JP6299902B2 - 車体のフロアパネル構造 - Google Patents

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本発明は、車体のフロアパネル構造に関する。
従来、車体のフロアパネル構造としては、例えば国際公開2013/057892号パンフレットに記載されるように、リヤフロアパネルの前後方向の両端又は左右方向の両端をリヤフロアパネルの中央に向けて下方に傾斜するように形成した構造が知られている。この構造によれば、リヤフロアパネルの剛性を向上させるとともに振動特性を制御することができる。
国際公開2013/057892号パンフレット 特開平10−297543号公報 特開2000−291443号公報
しかし、上記フロアパネル構造では、リヤフロアパネルの両端を傾斜させる角度に応じてリヤフロアパネルの大きさを変更する必要があるので、車体設計の自由度が制限される場合がある。
そこで、本発明は、車体設計の自由度を向上させながら剛性の向上及び振動特性の制御を可能にする、車体のフロアパネル構造を提供しようとするものである。
本発明に係るフロアパネル構造は、車体に設けられ、スペアタイヤ用の格納部を有するリヤフロアパネル、及び、センタフロアパネルを備えるフロアパネルと、車体の左右方向に延びてフロアパネルの前側に設置され、前フランジ及び後フランジを有するハット状断面とされた下向きに開口した上側部材と、前フランジ及び後フランジを有するハット状断面とされた上向きに開口した下側部材とを有し、フロアパネルに結合される第1の骨格部材と、車体の左右方向に延びてフロアパネルの後側に設置され、フロアパネルに結合される第2の骨格部材と、車体の前後方向を長手方向として車体の左右方向中央付近でフロアパネルに形成され、第1の骨格部材の設置領域へ延び、上側部材の後フランジ及び下側部材の後フランジに接合されているとともに、前端が、車体の上下方向で、第1の骨格部材の上側部材と下側部材との間に位置する凹部と、備える。
このような構成によれば、車体の前後方向を長手方向として車体の左右方向中央付近でフロアパネルに凹部が形成されるとともに、この凹部が第1の骨格部材の設置領域へ延びている。これにより、剛性の高い凹部がフロアパネルの骨格部として機能するとともに、フロアパネルの前側が固定端に近い状態で第1の骨格部材により支持されるので、フロアパネル全体の剛性を向上させることができる。また、一端が固定され他端がピン支持された梁構造とみなしてフロアパネルの振動特性を制御することができる。したがって、このようなフロアパネル構造では、車体設計の自由度を向上させながら剛性の向上及び振動特性の制御を可能にすることができる。
本発明によれば、車体設計の自由度を向上させながら剛性の向上及び振動特性の制御を可能にする、車体のフロアパネル構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係るフロアパネル構造を示す斜視図である。 図1に示すII−II線沿いの断面図である。 図1に示すIII−III線沿いの断面図である。 図1に示す領域IVの拡大斜視図である。 図4に示すV−V線沿いの断面図である。 本実施形態に係るフロアパネル構造を概念的に示す図である。 本実施形態に係るフロアパネル構造を概念的に示す図である。 本実施形態に係るフロアパネル構造の振動モードを示す図である。 本実施形態に係るフロアパネル構造の変形抑制効果を示す図である。 本実施形態に係るフロアパネル構造の剛性向上効果を示す図である。 本実施形態に係るフロアパネル構造の騒音低減効果を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態に係る車体のフロアパネル構造について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1から図5を参照して本発明の実施形態に係る車体のフロアパネル構造について説明する。以下では、本発明の実施形態に係るフロアパネル構造として、車体の後部に設けられる(リヤ)フロアパネル構造について説明する。フロアパネル構造の前(Fr)後(Rr)方向、上(Up)下(D)方向、及び左(L)右(R)方向は、車体の前後方向、上下方向、及び左右方向とそれぞれ一致する。
図1は、本発明の実施形態に係るフロアパネル構造を示す斜視図である。図2は、フロアパネル構造の前後方向沿い(図1に示すII−II線沿い)の断面図である。図3は、フロアパネル構造の左右方向沿い(図1に示すIII−III線沿い)の断面図である。図4は、フロアパネル構造の左右方向中央の前側領域(図1に示す領域IV)の拡大斜視図である。図5は、フロアパネル構造の左右方向中央の前側領域の左右方向沿い(図4に示すV−V線沿い)の断面図である。
図1に示すように、フロアパネル構造は、車体に設けられ、スペアタイヤ用の格納部を有するリヤフロアパネルとしてのリヤフロアパネル10を有している。リヤフロアパネル10の中央には、図示されていないスペアタイヤを格納するための格納部11が形成されている。
格納部11は、リヤフロアパネル10を下方に凹ませて形成されている。格納部11は、例えば、その上端には、上面視矩形状の開口が設けられ、その下端には、部分的にスペアタイヤの形状に即して上面視湾曲状に形成された底面が設けられている。格納部11の底面の左右領域には、格納部11の前後方向及び左右方向の中央を基準として放射状に延びる複数の窪み部12が形成されている。格納部11の底面は、スペアタイヤが載置される載置面として機能し、その中央にタイヤ固定用のブラケット13が設けられている。
リヤフロアパネル10の前縁には、格納部11の上端と略同一の高さに位置する前縁部14が形成され、リヤフロアパネル10の左右縁には、格納部11の上端と略同一の高さに位置する左縁部15及び右縁部16が形成されている。
リヤフロアパネル10の前側には、車体の左右方向に延びてリヤフロアパネル10の前側に設置され、リヤフロアパネル10に結合される第1の骨格部材としてのリヤクロスメンバ20が設けられている。なお、リヤクロスメンバ20は、リヤクロスメンバ20とリヤフロアパネル10を接続する別部材(不図示)を介在してリヤフロアパネル10の前側に設置されてもよい。
図2に示すように、リヤクロスメンバ20は、下向きに開口した上側部材21と、上向きに開口した下側部材22とを有している。上側部材21は、前フランジ21a及び後フランジ21bを有するハット状断面の部材であり、下側部材22は、前フランジ22a及び後フランジ22bを有する逆ハット状断面の部材である。
リヤクロスメンバ20は、前フランジ21a及び後フランジ21bがリヤフロアパネル10の前縁部14の上面に接合され、前フランジ22a及び後フランジ22bが前縁部14の下面に接合されている。図2中の一点鎖線は、前縁部14の上面及び格納部11の底面を示している。より正確に説明すれば、図2には、前縁部14に形成された後述する右ビード50bの上面に後フランジ21bが接合され、右ビード50bの下面に後フランジ22bが接合されている状況が示されている。前フランジ21a及び後フランジ21bと前フランジ22a及び後フランジ22bは、前縁部14を挟んで向き合っている。上側部材21と下側部材22の間には、車体の左右方向に延びる閉断面23、23が形成されている。なお、リヤフロアパネル10の前縁部14は、車体の前方に向けてリヤクロスメンバ20を超えて延びている。
図1の説明に戻って、リヤフロアパネル10の後側には、車体の左右方向に延びてリヤフロアパネル10の後側に設置され、リヤフロアパネル10に結合される第2の骨格部材としてのリヤエンドパネル30が設けられている。なお、リヤエンドパネル30は、リヤエンドパネル30とリヤフロアパネル10を接続する別部材(不図示)を介在してリヤフロアパネル10の後側に設置されてもよい。
図2に示すように、リヤエンドパネル30は、前側部材31及び後側部材32を有している。前側部材31は、上フランジ31a及び下フランジ31bを有し後方下向きに開口する逆L字状断面の部材であり、後側部材32は、上フランジ32a及び下フランジ32bを有するステップ状断面の部材である。後側部材32は、上下方向に延びる第1壁部と、第1壁部の下端から前方下向きに延びる傾斜部と、床部の前端から下向きに延びる第2壁部とにより構成されている。
リヤエンドパネル30では、上フランジ31aが上フランジ32aに接合され、下フランジ31bが後側部材32の第2壁部の上部に接合されている。また、下フランジ32bがリヤフロアパネル10の後端17に接合されている。前側部材31と後側部材32の間には、車体の左右方向に延びる閉断面33が形成されている。
図1の説明に戻って、リヤフロアパネル10の左側及び右側には、車体の前後方向に延びてリヤフロアパネル10の左側及び右側それぞれに設置される骨格部材としてリヤサイドメンバ40L、40Rが設けられている(図1では、左のリヤサイドメンバ40Lの表記が省略されている。)。なお、リヤサイドメンバ40L、40Rは、リヤサイドメンバ40L、40Rとリヤフロアパネル10を接続する別部材(不図示)を介在してリヤフロアパネル10の左側及び右側それぞれに設置されてもよい。
図3に示すように、リヤサイドメンバ40L、40Rは、それぞれ上側部材41及び下側部材42を有している。上側部材41は、内側フランジ41a及び外側フランジ41bを有するハット状断面の部材であり、下側部材42は、内側フランジ42a及び外側フランジ42bを有する逆ハット状断面の部材である。
右のリヤサイドメンバ40Rは、内側フランジ41aがリヤフロアパネル10の右縁部16の上面に接合され、下側部材42の内側フランジ42aが右縁部16の下面に接合されている。内側フランジ41aと内側フランジ42aは、右縁部16を挟んで向き合っている。また、外側フランジ41bが外側フランジ42bに接合されている。上側部材41と下側部材42の間には、車体の前後方向に延びる閉断面43が形成されている。なお、左のリヤサイドメンバ40Lは、リヤフロアパネル10に対して右のリヤサイドメンバ40Rと左右対称となるように構成されている。
図1から図3に示すように、リヤフロアパネル10には、車体の前後方向を長手方向として形成される凹部としてのビード部50が形成されている。ビード部50は、ブラケット13を挟んで車体の前後方向に互いに平行に延びる左右一対のビード50a、50bにより構成されている。しかし、ビード部50は、1つのビード又は3つ以上のビードにより構成されてもよい。ビード部50は、車体の左右方向の中央付近、特に中央(図1に示す中央線C1を参照)に形成されている。左右一対のビード50a、50bは、車体の左右方向の中央からそれぞれ左右方向にオフセットして形成されている。
左右一対のビード50a、50bは、それぞれリヤフロアパネル10をプレス成形により帯状に窪ませることにより形成されている。以下では、左ビード50aの左端から右ビード50bの右端までの距離をビード部50の幅w、左右一対のビード50a、50bそれぞれの窪みの深さをビード部50の深さdと称する。なお、ビード部50は、格納部11の底面に形成された放射状の窪み12よりも深く形成されている。
図2に示すように、ビード部50は、リヤフロアパネル10の前縁部14から格納部11に亘って連続して形成されている。ここで、格納部11は、側面視で前縁部14とリヤエンドパネル30の間に車体の前後方向に延びる下方に凹んだ格納空間を形成している。そして、ビード部50は、格納部11の底面及び前縁部14では車体の前後方向に延び、格納部11と前縁部14の境界では車体の上下方向に延びている。ビード部50は、リヤフロアパネル10の後端付近、特に後端(後側の端部)17へ延びている。
図2及び図4に示すように、ビード部50は、車体の前方に向けてリヤクロスメンバ20の設置領域へ延びるように形成されている。リヤクロスメンバ20の設置領域とは、リヤクロスメンバ20、つまり上側部材21及び下側部材22が設置される(又は重ねられる)、リヤフロアパネル10の領域を意味する。この場合、ビード部50は、少なくともその前端がリヤクロスメンバ20の上側部材21と下側部材22の間に挟まれている。なお、図4では、リヤクロスメンバ20の一部の表記が省略されている。図5に示すように、ビード部50は、その上面及び下面が車体の左右方向において凹凸面51a、51b(図中、太線の部位)をなしている。
図4に示すように、ビード部50は、リヤクロスメンバ20における車体の前後方向の中央(図4に示す中央線C2を参照)を超えて延びるように形成されてもよい。この場合、前述したように、ビード部50は、その上面がリヤクロスメンバ20の上側部材21の後フランジ21bに接合され、その下面が下側部材22の後フランジ22bに接合されている。
なお、ビード部50は、設置領域に限らず、車体の前方に向けてリヤクロスメンバ20の設置領域を超えて延びるように形成されてもよい。この場合、ビード部50は、その上面がリヤクロスメンバ20の上側部材21の前フランジ21a及び後フランジ21bに接合され、その下面が下側部材22の前フランジ22a及び後フランジ22bに接合されることになる。
図5に示すように、上側部材21の下面又は下側部材22の上面は、前縁部14に形成されたビード部50の凹凸面51a、51bに当接するように形成されていることが好ましい。すなわち、上側部材21の後フランジ21bの下面がビード部50の上側の凹凸面51aに当接し、又は下側部材22の後フランジ22bの上面がビード部50の下側の凹凸面51bに当接していることが好ましい。
なお、本実施形態に係るフロアパネル構造では、リヤフロアパネル10が単一のパネルとして構成される場合について説明したが、リヤフロアパネル10は、図2に示すリヤクロスメンバ20の閉断面23、23で互いに分割される2つのパネルとして構成されてもよい。
つぎに、図6から図11を参照して本発明の実施形態に係るフロアパネル構造の作用効果について説明する。
前述したように、従来技術に係るフロアパネル構造では、リヤフロアパネルの剛性を向上させるとともに振動特性を抑制するために、リヤフロアパネルの前後方向の両端又は左右方向の両端がリヤフロアパネルの中央に向けて下方に傾斜するように形成されている。このようなフロアパネル構造では、リヤフロアパネルの両端を傾斜させる角度に応じてリヤフロアパネルの大きさを変更する必要があるので、車体設計の自由度が制限される。例えば、セダン型車両とハッチバック型車両との間でフロアパネル構造の共用が困難となったり、車長又は車幅が増加したりすることが予想される。
これに対して、本実施形態に係るフロアパネル構造では、リヤフロアパネル10の剛性を向上させるとともに振動特性を抑制するために、リヤフロアパネル10において車体の前後方向を長手方向としてリヤクロスメンバ20の設置領域へ延びるようにビード部50が形成されている。このようなフロアパネル構造では、リヤフロアパネル10の両端を傾斜させる角度に応じてリヤフロアパネル10の大きさを変更する必要がないので、車体設計の自由度を向上させながら、以下で説明するように、剛性の向上及び振動特性の制御を可能にすることができる。
図6及び図7は、本実施形態に係るフロアパネル構造を概念的に示す図であり、図8は、本実施形態に係るフロアパネル構造の振動モードを示す図である。
図6に示すように、比較例に係るフロアパネル構造Aでは、本実施形態に係るフロアパネル構造Bのようなビード部50が形成されていないので、リヤフロアパネル1の面剛性によりリヤフロアパネル1全体の剛性が確保されている。これに対し、本実施形態に係るフロアパネル構造Bでは、車体の前後方向を長手方向としてリヤフロアパネル10にビード部50を形成することで、剛性の高いビード部50がリヤフロアパネル10の骨格部として機能する。これにより、リヤフロアパネル10全体の剛性を向上させることができる。
また、図7に示すように、比較例に係るフロアパネル構造Aでは、リヤフロアパネル1の前側及び後側がピン支持端61、62に近い状態で支持されている。これに対し、本実施形態に係るフロアパネル構造Bでは、ビード部50をリヤクロスメンバ20の設置領域へ延びるように形成することで、リヤフロアパネル10の前側が固定端63(全方向拘束端)に近い状態で支持される。これにより、フロアパネル構造の質量増加を抑制しつつリヤフロアパネル10全体の剛性を向上させることができる。
また、車体の前後方向を長手方向としてリヤフロアパネル10にビード部50を形成することで、図8に示すように、前側が固定端63、後側がピン支持端62の梁構造とみなしてリヤフロアパネル10の振動特性を制御することができる。
ここで、リヤフロアパネル10の振動特性は、1次モードの振動と2次モードの振動との重ね合わせにより表現される。1次モードでは、長さLの梁において固定端63からの距離x=0及びLで振幅が0、x=L/2で振幅が最大となり、2次モードでは、x=0、L/2、及びLで振幅が0、x=L/4で振幅が最大、3L/4で振幅が最小となる。
ビード部50が形成されたフロアパネル構造では、リヤフロアパネル10全体の剛性に及ぼすビード部50の剛性の影響が支配的となるので、ビード部50の幅w及び深さdを調節することで、リヤフロアパネル10の振動特性、例えば共振周波数を制御することができる。これに対し、比較例に係るフロアパネル構造Aでは、フロアパネル構造が平面構造に近く、リヤフロアパネル1の表面形状が複雑であるので、リヤフロアパネル1の振動特性を制御することが困難となる。
図9は、本実施形態に係るフロアパネル構造の変形抑制効果を示す図である。図9には、比較例に係るフロアパネル構造Aと本実施形態に係るフロアパネル構造Bとの間で共振時における車体の前後方向の断面の変形状態が対比して示されている。なお、図9では、車体の上下方向の変形が誇張して示されている。
図9に示すように、比較例に係るフロアパネル構造Aでは、リヤフロアパネル1の前縁部から後端に亘って1次モードの振動による変形が大きくなっている。これに対し、本実施形態に係るフロアパネル構造Bでは、1次モードの振動による変形が著しく低減しており、特に、変形領域がリヤフロアパネル10の格納部11の範囲に限定されている。また、本実施形態に係るフロアパネル構造Bでは、リヤフロアパネル10の格納部11の前半分と後半分の間で2次モードの振動による変形が逆相、すなわち前半分で上向きに変形し、下半分で下向きに変形しており、変形に伴うこもり音の発生を抑制することができる。
図10は、本実施形態に係るフロアパネル構造の剛性向上効果を示す図である。図10には、比較例に係るフロアパネル構造Aと本実施形態に係るフロアパネル構造Bとにおける加振イナータンスが対比して示されている。加振点イナータンス(dB)は、着目点を加振した場合における着目点の加速度を表している。図10に示す結果によれば、本実施形態に係るフロアパネル構造Bでは、比較例に係るフロアパネル構造Aと比べて、ばねライン(加振点イナータンスの立ち上がり後にみられる一定勾配領域)における加振点イナータンスがΔ=15%程度低減していることが分かる。このような剛性向上(制振)効果は、例えば、ばねラインにおける剛性を倍増した場合の効果に匹敵し、約2kgの制振材を追加した場合と同等の効果をもたらす。
図11は、本実施形態に係るフロアパネル構造の騒音低減効果を示す図である。図11には、比較例に係るフロアパネル構造Aと本実施形態に係るフロアパネル構造Bとにおけるリヤフロアパネル1、10からのノイズ発生量が対比して示されている。ノイズ発生量としては、ロードノイズに及ぼす影響が高いサスペンション取付点を加振した場合に発生するノイズの量が表されている。図11に示す結果によれば、ビード部50が形成されたフロアパネル構造では、大半の周波数帯でノイズ発生量が低減していることが分かる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るフロアパネル構造によれば、車体の前後方向を長手方向としてリヤフロアパネル10にビード部50が形成されるとともに、このビード部50がリヤクロスメンバ20の設置領域へ延びている。これにより、リヤフロアパネル10の両端を傾斜させる角度に応じてリヤフロアパネル10の大きさを変更する必要がないので、車体設計の自由度を向上させることができる。また、剛性の高いビード部50がリヤフロアパネル10の骨格部として機能するとともに、リヤフロアパネル10の前側が固定端に近い状態でリヤクロスメンバ20により支持されるので、リヤフロアパネル10全体の剛性を向上させることができる。また、一端が固定され他端がピン支持された梁構造とみなしてリヤフロアパネル10の振動特性を制御することができる。したがって、このようなフロアパネル構造では、車体設計の自由度を向上させながら剛性の向上及び振動特性の制御を可能にすることができる。
リヤクロスメンバ20は、下向きに開口した上側部材21と、上向きに開口した下側部材22とを有してもよく、ビード部50は、上側部材21と下側部材22の間に挟まれていてもよい。これにより、リヤクロスメンバ20の設置領域へ延びるビード部50を容易に形成することができる。
ビード部50は、車体の左右方向の中央に形成されてもよい。これにより、ビード部50をリヤフロアパネル10の骨格部として確実に機能させることができる。
ビード部50は、リヤフロアパネル10の後端17へ延びていてもよい。これにより、ビード部50をリヤフロアパネル10の骨格部として確実に機能させることができる。
ビード部50は、リヤクロスメンバ20における車体の前後方向の中央を超えて延びていてもよい。これにより、リヤフロアパネル10の前側を固定端に近い状態で確実に支持することができる。
ビード部50は、車体の前方に向けてリヤクロスメンバ20の設置領域を超えて延びていてもよい。これにより、リヤフロアパネル10の前側を固定端に近い状態でより確実に支持することができる。
リヤクロスメンバ20の上側部材21の下面又はリヤクロスメンバ20の下側部材22の上面がビード部50の凹凸面51a、51bに当接するように形成されてもよい。これにより、リヤフロアパネル10の前側を固定端に近い状態で確実に支持することができる。
なお、前述した実施形態は、本発明に係る車体のフロアパネル構造の一実施形態を説明したものであり、本発明に係る車体のフロアパネル構造は、本実施形態に記載したものに限定されるものではない。本発明に係る車体のフロアパネル構造は、各請求項に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲で本実施形態に係る車体のフロアパネル構造を変形し、または他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記実施形態に係るフロアパネル構造では、リヤフロアパネル10に形成されたビード部50がリヤクロスメンバ20の設置領域へ延びるように形成される場合について説明した。しかし、本発明に係るフロアパネル構造では、リヤフロアパネル10の前側に接合されるセンタフロアパネルに形成されたビード部がリヤクロスメンバ20の設置領域へ延びるように形成されてもよい。
また、上記実施形態に係るフロアパネル構造では、車体の前後方向を長手方向としてリヤフロアパネル10にリヤクロスメンバ20の設置領域へ延びるようにビード部50が形成される場合について説明した。しかし、本発明に係るフロアパネル構造では、車体の前後方向を長手方向としてフロントフロアパネルにフロントクロスメンバの設置領域へ延びるようにビード部が形成されてもよい。
10…リヤフロアパネル、20…リヤクロスメンバ(第1の骨格部材)、21…上側部材、22…下側部材、30…リヤエンドパネル(第2の骨格部材)、50…ビード部(凹部)、51a、51b…凹凸面。

Claims (5)

  1. 車体に設けられ、スペアタイヤ用の格納部を有するリヤフロアパネル、及び、センタフロアパネルを備えるフロアパネルと、
    前記車体の左右方向に延びて前記フロアパネルの前側に設置され、前フランジ及び後フランジを有するハット状断面とされた下向きに開口した上側部材と、前フランジ及び後フランジを有するハット状断面とされた上向きに開口した下側部材とを有し、前記フロアパネルに結合される第1の骨格部材と、
    前記車体の左右方向に延びて前記フロアパネルの後側に設置され、前記フロアパネルに結合される第2の骨格部材と、
    前記車体の前後方向を長手方向として前記車体の左右方向中央付近で前記フロアパネルに形成され、前記第1の骨格部材の設置領域へ延び、前記上側部材の後フランジ及び前記下側部材の後フランジに接合されているとともに、前端が、前記車体の上下方向で、前記第1の骨格部材の前記上側部材と前記下側部材との間に位置する凹部と、を備える、車体のフロアパネル構造。
  2. 前記リヤフロアパネルは、前記車体の後部に設けられ、
    前記センタフロアパネルは、前記リヤフロアパネルよりも前側に設けられ、
    前記第1の骨格部材は、前記格納部より前側に設置され、
    前記凹部は、前記車体の前後方向を長手方向として、前記格納部から前記第1の骨格部材の設置領域に亘って連続して形成され、
    前記凹部の前端は、前記車体の前後方向で、前記上側部材の前フランジと前記上側部材の後ろフランジとの間、かつ、前記下側部材の前フランジと前記下側部材の後ろフランジとの間に位置する、
    請求項1に記載の車体のフロアパネル構造。
  3. 前記凹部は、前記フロアパネルの後側の端部へ延びている、請求項1または2に記載の車体のフロアパネル構造。
  4. 前記第1の骨格部材の前記上側部材の下面又は前記第1の骨格部材の前記下側部材の上面は、前記凹部の凹凸面に当接するように形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車体のフロアパネル構造。
  5. 前記凹部は、前記上側部材の前記後フランジ及び前記下側部材の前記後フランジに接合されている部分と、前記格納部の底面との間に、前記車体の前記前後方向に対して傾斜した部分を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車体のフロアパネル構造。
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