JP2008020134A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気の温度変化によらず、所望の空気除菌効果を得ることのできる空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置100において、空気の吸込口21および吹出口22を備え、室内熱交換器24を内設する筐体23と、吸込口21から吹出口22に向けて筐体23内に空気を導通させる送風ファン25と、室内熱交換器24から吹出口22に向かう空気導通経路内に配置され、室内熱交換器24により熱交換された後の空気に活性酸素種を含む電解水を接触させて空気の除菌を行う空気除菌手段5と、少なくとも一対の電極71、72を有し、水道水を電気分解することにより、活性酸素種を含む電解水を生成する電解水生成手段7と、空気除菌手段5に供給される空気の温度に応じて、電解水生成手段7により生成される電解水における活性酸素種の濃度を調整する濃度調整手段4とを備えさせる。
【選択図】図5
【解決手段】空気調和装置100において、空気の吸込口21および吹出口22を備え、室内熱交換器24を内設する筐体23と、吸込口21から吹出口22に向けて筐体23内に空気を導通させる送風ファン25と、室内熱交換器24から吹出口22に向かう空気導通経路内に配置され、室内熱交換器24により熱交換された後の空気に活性酸素種を含む電解水を接触させて空気の除菌を行う空気除菌手段5と、少なくとも一対の電極71、72を有し、水道水を電気分解することにより、活性酸素種を含む電解水を生成する電解水生成手段7と、空気除菌手段5に供給される空気の温度に応じて、電解水生成手段7により生成される電解水における活性酸素種の濃度を調整する濃度調整手段4とを備えさせる。
【選択図】図5
Description
本発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器および室内熱交換器を順次接続してなる冷媒回路を備え、かつ、電解水により、空中浮遊微生物(細菌、ウィルス、真菌(以下、単に「ウィルス等」という。))の除去が可能な空気調和装置に関する。
従来、次亜塩素酸などの活性酸素種を含む電解水に空気を接触させることにより、空気中に含まれる有害物質を分解・除去等して、空気の浄化(除菌)を行う方法が知られている。
特開2003−250876号公報
しかしながら、電解水中における次亜塩素酸は不安定であり、分解しやすい性質を有している。このため、電解水に接触される空気の温度が高くなると、温度によっては電解水に含まれる次亜塩素酸が塩酸と酸素および塩素酸に分解して、電解水中の次亜塩素酸濃度が低下し、所望の空気除菌効果を得ることができない場合があった。
本発明の課題は、空気の温度変化によらず、所望の空気除菌効果を得ることのできる空気調和装置を提供することにある。
本発明の課題は、空気の温度変化によらず、所望の空気除菌効果を得ることのできる空気調和装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の空気調和装置は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器および室内熱交換器を順次接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、空気の吸込口および吹出口を備え、前記室内熱交換器を内設する筐体と、前記吸込口から前記吹出口に向けて前記筐体内に空気を導通させる送風ファンと、前記室内熱交換器から前記吹出口に向かう空気導通経路内に配置され、前記室内熱交換器により熱交換された後の空気に活性酸素種を含む電解水を接触させて空気の除菌を行う空気除菌手段と、少なくとも一対の電極を有し、水道水を電気分解することにより、前記活性酸素種を含む電解水を生成する電解水生成手段と、前記空気除菌手段に供給される空気の温度に応じて、前記電解水生成手段により生成される前記電解水における前記活性酸素種の濃度を調整する濃度調整手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、濃度調整手段により、空気除菌手段に供給される空気の温度に応じて、空気除菌手段に供給される電解水における活性酸素種の濃度が調整される。このため、電解水中に含まれる活性酸素種の性質に応じて、例えば、次亜塩素酸のように温度が高くなると分解しやすくなる場合には、空気除菌手段に供給される空気の温度が高い程、活性酸素種の濃度の高い電解水を空気除菌手段に供給して、活性酸素種の分解による影響を低減し、所望の空気除菌効果を得ることができる。
特に、本構成では、四方弁を切り換えることにより冷房運転と暖房運転とを切り換え可能に構成しているため、1年を通じて空気除菌手段に供給される空気の温度変化が大きい。このため、濃度調整手段により、温度が高くなると分解しやすい活性酸素種等、空気除菌性能に温度依存性がある活性酸素種を用いる場合は、空気除菌手段に供給される空気の温度が高くなる程、空気除菌手段に供給する電解水中の活性酸素種の濃度が高くなるように調整することで、空気除菌手段に供給される空気の温度によらず所望の空気除菌効果を得ることができる。
特に、本構成では、四方弁を切り換えることにより冷房運転と暖房運転とを切り換え可能に構成しているため、1年を通じて空気除菌手段に供給される空気の温度変化が大きい。このため、濃度調整手段により、温度が高くなると分解しやすい活性酸素種等、空気除菌性能に温度依存性がある活性酸素種を用いる場合は、空気除菌手段に供給される空気の温度が高くなる程、空気除菌手段に供給する電解水中の活性酸素種の濃度が高くなるように調整することで、空気除菌手段に供給される空気の温度によらず所望の空気除菌効果を得ることができる。
また、例えば、冬季と夏季では空気中に浮遊するウィルス等の数や種類が異なる場合、空気除菌手段に供給される空気の温度変化に応じて電解水中の活性酸素種の濃度を調整することにより、季節に応じて所望の空気除菌効果を得ることができる。
また、本構成では、送風ファンにより吸込口から吹出口に向かって空気導通経路が形成され、この空気導通経路において空気除菌手段は室内熱交換器に対して下流側に配置されている。このため、四方弁を切り換えることにより、この空気調和装置を冷房運転させる際には、熱交換器により冷却され、相対湿度が高くなった空気が空気除菌手段に供給され、暖房運転時には、熱交換器により加温され、相対湿度が低くなった空気が空気除菌手段に供給される。したがって、空気除菌手段において除菌効果を有する液体に供給された空気を接触させても、冷房運転時は既に相対湿度の高い空気が供給されているため、空気除菌後の空気の相対湿度の増加を抑えることができ、暖房運転時には相対湿度の低い空気が供給されているため、空気除菌後の空気の相対湿度を増加させることができる。したがって、湿式にて空気の除菌・浄化を行うとともに、空調の負荷を増大させることなく、空気調和時の加湿量を自動的に制御することができ、室内の空気環境を快適に保つことができる。
上記構成の空気調和装置において、前記濃度調整手段は、前記電極間を通過する水道水の流量を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整するように構成してもよい。
また、上記に代えて、前記濃度調整手段を、前記電極間に流す電流の値または前記電極間に印加する電圧の値を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整するように構成してもよい。
さらに、上記に代えて、前記濃度調整手段を、前記電極間に通電する通電時間を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整するように構成してもよい。
また、上記に代えて、前記濃度調整手段を、前記電極間に流す電流の値または前記電極間に印加する電圧の値を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整するように構成してもよい。
さらに、上記に代えて、前記濃度調整手段を、前記電極間に通電する通電時間を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整するように構成してもよい。
また、上記構成の空気調和装置において、前記電解水生成手段を、内部に前記電極が配置され、水道水が導入される電解槽を備える構成とし、前記濃度調整手段を、前記電解槽に導入される水道水の貯留時間を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を調整するように構成してもよい。
また、上記構成の空気調和装置において、前記活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾン、または過酸化水素のうち少なくともいずれかの物質を含むことが好ましい。
また、上記構成の空気調和装置において、前記圧縮機、前記四方弁および前記室外熱交換器を室外ユニットに備え、前記筐体、前記室内熱交換器、送風ファンおよび空気除菌手段を室内ユニットに備えることが好ましい。
本発明によれば、空気除菌手段に供給される空気の温度の変化に応じて、電解水中の活性酸素種の濃度を調整して、空気の温度変化によらず、所望の空気除菌効果を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に本実施の形態における空気調和装置100の概略構成を示す。本実施の形態の空気調和装置100は、室外ユニット1と室内ユニット2とを備えた分離型のヒートポンプ式空気調和装置である。室外ユニット1の室外冷媒配管10と室内ユニット2の室内冷媒配管20とが連結配管30を介して連結され、これら室外ユニット1および室内ユニット2は制御装置4によって運転制御される。
図1に本実施の形態における空気調和装置100の概略構成を示す。本実施の形態の空気調和装置100は、室外ユニット1と室内ユニット2とを備えた分離型のヒートポンプ式空気調和装置である。室外ユニット1の室外冷媒配管10と室内ユニット2の室内冷媒配管20とが連結配管30を介して連結され、これら室外ユニット1および室内ユニット2は制御装置4によって運転制御される。
室外ユニット1は、室外に設置されるもので、図1に示すように、室外冷媒配管10に圧縮機11が配設され、圧縮機11にはその吸込側にアキュムレータ12が接続され、その吐出側には四方弁13と室外熱交換器14と電動膨張弁15とが順に接続されている。また、室外ユニット1には、室外熱交換器14へ向かって送風する室外ファン16が配設されている。
室内ユニット2は、室内に設置されるもので、図1に示すように、空気の吸込口21および吹出口22を備えた筐体23内に室内熱交換器24と、空気の吸込口21から吹出口22に向けて筐体23内に空気を導通させる送風ファン25と、この送風ファン25により形成される筐体23内の空気導通経路内に配置され、室内熱交換器24により熱交換された空気に活性酸素種を含む電解水を接触させて空気の除菌を行う空気除菌部5(空気除菌手段)とを備えている。
上記空気調和装置100では、四方弁13を切り換えることにより冷媒回路100aを流れる冷媒の流れを切り換えて冷房運転と暖房運転を切り換えるよう構成されている。冷房運転時には図中に示す実線矢印の方向に冷媒が流れ、暖房運転時には波線矢印の方向に冷媒が流れる。
次に、図2を参照して、室内ユニット2のより具体的な構成について説明する。
本実施の形態の室内ユニット2は天井吊り下げ型のもので、天井から吊り下げられた吊りボルトに引っ掛けられて室内天井板の下面に設置、固定されている。
本実施の形態の室内ユニット2は天井吊り下げ型のもので、天井から吊り下げられた吊りボルトに引っ掛けられて室内天井板の下面に設置、固定されている。
図2において、吸込口21は室内ユニット2の筐体23の底面に形成され、吹出口22は室内ユニット2の筐体23の前方に形成されている。筐体23内にはこの吸込口21から吹出口22に向けて筐体23内に空気を導通させる送風ファン25が吸込口21の上方に配置され、上述の通りこの空気導通経路に沿って吸込口21側から順に吹出口22に向けて、室内熱交換器24、空気除菌部5が配設されている。室内熱交換器24は、フィンチューブ型の熱交換器であり、図1に示したとおり、室内冷媒配管20に接続されている。なお、図2において冷媒回路100aは図示を省略している。
また、筐体23内には室内熱交換器24および空気除菌部5の下方に、発泡スチロール製のドレンパン61が設置されており。そして、このドレンパン61のドレン溜まり61aには、ドレンポンプ62が配設され、ドレンポンプ62の排水口にはドレン水を室内ユニット2の外に排出するドレンホース63が接続されている。
空気除菌部5は、室内熱交換器24により熱交換が行われた空気に電解水を接触させて、空調後の空気を除菌するために設けられるもので、室内熱交換器24から供給される空気の温度を検出するための温度センサ26が設けられている。また、空気除菌部5には、電解水供給配管51が接続され、電解水供給配管51から電解水が供給される。電解水供給配管51には、上記空気除菌部5へ供給する電解水の流量を調整する流量調整弁52と、水道水から電解水としての活性酸素種を含む電解水を生成する電解ユニット7と、水道水の導電率を検出する導電率計54と、電解ユニット7へ水道水の供給を行う開閉弁55とが順次配設されている。これら温度センサ26、流量調整弁52、電解ユニット7、導電率計54、開閉弁55は、それぞれ制御装置4に接続されている。
空気除菌部5は、図3に示すように、保水性の高い気液接触部材56と、この気液接触部材56の上部に配置される分散皿57と、気液接触部材56の下方に配置される水受け皿58とを備える。気液接触部材56は、例えばアクリル繊維やポリエステル繊維等で作製された不織布で構成することができる。また、気液接触部材56の素材として、電解水に対する反応性の少ない素材が好ましく、他にポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)、セルロース系材料またはセラミックス系材料等を用いることができる。
本実施の形態では、気液接触部材56に対しては親水処理が施されており、電解水に対する親和性が高められている。これにより、気液接触部材56の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、電解水と導入された空気との接触が長時間持続される。
分散皿57は、その側面に電解水供給配管51が接続される接続口57aが形成されるとともに、当該電解水供給配管51を通じて供給された電解水を滴下して、気液接触部材56に分散させるための孔(不図示)が、上記分散皿57の底面に多数形成されている。
また、水受け皿58は、気液接触部材56を下方から保持するとともに、当該気液接触部材56を通過した電解水を貯留可能とする。この水受け皿58の底面には、電解水をドレンパン61(図2)に導くドレン管59が接続されている。
電解ユニット7は、図4に示すように、電解水供給配管51よりも拡径した電解槽70と、この電解槽70に配置される一対の電極71、72とを備え、電極71、72は、通電された場合、電解槽70に流入した水道水を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成させる。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
電極71、72は、例えばベースがTi(チタン)で皮膜層がIr(イリジウム)、Pt(白金)から構成された2枚の電極71、72板を用いることができる。
上記電極71、72により水道水に通電すると、カソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、水に含まれる塩素イオン(水道水に予め添加されているもの)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、さらにこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、水に含まれる塩素イオン(水道水に予め添加されているもの)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、さらにこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
この構成では、電極71、72に通電することにより、殺菌力の大きいHClO(次亜塩素酸)が発生し、この次亜塩素酸を含んだ電解水が供給された気液接触部材56に空気を通過させることにより、当該気液接触部材56を通過する空気中に浮遊するウィルス等を不活化させて、空気を除菌することができるとともに、この気液接触部材56で雑菌が繁殖することを防止することができる。また、臭気も気液接触部材56を通過する際に、電解水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して電解水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
この電極71、72に所定の電流密度の電流(例えば、20mA/cm2等)を通電すると、所定の水量の水道水を電気分解して、所定の濃度の活性酸素種(次亜塩素酸)(例えば、遊離残留塩素濃度1mg/l等)を含む電解水を生成することができる。
流量調整弁52は、その開度を調整することによって、空気除菌部5へ供給される電解水の流量を変更するとともに、電解ユニット7の電極71、72間に流れる水道水の流量を調整するものである。本構成では、制御装置4が空気除菌部5へ供給される空気の温度に応じて、流量調整弁52の開度を調整することにより、電解水中における次亜塩素酸濃度を所定の値(1〜20mg/l)に変更可能となっている。
具体的には、流量調整弁52の開度を閉じる方向に調整すると、電解ユニット7の電極71、72間を流れる水道水の流量が減少する。一方、電極71、72に印加される電圧は、水道水の流量にかかわらず一定であるため、単位体積あたりの水道水に流れる電流量が増える。このため、各電極71、72での電気分解反応が進むことにより、生成される次亜塩素酸濃度を高くすることができる。反対に、流量調整弁52の開度を開く方向に調整すると、電解ユニット7の電極71、72間を流れる水道水の流量が増加し、生成される次亜塩素酸濃度を低くすることができる。
ここで、電解水中の次亜塩素酸は不安定であり、温度が高くなるほど分解されやすい。このため、空気除菌部5に供給される空気の温度変化によらず一定の空気除菌効果を得るためには、空気除菌部5へ供給される空気の温度が高い程、空気除菌部5には次亜塩素酸濃度の高い電解水を供給する必要がある。したがって、本実施の形態では、制御装置(濃度調整手段)4は、空気除菌部5に供給される熱交換後の空気の温度を温度センサ26により検出し、検出した温度に応じて設定された目標濃度となるように、流量調整弁52の開度を調整する構成となっている。すなわち、暖房運転時においては、冷房運転時に比較して高い温度の空気が空気除菌部5に供給されるため、制御装置4は流量調整弁52の開度を閉じる方向に制御することにより、電解ユニット7において生成される電解水中の次亜塩素濃度を高くするように制御する。
一方、空気除菌部5に供給される空気の温度が低い場合、すなわち冷房運転時は、暖房運転時に比較すると電解水中の次亜塩素酸が分解する程度は低減するため、制御装置4は流量調整弁52の開度を開く方向に制御し、電解ユニット7において生成される電解水中の次亜塩素濃度が暖房時に比べて低くなるように制御する。この空気除菌部5へ供給される温度と、次亜塩素酸などの活性酸素種の目標濃度は、対象となるウィルス等を特定した上で予め実験などによりデータ化され、温度毎に目標濃度が対応付けられて制御装置4のROM(不図示)に格納されている。
導電率計54は、電解ユニット7に供給される水道水の導電率を検出するものである。
本実施の形態では、空気除菌部5に供給される空気の温度と、この導電率計54により検出された水道水の導電率とに基づいて、電解水中における次亜塩素酸濃度が当該目標濃度になるように流量調整弁52の開度が調整される。
本実施の形態では、空気除菌部5に供給される空気の温度と、この導電率計54により検出された水道水の導電率とに基づいて、電解水中における次亜塩素酸濃度が当該目標濃度になるように流量調整弁52の開度が調整される。
ここで、水道水の導電率を検出するのは、水道水中の塩素イオン濃度を推定するためである。すなわち、同じ水量の水道水を電解ユニット7に供給し、同じ電流密度の電流を電極71、72間に通電しても、水道水中の塩素イオン濃度によって電解ユニット7において生成される次亜塩素酸の濃度が変動する。一方、水道水中の塩素イオン濃度は、多くの地域では変動しない。そこで、本実施の形態では電解ユニット7の設置前あるいは設置後に予め測定した塩素イオン濃度を基準として設定しておき、導電率計54により導電率を検出して、予め設定された塩素イオン濃度と実際の塩素イオン濃度とのずれを算出し、このずれに基づいて流量調整弁52の開度を調整する構成としているためである。
但し、予め設定された塩素イオン濃度は制御装置4のROMに記憶されており、次亜塩素酸の目標濃度と流量調整弁52の弁開度との関係は予め実験などによりデータ化され、導電率ごとに制御装置4のROMに記憶されている。したがって、制御装置4は、空気除菌部5に供給される空気の温度に基づいて、次亜塩素酸の目標濃度を設定し、この目標濃度を達成すべく、電解ユニット7に供給される水道水の導電率に応じて流量調整弁52の開度を調整するよう構成されている。
次に、本実施の形態の空気調和装置100において制御装置4により実行される活性酸素種の濃度調整動作について、図5を参照して説明する。
ユーザによって、室内リモコン(不図示)等から運転開始指示が入力されると(ステップS1:Y)、制御装置4は運転開始指示により指示された運転モードに応じて、四方弁13を冷房側又は暖房側に切り換えて冷房運転又は暖房運転を行い、設定された目標温度になるように空調運転を行う(ステップS2)。
ユーザによって、室内リモコン(不図示)等から運転開始指示が入力されると(ステップS1:Y)、制御装置4は運転開始指示により指示された運転モードに応じて、四方弁13を冷房側又は暖房側に切り換えて冷房運転又は暖房運転を行い、設定された目標温度になるように空調運転を行う(ステップS2)。
ここで、ステップS2において、冷房運転を行う場合には、制御装置4は四方弁13を冷房側に切り換えることにより、図1に示す実線矢印の様に、冷媒回路100a中に冷媒を流して、室外熱交換器14を凝縮器として機能させ、室内熱交換器24を蒸発器として機能させる。そして送風ファン25を動作させて、室内ユニット2において吸込口21から室内の空気を吸い込ませて室内熱交換器24により熱交換を行い、冷却した空気を空気除菌部5に供給させる。
一方、ステップS2において、暖房運転を行う場合には、制御装置4は四方弁13を暖房側に切り換えることにより、図1に示す波線矢印の様に、冷媒回路100a中に冷媒を流して、室外熱交換器14を蒸発器として機能させ、室内熱交換器24を凝縮器として機能させる。そして、送風ファン25を動作させて、室内ユニット2において吸込口21から室内の空気を吸い込ませて室内熱交換器24により熱交換を行い、加温した空気を空気除菌部5に供給させる。
次に、制御装置4は、温度センサ26により、室内熱交換器24から空気除菌部5に供給される空気の温度が検出されると(ステップS3:Y)、ROM内に予め記憶された対応付けテーブルに基づき、検出された温度に応じた次亜塩素酸の目標濃度を設定する(ステップS4)。次に、電解ユニット7に供給される水道水の導電率を導電率計54により検出させる(ステップS5)。導電率が検出されると(ステップS5:Y)、検出された導電率と、ステップS4において設定された目標濃度に基づき、ROM内に予め記憶された対応付けテーブルに基づき流量調整弁52の開度を調整する(ステップS6)。そして、ステップS6において調整された開度の下、水道水を電解ユニット7に供給して電極71、72間を通過する水道水の流量を調整して水道水の電気分解を行わせ(ステップS7)、設定された目標濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成させる。当該処理を空気調和装置100の運転が終了するまで(ステップS8:Y)の間、繰り返し行わせる。
以上、説明した本実施の形態によれば、例えば、室内の空気にインフルエンザウィルスが侵入した場合、その感染に必須の当該ウィルスの表面タンパク(スパイク)を活性酸素種が破壊、消失(除去)する機能を持ち、これを破壊すると、インフルエンザウィルスと、当該ウィルスが感染するのに必要な受容体(レセプタ)とが結合しなくなり、これによって感染が阻止される。衛生環境研究所との共同による実証試験の結果、インフルエンザウィルスが侵入した空気を本構成の気液接触部材56に通した場合、当該ウィルスを99%以上除去できることが判明した。また、臭気も気液接触部材56を通過する際に、電解水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して電解水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
特に、本構成では、四方弁13を切り換えることにより冷房運転と暖房運転とを切り換え可能に構成しているため、空気除菌部5に供給される熱交換後の空気の温度範囲は7〜45℃程度となり、1年を通じて空気除菌部5に供給される空気の温度変化が大きい。このため、制御装置4により、例えば、次亜塩素酸のように、温度が高くなると分解しやすい活性酸素種の場合は、冷房運転時に空気除菌部5に供給する電解水中の活性酸素種の濃度に対して、暖房運転時に空気除菌部5に供給する電解水中の活性酸素種の濃度を高くすることにより、空気除菌部5に供給される空気の温度によらず所望の空気除菌効果を得ることができる。
また、例えば、冬季と夏季では空気中に浮遊するウィルス等の数や種類が異なる場合、温度変化に応じて電解水中の活性酸素種の濃度を調整することにより、季節に応じて所望の空気除菌効果を得ることができる。具体的には、例えば、春季〜秋期の間は、空気除菌部5において不活化対象とするウィルス等を、例えば、この空気調和装置100の設置場所(例えば、学校)に多く存在するウィルス等(例えば、カビ菌)とし、冬季の間は、冬季に急激に増加するインフルエンザウィルス等を対象として、空気除菌部5に供給される温度毎に活性酸素種の目標濃度を設定することにより、より効果的に空気除菌を行うことができる。
また、本実施の形態では、筐体23の底面に設けられた吸込口21から吸い込んだ室内の空気を、空気除菌部5において気液接触部材56に滴下した電解水に接触させて、筐体23の前方に設けられた吹出口22から吹き出す構成を備えるため、この吊り下げ型の空気調和装置100を例えば幼稚園や小・中・高等学校や、介護保険施設や、病院等のいわゆる大空間に設置した場合であっても、空調し、かつ除菌された室内の空気を、大空間の遠くにとばすことが可能になり、大空間での空調とともに空気除菌を効率よく達成でき、同時に脱臭することができる。
また、本実施の形態の空気調和装置100の様に、送風ファン25により吸込口21から吹出口22に向かって空気導通経路を形成し、この空気導通経路において空気除菌部5は室内熱交換器24に対して下流側に配置することにより次の様な効果が得られる。すなわち、本実施形態の空気調和装置100を冷房運転させる際には、室内熱交換器24により冷却され、相対湿度が高くなった空気が空気除菌部5に供給され、暖房運転時には、室内熱交換器24により加温され、相対湿度が低くなった空気が空気除菌部5に供給される。したがって、空気除菌部5において供給された空気に電解水を接触させても、冷房運転時は既に相対湿度の高い空気が供給されているため、空気除菌後の空気の相対湿度の増加を抑えることができ、暖房運転時には相対湿度の低い空気が供給されているため、空気除菌部5において電解水に接触させることにより、空気除菌後の空気の相対湿度を増加させることができる。したがって、湿式にて空気の除菌・浄化を行うとともに、四方弁13を切り換えて運転を冷房運転と暖房運転とを切り換えるだけで、空調の負荷を増大させることなく、空気調和時の加湿量を自動的に制御することができ、室内の空気環境を快適に保つことができる。
また、冷房運転時においては、空気除菌部5において熱交換後の空気を除菌して、室内に清浄な空気を供給できるとともに、空気除菌部5に供給される空気の相対湿度は高いため電解水の消費を抑えることもできる。
また、従来では、湿度の高い夏季に加湿されると体感温度が高く感じられ、不快指数も高くなることから、湿式による空気除菌は冬季にのみ行われる場合が多かった。しかし、上記実施形態によれば、夏季においても加湿することなく空気除菌を行うことができ、夏季も空調され、かつ、清浄な空気を室内に供給することができる。また、夏季においても空気調和装置100の運転を行うことができるため、空気除菌部5の気液接触部材56に活性酸素種が常に供給され、当該気液接触部材56および空気除菌部5内における雑菌の繁殖を防止することが出来る。
また、本実施形態によれば、次亜塩素酸を含んだ電解水は、空気除菌部5の下方からドレンパン61に排出される。このため、ドレンパン61に溜まったドレン水に電解水が混入することにより、当該ドレン水に雑菌が発生することが防止され、ドレンパン61上にスライムの発生することが防止される。このため、ドレンパン61の清掃およびメンテナンスの頻度が減少し、これら清掃およびメンテナンスの労力の軽減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、空気除菌部5は、室内ユニット2の吹出口22側に設けているため、この空気除菌部5から吹き出される空気に含まれる次亜塩素酸は、直接室内熱交換器24導入されることがない。このため、次亜塩素酸によって室内熱交換器24が腐食することを防止できる。
但し、上記実施の形態において、電解水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整するために、流量調整弁52の開度を水道水の導電率に応じて調整する構成としているが、例えば、水道水の導電率変化が少ない場合には、設置時に導電率を計測し、この導電率および次亜塩素酸の目標濃度に対応する弁開度に予め設定する構成としても良い。また、本構成では、水道水の導電率を検出は、水道水の電気分解を開始する際に行ってもよいが、水道水の導電率は、一日の中で大きく変動するものではないため、毎回検出を行うのではなく、数回に一度行う構成としても良い。
また、上記実施の形態において、制御装置4は、空気除菌部5に供給される空気の温度に基づいて、次亜塩素酸の目標濃度を設定し、この目標濃度を達成すべく、電解ユニット7に供給される水道水の導電率に応じて流量調整弁52の開度を調整する構成としたが、例えば、所定の導電率を基準として、空気除菌部5に供給される空気の温度と、各温度毎に必要な次亜塩素酸濃度を達成するために必要な流量調整弁52の弁開度とを対応付けて制御装置4のROMに記憶しておき、制御装置4は検出された温度に応じて流量調整弁52の弁開度を調整するとともに、電解ユニット7に供給される水道水の導電率が基準値と異なる場合に、そのずれ量に基づいて流量調整弁52の弁開度を補正する構成としてもよい。基本的には、制御装置4は、空気除菌部5に供給される空気の温度が高い場合には、流量調整弁52の開度を閉じる方向に制御し、空気除菌部5に供給される空気の温度が低い場合には、流量調整弁52の開度を開く方向に制御することにより、空気除菌部5に供給される空気の温度によらず、次亜塩素酸等の活性酸素種の濃度を調整して、常に所望の空気除菌効果を発揮できる構成であればよい。
次に、上記実施の形態の空気調和装置100の変形例1〜3を説明する。上記実施の形態では、空気除菌部5に供給される空気の温度に応じて、流量調整弁52の開度を調整することにより、空気除菌部5に供給する電解水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成としていたが、変形例1〜3は他の方法により空気除菌部5に供給する電解水中の次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整するようにしている。まず、変形例1について説明する。
(変形例1)
変形例1として、空気除菌部5に供給される空気の温度に応じて、電極71、72間を流れる電流、またはこれら電極71、72間に印加される電圧を変更することによって、電解水中における次亜塩素酸の濃度を上記所定の濃度に調整する構成が挙げられる。
変形例1として、空気除菌部5に供給される空気の温度に応じて、電極71、72間を流れる電流、またはこれら電極71、72間に印加される電圧を変更することによって、電解水中における次亜塩素酸の濃度を上記所定の濃度に調整する構成が挙げられる。
このように構成することで、電解水供給配管51に流量調整弁52を配置しない場合であっても、例えば、電極71、72間に流れる電流を増加(例えば、電流密度で40mA/cm2)させることにより、電解水中における次亜塩素酸の濃度を高い濃度に変更することができる。この場合、既存の電極71、72を用いるだけで、電解水中における次亜塩素酸の濃度を変更することができるため、部品点数が抑えられ、低コスト化および省スペースかを図ることができる。また、この構成を上記実施形態に係る構成に組み合わせても良い。これによれば、より濃度の高い次亜塩素酸を含んだ電解水を生成することができる。
(変形例2)
変形例2として、電極71、72への通電時間を変更することによって、電解水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成が挙げられる。
変形例2として、電極71、72への通電時間を変更することによって、電解水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成が挙げられる。
この構成によれば、電極71、72に流れる電流または電圧を変更するよりも簡単な構成で、電解水中における次亜塩素酸の濃度を変更することができる。また、この構成を上記実施形態に組み合わせることにより、電極71、72への通電時間を削減することができ、従来よりも電極71、72の長寿命化を図ることができる。
(変形例3)
変形例3として、図3に示す電解ユニット7の代わりに、図6に示す電解槽80を有する電解ユニット8等を空気調和装置100に備える構成とし、電解槽80に貯留する水道水の貯留時間を変更することにより電解水中の次亜塩素酸の濃度を、空気除菌部5に供給される空気の温度に応じた目標濃度となるように調整する構成が挙げられる。
変形例3として、図3に示す電解ユニット7の代わりに、図6に示す電解槽80を有する電解ユニット8等を空気調和装置100に備える構成とし、電解槽80に貯留する水道水の貯留時間を変更することにより電解水中の次亜塩素酸の濃度を、空気除菌部5に供給される空気の温度に応じた目標濃度となるように調整する構成が挙げられる。
図6に示すように、変形例3では、空気調和装置100において、図3に示す上記流量調整弁52、電解ユニット7、開閉弁55、制御装置4に代えて、図6に示す第一開閉弁91、電解ユニット8、第二開閉弁92、制御装置93とを備える構成となっている。これらの第一開閉弁91、電解ユニット8、導電率計54、第二開閉弁92は、制御装置93に接続されている。なお、変形例3において、第一の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、第一開閉弁91は、電解水供給配管51に配設されて、電解ユニット8において生成された電解水を空気除菌部5に供給するための弁である。第二開閉弁92は、電解ユニット8に水道水の供給を行うための弁である。電解ユニット8は、第二開閉弁92を介して水道水が導入される電解槽80と、電解槽80内に配置される少なくとも一対の電極81、82とを備えている。電極81、82は図3における電極81、82と略同様の構成であり、通電された場合、電解槽80に導入された水道水を電気分解して次亜塩素酸(活性酸素種)を生成させる。ここで、第一開閉弁91は電解槽80の下部に接続され、第二開閉弁92は電解槽80の上部に接続される。
次に、変形例3における制御装置93により実行される活性酸素種の濃度調整動作について、図7を参照して説明する。
ユーザによって、室内リモコン(不図示)等から運転開始指示が入力されると(ステップS11:Y)、制御装置93は運転開始指示により指示された運転モードに応じて、四方弁13を冷房側又は暖房側に切り換えて冷房運転又は暖房運転を行い、設定された目標温度になるように空調運転を行い、室内熱交換器24により熱交換された空気を空気除菌部5に供給する(ステップS12)。
ユーザによって、室内リモコン(不図示)等から運転開始指示が入力されると(ステップS11:Y)、制御装置93は運転開始指示により指示された運転モードに応じて、四方弁13を冷房側又は暖房側に切り換えて冷房運転又は暖房運転を行い、設定された目標温度になるように空調運転を行い、室内熱交換器24により熱交換された空気を空気除菌部5に供給する(ステップS12)。
次に、制御装置93は、温度センサ26により、室内熱交換器24から空気除菌部5に供給された空気の温度が検出されると(ステップS13:Y)、上記と同様に検出された温度に応じた次亜塩素酸の目標濃度を設定する(ステップS14)。次に、電解ユニット8に供給される水道水の導電率を導電率計54により検出させる(ステップS15)。導電率が検出されると(ステップS15:Y)、検出された導電率と、ステップS14において設定された目標濃度とに基づき、電解槽80内に貯留する水道水の貯留時間を算出する(ステップS16)。
ここで、水道水の導電率を検出するのは、上記と同様の理由によるものである。すなわち、同じ貯留時間だけ水道水を電解槽80に貯留して、同じ電流密度の電流を電極81、82間に通電しても、水道水中の塩素イオン濃度によって電解ユニット8において生成される次亜塩素酸の濃度が変動する。そこで、空気調和装置100の設置される地域における水道水中の塩素イオン濃度を予め測定して、制御装置93のROM内に記憶させておき、導電率計54により導電率を検出して、予め設定された塩素イオン濃度と実際の塩素イオン濃度とのずれを算出し、このずれに基づいて目標濃度の次亜塩素酸を生成するために必要な水道水の貯留時間を算出するためである。但し、上記と同様に、次亜塩素酸の目標濃度と貯留時間との関係は予め実験などによりデータ化され、導電率ごとに制御装置93のROMに記憶されているものとする。
次に、第一開閉弁91および第二開閉弁92を閉じて、電解槽80内に導入された水道水を貯留し(ステップS17)、ステップS16において算出された貯留時間の計時を開始する(ステップS18)。そして、ステップS16において算出された貯留時間が経過する(ステップS20:Y)まで、電極81、82間に通電し、電解槽80に導入された水道水の電気分解を行う(ステップS19)。そして、ステップS16において算出された貯留時間が経過すると(ステップS20:Y)、第一開閉弁91および第二開閉弁92を順次開いて、電解槽80において生成された所定濃度の次亜塩素酸を含む電解水を空気除菌部5に供給する(ステップS21)。以上の処理を空気調和装置100の運転が終了するまで(ステップS22:Y)の間繰り返し行う。
以上、説明した実施の形態(但し、変形例1〜3を含む。)は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施形態では、活性酸素種として次亜塩素酸を発生させる構成について説明したが、活性酸素種としてオゾン(O3)や過酸化水素(H2O2)を発生させる構成としても良い。この場合、電極71、72として白金タンタル電極を用いると、イオン種が希薄な水からでも、電気分解により高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
このとき、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応と同時に、
3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O3+4H++4e-
の反応が起こりオゾン(O3)が生成される。またカソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
O2 -+e-+2H+→H2O2
のように、電極反応によりO2 -が生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
例えば、上記実施形態では、活性酸素種として次亜塩素酸を発生させる構成について説明したが、活性酸素種としてオゾン(O3)や過酸化水素(H2O2)を発生させる構成としても良い。この場合、電極71、72として白金タンタル電極を用いると、イオン種が希薄な水からでも、電気分解により高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
このとき、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応と同時に、
3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O3+4H++4e-
の反応が起こりオゾン(O3)が生成される。またカソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
O2 -+e-+2H+→H2O2
のように、電極反応によりO2 -が生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
この構成では、電極71、72に通電することにより、殺菌力の大きいオゾン(O3)や過酸化水素(H2O2)が発生し、これらオゾン(O3)や過酸化水素(H2O2)を含んだ電解水を作ることができる。そして、この電解水中におけるオゾンもしくは過酸化水素の濃度を、対象ウィルス等を不活化させる濃度に調整し、この濃度の電解水が供給された気液接触部材56に空気を通過させることにより、空気中に浮遊する対象ウィルス等を不活化することができる。また、臭気も気液接触部材56を通過する際に、電解水中のオゾンまたは過酸化水素と反応し、イオン化して電解水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
また、本実施形態では、空気除菌部5から排出された電解水は、ドレンパン61に溜められ、ドレンポンプ62を介して、ドレン水とともに機外に排出される構成となっているが、ドレン水の一部もしくは全部を電解ユニット7に戻して、再利用する構成としても良い。この構成では、除菌されている電解水を再度、電解ユニット7で電気分解するため、再利用に伴い、電解水中に雑菌が発生することが防止される。また、電解水を再利用することにより、水道水の供給流量を低減することができるため、省エネルギ化を図ることができる。
また、水道水を電気分解することにより、電極71、72上(カソード)にスケールが堆積した場合、電気伝導性が低下し、継続的な電気分解が困難となる。この場合、電極71、72の極性を反転(電極71、72のプラスとマイナスを切り換える)させることが効果的である。カソード電極をアノード電極として電気分解することで、カソード電極上に堆積したスケールを取り除くことができる。この極性反転制御では、例えばタイマを利用して定期的に反転させてもよいし、運転起動の度に反転させる等、不定期的に反転させてもよい。また、電解抵抗の上昇(電解電流の低下、あるいは電解電圧の上昇)を検出し、この結果に基づいて、極性を反転させてもよい。
また、上記実施形態では、1台の室外ユニット1に1台の室内ユニット2が接続される構成について説明したが、本発明は1台の室外ユニット1に対して複数台の室内ユニット2を並列に接続するマルチタイプの空調調和装置に適用してもよいのは勿論である。
1 室外ユニット
2 室内ユニット
4、93 制御装置(濃度調整手段)
5 空気除菌部(空気除菌手段)
7、8 電解ユニット(電解水生成手段)
11 圧縮機
12 アキュムレータ
13 四方弁
14 室外熱交換器
21 吸込口
22 吹出口
23 筐体
24 室内熱交換器
25 送風ファン
51 電解水供給配管
52 流量調整弁
80 電解槽
71、72、81、82 電極
91 第一開閉弁
92 第二開閉弁
100 空気調和装置
100a 冷媒回路
2 室内ユニット
4、93 制御装置(濃度調整手段)
5 空気除菌部(空気除菌手段)
7、8 電解ユニット(電解水生成手段)
11 圧縮機
12 アキュムレータ
13 四方弁
14 室外熱交換器
21 吸込口
22 吹出口
23 筐体
24 室内熱交換器
25 送風ファン
51 電解水供給配管
52 流量調整弁
80 電解槽
71、72、81、82 電極
91 第一開閉弁
92 第二開閉弁
100 空気調和装置
100a 冷媒回路
Claims (7)
- 圧縮機、四方弁、室外熱交換器および室内熱交換器を順次接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
空気の吸込口および吹出口を備え、前記室内熱交換器を内設する筐体と、
前記吸込口から前記吹出口に向けて前記筐体内に空気を導通させる送風ファンと、
前記室内熱交換器から前記吹出口に向かう空気導通経路内に配置され、前記室内熱交換器により熱交換された後の空気に活性酸素種を含む電解水を接触させて空気の除菌を行う空気除菌手段と、
少なくとも一対の電極を有し、水道水を電気分解することにより、前記活性酸素種を含む電解水を生成する電解水生成手段と、
前記空気除菌手段に供給される空気の温度に応じて、前記電解水生成手段により生成される前記電解水における前記活性酸素種の濃度を調整する濃度調整手段と、
を備えたことを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1記載の空気調和装置において、
前記濃度調整手段は、
前記電極間を通過する水道水の流量を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整すること、
を特徴とする空気調和装置。 - 請求項1記載の空気調和装置において、
前記濃度調整手段は、
前記電極間に流す電流の値または前記電極間に印加する電圧の値を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整すること、
を特徴とする空気調和装置。 - 請求項1記載の空気調和装置において、
前記濃度調整手段は、
前記電極間に通電する通電時間を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整すること、
を特徴とする空気調和装置。 - 請求項1記載の空気調和装置において、
前記電解水生成手段は、内部に前記電極が配置され、水道水が導入される電解槽を備え、
前記濃度調整手段は、前記電解槽に導入される水道水の貯留時間を変更することにより、前記電解水中における前記活性酸素種の濃度を調整すること、
を特徴とする空気調和装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気調和装置において、
前記活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾン、または過酸化水素のうち少なくともいずれかの物質を含むこと、
を特徴とする空気調和装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気調和装置において、
前記圧縮機、前記四方弁および前記室外熱交換器を室外ユニットに備え、前記筐体、前記室内熱交換器、送風ファンおよび空気除菌手段を室内ユニットに備えること、
を特徴とする空気調和装置。
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