JP5948736B2 - 車両用バンパ - Google Patents

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Description

本発明は、車両用バンパに関し、詳しくは、機能を維持しつつ軽量化されたものに関する。
車両には、一般的に、衝突時の車体側と相手側の損傷を軽減するために、所謂、バンパと称される緩衝構造部材が取り付けられている。この種のバンパは、近年には樹脂成形により作製されており、軽量化するための各種工夫が施されている(例えば、特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1には、バンパ形状を維持して意匠的な外観を損なわないように、バンパの上下方向の縦断面における、上側の厚さを肉厚に形成するとともに、下側を肉薄に形成して、その間の厚さは徐々に変化させることが提案されている。また、特許文献2には、バンパのコーナ部の内面側にリブ形状部を一体成形することにより、補強と共に遮蔽機能を持たせることが提案されている。また、特許文献3には、樹脂製のバンパ本体の内面側に鋼板製部材を取り付けて剛性を確保する構造が提案されている。
特開平6−143353号公報 特開2002−46557号公報 特開2004−217018号公報
しかしながら、このような車両用バンパにあっては、単純に強度を維持しつつ薄くしたとしても軽量化の効果は少ない。このために、特許文献1に記載のように、意匠的な影響の少ないバンパ本体の下側の厚さを薄くすることが考えられるが、意匠的に影響の少ない下側はバンパ本体に占める面積が小さく軽量化の効果は少なく、また、影響は少ないといっても意匠的美観を損なうのは好ましくない。
このことから、特許文献2に記載のように、強度を確保しつつバンパ本体の厚さを肉薄にするためにバンパ本体の内面側にリブ形状部を形成することが考えられる。しかし、単純にバンパ本体の内面側にリブ形状部を一体成形すると、特許文献3に記載のように、場合によっては、固化時間の差異に起因してバンパ本体の外面が凹状になる、所謂、ヒケが発生するときがある。このため、ヒケが発生しないように設計するには、経験や高度な計算などが必要であるとともに、その形成箇所が制限されてバンパ形状における設計の自由度を損なってしまう。
そこで、本発明は、機能や形状に問題を生じさせることなく、大きな面積でバンパ本体の厚さを薄くすることを可能にして、軽量な車両用バンパを提供することを目的としている。
上記課題を解決する車両用バンパに係る発明の一態様は、バンパ本体の形状あるいは厚さに起因して車両用とするのに必要な強度を有する剛性領域と、車両に取り付けた状態でバンパ形状を維持するのに必要な強度を有して前記剛性領域の間を面で繋げるように延在する延在領域と、から構成されており、前記延在領域は、単体ではバンパ形状を維持するだけで車両用とするのには足りない強度となる厚さに形成されている肉薄領域に加えて、車両用とするのに必要な強度となる厚さに形成されている肉厚領域を備えて、当該肉厚領域は、前記肉薄領域を分割しつつ該肉薄領域が車両用とするのに十分な強度になる範囲に延在して該肉薄領域における車両用とするのに必要な強度を確保していることを特徴とするものである。
上記課題を解決する車両用バンパに係る発明の第1の態様は、上記一態様の特定事項に加え、前記肉厚領域は、前記肉薄領域に挟まれて前記延在領域の面方向に幅広となる帯状に形成され前記剛性領域の間に延在していることを特徴とするものである。
そして、この第1の態様は、平面状に延在する延在領域と、前記延在領域の縁に形成されて該延在領域の平面方向に対して湾曲または屈曲する剛性形状部と、を有するバンパ本体を備え、前記延在領域に、当該延在領域の平面方向に幅広となる帯状に形成されて前記剛性形状部の間を繋げるように延在する畝形状部が設けられていることを特徴とするように構成するのが好適である。
上記課題を解決する車両用バンパに係る発明の第2の態様は、上記第1の態様の特定事項に加え、前記肉厚領域は、屈曲する1本または複数本の帯状に、あるいは、交差する複数本の帯状に形成されていることを特徴とするものである。
上記課題を解決する車両用バンパに係る発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様の特定事項に加え、前記肉厚領域は、厚さが徐々に変化して前記肉薄領域に表面を滑らかに連続させる変化領域を有することを特徴とするものである。
そして、この第3の態様は、前記畝形状部は、厚さが均一な均厚部と、前記均厚部から徐々に厚さが変化して前記延在領域に滑らかに連続する減厚部と、を有することを特徴とするように構成するのが好適である。
このように本発明の上記の一態様によれば、車両に取り付けたときの外観的形状や他の構成部品との連結に必要な厚さ(肉厚)に形成されることにより必然的に車両用とするのに必要な強度となる剛性領域の間の延在領域に、車両用に必要な強度の厚さの肉厚領域が形成される。この肉厚領域は、自身だけでなく、分割して両側に位置するバンパ形状を維持する程度の強度の肉薄領域を車両用に必要な強度とする範囲に形成されて、延在領域全体を車両用に必要な強度を有するようにする。したがって、バンパ本体の全体の強度を考慮しつつ全面に肉薄領域を配置することができ、厚さを薄くして効果的に軽量化することのできる肉薄領域を大面積にすることができる。その結果、機能や形状に問題のない軽量な車両用バンパを提供することができる。
本発明の上記の第1の態様によれば、肉厚領域を帯状に形成して肉薄領域と共に剛性領域の間の延在領域の面方向に延在する形状に成形することができ、例えば、樹脂成形する際の固化時間に大きな差が生じることを回避してその外面に凹形状となるヒケが発生することを効果的に制限することができる。
そして、剛性領域として、延在領域(肉薄領域)の平面方向に対して湾曲または屈曲する剛性形状部を形成することにより、延在領域の縁の強度を高くすることができ、また、平面方向に幅広の帯状となる畝形状部(肉厚領域)によって剛性形状部の間を繋げることにより延在領域の強度を高くすることができる。
したがって、ヒケが発生しないように設計するために、経験や高度な計算などを要求されることを回避することができ、ヒケを回避するための制限なく、バンパ形状を自由に設計することができる。
本発明の上記の第2の態様によれば、帯状の肉厚領域(畝形状部)を屈曲または交差させることによりその間に挟まれた肉薄領域(延在領域)の強度を効果的に向上させることができ、その肉薄領域の面積を拡大することができる。したがって、より効果的に車両用バンパを軽量化することができる。
本発明の上記の第3の態様によれば、肉厚領域(例えば、均厚部)が階段状の段差なく滑らかに連続する変化領域(減厚部)により延在領域に繋げられて、例えば、樹脂成形する際の固化時間が小さな範囲で大きく違ってしまうことを回避してその外面に凹形状となるヒケが発生することを効果的に制限することができる。したがって、ヒケが発生しないように設計するために、経験や高度な計算などを要求されることを回避することができ、ヒケを回避するための制限なく、バンパ形状を自由に設計することができる。
本発明に係る車両用バンパの第1実施形態を示す図であり、その車両への組み付けを説明する分解斜視図である。 その車両用バンパの構造を示す後部側から見たときの一部切り欠き背面図である。 その車両用バンパの構造を示す図であり、(a)はその剛性領域と延在領域との連続形状を説明する一部拡大断面図、(b)は(a)と異なる箇所での一部拡大断面図である。 その図3と異なる箇所での車両用バンパの構造を示す図であり、(a)はその畝形状部の形状を示す一部拡大断面図、(b)はリブ形状を一体形成したときの課題を示す一部拡大断面図である。 本発明に係る車両用バンパの第2実施形態を示す図であり、その車両用バンパの構造を示す後部側から見たときの一部切り欠き背面図である。 本発明に係る車両用バンパの第3実施形態を示す図であり、その車両用バンパの構造を示す後部側から見たときの一部切り欠き背面図である。 本発明に係る車両用バンパの第4実施形態を示す図であり、その車両用バンパの構造を示す後部側から見たときの一部切り欠き背面図である。 その第1の他の態様を示す図であり、(a)と(b)は異なる形状を示す一部拡大断面図である。 その第2の他の態様を示す図であり、その図4(a)と異なる畝形状部の形状を示す一部拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る車両用バンパの第1実施形態を示す図である。
図1において、車両用バンパ10は、乗用車(車両)のフレーム100の前部に取り付け可能な構造に樹脂材料を一体成形することによりバンパ本体が作製されており、緩衝構造部材として機能するとともに、外観の意匠的な美観を得るために、フレーム100が支持する左右一対のヘッドライト101間の下側に延在する大型タイプに形成されている。
この前部の車両用バンパ(以下、単に前部バンパともいう)10は、上側中央に一体成形されている上取付部11を、そのヘッドライト101間に嵌め込むフロントグリル102の内側に位置させてネジ止め等することによりそのフロントグリル102と一緒にフレーム100に組み付けるようになっている。また、前部バンパ10は、空気の流れを妨げないように開口部12が下部に形成されており、この開口部12には、ナンバープレートの取付部13aを備えて空気の流入を制限することのない格子状の下部バンパ13が嵌め込まれている。なお、この前部バンパ10、フロントグリル102および下部バンパ13などは、特に説明しないが、ネジ止めだけでなく、クリップ構造やフック構造により適宜フレーム100に取り付けて固定するようになっている。図1に全ての組み付け部品を図示しているわけではないことは言うまでもない。
ここで、前部バンパ10は、緩衝構造部材として、車両が万一衝突する場合でも車両本体側のフレーム100と協働して衝撃を緩和するようになっており、この種の車両用バンパは、前部だけでなく、後部にも取り付けるのが一般的である。この車両用バンパは、衝突時には衝撃を緩和するだけで十分であり、形状を維持する必要はない。このことから、この種の車両用バンパでは、燃費向上のための軽量化や、コスト削減を達成するために成形樹脂の使用量を低減する工夫がなされている。
特に、後部の車両用バンパは、前進時に比べて、後進時の走行速度は低速であることから、走行時に受ける風圧もそれほど大きくなく、全体を肉薄に形成してもその風圧により変形してしまうことはない。よって、この後部バンパは、車両に取り付けた状態でバンパ形状を維持するのに必要な強度を有していればよく、バンパ形状を維持する強度を備える(発現する)ように、周縁部をリブ形状として機能するように内側に屈曲させるとともに、フレーム100などの他の部材との連結強度が必要な取付部を肉厚にするなど一部を必要な剛性を有する領域に形成すればよい。言い換えると、後部バンパは、その一部の剛性領域の間を面で繋げるように延在する延在領域は肉薄に形成して、効果的に樹脂材料の使用量を低減して軽量化やコスト削減に寄与することができる。
その一方で、前部バンパ10は、前進方向には高速走行する場合もあって、その時に受ける風圧は大きく、後部と同様に剛性領域以外の延在領域のすべてを肉薄に形成すると、その高速走行時の風圧により大きく変形してしまい意匠的外観を損なってしまう。よって、前部バンパ10は、車両に取り付けた状態でバンパ形状を維持するのに必要な強度を有するとともに、高速走行時の風圧を受けても変形しないように、剛性領域以外の延在領域にも必要な強度を持たせつつ、樹脂材料の使用量を低減して軽量化やコスト削減の達成に寄与する必要がある。なお、ここでは、特に説明することは割愛するが、それほどの剛性を必要とすることのない後部の車両用バンパにおいても、風圧により大きく変形しないようにしてもよいことは言うまでもない。また、例えば、手で押したときの剛性感(質感)を薄肉化しつつ確保することも好感触を得るためには必要な場合もある。このことから、後述する前部バンパ10の薄肉化を後部の車両用バンパに適した形態で適用してもよいことは言うまでもない。
そして、前部バンパ10は、水平方向の断面形状としては、ヘッドライト101間の下側がほぼ平面状に形成されて延在する大面積の平面部21を有している。この前部バンパ10は、その平面部21のヘッドライト101付近の側方外側には、湾曲する湾曲部24が連続形成されており、この湾曲部24よりも側方外側には、フレーム100(車両)の側面側とほぼ平行な形状になる側面部29が連続形成されている。また、前部バンパ10は、上下方向の断面形状としては、ヘッドライト101やフロントグリル102に隣接して鉛直方向下方にその平面部21が延在しており、その上辺側と下辺側は内側に屈曲する形状に形成されて、特に、下側の下辺部25は湾曲部24よりも小さな曲率の湾曲形状に形成されている。
要するに、前部バンパ10は、図2に示すように、ヘッドライト101の下側の第1平面部21aに隣接する第1上辺部22aが一体成形されているとともに、フロントグリル102の下側の第2平面部21bに隣接する第2上辺部22bが一体形成されている。この第1、第2上辺部22a、22bは、平面部21から図面の表面側に向かって立ち上がってリブ形状と同等に機能することにより高速走行時の風圧などでも形状維持する所望の剛性強度を有している。
同様に、前部バンパ10の開口部12(下部バンパ13)の周囲は、第1、第2平面部21a、21bに隣接する周辺部23が一体形成されている。この周辺部23は、平面部21から図面の表面側に向かって立ち上がってリブ形状と同等に機能することにより所望の剛性強度を有している。
また、この前部バンパ10は、ヘッドライト101付近下方の外側に位置する湾曲部24が側方に向かうほど湾曲して第1平面部21aから図面の表面側に立ち上がるリブ形状と同等に機能することにより所望の剛性強度を有しており、また、同様に、開口部12の下側の下辺部25側でも第1平面部21aや開口部12に連続する面から屈曲して図面の表面側に立ち上がるリブ形状と同等に機能して所望の剛性強度を有している。なお、図2中には、その湾曲部24や下辺部25における屈曲・湾曲箇所の中心付近に一転鎖線を付している。
すなわち、前部バンパ10は、第1、第2上辺部22a、22b、および周辺部23が大面積の平面部21に対して屈曲して、湾曲部24および下辺部25が大面積の平面部21に対して湾曲することにより、所望の剛性強度を有する剛性領域としての剛性形状部を構成しており、これらを備えることにより、ヘッドライト101やフロントグリル102と共に、安定した形状を維持しつつフレーム100に組み付けることができ、開口部12内に下部バンパ13を組み付けることができ、高速走行時にも変形することを制限している。そして、これらに囲まれて繋げるように延在する平面部21が延在領域を構成している。
この前部バンパ10は、第1上辺部22a、周辺部23、下辺部25および湾曲部24(剛性領域)の間に延在する平面部21(延在領域)の全体的なベース板厚tとしては、後部バンパと同様に、フレーム100(車両)に取り付けた状態でバンパ形状を維持するのに必要な強度を備える程度の肉薄領域にして、成形樹脂材料の使用量を効果的に低減して軽量化やコスト削減に寄与するように設定されている。また、この前部バンパ10は、その平面部21でも高速走行時の風圧を受けることから、その平面部21に畝形状部31〜33を一体成形することにより、その風圧などでも形状維持することのできる所望の剛性強度を備えさせている。
詳細には、図3に示すように、畝形状部31は、第1平面部21aの上下に位置する第1上辺部22aと下辺部25のそれぞれから連続して上下方向に延在する帯状(第1平面部21aと平行な面方向に幅広の帯形状)に形成されている。また、畝形状部32は、その第1平面部21aの左右に位置する周辺部23と湾曲部24のそれぞれから連続して左右方向に延在する帯状に形成されている。この畝形状部31、32は、第1平面部21aの中央付近で十字形状に交差しており、その交差箇所で一体成形されている。
そして、畝形状部31、32は、高速走行時の風圧などでも形状維持する所望の剛性強度を発現する板厚Tに設定されており、上下方向や左右方向を湾曲面とする形状に変形されることを制限するように形成されている。また、畝形状部31、32は、第1平面部21a内で延在方向を交差させる十字形状に一体成形されることにより、自身が上下方向や左右方向に湾曲する湾曲面に変形されることを制限している。
この畝形状部31、32は、剛性領域を構成する第1上辺部22a、周辺部23、下辺部25および湾曲部24と共に、第1平面部21a内の隣接する残ベース部34を支持しており、その残ベース部34が同様に風圧などにより湾曲面に変形しようとするのを制限するようになっている。また、畝形状部31、32は、第1上辺部22a、周辺部23、下辺部25および湾曲部24と間の残ベース部34の全体が風圧などにより変形する領域にならないように、言い換えると、第1平面部21a内の残ベース部34の全体を支持可能な範囲に幅W(図4を参照)の帯状に形成されて延在している。
同様に、畝形状部33は、第2平面部21bの上下に位置する第2上辺部22bと周辺部23のそれぞれから連続して上下方向に延在する帯状に形成されており、畝形状部33は、高速走行時の風圧などでも形状維持する所望の剛性強度を発現する板厚Tに設定されて上下方向を湾曲面とする形状に変形されることを制限するように形成されている。ここで、この畝形状部33は、第2上辺部22bと周辺部23の間の上下方向の間隔が第1平面部21aよりも狭く、その第2上辺部22bと周辺部23が左右方向に湾曲する湾曲面に変形されることを制限していることから、交差形状に形成する必要はない。
また、この畝形状部33は、第2平面部21bが左右方向に延長されている平面形状に形成されていることから、第2平面部21b内で隣接する残ベース部34が風圧などにより変形するのを効果的に制限するように(風圧などにより変形する領域を残存させない)、その第2平面部21b内の範囲で必要な間隔で延在する複数本の幅Wの帯状に形成されている。
すなわち、この畝形状部31〜33が延在領域内の肉厚領域を構成して、第1、第2平面部21a、21bの畝形状部31〜33以外の残ベース部34がその畝形状部31〜33により分割される延在領域内の肉薄領域を構成している。なお、第1、第2平面部21a、21b以外の周辺部23と下辺部25の間は、その間隔が狭いことから畝形状などを形成することなく、周辺部23と下辺部25の形状による剛性強度で風圧などにより変形することはない。また、この部分はユーザが手を触れにくいため、バンパ上部や側部に比べて同等の面剛性は必要ではない。
これにより、前部バンパ10は、第1上辺部22a、周辺部23、下辺部25および湾曲部24と共に畝形状部31〜33が風圧などにより変形することのない車両用に必要な強度を確保するとともに、これらの間に延在する大面積の残ベース部34の板厚tを薄くすることができる。特に、畝形状部31、32は、延在方向を交差させることにより効果的に大面積の残ベース部34の剛性を高めることができ、第1、第2平面部21a、21b内の肉薄領域の残ベース部34の面積を拡大することができる。例えば、畝形状部31〜33は板厚T=2.4mmの厚さに形成するのに対して、残ベース部34は板厚t=1.5mmの厚さに形成することができ、0.625倍の厚さの成形樹脂量に低減することができた。
また、この畝形状部31〜33は、図4(a)に示すように、第1、第2平面部21a、21bの平行方向に幅広の帯状に形成されているのに加えて、その第1、第2平面部21a、21bと平行な平面を有して均一な板厚Tで延在する均厚部36が形成されているとともに、この均厚部36の両側には、離隔するほど厚さを徐々に減じる減厚部37が隣接して板厚tの残ベース部34に向かって階段状の段差なく滑らかに連続する畝形状に形成されている。この畝形状部31〜33は、均厚部36と減厚部37が一体形成されて全体により所望の剛性を発現するように設定されており、それぞれ幅W1の均厚部36と両側の幅W2の減厚部37の全体で幅Wに形成されている。
ところで、図4(b)に示すように、前部バンパ10の平面部21の背面側にリブ形状部101を樹脂材料により一体成形すると、その樹脂材料の固化時間が部位に応じて異なることから、局所的に溶融体積が大きくなる部分、例えば、そのリブ形状部101の背面側(前部バンパ10の表面側)の固化が遅れて凹状になる、所謂、ヒケ101hが発生するときがある。
これに対して、畝形状部31〜33は、第1、第2平面部21a、21bと平行方向に幅広となる帯状に形成されているので、リブ形状部101のように局所的に溶融体積を大きくしてしまう箇所の形成を回避することができ、しかも、その幅方向に薄めの板厚Tで延在するだけであることから、残ベース部34よりも固化時間が若干遅れる範囲を大きな面積(体積)にして滑らかに連続する表面の成形品とすることができる。
さらに、畝形状部31〜33は、残ベース部34(板厚t)と厚さの異なる均厚部36(板厚T)の間には板厚を徐々に変化させて滑らかに連続させる減厚部37が両側に隣接しているので、均厚部36だけでも残ベース部34との間の板厚t、Tに大きな差はないことから固化時間もほぼ同じであるのに加えて、さらに、その残ベース部34との間に固化時間が異なる境界領域を明確に形成してしまうことがなく、より信頼性高く滑らかに連続する表面の成形品とすることができる。
このように本実施形態においては、第1上辺部22a、周辺部23、下辺部25および湾曲部24(剛性領域)の間の第1、第2平面部21a、21b(延在領域)内に、ヒケを発生させることのない帯状の畝形状部31〜33(肉厚領域)を適宜交差させるなどして一体成形するだけで、隣接する第1、第2平面部21a、21b内の残ベース部34(肉薄領域)が風圧などにより変形するのを制限することができ、その残ベース部34を大面積にして効果的に前部バンパ10の軽量化を図ることができる。
次に、図5は本発明に係る車両用バンパの第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、上述第1実施形態と略同様に構成されていることから同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
図5において、前部バンパ10は、上述第1実施形態における畝形状部31〜33に代えて、同様に均厚部36と減厚部37とからなる畝形状部41〜43を平面部21に一体形成することにより、成形樹脂材料の使用量を効果的に低減して軽量化やコスト削減に寄与するとともに、風圧などでも変形することのない所望の剛性強度を備えさせている。
畝形状部41は、第1平面部21aの上側と側方に位置する第1上辺部22aと湾曲部24のそれぞれから直交する方向に連続延長させて交差位置で直角に屈曲する帯状に延在形成されている。畝形状部42は、同様に、第1平面部21aの下側と側方に位置する下辺部25と周辺部23のそれぞれから直交する方向に連続延長させて交差位置で直角に屈曲する帯状に延在形成されている。この畝形状部41、42は、互いに交差するように、第1上辺部22aと下辺部25からの連続延長箇所を左右方向にずらすとともに、湾曲部24と周辺部23からの連続延長箇所を上下方向にずらしており、それぞれ第1平面部21aの中央付近の2箇所で十字形状に交差する形状で一体成形されている。
これにより、畝形状部41、42でも、上述第1実施形態の畝形状部31、32と同様に、高速走行時の風圧などでも形状維持する所望の剛性強度を備えるように板厚Tに設定されており、上下方向や左右方向を湾曲面とする形状に変形されることを制限する。また、畝形状部41、42は、第1平面部21a内の2箇所で十字形状に交差して延在することにより上下方向や左右方向に湾曲する湾曲面に変形されることを上述第1実施形態よりもより効果的に制限する。
ここで、畝形状部41、42は、全体を同一幅Wに形成してもよいが、交差箇所の間の範囲41a、42aでは4角形に形成されて十分な剛性強度を確保することができることから均厚部36の幅W1を狭く形成しており、同一幅で形成する場合よりも成形樹脂材料の使用量を低減している。なお、減厚部37は、板厚Tの均厚部36から板厚tの残ベース部34に連続させるため同一幅W2で形成しており、その畝形状部41、42の交差箇所範囲41a、42aに囲まれた領域を窪ませている。
畝形状部43は、上述第1実施形態における畝形状部33と同様に、第2平面部21bの上下に位置する第2上辺部22bと周辺部23のそれぞれから連続して上下方向に延在する帯状に形成されており、この畝形状部43は、第2上辺部22bと周辺部23に対して傾斜する方向に連続させて(斜行させて)左右方向に湾曲することの制限にも寄与するようになっている。
これにより、前部バンパ10は、上述第1実施形態と同様に、第1上辺部22a、周辺部23、下辺部25および湾曲部24と共に畝形状部41〜43が風圧などにより変形することのない車両用に必要な強度を確保するとともに、これらの間に延在する大面積の残ベース部34の板厚tを薄くすることも可能にしている。
このように本実施形態においても、上述第1実施形態と同様の作用効果を得て、第1、第2平面部21a、21b内の残ベース部34が風圧などにより変形するのを制限することができ、その残ベース部34を大面積にして効果的に前部バンパ10の軽量化を図ることができる。
次に、図6は本発明に係る車両用バンパの第3実施形態を示す図である。
図6において、前部バンパ10は、上述第1実施形態における畝形状部31、32に代えて、同様に均厚部36と減厚部37とからなる畝形状部51を第1平面部21aに一体形成することにより、成形樹脂材料の使用量を効果的に低減して軽量化やコスト削減に寄与するとともに、風圧などでも変形することのない所望の剛性強度を備えさせている。
畝形状部51は、第1平面部21aの上下に位置する第1上辺部22aと下辺部25のそれぞれから傾斜する方向に連続させるとともに、その途中の2箇所(1か所でも3か所以上でもよい)で略直角に屈曲する形状に形成されて延在されている。この畝形状部51は、上述実施形態のように複数本を交差させることにより第1平面部21aの全面の剛性強度を向上させるのに代えて、1本でもその第1平面部21aの左右方向にも延在させて第1平面部21aの全面の剛性強度を向上させるようになっている。なお、ここでは、畝形状部51を1本のみ形成する場合を説明するが、複数本形成してもよいことは言うまでもない(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
これにより、畝形状部51でも、上述実施形態の畝形状部31、32と同様に、高速走行時の風圧などでも形状維持する所望の剛性強度を発現する板厚Tに設定されて上下方向や左右方向を湾曲面とする形状に変形されることを制限することができる。
このように本実施形態においても、上述実施形態と同様の作用効果を得て、第1、第2平面部21a、21b内の残ベース部34が風圧などにより変形するのを制限することができ、その残ベース部34を大面積にして効果的に前部バンパ10の軽量化を図ることができる。
次に、図7は本発明に係る車両用バンパの第4実施形態を示す図である。
図7において、前部バンパ10は、上述第3実施形態における畝形状部51に代えて、同様に均厚部36と減厚部37とからなる畝形状部61を第1平面部21aに一体形成することにより、成形樹脂材料の使用量を効果的に低減して軽量化やコスト削減に寄与するとともに、風圧などでも変形することのない所望の剛性強度を備えさせている。
畝形状部61は、第1平面部21aの上下に位置する第1上辺部22aと下辺部25のそれぞれから連続させるとともに、その途中の3箇所(1か所でも2か所でも4か所以上でもよい)で小さな曲率半径で屈曲する形状に形成されて延在されている。この畝形状部61は、上述3実施形態と同様に、第1平面部21aの左右方向にも延在して第1平面部21aの全面の剛性強度を向上させるようになっている。
これにより、畝形状部61でも、上述実施形態の畝形状部31、32と同様に、高速走行時の風圧などでも形状維持する所望の剛性強度を発現する板厚Tに設定されて上下方向や左右方向を湾曲面とする形状に変形されることを制限することができる。
このように本実施形態においても、上述実施形態と同様の作用効果を得て、第1、第2平面部21a、21b内の残ベース部34が風圧などにより変形するのを制限することができ、その残ベース部34を大面積にして効果的に前部バンパ10の軽量化を図ることができる。
ここで、上述実施形態の第1の他の態様としては、畝形状部31〜33(41〜43、51、61も同様)の湾曲部24や下辺部25に連続する形状が、図3(b)に示す上述実施形態のように、板厚Tのまま湾曲形状に倣うように延在する形状である必要はなく、例えば、図8(a)に示すように、湾曲形状に倣うに従って徐々に厚さを薄くしてもよく、また、図8(b)に示すように、湾曲形状に倣うことなく残ベース部34と平行に延長させて連続するように形成しても、その湾曲部24や下辺部25と協働して湾曲することを制限することができる。
また、第2の他の態様としては、畝形状部31〜33(41〜43、51、61も同様)の均厚部36と減厚部37の境界が、図4(a)に示す上述実施形態のように、それぞれの表面を平面状のままにして階段状の段差なく連続する形状になるよりも、図9に示すように、その境界領域37a、37bの断面形状の表面を凸状と凹状の湾曲形状にして滑らかに連続するようにして、よりヒケが発生しないようにしてもよい。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
10 車両用バンパ
12 開口部
13 下部バンパ
21、21a、21b 平面部
22a、22b 上辺部
23 周辺部
24 湾曲部
25 下辺部
28 肉厚部
29 側面部
31〜33、41〜43、51、61 畝形状部
34 残ベース部
36 均厚部
37 減厚部
100 フレーム
T、t 板厚

Claims (2)

  1. 平面状に延在する延在領域と、前記延在領域の縁に形成されて該延在領域の平面方向に対して湾曲または屈曲する剛性形状部と、を有するバンパ本体を備え、
    前記延在領域に、当該延在領域の平面方向に幅広となる帯状に形成されて前記剛性形状部の間を繋げるように延在する畝形状部が設けられており、
    前記畝形状部は、厚さが均一な均厚部と、前記均厚部から徐々に厚さが変化して前記延在領域に滑らかに連続する減厚部と、を有することを特徴とする車両用バンパ。
  2. 前記畝形状部は、屈曲する1本以上の帯状に、あるいは、交差する複数本の帯状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパ。
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