JP2008024608A - 糖組成物 - Google Patents

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Abstract

【目的】混練装置への供給工程において偏析による糖類間の濃度むらが発生せず、樹脂との溶融混練工程において同時に熱可塑化する必要が無いように予め熱可塑化された、樹脂成分(樹脂など)との溶融混練により樹脂粒子や多孔体を生成するのに適した多糖類及び結晶性の糖アルコールからなる熱可塑性の固体状糖組成物及びその製造方法を提供することにある
【構成】オリゴ糖、還元水あめ、クラスターデキストリンから選ばれる少なくとも1種類の多糖類(A)と、少なくとも1種類の結晶性を有する糖アルコール(B)を水などの溶媒に溶解し、多糖類(A)と糖アルコール(B)が均一に混合した溶液を形成し、該溶液を乾燥することにより、多糖類(A)と糖アルコール(B)が均一混合された糖組成物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶融可能な樹脂成分との溶融混練により樹脂微粒子や多孔体を生成するのに適した多糖類及び結晶性の糖アルコールからなる熱可塑性の固体状糖組成物及びその製造方法に関する。
オリゴ糖、デキストリン類などの多糖類は、天然物由来の成分であり、安全性が高く、食品、医薬品などの分野で使用されている。例えば、特許第3122141号公報(特許文献1)には、マンニトールなどの成形性の低い糖類を、マルトース、マルチトール、ソルビトールなどの成形性の高い糖類を結合剤として噴霧して被覆及び/又は造粒してなる造粒物を含有し、口腔内において速やかな崩壊性、溶解性を有する口腔内溶解型圧縮成型物が開示されている。また、国際公開番号WO 00/48575号公報(特許文献2)には、少なくとも、主薬、マンニトール、ラクトース、キシリトール、エリスリトールなどの水に濡れやすい糖類、ラクトース、ソルビトール、オリゴ糖などの成形性に優れた糖類及び崩壊剤を含む混合粉体を、水に濡れやすい糖類を含む結合剤で結合して造粒物を得て、この造粒物を圧縮成型して得られる錠剤が開示されている。この文献には、主薬粒子と糖類粒子と崩壊剤粒子と成形性に優れた糖類粒子との混合粉体が、水に濡れやすい糖類(析出微粒子)を含む結合剤で結合された造粒物の模式図が示されている。
さらに、特開2004−180640号公報(特許文献3)には、水系媒体に溶解、含有せしめた組成物(飲食物、化粧品、医薬品)を調製するのに適した粉体として、押出方式で造粒され、粉末化された、無水物換算で、マルトース86w/w%以上93w/w%未満及びグルコース2w/w%以上を含有し、結晶化度が62%以上72%未満であるβ−マルトース含水結晶含有粉末が記載されている。マルトースは二糖類であり、上記粉末は、水に対する溶解性および取り扱い性に優れている。
特開平8−56605号公報(特許文献4)には、特定の人工甘味料が粉末又は粒状状態のオリゴ糖に添着または被覆されている甘味剤が開示され、オリゴ糖が5〜200メッシュの粒径を有すること、オリゴ糖が3〜7糖類から選択された少なくとも1つを少なくとも10重量%含有することも記載されている。この文献には、前記所定の人工甘味料が粒子間の固結を防止すること、オリゴ糖に対する人工甘味料の割合は等量以下であればよいが、好ましくは0.1〜1重量%程度であること、従来のオリゴ糖に比べて流動性、甘味度が優れ、吸湿性も少ないことが記載されている。
一方、特開2004−51942号公報(特許文献5)には、樹脂成分(A)と少なくともオリゴ糖(B1)で構成された水溶性助剤成分(B)とを溶融混練し、樹脂成分が分散相を形成し、水溶性助剤成分がマトリックスを形成した分散体を生成させ、生成した分散体から水溶性助剤成分を溶出させることにより、球状の樹脂粒子を得ることが開示されている。この文献には、水溶性助剤成分を、オリゴ糖と、このオリゴ糖を可塑化するための水溶性可塑化成分(糖又は糖アルコール)とで構成すること、樹脂成分と助剤成分とで構成された樹脂組成物を、溶融混練し、分散体を調製することも開示されている。
しかし、オリゴ糖及び水溶性可塑化成分が粉末の形態であるため、取り扱い性が劣るとともに、ホッパーを通じて溶融混練機へ供給すると、粉末がブリッジングし、オリゴ糖及び水溶性可塑化成分を円滑に供給できなくなる。特に、オリゴ糖は、ホッパーを含む供給路でブリッジングが生じやすい。そして、著しい場合には、オリゴ糖(又はオリゴ糖を含む粉末状組成物)が供給路を閉塞する。そのため、作業性を低下させるとともに、混練過程での樹脂と水溶性助剤成分との組成割合が変動し、得られた樹脂粒子の平均粒子径が変化する虞がある。
また例えブリッジングが生じなかったとしても、オリゴ糖と水溶性可塑化成分はドライブレンドされてホッパーなどの供給路を経て混練装置に供給されるが、この時に、オリゴ糖と水溶性可塑化成分の粒度が異なるために偏析を起こして濃度むらが発生する可能性がある。さらに、市販されているオリゴ糖が微粉末の形態であるため、樹脂(例えば、ペレット状樹脂)との混練に際して、供給路においてオリゴ糖微粉末が偏析しやすく、均一な混練が困難である。さらには、ホッパーなどへの供給に伴って、微粉末のオリゴ糖が飛散・浮遊し、粉塵爆発を起こす虞があり、安全性も危惧される。 さらに、溶融混練の工程において、水溶性可塑化成分がオリゴ糖と分子レベルで混ざり合いながらオリゴ糖が可塑化され、これが溶融した樹脂成分と混練されることにより分散状態が形成されるが、オリゴ糖の可塑化工程が樹脂の溶融、分散工程と同時に起こるため、安定した分散状態を得ることが困難になる問題もある。
一方、上記の方法を含め、従来、熱可塑性樹脂からなる多孔体や粒子、あるいは表面に凹凸を有した成形体を得る方法として、熱可塑性樹脂を特定の成分と溶融混練して任意の分散状態を有する組成物を成し、この組成物を、該成分は溶解するが熱可塑性樹脂は溶解しない溶媒に浸して、該成分を除去して目的の成形体を得る方法が提案されている。
これらの方法に関し、例えば樹脂微粒子の製造方法として特開平10−176065号公報(特許文献6)には、微粉末化する熱可塑性樹脂(a)に、他の1種類以上の熱可塑性樹脂(b)を溶融混練することにより、樹脂(a)が分散相、樹脂(b)が連続相を構成する樹脂組成物を得て、樹脂(a)は溶解せず、樹脂(b)が溶解するような溶媒で前記樹脂組成物を洗浄することにより、樹脂(a)の球状微粒子を得る方法が開示されている。
特開昭60−13816号公報(特許文献7)には、ポリエチレングリコールと熱可塑性樹脂とを溶融撹拌した後に、水中に投入して両ポリマーを凝固させ、その後、水を用いて、ポリエチレングリコールを除去する熱可塑性樹脂粒子の製造方法が提案されている。特開昭61−9433号公報(特許文献8)には、熱可塑性樹脂とポリエチレンオキサイドとを溶融撹拌した後に冷却させ、水を用いて、ポリエチレンオキサイドを除去する熱可塑性樹脂粒子の製造方法が開示されている。
特開平9−165457号公報(特許文献9)には、ポリビニルアルコール系樹脂、変性澱粉、ポリエチレンオキサイドなどの溶融成形可能な水溶性高分子と、熱可塑性樹脂とを混合して溶融成形物を得た後、水を用いて、成形物から水溶性高分子を除去する樹脂微粒子の製造方法が開示されている。
また前記特開2004−51942号公報(特許文献5)には、樹脂成分(A)及び水溶性乳化媒体(B)で構成された分散体であって、乳化媒体(B)が、少なくともオリゴ糖(B1)で構成されている分散体、および前記分散体から乳化媒体(B)を溶出し、樹脂成分(A)で構成された成形体を製造する方法が開示されている。特開2005−162841号公報(特許文献10)には、オリゴ糖(A1)と、このオリゴ糖(A1)を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)とで構成され、かつ実質的に水を含むことなく溶融成形可能な水溶性助剤が開示されている。
これらの方法は、いずれも、広範囲に渡る熱可塑性樹脂を簡便に微粒子化できる方法として有用であるが、一方で、連続相を形成する成分を溶媒に溶出させた際に発生する溶液の処理において、環境面、コスト面の両面から多大な負荷が発生するという問題点があった。その中で、オリゴ糖を含む水溶性乳化成分を用いる方法は、溶解させる媒体に水を使用するという、また一般的に天然物由来である糖を用いるという点において、これらの負荷を軽減させることが可能であるが、しかしながら糖水溶液のBOD負荷の面などから、その処理において解決するべき問題は多い。
特許第3122141号公報(特許請求の範囲) 国際公開番号WO00/48575号公報(特許請求の範囲) 特開2004−180640号公報(特許請求の範囲) 特開平8−56605号公報(特許請求の範囲、段落番号[0006][ 0007][0011][0062]) 特開2004−51942号公報(特許請求の範囲) 特開平10−176065号公報(特許請求の範囲) 特開昭60−13816号公報(特許請求の範囲) 特開昭61−9433号公報(特許請求の範囲) 特開平9−165457号公報(特許請求の範囲) 特開2005−162841号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、混練装置への供給工程において偏析による糖類間の濃度むらが発生せず、樹脂との溶融混練工程において同時に熱可塑化する必要が無いように予め熱可塑化された、樹脂成分(樹脂など)との溶融混練により樹脂粒子や多孔体を生成するのに適した多糖類及び結晶性の糖アルコールからなる熱可塑性の固体状糖組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、熱可塑性樹脂と水溶性の糖組成物から少なくともなる成形体を水などの溶媒に浸漬し、糖組成物を除去することによる熱可塑性樹脂からなる成形体の製造方法において、工程内で発生する糖組成物(の水溶液の処理方法を提供することであり、特に該溶液から、固体状の糖組成物を得る方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、前記多糖類及び結晶性の糖アルコールからなる熱可塑性の固体状糖組成物を水溶性の形状形成材として用い、熱可塑性樹脂と固体状糖組成物を溶融混練してなる組成物を水に浸漬し、糖組成物を除去することにより得られる熱可塑性樹脂成形体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するため検討した結果、オリゴ糖、還元水あめ、クラスターデキストリンから選ばれる少なくとも1種類の多糖類(A)と、少なくとも1種類の結晶性を有する糖アルコール(B)を水などの溶媒に溶解し、多糖類(A)と糖アルコール(B)が均一に混合した溶液を形成し、該溶液を乾燥することにより、多糖類(A)と糖アルコール(B)が均一混合された糖組成物を得る。得られた糖組成物は多糖類(A)と糖アルコール(B)が均一に混合しているため、溶融混練の工程において、既に糖アルコール(B)の水溶性可塑化成分がオリゴ糖と分子レベルで混合した状態である。この状態で熱によりオリゴ糖が可塑化され、これが溶融した樹脂成分と混練されることにより安定した分散状態が形成される。
すなわちオリゴ糖の可塑化・分散工程が樹脂の溶融、分散工程と同時に起こるのではないので、安定した分散状態を得ることを見出し本発明に到達した。本発明においてはオリゴ糖は粉末状オリゴ糖であってもよい。
本発明においては、多糖類(A)と糖アルコール(B)が均一に混合した溶液の粘度について言えば、溶液の粘度が1Pa・sec以下、また0.5Pa・sec以下、であってもよい。また水溶液中の多糖類(A)と糖アルコール(B)の合計濃度は、15重量%〜50重量%、また、18重量%〜45重量%、また20重量%〜40重量%であっても良い。本発明の糖組成物はこれらの溶液(C)を乾燥することで得ることができる。
使用する溶媒は、多糖類(A)と糖アルコール(B)であればよく、溶融可能な樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物に対する良溶媒である溶媒であってもよい。溶媒は混合溶媒でもよい。混合溶媒の場合、溶媒は極性溶媒の混合溶媒でもよく、水と他の有機溶媒の混合溶媒でもよい。
溶液(C)の乾燥方法は熱風乾燥法、真空乾燥法、スプレードライヤー法であってもよい。本発明の糖組成物は粉末状もしくは顆粒状であってもよい。またそれらの円換算粒子径は10μm以上であってもよく、また30μm以上であってもよく、また50μm以上であってもよく、また100μm以上であってもよい。
本発明の溶液(C)は溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を溶媒に溶解して得られた溶液であってもよい。本発明の溶液(C)は光路長3mmの光学セルを用いて測定したときの水溶液(C)の全光線透過量が90以上であってもよく、また92%以上であってもよく、また95%以上であってもよい。
本発明の水溶液(C)は、溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を、溶融可能な樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、固液分離し、粒子状の樹脂成形物を得る方法において、得られる固液分離時の液相を用いることもできる。
この様態の場合であれば、糖組成物と溶融可能な樹脂成分の製造工程で得られる廃液を用いて、本発明の糖組成物を得ることができる。
本発明を用いると、溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を、溶融可能な樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、固液分離し、粒子状の樹脂成形物を得る方法において、マトリックスを形成する糖組成物の安定した分散状態を得ることができる。更に、多糖類(A)と糖アルコール(B)が均一に混合した組成物となっているので、多糖類(A)と糖アルコール(B)の粒度が異なるために偏析を起こして濃度むらが発生することを抑制できる。
更に、樹脂成分(樹脂など)との溶融混練により樹脂粒子や多孔体を生成するのに適した予め熱可塑化された固体状の糖組成物が得られ、さらに溶融可能な二成分を溶融状態で混練して得られた成形体より、一方の成分を除去することにより、他方よりなる粒子状あるいは多孔体状などの特殊な形状を有した成形体を得るための製造方法において、除去された成分の固形化が容易に出来ることから、これらの樹脂成形体を工業的に有利に製造するのに適している。そして、マトリックスの糖組成物を溶出した液を廃棄する必要がなく、環境負荷も低減できる。
[糖組成物] 本発明の糖組成物は、オリゴ糖(粉末状オリゴ糖)、還元水飴、クラスターデキストリンから選ばれる少なくとも1種類の多糖類(A)と、この少なくとも1種類の結晶性を有する糖アルコール(B)で構成されており、取り扱い性及び流動性が改善されている。そして、多糖類(A)と結晶性を有する糖アルコール(B)が均一に混合されている。
[多糖類]
本発明においては、オリゴ糖(粉末状オリゴ糖)、還元水飴、クラスターデキストリンから選ばれる少なくとも1種類の多糖類としては以下のものが用いることができる。
(A1)オリゴ糖
オリゴ糖(A1)は、ホモオリゴ糖であってもよくヘテロオリゴ糖であってもよい。オリゴ糖(A1)としては、例えば、二糖類〜十糖類が挙げられ、通常、二糖類〜六糖類のオリゴ糖が使用される。なお、オリゴ糖(A1)は無水物でもよい。また、オリゴ糖(A1)において、単糖類と糖アルコールとが結合していてもよい。さらに、オリゴ糖(A1)は複数の糖成分で構成されたオリゴ糖組成物であってもよく、多糖類の分解により生成するオリゴ糖組成物であってもよい。このようなオリゴ糖組成物であっても単にオリゴ糖(A1)という場合がある。
オリゴ糖(A1)は、通常、常温で固体である。オリゴ糖(A1)(又はオリゴ糖組成物)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、前記オリゴ糖(A1)は、一般的に天然物由来であるため、環境への負荷を低減できるとともに、水に対する溶解速度が速いため、前記分散体から樹脂粒子を効率よく生成できる。
二糖類としては、トレハロース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオースなどのホモオリゴ糖;ラクトース、スクロース、パラチノースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。
三糖類としては、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、セロトリオースなどのホモオリゴ糖;マンニノトリオース、ソラトリオース、メレジトース、プランテオース、ゲンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトスクロース、ラフィノースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。
四糖類としては、マルトテトラオース、イソマルトテトラオースなどのホモオリゴ糖;スタキオース、セロテトラオース、スコロドース、リキノース、パノースの還元末端に糖又は糖アルコールが結合したテトラオースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。これらの四糖類のうち、パノースの還元末端に単糖類又は糖アルコールが結合したテトラオースは、例えば、特開平10−215892号公報に開示されており、パノースの還元末端に、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロース、アラビノースなどの単糖類や、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコールが結合したテトラオースが例示できる。
五糖類としては、マルトペンタオース、イソマルトペンタオースなどのホモオリゴ糖;パノースの還元末端に二糖類が結合したペンタオースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。パノースの還元末端に二糖類が結合したペンタオースは、例えば、特開平10−215892号公報に開示されており、パノースの還元末端に、スクロース、ラクトース、セロビオース、トレハロースなどの二糖類が結合したペンタオースが例示できる。
六糖類としては、マルトヘキサオース、イソマルトヘキサオースなどのホモオリゴ糖などが挙げられる。
これらのオリゴ糖(又はオリゴ糖組成物)のうち、少なくとも四糖類で構成されたオリゴ糖は、溶融粘度特性、樹脂成分との溶融混合又は混練性の観点から好ましい。
このようなオリゴ糖又はオリゴ糖組成物としては、例えば、デンプン糖(デンプン糖化物)、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、フルクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖などが挙げられ、これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、デンプン糖は、デンプンに酸又はグルコアミラーゼなどを作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、複数個のグルコースが結合したオリゴ糖の混合物であってもよい。
デンプン糖としては、例えば、東和化成工業(株)製の還元デンプン糖化物(商品名:PO−10、四糖類の含有量90重量%以上)などが挙げられる。ガラクトオリゴ糖は、ラクトースにβ−ガラクトシダーゼなどを作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、ガラクトシルラクトースとガラクトース−(グルコース)nの混合物(nは1〜4の整数)であってもよい。カップリングシュガーは、デンプンとスクロースにシクロデキストリン合成酵素(CGTase)を作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、(グルコース)n−スクロースの混合物(nは1〜4の整数)であってもよい。フルクトオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)は、砂糖にフルクトフラノシダーゼを作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、スクロース−(フルクトース)nの混合物(nは1〜4の整数)であってもよい。
これらのオリゴ糖(A1)において、溶融混合又は混練での急激な粘度低下を防止するため、オリゴ糖組成物中の三糖類及び四糖類(特に四糖類)の含有量は、例えば、60重量%以上(例えば、60〜100重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、70〜100重量%程度)、さらに好ましくは80重量%以上(例えば、80〜100重量%程度)、特に90重量%以上(例えば、90〜100重量%程度)であってもよい。
オリゴ糖(A1)は非還元型(トレハロース型)であってもよいが、還元型(マルトース型)のオリゴ糖は、耐熱性に優れるため好ましい。還元型のオリゴ糖としては、遊離のアルデヒド基又はケトン基を有し、還元性を示す糖、例えば、コージービオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、パラチノース、メリビオース、ルチノース、プリメベロース、ツラノースなどの二糖類;マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、セロトリオース、マンニノトリオース、ソラトリオースなどの三糖類;マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、セロテトラオース、リキノースなどの四糖類;マルトペンタオース、イソマルトペンタオースなどの五糖類;マルトヘキサオース、イソマルトヘキサオースなどの六糖類などが挙げられる。
(A2)還元水飴
本発明に用いる還元水飴とは糖アルコールの一種であり、水飴が持つカルボニル基を還元(水素を付加)して得られる鎖状多価アルコール類の水飴である。還元水飴は水素が付加されているためカルボニル基が存在せず、非還元糖に分類されるものである。還元澱粉糖化物と言われる場合もある。
具体的にはデンプン部分加水分離物を還元して得たオリゴ糖にソルビトールが結合した非還元性オリゴ糖と単糖アルコールの混合物といえる。これらの還元水飴の製造法としては、例えばデンプンの加水分離物により得られる単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、デキストリンなどを含むDE20〜50の糖液を精製、濃縮後、水素で還元得ることができる。
高糖化還元水あめの成分組成の一例を示すと、単糖アルコールが0〜10%、二糖アルコールが45〜55%、三糖アルコールが15〜25%、四糖アルコールが20〜30%である。また低糖化還元水あめの成分組成の一例では単糖アルコールが5〜10%、二糖アルコールが50〜60%、三糖アルコールが10〜20%、四糖アルコールが20%以下である。これらの還元水飴の特性として、高糖化還元水あめ及び低糖化還元水あめは熱に対して安定性があり、着色が起こりにくくなっているため、本発明に用いるのに好適である。還元水飴の一例としては日研化成株式会社が製造している、エスイーシリーズなどを挙げることができ、例えばエスイーPなどを用いることができる。
(A3)クラスターデキストリン
本発明において用いるクラスターデキストリンとは少なくとも1つの環状構造を有する水溶性多糖類のことである。本発明におけるクラスターデキストリンにおいて、環状構造(環状骨格、環状ユニット、環状部位)は、多糖類を構成する複数のグリコース単位[通常、グルコース単位(特にD−グルコース)]がグルコシド結合(又はグルコシル化)して形成された環であればよい。すなわち、本明細書において、環状構造とは、複数のグリコース単位(およびグルコシド結合)で形成された環を意味し、グルコース環などの単糖類の環を意味するものではない。このようなクラスターデキストリンは、オリゴ糖などに比べて比較的高分子量であり溶融粘度が高く、しかも、その環状構造によるためか、水溶性を示す。
本発明では、このような特定の多糖類を使用することにより、溶融時において、オリゴ糖などに比べて高い剪断粘度を保持できるため、溶融混練性を損なうことなく溶融混練でき、しかも、水溶性であるため、水などにより容易に除去可能である。
前記多糖類において、環状構造は、複数のグルコシド結合で構成されていればよく、α−グルコシド結合又はβ−グルコシド結合で構成されていてもよく、通常、α−グルコシド結合で構成されていてもよい。環状構造(1つの環状構造あたり)の平均重合度(数平均重合度、環状構造を形成する平均グルコシド結合数、環状構造を形成するグリコース単位の平均重合度)は、例えば、10以上(例えば、10〜500程度)、好ましくは12以上(例えば、12〜300程度)、さらに好ましくは14以上(例えば、14〜100程度)であってもよい。また、環状構造を構成するグルコシド結合は、通常、少なくとも1,4−グルコシド結合(特に、α−1,4−グルコシド結合)で形成された環であればよく、1,4−グルコシド結合(特に、α−1,4−グルコシド結合)と1,6−グルコシド結合(特に、α−1,6−グルコシド結合)とで形成された環であってもよい。
このような1,6−グルコシド結合を含む環において、環状構造(1つの環状構造あたり)における1,6−グルコシド結合の平均数は、1以上(例えば、1〜700程度)であればよく、例えば、1〜300(例えば、1〜200)、好ましくは1〜100(例えば、1〜50)、さらに好ましくは1〜20(例えば、1〜10)であってもよい。
また、クラスターデキストリンは、少なくとも1つの環状構造(環状ユニット)を有していればよく、複数の環状構造を有していてもよい。なお、クラスターデキストリンの平均重合度(数平均重合度、総平均重合度、多糖類全体の平均重合度)は、例えば、14以上(例えば、14〜15000)、好ましくは17以上(例えば、17〜10000)、さらに好ましくは20以上(例えば、20〜8000)程度であってもよい。
なお、クラスターデキストリンは、誘導体化(又は変性)されていてもよい。例えば、クラスターデキストリンは、ヒドロキシル基(アルコール性ヒドロキシル基)が誘導体化[例えば、エーテル化(例えば、メチルエーテル化などのアルキルエーテル化;ヒドロキシエチルエーテル化、ヒドロキシプロピルエーテル化などのヒドロキシアルキルエーテル化;グリセリル化など)、エステル化、グラフト化、架橋化など]された誘導体であってもよい。クラスターデキストリンは、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。代表的なクラスターデキストリンには、(1)環状構造(又は環状ユニット)とこの環状構造に結合した非環状構造(非環状骨格、非環状ユニット非環状部位)とを有し、かつ平均重合度50以上である多糖類、(2)14以上のα−1,4−グルコシド結合で形成された環状構造を分子内に一つ有する多糖類などが挙げられる。
(クラスターデキストリン(1))
前記クラスターデキストリン(1)において、環状構造は、通常、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成された環であってもよい。また、環状構造(1つの環状構造あたり)の平均重合度(数平均重合度)は、例えば、10〜500、好ましくは12〜300、さらに好ましくは14〜100であってもよい。環状構造がα−1,6−グルコシド結合を有する場合、環状構造(1つの環状構造あたり)におけるα−1,6−グルコシド結合の平均数は、例えば、1以上(例えば、1〜200)、好ましくは1〜100、さらに好ましくは1〜50程度であってもよい。
なお、多糖類(1)の平均重合度(数平均重合度、総数平均重合度)は、50以上であればよく、例えば、50〜10000、好ましくは60〜7000、さらに好ましくは70〜5000程度であってもよい。なお、多糖類(1)は、非環状構造を1又は複数有していてもよく、通常、複数(例えば、2〜1000、好ましくは3〜500程度)有していてもよい。
このような非環状部位(又はクラスターデキストリン(1)の環状構造以外の部位)1つあたりの平均重合度(数平均重合度)は、例えば、10以上(例えば、10〜30)、好ましくは10〜20程度であってもよい。また、非環状部位全体の平均重合度(数平均重合度)は、10以上であればよく、例えば、40以上(例えば、50〜5000程度)、好ましくは100〜3000程度であってもよい。なお、非環状部位は、特に、α−1,6−グルコシド結合のグリコース(特にグルコース)単位から分岐している場合が多い。なお、クラスターデキストリン(1)において、ヒドロキシル基(アルコール性ヒドロキシル基)は、誘導体化(例えば、エーテル化、エステル化、グラフト化など)されていてもよい。
このようなクラスターデキストリン(1)には、いわゆる一般的に「クラスターデキストリン」として知られている多糖類が含まれる。このようなクラスターデキストリン(1)は、例えば、糖類(例えば、澱粉、澱粉の部分分解物、アミロペクチン、グリコーゲン、ワキシー澱粉、ハイアミロース澱粉、可溶性澱粉、デキストリン、澱粉加水分解物、およびホスホリラーゼによる酵素合成アミロペクチンから選択された少なくとも1種の基質など)に、糖類に作用して環状構造を形成可能な酵素(枝作り酵素、D酵素、サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼなど)を反応させることにより得てもよい。このようなクラスターデキストリンおよびその製造方法についての詳細は、特開平8−134104号公報などを参照できる。
(クラスターデキストリン(2))
前記クラスターデキストリン(2)において、環状構造は、α−1,4−グルコシド結合で少なくとも形成された環であればよく、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成された環であってもよい。また、クラスターデキストリン(2)において、環状構造の平均重合度(数平均重合度)は、14以上であればよく、例えば、14〜5000、好ましくは15以上(例えば、15〜3000程度)、さらに好ましくは17以上(例えば、17〜1000程度)であってもよい。
環状構造がα−1,6−グルコシド結合を有する場合、環状構造におけるα−1,6−グルコシド結合の平均数は、例えば、1〜500、好ましくは1〜300、さらに好ましくは1〜100程度であってもよい。
クラスターデキストリン(2)は、前記環状構造を有している限り、非環状構造(例えば、直鎖状構造)を有していてもよいが、通常、前記環状構造のみで構成(又は形成)された環状多糖類であってもよい。なお、クラスターデキストリン(2)において、ヒドロキシル基(アルコール性ヒドロキシル基)は、誘導体化(例えば、エーテル化、エステル化、グラフト化、架橋化など)されていてもよい。このようなクラスターデキストリン(2)には、いわゆる「シクロアミロース(又はサイクロアミロース)」として知られている多糖類が含まれる。
このようなクラスターデキストリン(2)は、例えば、直鎖状のα−1,4−グルカン又はこのグルカンを含む糖類(例えば、マルトオリゴ糖、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、澱粉、ワキシー澱粉、ハイアミロース澱粉、可溶性澱粉、デキストリン、澱粉枝切り物、澱粉部分加水分解物、ホルホリラーゼによる酵素合成アミロース、およびこれらの誘導体から選択された少なくとも1種など)と、クラスターデキストリン(2)を形成可能な酵素(例えば、D酵素など)とを、必要に応じて、ホスホリラーゼおよびグルコース1−リン酸の存在下で反応させることにより得ることができる。また、前記反応は、基質としてα−1,6−グルコシド結合を有する基質を用いる場合には、α−1,6−グルコシド結合を切断可能な酵素(例えば、イソアミラーゼ、プルラナーゼなど)の存在下で行ってもよい。
このようなサイクロアミロースおよびその製造方法についての詳細は、特開平8−311103号公報などを参照できる。これらの多糖類は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。本発明では、前記クラスターデキストリン(1)及び/又はクラスターデキストリン(2)を好適に用いることができ、特に、前記クラスターデキストリン(1)(又はクラスターデキストリン)を好適に用いることができる。
(多糖類の物性)
混練により樹脂成分(樹脂成分など)を分散させるためには、多糖類(A)糖の粘度は高いのが望ましい。具体的には、B型粘度計を用いて温度25℃で測定したとき、多糖類(A)糖の50重量%水溶液の粘度は、例えば、1〜500Pa・s、好ましくは2〜250Pa・s(例えば、3〜100Pa・s)、さらに好ましくは4〜50Pa・s(例えば、6〜50Pa・s)程度である。 多糖類(A)糖の融点又は軟化点は、溶融可能な樹脂成分(樹脂成分など)の熱変形温度(例えば、JIS K 7206で規定されるビカット軟化点)より高いのが好ましい。なお、融点又は軟化点を示さず、熱分解する多糖類(A)糖[例えば、還元デンプン糖化物などのデンプン糖など]では、分解温度を多糖類(A)糖の「融点又は軟化点」としてもよい。明瞭な融点や軟化点を示さない熱分解性多糖類(A)糖であっても、水溶性可塑化成分(A2)で可塑化できるため、有効に使用できる。多糖類(A)糖の融点又は軟化点は、樹脂成分(A)の種類などに応じて、70〜300℃の範囲で選択でき、例えば、90〜290℃、好ましくは100〜280℃(例えば、110〜270℃)、さらに好ましくは120〜260℃(例えば、130〜260℃)程度であってもよい。
なお、一般に多糖類(A)糖の無水物は、高い融点又は軟化点を示す。多糖類(A)糖の融点又は軟化点と樹脂成分(A)の熱変形温度との温度差は、例えば、1〜80℃、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは15〜60℃程度である。 多糖類(A)糖は粉末状の形態で市販されており、取り扱い性及び流動性が低い。特に、吸湿性を有するためか、ホッパーから装置内に供給するとブリッジングが生じ、供給路を閉塞する場合がある。このような粉末状多糖類(A)糖(A1)は、目開き0.50mmのふるい(JIS標準ふるい500μm)に対する通過量が95重量%以上(例えば、97重量%以上)、特に99重量%以上である場合が多い。このような微粉末状多糖類(A)糖の取り扱い性及び流動性を改善するため、本発明では、前記粉末状多糖類(A)糖と少なくとも1種類の結晶性を有する糖アルコール(B)とを溶媒に溶解し、乾燥し固形化する。
(糖アルコール)
本発明に結晶性を有する糖アルコールと言われている物は以下の性質を満たす物であれば使用することができる。すなわち、糖アルコール(B)としては、多糖類(A)が可塑化して水飴状態となる現象を発現できればよく、例えば、この要求に適する任意の糖アルコールなどが使用できる。これらの結晶性を有する糖アルコール(B)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
具体的な糖アルコールとしては、イノシットなどの環式糖アルコールであってもよいが、通常、アルジトール(グリシトール)などの鎖状糖アルコールが使用される。これらの糖アルコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
鎖状糖アルコールとしては、テトリトール(トレイトール、エリスリトールなど)、ペンチトール[ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール(アドニトール)、キシリトール、リキシトールなど]、ヘキシトール[ソルビトール、マンニトール、イジトール、グリトール、タリトール、ズルシトール(ガラクチトール)、アロズルシトール(アリトール)、アルスリトールなど]、ヘプチトール、オクチトール、ノニトール、デキトール、及びドデキトールなどが挙げられる。
これらの糖アルコールのうち、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、ズルシトール及びマンニトールから選択された少なくとも一種が好ましい。糖アルコールは、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトールから選択された少なくとも1つの糖アルコールを含む場合が多い。
結晶性を有する糖アルコール(B)は、常温(例えば、15〜20℃程度)で液体(シロップ状)であってもよいが、通常、固体である場合が多い。可塑化成分の融点又は軟化点は、通常、樹脂成分(A)の熱変形温度(例えば、JIS K 7206で規定されるビカット軟化点)以下である。なお、可塑化成分の中には、ペンタエリスリトールなどのように、樹脂成分の熱変形温度よりも高い高融点(例えば200℃以上)を有するにも拘わらず、オリゴ糖と共存すると、実際の融点よりも低い温度で融解し、オリゴ糖を有効に可塑化する物質が存在する。このような可塑化成分では、オリゴ糖に対して可塑化効果を発揮する温度を、可塑化成分の「融点又は軟化点」としてもよい。
オリゴ糖の融点又は軟化点(若しくは分解温度)よりも低い融点を有する可塑化成分を用いると、冷却に伴って、可塑化成分が凝固することにより、樹脂成分又はマトリックスを効率よく固定できる。そのため、樹脂成分との組合せにおいて、前記樹脂成分の固化温度に達しなくても、分散相の形状を、例えば、球状などに固定することができる。特に、可塑化成分が低分子であり、明瞭な凝固点を示すので、瞬時に樹脂成分(分散相)の形状を固定できる。
糖組成物において、多糖類(A)と糖アルコール(B)との重量割合は、例えば、前者/後者=99/1〜50/50(例えば、95/5〜50/50)程度の範囲から選択でき、通常、95/5〜60/40(例えば、90/10〜55/45)、好ましくは90/10〜65/35(例えば、85/15〜70/30)程度である。
糖組成物の形状は、特に制限されず、例えば、顆粒状、球状、異形状(星状、楕円体状、多角体状、柱状、不定形状など)であってもよく、ザラメ状、金平糖状などであってもよい。
流動性の高い糖組成物を用いることにより、樹脂成分(粉末状又はペレット状樹脂成分)とともにホッパーに供給しても、ブリッジを生じる虞がなく、溶融混合又は混練機に安定かつ円滑に供給できる。
[多糖類及び糖アルコールを含む溶液の製造方法]
前記糖組成物糖組成物は、多糖類(A)と糖アルコール(B)が溶媒に溶解した溶液を乾燥することにより製造できる。この乾燥工程において、噴霧乾燥造粒法に準じて、多糖類(A)と糖アルコール(B)を含む溶液を噴霧乾燥し生成させるが好ましい。
多糖類(A)と糖アルコール(B)からなる溶液(C)の製造方法としては、多糖類(A)を溶解した溶液と糖アルコール(B)を溶解した溶液と混合攪拌して、多糖類(A)と糖アルコール(B)が溶媒に溶解した溶液を製造しても良いし、また、多糖類(A)と糖アルコール(B)を固体の状態で混合した上で、溶媒に溶解して混合溶液を形成してもよい。また多糖類(A)あるいは糖アルコール(B)が溶解した溶液に、糖アルコール(B)あるいは多糖類(A)の固体を添加して溶解しても良い。
最も好ましい溶液を得る方法は、本発明の分散体を溶解して溶液を得る方法である。具体的には溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、
糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を、溶融可能な樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、固液分離し、粒子状の樹脂成形物を得る方法において、樹脂成形物を除去した後のマトリックスが溶解した溶液を調整して本発明の溶液(C)とする方法である。
この様態の場合本発明の溶液(C)に用いられる溶媒は、樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物糖組成物に対する良溶媒である溶媒(樹脂を溶解せず、マトリックスを溶解する溶媒)であることが必要である。本発明の場合、マトリックス成分は糖組成物であるのでこれを溶解する溶媒としては極性溶媒が好ましく用いられる。
このような溶媒または極性溶媒は、通常、ヒドロキシル基を有する溶媒であってもよい。水も有力な極性溶媒である。このような極性溶媒は、多糖類(A)と糖アルコール(B)を溶解し、均一な溶液を形成し、マトリックスの溶解性が高いものであれば良い。
極性溶媒としては、水、アルコール類[例えば、アルカノール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノールなどのC1-4アルカノールなど)、シクロアルカノール(シクロヘキサノールなどのC4-10シクロアルカノールなど)、アルカンジオール(エチレングリコール、プロピレングリコールなどのC2-4アルカンジオールなど)、アルカントリオール(グリセリンなど)、低分子量のポリアルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのジ乃至テトラC2-4アルキレングリコールなど)など]、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのジアルキルケトン類など)、エーテル類[セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類(カルビトールなど)、ジアルキレングリコールアルキルエーテル類(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)、グリコールエーテルエステル類(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブアセテート、ブトキシカルビトールアセテートなど)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ジアルキルエーテル類(ジエチルエーテルなど)など)]などが挙げられる。極性溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
このように分散体からの微粒子の回収のための溶媒と本発明(c)の溶液の溶媒を兼用する溶媒の性質として、別に重要なこととして、溶融可能な樹脂組成物を溶解あるいは膨潤させないということが必要である。このような目的のためには、高分子に対する溶解性が優れる溶媒の使用を避ける必要がある。このためには、溶融可能な樹脂組成物の良溶媒は、使用しない方が好ましい。以上の点から本発明の溶液(c)の溶媒としては、溶融可能な樹脂組成物に応じて、適宜選択することができる。
溶融可能が樹脂組成物が非水溶性溶媒の場合は、水または水を主体とした混合溶媒の使用が好ましい。そして、本発明の溶液(c)から、糖組成物を得るためには、スプレードライヤー法などの何らかの乾燥手段を用いる必要があり、この場合は溶液(c)の溶媒の蒸気圧が低いほうが糖組成物のエネルギー効率の点から有利である。この観点からは水とアルコールの混合溶媒が好ましい。アルコール単独を溶媒として使用することも、上記の溶融可能な樹脂組成物の耐溶剤性(アルコールに対する溶解性)が許容できるのであれば使用することができる。水にアルコールを添加することは、精製した微粒子のブロッキングや二次凝集を抑制する効果も期待できこの点からも好ましい。
また、回収した樹脂の微粒子の分散性の向上のためには、本発明の分散体から樹脂組成物を回収するために用いる溶媒に、大気圧下(常圧下、絶対圧が0.10MPa下)における沸点が100℃以上の液状材料を添加した水系混合溶媒の使用が好ましい。即ち、溶媒として水に上記液状材料を添加することにより、分散した個々の樹脂粒子の表面全体に液状材料をコートすることができる。このため、樹脂粒子同士の接着・凝集防止に高い効果を発揮し、独立した樹脂粒子の集合体を得ることができる。
前記沸点が100℃未満の場合には、樹脂粒子の乾燥時の加熱により、水分の蒸発とともに前記液状材料も揮発してしまい、樹脂粒子表面の一部又は全部が液状材料でコートされていない状態となり、樹脂粒子相互が密着して凝集してしまう。なかでも、大気圧下における沸点が120℃以上、特に150℃以上である液状材料を用いると、水分の蒸発時に液状材料が揮発しにくいため、乾燥時の樹脂粒子の凝集防止効果を向上させることができる点で好ましい。
大気圧下における沸点が100℃以上の液状材料には、例えば、水溶性材料及び非水溶性材料などが含まれ、樹脂粒子を構成する樹脂の種類等に応じて適宜選択して用いられる。水溶性材料としては、例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどの炭素数4以上の1価アルコール;エチレングリコール、プロパンジオール(1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール)、ブタンジオール(1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールなど)、ペンタンジオール、ノナンジオールなどの2価アルコール、グリセリンなどの3価アルコールなどの多価アルコールなどが挙げられる。また、水溶性材料には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類などが含まれる。
さらに、水溶性材料には、非イオン系、アニオン系、カチオン系などの界面活性剤なども含まれる。前記非水溶性材料は、水分散液を濾過する際に沈降して樹脂粒子をコートすることにより樹脂粒子の凝集を防ぐと考えられており、例えば、オクタン、ノナン、デカン、流動パラフィンなどの炭素数8以上の脂肪族炭化水素、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナンなどの炭素数7以上の脂環式炭化水素などの炭化水素などが挙げられる
本発明の溶液(c)の溶媒としてはこれらの混合溶媒を用いることができる。
本発明の溶液(C)の粘度は、具体的には、B型粘度計を用いて温度25℃で測定したとき、1Pa・sec以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.8Pa・s以下(例えば、0.001〜0.75Pa・s)、特に好ましくは0.5Pa・s以下(例えば、0.002〜0.45Pa・s)程度である。溶液の粘度が高すぎる場合には、例えば噴霧乾燥機や真空式ドラムドライヤーなどに液を送る際に困難が生じる、あるいは、噴霧乾燥機の噴霧ノズルにおいて上手く液滴化できないなどの問題が生じる可能性がある。
また、溶液(C)が溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を溶媒に溶解して得られた溶液である場合、溶液(C)の粘度を高すぎると分散成分である樹脂粒子を除去するための固液分離工程において生産性の低下などの問題が生じる。
また溶液(C)中における多糖類(A)と糖アルコール(B)の合計濃度は、15重量%〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは18重量%〜45重量%(例えば19重量%〜42重量%)、特に好ましくは20重量%〜40重量%(例えば25重量%〜35重量%)である。合計濃度が低すぎる場合、溶媒の乾燥に要するエネルギー量が大きくなりすぎるという問題に加え、得られる粒子の粒子径が小さくなる、もしくは大きな粒子が得られたとしても中が空洞になり、非常に嵩密度が小さい、取扱の困難な粉体しか得られない。
本発明では、溶液(C)が溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を溶媒に溶解して得られた溶液である場合に、この溶液(C)から得た固体状の糖組成物を用いて、再び樹脂組成物と組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を溶媒に溶解した後に固液分離し、樹脂成分からなる粒子を得ても良い。2種類以上の成分を組み合わせて溶融混合又は混練して、海−島構造や共連続構造などの構造を有する分散体を得た後に、一方の成分を溶媒により抽出して他方の成分よりなる粒子や多孔体などの成形体を得る方法は、例えば広範囲の熱可塑性樹脂の加工法として非常に有用である一方、溶媒に抽出した成分を廃棄する場合、生産上のコストや環境への負荷など面で問題が多いが、本発明の方法により糖成分を固形化して再利用することによりこれらの問題を解決することが出来る。
[糖組成物の製造方法]
本発明の糖組成物は、上記の溶液(C)を任意の手段を用いて乾燥して、溶媒と溶質に分離することで得られる。乾燥方法は任意の方法を用いることができるが、好適にはスプレードライヤー法である。スプレードライヤーを用いる場合、上記の溶液(C)は、ノズルを用いてスプレードライヤーの乾燥室内に噴霧され、極めて短時間に微粒化液滴内の溶媒が揮発することにより乾燥が行われる。ノズルとしては、二流体ノズル型、多流体ノズル型、圧力ノズル型、回転ディスク型などが挙げられ、中でも回転ディスク型が好ましい。スプレドライヤーの運転条件は、上記の溶液(C)が噴霧でき、かつ溶媒を効果的に乾燥可能である限り、特に限定はされない。例えば水が溶媒である場合においては、スプレードライヤーの入り口温度は通常70〜200℃であり、好ましくは80〜180℃である。回転ディスク型ノズルを用いる場合、その回転速度は、10,000〜30,000rpm程度であっても良く、好ましくは12,000〜25,000rpm程度であっても良い。溶液(C)の噴霧液量(処理量)は、装置のスケールにより適宜調整できるが、例えばチャンバー径0.8〜1mの小型機であれば、通常10〜50g/min、好ましくは20〜40gであり、チャンバー径3〜4mの生産用機であれば、通常0.5〜2kg/min、好ましくは0.6〜1.2kg/hrである。 [分散体及びその製造方法]
このような糖組成物糖組成物は、例えば、食品用、医薬品などのベース(基剤)、添加剤として使用可能であるが、溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、前記樹脂成分で構成された分散相を生成させるための水溶性助剤として有用である。すなわち、本発明では、溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を生成させる。
なお、オリゴ糖と水溶性可塑化成分とで構成された糖組成物は、溶融により均一なマトリックスを形成する。このマトリックス(糖組成物で形成された乳化媒体)の融点又は軟化点は、樹脂成分の熱変形温度と同等又は低くてもよく高くてもよい。例えば、乳化媒体の融点又は軟化点と、樹脂成分の熱変形温度との温度差は、0〜100℃程度の範囲から選択でき、例えば、3〜80℃(例えば5〜60℃)、好ましくは7〜50℃、さらに好ましくは10〜40℃(例えば、15〜35℃)程度であってもよい。 溶融により均一化した糖組成物のメルトフローレートは、例えば、樹脂成分の熱変形温度(例えば、前記ビカット軟化点)より30℃高い温度でJIS K 7210に従って測定したとき、1〜40、好ましくは5〜30、さらに好ましくは10〜20程度であってもよい。
[樹脂成分]
樹脂成分としては、前記糖組成物で形成されたマトリックス(乳化媒体)に対して非相溶の種々の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(特に溶融可能な樹脂)が使用でき、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂は組み合わせて使用してもよい。代表的な熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル重合系熱可塑性樹脂(スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビニルエステル系樹脂又はその誘導体など)、縮合系熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(チオ)エーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂など)、天然物由来樹脂(セルロース誘導体など)などが例示できる。
これらの樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
スチレン系樹脂としては、スチレン系単量体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど)の単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体など)、が挙げられる。

オレフィン系樹脂としては、α−C2-6オレフィンの単独又は共重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(メチルペンテン−1)などのオレフィンの単独又は共重合体、オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)が挙げられる。特に、本発明では、環状ポリオレフィン系樹脂(環状オレフィン系樹脂)などの比較的溶融粘度が高いオレフィン系樹脂であっても、好適に使用できる。
環状オレフィン系樹脂(シクロオレフィン系樹脂)は、環状オレフィンを少なくとも重合成分とする樹脂であればよい。環状オレフィンは、単環式オレフィンであってもよく、多環式オレフィンであってもよい。また、環状オレフィンは、置換基{例えば、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基などのC1-10アルキル基、好ましくはC1-5アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基などのC5-10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6-10アリール基)、アルケニル基(例えば、プロペニル基などのC2-10アルケニル基など)、シクロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC5-10シクロアルケニル基など)、アルキリデン基(例えば、エチリデン基などのC2-10アルキリデン基、好ましくはC2-5アルキリデン基など)など]、アルコキシ基(例えば、メトキシ基などのC1-10アルコキシ基、好ましくはC1-6アルコキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基などのC2-5アシル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1-10アルコキシ−カルボニル基)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基(=O)、複素環基(ピリジル基などの窒素原子含有複素環基など)など}を有していてもよい。環状オレフィンは、単独で又は2種以上組みあわせて置換基を有していてもよい。
具体的な環状オレフィンとしては、単環式オレフィン類[例えば、シクロアルケン(例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのシクロC3-10アルケンなど)など、シクロアルカジエン(例えば、シクロペンタジエンなどのシクロC3-10アルカジエン)など];二環式オレフィン類{例えば、ビシクロアルケン[例えば、ノルボルネン類(例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5又は5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,6−ジメトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,6−ジ(トリフルオロメチル)−2−ノルボルネン、7−オキソ−2−ノルボルネンなど)などのC4-20ビシクロアルケンなど]、ビシクロアルカジエン[例えば、ノルボルナジエン類(例えば、2,5−ノルボルナジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−シアノ−2,5−ノルボルナジエン、5−メトキシカルボニル−2,5−ノルボルナジエン、5−フェニル−2,5−ノルボルナジエン、5,6−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン、5,6−ジ(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエン、7−オキソ−2−ノルボルナジエンなど)など]など}、三環式オレフィン{例えば、トリシクロアルケン[例えば、ジヒドロジシクロペンタジエン類(ジヒドロジシクロペンタジエンなど)などのC6-25トリシクロアルケンなど]、トリシクロアルカジエン[例えば、ジシクロペンタジエン類(ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエンなど)、トリシクロ[4.4.0.12,5 ]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5 ]ウンデカ−3,8−ジエンなどのC6-25トリシクロアルカジエンなど]など}、四環以上の多環式オレフィン{例えば、四環式オレフィン[例えば、テトラシクロアルケン(例えば、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどのC8-30テトラシクロアルケンなど)など]、五環式オレフィン[例えば、ペンタシクロアルカジエン(例えば、トリシクロペンタジエンなどのC10-35ペンタシクロアルカジエン)など]、六環式オレフィン[例えば、ヘキサシクロアルケン(例えば、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンなどのC12-40ヘキサシクロアルケン)など]など}などの多環式オレフィン類などが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンの単独又は共重合体(例えば、単環式オレフィンと多環式オレフィンとの共重合体など)であってもよく、環状オレフィンと共重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、共重合可能な限り特に限定されないが、鎖状オレフィン[アルケン(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのC2-20アルケン)、アルカジエン(例えば、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役C5-20アルカジエン)など]、重合性ニトリル化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸など)、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体(無水マレイン酸など)などが挙げられる。共重合性単量体は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。 好ましい環状オレフィン系樹脂には、多環式オレフィン(例えば、二乃至六環式オレフィンなど)を重合成分とする樹脂、特に、多環式オレフィンのうち、ノルボルネン系単量体(又はノルボルネン骨格を有する単量体、例えば、前記ノルボルネン類、前記ジシクロペンタジエン類など)を重合成分とする樹脂などが挙げられる。環状オレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリルなど)の単独又は共重合体、などが挙げられる。
ハロゲン含有樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン系樹脂、フッ素樹脂などが例示できる。
ビニルエステル系樹脂又はその誘導体としては、例えば、カルボン酸ビニルエステルの単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、これらのケン化物(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系樹脂)、ケン化物(ビニルアルコール系樹脂)からの誘導体(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂など)などが例示できる。エチレン−ビニルアルコール共重合体において、エチレン含量は5〜40重量%程度であってもよい。
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分、ジオール成分、オキシカルボン酸、ラクトン類を用いた種々の樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロへキシルジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-6アルキレンアリレート系樹脂、C2-6アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル(例えば、共重合成分が、オキシアルキレン単位を有する(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコールやC6-12の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸などの非対称性芳香族ジカルボン酸などのコポリエステル)、ポリアリレート系樹脂、液晶性ポリエステルなどの芳香族ポリエステル系樹脂;ポリC2-6アルキレンオギザレート、ポリC2-6アルキレンサクシネート、ポリC2-6アルキレンアジペートなどのポリ(C2-6アルキレングリコール−C2-10脂肪族ジカルボン酸エステル)、ポリオキシカルボン酸系樹脂(例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸、グリコール酸−乳酸共重合体など)、ポリラクトン系樹脂(例えば、ポリカプロラクトンなどのポリC3-12ラクトン系樹脂など)、これらのコポリエステル(例えば、ポリカプロラクトン−ポリブチレンサクシネート共重合樹脂など)などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂はウレタン結合を含んでいてもよい。さらに、ポリエステル系樹脂は生分解性を有していてもよい。
ポリアミド系樹脂、例えば、脂肪族ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド1212など)、コポリアミド(例えば、ポリアミド6/11,ポリアミド6/12,ポリアミド66/11,ポリアミド66/12など);脂環式ポリアミド系樹脂;芳香族ポリアミド系樹脂などが挙げられる。ポリアミド系樹脂のジカルボン酸成分はダイマー酸単位を含んでいてもよい。さらに、ポリアミド系樹脂は生分解性を有していてもよい。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ジイソシアネート類と、ポリオール類(例えば、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなど)と、必要により鎖伸長剤との反応により得られるポリウレタン系樹脂が例示できる。
ポリ(チオ)エーテル系樹脂としては、例えば、ポリオキシアルキレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンエーテルケトン系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン系樹脂を含む)などが含まれる。
ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂などのビスフェノール類をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれる。 ポリスルホン系樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリールスルホン樹脂などが例示できる。ポリイミド系樹脂としては、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂などが例示できる。
セルロース誘導体としては、セルロースエステル類(、セルロースエーテル類、セルロースカーバメート類などが挙げられる。
熱可塑性樹脂には、熱可塑性エラストマー(、熱可塑性シリコーン樹脂、天然樹脂又はその誘導体なども含まれる。
樹脂と糖組成物との重量割合は、樹脂及び糖組成物の種類や粘度、樹脂と糖組成物との相溶性などに応じて選択でき、通常、成形性を損なわない範囲、例えば、樹脂/糖組成物=55/45〜1/99、好ましくは50/50〜5/95、さらに好ましくは45/55〜10/90程度である。
[添加剤]
前記溶融混合又は混練系には、種々の添加剤(溶融混練温度で融解してもよい添加剤など)を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤又は軟化剤、滑剤又はワックス類、充填剤、安定剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、電荷制御剤(ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、アミン系化合物などの正荷電制御剤;サリチル酸金属錯体、アゾ染料金属錯体、銅フタロシアニン染料、ニトロイミダゾール誘導体、尿素誘導体などの負電荷制御剤など)、流動化剤、架橋剤、結晶核剤、抗菌剤、防腐剤、油溶性染料などを含んでいてもよい。
滑剤又はワックス類としては、固体状滑剤[脂肪族炭化水素系ワックス、植物性又は動物性ワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなど)、アルキレンビス脂肪酸アミド(メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなど)、脂肪酸金属塩(ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの高級脂肪酸多価金属塩など)など]、液状滑剤[パラフィンオイル、シリコーンオイルなど]が例示できる。
充填剤としては、無機充填剤(無機粒子)[例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛など金属酸化物、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、チタン酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属、炭素、磁性体など]、有機充填剤[例えば、架橋樹脂粒子、溶融混練温度よりも高い熱変形温度を有する耐熱性樹脂粒子など]、着色剤[例えば、無機顔料、有機顔料]が例示できる。無機顔料としては、体質顔料(炭酸カルシウムなど)、白色顔料(酸化チタン、酸化亜鉛など)、黄色顔料、赤色顔料(ベンガラなど)、青色顔料(紺青、群青など)、黒色顔料(カーボンブラックなど)などが挙げられ、有機顔料としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリノン・ペリレン系顔料、スレン系顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン系顔料、インジゴ又はチオインジゴ系顔料、アニリンブラックなどの黒色顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン化合物などが挙げられる。
なお、着色剤は、蛍光顔料又は染料、蓄光顔料などであってもよい。充填剤は、粉粒状であってもよく繊維状であってもよい。これらの充填剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、樹脂成分と添加剤とを溶融混練して樹脂成分に予め含有させていてもよく、樹脂成分と前記糖組成物との溶融混合又は混連過程で混合又は混練系に含有させてもよい。
前記添加剤は、最終製品である複合樹脂粒子の用途などに応じて選択でき、例えば、電荷制御剤、流動化剤、ワックス類などを用いてもよい。糖組成物糖組成物と溶融可能な樹脂成分との溶融混合又は混練は、糖組成物及び樹脂が溶融可能な温度で行えばよく、溶融混合又は混練は、慣用の混練機(例えば、単軸もしくは二軸スクリュー押出機、ニーダー、カレンダーロール、バンバリーミキサーなど)を用いて行なうことができる。
[樹脂粒子]
分散体のマトリックスを、樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物糖組成物に対する良溶媒である溶媒(樹脂を溶解せず、マトリックスを溶解する溶媒)で、常圧、減圧又は加圧下で溶出又は溶解することにより、樹脂粒子を生成できる。
マトリックスの溶出又は溶解には、種々の溶媒、例えば、水、水溶性溶媒(例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、エーテル類(セロソルブ、ブチルセロソルブなど)など)が使用できる。好ましい溶媒は水である。
溶出は、慣用の方法、例えば、前記分散体を、前記水性媒体中に浸漬、分散して、マトリックスを溶出・溶解又は洗浄(水性溶媒に移行)することに行うことができる。なお、水溶性助剤の分散及び溶出を促進するため、超音波を作用させたり、撹拌してもよい。マトリックスの溶出温度は、例えば、10〜100℃程度の範囲から選択できる。
生成した樹脂粒子は、濾過、遠心分離などの固液分離方法を用いて分離し、必要により乾燥することにより回収できる。なお、マトリックスの溶出又は溶解率は、通常、95重量%以上(95〜100重量%)、特に98重量%以上(98〜100重量%)である。

樹脂粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、特に制限されず、用途に応じて、0.1μm〜1mm(例えば、0.1〜800μm)程度の範囲から選択でき、例えば、0.2〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.7〜30μm、特に1〜20μm程度であってもよい。
本発明の糖組成物糖組成物は、流動性及び取り扱い性が高く、粉塵爆発等の発生の危険がなく安全性も高い。また、糖組成物は樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、樹脂粒子を製造するのに有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例では下記の成分を用いた。
(A)樹脂1:ポリアミド系樹脂(ダイセル・デグサ(株)製、L1640)
(B)樹脂2:ポリメタクリル酸メチル樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、デルペット720V)
(C)多糖類1:オリゴ糖(デンプン糖)(東和化成工業(株)製、還元デンプン糖化物PO−10)
(D)多糖類2:環状構造を有する多糖類(日本食品化工(株)製、商品名「クラスターデキストリン」)
(E)糖アルコール ソルビトール(東和化成工業(株)製、ソルビット)。
糖類や樹脂粒子などの特性は以下のようにして測定した。
[粒子の外観および平均粒子径] 得られた粒子を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、FE−SEM、JSM−6700F)により観察し、表面形状及び全体形状の写真を得た。得られた走査型電子顕微鏡写真を用い、写真上に少なくとも200個の粒子が含まれるように任意のサイズの長方形を描き、その長方形内に存在する全粒子の真球換算の粒子径を算出した。得られた少なくとも200個の粒子径より、体積平均粒子径を得た。
[溶液の全光線透過量] 得られた溶液をパイレックス(登録商標)製のセル(光路長3mm)に注ぎ、泡が完全に抜けたことを確認した後に、濁度計(日本電色工業(株)製、300A)を用いて全光線透過量を計測した。
[溶液の粘度] 得られた溶液の粘度を、B型粘度計(BROOKFIELD社製、LV Viscometer、スピンドルタイプ1)により測定した。
実施例1
下記に示す樹脂1、多糖類1、ソルビトールを、重量比で樹脂1/多糖類1/糖アルコール=30/70/30となるようにドライブレンドし、二軸押出機((株)池貝製、PCM30押出機、スクリュー径φ30mm、L/D=28.5)を用い、押出し温度190℃、押出し量10kg/hrでストランド状に押出した。得られたストランド1.3kgを純水4kgに浸漬し、多糖類1とソルビトールの水溶液中に樹脂1からなる粒子が懸濁した液を得た。前期懸濁液を、加圧ろ過機(アドバンテック東洋(株)製KST−142)とろ布(敷島カンバス(株)製ポリプロピレンフィルタークロスP91SC、通気度5cc/cm/min)を用い、0.3MPaの加圧下でろ過することにより、粒子を除去し、多糖類1とソルビトールの溶解した水溶液を得た。得られた粒子の体積平均粒子径は4.6μm、ろ過後の水溶液の粘度は5mPa・sec、全光線透過量は98%であった。ろ過後の水溶液をスプレードライヤー(大川原化工機(株)製、L−8i)を用いて、入り口温度150℃、回転ディスク型ノズルの回転数18,000rpm、噴霧液量27g/minで噴霧乾燥を行い、多糖類1及びソルビトールからなる平均粒子径42μmの粒子状物を得た。
得られた糖の粒子状物と、下記に示す樹脂1を、重量比で樹脂1/粒子状物(糖)=30/100となるようにドライブレンドし、前記の二軸押出機を用い、押出し温度190℃、押出し量10kg/hrでストランド状に押出した。得られたストランドを水に浸漬後、懸濁液を前記と同様の条件でろ過することにより回収された樹脂1からなる粒子の体積平均粒子径は6.5μmであった。
実施例2
スプレードライにより糖の粒子状物を得る工程までは実施例1と同様に行った。得られた糖の粒子物と下記の樹脂1、多糖類1、ソルビトールを、重量比で樹脂1/粒子状物(糖)/多糖類1/ソルビトール=30/50/35/15となるようにドライブレンドし、前記の二軸押出機を用い、押出し温度190℃、押出し量10kg/hrでストランド状に押出した。得られたストランドを水に浸漬後、懸濁液を前記と同様の条件ででろ過することにより回収された樹脂1からなる粒子の体積平均粒子径は5.2μmであった。
実施例3
スプレードライの条件として、入り口温度180℃、回転ディスク型ノズルの回転数20,000rpm、噴霧液量37g/minとした以外は実施例1と同様に行った。スプレードライにより得られた糖の粒子状物の体積平均粒子径は25μmで、また最終的に糖の粒子状物を用いて得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は6.5μmであった。
実施例4
下記に示す樹脂1、多糖類1、ソルビトールを、重量比で樹脂1/多糖類1/糖アルコール=30/70/30となるようにドライブレンドし、二軸押出機((株)池貝製、PCM30押出機、スクリュー径φ30mm、L/D=28.5)を用い、押出し温度190℃、押出し量10kg/hrでストランド状に押出した。得られたストランド1.3kgを純水1.5kgに浸漬し、多糖類1とソルビトールの水溶液中に樹脂1からなる粒子が懸濁した液を得た。前期懸濁液を、加圧ろ過機(アドバンテック東洋(株)製KST−142)とろ布(敷島カンバス(株)製ポリプロピレンフィルタークロスP91SC、通気度5cc/cm/min)を用い、0.3MPaの加圧下でろ過することにより、粒子を除去し、多糖類1とソルビトールの溶解した水溶液を得た。得られた粒子の体積平均粒子径は4.6μm、ろ過後の水溶液の粘度は95mPa・sec、全光線透過量は96%であった。ろ過後の水溶液をスプレードライヤー(大川原化工機(株)製、OC−16)を用いて、入り口温度150℃、回転ディスク型ノズルの回転数18,000rpm、噴霧液量210g/minで噴霧乾燥を行い、多糖類1及びソルビトールからなる平均粒子径54μmの粒子状物を得た。
得られた糖の粒子状物と、下記に示す樹脂1を、重量比で樹脂1/粒子状物(糖)=30/100となるようにドライブレンドし、前記の二軸押出機を用い、押出し温度190℃、押出し量10kg/hrでストランド状に押出した。得られたストランドを水に浸漬後、懸濁液を前記と同様の条件でろ過することにより回収された樹脂1からなる粒子の体積平均粒子径は6.2μmであった。
実施例5
下記に示す樹脂2、多糖類2、ソルビトールを、重量比で樹脂2/多糖類2/糖アルコール=30/75/25となるようにドライブレンドし、二軸押出機((株)池貝製、PCM30押出機、スクリュー径φ30mm、L/D=28.5)を用い、押出し温度220℃、押出し量10kg/hrでストランド状に押出した。得られたストランド1.3kgを純水4kgに浸漬し、多糖類2とソルビトールの水溶液中に樹脂2からなる粒子が懸濁した液を得た。前期懸濁液を、加圧ろ過機(アドバンテック東洋(株)製KST−142)とろ布(敷島カンバス(株)製ポリプロピレンフィルタークロスP91SC、通気度5cc/cm/min)を用い、0.3MPaの加圧下でろ過することにより、粒子を除去し、多糖類2とソルビトールの溶解した水溶液を得た。得られた粒子の体積平均粒子径は5.3μm、ろ過後の水溶液の粘度は16mPa・sec、全光線透過量は97%であった。ろ過後の水溶液をスプレードライヤー(大川原化工機(株)製、OC−16)を用いて、入り口温度150℃、回転ディスク型ノズルの回転数18,000rpm、噴霧液量160g/minで噴霧乾燥を行い、多糖類2及びソルビトールからなる平均粒子径38μmの粒子状物を得た。
得られた糖の粒子状物と、下記に示す樹脂2を、重量比で樹脂2/粒子状物(糖)=30/100となるようにドライブレンドし、前記の二軸押出機を用い、押出し温度220℃、押出し量10kg/hrでストランド状に押出した。得られたストランドを水に浸漬後、懸濁液を前記と同様の条件でろ過することにより回収された樹脂2からなる粒子の体積平均粒子径は7.2μmであった。

Claims (8)

  1. 溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、前記樹脂成分で構成された分散相を生成させるための糖組成物であって、オリゴ糖、還元水あめ、クラスターデキストリンから選ばれる少なくとも1種類の多糖類(A)と、少なくとも1種類の結晶性を有する糖アルコール(B)とが溶媒に溶解した溶液(C)を形成し、この溶液(C)を乾燥することにより得られる固体状の糖組成物。
  2. 溶液(C)の溶液の粘度が1Pa・sec以下かつ、溶液(C)中の多糖類(A)と糖アルコール(B)の合計濃度が15重量%〜50重量%になるよう水溶液(C)を調製し、この水溶液(C)を乾燥することにより得られる請求項1記載の固体状の糖組成物。
  3. 溶液(C)の乾燥方法がスプレードライ法である請求項1記載の固体状の糖組成物。
  4. 粉末状もしくは顆粒状であり、それらの円換算粒子径が100μm以上である請求項1記載の固体状の糖組成物。
  5. 水溶液(C)が、溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を溶媒に溶解し溶融可能な樹脂成分の成形物のスラリーから固液分離して得られた溶液である請求項1記載の固体状の糖組成物。
  6. 請求項5の分散体を溶融可能な樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、固液分離し、得られた分散相の樹脂成形物が粒子である請求項5記載の固体状の糖組成物。
  7. 光路長3mmの光学セルを用いて測定したときの水溶液(C)の全光線透過量が95%以上である請求項2記載の固体状の糖組成物。
  8. 溶融可能な樹脂成分と糖組成物を組み合わせて溶融混合又は混練し、
    糖組成物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を、
    溶融可能な樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ糖組成物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、
    固液分離し、
    粒子状の樹脂成形物を得る方法において、
    糖組成物が請求項1に記載のものである樹脂微粒子製造方法。
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