JP2007046039A - オリゴ糖含有造粒物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱い性及び流動性が改善され、溶融可能な樹脂成分との溶融混練により樹脂粒子が分散した分散体を得るのに適した造粒物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】造粒物は、少なくとも四糖類で構成された粉末状オリゴ糖が、水溶性可塑化成分(糖及び/又は糖アルコール)の熱融着により造粒されており、造粒物の90重量%以上が粒径0.5〜3.35mmの範囲である。粉末状オリゴ糖と水溶性可塑化成分との割合は、前者/後者(重量比)=95/5〜50/50である。造粒物と溶融可能な樹脂成分とを溶融混合又は混練し、造粒物のマトリックスと、樹脂成分の分散相とで構成された分散体を生成させ、樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつ造粒物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、固液分離することにより、分散相の樹脂粒子を製造できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、取り扱い性及び流動性に優れ、溶融可能な樹脂成分との溶融混練により樹脂成分微粒子を生成するのに適したオリゴ糖含有造粒物及びその製造方法に関する。
オリゴ糖は、天然物由来の成分であり、安全性が高く、食品、医薬品などの分野で使用されている。例えば、特許第3122141号公報(特許文献1)には、マンニトールなどの成形性の低い糖類を、マルトース、マルチトール、ソルビトールなどの成形性の高い糖類を結合剤として噴霧して被覆及び/又は造粒してなる造粒物を含有し、口腔内において速やかな崩壊性、溶解性を有する口腔内溶解型圧縮成型物が開示されている。また、国際公開番号WO 00/48575号公報(特許文献2)には、少なくとも、主薬、マンニトール、ラクトース、キシリトール、エリスリトールなどの水に濡れやすい糖類、ラクトース、ソルビトール、オリゴ糖などの成形性に優れた糖類及び崩壊剤を含む混合粉体を、水に濡れやすい糖類を含む結合剤で結合して造粒物を得て、この造粒物を圧縮成型して得られる錠剤が開示されている。この文献には、主薬粒子と糖類粒子と崩壊剤粒子と成形性に優れた糖類粒子との混合粉体が、水に濡れやすい糖類(析出微粒子)を含む結合剤で結合された造粒物の模式図が示されている。
さらに、特開2004−180640号公報(特許文献3)には、水系媒体に溶解、含有せしめた組成物(飲食物、化粧品、医薬品)を調製するのに適した粉体として、押出方式で造粒され、粉末化された、無水物換算で、マルトース86w/w%以上93w/w%未満及びグルコース2w/w%以上を含有し、結晶化度が62%以上72%未満であるβ−マルトース含水結晶含有粉末が記載されている。マルトースは二糖類であり、上記粉末は、水に対する溶解性および取り扱い性に優れている。
特開平8−56605号公報(特許文献4)には、特定の人工甘味料が粉末又は粒状状態のオリゴ糖に添着または被覆されている甘味剤が開示され、オリゴ糖が5〜200メッシュの粒径を有すること、オリゴ糖が3〜7糖類から選択された少なくとも1つを少なくとも10重量%含有することも記載されている。この文献には、前記所定の人工甘味料が粒子間の固結を防止すること、オリゴ糖に対する人工甘味料の割合は等量以下であればよいが、好ましくは0.1〜1重量%程度であること、従来のオリゴ糖に比べて流動性、甘味度が優れ、吸湿性も少ないことが記載されている。
一方、特開2004−51942号公報(特許文献5)には、樹脂成分(A)と少なくともオリゴ糖(B1)で構成された水溶性助剤成分(B)とを溶融混練し、樹脂成分が分散相を形成し、水溶性助剤成分がマトリックスを形成した分散体を生成させ、生成した分散体から水溶性助剤成分を溶出させることにより、球状の樹脂粒子を得ることが開示されている。この文献には、水溶性助剤成分を、オリゴ糖と、このオリゴ糖を可塑化するための水溶性可塑化成分(糖又は糖アルコール)とで構成すること、樹脂成分と助剤成分とで構成された樹脂組成物を、溶融混練し、分散体を調製することも開示されている。
しかし、オリゴ糖及び水溶性可塑化成分が粉末の形態であるため、取り扱い性が劣るとともに、ホッパーを通じて溶融混練機へ供給すると、粉末がブリッジングし、オリゴ糖及び水溶性可塑化成分を円滑に供給できなくなる。特に、オリゴ糖は、ホッパーを含む供給路でブリッジングが生じやすい。そして、著しい場合には、オリゴ糖(又はオリゴ糖を含む粉末状組成物)が供給路を閉塞する。そのため、作業性を低下させるとともに、混練過程での樹脂と水溶性助剤成分との組成割合が変動し、得られた樹脂粒子の平均粒子径が変化する虞がある。さらに、市販されているオリゴ糖が微粉末の形態であるため、樹脂(例えば、ペレット状樹脂)との混練に際して、供給路においてオリゴ糖微粉末が偏析しやすく、均一な混練が困難である。さらには、ホッパーなどへの供給に伴って、微粉末のオリゴ糖が飛散・浮遊し、粉塵爆発を起こす虞があり、安全性も危惧される。
特許第3122141号公報(特許請求の範囲) 国際公開番号WO00/48575号公報(特許請求の範囲) 特開2004−180640号公報(特許請求の範囲) 特開平8−56605号公報(特許請求の範囲、段落番号[0006][0007][0011][0062]) 特開2004−51942号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、取扱い性及び流動性が高く、溶融可能な樹脂成分(樹脂など)との溶融混練により樹脂成分粒子を生成するのに適したオリゴ糖含有造粒物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、円滑に供給でき、作業性を向上できるとともに、混練系の組成変化を抑制して樹脂粒子を製造するのに好適なオリゴ糖含有造粒物及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、作業環境を改善できるとともに、安全性の高いオリゴ糖含有造粒物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、前記オリゴ糖含有造粒物をマトリックスとし、樹脂粒子を含有する分散体及び樹脂粒子とそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、粉末状オリゴ糖(A1)を、この粉末状オリゴ糖(A1)を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)で造粒すると、取り扱い性及び流動性を向上でき、ホッパーから円滑に粉末状オリゴ糖を混練機に導入でき、溶融可能な樹脂成分(樹脂成分など)との混練過程での組成変化を抑制しつつ均一な樹脂粒子を安定して製造できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のオリゴ糖含有造粒物は、溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、前記樹脂成分で構成された分散相を生成させるための造粒物であって、粉末状オリゴ糖(A1)が、このオリゴ糖を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)で造粒されている。この造粒物において、複数の粉末状オリゴ糖(A1)の粒子が、水溶性可塑化成分(A2)で結合し造粒されていてもよい。また、複数の粉末状オリゴ糖(A1)の粒子が、水溶性可塑化成分(A2)の熱融着により造粒されていてもよい。前記造粒物において、樹脂成分は、少なくとも樹脂で構成でき、粉末状オリゴ糖(A1)は、少なくとも四糖類で構成でき、水溶性可塑化成分(A2)は、糖及び糖アルコールから選択された少なくとも一種で構成できる。また、粉末状オリゴ糖(A1)と水溶性可塑化成分(A2)との割合は、前者/後者(重量比)=99/1〜50/50(例えば、95/5〜50/50)程度であってもよい。目開き0.5mmのふるいに(JIS標準ふるい500μm)対する粉末状オリゴ糖(A1)の通過量が95重量%以上であってもよく、造粒物の90重量%以上が粒径0.5mm〜3.35mmの範囲であってもよい。また、目開き0.5mmのふるい(JIS標準ふるい500μm)を通過する割合及び目開き5.60mmのふるい(JIS標準ふるい5600μm)上に残留する割合が、それぞれ全重量に対して5%以下であってもよい。このような造粒物は流動性が高く、例えば、安息角が45°以下であってもよい。
本発明の方法では、溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、前記樹脂成分で構成された分散相を生成させるための造粒物を製造する。この方法において、粉末状オリゴ糖(A1)を、この粉末状オリゴ糖(A1)を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)で造粒し、オリゴ糖含有造粒物を製造する。この造粒において、粉末状オリゴ糖(A1)の形態を維持しつつ、溶融した水溶性可塑化成分(A2)で粉末状オリゴ糖(A1)を造粒してもよい。例えば、粉末状オリゴ糖(A1)が、水溶性可塑化成分(A2)の融点よりも高い融点又は軟化点を有しており、粉末状オリゴ糖(A1)の融点又は軟化点以下であり、かつ水溶性可塑化成分(A2)の融点以上の温度で、粉末状オリゴ糖(A1)を水溶性可塑化成分(A2)で造粒してもよい。さらに、粉末状オリゴ糖(A1)が実質的に非流動状態で、粉末状オリゴ糖(A1)を、溶融した水溶性可塑化成分(A2)で造粒してもよい。
このようなオリゴ糖含有造粒物は、溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、樹脂成分の分散相を形成するための水溶性助剤を構成するのに有用である。すなわち、オリゴ糖含有造粒物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を形成するのに有利である。この分散体は、前記オリゴ糖含有造粒物と溶融可能な樹脂成分とを溶融混合又は混練し、オリゴ糖含有造粒物で構成されたマトリックスと、前記樹脂成分で構成された分散相とを形成することにより製造できる。さらに、前記分散体のマトリックス(又はオリゴ糖含有造粒物で形成された相)を、樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつオリゴ糖含有造粒物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、固液分離することにより、分散相の樹脂粒子を製造できる。この方法において、樹脂粒子は、少なくとも樹脂で構成された樹脂粒子であってもよい。
本発明では、粉末状オリゴ糖を水溶性可塑化成分で造粒するので、取扱い性及び流動性が高く、溶融可能な樹脂成分(樹脂又はその組成物など)との溶融混練により樹脂成分微粒子を生成するのに適している。また、粉末状オリゴ糖が造粒されているため、混練機へ円滑に供給でき、作業性を向上できるとともに、混練系の組成変化を抑制しつつ所定の粒径の樹脂粒子を安定に製造できる。さらに、オリゴ糖が造粒されているため、作業環境を改善できるとともに、安全性を高めることができる。さらには、前記オリゴ糖含有造粒物をマトリックスとし、樹脂粒子を含有する分散体や樹脂粒子を効率よく製造できる。
[オリゴ糖含有造粒物]
本発明のオリゴ糖含有造粒物は、粉末状オリゴ糖(A1)が、このオリゴ糖を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)で造粒されており、取り扱い性及び流動性が改善されている。水溶性可塑化成分(A2)は、粉末状オリゴ糖(A1)を結合するバインダーとして機能させてもよい。
[粉末状オリゴ糖]
(A1)粉末状オリゴ糖
オリゴ糖(A1)は、ホモオリゴ糖であってもよくヘテロオリゴ糖であってもよい。オリゴ糖(A1)としては、例えば、二糖類〜十糖類が挙げられ、通常、二糖類〜六糖類のオリゴ糖が使用される。なお、オリゴ糖(A1)は無水物でもよい。また、オリゴ糖(A1)において、単糖類と糖アルコールとが結合していてもよい。さらに、オリゴ糖(A1)は複数の糖成分で構成されたオリゴ糖組成物であってもよく、多糖類の分解により生成するオリゴ糖組成物であってもよい。このようなオリゴ糖組成物であっても単にオリゴ糖(A1)という場合がある。オリゴ糖(A1)は、通常、常温で固体である。オリゴ糖(A1)(又はオリゴ糖組成物)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、前記オリゴ糖(A1)は、一般的に天然物由来であるため、環境への負荷を低減できるとともに、水に対する溶解速度が速いため、前記分散体から樹脂粒子を効率よく生成できる。
二糖類としては、トレハロース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオースなどのホモオリゴ糖;ラクトース、スクロース、パラチノースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。三糖類としては、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、セロトリオースなどのホモオリゴ糖;マンニノトリオース、ソラトリオース、メレジトース、プランテオース、ゲンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトスクロース、ラフィノースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。
四糖類としては、マルトテトラオース、イソマルトテトラオースなどのホモオリゴ糖;スタキオース、セロテトラオース、スコロドース、リキノース、パノースの還元末端に糖又は糖アルコールが結合したテトラオースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。これらの四糖類のうち、パノースの還元末端に単糖類又は糖アルコールが結合したテトラオースは、例えば、特開平10−215892号公報に開示されており、パノースの還元末端に、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロース、アラビノースなどの単糖類や、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコールが結合したテトラオースが例示できる。
五糖類としては、マルトペンタオース、イソマルトペンタオースなどのホモオリゴ糖;パノースの還元末端に二糖類が結合したペンタオースなどのヘテロオリゴ糖が挙げられる。パノースの還元末端に二糖類が結合したペンタオースは、例えば、特開平10−215892号公報に開示されており、パノースの還元末端に、スクロース、ラクトース、セロビオース、トレハロースなどの二糖類が結合したペンタオースが例示できる。六糖類としては、マルトヘキサオース、イソマルトヘキサオースなどのホモオリゴ糖などが挙げられる。
これらのオリゴ糖(又はオリゴ糖組成物)のうち、少なくとも四糖類で構成されたオリゴ糖は、溶融粘度特性、樹脂成分との溶融混合又は混練性の観点から好ましい。
このようなオリゴ糖又はオリゴ糖組成物としては、例えば、デンプン糖(デンプン糖化物)、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、フルクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖などが挙げられ、これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、デンプン糖は、デンプンに酸又はグルコアミラーゼなどを作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、複数個のグルコースが結合したオリゴ糖の混合物であってもよい。デンプン糖としては、例えば、東和化成工業(株)製の還元デンプン糖化物(商品名:PO−10、四糖類の含有量90重量%以上)などが挙げられる。ガラクトオリゴ糖は、ラクトースにβ−ガラクトシダーゼなどを作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、ガラクトシルラクトースとガラクトース−(グルコース)の混合物(nは1〜4の整数)であってもよい。カップリングシュガーは、デンプンとスクロースにシクロデキストリン合成酵素(CGTase)を作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、(グルコース)−スクロースの混合物(nは1〜4の整数)であってもよい。フルクトオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)は、砂糖にフルクトフラノシダーゼを作用させて得られるオリゴ糖組成物であり、スクロース−(フルクトース)の混合物(nは1〜4の整数)であってもよい。
これらのオリゴ糖(A1)において、溶融混合又は混練での急激な粘度低下を防止するため、オリゴ糖組成物中の三糖類及び四糖類(特に四糖類)の含有量は、例えば、60重量%以上(例えば、60〜100重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、70〜100重量%程度)、さらに好ましくは80重量%以上(例えば、80〜100重量%程度)、特に90重量%以上(例えば、90〜100重量%程度)であってもよい。
オリゴ糖(A1)は非還元型(トレハロース型)であってもよいが、還元型(マルトース型)のオリゴ糖は、耐熱性に優れるため好ましい。還元型のオリゴ糖としては、遊離のアルデヒド基又はケトン基を有し、還元性を示す糖、例えば、コージービオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、パラチノース、メリビオース、ルチノース、プリメベロース、ツラノースなどの二糖類;マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、セロトリオース、マンニノトリオース、ソラトリオースなどの三糖類;マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、セロテトラオース、リキノースなどの四糖類;マルトペンタオース、イソマルトペンタオースなどの五糖類;マルトヘキサオース、イソマルトヘキサオースなどの六糖類などが挙げられる。
混練により樹脂成分(樹脂成分など)を分散させるためには、オリゴ糖の粘度は高いのが望ましい。具体的には、B型粘度計を用いて温度25℃で測定したとき、オリゴ糖の50重量%水溶液の粘度は、例えば、1〜500Pa・s、好ましくは2〜250Pa・s(例えば、3〜100Pa・s)、さらに好ましくは4〜50Pa・s(例えば、6〜50Pa・s)程度である。
オリゴ糖の融点又は軟化点は、溶融可能な樹脂成分(樹脂成分など)の熱変形温度(例えば、JIS K 7206で規定されるビカット軟化点)より高いのが好ましい。なお、融点又は軟化点を示さず、熱分解するオリゴ糖[例えば、還元デンプン糖化物などのデンプン糖など]では、分解温度をオリゴ糖の「融点又は軟化点」としてもよい。明瞭な融点や軟化点を示さない熱分解性オリゴ糖であっても、水溶性可塑化成分(A2)で可塑化できるため、有効に使用できる。オリゴ糖の融点又は軟化点は、樹脂成分(A)の種類などに応じて、70〜300℃の範囲で選択でき、例えば、90〜290℃、好ましくは100〜280℃(例えば、110〜270℃)、さらに好ましくは120〜260℃(例えば、130〜260℃)程度であってもよい。なお、一般にオリゴ糖の無水物は、高い融点又は軟化点を示す。オリゴ糖の融点又は軟化点と樹脂成分(A)の熱変形温度との温度差は、例えば、1〜80℃、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは15〜60℃程度である。
オリゴ糖は粉末状の形態で市販されており、取り扱い性及び流動性が低い。特に、吸湿性を有するためか、ホッパーから装置内に供給するとブリッジングが生じ、供給路を閉塞する場合がある。このような粉末状オリゴ糖(A1)は、目開き0.50mmのふるい(JIS標準ふるい500μm)に対する通過量が95重量%以上(例えば、97重量%以上)、特に99重量%以上である場合が多い。このような微粉末状オリゴ糖の取り扱い性及び流動性を改善するため、本発明では、前記粉末状オリゴ糖を水溶性可塑化成分で造粒する。
(A2)水溶性可塑化成分
水溶性可塑化成分(A2)としては、オリゴ糖(A1)が可塑化して水飴状態となる現象を発現できればよく、例えば、糖類、糖アルコールなどが使用できる。これらの水溶性可塑化成分(A2)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(a)糖類
糖類としては、通常、単糖類及び/又は二糖類が使用される。単糖類としては、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース、ノノース、デコースなどが挙げられる。これらの化合物は、アルドースやケトースであってもよく、ジアルドース(糖の誘導体であって炭素鎖両末端がアルデヒド基である化合物、例えば、テトラアセチルガラクトヘキソジアルドース、イドヘキソジアルドース、キシロペントドアルドースなど)、複数のカルボニル基を有する単糖類(オソン、オノース等のアルドアルコケトースなど)、メチル基を有する単糖類(アルトロメチロースなどのメチル糖など)、アシル基(特にアセチル基などのC2−4アシル基など)を有する単糖類(前記アルドースのアセチル体、例えば、アルデヒドグルコースペンタアセチル化合物などのアセチル体など)、カルボキシル基が導入された糖類(糖酸またはウロン酸など)、チオ糖、アミノ糖、デオキシ糖などであってもよい。
単糖類の具体例としては、例えば、テトロース(エリトロース、トレオロース等)、ペントース(アラビノース、リボース、リキソース、デオキシリボース、キシロース等)、ヘキソース(アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、フコース、ラムノース、タロース、ガラクチュロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン等)などが例示できる。
また、単糖類は、ヘミアセタール結合により環状構造を形成した環状異性体であってもよい。単糖類は、旋光性を有している必要はないが、D形、L形、DL形のいずれであってもよい。
二糖類としては、例えば、前記二糖類のうち、低融点または低軟化点を有する二糖類(例えば、ゲンチオビオース、メリビオース、トレハロース(二水化物)など)、前記単糖類のホモ及びヘテロ二糖類に相当する二糖類(例えば、グルクロン酸とグルコースとがα−1,6グリコシド結合したグルクロノグルコースなどのアルドビオウロン酸など)が例示できる。
糖類は、熱安定性の点から還元糖が好ましく、そのような糖類としては、遊離の単糖類の他、前記二糖類のうち、低融点又は低軟化点の還元糖(例えば、ゲンチオビオース、メリビオースなど)が挙げられる。これらの糖類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(b)糖アルコール
糖アルコールとしては、イノシットなどの環式糖アルコールであってもよいが、通常、アルジトール(グリシトール)などの鎖状糖アルコールが使用される。これらの糖アルコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
鎖状糖アルコールとしては、テトリトール(トレイトール、エリスリトールなど)、ペンチトール[ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール(アドニトール)、キシリトール、リキシトールなど]、ヘキシトール[ソルビトール、マンニトール、イジトール、グリトール、タリトール、ズルシトール(ガラクチトール)、アロズルシトール(アリトール)、アルスリトールなど]、ヘプチトール、オクチトール、ノニトール、デキトール、及びドデキトールなどが挙げられる。
これらの糖アルコールのうち、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、ズルシトール及びマンニトールから選択された少なくとも一種が好ましい。糖アルコールは、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトールから選択された少なくとも1つの糖アルコールを含む場合が多い。
水溶性可塑化成分(A2)は、常温(例えば、15〜20℃程度)で液体(シロップ状)であってもよいが、通常、固体である場合が多い。可塑化成分の融点又は軟化点は、通常、樹脂成分(A)の熱変形温度(例えば、JIS K 7206で規定されるビカット軟化点)以下である。なお、可塑化成分の中には、ペンタエリスリトールなどのように、樹脂成分の熱変形温度よりも高い高融点(例えば200℃以上)を有するにも拘わらず、オリゴ糖と共存すると、実際の融点よりも低い温度で融解し、オリゴ糖を有効に可塑化する物質が存在する。このような可塑化成分では、オリゴ糖に対して可塑化効果を発揮する温度を、可塑化成分の「融点又は軟化点」としてもよい。
オリゴ糖の融点又は軟化点(若しくは分解温度)よりも低い融点を有する可塑化成分を用いると、冷却に伴って、可塑化成分が凝固することにより、樹脂成分又はマトリックスを効率よく固定できる。そのため、樹脂成分との組合せにおいて、前記樹脂成分の固化温度に達しなくても、分散相の形状を、例えば、球状などに固定することができる。特に、可塑化成分が低分子であり、明瞭な凝固点を示すので、瞬時に樹脂成分(分散相)の形状を固定できる。
造粒物において、オリゴ糖と可塑化成分との重量割合は、例えば、前者/後者=99/1〜50/50(例えば、95/5〜50/50)程度の範囲から選択でき、通常、95/5〜60/40(例えば、90/10〜55/45)、好ましくは90/10〜65/35(例えば、85/15〜70/30)程度である。
造粒物の造粒形態は特に制限されず、例えば、オリゴ糖と可塑化成分とが溶解又は溶融して均一系を形成していてもよいが、通常、オリゴ糖と可塑化成分とが不均一な形態で結合した不均一系を形成している。また、造粒物の形態は、オリゴ糖粒子の表面に可塑化成分が被覆又は付着していてもよいが、通常、複数の粉末状オリゴ糖(A1)粒子が、バインダーとしての水溶性可塑化成分(A2)で結合した形態で造粒されている。好ましい態様では、複数の粉末状オリゴ糖(A1)粒子が、水溶性可塑化成分(A2)の熱融着により造粒されている。このような造粒物は、複数のオリゴ糖粒子間には可塑化成分が介在又は充填した形態を有していてもよい。造粒物の形状は、特に制限されず、例えば、顆粒状、球状、異形状(星状、楕円体状、多角体状、柱状、不定形状など)であってもよく、ザラメ状、金平糖状などであってもよい。
本発明の造粒物は取り扱い性及び流動性が改善されており、例えば、造粒物の全重量に対して、粒径0.5〜3.35mmの範囲の造粒物が占める割合(JIS標準ふるい500μm〜JIS標準ふるい3350μm上に残留する割合)は、90%以上(例えば、91〜100%)、好ましくは93%以上(例えば、94〜99%)、さらに好ましくは95%以上(例えば、96〜98%)である。また、目開き0.5mmのふるい(JIS標準ふるい500μm)を通過する割合及び目開き5.60mmのふるい(JIS標準ふるい5600μm)上に残留する割合は、それぞれ全重量に対して5%以下であってもよく、通常、3%以下、特に1%以下である。このような造粒物は、飛散性が低く、安全性の面でも有利である。
さらに、流動性の指標となる造粒物の安息角は、例えば、45°以下(例えば、5〜40°程度)であってもよく、通常、30°以下(例えば、5〜28°程度)、好ましくは27°以下(例えば、6〜26°程度)、さらに好ましくは25°以下(例えば、8〜23程度)、特に10〜20°程度であってもよい。流動性の高いオリゴ糖造粒物を用いることにより、樹脂成分(粉末状又はペレット状樹脂成分)とともにホッパーに供給しても、ブリッジを生じる虞がなく、溶融混合又は混練機に安定かつ円滑に供給できる。
[造粒物の製造方法]
前記オリゴ糖含有造粒物は、粉末状オリゴ糖(A1)を、この粉末状オリゴ糖(A1)を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)で造粒することにより製造できる。この造粒において、噴霧乾燥造粒法に準じて、オリゴ糖及び可塑化成分を含む溶液を噴霧乾燥したり、オリゴ糖及び可塑化成分を溶融混練して均一な造粒物を生成させてもよいが、造粒効率及びエネルギーコストなどの点から、オリゴ糖(A1)及び可塑化成分(A2)のうち一方の成分の形態(粉粒状形態)を維持しつつ、他方の成分で造粒し、不均一系の造粒物を生成させるのが好ましい。また、オリゴ糖及び可塑化成分のうち一方の成分を他方の成分に対するバインダーとして使用して造粒でき、可塑化成分のバインダーとしてオリゴ糖を使用してもよいが、通常、オリゴ糖に対するバインダーとして可塑化成分を使用する場合が多い。好ましい態様では、粉末状オリゴ糖(A1)の形態を維持しつつ、水溶性可塑化成分(A2)で粉末状オリゴ糖(A1)が造粒される。バインダー成分(例えば、水溶性可塑化成分)は、溶液(特に水溶液)の形態で使用してもよく、粉粒状の形態で使用してもよい。
造粒方法としては、慣用の方法、例えば、粉末状オリゴ糖と可塑化成分とを攪拌混合しつつ造粒する攪拌混合造粒;粉末状オリゴ糖及び可塑化成分の双方を転動させながら造粒したり、一方の成分を転動させながら他方の成分を添加して造粒する転動造粒;粉末状オリゴ糖及び可塑化成分の一方の成分の流動層に他方の成分を添加(又は噴霧)して造粒する流動層造粒;粉末状オリゴ糖と可塑化成分とを混練して造粒する押出造粒などが利用できる。さらに、粉末状オリゴ糖と可塑化成分との混合物を打錠又は圧縮成形する圧縮造粒法なども利用できる。これらの方法において、可塑化成分は溶液(特に水などの水性溶媒を用いた溶液)の形態で添加し、乾燥することにより造粒物を得てもよい。また、圧縮造粒法では、賦形性を有する可塑化成分を溶液の形態でオリゴ糖に添加し、必要により造粒した湿式又は乾燥混合物を圧縮成形したり、賦形性を有する粉粒状の可塑化成分とオリゴ糖との混合物を圧縮成形することにより圧縮造粒物を得てもよい。賦形性を有する水溶性可塑化成分としては、例えば、グルコース、フルクトースなどの単糖類、ラクトース、スクロースなどの二糖類、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。
さらに、可塑化成分を粉粒状の形態で使用し、可塑化成分を溶融することにより、オリゴ糖を造粒してもよい。溶融した水溶性可塑化成分で粉末状オリゴ糖を造粒する場合、粉末状オリゴ糖は、水溶性可塑化成分の融点以下の融点又は軟化点を有していてもよいが、通常、水溶性可塑化成分よりも高い融点又は軟化点を有している。そのため、粉末状オリゴ糖の融点又は軟化点以下であり、かつ水溶性可塑化成分の融点以上の温度(換言すれば、粉末状オリゴ糖が溶融せず、可塑化成分が溶融可能な温度)で、粉末状オリゴ糖を水溶性可塑化成分で造粒すると、粉末状オリゴ糖の形態を維持しつつ、効率よく造粒物を得ることができる。
より具体的には、前記造粒方法(攪拌混合造粒、転動造粒、押出造粒法など)において、造粒系の温度を、粉末状オリゴ糖が溶融せず、可塑化成分が溶融可能な温度に加熱することにより、溶融した可塑化成分でオリゴ糖粒子が結合した造粒物が得られる。
さらに、前記造粒法のように、粉末状オリゴ糖及び水溶性可塑化成分のうち少なくとも一方の成分を流動させながら造粒してもよいが、粉末状オリゴ糖及び水溶性可塑化成分のうち少なくとも一方の成分が実質的に非流動状態(非浮遊などの状態)で造粒してもよい。例えば、粉末状オリゴ糖を移動体(例えば、コンベアなど)で移送させながら、オリゴ糖に溶液状の水溶性可塑化成分を噴霧し、移動体を乾燥機(例えば、オーブンなど)で乾燥し、必要により解砕又は粉砕することにより造粒してもよい。また、可塑化成分を溶液の形態で使用する場合には、粉末状オリゴ糖と可塑化成分の溶液との混合物(湿潤した混合物)を静置して乾燥し、必要により乾燥物を壊砕又は破砕することにより造粒物を得てもよい。
さらには、粉末状オリゴ糖(A1)が実質的に非流動状態で、粉末状オリゴ糖を、溶融した水溶性可塑化成分で造粒してもよい。例えば、粉末状オリゴ糖と粉末状可塑化成分との混合物を、粉末状オリゴ糖が溶融せず、可塑化成分が溶融可能な温度に加熱し、溶融した可塑化成分で粉末状オリゴ糖が結合した凝集体を生成させ、この凝集体を冷却し、必要により解砕又は破砕することにより造粒物を得てもよい。より具体的には、例えば、移動体(例えば、コンベアなど)により、粉末状オリゴ糖を必要により所定の容器内に収容して移送しつつ、溶融した可塑化成分を噴霧し、必要により加熱炉(例えば、オーブンなど)を通過させて溶融した可塑化成分を浸透させて冷却し、必要により解砕又は粉砕して造粒してもよく、移動体を利用して粉末状オリゴ糖と粉粒状可塑化成分との混合物を加熱路(加熱ゾーン)に通して溶融した可塑化成分でオリゴ糖を造粒して冷却し、必要により解砕又は粉砕して造粒してもよい。また、粉末状オリゴ糖と可塑化成分との混合物を所定の容器内に収容し、加熱して可塑化成分を溶融させて、冷却し、粉末状オリゴ糖を造粒してもよい。熱源としては、特に限定されず、オーブン、赤外線、電磁波などが利用できる。
なお、これらの方法において、粉末状オリゴ糖などの被造粒物成分には微振動などを与えてもよい。また、必要であれば、結合剤(例えば、下記樹脂など)及び/又は添加剤を添加して造粒してもよい。さらに、これらの造粒物は必要により解砕や粉砕し、分級などにより整粒してもよい。
なお、造粒物には種々の添加剤成分を添加してもよい。このような添加剤成分としては、例えば、後述する樹脂、可塑剤又は軟化剤、滑剤又はワックス類、充填剤、安定剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、電荷制御剤、流動化剤、架橋剤、結晶核剤、抗菌剤、防腐剤、油溶性染料などが例示できる。これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、添加剤成分のうち安定剤(酸化防止剤、熱安定剤など)を使用し、造粒物の耐熱性を向上するのに有用である。安定剤の使用量は、造粒物100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜2.5重量部(例えば、0.05〜1重量部)程度であってもよい。
[分散体及びその製造方法]
このようなオリゴ糖含有造粒物は、例えば、食品用、医薬品などのベース(基剤)、添加剤として使用可能であるが、溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、前記樹脂成分で構成された分散相を生成させるための水溶性助剤として有用である。すなわち、本発明では、溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、オリゴ糖含有造粒物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ溶融可能な樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を生成させる。
なお、オリゴ糖と水溶性可塑化成分とで構成された造粒物は、溶融により均一なマトリックスを形成する。このマトリックス(造粒物で形成された乳化媒体)の融点又は軟化点は、樹脂成分の熱変形温度と同等又は低くてもよく高くてもよい。例えば、乳化媒体の融点又は軟化点と、樹脂成分の熱変形温度との温度差は、0〜100℃程度の範囲から選択でき、例えば、3〜80℃(例えば5〜60℃)、好ましくは7〜50℃、さらに好ましくは10〜40℃(例えば、15〜35℃)程度であってもよい。
溶融により均一化した造粒物のメルトフローレートは、例えば、樹脂成分の熱変形温度(例えば、前記ビカット軟化点)より30℃高い温度でJIS K 7210に従って測定したとき、1〜40、好ましくは5〜30、さらに好ましくは10〜20程度であってもよい。
[樹脂成分]
樹脂成分としては、前記造粒物で形成されたマトリックス(乳化媒体)に対して非相溶の種々の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(特に溶融可能な樹脂)が使用でき、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂は組み合わせて使用してもよい。代表的な熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル重合系熱可塑性樹脂(スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビニルエステル系樹脂又はその誘導体など)、縮合系熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(チオ)エーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂など)、天然物由来樹脂(セルロース誘導体など)などが例示できる。これらの樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
スチレン系樹脂としては、スチレン系単量体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど)の単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体など)、スチレン系単量体と共重合性単量体との共重合体(スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、スチレン−無水マレイン酸共重合体など;スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのブロック共重合体など;ゴム成分の存在下、少なくともスチレン系単量体をグラフト重合したグラフト重合体、例えば、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS、又はゴムグラフトポリスチレン系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、このABS樹脂のブタジエンゴムBに代えて、エチレンプロピレンゴムE、アクリルゴムA、塩素化ポリエチレンC、酢酸ビニル重合体などのゴム成分を用いたグラフト共重合体(AES樹脂,AAS樹脂,ACS樹脂などのAXS樹脂)、アクリロニトリルに代えて(メタ)アクリル系単量体(メタクリル酸メチルなど)を用いたグラフト共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体(MBS樹脂)など)などが挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、α−C2−6オレフィンの単独又は共重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(メチルペンテン−1)などのオレフィンの単独又は共重合体、オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸C1−18アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリルなど)の単独又は共重合体、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。
ハロゲン含有樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン系樹脂、フッ素樹脂などが例示できる。ビニルエステル系樹脂又はその誘導体としては、例えば、カルボン酸ビニルエステルの単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、これらのケン化物(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系樹脂)、ケン化物(ビニルアルコール系樹脂)からの誘導体(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂など)などが例示できる。エチレン−ビニルアルコール共重合体において、エチレン含量は5〜40重量%程度であってもよい。
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分、ジオール成分、オキシカルボン酸、ラクトン類を用いた種々の樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロへキシルジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2−6アルキレンアリレート系樹脂、C2−6アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル(例えば、共重合成分が、オキシアルキレン単位を有する(ポリ)オキシC2−4アルキレングリコールやC6−12の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸などの非対称性芳香族ジカルボン酸などのコポリエステル)、ポリアリレート系樹脂、液晶性ポリエステルなどの芳香族ポリエステル系樹脂;ポリC2−6アルキレンオギザレート、ポリC2−6アルキレンサクシネート、ポリC2−6アルキレンアジペートなどのポリ(C2−6アルキレングリコール−C2−10脂肪族ジカルボン酸エステル)、ポリオキシカルボン酸系樹脂(例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸、グリコール酸−乳酸共重合体など)、ポリラクトン系樹脂(例えば、ポリカプロラクトンなどのポリC3−12ラクトン系樹脂など)、これらのコポリエステル(例えば、ポリカプロラクトン−ポリブチレンサクシネート共重合樹脂など)などが挙げられる。ポリエステル系樹脂はウレタン結合を含んでいてもよい。さらに、ポリエステル系樹脂は生分解性を有していてもよい。
ポリアミド系樹脂、例えば、脂肪族ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド1212など)、コポリアミド(例えば、ポリアミド6/11,ポリアミド6/12,ポリアミド66/11,ポリアミド66/12など);脂環式ポリアミド系樹脂;芳香族ポリアミド系樹脂などが挙げられる。ポリアミド系樹脂のジカルボン酸成分はダイマー酸単位を含んでいてもよい。さらに、ポリアミド系樹脂は生分解性を有していてもよい。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ジイソシアネート類(ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類又はその水添ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート類又はその水添ジイソシアネート類など)と、ポリオール類(例えば、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなど)と、必要により鎖伸長剤との反応により得られるポリウレタン系樹脂が例示できる。
ポリ(チオ)エーテル系樹脂としては、例えば、ポリオキシアルキレン系樹脂(安定化されたポリオキシメチレングリコール又はホモ又はコポリアセタール系樹脂、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などのポリオキシC1−4アルキレンジオール)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンエーテルケトン系樹脂、ポリスルフィド系樹脂(ポリフェニレンスルフィド又はその共重合体などのポリチオエーテル系樹脂)、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン系樹脂を含む)などが含まれる。
ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂などのビスフェノール類をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれる。
ポリスルホン系樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリールスルホン樹脂などが例示できる。ポリイミド系樹脂としては、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂などが例示できる。
セルロース誘導体としては、セルロースエステル類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどのセルロースアセテート(酢酸セルロース)、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのアシルセルロース;セルロースの無機酸エステルなど)、セルロースエーテル類(例えば、アルキルセルロース(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチルセルロースなどのアルキルセルロース;ベンジルセルロースなどのアラルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシアルキルアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロース;シアノエチルセルロースなど)、セルロースカーバメート類(セルロースフェニルカーバメートなど)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂には、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなど)、熱可塑性シリコーン樹脂、天然樹脂又はその誘導体なども含まれる。
これらの熱可塑性樹脂のうち、例えば、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂又はその誘導体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(チオ)エーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、及びセルロースエステル系樹脂(酢酸セルロース系樹脂など)が好ましい。また、生分解性樹脂、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂(例えば、ポリ乳酸系樹脂やポリC3−12ラクトン系樹脂など)、ポリエステルアミドなどの生分解性ポリエステル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、前記セルロース誘導体も好ましい。
樹脂成分の熱変形温度(例えば、JIS K 7206で規定されるビカット軟化点)は、60〜300℃の範囲から選択でき、例えば、80〜260℃、好ましくは100〜240℃(例えば110〜240℃)、さらに好ましくは120〜230℃(例えば130〜220℃)程度である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる熱可塑性樹脂の数平均分子量は、例えば、ポリスチレン換算で5,000〜500,000、好ましくは10,000〜300,000、さらに好ましくは20,000〜150,000程度である。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量の測定が困難なセルロース誘導体などの熱可塑性樹脂については、粘度平均分子量を採用できる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴム、シリコーンワニスなど)などが含まれる。さらに、樹脂として、種々のゴムも使用可能である。これらの樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
樹脂(A)としては、通常、熱可塑性樹脂が使用される。樹脂(A)は、親水性樹脂であってもよいが、通常、非水溶性樹脂又は疎水性樹脂である場合が多い。さらに、樹脂は、混練性などの観点から、アミノ基、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの極性基を有していてもよい。
樹脂と造粒物との重量割合は、樹脂及び造粒物の種類や粘度、樹脂と造粒物との相溶性などに応じて選択でき、通常、成形性を損なわない範囲、例えば、樹脂/造粒物=55/45〜1/99、好ましくは50/50〜5/95、さらに好ましくは45/55〜10/90程度である。
[添加剤]
前記溶融混合又は混練系には、種々の添加剤(溶融混練温度で融解してもよい添加剤など)を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤又は軟化剤、滑剤又はワックス類、充填剤、安定剤(熱安定剤、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系などの酸化防止剤、ベンゾフェノン系、サリチル酸系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤などの耐候(光)安定剤など)、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、電荷制御剤(ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、アミン系化合物などの正荷電制御剤;サリチル酸金属錯体、アゾ染料金属錯体、銅フタロシアニン染料、ニトロイミダゾール誘導体、尿素誘導体などの負電荷制御剤など)、流動化剤、架橋剤、結晶核剤、抗菌剤、防腐剤、油溶性染料などを含んでいてもよい。
滑剤又はワックス類としては、固体状滑剤[脂肪族炭化水素系ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、植物性又は動物性ワックス(カルナウバワックス、ミツロウ、セラックワックス、モンタンワックスなど)、高級脂肪酸エステル(グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなど)、アルキレンビス脂肪酸アミド(メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなど)、脂肪酸金属塩(ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの高級脂肪酸多価金属塩など)など]、液状滑剤[パラフィンオイル、シリコーンオイルなど]が例示できる。
充填剤としては、無機充填剤(無機粒子)[例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛など金属酸化物、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、チタン酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属、炭素、磁性体など]、有機充填剤[例えば、架橋樹脂粒子、溶融混練温度よりも高い熱変形温度を有する耐熱性樹脂粒子など]、着色剤[例えば、無機顔料、有機顔料]が例示できる。無機顔料としては、体質顔料(炭酸カルシウムなど)、白色顔料(酸化チタン、酸化亜鉛など)、黄色顔料、赤色顔料(ベンガラなど)、青色顔料(紺青、群青など)、黒色顔料(カーボンブラックなど)などが挙げられ、有機顔料としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリノン・ペリレン系顔料、スレン系顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン系顔料、インジゴ又はチオインジゴ系顔料、アニリンブラックなどの黒色顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン化合物などが挙げられる。なお、着色剤は、蛍光顔料又は染料、蓄光顔料などであってもよい。充填剤は、粉粒状であってもよく繊維状であってもよい。これらの充填剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
充填剤の平均粒子径(一次粒子径)は、例えば、平均粒子径2nm〜10μm程度の広い範囲から選択でき、通常、3nm〜1μm、好ましくは5〜500nm、さらに好ましくは10〜300nm程度であってもよい。
これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、樹脂成分と添加剤とを溶融混練して樹脂成分に予め含有させていてもよく、樹脂成分と前記造粒物との溶融混合又は混連過程で混合又は混練系に含有させてもよい。
前記添加剤は、最終製品である複合樹脂粒子の用途などに応じて選択でき、例えば、化粧品(ファンデーション、白粉、頬紅など)などの用途では、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系吸収剤、ケイ皮酸系吸収剤、p−アミノ安息香酸系吸収剤、サリチル酸系吸収剤、ジベンゾイルメタン系吸収剤、ウロカニン酸又はそのエステル、β−イソプロピルフラノン、β−カロチンなど)、紫外線散乱剤などを使用してもよい。トナーなどの画像記録材料用途では、例えば、電荷制御剤、流動化剤、ワックス類などを用いてもよい。また、塗料やコーティング剤などの用途では、例えば、架橋剤、耐候(光)安定剤、紫外線吸収剤、流動化剤などを使用してもよい。
これらの添加剤は、それぞれ有効量であればよく、例えば、樹脂(A)100重量部に対して、添加剤の総量は、0〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0〜50重量部(例えば、0〜30重量部)、好ましくは0.05〜20重量部(例えば、0.1〜20重量部)程度、さらに好ましくは0.1〜10重量部(例えば、0.5〜10重量部)程度であってもよい。
オリゴ糖含有造粒物と溶融可能な樹脂成分との溶融混合又は混練は、造粒物及び樹脂が溶融可能な温度で行えばよく、溶融混合又は混練は、慣用の混練機(例えば、単軸もしくは二軸スクリュー押出機、ニーダー、カレンダーロール、バンバリーミキサーなど)を用いて行なうことができる。また、混練に先だって、各成分は、予め凍結粉砕機などで粉体状に予備加工したり、ヘンシェルミキサー、タンブルミキサー、ボールミル、リボンミキサーなどで予備混合又は混練してもよい。混練温度は、例えば、90〜300℃程度の範囲から選択でき、通常、110〜260℃、好ましくは150〜240℃(例えば、170〜230℃)、特に180〜220℃程度であってもよい。また、熱分解を避けるため、混練温度を230℃以下にしてもよい。混練時間は、例えば、10秒〜1時間程度の範囲から選択できる。
このような混合又は混練により、造粒物が連続相(マトリックス)を形成し、樹脂が分散相を形成した分散体が形成される。なお、前記添加剤は、予め樹脂と混合したコンパウンドの形態で使用してもよく、樹脂と造粒物との溶融混合又は混練系に添加してもよい。溶融混合又は混練した後、冷却することにより分散相がマトリックスで固定化された分散体を得ることができる。
[樹脂粒子]
分散体のマトリックスを、樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつオリゴ糖含有造粒物に対する良溶媒である溶媒(樹脂を溶解せず、マトリックスを溶解する溶媒)で、常圧、減圧又は加圧下で溶出又は溶解することにより、樹脂粒子を生成できる。マトリックスの溶出又は溶解には、種々の溶媒、例えば、水、水溶性溶媒(例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、エーテル類(セロソルブ、ブチルセロソルブなど)など)が使用できる。好ましい溶媒は水である。溶出は、慣用の方法、例えば、前記分散体を、前記水性媒体中に浸漬、分散して、マトリックスを溶出・溶解又は洗浄(水性溶媒に移行)することに行うことができる。なお、水溶性助剤の分散及び溶出を促進するため、超音波を作用させたり、撹拌してもよい。マトリックスの溶出温度は、例えば、10〜100℃程度の範囲から選択できる。生成した樹脂粒子は、濾過、遠心分離などの固液分離方法を用いて分離し、必要により乾燥することにより回収できる。なお、マトリックスの溶出又は溶解率は、通常、95重量%以上(95〜100重量%)、特に98重量%以上(98〜100重量%)である。
生成した樹脂粒子の形状は、粒子状であればよく、例えば、球状、楕円体状、多角体状、角柱状、円柱状、棒状、不定形状などであってもよい。好ましい粒子の形状は、球状である。球状粒子には、真球状に限らず、例えば、長径と短径との長さ比が、例えば、長径/短径=1.5/1〜1/1程度である形状も含まれる。長径と短径との長さ比は、好ましくは長径/短径=1.3/1〜1/1(例えば、1.2/1〜1/1)、さらに好ましくは1.1/1〜1/1程度であってもよい。
樹脂粒子の表面は平滑であってもよく凹凸であってもよい。樹脂粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、特に制限されず、用途に応じて、0.1μm〜1mm(例えば、0.1〜800μm)程度の範囲から選択でき、例えば、0.2〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.7〜30μm、特に1〜20μm程度であってもよい。
本発明のオリゴ糖含有造粒物は、流動性及び取り扱い性が高く、粉塵爆発等の発生の危険がなく安全性も高い。また、造粒物は樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、樹脂粒子を製造するのに有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜2
表1に示す組成割合で、粉末オリゴ糖(A1)と水溶性可塑化成分(A2)とを混合した後、混合物10gを容器(10cm四方の金属製バット)に取り、表1に示す温度に設定したオーブン中にて1時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、金属製のスパチュラを用いて、一部互着している糖成分を解離させて、粒状化したオリゴ糖組成物を得た。
比較例1〜2
表1に示す組成割合で、粉末オリゴ糖(A1)と水溶性可塑化成分(A2)を混合し、加熱することなく、試験に供した。
なお、実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
(A1)粉末オリゴ糖
(A1-1)デンプン糖(東和化成工業(株)製、還元デンプン糖化物PO−10、目開き0.5mmふるい残存量 0重量%)
(A1-2)デンプン糖(日本食品化工(株)製、デンプン糖化物フジオリゴ450P、目開き0.5mmふるい残存量 0重量%)
(A2)水溶性可塑化成分
糖アルコール:ソルビトール(東和化成工業(株)製、ソルビット、目開き0.25mmふるい残存量 98重量%)。
なお、糖原料の粒度特性については次のようにして評価した。
[糖原料のふるい選別]
下段より目開き0.25mm、0.5mmのふるいを順番で積み上げた二段型ふるい器の上部に糖原料20gを投入し、各ふるいからの落下物が完全になくなるまで手でふるいを振動させた後、各ふるい上に残留した糖原料の重量を測定した。
実施例で得られた造粒物及び比較例で得られた混合物について、以下のようにして、粒度特性及び取り扱い性を評価した。
[ふるい選別]
下段より目開き0.5mm、1.0mm、2.26mm、3.35mm、5.60mmのふるいを順番で積み上げた多段型のふるい器の最上部に、得られたオリゴ糖組成物20gを投入し、各ふるいからの落下物が完全になくなるまで手でふるいを振動させた後、各ふるい上に残留したオリゴ糖組成物の重量を測定した。ふるい器に供したサンプルの前重量をWt、0.5mmのふるいを通過した重量をWs、3.35mmのふるい及び5.60mmのふるい上に残留した重量の合計をWlとし、式[(Wt−Ws−Wl)/Wt×100]より算出される数値を以って、0.5〜3.35mm粒径範囲にあるオリゴ糖組成物の重量%とした。
[飛散性]
得られたオリゴ糖組成物50gを20cmの高さから、水平に設置されたガラス板上に落下させ、空中への飛散の有無を目視にて観察した。
[安息角]
ポリカーボネート製の管(内径30mmφ、長さ20cm)を、水平に設置した紙上に垂直に立て、オリゴ糖組成物20gを、管の上部から投入して充填した。その後、管を垂直方向に毎秒2cmの速さで引き上げ、オリゴ糖組成物の山状物を紙上に形成させた。山状物の頭頂部を頂点とする三角錐が形成されている部分を写真に撮影し、稜線の水平面からの角度を測定することによりオリゴ糖組成物の安息角とした。
結果を表1に示す。
Figure 2007046039
表1から明らかなように、比較例に比べ、実施例では飛散性がなく流動性の高い造粒物が得られた。

Claims (14)

  1. 溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、前記樹脂成分で構成された分散相を生成させるための造粒物であって、粉末状オリゴ糖(A1)が、このオリゴ糖を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)で造粒されているオリゴ糖含有造粒物。
  2. 粉末状オリゴ糖(A1)が、少なくとも四糖類で構成され、水溶性可塑化成分(A2)が、糖及び糖アルコールから選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載の造粒物。
  3. 粉末状オリゴ糖(A1)と水溶性可塑化成分(A2)との割合が、前者/後者(重量比)=95/5〜50/50であり、複数の粉末状オリゴ糖(A1)の粒子が、水溶性可塑化成分(A2)で結合し造粒されている請求項1記載の造粒物。
  4. 複数の粉末状オリゴ糖(A1)の粒子が、水溶性可塑化成分(A2)の熱融着により造粒されている請求項1記載の造粒物。
  5. 目開き0.5mmのふるいに対する粉末状オリゴ糖(A1)の通過量が95重量%以上あり、造粒物の90重量%以上が粒径0.5〜3.35mmの範囲である請求項1記載の造粒物。
  6. 目開き0.5mmのふるいを通過する割合及び目開き5.60mmのふるい上に残留する割合が、それぞれ、全重量に対して5%以下である請求項1記載の造粒物。
  7. 安息角が45°以下である請求項1記載の造粒物。
  8. 溶融可能な樹脂成分と組み合わせて溶融混合又は混練し、前記樹脂成分で構成された分散相を生成させるための造粒物の製造方法であって、粉末状オリゴ糖(A1)を、この粉末状オリゴ糖(A1)を可塑化するための水溶性可塑化成分(A2)で造粒するオリゴ糖含有造粒物の製造方法。
  9. 粉末状オリゴ糖(A1)の形態を維持しつつ、溶融した水溶性可塑化成分(A2)で粉末状オリゴ糖(A1)を造粒する請求項8記載の方法。
  10. 粉末状オリゴ糖(A1)が、水溶性可塑化成分(A2)の融点よりも高い融点又は軟化点を有しており、粉末状オリゴ糖(A1)の融点又は軟化点以下であり、かつ水溶性可塑化成分(A2)の融点以上の温度で、粉末状オリゴ糖(A1)を水溶性可塑化成分(A2)で造粒する請求項8記載の方法。
  11. 粉末状オリゴ糖(A1)が実質的に非流動状態で、溶融した水溶性可塑化成分(A2)で粉末状オリゴ糖(A1)を造粒する請求項8記載の方法。
  12. 請求項1記載のオリゴ糖含有造粒物で構成されたマトリックスと、このマトリックス中に分散し、かつ樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体。
  13. 請求項1記載のオリゴ糖含有造粒物と溶融可能な樹脂成分とを溶融混合又は混練し、オリゴ糖含有造粒物で構成されたマトリックスと、前記樹脂成分で構成された分散相とで構成された分散体を製造する方法。
  14. 請求項12記載の分散体のマトリックスを、樹脂成分に対する貧溶媒であり、かつオリゴ糖含有造粒物に対する良溶媒である溶媒で溶出又は溶解し、固液分離し、分散相の樹脂粒子を製造する方法。
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