JP2008024185A - 自動車用フード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アウターパネル2とインナーパネル3のそれぞれの周縁部2a,3aを接合したときに、両パネル2,3の間に空間部4,5を介した断面構造を備え、このインナーパネル3は、アウターパネル2のアウター周縁部2aと接合するインナー周縁部3aと、インナー周縁部3aに連続して形成されアウターパネル2との間に空間部4を形成する枠凹部31と、枠凹部31よりパネル中央部となる位置でアウターパネル2に接合するパネル接合部33aを有する複数のビード33と、隣り合うビード33の間に、空間部5を形成する凹状部32とを備え、当該凹状部32は、ビード33に沿って形成され、深さが深い深凹状部32aを、ビード33を介して深さが浅い浅凹状部32bの間に配置した。
【選択図】図2
Description
なお、本発明に係る自動車用フードにおいては、前記深凹状部と前記浅凹状部を、前記ビードを介して交互に配置するのがよいが、前記深凹状部の間に2個以上の前記浅凹状部を配置してもよい。
また、アウターパネル2は、そのアウター周縁部2aにおいて、ヘム加工等による嵌合、接着、ろう付け等によって後記するインナーパネル3のインナー周縁部3aと接合され、アウターパネル2とインナーパネル3との間に空間部4を介した断面構造をとる。
なお、本発明の自動車用フード1は、凹状部32(深凹状部32a、浅凹状部32b)を車両進行方向に対して縦方向となるように設けるのが好適であるが、これに限定されるものではなく、凹状部32を車両進行方向に対して横方向や斜め方向となるように設けてもよい。また、凹状部32を交差するように設けてもよい。
さらには、畝状の凸条の複数のビード33は、全部または一部の隣り合うビード33の端部同士を繋げて形成してもよい
以下、凹状部32を車両進行方向に対して縦方向に設けた場合を例に具体的に説明する。
本発明の自動車用フード1においては、この深凹状部32aと浅凹状部32bを、ビード33を介して交互に配置した構造とするのが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、深凹状部32aの間に2個以上の浅凹状部32bを配置した構造としてもよい(不図示)。
深凹状部32aの深さh1および浅凹状部32bの深さh2のいずれかが前記した適正範囲未満であると、インナーパネル3が必要とする張り剛性を確保することが困難になる。一方、深凹状部32aの深さh1が前記した適正範囲を超えると、プレス成形が困難になる。また、浅凹状部32bの深さh2が前記した適正範囲を超えると、凹状部32の深さを変更する効果をほとんど得ることができない。
深凹状部32aおよび浅凹状部32bのピッチp1,p2のいずれかが前記した適正範囲未満であると、深凹状部32a間のピッチが狭すぎるために、頭部などが衝突した場合、複数の凹状部32(深凹状部32a)がほぼ同時に設置構造物Aと衝突してしまい、HIC値を低減させることができなくなる。一方、深凹状部32aおよび浅凹状部32bのピッチp1,p2のいずれかが前記した適正範囲を超えると、張り剛性が不足するおそれがある。
なお、深凹状部32aと浅凹状部32bのピッチp1,p2をほぼ同一とすると張り剛性のバランスが良くなり好ましいが、成形性や歩行者保護性能を考慮して、前記した適正範囲内で深凹状部32aのピッチを広く、浅凹状部32bのピッチを狭くすることもできる。
このうち、インナーパネル3の板厚の適正値は、アルミニウム合金板の場合には0.7〜1.5mm、鋼板の場合には0.5〜1.1mmとするのが好ましい。当該板厚が下限値未満であると、自動車用フード1の曲げ剛性が不足しやすく、板厚が上限値を超えると、つぶれ変形荷重が増大するため、歩行者保護性能が低下しやすい。なお、インナーパネル3だけで曲げ剛性を確保して、リインフォースメント(不図示)を省略することも可能であるが、この場合のインナーパネル3の板厚は、前記よりもさらに増大させた板厚が好ましく、アルミニウム合金板では1.5〜3.5mm、鋼板では1.1〜2.5mmが好ましい。
本発明の自動車用フード1は、前記した構成とすることによって、以下に示すように、歩行者保護性能を向上させるとともに、剛性を確保している。
ここで、自動車用フード1の構造を、深凹状部32aの深さh1を従来と同様の深さとし、浅凹状部32bの深さh2を従来よりも浅くした場合、時間(t)と衝突加速度(G)との関係、およびストローク(S)と衝突加速度(G)との関係は、図6(a)、(b)のそれぞれに示す加速度推移となる傾向がある。つまり、このような構成とした場合は、当該浅凹状部32bが設置構造物Aに衝突するタイミングが遅れる(図6(b)参照)ので、2次衝突によって発生する衝突加速度を低減することができる。また、インナーパネル3が変形するストロークSを従来よりも増大させ得ることがわかる。つまり、結果的にHIC値を低くすることができる。
図3、図4に示すように、自動車用フード1では、空間部4により、フードの断面部面積が確保されるため、フードとして必要とされる曲げ剛性、ねじり剛性を得ることができる。それと共に、インナーパネル3のインナー周縁部3aとアウターパネル2のアウター周縁部2aとを接合(接着)したり、パネル接合部33aでインナーパネル3とアウターパネル2とを接合(接着)したりすることにより、フードとして必要とされる張り剛性、耐デント性を得ることができる。
また、図1、図2に示す自動車用フード1は、ビード33の端部が平面視で丸みを帯びたR形状を有しているが、これに限定されるものではなく、そのようなR形状を有さない形状としてもよい。また、ビード33の頂部から枠凹部31の底部までを縦断面視で直線的となるように形成してもよい。
なお、後記する形状変更は、前側(子供衝突領域CA)と後側(大人衝突領域AA)とで明確に分けて形成してもよく、前側の端部から後側の端部にかけて形状が漸次変化するように形成してもよく、また、前側と後側との境界近傍においてそれらの形状が繋がるように漸次変化するように形成してもよい。
2 アウターパネル
2a アウター周縁部
3 インナーパネル
3a インナー周縁部
31 枠凹部
32 凹状部
32a 深凹状部
32b 浅凹状部
33,33A,33B ビード
33a パネル接合部
33b 接合面
33c 平坦部
33d 棚部
34 トリム穴
35 凹部
36 クラッシュビード
4,5 空間部
Claims (6)
- アウターパネルとインナーパネルのそれぞれの周縁部を接合したときに、両パネルの所定位置の間に空間部を介した断面構造を備える自動車用フードにおいて、
前記インナーパネルは、
前記アウターパネルのアウター周縁部と接合するインナー周縁部と、
前記インナー周縁部に連続して形成され前記アウターパネルとの間に前記空間部を形成する枠凹部と、
前記枠凹部よりパネル中央部となる位置で前記アウターパネルに接合するパネル接合部を有する凸状の複数のビードと、
隣り合う前記ビードの間に、前記空間部を形成する凹状部と、を備え、
前記凹状部は、
前記ビードに沿って形成され、前記ビードの頂部からの深さがあらかじめ設定された所定の値よりも深い深凹状部と、
前記ビードに沿って形成され、前記ビードの頂部からの深さが前記深凹状部よりも浅い浅凹状部と、を有することを特徴とする自動車用フード。 - 前記深凹状部と前記浅凹状部を、前記ビードを介して交互に配置したことを特徴とする請求項1に記載の自動車用フード。
- 前記深凹状部の間に2個以上の前記浅凹状部を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車用フード。
- 前記深凹状部の深さh1は、10〜40mmであり、
前記浅凹状部の深さh2は、3mm以上{(4/5)×h1}倍以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の自動車用フード。 - 前記深凹状部が形成されるピッチは、100〜200mmであり、
前記浅凹状部が形成されるピッチは、50〜200mmであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の自動車用フード。 - 前記深凹状部の底部および前記浅凹状部の底部の少なくとも一方に、前記深凹状部および前記浅凹状部の長手方向に沿って1つまたは2つ以上のトリム穴を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の自動車用フード。
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