピーク時刻の検出は、車両の有無の判定を上記方法Iにより行う場合、方法IIにより行う場合のいずれにも利用することができる。
一方、入力レベル値の取得時間が異なることから、上記方法IIにより車両の有無を判定する場合、当然にONエリアであると判定された時刻も異なるはずである。従って、この判定時刻も車両の走行方向の判定に用いることができる。判定時刻を利用する場合、車両検知装置には、タイマ手段を設けて判定時刻が計測できるようにし、走行方向判定部は、この時刻を取得できるように構成するとよい。
なお、車線方向に並べられた感知エリアが三つ以上存在する場合、これらの感知エリアから任意の二つの感知エリアを選択してもよいし、特定の二つ、特に車線方向に隣接する二つの感知エリアを選択し、選択された感知エリアからの入力レベル値を用いるように走行方向判定部を構成してもよい。
そして、走行方向判定部は、道路に規定される走行方向を記憶手段に予め入力しておき、上記取得した時刻により車両の走行方向が判定されたら、例えば、その方向と、記憶手段から呼び出した規定の走行方向とを照合して、当該車両が順走であるか逆走であるかを判定するように構成する。
<情報出力部>
当該車両の走行方向が逆方向であると判定された場合、当該車両と順方向に走行する別の車両とが衝突するなどの事故が発生する恐れがある。そこで、本発明装置は、逆走車両を検知した際、後述する警告手段に対して逆走車両情報を出力する情報出力部を具える。情報出力部と、後述する警告手段との間において逆走車両情報の受け渡しは、無線にて行う構成としてもよいし、有線にて行う構成としてもよい。
その他、本発明装置は、後述する警告手段の配置箇所とこの車両検知装置の配置箇所との間の距離を記憶する記憶手段(第一記憶手段)を具え、情報出力部は、逆走車両情報と共に、上記第一記憶手段から呼び出した距離情報を出力するように構成してもよい。また、本発明装置は、車両有無判定部が車両有りと判定し、走行方向判定部がこの車両の走行方向を逆方向であると判定した際、この車両の速度を演算する速度演算手段を具え、情報出力部は、逆走車両情報と共にこの速度情報も出力できるように構成してもよい。更に、本発明装置は、上記速度演算手段に加えて、得られた速度を用いて、後述する警告手段の配置箇所にこの車両が到達する予想時間を演算する到達時間演算手段を具えておき、情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた予想時間情報を出力するように構成してもよい。速度の演算方法、予想時間の演算方法、距離情報の用途、速度情報の用途、予想時間情報の用途については、後述する。
<車両検知装置のソーラー電源部>
本発明装置は、車両の検知を行うセンサとして、アクティブセンサやカメラと比較して消費電力が小さいサーモパイル素子を利用する。このようなセンサは、駆動電力の供給をソーラー電源部により行うことができる。そこで、本発明装置は、センサの電力供給源として第一ソーラー電源部を具える。このソーラー電源部としては、太陽光を受光するパネル部と、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換する変換部と、余剰の電気エネルギーを充電するバッテリ部或いは電気二重層コンデンサ部とを具える構成が挙げられる。公知の構成のものを利用してもよい。このソーラー電源部は、センサだけでなく、車両有無判定部や走行方向判定部、情報出力部の駆動電力の供給に用いてももちろんよい。これらの部材も比較的消費電力が小さいため、ソーラー電源部により十分に電力を賄うことができる。このような第一ソーラー電源部を具える本発明装置は、電源線が不要であり、電源線の敷設作業を行う必要がないため、簡単に設置することができ、設置に伴う交通規制を低減する、或いは交通規制を不要とすることができる。
<車両検知装置の配置>
本発明装置は、車両の検知を行うセンサとして、物体から発せられる赤外線を感知するサーモパイル素子を利用する。そのため、本発明装置は、車両の斜め上方に位置するように取り付ける、いわゆるサイドファイア式に設置することが可能である。ループコイル式センサや超音波センサなどを具える従来の車両検知器の取り付けには、道路幅に対応した大型の水平材を有する門型の支柱を用いるが、本発明装置の取り付けには、そのような大型の水平材が不要であり、小型の水平材を有するL字状の支柱、或いは水平材を有していない棒状の支柱とすることができる。このことからも本発明装置は、取り付け作業を簡単に行うことができ、設置作業に伴う交通規制を低減する。また、門型の支柱が不要であることで、本発明装置の設置により美観を損なうこともない。本発明装置を取り付ける支柱には、上記制御ボックスや上記ソーラー電源部のパネル部、アンテナといった情報出力部なども取り付けてもよい。
<その他の車両検知装置の構成>
その他、本発明車両検知装置は、管制センターなどに有線や無線にて車両の有無情報を受け渡し可能な構成としたり、管制センターなどからの情報を受け取り可能な構成としてもよい。本発明装置においてこのような情報の授受を行う部材は、筐体内や制御ボックスに収納させてもよいし、筐体を取り付ける支柱に別途取り付けてもよい。車両検知装置が管制センターに伝送する情報としては、例えば、逆走車両や順走車両の有無の判定結果などが挙げられる。管制センターなどから伝送される情報としては、例えば、メンテナンス指令などが挙げられる。
《逆走車両検知システム》
本発明システムは、上記構成を具える車両検知装置と警告手段とを具える。警告手段は、車両検知装置から出力された逆走車両情報を受け取り、逆走車両の運転者や順走車両の運転者に逆走車両に関する警告を発するものである。具体的には、車両検知装置の情報出力部から出力された少なくとも逆走車両情報を受け取る情報入力部と、この情報入力部で受け取った逆走車両情報に基づき警告情報を出力する警告出力部とを具える。
<警告手段>
車両検知装置は、逆走車両有りという逆走車両情報(電気信号)を警告手段に出力する。警告手段は、情報入力部で逆走車両情報を受け取ったら、警告情報を警告出力部にて出力する。警告は、逆走車両の運転者に対するものと、順走車両の運転者に対するものが考えられる。本発明システムは、少なくとも逆走車両の運転者が警告を認識できるように警告出力部(第一警告出力部)を道路上に配置させた警告手段(第一警告手段、以下、逆走車両用の警告手段と呼ぶ)を具える。警告手段の情報入力部と警告出力部とは、近傍に配置させることが好ましく、例えば、道路上に配される同じ支柱に取り付けてもよい。
本発明システムは、警告手段を一つだけ具えてもよいし、複数具えていてもよい。また、複数の警告手段を全て逆走車両用としてもよいし、少なくとも一つの警告手段を逆走車両用の警告手段とし、残りを順走車両用の警告手段、即ち、順走車両の運転者が警告を認識可能なように警告出力部(第二警告出力部)を道路上に配置させた警告手段(第二警告手段)としてもよい。この場合、双方の車両の運転者が逆走車両の存在を認識できる可能性が高まるため、事故の防止に効果的である。
[警告出力部]
警告出力部は、道路上や道路わきに配置された状態において車両の運転者が直接的に警告を認識可能な構成としてもよいし、車両に搭載される車載装置を介して警告を認識可能な構成としてもよい。
(車両の運転者が警告出力部により警告を直接認識可能な構成)
車両の運転者が直接的に警告を認識可能な警告出力部としては、例えば、警告情報を視覚的な表示及び聴覚的な表示の少なくとも一方の表示が可能な構成とすることが挙げられる。視覚的な表示が可能な警告出力部としては、警告情報を文字及び図形の少なくとも一方により表現し、表現された内容を表示できるようなモニタや掲示板などを利用することが挙げられる。より具体的には、警告出力部として、例えば、LEDなどの発光部材を用いた電光掲示板を利用してもよい。聴覚的な表示が可能な警告出力部としては、警告情報を音声により表現し、表現された内容を発することができるようなスピーカなどの拡声器を利用することが挙げられる。
(車両の運転者が車載装置を介して警告を認識可能な構成)
本発明システムは、車両に搭載される車載装置、例えば、カーナビゲーションシステムに具えるモニタや内蔵スピーカなどを具える車載装置を利用して車両の運転者が警告を視覚的又は聴覚的に認識できる構成としてもよい。このとき、警告出力部は、上記車載装置に警告情報を出力するように構成する。特に、警告出力部は、走行中の車両に対して警告情報を受け渡すことができるように、無線にて警告情報を送信する構成としておく。車載装置は、警告情報を受信可能な構成しておく。例えば、VICSの電波ビーコンや光ビーコンといった公知の通信システムを利用して警告情報の送受を行うように構成してもよい。より具体的には、車両検知装置の情報出力部は、管制センターに逆走車両情報を出力するように構成し、警告手段の情報入力部は、管制センターを介して車両検知装置からの逆走車両情報を受け取るように構成し、警告出力部は、受け取った警告情報を電波などで車載装置に送信可能なように構成することが挙げられる。このように、情報出力部と情報入力部との間の情報の受け渡しは、管制センターなどを介在させて行ってもよい。
(逆走車両用の警告手段)
本発明システムは、逆走車両用の警告手段を少なくとも一つ具える。この逆走車両用の警告手段(特に、警告出力部)は、逆走車両の運転者が警告を受け取れるように道路上において逆走車両の進行方向前方となる箇所に配置する。警告出力部として、掲示板やスピーカなどといった直接的な表示機能を有する構成のものを利用する場合、逆走車両の運転者が表示内容を見易いように又は聞き易いように警告出力部を道路上に配置する。警告出力部として、車載装置を介して警告を表示する構成のものを利用する場合、車載装置が警告情報を受信可能なように警告出力部を道路上に配置する。このような警告出力部の配置箇所と車両検知装置の配置箇所との間の距離が短い、つまり両者が近過ぎると、逆走車両の運転者が警告を受け取れないことが考えられる。例えば、上記直接的な構成の警告出力部の場合、表示を見落としたり、内容を聞きそびれたり、上記車載装置を介する間接的な構成の警告出力部の場合、車載装置が警告情報を受信できなかったりすることが考えられる。従って、両者間は、ある程度離して配置することが好ましく、例えば、その間の距離を200m程度とすることが挙げられる。また、ある程度の間隔、例えば、200m程度あけて逆走車両用の警告手段を複数配置させると、逆走車両の運転者が、逆走車両の進行方向手前側(逆走車両に近い側)に配置された警告手段を通過して表示内容を見落としたり、聞きそびれたり、車載装置が警告情報を受信し損なったりしても、同進行方向奥側(逆走車両に遠い側)に配されるいずれかの警告手段により警告を認識できる可能性が高まる。
上述のように逆走車両用の警告手段を道路上に複数配置させる場合、これら警告手段に具える警告出力部の全てが一斉に警告情報を出力し、一斉に出力を停止するようにしてもよいが、特定の警告手段の警告出力部のみが警告情報を出力するように警告手段を構成してもよい。逆走車両の進行方向奥側に配される警告手段に逆走車両が到達する前に、同進行方向手前側に配される警告手段の警告出力部により逆走車両の運転者が警告を認識することが考えられるため、一斉に全ての警告出力部が警告情報を出力しなくてもよい。そこで、警告手段には、警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部を具えておき、逆走車両を検知した時点では一部の警告手段の警告出力部のみ、特に、逆走車両を検知した車両検知装置から所定の範囲に存在する警告手段の警告出力部のみが警告情報を出力するように、各警告手段の制御部を構成してもよい。事故を未然に防ぐという観点から考えると、逆走車両有りとの判定を行った車両検知装置からより近い位置に配される警告手段の警告出力部は、警告情報を出力することが好ましく、少なくとも最も近い位置に配される警告手段は、逆走車両情報を取得したら、警告出力部の電源をONにし、警告情報を出力するように制御部を構成することが好適である。
特定の警告手段の警告出力部のみが警告情報を出力できるようにするには、例えば、車両検知装置が特定の警告手段にのみ逆走車両情報を受け渡すように情報出力部を構成してもよいし、車両検知装置が特定の警告手段も含めて複数の警告手段に逆走車両情報を受け渡す場合、車両検知装置は、逆走車両情報と共に装置を識別する個体情報も出力するように構成し、各警告手段は、個体情報に基づき警告情報を出力するか否かを判定するように構成してもよい。
特定の警告手段以外の警告手段については、例えば、特定の警告手段と時間差で警告情報を出力するように構成してもよい。時間差で出力するには、例えば、逆走車両情報を取得してから予め設定した所定時間後に警告出力部の電源をONにするように、上記特定の警告手段以外の警告手段の制御部を構成することが挙げられる。このとき、車両検知装置は、逆走車両情報と共に個体情報も出力するようにしておき、警告手段の制御部は、個体情報に基づき、警告情報の出力を直ちに行うのか、所定時間経過後に行うのかを判定できるように構成しておくとよい。
或いは、以下のようなシステムを構築してもよい。このシステムは、複数の車両検知装置を逆走車両の進行方向手前側から奥側に向かって配置し、上記特定の警告手段は、手前側(逆走車両から近い側)の車両検知装置からの逆走車両情報に基づき警告情報を出力し、それ以外の警告手段は、奥側(逆走車両から遠い側)の車両検知装置からの逆走車両情報に基づき警告情報を出力するように構成することが挙げられる。各車両検知装置はそれぞれ、所定の警告手段にのみ逆走車両情報を受け渡すように構成してもよいし、逆走車両情報と共に個体情報も出力するように構成しておき、各警告手段は、個体情報に基づいて警告出力部の電源をONにするか否かを判定するように構成してもよい。
(順走車両用の警告手段)
逆走車両用の警告手段に加えて、順走車両用の警告手段も具えるシステムとする場合、最初に逆走車両を検知した車両検知装置の配置箇所と順走車両用の警告手段の配置箇所との間の距離が短い、つまり、両者が近過ぎると、順走車両と逆走車両とが近付き過ぎて、事故を防止できないことが考えられる。そこで、両者間もある程度離して配置することが好ましく、例えば、その間の距離を1〜3km程度とすることが挙げられる。また、ある程度の間隔、例えば、500m〜1km程度あけて順走車両用の警告手段を複数配置させると、順走車両の運転者は、順走車両の進行方向手前側(順走車両から近い側)に配置された警告手段により警告を認識し損なっても、同進行方向奥側に配されるいずれかの警告手段により警告を認識できる可能性が高まる。
<警告手段のソーラー電源部>
このような警告手段は、逆走車両が存在したときのみ駆動させ、その他の場合は、駆動させないといった間欠的な使用も可能である。特に、逆走車両情報を受け取った場合のみ警告出力部の電源をONとし、逆走車両情報を受け取っていないときは警告出力部の電源をOFFにして警告出力部を駆動させないように警告手段を構成すると、消費電力が大きい警告出力部の消費電力を低減できる。そのため、警告手段の電源として、ソーラー電源部を利用することができる。このソーラー電源部(第二ソーラー電源部)は、上述した車両検知装置に具えるものと同様に構成するとよく、公知のものを利用してもよい。
<逆走車両情報の受け渡し>
情報出力部と情報入力部との間における逆走車両情報の受け渡しは、上述のように無線でも有線でもいずれで行ってもよい。無線にて行う場合、情報出力部と情報入力部との間には、必要に応じて中継器を具え、中継器を介して逆走車両情報の受け渡しを行ってもよい。逆走車両情報の受け渡しを有線にて行う場合、情報出力部及び情報入力部との間には、通信線を配する。
<警告出力部のON/OFF>
[所定時間(固定値)経過後にOFFする場合]
上述のように情報入力部が逆走車両情報を受け取って、警告出力部で警告情報を出力するときのみ警告出力部を駆動するようにすると、消費電力の低減を図ることができる。特に、警告出力部として、視覚的な表示機能や聴覚的な表示機能を有する構成のものを利用する場合、消費電力が比較的大きくなるため、消費電力の低減が望まれる。そこで、警告手段には、警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部を具えておき、例えば、情報入力部が逆走車両情報を受け取ったら、警告出力部の電源をONにし、予め設定した所定時間経過後、警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成することが挙げられる。警告手段が逆走車両情報を受け取っても、直ちに警告情報を出力しないことがある場合や時間差で警告情報の出力を行う場合、この警告手段は、警告出力部にて警告情報を出力するとの判定がなされたら、警告出力部の電源をONにするように構成してもよい。このような制御を行う警告手段には、タイマ手段を具えておき、警告出力部の電源をONにしてからの時間を計測できるようにしておく。所定時間は、車両検知装置と警告手段との間の距離に応じて適宜設定するとよく、車両の運転者が警告を認識するのに十分な時間とするとよい。
[所定時間(演算値)経過後にOFFする場合]
上述のように所定時間を固定値としてもよいが、速度に応じて逆走車両が警告手段の配置箇所に到達する時間は変動するため、所定時間は、変動値とすることが好ましい。そこで、逆走車両の速度を求めて、逆走車両が警告手段の配置箇所に到達するまでの予想時間を演算し、この予想時間に応じて警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成してもよい。また、予想時間に応じて、警告出力部の電源をONにするように制御部を構成してもよい。予想時間の演算は、車両検知装置が行ってもよいし、警告手段が行ってもよい。
(車両検知装置が予想時間を演算する場合)
この場合、車両検知装置は、車両有無判定部が車両有りと判定し、走行方向判定部がこの車両の走行方向を逆方向であると判定した際、当該車両の速度を演算する速度演算手段と、得られた速度を用いて、警告手段の配置箇所に当該車両が到達する予想時間を演算する到達時間演算手段とを具えておく。そして、情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた予想時間情報を出力するように構成する。警告手段は、情報入力部にて逆走車両情報と共に予想時間情報を受け取り、受け取った予想時間経過後、警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成してもよいし、余裕を考えて、受け取った予想時間+αを設定し、この設定した時間が経過した後、警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成してもよい。警告出力部の電源をONとするタイミングは、逆走車両情報を受け取ったときとしてもよいし、警告情報を出力すると判定されたときでもよいし、予想時間に応じて設定されるように警告出力部を構成してもよい。例えば、複数の警告手段を具えるシステムにおいて警告情報を時間差で出力する場合、各警告手段の警告出力部は、ONとする時間を予想時間情報に基づいて設定するように構成してもよい。このように警告出力部の電源をONにするタイミングも、予想時間を利用する構成とすると、警告出力部の消費電力をより低減することができる。
速度の演算は、例えば、以下のように行うとよい。まず、車両の走行方向の判定に利用した二つの入力レベル値を得た二つの感知エリア間の距離を車両検知装置に具える記憶手段に予め入力しておき、速度演算手段は、記憶手段から同距離を呼び出せるように構成しておく。速度演算手段は、車両の走行方向を判定する際に利用した二つの時刻(入力レベル値に伴う時刻)の差dを演算し、予め入力されている距離lを記憶手段から呼び出し、l/dを演算することで速度vが得られる。速度の演算に用いる二つの時刻は、上述したピーク時刻とすると、演算誤差が少なくて好ましい。或いは、車線方向に隣接する二つのONエリアの入力レベル値から相関関数を算出し、その最大値を時刻差として利用することができる。
なお、上記二つの感知エリア間の距離は、上述のように設定値としてもよいが、演算により求めるように車両検知装置を構成してもよい。後者の場合、センサ(サーモパイル素子)の取り付け位置情報を自動的に測定する測定手段と、この測定結果から同距離を演算する演算手段とを車両検知装置に具えておく。上記二つの感知エリア間の距離を求めるために必要とされるセンサの取り付け位置情報としては、道路面からの高さと、道路面に対する垂直方向の傾きとが挙げられる。上記高さの測定手段としては、市販の測定装置、例えば、ビームなどの光を用いた装置、上記傾きの測定手段としては、市販の角度計などを利用するとよい。
予想時間の演算は、例えば、以下のように行うとよい。まず、車両検知装置の配置箇所と警告手段の配置箇所との間の距離を車両検知装置に具える記憶手段(第一記憶手段)に入力しておき、到達時間演算手段は、記憶手段から同距離を呼び出せるように構成しておく。到達時間演算手段は、記憶手段から予め入力されている距離lを呼び出し、得られた速度vを用いて、l/vを演算することで予想時間が得られる。
(警告手段が予想時間を演算する場合)
この場合、警告手段は、速度演算手段と到達時間演算手段とを具えるように構成してもよいし、車両検知装置が速度演算手段を具え、警告手段が到達時間演算手段を具えるように構成してもよい。警告手段が速度の演算及び予想時間の演算を行う場合、車両検知装置の情報出力部は、逆走車両情報と共に、個体情報、二つの入力レベル値に伴う時刻情報、二つの感知エリア間の距離情報を出力するように構成する。警告手段の速度演算手段は、上述した速度演算方法と同様に、情報入力部で入力された時刻情報と感知エリア間の距離情報とを用いて、車両の速度を演算するように構成する。また、警告手段は、記憶手段を具えておき、この記憶手段に個体情報ごとに車両検知装置の配置箇所から当該警告手段の配置箇所までの距離を予め入力しておき、到達時間演算手段は、情報入力部が取得した個体情報に基づき、その個体情報を有する車両検知装置までの距離を呼び出せるように構成しておく。そして、到達時間演算手段は、得られた速度と、記憶手段から呼び出した距離とを用いて予想時間を演算するように構成する。一方、車両検知装置が速度の演算を行い、警告手段が予想時間の演算を行う場合、車両検知装置の情報出力部は、逆走車両情報と共に、個体情報、速度情報を出力するように構成する。警告手段は、上述の警告手段が速度及び予想時間の演算を行う場合と同様に、記憶手段を具えて、この記憶手段に個体情報ごとに車両検知装置までの距離を入力しておき、到達時間演算手段は、取得した速度と呼び出した距離とを用いて予想時間を演算するように構成する。
警告手段は、予想時間が得られたら、上述の車両検知装置が予想時間を演算する場合と同様に、得られた予想時間経過後、或いは設定した予想時間+α時間経過後、警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成してもよい。警告出力部の電源をONとするタイミングも、上述の車両検知装置が予想時間を演算する場合と同様に、逆走車両情報を受け取ったとき、警告情報を出力すると判定されたときのいずれでもよい。また、警告手段を複数具えるシステムにおいて警告情報を時間差で出力する場合、制御部は、予想時間情報を利用して警告出力部の電源をONとする時間を制御するように構成してもよい。
なお、警告手段を複数具えるシステムの場合、全ての警告出力部が一斉に電源をON/OFFするように制御部を構成してもよいが、その場合、いずれの警告出力部も比較的長時間出力することになり消費電力が大きくなり易い。そこで、上述のように設定時間を設けたり、予想時間情報などを利用して、警告出力部の電源のON/OFFを時間差で行うようにすると、各警告手段の消費電力を低減できる。
[逆走車両を検知したらOFFにする場合]
上述した二つの場合のように時間に応じて、警告出力部の電源のON/OFFを制御する構成としてもよいが、車両検知装置を複数具えたシステムを構築し、各車両検知装置が逆走車両を検知したら、逆走車両が通過したと考えられる逆走車両用の警告出力部の電源をOFFにするように構成してもよい。この場合、電源がOFFにされる警告出力部は、逆走車両に対して確実に警告情報の出力を行っていたはずであるから、OFFにしてもよいと考えられる。具体的には、以下のようなシステムを構築するとよい。このシステムは、上記構成を具える本発明車両検知装置を少なくとも二つ具えるものであり、一方の車両検知装置(第一車両検知装置)を逆走車両の進行方向手前側に配置し、他方の車両検知装置(第二車両検知装置)を同進行方向奥側(前方)に配置する。つまり、逆走車両は、第一車両検知装置にてまず検知され、次に第二車両検知装置に検知されるように二つの車両検知装置を配置する。警告手段は、逆走車両の進行方向前方に配される第二車両検知装置の近傍に配する。この警告手段には、警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部を具えておく。そして、制御部は、上記第一車両検知装置が逆走車両を検知した後に上記第二車両検知装置が逆走車両を検知したら、警告出力部の電源をOFFにするように構成する。警告出力部をONにするタイミングは、第一車両検知装置から逆走車両情報を受け取ったときとしてもよいし、警告情報を出力するときでもよい。
第一車両検知装置及び第二車両検知装置は、いずれも上述した本発明車両検知装置を利用する。従って、各装置は、車両有無判定部が車両有りと判定した際、走行方向判定部が当該車両の走行方向を判定する。第一車両検知装置は、逆走車両を検知したら、情報出力部にて逆走車両情報を警告手段に出力する。このとき、第一車両検知装置からの逆走車両情報であると警告手段がわかるように、情報出力部は、個体情報も逆走車両情報と同時に出力する構成とすることが好ましい。第一車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら、警告手段の制御部は、警告出力部の電源をONにして警告情報の出力を行う。第二車両検知装置は、逆走車両を検知したら、情報出力部にて逆走車両情報を警告手段に出力する。同様に第二車両検知装置からの逆走車両情報であると警告手段がわかるように、第二車両検知装置の警告出力部も逆走車両情報と同時に個体情報を出力する構成とすることが好ましい。第一車両検知装置からの逆走車両情報を受け取った後に第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら、警告手段の制御部は、警告出力部の電源をOFFにする。余裕分を考慮して、第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ってから、所定時間経過後に警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成してもよい。所定時間は、予め設定し、警告手段の記憶手段に入力しておく。また、警告手段は、タイマ手段を具えておき、警告出力部の電源をONにしてからの時間を計測できるようにしておく。このように構成することで警告手段は、第一車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ってから第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取るまでの間、警告出力部をONにして逆走車両の運転者に警告を十分提供できる。また、このように構成することで、警告出力部が過度に出力することを防止することができる。
第二車両検知装置は、逆走車両を検知できるように、逆走車両用の警告手段の近傍に配置しておく。警告手段の近傍とは、例えば、警告手段の配置位置を基準として逆走車両の進行方向の手前側(順走車両に遠い側)、奥側(順走車両に近い側)が挙げられる。手前側、奥側のいずれでもよいが、警告手段から余り離れすぎると、逆走車両の運転者が警告を十分に認識できていないのに警告出力部の電源がOFFとなったり、過度に長時間の出力が行われることになる。従って、第二車両検知装置の配置箇所は、なるべく警告手段の配置箇所の近くが好ましく、警告手段が配されている支柱と同じ支柱に取り付けると、第二車両検知装置の取り付け用の支柱を別途用意したり、支柱を設置する必要もない。
警告手段を複数具えるシステムを構築した場合、第二車両検知装置が近傍に配される警告手段は、第一車両検知装置からの逆走車両情報を受け取った際に警告出力部の電源をONとし、別の警告手段、例えば、上記警告手段よりも逆走車両の進行方向奥側に配される警告手段は、第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取った際に警告出力部の電源をONとするように構成してもよい。例えば、逆走車両の進行方向手前側から順に第一、第二、第三、…と複数の逆走車両用の警告手段を具え、第一警告手段の近傍に第二車両検知装置、第二警告手段の近傍に第三車両検知装置、…と順に車両検知装置を複数具えるシステムを構築する場合、第一警告手段は、第一車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をONにし、第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をOFFにする。第二警告手段は、第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をONにし、第三車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をOFFにする、というように構成してもよい。
一方、順走車両用の進行方向手前側(順走車両から近い側)から順にA、B、…と複数の順走車両用の警告手段を具え、逆走車両の進行方向手前側(逆走車両から近い側、つまり順走車両から遠い側)から順に第一、第二、第三、…と複数の車両検知装置を具えるシステムを構築する場合、警告手段Aは、第一車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をONにし、第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をOFFにする。警告手段Bは、第二車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をONにし、第三車両検知装置からの逆走車両情報を受け取ったら警告出力部の電源をOFFにする、というように構成してもよい。
<距離の表示>
警告手段は、上述のように警告情報の出力を行うが、順走車両の運転者に対して逆走車両が存在することのみだけでなく、逆走車両がどの程度離れているのか、つまり、逆走車両の大体の位置も認識できるようにすれば、危険回避の可能性が高められると考えられる。そこで、本発明では、順走車両用の警告手段として、車両検知装置の配置箇所から当該警告手段の配置箇所までの距離情報をも出力可能な構成を提案する。
具体的な構成としては、例えば、上述した予想時間の演算と同様に、車両検知装置の配置箇所と警告手段の配置箇所との間の距離を車両検知装置に具える第一記憶手段に入力しておき、車両検知装置は、逆走車両情報と共に、記憶手段から呼び出した距離情報も出力するように構成することが挙げられる。一方、これらの情報を受け取った順走車両用の警告手段は、警告情報と共に距離情報をも警告出力部で出力する構成とすることが挙げられる。このシステムでは、逆走車両用の警告手段と、順走車両用の警告手段とを具えているが、逆走車両用の警告手段は、距離情報を出力する必要がないため、警告情報のみを出力するように構成するとよい。
或いは、車両検知装置は、逆走車両情報と共に、個体情報を出力するように構成し、順走車両用の警告手段には、その個体情報を有する車両検知装置の配置箇所からこの警告手段の配置箇所までの距離を記憶する記憶手段(第二記憶手段)を具えておき、警告情報と共に上記記憶手段から呼び出した距離情報をも出力するように構成してもよい。この構成では、車両検知装置から出力されるのは逆走車両情報と個体情報だけであるため、逆走車両用の警告手段として、上記距離を記憶する記憶手段を具えていないものを用いれば、逆走車両用の警告手段が上記距離情報を出力することがない。また、順走車両用の警告手段は、個体情報に基づいて距離を呼び出すように構成することから、車両検知装置を複数具えるシステムであっても、各車両検知装置が逆走車両情報と共に個体情報を出力することで、取得した個体情報を利用して、順走車両用の警告手段は、適切な距離を出力することができる。
<時間の表示>
上述した逆走車両の位置の他に、逆走車両があとどのぐらいの時間で順走車両の位置に到達するのかを順走車両の運転者が認識できるようにすれば、危険回避の可能性が高められると考えられる。そこで、本発明では、順走車両用の警告手段として、逆走車両が車両検知装置から当該警告手段の配置箇所に到達する予想時間をも出力可能な構成を提案する。具体的には、上述した警告出力部の電源のON/OFFに予想時間を用いる場合と同様に構成とするとよい。つまり、上記で説明した予想時間は、警告出力部の電源のON/OFF制御だけでなく、警告内容の一つとして利用することができる。
具体的な構成としては、上述のように車両検知装置が速度演算手段及び到達時間演算手段を具えてもよいし、警告手段が速度演算手段及び到達時間演算手段を具えてもよいし、車両検知装置が速度演算手段を具え、警告手段が到達時間演算手段を具えるように構成してもよい。車両検知装置が速度演算手段及び到達時間演算手段を具える場合、情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた予想時間情報を出力するように構成し、順走車両用の警告手段の警告出力部は、警告情報と共に、予想時間情報を出力するように構成する。警告手段が速度演算手段及び到達時間演算手段を具える場合、情報出力部は、逆走車両情報と共に、個体情報、二つの入力レベル値に伴う時刻情報、二つの感知エリア間の距離情報を出力するように構成し、順走車両用の警告手段は、情報出力部からの情報により予想時間を演算し、警告出力部が警告情報と共に予想時間情報を出力するように構成する。車両検知装置が速度演算手段を具え、警告手段が到達時間演算手段を具える場合、情報出力部は、逆走車両情報と共に、個体情報、速度情報を出力するように構成し、順走車両用の警告手段は、情報出力部からの情報により予想時間を演算し、警告出力部が警告情報と共に予想時間情報を出力するように構成する。予想時間に関する詳細については、<警告出力部のON/OFF>の項で述べているため、ここでは省略する。
上記構成を具える本発明車両検知装置は、逆走車両を精度よく検知することができ、このような本発明装置を具える本発明逆走車両検知システムは、逆走車両の発生に伴う事故防止に寄与するものと期待される。特に、本発明装置は、設置の際に電源線の敷設が不要であることから簡単に設置することができ、本発明システムを構築するにあたり、交通規制を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下、図面において同一符号は、同一物を示す。
(実施例1−1)
図1は、逆走車両用の警告手段と、順走車両用の警告手段とを具える逆走車両検知システムの概略構成図、図2は、このシステムの機能ブロック図、図3は、車両検知装置に具えるセンサがつくる感知エリアの配置状態を示す説明図であり、(A)は、道路の側面から見た状態、(B)は、道路の上方から見た状態を示す。図1に示す逆走車両検知システムは、逆走車両300Rの検知を行う車両検知装置1と、車両検知装置1が逆走車両を検知した際、警告情報を出力する警告手段2とを具える。車両検知装置1は、特に、車両の検知を行うセンサ10として、複数のサーモパイル素子を用い、このセンサ10の電力供給をソーラー電源部11で行う(図2参照)。車両検知装置1が逆走車両300Rを検知した場合、車両検知装置1は、逆走車両用の警告手段2A,順走車両用の警告手段2αに逆走車両情報を送信し、警告手段2A,2αは、受信した情報に基づき、警告出力部21A,21αに警告情報を出力し、逆走車両300Rの運転者、順走車両300の運転者に注意を促す。以下、各構成を詳しく説明する。
<車両検知装置>
車両検知装置1は、図2に示すように道路上の監視範囲に存在する車両や道路といった検知対象からの赤外線を感知するサーモパイル素子を有するセンサ10と、センサ10から得られた入力レベル値を用いて、車両の有無を判定する車両有無判定部12と、車両有無判定部12が車両有りと判定した際、センサ10から得られた入力レベル値を用いてこの車両の走行方向を判定する走行方向判定部13と、走行方向判定部13がこの車両が逆走していると判定した際、警告手段2に対して逆走車両情報を出力する情報出力部14と、センサ10に駆動電力を供給するソーラー電源部11とを具える。
[センサ及び感知エリア]
センサ10は、二つのサーモパイル素子を有しており、図3に示すように道路100上の監視範囲Wには、各素子に基づく感知エリアE,Eが設けられる。図3に示す道路100は、一車線の道路であり、この道路100に監視範囲Wを設け、監視範囲W内における道路100の中央部に感知エリアE,Eが車線方向に隣接して一列に並ぶようにサーモパイル素子を配置させている。一つの感知エリアの大きさは、約40cm四方、車線方向における感知エリア間の間隔が約1mとなるように感知エリアを形成している。
各サーモパイル素子は、基板に配されており、更に、回路基板に搭載されている。この回路基板には、各サーモパイル素子の起電力を増幅するアンプ、増幅された値をA/D変換するA/D変換器、車両有無判定部12、走行方向判定部13も搭載され、金属製の筐体に収納されている。この筐体には、サーモパイル素子の検知方向前方にZnS製の赤外線透過レンズを配している。
[車両有無判定部]
車両有無判定部12は、判定手段、演算手段、比較手段、記憶手段、取得手段、タイマ手段を具える。そして、車両有無判定部12は、感知エリアごと(サーモパイル素子ごと)に、入力レベル値(ここではアンプで増幅されてA/D変換されたもの)を取得し、この入力レベル値を用いて比較値を演算し、得られた比較値と閾値とを比較し、比較値が閾値以上となる感知エリア(以下、ONエリアと呼ぶ)の数に応じて車両の有無を判定する。ここでは、ONエリアが二つのとき、車両有りとする。なお、車両有無判定部は、ONエリアが存在した場合、例えばONエリアとなっている感知エリアに対して、ONエリア有りと判定した時刻(判定時刻)を記憶手段に保存する。車両の有無の判定については、後述する。
[走行方向判定部]
走行方向判定部13は、判定手段、記憶手段、検出手段を具える。車両有無判定部12が車両有りと判定した場合、両感知エリアは、ONエリアとなっているが、いずれか一方の感知エリアが先にONエリアとなったはずである。そこで、走行方向判定部13は、車両有無判定部12が車両有りと判定した際、両感知エリアについて、保存されているONエリア有りと判定した判定時刻を呼び出し、呼び出した二つの時刻から、車両の走行方向を判定し、更に当該車両が逆走しているか否かを判定する。車両の走行方向の判定については、後述する。
[情報出力部]
逆走車両が検知されたら、車両検知装置1は、警告手段2に逆走車両情報を受け渡し、警告手段2を利用して、逆走車両300Rの運転者や順走車両300の運転者に注意を促す。情報出力部14は、この逆走車両情報の受け渡しを無線にて行う。そこで、情報出力部14は、無線送信が可能なアンテナとしている。また、情報出力部14は、逆走車両情報に加えて、車両検知装置1の個体情報(ID)も同時に出力する。
[車両検知装置のソーラー電源部]
車両検知装置1は、車両の検知を行うセンサ10として、アクティブセンサやカメラと比較して消費電力が小さいパッシブセンサを利用している。そのため、ソーラー電源部11にてセンサ10へ駆動電力を十分に供給することができる。ソーラー電源部11は、太陽光を受光するパネル部11Pと、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換する変換部11Cと、余剰の電気エネルギーを充電するバッテリ部11Bとを具える。また、供給側の変換部11C及びバッテリ部11Bと、需要側のセンサ10との間を接続する配線には、切り換えスイッチを具える。センサ10には、切り換えスイッチの切り換え操作で、変換部11C又はバッテリ部11Bから電力が供給される。更に、ソーラー電源部11は、センサ10だけでなく、車両有無判定部12、走行方向判定部13、情報出力部14への駆動電力も供給する。このソーラー電源部11を設けることにより、車両検知装置1の設置にあたり、装置1のための電源線を敷設する必要がない。
[車両検知装置の配置]
このような車両検知装置1は、図1に示すように道路100上に配された支柱200に取り付けられている。車両検知装置1は、センサ10として、サーモパイル素子を利用していることから、図1に示すように車両の斜め上方に位置するような配置、いわゆるサイドファイア式に設置することができる。そのため、車両検知装置1の設置作業を簡単に行うことができる。
<警告手段>
警告手段2は、図1,2に示すように車両検知装置1の情報出力部14から出力された逆走車両情報を受け取る情報入力部20と、情報入力部20で受け取った逆走車両情報に基づき警告情報を出力する警告出力部21とを具える。また、警告出力部21の電源のON/OFF(表示/非表示)を制御する制御部22、警告手段2に電力供給を行うソーラー電源部30を具える。
[情報入力部]
情報入力部20は、情報出力部14から無線で送信された逆走車両情報を受け取るところであり、無線受信が可能なアンテナとしている。なお、情報出力部14と情報入力部20との間には、情報(信号)の中継を行うことが可能な中継器を適宜設けてもよい。
[警告出力部]
警告出力部21は、逆走車両情報が受信されたら、逆走車両300Rの運転者や順走車両300の運転者に対して、警告情報を出力するもので、警告を視覚的に表示可能なLEDを用いた電光掲示板である。図1に示す警告出力部21では、警告情報を文字で表示している。
[制御部]
制御部22は、上記警告出力部21の電源のON/OFFを制御するものであり、所定の条件に応じて警告出力部21の電源をON又はOFFにする。また、制御部22は、タイマ手段を具えており、逆走車両情報を受信したら警告出力部21の電源をONにし、ONにしたらタイマ手段が計測する時刻を随時検出し、ONにしてから所定時間経過後、OFFにするように構成している。その他、順走車両用の警告手段2αの制御部22αは、記憶手段(第二記憶手段)を具えており、この記憶手段に車両検知装置1の配置箇所から警告手段2αの配置箇所までの距離Sを予め入力させている。また、制御部22αは、車両検知装置の個体情報を取得したら、記憶手段からその個体情報に対応した距離を呼び出せるように構成している。そして、順走車両用の警告手段2αの警告出力部21αは、呼び出した距離Sを警告情報と共に出力する。このような制御部22は、制御ボックスに収納させている。
[警告手段のソーラー電源部]
警告手段2は、上述のように逆走車両を検知したときのみ警告出力部21の電源をONにし、所定時間経過後、OFFにする構成である。このような構成により、消費電力を低減することができるため、ソーラー電源部30にてその駆動電力を警告手段に十分に供給することができる。ソーラー電源部30の基本的構成は、車両検知装置1に具えるソーラー電源部11と同様であり、太陽光を受光するパネル部30Pと、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換する変換部30Cと、余剰の電気エネルギーを充電するバッテリ部30Bとを具える。また、供給側の変換部30C及びバッテリ部30Bと需要側の警告手段2との間を接続する配線には、切り換えスイッチを具える。警告手段2には、切り換えスイッチの切り換え操作で、変換部30C又はバッテリ部30Bから電力が供給される。警告手段2の電力供給もソーラー電源部30で行うことで、警告手段2の設置にあたり、警告手段用の電源線の敷設が不要となる。変換部30C及びバッテリ部30Bは、制御部22を収納する制御ボックスに収納している。
[警告手段の配置]
このシステムでは、警告手段として、図1に示すように逆走車両用の警告手段2Aと、順走車両用の警告手段2αとを道路100上に配している。逆走車両用の警告手段2Aの情報入力部20A,警告出力部21A,制御部22Aが収納される制御ボックス,ソーラー電源部のパネル部30APは、道路100上に配された支柱210に取り付けられている。この支柱210は、車両検知装置1が取り付けられた支柱200から逆走車両300Rの進行方向前方に200mの位置に配している。順走車両用の警告手段2αの情報入力部20α,警告出力部21α,制御部22αが収納される制御ボックス,ソーラー電源部のパネル部30αPは、道路100上に配された支柱220に取り付けられている。この支柱220は、車両検知装置1が取り付けられた支柱200から逆走車両300Rの進行方向前方に3kmの位置に配している。
<処理手順>
上記構成を具える逆走車両検知システムの処理手順を具体的に説明する。図4は、このシステムに具える車両検知装置の処理手順を示すフローチャート、図5(A)は、逆走車両用の警告手段の処理手順を示すフローチャート、(B)は、順走車両用の警告手段の処理手順を示すフローチャートである。車両検知装置の処理は、例えば、一定周期で一定間隔のカウントアップを行うタイマ手段を設けておき、一定間隔ごとに行うように設定する。また、本例では、図3に示すように各感知エリアE,Eの番号をB,Fと付しており、車両検知装置は、いずれの感知エリアにおける入力レベル値であるか、つまり、いずれのサーモパイル素子が取得した入力レベル値であるかを認識できるようにしている。これらの点は、後述する実施例1−2についても同様である。
[車両検知装置の処理手順]
車両検知装置の処理は、二つのサーモパイル素子の作動により始まる(ステップS1)。処理開始直後は、背景レベル及び閾値の初期学習を行うことが好ましい。これらの初期学習は特許文献3,4に記載される手法を利用してもよい。初期学習を行わせることで、背景レベル及び閾値をより実際の環境に即した値とすることができる。初期学習は、各サーモパイル素子に基づく感知エリアごとに行い、感知エリアE,Eに対応した独自の背景レベル、閾値が得られるようにする。初期学習中は、車両の有無の判定を行わないように車両有無判定部を設定してもよい。初期学習により得られた背景レベル及び閾値は、記憶手段に保存するように車両有無判定部を設定する。
次に、車両の有無の判定を始める。まず、車両有無判定部には、各サーモパイル素子から得られた起電力がそれぞれアンプで増幅されて送られ、車両有無判定部の取得手段は、これら増幅されてA/D変換されたデータを入力レベル値として得る(ステップS2)。次に、車両有無判定部の比較値演算手段は、各サーモパイル素子に基づく感知エリアごとに、入力レベル値と背景レベルとを用いて比較値を演算する(ステップS3)。比較値、背景レベル、閾値の演算は、後述する。
次に、車両有無判定部の比較手段は、入力レベル値に基づき演算された比較値と閾値とを比較し、第一判定手段は、比較値が閾値以上となる感知エリアをONエリア、比較値が閾値未満となる感知エリアをOFFエリアとし、それぞれの感知エリアに対して、ONエリアの有無を判定する(ステップS4)。全ての感知エリアについて同時にONエリアがない場合、第一判定手段は、車両無しと判定し、車両有無判定部は、ステップS2以降の処理を繰り返す。なお、判定結果は、集計して記憶手段に保存しておき、管制センターなどに集計結果を伝送できるように車両検知装置を構成しておいてもよい。集計結果を伝送する構成は、後述する実施例1−2についても利用することができる。
ONエリアが存在する場合、このシステムでは、ある時点でのONエリアの数は、二つ又は一つであり、ONエリアの数が二つの場合を車両有りとする。そこで、第二判定手段は、ONエリアの数が二つか否かを判定し(ステップS5)、ONエリアの数が一つの場合、車両有無判定部は、例えばONエリアとなっている感知エリアについてONと判定された判定時刻(ON時刻)を判定時刻記憶手段に保存する(ステップS6)。
ONエリアが一つとなるのは、ノイズの場合も考えられるが、車両の通過中も考えられる。車両が通過する際は、一方の感知エリアに車両が存在し、他方の感知エリアに車両が存在しない状態が生じる。例えば、ある判定で、一方の感知エリアがONエリアとなり、他方の感知エリアがOFFエリアとなり、次の判定で両方の感知エリアがONエリアとなり、更に次の判定で一方の感知エリアがOFFエリアとなり、他方の感知エリアがONエリアとなった場合、車両は、当該一方の感知エリアから他方の感知エリアに走行していると考えられる。従って、二つの感知エリアがONエリアとなった際、先にONエリアとなった感知エリアを判別することで、車両の走行方向がわかる。そこで、ONエリアが存在する場合、車両有無判定部は、判定時刻を保存しておき、車両の走行方向の判定に利用する。
ONエリアが二つの場合、第二判定手段は、車両有りと判定し、走行方向判定部は、車両の走行方向を判別する。まず、判定時刻検出手段は、判定時刻記憶手段から二つの感知エリアE,EがOFFからONと判定された時刻T,Tを検出する(ステップS7)。次に、第三判定手段は、得られた時刻T,Tの大小を比較し(ステップS8)、時刻Tが時刻Tよりも小さい場合、感知エリアEから感知エリアEに車両が走行していることになるため、走行方向は「E→E」であると判定する(ステップS9)。一方、時刻Tが時刻Tよりも大きい場合、感知エリアEから感知エリアEに車両が走行していることになるため、走行方向は「E→E」であると判定する(ステップS10)。なお、タイマ手段が判定時刻を一定周期でカウントする場合、先にONエリアと判定された感知エリアの判定時刻と、後にONエリアと判定された感知エリアの判定時刻とが逆転する、即ち、オーバーフローすることが考えられる。例えば、周期をT=0〜99の100カウントとし、先にONエリアと判定された時刻を98、後にONエリアと判定された時刻が3の場合、オーバーフローである。このような場合、適宜オーバーフローを補正する処理を行うように走行方向判定部を構成しておく。例えば、この例の場合、後にONエリアと判定された時刻:3に周期数:100を足し合わせるなどの処理が考えられる。このオーバーフローの補正に関することは、後述する実施例1−2についても同様である。
次に、第四判定手段は、当該道路の規定の走行方向と、第三判定手段で判定された走行方向とが一致するか否かを判定する(ステップS11)。走行方向記憶手段に規定の走行方向(ここでは、E→Eの方向)を予め入力させておき、第四判定手段は、走行方向記憶手段から呼び出した規定の走行方向と、判定した走行方向との比較を行う。両走行方向が一致する場合、この車両は、規定の走行方向(順方向)に走行する車両であるため、第四判定手段は、順走車両と判定する(ステップS12)。この判定結果も集計して記憶手段に保存しておき、管制センターなどに伝送させてもよい。このことは、後述する実施例1−2についても同様である。
一方、両走行方向が一致しない場合、この車両は、規定の走行方向と逆方向に走行する車両であるため、第四判定手段は、逆走車両と判定する(ステップS13)。そして、車両検知装置の情報出力部は、逆走車両情報を警告手段に出力(伝送)する(ステップS14)。逆走車両情報を出力後、車両検知装置は、ステップS2以降の処理を繰り返す。なお、このシステムでは、逆走車両情報と共に、個体情報も出力する構成としている。
上記では、第三判定手段が走行方向を判定した後、第四判定手段が順走車両か逆走車両かを判定する構成を説明したが、T<Tのとき、逆走車両、T<Tのとき、順走車両と判別するように第三判定手段を構成してもよい。このような構成は、後述する実施例1−2についても同様に利用することができる。
このシステムで用いた背景レベル、比較値、閾値について説明する。このシステムでは、特許文献3に記載される手法を利用して、以下のように背景レベル、比較値、閾値を演算する。入力レベル値が車両以外の物体(主として道路)が発した赤外線によるものの場合、この入力レベル値を用いた指数平滑法による演算値を背景レベルとし、背景レベル演算手段は、このような背景レベルを演算する。比較値演算手段は、現在取得した入力レベル値と上記背景レベルとの差を一定時間積算し、この積算値に入力レベル値の単位時間当たりの変化量を加味した値を演算し、これを比較値とする。指数平滑法で用いる平滑係数は、前回の比較値と閾値との処理結果に応じて変化させる。閾値演算手段は、設定値+補正値を演算する。設定値は、予め設定して車両有無判定手段の記憶手段に記憶させておき、閾値演算手段が呼び出せるようにしている。補正値は、前回の比較値と閾値との処理結果に応じて変化させる。
[警告手段の処理手順]
以下、逆走車両用の警告手段の処理と、順走車両用の警告手段の処理とを分けて説明する。
(逆走車両用の警告手段)
逆走車両用の警告手段の処理は、車両検知装置から出力された逆走車両情報及び個体情報を受け取ることにより始まる(ステップS20)。情報入力部が逆走車両情報を受け取ったら、制御部は、警告出力部の電源をONにし(ステップS21)、逆走車両の運転者に対して、警告情報を出力する。警告出力部の電源をONにしたら、逆走車両用の警告手段の制御部は、この制御部に具えるタイマ手段により計測された時間を検出して、ONにしてからt時間経過したか否かを判定し(ステップS22)、t時間経過したら、警告出力部の電源をOFFにする(ステップS23)。警告出力部の電源をONに保持する時間tは、予め設定しておき、制御部に具える保持時間記憶手段に入力しておく。保持時間に関する構成は、後述する順走車両用の警告手段も同様に構成する。
(順走車両用の警告手段)
順走車両用の警告手段の処理は、基本的には、上記逆走車両用の警告手段と同様であり、まず、情報入力部で逆走車両情報及び個体情報を受け取る(ステップS30)。このシステムの車両検知装置は、逆走車両情報と共に個体情報も出力するため、情報入力部は、逆走車両情報と共に個体情報も受信する。上記逆走車両用の警告手段では、この個体情報を特に利用しないが、順走車両用の警告手段では、この個体情報を利用する。具体的には、情報入力部が個体情報を受け取ったら、車両検知装置の配置箇所から順走車両用の警告手段の配置箇所までの距離Sを距離記憶手段(第二記憶手段)から呼び出し(ステップS31)、制御部は、警告出力部の電源をONにし(ステップS32)、順走車両の運転者に対して、警告情報と共に、距離Sに関する情報も警告出力部に出力する。以降の処理は、逆走車両用の警告手段の場合と同様であり、順走車両用の警告手段の制御部は、ONにしてからt時間経過したか否かを判定し(ステップS33)、t時間経過したら、警告出力部の電源をOFFにする(ステップS34)。
<効果>
上記構成を具える車両検知装置は、複数のサーモパイル素子をセンサとしたことで、逆走車両の検知を精度よく行えると共に、ソーラー電源部によって十分に電力を供給することができる。従って、この車両検知装置を具える逆走車両検知システムは、センサ用の電源線の敷設作業が不要であり、設置作業性に優れる。また、警告出力部の出力(表示)を間欠的な構成とすることで、警告手段も、ソーラー電源部によって十分に電力を供給することができる。このように電源部を具えた警告手段を利用し、かつ車両検知装置と警告手段との間の情報の授受を無線で行う構成としたことで、このシステムは、電源線だけでなく、通信線の敷設作業も不要であり、簡単に構築することができる。更に、このシステムでは、逆走車両の運転者だけでなく、順走車両の運転者に対しても警告を表示し、双方の運転者に注意が喚起されるように構成することで、事故の発生をより低減することが期待できる。加えて、このシステムでは、順走車両の運転者に対して、逆走車両の位置をも表示することで、同運転者は、より注意し易いものと考えられる。
(実施例1−2)
上記実施例1−1では、車両検知装置のセンサとして、サーモパイル素子を二つ具え、車線方向に二つの感知エリアが隣接して一列に並ぶように配される構成について説明した。この例では、より多くのサーモパイル素子を具え、車線方向及び車幅方向に格子状に感知エリアが並ぶように配される構成について説明する。この例に示すシステムは、上記実施例1−1とセンサの形態(感知エリアの配置形態)が異なる点、それに伴って車両の有無の判定方法が異なる点を除いては、基本的に実施例1−1と同様の構成であるため、ここでは、これら二点について詳しく説明し、その他の点については詳細な説明を省略する。
図6(A)は、道路上の監視範囲に車線方向及び車幅方向に格子状に感知エリアが配された状態を示す説明図、(a)〜(d)は、感知エリアの処理結果例を示す説明図であり、ハッチングが付された四角形は、ONエリア、白い四角形は、OFFエリアを示す。この例で用いる車両検知装置は、十個のサーモパイル素子を有しており、道路101上の監視範囲W内には、各素子に基づく感知エリアE(1F〜5F,1B〜5B)が形成される。道路101は、図6(A)に示すように路側帯及び複数車線を有する道路であり、監視範囲Wは、路側帯と、この路側帯に接する一車線と、この車線に隣接する車線の一部を含むように設け、この監視範囲W内に車幅方向5列×車線方向2列の格子状の感知エリアが形成される。より具体的には、車幅方向において、路側帯に一つ、車線内に三つ、この車線の隣りの車線に一つの感知エリアが形成される。一つの感知エリアの大きさは、約30cm四方、車幅方向における感知エリア間の間隔が約30cm、車線方向における感知エリア間の間隔が約1mとなるように構成している。十個のサーモパイル素子は、同一の基板に一体に配置されたものを利用している。
このような複数のサーモパイル素子を具える車両検知装置において、逆走車両を検知する処理手順を説明する。図7は、車線方向及び車幅方向に感知エリアが並べられるように複数のサーモパイル素子を具える車両検知装置の処理手順を示すフローチャートである。
この車両検知装置において感知エリアごとにONエリア又はOFFエリアであるかを判定するまでの手順は、実施例1−1と同様であり、詳細は省略する。まず、サーモパイル素子の作動により感知処理が始まり(ステップS40)、車両有無判定部の取得手段は、各サーモパイル素子から入力レベル値を取得する(ステップS41)。次に、車両有無判定部の比較値演算手段は、感知エリアごとに入力レベル値と背景レベルとを用いて比較値を演算し(ステップS42)、車両有無判定部の比較手段は、感知エリアごとに、比較値と閾値とを比較し、車両有無判定部の判定手段Aは、比較値が閾値以上となる感知エリアをONエリア、比較値が閾値未満となる感知エリアをOFFエリアとし、ONエリアが車幅方向に二つ以上隣接して存在する場合、それらのONエリアを一つのグループとし、このようなグループの有無を判定する(ステップS43)。ONエリアがない場合、例えば、全てOFFエリアであったり、ONエリアが一つだけ存在したり、図6(c)に示すようにONエリアが複数あるが、車幅方向に隣接して存在しなかった場合、判定手段Aは、車両無しと判定し、車両有無判定部は、ステップS41以降の処理を繰り返す。なお、グループが存在せず、図6(c)のようにONエリアがある場合、この感知エリアがONエリアと判定されたのは、ノイズによるものと考える。
グループが存在する場合、グループの数は、一つ又は複数であり、このシステムでは、グループが複数存在し、車線方向に隣接するONエリアの組が存在する場合を車両有りとする。そこで、車両有無判定部の判定手段Bは、グループの数が二つ以上か否かを判定し(ステップS44)、例えば、図6(b)に示すようにグループが一つの場合、車両有無判定部の判定時刻記憶手段は、各ONエリアの判定時刻を保存する(ステップS45)。
グループが複数である場合、車両有無判定部の判定手段Cは、複数のONエリアのうち、車線方向に隣接するONエリアの組(nB,nF)が存在するか否かを判定し(ステップS46)、例えば、図6(d)に示すようにグループが複数あっても、車線方向に隣接するONエリアの組が存在しない場合、判定時刻記憶手段は、各ONエリアの判定時刻を保存する(ステップS47)。
一方、図6(a)に示すように車線方向に隣接するONエリアの組(nB,nF)が存在する場合(ここでは、(2B,2F),(3B,3F),(4B,4F))、判定手段Cは、車両有りと判定し、走行方向判定部は、車両の走行方向を判別する。図6(a)に示すように車線方向に隣接するONエリアの組が複数存在する場合、走行方向判定部は、選択手段を具えておき、いずれか一つの組を選択し、判定時刻検出手段は、選択した組についてONエリアと判定された時刻T,Tを検出するように構成するとよい。このシステムでは、車両検知装置が取り付けられる支柱200に最も近い位置に配される組(ここでは、(2B,2F))を選択するように選択手段を構成している。
走行方向の判定は、上記実施例1−1で説明したステップS8以降の処理と同様であり、判定時刻検出手段は、判定時刻記憶手段から選択した二つのONエリアE2B,E2FがOFFからONと判定された時刻T,Tを検出し(ステップS48)、判定手段Dは、得られた時刻T,Tの大小を比較し(ステップS49)、時刻Tが時刻Tよりも小さい場合、走行方向は「E→E」であると判定し(ステップS50)、時刻Tが時刻Tよりも大きい場合、走行方向は「E→E」であると判定する(ステップS51)。
次に、判定手段Eは、走行方向記憶手段から呼び出した当該道路の規定の走行方向と、判定手段Dで判定された走行方向とが一致するか否かを判定し(ステップS52)、一致する場合、順走車両と判定し(ステップS53)、一致しない場合、逆走車両と判定する(ステップS54)。逆走車両と判定されたら、情報出力部は、逆走車両情報を警告手段に出力(伝送)する(ステップS55)。逆走車両情報を出力後、この車両検知装置は、ステップS41以降の処理を繰り返す。
<効果>
上記構成を具える車両検知装置は、より多くのサーモパイル素子をセンサとしたことで、一つあたりの感知エリアの大きさを小さくし、S/N比の低下を低減して、より精度よく車両を検知することができる。この実施例1−2で説明した車両検知装置は、後述する各実施例のシステムにも利用することができる。
(実施例1−3)
上記実施例では、走行方向の判定を行うにあたり、比較値が閾値以上となって感知エリアがONエリアであると判定されたときの判定時刻を用いる例を説明した。ここでは、走行方向の判定を行うにあたり、入力レベル値のピーク時刻を用いる場合を説明する。このシステムは、走行方向の判定にあたり利用するデータが異なる点を除いては、上記実施例1−1と同様の構成であるため、ここでは、この点について詳しく説明し、その他の点については、詳細な説明を省略する。
図8は、入力レベル値の経時的な波形と、処理結果を示すグラフであり、(E)は、図1に示す感知エリアEにおける波形及びグラフ、(E)は、図1に示す感知エリアEにおける波形及びグラフである。判定時刻は、感知エリアが形成される路面状態などで多少変動することが考えられる。これに対し、入力レベル値の経時的な波形は、車両が存在したときに変化が大きく、車両が存在しない場合、変化がほとんどない。そこで、この車両検知装置では、判定時刻と共に、入力レベル値の経時的な波形及び入力レベル値を取得した時刻を記憶しておき、車両有無判定部が車両有りと判定した際、所定の検出時間に存在する入力レベル値が大きく変化した時刻(ピーク時刻)を用いて、車両の走行方向を判定する。
具体的には、この車両検知装置の走行方向判定部は、感知エリアがONエリアであると連続的に判定されている時間(比較値が閾値以上であるとの判定が連続して検出されている時間、図8では、処理結果が「ON」となっている時間)を検出時間とし、感知エリアごとに、この検出時間における入力レベル値を呼び出し、この検出時間内においてピーク時刻TFp,TBpを検出する。そして、走行方向判定部は、検出したピーク時刻の大小関係を比較することで走行方向を判定する。このシステムでは、入力レベル値の増減が比較的大きく変化した時刻をピーク時刻とする。また、1台の車両でも、通常、温度が高い部分(例えば、タイヤやエンジン部分)と低い部分(例えば、車体)とを有している。そのため、図8に示すように1台の車両からの入力レベル値の波形において上記検出時間に複数のピークが存在する場合がある。この場合は、この検出時間において最初に現れたピークの時刻を検出するように走行方向判定部を構成している。
<効果>
上記構成を具える車両検知装置は、時刻の検出にあたり、路面状態などによる影響が少なく、的確に時刻の検出を行うことができる。このピーク時刻は、後述する実施例のように速度の演算を求める場合などに用いると、誤差が少なくて好ましい。このピーク時刻を用いる構成は、実施例1−1,1−2のシステムや、後述する実施例のシステムについても利用することができる。
(実施例1−4−1)
上記実施例1−1では、警告手段の警告出力部の電源をOFFにする時間が予め設定された固定値としていたが、変動値としてもよい。例えば、各警告手段の配置箇所に逆走車両が到達する予想時間を演算し、この予想時間に応じて逆走車両用の警告手段の警告出力部の電源をOFFにするようにシステムを構成することが挙げられる。また、順走車両用の警告手段に対しては、上記予想時間を警告出力部が出力するようなシステムを構築すると、順走車両の運転者が、逆走車両とあとどのぐらいの時間で遭遇する恐れがあるのかを認識できると考えられる。そこで、ここでは、各警告手段の配置箇所に逆走車両が到達する予想時間を演算し、この予想時間を利用するシステムを説明する。
このシステムでは、車両検知装置が逆走車両を検知した際、逆走車両の速度を演算し、逆走車両情報と共に速度情報を出力するように車両検知装置を構成しており、警告手段は、受け取った速度情報に基づき、逆走車両の到達予想時間を演算するように構成している。特に、逆走車両用の警告手段では、この予想時間に基づいて警告出力部の電源をOFFにするように構成している。一方、順走車両用の警告手段では、この予想時間を警告出力部で出力するように構成している。このシステムは、速度の演算に関する点、得られた速度を用いて予想時間を演算し、この予想時間を利用する点を除いては、上記実施例1−1と同様の構成であるため、ここでは、これら二点について詳しく説明し、その他の点については、詳細な説明を省略する。
このシステムで用いる車両検知装置は、二つの感知エリアE,E間の距離dが予め入力されたエリア距離記憶手段と、この距離記憶手段から呼び出した距離d及び走行方向の判定に用いた時刻T,Tを用いて逆走車両の速度vを演算する速度演算手段とを具える。そして、この車両検知装置の情報出力部は、得られた速度情報を逆走車両情報及び個体情報と共に警告手段に出力する。
このシステムで用いる警告手段は、逆走車両用及び順走車両用のいずれについても、車両検知装置の配置箇所と自身の警告手段の配置箇所との間の距離が車両検知装置の個体情報に対応して予め入力されている配置距離記憶手段と、個体情報に基づきこの配置距離記憶手段から呼び出した距離lと、入力された速度vとを用いて、逆走車両が当該警告手段の配置箇所に到達する予想時間を演算する到達時間演算手段とを具える。また、逆走車両用の警告手段の制御部は、得られた予想時間に基づいて警告出力部の電源をOFFにするように構成される。順走車両用の警告手段は、逆走車両情報と共に、得られた予想時間を警告出力部に出力するように構成される。
このような車両検知装置と警告手段とを具える逆走車両検知システムについて、予想時間を演算する際の具体的な処理手順を説明する。図9は、予想時間の演算が可能な構成を具える逆走車両検知システムにおいて予想時間を求める際の処理手順を示すフローチャートであり、(A)は、車両検知装置の処理手順、(B)は、警告手段の処理手順を示す。車両検知装置の速度演算手段は、走行方向の判定に用いた時刻T,Tを判定時刻記憶手段から呼び出すと共に(ステップS60)、二つの感知エリア間の距離dをエリア距離記憶手段から呼び出す。次に、速度演算手段は、呼び出したこれらのデータから、速度v=d/(T−T)を演算する(ステップS61)。逆走車両を検知した場合、T>Tであるため、適正な速度が求められる。そして、情報出力部は、逆走車両情報と共に、個体情報及び得られた速度vに関する速度情報を出力する(ステップS62)。なお、走行方向の判定に入力レベル値のピーク時刻を利用した場合は、同判定に用いたピーク時刻を呼び出す。ピーク時刻を利用して速度を演算する場合、得られる速度の誤差が少なく、好ましい。
警告手段の情報入力部は、車両検知装置から出力された逆走車両情報、個体情報、速度情報を受信し(ステップS70)、到達時間演算手段は、配置距離記憶手段に記憶されている車両検知装置の配置箇所と自身の警告手段の配置箇所との距離に対して入力された個体情報に基づき、適切な距離lを呼び出し、予想時間T=l/vを演算する(ステップS71)。逆走車両用の警告手段において、この予想時間Tをそのまま警告出力部の電源をONにしておく時間、つまり、電源をOFFにするまでの時間として用いてもよいが、このシステムでは、更に余裕αを加味する。そこで、到達時間演算手段は、得られた予想時間Tにαを付加したOFF時間Tを演算する(ステップS72)。OFF時間Tが演算されたら、逆走車両用の警告手段の制御部は、警告出力部の電源をONにしてから、OFF時間Tになったか否かを判定し、OFF時間Tとなったら、警告出力部の電源をOFFにする。
一方、順走車両用の警告手段は、予想時刻Tが得られたら、警告情報と共に予想時間を警告出力部に出力する。順走車両用の警告手段では、余裕分αを加味する必要はないので、ステップS72の処理は行わない。また、順走車両用の警告手段は、逆走車両情報と共に速度情報を受信したら予想時間を演算するように構成しておき、予想時間が演算されたら警告出力部の電源をONにするように制御部を構成してもよい。或いは、逆走車両情報を取得したら警告出力部の電源をONにし、予想時間が演算され次第、警告出力部に予想時間を出力するように順走車両用の警告手段を構成してもよい。後述する実施例1−4−2のように逆走車両情報と共に予想時間情報を取得する場合は、これらの情報を取得したら警告出力部の電源をONにし、警告情報と合わせて予想時間も出力するように順走車両用の警告手段を構成するとよい。
<効果>
上記構成を具える逆走車両検知システムは、逆走車両が逆走車両用の警告手段を通過するのに十分な時間に亘って、逆走車両用の警告手段の警告出力部が警告の表示を行っており、かつ、過度に長時間の表示を行わない。そのため、逆走車両の運転者に対して、十分に注意を喚起することが可能であると考えられると共に、逆走車両用の警告手段の消費電力を低減することができる。また、上記構成を具える逆走車両検知システムは、順走車両の運転者が、逆走車両と遭遇するであろう時間をも認識できると考えられるため、同運転者は、より注意し易いと考えられる。このような予想時間を利用する構成は、後述する実施例についても利用することができる。
(実施例1−4−2)
上記実施例1−4−1では、速度演算手段を車両検知装置に、到達時間演算手段を警告手段に具える構成であったが、両手段を車両検知装置に具えておいてもよい。このシステムの場合、車両検知装置には、各警告手段の配置箇所までの距離が予め入力されている個別配置距離記憶手段(第一記憶手段)を具えておき、到達時間演算手段は、各警告手段に応じた予想時間(或いは、余裕分αを付加したOFF時間)を演算できるようにしておく。そして、車両検知装置は、得られた予想時間情報を逆走車両情報と共に警告手段に出力する。車両検知装置が、予想時間情報を無線にて送信する場合、両警告手段は、複数の予想時間情報を受け取ることが考えられる。このシステムでは、両警告手段は、逆走車両用の警告手段に対する予想時間情報と、順走車両用の警告手段に対する予想時間情報との双方を受け取ることが考えられる。従って、予想時間情報は、いずれの警告手段に対する予想時間であるかを判別可能なようにしておく。或いは、各警告手段に対応した予想時間情報のみを伝送できるように車両検知装置を構成してもよい。一方、各警告手段は、上述した実施例1−4−1と同様に受信した予想時間情報に基づき、警告出力部の電源のON/OFF制御を行ったり、予想時間を警告出力部に出力するように構成してもよい。
(実施例2)
上記実施例1では、警告出力部として視覚的な表示機能を有するものを説明したが、スピーカといった聴覚的な表示機能を有するものを利用してもよい。また、視覚的な表示と聴覚的な表示との双方を行うような警告出力部を利用することも可能である。この構成は、後述する実施例についても利用することができる。
(実施例3)
上記実施例1では、警告手段として、道路上に配置された状態で車両の運転者が警告を直接認識可能な構成を具える場合を説明した。ここでは、警告手段が車両内の車載装置に警告情報を出力する場合を説明する。このシステムは、警告手段が車載装置に警告情報を出力する点を除いては、基本的に実施例1の構成と同様であるため、ここでは、この点について詳しく説明し、その他の点については、詳細な説明を省略する。
カーナビゲーションシステムなどの通信システムを具える車両では、VICSといった通信システムを利用して、管制センターなどからの情報を受信可能な受信手段、モニタや内蔵スピーカといった表示手段を具える車載装置を搭載したものがある。このような車載装置に対して警告手段は、警告情報を出力する構成としてもよい。この場合、例えば、車両検知装置の情報出力部は、管制センターなどに逆走車両情報を出力するように構成する。警告手段の情報入力部は、管制センターからの逆走車両情報を受け取るように構成する。この警告手段は、上記実施例1で説明した警告手段の配置位置と同様の箇所に配置する。特に、警告出力部は、警告情報を車載装置に送信可能なように道路上に配置する。警告手段と車載装置との間の通信は、例えば、光ビーコンなどを利用する。車両には、警告手段からの警告情報を受け取り、受け取った情報に基づいて警告を表示するモニタなどを有する車載装置を具えておく。
<効果>
警告手段が車両装置に対して警告情報の出力を行うこのシステムも、実施例1と同様に警告手段用の電源線を敷設する必要がなく、より簡単に構築することができる。また、このシステムは、車両内で警告が表示されるため、車両の運転者は、表示内容をより認識し易いと考えられる。
(実施例4−1)
上記実施例では、逆走車両用の警告手段を一つ、順走車両用の警告手段を一つ具えるシステムについて説明した。ここでは、逆走車両用の警告手段及び順走車両用の警告手段をそれぞれ複数具えるシステムを説明する。図10は、逆走車両用の警告手段及び順走車両用の警告手段を複数具える逆走車両検知システムの概略構成図である。このシステムは、逆走車両用の警告手段として、二つの警告手段2A,2Bを具え、順走車両用の警告手段として、二つの警告手段2α,2βを具える。各警告手段2A,2B,2α,2βの構成は、実施例1で説明した警告手段2と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。
逆走車両用の警告手段2Aの情報入力部20A,警告出力部21A,制御部22Aが収納される制御ボックス,ソーラー電源部のパネル部30APは、道路100上に配された支柱210に取り付けられている。警告手段2Bの情報入力部20B,警告出力部21B,制御部22Bが収納される制御ボックス,ソーラー電源部のパネル部30BPは、道路100上に配された支柱211に取り付けられている。支柱210は、車両検知装置1が取り付けられた支柱200から逆走車両300Rの進行方向前方に200mの位置に、支柱211は、この支柱210から逆走車両300Rの進行方向前方に200mの位置に配している。つまり、警告手段2A,2Bは、車両検知装置1の配置箇所から等間隔に配置されている。
順走車両用の警告手段2αの情報入力部20α,警告出力部21α,制御部22αが収納される制御ボックス,ソーラー電源部のパネル部30αPは、道路100上に配された支柱220に取り付けられている。警告手段2βの情報入力部20β,警告出力部21β,制御部22βが収納される制御ボックス,ソーラー電源部のパネル部30βPは、道路100上に配された支柱221に取り付けられている。支柱220は、車両検知装置1が取り付けられた支柱200から逆走車両300Rの進行方向前方に3kmの位置に、支柱221は、支柱200から逆走車両300Rの進行方向前方に2kmの位置に配している。
<効果>
このように複数の警告手段を具える逆走車両検知システムでは、仮に一つ目の警告出力部を通過して警告を認識できなくても、次の警告出力部で、逆走車両の運転者は、逆走していることを、順走車両の運転者は、逆走車両が存在することを認識できる可能性が高まる。従って、このシステムは、事故の防止により寄与すると考えられる。なお、このシステムでは、逆走車両用の警告手段及び順走車両用の警告手段をいずれも二つ具える構成としたが、三つ以上としてもよいし、双方の警告手段の数を同数としてもよいし、異ならせてもよい。
このシステムにおいて各警告手段2A,2B,2α,2βは、逆走車両情報を受け取ったら警告出力部21A,21B,21α,21βの電源をそれぞれONにし、所定時間経過後、同電源をそれぞれOFFにするように制御部22A,22B,22α,22βを構成してもよい。このとき、上記所定時間は、全ての警告手段について同じとしてもよいし、警告手段ごとに異ならせてもよい。逆走車両300Rが警告手段2Bの配置箇所に到達する時間は、警告手段2Aの配置箇所に到達する時間よりも長く(遅く)、順走車両300が警告手段2βの配置箇所に到達する時間は、警告手段2αの配置箇所に到達する時間よりも長い(遅い)はずである。そこで、警告手段2B,2βについて、警告出力部21B,21βの電源をOFFにする時間をそれぞれ、警告手段2A,2αにおける警告出力部21A,21αの電源をOFFにする時間よりも長く設定してもよい。このように複数の警告手段を具えるシステムでは、警告出力部の電源をOFFする時刻をずらすことも可能である。
また、このシステムでは、警告出力部の電源をONにする時刻をずらすことも可能である。例えば、警告手段2A,2αは、逆走車両情報を取得したら、直ちに警告出力部21A,21αの電源をONにするように制御部22A,22αを構成し、警告手段2B,2βは、逆走車両情報を取得した後、所定時間経過後、警告出力部21B,21αの電源をONにするように制御部22B,22βを構成してもよい。上記所定時間は、予め設定しておき、各制御部22B,22βの記憶手段に入力しておく。警告手段の配置箇所に応じて、警告出力部の電源のON/OFFを制御するように制御部を構成することで、このシステムは、警告手段の消費電力の更なる低減を図ることができる。
なお、上述のように警告出力部の電源をONにする時刻を警告手段の配置位置によって異ならせてもよいが、車両検知装置1の近くに配される逆走車両用の警告手段(このシステムでは、少なくとも警告手段2A)の警告出力部は、逆走車両情報を受信したら、警告情報を直ちに出力するように構成することが好ましい。このような構成とすることで、逆走車両の運転者にできるだけ早期に逆走していることを認識させることができると考えられ、事故の未然を図ることが期待される。車両検知装置1から所定の範囲に配される複数の逆走車両用の警告手段を、逆走車両情報を受信したら、速やかに警告情報を出力するように構成することで、逆走車両の運転者が警告をより確実に認識できると考えられる。
(実施例4−2)
上記実施例4−1では、各警告手段が警告出力部の電源のON/OFFを予め設定された時間(固定値)に基づいて行う構成を説明した。その他、逆走車両用の警告手段に対しては、実施例1−4で説明した逆走車両の到達予想時間をON/OFF制御に利用することも可能である。また、順走車両用の警告手段に対しては、実施例1−4で説明した逆走車両の到達予想時間を警告出力部に出力することも可能である。予想時間の取得手法については、実施例1−4で説明しているため、ここでは、説明を省略する。
逆走車両用の警告手段2A,2Bの制御部22A,22Bは、逆走車両情報を取得したら警告出力部21A,21Bの電源をONにする。或いは、速度情報を取得して、予想時間を演算した後に警告出力部21A,21Bの電源をONにしてもよい。そして、制御部22A,22Bは、演算された予想時間に基づいて警告出力部21A,21Bの電源をOFFにするように構成する。また、警告手段2Bについては、予想時間に基づき、警告出力部21Bの電源をONにする時刻をより遅くしてもよい。どの程度遅らせるかについては、逆走車両の速度などに応じて予め設定しておき、制御部22Bに入力しておくとよい。
一方、順走車両用の警告手段2α,2βの制御部22α,22βは、逆走車両情報を取得したら警告出力部21α,21βの電源をONにし、警告情報と共に取得した予想時間情報を警告出力部21α,21βに出力する。或いは、速度情報を取得して、予想時間を演算した後に警告出力部21α,21βの電源をONにして、予想時間情報を警告出力部21α,21βに出力するように警告手段2α,2βを構成してもよい。
<効果>
このように逆走車両用の警告手段及び順走車両用の警告手段をそれぞれ複数具えるシステムでは、その配置箇所に逆走車両が到達するまでの時間が異なることから、到達予想時間に応じて、警告出力部の電源をONにしておく時間を適宜変更することができる。つまり、実際の状態に即して警告手段の警告出力部の電源をON/OFF制御することで、十分な出力時間(表示時間)を確保すると共に、警告出力部の消費電力を低減する。また、このシステムでは、順走車両の運転者が、逆走車両が到達する予想時間をも認識できるため、順走車両の運転者の警戒意識を高めることに貢献すると考えられる。
(実施例5)
上述した実施例4において、警告手段は、車両内の車載装置に警告情報を出力する構成としてもよい。このシステムでは、車両検知装置が管制センターに逆走車両情報を出力し、管制センターを介して各警告手段に逆走車両情報が受け渡されるように車両検知装置及び各警告手段を構成する。車両には、警告手段からの警告情報を受け取り、警告を表示可能な車載装置を搭載させておく。そして、各警告手段は、上記実施例4と同様に道路上に配置し、車両が警告手段の近傍に到達したら、逆走車両情報を次々に受信できるように構成する。このシステムは、実施例3と同様に逆走車両の運転者や順走車両の運転者が警告をより認識し易いと考えられる。特に、このシステムは、上記実施例4のシステムと同様に、上記運転者が仮に最初の警告手段により情報を認識できなかったとしても、次の警告手段から送信された警告情報により、警告を認識できる可能性を高めることができる。
(実施例6)
上記実施例4では、逆走車両用の警告手段及び順走車両用の警告手段を複数具えるシステムについて説明した。ここでは、更に、車両検知装置を複数具え、これら車両検知装置からの逆走車両情報を利用するシステムについて説明する。図11は、複数の車両検知装置を具える逆走車両検知システムの概略構成図である。このシステムは、実施例4に示すシステムにおいて、支柱200に車両検知装置1Rを取り付けると共に、逆走車両用の警告手段2A,2Bを取り付けている支柱210,211にもそれぞれ、車両検知装置1A,1Bを取り付けている。これら車両検知装置1R,1A,1Bは、基本的構成は実施例1で説明した車両検知装置1(図1,2参照)と同様であり、逆走車両を検知したら、警告手段に対して逆走車両情報を出力する。また、これら車両検知装置1R,1A,1Bは、逆走車両情報と共に、個体情報を出力する構成である。従って、各警告手段2A,2B,2α,2βは、逆走車両情報を受け取った際、いずれの車両検知装置が出力したものであるか判別できる。このように複数の車両検知装置を具えるシステムでは、各車両検知装置が出力した情報を以下のように利用することができる。
{逆走車両情報の利用例1}
この例では、警告手段の警告出力部のON/OFF制御に各車両検知装置が出力した逆走車両情報を利用する構成を説明する。上述した実施例では、設定した時間や演算した予想時間に基づいて、逆走車両用の警告手段の制御部は、警告出力部の電源のON/OFFを制御する構成を説明した。しかし、この構成では、逆走車両用の警告手段の警告出力部をOFFにした際、逆走車両がまだこの警告手段の配置箇所を通過していないことが考えられる。これに対し、このシステムでは、逆走車両用の警告手段と同じ支柱に取り付けられている車両検知装置が逆走車両を検出した際に、当該警告手段の警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成している。
逆走車両用の警告手段2Aが配される支柱210に車両検知装置1Aを取り付け、警告手段2Bが配される支柱211に車両検知装置1Bを取り付けている。車両検知装置1R,1A,1Bは、いずれも車両の検知を随時行うように構成しておき、逆走車両を検知したら各警告手段に逆走車両情報と共に、個体情報を出力するように構成する。上述した実施例1の場合、車両検知装置は、1台であるため、各警告手段2A,2αは、逆走車両情報と共に個体情報が出力されていなくても、逆走車両情報が当該車両検知装置から入力されたものであると判別できる。しかし、このシステムのように複数の車両検知装置が、警告手段に対して逆走車両情報を出力する場合、警告手段は、いずれの車両検知装置から出力されたものであるか判別できるようにする必要がある。そこで、このシステムでは、各車両検知装置1R,1A,1Bは、逆走車両情報と共に個体情報も出力するように構成する。
警告手段2Aは、車両検知装置1Rからの逆走車両情報を受けて、警告出力部21Aの電源をONにし、その後に車両検知装置1Aが逆走車両300Rを検知し、この装置1Aからの逆走車両情報を取得したら、警告出力部21Aの電源をOFFにするように制御部22Aを構成する。同様に、警告手段2Bは、車両検知装置1Rからの逆走車両情報を受けて、警告出力部21Bの電源をONにし、その後に車両検知装置1Bからの逆走車両情報を取得したら、警告出力部21Bの電源をOFFにするように制御部22Bを構成する。
図12は、複数の車両検知装置を具える逆走車両検知システムにおいて、逆走車両用の警告手段の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、警告手段2Aを例にとって説明するが、警告手段2Bの場合は、以降の手順において車両検知装置1Aを車両検知装置1Bに置換して行うとよい。逆走車両用の警告手段は、各車両検知装置から出力された逆走車両情報及び個体情報を受け取り(ステップS80)、入力された逆走車両情報のうち、車両検知装置1Rからのものがあるか否かを個体情報に基づいて判定し(ステップS81)、車両検知装置1Rからの逆走車両情報があったら、制御部は、警告出力部の電源をONする(ステップS82)。情報入力部は、警告出力部の電源をONにした後も各車両検知装置からの逆走車両情報及び個体情報を随時入力し(ステップS83)、制御部は、警告出力部の電源をONにした後に車両検知装置1Aからの逆走車両情報があるか否かを判定し(ステップS84)、車両検知装置1Aからの逆走車両情報があったら、警告出力部の電源をOFFにする(ステップS85)。なお、余裕分を考慮して、車両検知装置1Aからの逆走車両情報を取得してから所定時間経過後に警告出力部の電源をOFFにするように制御部を構成してもよい。この場合、所定時間を予め設定し、制御部の記憶手段に入力しておく。
また、警告手段2Bは、車両検知装置1Aからの逆走車両情報及び個体情報を受け取ったら、警告出力部の電源をONにするように制御部22Bを構成してもよい。つまり、各警告手段2A,2Bの警告出力部の電源をONにするタイミングを、異なる車両検知装置から得た情報に基づいて変化させてもよい。更に、警告手段2Bは、警告出力部21Bの電源をONにしてから、所定時間経過しても車両検知装置1Bからの逆走車両情報が入力されない場合、電源をOFFにするように制御部22Bを構成してもよい。この構成により、警告手段2Bの警告出力部21Bが長時間出力することを低減し、消費電力を低減することができる。
上記では逆走車両用の警告手段について説明したが、順走車両用の警告手段についても、車両検知装置1A,1Bからの逆走車両情報を利用して、警告出力部の電源のON/OFFを制御するように構成してもよい。
例えば、順走車両用の警告手段2βは、車両検知装置1Rからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、警告出力部21βの電源をONにし、その後に車両検知装置1Aからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、予め設定した所定時間経過後に同電源をOFFにするように制御部22βを構成してもよい。また、警告手段2αは、車両検知装置1Aからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、警告出力部21αの電源をONにし、その後に車両検知装置1Bからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、予め設定した所定時間経過後に同電源をOFFにするように制御部22αを構成してもよい。
また、警告手段2α,2βの制御部22α,22βは、警告出力部21α,21βの電源を次のようにON/OFF制御するように構成してもよい。まず、順走車両用の警告手段2α,2βは、車両検知装置1Rからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、警告出力部21α,21βの電源をONにする。そして、その後、警告手段2αが、車両検知装置1Aからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、予め設定した所定時間経過後に警告出力部21αの同電源をOFFにする。また、警告手段2βは、車両検知装置1Bからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、予め設定した所定時間経過後に警告出力部21βの電源をOFFにする。
<効果>
この構成により、逆走車両用の警告手段の警告出力部は、逆走車両の運転者が警告を十分に認識できるのに必要であると考えられる時間に亘り電源がONとなっているため、逆走車両の運転者に注意を喚起できると期待されると共に、消費電力の低減を図ることができる。
{逆走車両情報の利用例2}
この例では、各車両検知装置が出力した逆走車両情報に基づいて、各警告手段から逆走車両までの距離や逆走車両が警告手段に到達する予想時間を取得し、これらを利用する構成を説明する。
[車両検知装置の配置箇所から警告手段の配置箇所までの距離]
上記実施例1では、車両検知装置の配置箇所から警告手段の配置箇所までの距離が順走車両用の警告手段の警告出力部に出力される構成について説明した。車両検知装置を複数具える場合、各車両検知装置の配置箇所から警告手段の配置箇所までの距離が異なる。そこで、順走車両用の警告手段2α,2βは、各車両検知装置1R,1A,1Bからの逆走車両情報をそれぞれ取得した際、各車両検知装置に対応した距離を警告出力部21α,21βに出力する構成してもよい。
例えば、警告手段2αは、車両検知装置1Rから逆走車両情報及び個体情報を取得したら、個体情報に基づき記憶手段から適切な距離を呼び出して、警告出力部21αに出力し、次に車両検知装置1Aから逆走車両情報及び個体情報を取得したら、個体情報に基づき記憶手段から適切な距離を呼び出して、警告出力部21αに出力し、次に車両検知装置1Bから逆走車両情報及び個体情報を取得したら、個体情報に基づき記憶手段から適切な距離を呼び出して、警告出力部21αに出力するように制御部22αを構成してもよい。警告手段2βについても同様である。つまり、逆走車両の移動に伴い、逆走車両の位置情報を次々に更新するように警告手段2α,2βを構成してもよい。
警告手段2α,2βの警告出力部の電源は、車両検知装置1Rから逆走車両情報を受けてからずっとONのままにしてもよいし、車両検知装置1Rから逆走車両情報を受けてONにした後、所定時間経過後に電源をOFFし、さらに、その後、車両検知装置1A,1Bから逆走車両情報を受けたら警告出力部の電源をONにするように制御部を構成してもよい。また、上記所定時間が経過しても車両検知装置1A,1Bからの逆走車両情報が警告手段に入力されない場合は、逆走車両の運転者が逆走であることを認識し、回避対策を採っていると考えられる。そこで、警告手段2α,2βは、車両検知装置1R,1Aから逆走車両情報を受けてから所定時間経過後に、車両検知装置1A,1Bからの逆走車両情報が入力されない場合、警告出力部21α,21βの電源をOFFにするように制御部22α,22βを構成してもよい。
[逆走車両が到達する予想時間]
上記実施例1では、逆走車両が警告手段の配置箇所に到達する予想時間を順走車両用の警告手段の警告出力部に出力する構成について説明した。車両検知装置を複数具えるシステムでは、各装置が逆走車両を検知する時刻が異なるため、検知時刻を用いて演算される上記予想時間も異なる。そこで、順走車両用の警告手段2α,2βは、各車両検知装置1R,1A,1Bからの逆走車両情報をそれぞれ取得した際、各車両検知装置からの情報に応じて予想時間を取得し、警告出力部に出力するように構成してもよい。
例えば、警告手段2αは、車両検知装置1Rから逆走車両情報及び個体情報を取得したら、到達時間演算手段が個体情報に基づき適切な予想時間を演算して警告出力部21αに出力し、次に車両検知装置1Aから逆走車両情報及び個体情報を取得したら、個体情報に基づき適切な予想時間を演算して警告出力部21αに出力し、次に車両検知装置1Bから逆走車両情報及び個体情報を取得したら、個体情報に基づき適切な予想時間を演算して警告出力部21αに出力するように制御部22αを構成してもよい。警告手段2βについても同様である。つまり、逆走車両の移動に伴い、逆走車両が順走車両用の警告手段の配置箇所に到達するまでの予想時間を次々に更新するように警告手段2α,2βを構成してもよい。
さらに、個体情報に基づき適切な予想時間を演算する場合、警告手段2α,2βの制御部22α,22βは、警告出力部21α,21βの電源を次のようにON/OFF制御するように構成してもよい。まず、順走車両用の警告手段2α,2βは、車両検知装置1Rからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、警告出力部21α,21βの電源をONにする。その後、順走車両用の警告手段2βが、車両検知装置1Aからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、演算して求めた車両検知装置1Aから警告手段2βまでの予想到達時間経過後に同電源をOFFにする。また、警告手段2αが、車両検知装置1Bからの逆走車両情報及び個体情報を取得したら、演算して求めた車両検知装置1Bから警告手段2αまでの予想到達時間経過後に同電源をOFFにする。
<効果>
このシステムでは、順走車両用の警告手段は、逆走車両の移動に伴って逆走車両の位置や到達予想時間といった表示内容を適宜変更することができる。従って、このシステムでは、順走車両の運転者が逆走車両の位置や到達予想時間を適宜認識することができ、注意をより喚起できると考えられる。
本発明車両検知装置は、特に、逆走車両の検知に適する。また、本発明逆走車両検知システムは、高速道路や一般道路など、特に、一方通行の道路に構築することで、逆走車両の発生に伴う事故の未然に貢献するものと期待される。
逆走車両用の警告手段と、順走車両用の警告手段とを具える本発明逆走車両検知システムの概略構成図である。 逆走車両用の警告手段と、順走車両用の警告手段とを具える本発明逆走車両検知システムの機能ブロック図である。 本発明車両検知装置に具えるセンサがつくる感知エリアの配置状態を示す説明図であり、(A)は、道路の側面から見た状態、(B)は、道路の上方から見た状態を示す。 本発明逆走車両検知システムに具える本発明車両検知装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明逆走車両検知システムに具える警告手段の処理手順を示すフローチャートであり、(A)は、逆走車両用の警告手段、(B)は、順走車両用の警告手段を示す。 (A)は、本発明車両検知装置に具えるセンサがつくる感知エリアの配置状態を説明する説明図であり、車線方向及び車幅方向に格子状に感知エリアが配された状態を示し、(a)〜(d)は、これら感知エリアの処理結果例を示す説明図である。 車線方向及び車幅方向に感知エリアが並べられるように複数のサーモパイル素子を具える本発明車両検知装置の処理手順を示すフローチャートである。 入力レベル値の経時的な波形と、処理結果を示すグラフであり、(E)は、図1に示す感知エリアEにおける波形及びグラフ、(E)は、図1に示す感知エリアEにおける波形及びグラフである。 逆走車両の到達予想時間を演算可能な構成を具える本発明逆走車両検知システムにおいて予想時間を求める際の処理手順を示すフローチャートであり、(A)は、車両検知装置の処理手順、(B)は、警告手段の処理手順を示す。 逆走車両用の警告手段及び順走車両用の警告手段をそれぞれ複数具える本発明逆走車両検知システムの概略構成図である。 逆走車両用の警告手段及び順走車両用の警告手段をそれぞれ複数具えると共に、本発明車両検知装置を複数具える本発明逆走車両検知システムの概略構成図である。 図11に示す本発明逆走車両検知システムにおいて、逆走車両用の警告手段の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1R,1A,1B 車両検知装置
2,2A,2B,2α,2β 警告手段
10 センサ 11,30 ソーラー電源部 11B,30B バッテリ部
11C,30C 変換部
11P,30P,30AP,30BP,30αP,30βP パネル部
12 車両有無判定部 13 走行方向判定部 14 情報出力部
20,20A,20B,20α,20β 情報入力部
21,21A,21B,21α,21β 警告出力部
22,22A,22B,22α,22β 制御部
100,101 道路
200,210,211,220,221 支柱
300 順走車両 300R 逆走車両

Claims (22)

  1. 道路上の監視範囲に存在する検知対象からの赤外線を感知する複数のサーモパイル素子と、これらサーモパイル素子から得られた入力レベル値を用いて、前記監視範囲を通過する車両の有無を判定する車両有無判定部とを具える車両検知装置であって、
    少なくとも二つのサーモパイル素子は、各素子に基づく感知エリアが監視範囲内において車線方向に並べられるように具えられ、
    更に、この車両検知装置は、
    前記車両有無判定部が車両有りと判定した際、前記二つのサーモパイル素子から得られた入力レベル値を用いて、当該車両の走行方向が順方向か逆方向かを判定する走行方向判定部と、
    前記走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、逆走車両情報を出力する情報出力部と、
    前記サーモパイル素子に駆動電力を供給する第一ソーラー電源部とを具えることを特徴とする車両検知装置。
  2. 車両有無判定部は、
    感知エリアごとに、その感知エリアをつくるサーモパイル素子から得られた入力レベル値のうち、車両以外の物体が発する赤外線の量に基づく値を演算し、得られた演算値をその感知エリアの背景レベルとし、
    複数の感知エリアから得られた複数の入力レベル値と、複数の背景レベルとを用いた演算値を利用して車両の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
  3. 車両有無判定部は、
    感知エリアごとに、その感知エリアをつくるサーモパイル素子から得られた入力レベル値のうち、車両以外の物体が発する赤外線の量に基づく値を演算し、得られた演算値をその感知エリアの背景レベルとし、その感知エリアの入力レベル値と得られたその感知エリアの背景レベルとの差に基づく値を演算し、得られた演算値をその感知エリアの比較値とし、
    更に、感知エリアごとに比較値と閾値とを比較して、比較値が閾値以上となる感知エリアの数に応じて、車両の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
  4. 車両検知装置は、更に、
    情報出力部から出力された逆走車両情報に基づいて警告を発する警告手段の配置箇所とこの車両検知装置の配置箇所との間の距離を記憶する第一記憶手段を具えており、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、前記第一記憶手段から呼び出した距離情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
  5. 車両検知装置は、更に、
    走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、当該車両の速度を演算する速度演算手段を具え、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた速度情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
  6. 車両検知装置は、更に、
    走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、当該車両の速度を演算する速度演算手段と、
    得られた速度を用いて、情報出力部から出力された逆走車両情報に基づいて警告を発する警告手段の配置箇所に当該車両が到達する予想時間を演算する到達時間演算手段とを具え、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた予想時間情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の車両検知装置と、
    前記車両検知装置の情報出力部から出力された逆走車両情報を受け取り、警告を発する警告手段とを具え、
    前記警告手段は、
    前記情報出力部から出力された少なくとも逆走車両情報を受け取る情報入力部と、
    前記情報入力部で受け取った逆走車両情報に基づき警告情報を出力する警告出力部とを具えることを特徴とする逆走車両検知システム。
  8. 逆走車両の運転者が警告情報を受け取れるように配される第一警告出力部を有する第一警告手段と、
    順走車両の運転者が警告情報を受け取れるように配される第二警告出力部を有する第二警告手段とを具えることを特徴とする請求項7に記載の逆走車両検知システム。
  9. 警告出力部は、車両に搭載される車載装置に対して警告情報を無線で出力することを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  10. 警告出力部は、警告情報を文字及び図形の少なくとも一方で表示することを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  11. 車両検知装置の情報出力部と警告手段の情報入力部との間における情報の受け渡しは、無線で行われることを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  12. 警告手段は、更に、この警告手段の駆動電力を供給する第二ソーラー電源部を具えることを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  13. 複数の警告手段が所定の間隔をあけて道路近傍に配置されており、
    各警告手段は、更に、警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部を具えており、
    これら複数の警告手段のうち、逆走車両を検知した車両検知装置から所定の範囲に存在する警告手段の制御部は、同車両検知装置から逆走車両情報を入力したら警告出力部の電源をONにし、上記範囲以外に存在する警告手段の制御部は、同車両検知装置から逆走車両情報を入力しても、その時点で警告出力部の電源をONにしないことを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  14. 警告出力部の電源をONにする警告手段は、逆走車両を検知した車両検知装置から最も近くに配されていることを特徴とする請求項13に記載の逆走車両検知システム。
  15. 警告手段は、更に、警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部を具えており、
    前記制御部は、警告出力部の電源をONにしてから所定時間経過後、OFFにすることを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  16. 車両検知装置は、更に、
    走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、当該車両の速度を演算する速度演算手段と、
    得られた速度を用いて、警告手段の配置箇所に当該車両が到達する予想時間を演算する到達時間演算手段とを具え、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた予想時間情報を出力し、
    警告手段は、更に、
    警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部を具えており、
    前記制御部は、警告出力部の電源をONにしてから、前記予想時間情報に応じてOFFにすることを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  17. 車両検知装置は、更に、
    走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、当該車両の速度を演算する速度演算手段を具え、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた速度情報を出力し、
    警告手段は、更に、
    得られた速度情報を用いて、この警告手段の配置箇所に当該車両が到達する予想時間を演算する到達時間演算手段と、
    警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部とを具えており、
    前記制御部は、警告出力部の電源をONにしてから、前記予想時間情報に応じてOFFにすることを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  18. 車両検知装置は、第一車両検知装置と、この第一車両検知装置よりも逆走車両の進行方向前方に配される第二車両検知装置とを具え、
    警告手段は、前記第二車両検知装置の近傍に配され、更に、警告出力部の電源のON/OFFを制御する制御部を具えており、
    前記制御部は、前記第一車両検知装置が逆走車両を検知した後に前記第二車両検知装置が逆走車両を検知してから、警告出力部をOFFにすることを特徴とする請求項7又は8に記載の逆走車両検知システム。
  19. 第二警告手段は、車両検知装置の配置箇所と第二警告手段の配置箇所との間の距離を記憶する第二記憶手段を具えており、
    第二警告手段の第二警告出力部は、警告情報と共に、前記第二記憶手段から呼び出した距離情報を出力することを特徴とする請求項8に記載の逆走車両検知システム。
  20. 車両検知装置は、更に、
    警告手段の配置箇所と車両検知装置の配置箇所との間の距離を記憶する第一記憶手段を具えており、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、前記第一記憶手段から呼び出した距離情報を出力し、
    第二警告手段の第二警告出力部は、警告情報と共に、前記距離情報を出力することを特徴とする請求項8に記載の逆走車両検知システム。
  21. 車両検知装置は、更に、
    走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、当該車両の速度を演算する速度演算手段と、
    得られた速度を用いて、警告手段の配置箇所に当該車両が到達する予想時間を演算する到達時間演算手段とを具え、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた予想時間情報を出力し、
    第二警告手段の第二警告出力部は、警告情報と共に、前記予想時間情報を出力することを特徴とする請求項8に記載の逆走車両検知システム。
  22. 車両検知装置は、更に、
    走行方向判定部が当該車両の走行方向を逆方向であると判定した際、当該車両の速度を演算する速度演算手段を具え、
    情報出力部は、逆走車両情報と共に、得られた速度情報を出力し、
    第二警告手段は、更に、
    得られた速度情報を用いて、第二警告手段の配置箇所に当該車両が到達する予想時間を演算する到達時間演算手段を具えており、
    警告出力部は、警告情報と共に、前記予想時間情報を出力することを特徴とする請求項8に記載の逆走車両検知システム。
JP2005368242A 2005-12-21 2005-12-21 車両検知装置及び逆走車両検知システム Pending JP2007172246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005368242A JP2007172246A (ja) 2005-12-21 2005-12-21 車両検知装置及び逆走車両検知システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005368242A JP2007172246A (ja) 2005-12-21 2005-12-21 車両検知装置及び逆走車両検知システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007172246A true JP2007172246A (ja) 2007-07-05

Family

ID=38298735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005368242A Pending JP2007172246A (ja) 2005-12-21 2005-12-21 車両検知装置及び逆走車両検知システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007172246A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011043A1 (ja) * 2007-07-18 2009-01-22 Pioneer Corporation 経路誘導装置、経路誘導方法及び警告システム
JP2009140008A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 危険走行情報提供装置、危険走行判定プログラム及び危険走行判定方法
JP2009140343A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Hitachi Ltd 逆走車両検知システム及び逆走車両警告システム並びに逆走車両通知システム
ES2339318A1 (es) * 2008-05-27 2010-05-18 Sociedad Iberica De Construcciones Electricas, S.A Sistema de alerta direccional para vehiculos.
JP2010114230A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 太陽電池装置及び車両感知装置
KR101371065B1 (ko) 2007-11-23 2014-03-10 렉스젠(주) 차량 촬영 시스템 및 그 방법
US8907202B1 (en) 2009-05-07 2014-12-09 Scott David Brusaw Method and system for collecting, storing and distributing solar energy using networked trafficable solar panels
JP2016224885A (ja) * 2015-06-04 2016-12-28 東日本高速道路株式会社 光波を用いた逆走車両検知システム
JP2017058742A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社デンソー 車両の逆走検知システム
KR101760025B1 (ko) * 2015-04-29 2017-07-21 주식회사 아이지스시스템 역방향 주행 차량 감지 경보시스템
KR101877001B1 (ko) * 2016-03-30 2018-07-10 주식회사 에스원 가상 라인 생성 방법, 역주행 검출 시스템 및 그 방법
KR102591105B1 (ko) * 2023-04-25 2023-10-19 주식회사 한국엔텍 일방통행용 도로의 역방향 주행 방지장치

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011043A1 (ja) * 2007-07-18 2009-01-22 Pioneer Corporation 経路誘導装置、経路誘導方法及び警告システム
KR101371065B1 (ko) 2007-11-23 2014-03-10 렉스젠(주) 차량 촬영 시스템 및 그 방법
JP2009140008A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 危険走行情報提供装置、危険走行判定プログラム及び危険走行判定方法
JP2009140343A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Hitachi Ltd 逆走車両検知システム及び逆走車両警告システム並びに逆走車両通知システム
ES2339318A1 (es) * 2008-05-27 2010-05-18 Sociedad Iberica De Construcciones Electricas, S.A Sistema de alerta direccional para vehiculos.
JP2010114230A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 太陽電池装置及び車両感知装置
US8907202B1 (en) 2009-05-07 2014-12-09 Scott David Brusaw Method and system for collecting, storing and distributing solar energy using networked trafficable solar panels
KR101760025B1 (ko) * 2015-04-29 2017-07-21 주식회사 아이지스시스템 역방향 주행 차량 감지 경보시스템
JP2016224885A (ja) * 2015-06-04 2016-12-28 東日本高速道路株式会社 光波を用いた逆走車両検知システム
JP2017058742A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社デンソー 車両の逆走検知システム
KR101877001B1 (ko) * 2016-03-30 2018-07-10 주식회사 에스원 가상 라인 생성 방법, 역주행 검출 시스템 및 그 방법
KR102591105B1 (ko) * 2023-04-25 2023-10-19 주식회사 한국엔텍 일방통행용 도로의 역방향 주행 방지장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007172246A (ja) 車両検知装置及び逆走車両検知システム
JP4797854B2 (ja) 歩行対象検知装置及び衝突事故防止支援システム
US20050231384A1 (en) Vehicle information system for a loop intersection
CN102542308B (zh) 射频识别对象跟踪
US10446025B2 (en) Traffic light control system
CN105957401A (zh) 基于车路协同的交叉路口行人防碰撞方法及其装置
KR101720163B1 (ko) 도로반사경 장치
KR101245510B1 (ko) 도로상의 사고 감지 및 경보 시스템
CN110341589B (zh) 一种车辆警告装置
KR20080101444A (ko) 초음파 센서를 이용한 주차관리 시스템
KR101621891B1 (ko) 복지 카드를 이용한 승차 알림 서비스 장치, 승차 알림 차량단말 및 이를 이용한 승차 알림 시스템
JP2016057066A (ja) 判定装置、走行レーン判定方法、及び、走行レーン判定プログラム
JP4930043B2 (ja) 路車間通信システム及び距離認識方法とこれに用いる光ビーコン、車載機
KR101471755B1 (ko) 리모컨 키를 이용한 차량 주차 위치 정보 제공 시스템 및 방법
US8649966B2 (en) Drive support system
JP2023126340A (ja) 情報処理装置、情報処理方法、情報処理用プログラム、及び記録媒体
KR20180041511A (ko) 이중주차 알림 장치 및 방법
KR20120053176A (ko) 차량의 전후방 충돌 경보장치 및 이를 이용한 충돌 경보방법
JP5104242B2 (ja) 情報提供装置、情報提供システム、コンピュータプログラム及び情報提供方法
JP5301938B2 (ja) 走行車両支援システム
JP2018055286A (ja) 路車間情報通信システム
JP2012084072A (ja) 光ビーコンとこれによるアップリンク受信位置の特定方法
JP2015184928A (ja) 車両情報表示装置を備えたカーブミラー
CN214355775U (zh) 自动驾驶车辆的显示设备、汽车中控及自动驾驶车辆
KR20180061910A (ko) 주정차 무인 관제 시스템