JP2008025807A - プロテクター被覆成型曲がりホースおよびその製造方法 - Google Patents

プロテクター被覆成型曲がりホースおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008025807A
JP2008025807A JP2006202257A JP2006202257A JP2008025807A JP 2008025807 A JP2008025807 A JP 2008025807A JP 2006202257 A JP2006202257 A JP 2006202257A JP 2006202257 A JP2006202257 A JP 2006202257A JP 2008025807 A JP2008025807 A JP 2008025807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hose
protector
core
sheath
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006202257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4512839B2 (ja
Inventor
Yoshio Nakano
好夫 中野
Masamichi Matsui
正道 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichirin Co Ltd
Original Assignee
Nichirin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichirin Co Ltd filed Critical Nichirin Co Ltd
Priority to JP2006202257A priority Critical patent/JP4512839B2/ja
Publication of JP2008025807A publication Critical patent/JP2008025807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4512839B2 publication Critical patent/JP4512839B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)

Abstract

【課題】ゴムホースの外表面にプロテクターを密着性良好に被覆されるとともに、屈曲形状を賦型されてなるプロテクター被覆成型曲がりホースを提供する。
【解決手段】ゴムホースの外表面にプロテクター27が被覆されたプロテクター被覆成型曲がりホース20であって、前記プロテクター27が、融点の異なる芯鞘繊維からなる編組を前記ゴムホースの外表面に形成した後、前記芯鞘繊維のうち鞘部のみを溶融させて膜状の溶融固着部25aとなし、溶融されない前記芯部繊維24からなる編組24aと鞘部のみを溶融させて形成された前記膜状溶融固着部25aとからなるプロテクター27によって被覆されてなることを特徴とするプロテクター被覆成型曲がりホース20。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴム層とこのゴム層間に介在する補強層とを積層して屈曲形状に成型されたゴムホースの外表面に、プロテクターを被覆されてなるプロテクター被覆成型曲がりホースおよびその製造方法に関する。
自動車の車両に搭載されるパワーステアリング装置やエアコン装置(エアコンディショナー)等には、ゴム層とこのゴム層間に介在する補強層とを積層して構成された積層ゴムホースが多用されている。これら積層ゴムホースは、加圧された作動オイルを移送して圧力を伝達したり、加熱・冷却された冷媒を輸送して車室内の空気と熱交換するための重要な要素部品である。
例えば、このような車両用パワーステアリング装置に用いられる従来例に係るパワーステアリングホース、および車両用エアコンの冷媒回路に用いられる従来例に係るエアコンホースの一実施例について、以下図4を共用して参照しながら説明する。図4は、従来例に係るパワーステアリングホースやエアコンホースの積層構成の一実施例を示す図である。
図4において、従来例に係るパワーステアリングホース30は、ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム(NBR)等により形成される内面ゴム層31、クロロピレンゴム等により形成された外面ゴム層33、およびこれら内面ゴム層31と外面ゴム層33の中間に積層されたNBR等からなる中間ゴム層32とからゴム層を形成されている。
同時に、このパワーステアリングホース30は、前記内面ゴム層31と中間ゴム層32との間に、ポリエステル繊維やナイロン繊維等により編組を形成して補強された第1補強層34、また、前記中間ゴム層32と外面ゴム層33との間には、前記と同様な繊維により編組を形成して補強された第2補強層35が積層して構成されてなる。
次に、従来例に係る車両用エアコンホースについて、以下図4を参照しながら説明する。従来例に係るこのエアコンホース30は、通常、前記内面ゴム層31、中間ゴム層32および外面ゴム層33は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよび変性ブチルゴム等により構成されている。
また、第1補強層34および第2補強層35には、前述したパワーステアリングホースと同様の繊維を用いて編組が形成されている。更に、このような構成からなるエアコンホース30の内面ゴム層31の内面には、通常、図示しない樹脂層を形成された樹脂−ゴム複合構造に構成されている。そして、前記内面樹脂層には、冷媒に対するバリヤー性に優れるポリアミド樹脂等が採用されている。
しかるに、近年、自動車等車両の軽量化やエンジンルームのコンパクト化等により、配管スペースの狭小化、複雑化が進んでいる。このためパワーステアリングホースやエアコンホースについても例外ではなく、狭いスペースに自由に配管出来かつ周辺機器と接触することなく、柔軟性に優れることが要求されている。また、例え周辺機器と接触したとしても、ホース自体が接触傷を受けることなく、作動オイルや冷媒の輸送に支障を与えることが無いことが要求されている。
一方、従来のストレート状のホースでは、これを強制的に曲げて装着する必要性が生じ、装着時の作業が難しくなって、場合によっては周辺機器との接触により装着できない場合が出てくる。このような場合では、周辺機器に接触しない空間に合わせて、ホース自体を3次元的に屈曲させた曲がりホースとすることが要求される。
従って、上記前者の要求に答えるためには、ホース外表面に樹脂製のスパイラルチューブを巻き付けたりコルゲートチューブを被せたりして装着し、前記ホース外表面が周辺機器と直接接触するのを防止する方法があるが、ホースに前記スパイラルチューブを巻き付けたりコルゲートチューブを被せたりするのは人手に頼る外なく、多大な手間と時間を要する。また、これらスパイラルチューブやコルゲートチューブを装着した状態においては、これらのチューブと前記ホース外表面との間に隙間があるため外径が膨らむ上、両者の密着性がなく相対的な動きも許容されるので擦過も発生する。
このような問題を解決するため提案されている従来例に係るプロテクター付ホースについて、以下図5および図6を参照しながら説明する。図5は従来例に係る車両用ホースプロテクターの一実施例を示す斜視図、図6は他の従来例の一実施例に係るプロテクター付ホースを示す説明図である。
図5において、この従来例に係る車両用ホースプロテクターは、回転する内外マンドレルに設けたノズルから糸状の熱可塑性エラストマーをネット状に交叉させて押し出し、メッシュ44の交点43を押出熱により溶着した筒状のメッシュプロテクター41を形成し、このメッシュプロテクター41を車両用ホースの外周に嵌挿し、保護部に弾性的に装着するようにしたものである(特許文献1参照)。
このメッシュプロテクター41の内径は、装着する車両用ホースの外形より10〜30%程度小さく形成してあり、車両用ホースの外周に装着するに際しては、所定長に切断されて、車両用ホースの一端から拡開させつつ挿入される。そして、保護すべき位置で復元作用により縮径させて前記ホースの外面に密着するものである。
次に、図6に示した他の従来例に係るプロテクター50は、熱収縮繊維により編組され、ホース51等の管体に外装可能な筒状体に形成されている。そして、このプロテクター50を未加硫のゴム製ホース51等の管体に外装して、加硫時の熱でプロテクター50を熱収縮させることにより、前記ホース51の外周部に密着させた従来例に係るプロテクター付き管体が得られるのである(特許文献2参照)。
しかしながら、前記車両用ホースプロテクターやプロテクター付き管体は、何れも前記ホース本体とは別のプロテクターを用意し、このプロテクターを所定長に切断した後、前記ホースの一端から挿入して、プロテクター自体の復元作用により縮径させたり、加硫時の熱収縮により前記ホースの外面に密着させて、プロテクターの装着されたホースを得ることになる。
従って、このような従来例に係るプロテクターは、ホース外表面との密着性は改善されるが、前述したスパイラルチューブやコルゲーチューブと同様、前記ホースに装着する作業に多大な手間と時間を要し、結果的には量産時のコストアップを招くことになる。
特開2001−99389号公報 特開2003−336788号公報
一方、ホース自体を曲がりホースとする前記後者の要求に対しては、ホースを曲げた状態で成型加硫する提案がなされている。このような曲がりホースは、具体的には、ストレートの長尺マンドレルを抜き取って未加硫のホースとなし、この未加硫ホースを短尺に寸法切断し、所定の曲がり形状を有する金属製マンドレルを前記未加硫ホースに挿入して加硫することにより得られる。
あるいはまた、ストレートの長尺マンドレルを抜き取った後に寸法切断し、短尺の樹脂またはゴム製マンドレルをこの未加硫短尺ホースに再挿入し、もしくは長尺のマンドレルを挿入したまま寸法切断し、曲がり形状を有する外枠にはめて加硫を行うかのどちらかの方法で曲がりホースを製造することになる。しかしながら、このようにして得られた曲がりホースに、前記従来例に係るプロテクターを装着するのは、更に、多大な手間と時間を要し、コスト面からも大きな問題点となっていた。
従って、本発明の目的は、ゴム層とこのゴム層間に介在する補強層とを積層されたゴムホースの外表面にプロテクターを密着性良好に被覆されるとともに、屈曲形状を賦型されてなるプロテクター被覆成型曲がりホースを、一連の連続工程で低コストに製造する方法、およびプロテクター被覆成型曲がりホースを提供することにある。
本発明の請求項1に係るプロテクター被覆成型曲がりホースが採用した手段は、複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを積層して屈曲形状に成型されたゴムホースの外表面に、プロテクターが被覆されたプロテクター被覆成型曲がりホースに関する。
そして、このプロテクター被覆成型曲がりホースは、前記プロテクターが、融点の異なる芯鞘繊維からなる編組を前記ゴムホースの外表面に形成した後、前記芯鞘繊維のうち鞘部のみを溶融させて膜状の溶融固着部となし、溶融された前記芯部繊維からなる編組と鞘部のみを溶融させて形成された前記膜状溶融固着部とからなるプロテクターによって被覆されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係るプロテクター被覆成型曲がりホースが採用した手段は、請求項1に記載のプロテクター被覆成型曲がりホースにおいて、前記芯鞘繊維の芯部組成が、前記鞘部組成より少なくとも50度℃以上高い融点を有することを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係るプロテクター被覆成型曲がりホースが採用した手段は、請求項1または2に記載のプロテクター被覆成型曲がりホースにおいて、前記芯鞘繊維の芯部組成がポリエステルからなり、前記鞘部組成を溶融して固着された前記膜状溶融固着部がポリエステルエラストマからなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係るプロテクター被覆成型曲がりホースが採用した手段は、請求項1乃至3の何れか一つの項に記載のプロテクター被覆成型曲がりホースにおいて、前記芯鞘繊維が芯鞘構造を有する複数本のフィラメントを加撚して形成されたコードからなることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法が採用した手段は、長尺マンドレルに、複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを積層した後予備加硫し、予備加硫したこの積層ゴムホースの外表面に、芯部組成の融点が鞘部組成の融点より高い芯鞘繊維を編組した後、前記長尺マンドレルを抜き取って寸法裁断する。
次いで、この寸法裁断された積層ゴムホースの内側に屈曲形状を有する成型用マンドレルを挿入し、その後、前記芯鞘繊維の芯部組成の融点と鞘部組成の融点の間となる温度で本加硫することによって、前記積層ゴムホースの加硫と前記芯鞘繊維の鞘部のみを膜状に溶融固着させるプロテクターの形成とを同時に行なうことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るプロテクター被覆成型曲がりホースによれば、前記プロテクターが、融点の異なる芯鞘繊維からなる編組をゴムホースの外表面に形成した後、前記芯鞘繊維のうち鞘部のみを溶融させて膜状の溶融固着部となし、溶融されない前記芯部繊維からなる編組と鞘部のみを溶融させて形成された前記膜状溶融固着部とからなるプロテクターによって被覆されてなるので、前記プロテクターが前記ゴムホース外表面に隙間無く融着してホース強度が補強されるとともに、ホース外表面が凹凸の少ないスリムな仕上がりを有する。
また、本発明の請求項2に係るプロテクター被覆成型曲がりホースによれば、
前記芯鞘繊維の芯部組成が、前記鞘部組成より少なくとも50度℃以上高い融点を有するので、前記芯鞘繊維の芯部が、耐熱性に優れた編組としてホースの耐熱強度を補完する。
更に、本発明の請求項3に係るプロテクター被覆成型曲がりホースによれば、前記芯鞘繊維の芯部組成がポリエステルからなり、前記鞘部組成を溶融して固着された前記膜状溶融固着部がポリエステルエラストマからなるので、優れた接着性と強靭な交点強力を有する溶融固着部からなるプロテクターの形成が実現可能となる。
また更に、本発明の請求項4に係るプロテクター被覆成型曲がりホースによれば、前記芯鞘繊維が芯鞘構造を有する複数本のフィラメントを加撚して形成されたコードからなるので、溶融されない前記芯部繊維からなる編組が前記フィラメント間でも溶融固着されてより強力なプロテクターの形成が可能となる。
本発明の請求項5に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法によれば、長尺マンドレルに、複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを積層した後予備加硫し、予備加硫したこの積層ゴムホースの外表面に、芯部組成の融点が鞘部組成の融点より高い芯鞘繊維を編組した後、前記長尺マンドレルを抜き取って寸法裁断する。
次いで、この寸法裁断された積層ゴムホースの内側に屈曲形状を有する成型用マンドレルを挿入し、その後、前記芯鞘繊維の芯部組成の融点と鞘部組成の融点の間となる温度で本加硫することによって、前記積層ゴムホースの加硫と前記芯鞘繊維の鞘部のみを膜状に溶融固着させるプロテクターの形成とを同時に行なうので、密着性良好なプロテクター被覆成型曲がりホースを、一連の連続工程で一挙に安価なコストで製造することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態に係るプロテクター被覆成型曲がりホースおよびその製造方法について、以下図1に示した製造工程に従って、図2および図3を併用しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法を説明するための工程図、図2は本発明の実施の形態に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの積層構成を示す部分切断図、図3は芯鞘繊維の断面図である。
本発明の実施の形態に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの製造工程は、先ず、長尺マンドレルがリールより送り出される(ステップ1)。この長尺マンドレルには、後述する予備加硫や加硫の熱処理に耐えうる耐熱性を有する樹脂、例えば、ポリメチルペンテンやポリアミドが用いられる。そして、送り出されたこの長尺マンドレルの外周に、押出機によりゴムを押し出して所定厚さの内面ゴム層21が被覆される(ステップ2)。
次いで、この内面ゴム層21の外周に編機(ブレードマシン)によって、補強繊維を編組された補強層22が形成(ステップ3)され、この補強層22の外周にゴムを押し出して外面ゴム層23が被覆(ステップ4)された後、予備加硫(ステップ5)される。この予備加硫5は、160℃前後の温度で5分加熱する程度で良い。このような予備加硫を行うことによって、前記内面ゴム層21や外面ゴム層23にある程度の弾性を付与し、後工程の成型マンドレル挿入による損傷防止に寄与できるからである。
次に、予備加硫された前記外面ゴム層23の外周に、前記補強繊維22の形成と同様の編機(ブレードマシン)を用いて、芯鞘繊維26からなる編組を形成(ステップ6)した後、内面ゴム層21内の長尺マンドレルを抜き取る(ステップ7)。長尺マンドレルを抜き取られた前記ゴムホースは、通常50〜100m程度の長尺を有するので、これを製品長さに合わせて0.5〜2m程度の所定長に寸法切断(ステップ8)する。
その後、この寸法切断されたゴムホースの内面ゴム層21の内側に、所望の屈曲形状をする成型マンドレルを挿入(ステップ9)し、所定の温度で所定時間加熱して本加硫(ステップ10)すると同時に、前記芯鞘繊維26のうち鞘部25のみを溶解させて膜状の溶融固着部25aを形成させる。前記成型用マンドレルは、所望の三次元形状を予め賦与されたステンレス鋼棒材や表面にクロムメッキを施された鉄鋼棒材からなる。
そして、冷却が完了後、前記内面ゴム層21の内側に挿入されていた成型用マンドレルを抜き取り(ステップ11)、溶融されない前記芯部繊維24からなる編組24aと鞘部25のみを溶融させて形成された前記膜状溶融固着部25aとからなるプロテクター27によって被覆されてなるプロテクター被覆成型曲がりホース20の製造を完了する。
ここで、前記プロテクター被覆成型曲がりホース20がエアコン用ゴムホースの場合を例として、以下ゴム層について詳細に説明する。前記内面ゴム層21のゴム材質としてはブチルゴム(IIR)が好ましい。このブチルゴムは、イソブチレンとイソプレンの共重合体であって、耐熱、耐寒、耐候性、耐薬品性および耐屈曲亀裂性に優れる上、ガス透過性が低いという特性を有するゴムであるからである。前記ブチルゴムは、塩素化ブチルゴムや臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムでも良い。
また、前記外面ゴム層23としては、ブチルゴムやEPDMが好ましい。このブチルゴムは、上述したように極めてガス透過性が小さく、反発弾性が低いという性質を持ち、耐熱性、耐候性に優れているからである。また、EPDMは、同様に耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優れるためである。
そして更に、エアコン用ゴムホースの場合、輸送する冷媒の透過を防止するため、前記内面ゴム層の内面に樹脂層を形成するのが好ましい。樹脂層としては、通常ポリアミド樹脂が多用されている。このようなポリアミド樹脂は、PA6,PA66,PA6とPA66の共重合体,PA11,PA12,PA11とPA12の共重合物、変性物、ブレンド物およびPAにオレフィンをブレンドしたもの等が適している。
次に、補強層について説明すると、複数本の補強糸を引き揃えて内面ゴム層の外周面に、交差させて編み込みしつつ巻き付けられた編組を構成されてなる。前記補強糸は、複数本のポリエステル糸を加撚して構成されたものが強度上好ましい。
一方、図3に示す如く、本発明の実施の形態に係る芯鞘繊維26は、繊維断面上芯部24と鞘部25の各組成の融点が異なる繊維をいい、前記芯部24組成が、前記鞘部25組成より少なくとも50度℃以上高い融点を有するものが好ましい。この理由は、前記芯部24に熱的損傷を与えずに鞘部25のみを溶融するには、少なくとも50度℃以上の融点差が必要なためである。
また、前記芯鞘繊維は、芯鞘構造を有する複数本のフィラメント26を加撚して形成されたコードからなるのが好ましい。このような芯鞘繊維は、溶融されない前記芯部繊維からなる編組が、前記フィラメント26間でも溶融固着されてより強力なプロテクターが形成されるためである。
上述したような組成と構造を有する芯鞘繊維26の好適例として、芯部24が融点250℃の高粘度ポリエステル、鞘部25が融点160℃の共重合ポリエステル(ポリエステルエラストマ)からなるもの(商品名「メルセット」、ユニチカファイバー株式会社製)がある。
前述の予備加硫(ステップ5)や本加硫(ステップ10)に要する加熱温度と加熱時間は、使用されるゴム原料の架橋特性によって多少の違いはあるが、上述したようなゴム材質の場合、前記予備加硫(ステップ5)は160℃前後の温度で5分程度、本加硫(ステップ10)は160℃前後の温度で40分程度の加熱時間が必要である。
尚、前記本加硫(ステップ10)においては、160℃以上の温度で内面ゴム層21および外面ゴム層23を加硫させると同時に、前記芯鞘繊維26の鞘部25組成を溶融させて膜状溶融固着部25aを形成させる。そして、溶融していない芯部24からなる編組24aと、鞘部25のみを溶融させて形成された前記溶融固着部25aとからなるプロテクター27が、外面ゴム層23外周に密着して形成される。
このようなプロテクター27によって被覆されたプロテクター被覆成型曲がりホース20は、前記鞘部25組成がポリエステルエラストマからなるので、被覆された外面ゴム層23に対する優れた密着性と、芯部繊維24からなる編組24aの交点24bが強靭な強力を有するプロテクター27によって保護されるのである。
<実施例>
図1の工程に従って、直径12mmの長尺マンドレルの外周に、ブチルゴムからなる内面ゴム層、繊維補強層、EPDMからなる外面ゴム層を順次形成して外径19.0mmの未加硫のゴムホースを作成した。次いで、このゴムホースを温度160℃で5分加熱して予備加硫した後、前記ゴムホース外表面に芯鞘繊維(商品名「メルセット」、ユニチカファイバー株式会社製)により編組を形成した。
前記芯鞘繊維には、芯部が融点250℃の高粘度ポリエステル、鞘部が融点160℃の共重合ポリエステル(ポリエステルエラストマ)からなる芯鞘構造を有する複数本のフィラメントを撚り合わせてコードとした芯鞘繊維(商品名「メルセット」、ユニチカファイバー株式会社製)を用いた。
次いで、芯鞘繊維を編組された前記ゴムホースから長尺マンドレルを抜き取り、長さ1.5mに寸法切断した。そして、この切断されたゴムホースの内側に、3次元形状を有する成型マンドレルを挿入して、160℃の温度で40分加熱して本加硫を行ない、冷却後前記成型マンドレルを抜き取った。
その結果、前記芯鞘繊維の芯部繊維は溶融せずに編組としての形態を保持し、鞘部のみが溶融されて前記編組とゴムホース外表面とを膜状に密着した溶融固着部が形成された。即ち、溶融されない前記芯部繊維からなる編組と、鞘部のみを溶融させて形成された前記膜状溶融固着部とからなるプロテクターによって被覆されたプロテクター被覆成型曲がりホースが得られた。
以上、本発明に係るプロテクター被覆成型曲がりホースは、前記プロテクターが、融点の異なる芯鞘繊維からなる編組をゴムホースの外表面に形成した後、前記芯鞘繊維のうち鞘部のみを溶融させて膜状の溶融固着部となし、溶融されない前記芯部繊維からなる編組と鞘部のみを溶融させて形成された前記膜状溶融固着部とからなるプロテクターによって被覆されてなるので、前記プロテクターが前記ゴムホース外表面に隙間無く融着してホースの強度が向上するとともに、ホース外表面が凹凸の少ないスリムな仕上がりを有する。
また、本発明に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法は、長尺マンドレルに、複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを積層した後予備加硫し、予備加硫したこの積層ゴムホースの外表面に、芯部組成の融点が鞘部組成の融点より高い芯鞘繊維を編組した後、前記長尺マンドレルを抜き取って寸法裁断する。
次いで、この寸法裁断された積層ゴムホースの内側に屈曲形状を有する成型用マンドレルを挿入し、その後、前記芯鞘繊維の芯部組成の融点と鞘部組成の融点の間となる温度で本加硫することによって、前記積層ゴムホースの加硫と前記芯鞘繊維の鞘部のみを膜状に溶融固着させるプロテクターの形成とを同時に行なうので、密着性良好なプロテクター被覆成型曲がりホースを、一連の連続工程で一挙に安価なコストで製造することが可能となった。
本発明に係るこのようなプロテクター被覆成型曲がりホースおよびその製造方法は、複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを積層して屈曲形状に成型されたゴムホースの外表面に、プロテクターが被覆されたプロテクター被覆成型曲がりホースおよびその製造方法に用いられるのが好ましいが、このようなホース構成に限定されることはない。
即ち、最内層のゴム層の内側に、輸送する冷媒等の透過を防止するため樹脂チューブを設けた樹脂−ゴム複合成型曲がりホースの外表面に、プロテクターが被覆されたプロテクター被覆樹脂−ゴム複合成型曲がりホースおよびその製造方法、更には、前記樹脂チューブの内側に損傷防止のため薄いゴム層を設けた樹脂−ゴム複合曲がりホースの外表面に、プロテクターが被覆されたプロテクター被覆樹脂−ゴム複合成型曲がりホースおよびその製造方法にも適用できることは言うまでもない。
本発明の実施の形態に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態に係るプロテクター被覆成型曲がりホースの積層構成を示す部分切断図である。 芯鞘繊維の断面図である。 従来例に係るブレーキホースやエアコンホースの積層構成の一実施例を示す図である。 従来例に係る車両用ホースプロテクターの一実施例を示す斜視図である。 他の従来例の一実施例に係るプロテクター付ホースを示す説明図である。
符号の説明
1:長尺マンドレル送出, 2:内面ゴム押出, 3:補強層形成,
4:外面ゴム押出, 5:予備加硫, 6:芯鞘繊維編組,
7:長尺マンドレル抜取, 8:寸法切断, 9:成型マンドレル挿入,
10:本加硫, 11:成型マンドレル抜取,
20:プロテクター被覆成型曲がりホース, 21:内面ゴム層,
22:補強層, 23:外面ゴム層,
24:芯部(芯部繊維), 24a:編組, 24b:交点,
25:鞘部, 25a:膜状溶融固着部,
26:芯鞘繊維(芯鞘構造を有するフィラメント),
27:プロテクター

Claims (5)

  1. 複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを積層して屈曲形状に成型されたゴムホースの外表面に、プロテクターが被覆されたプロテクター被覆成型曲がりホースであって、前記プロテクターが、融点の異なる芯鞘繊維からなる編組を前記ゴムホースの外表面に形成した後、前記芯鞘繊維のうち鞘部のみを溶融させて膜状の溶融固着部となし、溶融されない前記芯部繊維からなる編組と鞘部のみを溶融させて形成された前記膜状溶融固着部とからなるプロテクターによって被覆されてなることを特徴とするプロテクター被覆成型曲がりホース。
  2. 前記芯鞘繊維の芯部組成が、前記鞘部組成より少なくとも50度℃以上高い融点を有することを特徴とする請求項1に記載のプロテクター被覆成型曲がりホース。
  3. 前記芯鞘繊維の芯部組成がポリエステルからなり、前記鞘部組成を溶融して固着された前記膜状溶融固着部がポリエステルエラストマからなることを特徴とする請求項1または2に記載のプロテクター被覆成型曲がりホース。
  4. 前記芯鞘繊維が、芯鞘構造を有する複数本のフィラメントを加撚して形成されたコードからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つの項に記載のプロテクター被覆成型曲がりホース。
  5. 長尺マンドレルに、複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを積層した後予備加硫し、予備加硫したこの積層ゴムホースの外表面に、芯部組成の融点が鞘部組成の融点より高い芯鞘繊維を編組した後、前記長尺マンドレルを抜き取って寸法裁断し、次いで、この寸法裁断された積層ゴムホースの内側に屈曲形状を有する成型用マンドレルを挿入し、その後、前記芯鞘繊維の芯部組成の融点と鞘部組成の融点の間となる温度で本加硫することによって、前記積層ゴムホースの加硫と前記芯鞘繊維の鞘部のみを膜状に溶融固着させるプロテクターの形成とを同時に行なうことを特徴とするプロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法。
JP2006202257A 2006-07-25 2006-07-25 プロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法 Expired - Fee Related JP4512839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006202257A JP4512839B2 (ja) 2006-07-25 2006-07-25 プロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006202257A JP4512839B2 (ja) 2006-07-25 2006-07-25 プロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008025807A true JP2008025807A (ja) 2008-02-07
JP4512839B2 JP4512839B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=39116635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006202257A Expired - Fee Related JP4512839B2 (ja) 2006-07-25 2006-07-25 プロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4512839B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010104941A3 (en) * 2009-03-11 2011-01-13 Deepflex Inc. Method and apparatus to repair flexible fiber-reinforced pipe
JP2013044343A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Kuraray Plastics Co Ltd 導水管、橋構造物及び導水管の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0251686A (ja) * 1988-08-16 1990-02-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The ホース
JPH07299823A (ja) * 1994-04-29 1995-11-14 Toyoda Gosei Co Ltd 曲線状ゴムホースの製造方法
JPH07324249A (ja) * 1994-05-31 1995-12-12 Unitika Ltd 防水布の製造方法
JP2006170220A (ja) * 2004-12-10 2006-06-29 Tokai Rubber Ind Ltd ゴムホース及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0251686A (ja) * 1988-08-16 1990-02-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The ホース
JPH07299823A (ja) * 1994-04-29 1995-11-14 Toyoda Gosei Co Ltd 曲線状ゴムホースの製造方法
JPH07324249A (ja) * 1994-05-31 1995-12-12 Unitika Ltd 防水布の製造方法
JP2006170220A (ja) * 2004-12-10 2006-06-29 Tokai Rubber Ind Ltd ゴムホース及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010104941A3 (en) * 2009-03-11 2011-01-13 Deepflex Inc. Method and apparatus to repair flexible fiber-reinforced pipe
US8617331B2 (en) 2009-03-11 2013-12-31 Deepflex Inc. Method and apparatus to repair flexible fiber-reinforced pipe
JP2013044343A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Kuraray Plastics Co Ltd 導水管、橋構造物及び導水管の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4512839B2 (ja) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20130000767A1 (en) Method of manufacturing rubber hose, rubber hose and rubber hose with end clamp
EP2919978B1 (en) Method of forming a hose assembly
MXPA02010394A (es) Metodo para elaborar tubos termoplasticos curvos.
JPH0544909B2 (ja)
JP4512839B2 (ja) プロテクター被覆成型曲がりホースの製造方法
JP4280282B2 (ja) 樹脂−ゴム複合曲がりホース成型方法
JP4871805B2 (ja) 曲がりホース成型用金型及びこれを用いた曲がりホースの製造方法
JP4280280B2 (ja) 曲がりホース成型用マンドレル
JP6175327B2 (ja) 蒸気配管用断熱フレキシブルホースの製造方法および管状断熱部材
JP4069141B2 (ja) 樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法
EP1153733B2 (en) Method of manufacturing curved hose
JP4069140B2 (ja) 樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法
JP4428600B2 (ja) 成型ホースの製造方法
JPH0531782A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JP5252774B2 (ja) アクリル系ゴム材料及び成型ホース
JP2018083301A (ja) 樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法
JP3732638B2 (ja) 複合曲がりホ−スの製造方法
JPH07117178B2 (ja) 複合管
JP7030039B2 (ja) 樹脂ホース
JPH0526381A (ja) 燃料用ゴムホースとその製造方法
JPH07144372A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH08323882A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH07290591A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH08174704A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH1089550A (ja) 加熱手段を備えたホースの編組装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100225

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4512839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees