JP2008020056A - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両における乗り心地とストローク長の両方を満足させることが可能な緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【解決手段】本発明の緩衝器のバルブ構造は、バルブディスク1のポート2を閉塞するリーフバルブ10と附勢手段15との間に介装されているバルブ抑え部材11の外径をリーフバルブ10の外径より大きく設定し、該バルブ抑え部材11のバルブディスク側端部11cにリーフバルブ10の外径より大きな内径を持つとともにバルブディスク1側に突出する環状部12を設けることで、上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ車両における乗り心地を損なう場合があり、これを解消するため、図4に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、スプリングSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、図示するところではピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、図5に示すように、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となること抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
ここで、従来の緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン速度が低速領域にある場合には、ピストン速度の増加に対する減衰力の増加割合を示す減衰係数を比較的大きくし、他方、ピストン速度が中高速領域にある場合には減衰係数を極力小さくするようにすることが好ましく、これを実現するためには、スプリングSがリーフバルブLを附勢する初期荷重はそのままにスプリングSのバネ定数を小さく設定することが必要となる。
しかしながら、この条件、すなわち、スプリングSの初期荷重をそのままとしてバネ定数を小さくするという条件を満足させるためには、スプリングSの自由長を長く設定するとともに線条径を小さく設定する必要があり、すると、スプリングSの自然長の長大化によってバルブを含んだピストン部全体の長さが長くなり、その長さ分だけ緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなり、上記ストローク長を確保しようとすると、緩衝器全体の長さが長くなり、車両への搭載性が悪化してしまう。
さらに、スプリングSの線条径の小径化によってスプリングSの強度が弱くなってしまう。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、車両における乗り心地と緩衝器におけるストローク長の両方を満足させることが可能な緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段における緩衝器のバルブ構造は、ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側に上記軸部材が挿通されるとともにリーフバルブに積層される環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器のバルブ構造において、バルブ抑え部材の外径はリーフバルブ外径より大きく設定されてなるとともに、該バルブ抑え部材のバルブディスク側端部にリーフバルブの外径より大きな内径を持つとともにバルブディスク側に突出する環状部を設けた。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、環状部の作用によって、リーフバルブの全体をバルブディスクから軸方向に後退させやすくなっているので、ピストン速度が低速領域における減衰係数を大きくしながら、ピストン速度が中高速領域における減衰係数を従来の緩衝器のバルブ構造に比較して小さくすることが可能であるので、車両における乗り心地を向上することができるのである。
さらに、附勢手段のバネ定数を小さくすることなしに、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰係数を従来の緩衝器のバルブ構造に比較して小さくすることが可能であるので、バルブ構造を含んだピストン部の軸方向長さを従来の緩衝器のバルブ構造と同等に維持することができ、バルブ構造を構成する各部を含んだ全体のピストン部も長くなってしまうことも無く、緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合がなく、車両への搭載性が悪化することがない。
さらに、附勢手段のバネ定数を小さくする必要が無く、附勢手段の強度低下を招くようなことが無いので、強度面の不安も無く、緩衝器の車両への搭載性および乗心地を満足させつつ、緩衝器のバルブ構造の信頼性および実用性が向上することができる。
以下、本発明の緩衝器のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。図3は、一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化されたピストン部の一部における縦断面図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ポート2が形成されるバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の軸心部から立ち上がる軸部材たるピストンナット4と、内周側に上記ピストンナット4が挿通されるととともにピストン1に積層されポート2を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層される環状のバルブ抑え部材11と、ポート2を閉塞する方向にバルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10を附勢する附勢手段たるコイルスプリング15とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成されピストン1の底部1aよりリーフバルブ10側に突出する環状の弁座1cと、外周側に延設される筒部1fを備えて構成されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
つづいて、軸部材となるピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bとを備えて構成され、筒部4aの上端外周は小径とされて小径部4cが形成されている。
そして、上記ピストンロッド5の先端部を圧側のリーフバルブ100、間座101、バルブストッパ102とともにピストン1の挿通孔1bに挿入するとともに、ピストン1の図1中下方からピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによって、ピストン1はピストンロッド5の段部とピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定されている。
なお、ピストン1の底部1aに設けた挿通孔1bにおける下端開口部が拡径されて拡径部1eが設けられて段部が形成され、この段部に筒部4aにおける小径部4cの図1中上端の挿入が可能なようになっている。
そして、ピストン1の底部1aには、上記ピストンナット4の筒部4aにおける小径部4cの外周に摺接してリーフバルブ10より小径な環状の間座7が複数積層され、この間座7の下方から小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10が積層され、さらに、このリーフバルブ10の下方からリーフバルブ10より小径であって小径部4cの外周に摺接する環状の間座8が複数積層されるとともに、またさらに、この間座8の下方から同じく小径部4cの外周に摺接するバルブ抑え部材11が積層されている。
なお、リーフバルブ10は、環状に形成された板を複数枚積層して積層リーフバルブとして構成されており、この図1中上面を弁座1cに当接させて、ピストン1のポート2を閉塞することができるようになっている。この実施の形態においては、リーフバルブ10は、積層リーフバルブとして構成されているが、上記環状の板の枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)によって任意とされてよく、緩衝器に発生させる減衰特性によって複数枚とされても一枚のみでも差し支えなく、また、緩衝器に発生させ減衰特性によって各リーフの外径を異なるように設定することができる。さらに、詳しくは図示しないが、弁座1cに着座するリーフバルブ10の外周に形成した切欠あるいは弁座1cに打刻されて形成される周知のオリフィスが設けられている。
ちなみに、拡径部1eを設けることによって、ピストンナット4をピストン1に対して半径方向に位置決めることができ、上記したリーフバルブ10、間座7、8、バルブ抑え部材11をピストンナット4に組み付けた後にこれら部材をピストン1とともにいっぺんにピストンロッド5の先端5aに取付けることが可能となって製造上便利であるが、拡径部1eを省略するとしても差し支えない。
また、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、リーフバルブ等のバルブ構造を構成する部材をピストン1内に収納することが可能となって、ピストン1の図1中上端からピストンナット4の図1中下端までの長さを短くすることができ、ピストン部を小型化することができる。
さらに、図1中一番最下方に積層されるバルブ抑え部材11は、内周側が上記したピストンナット4の小径部4cの外周に摺接しリーフバルブ10の外径より大きな外径に設定される環状本体11aと、環状本体11aの図1中下端から下方に垂下され同じく内周側が小径部4cの外周に摺接する筒部11bと、環状本体11aのピストン側端部11cにリーフバルブ10の外径より大きな内径を持つとともにピストン1側に突出するように設けられた環状部12とを備えて構成されている。
この環状部12の内周面12aは、環状部12の先端12bが先細りとなるように傾斜しており、また、環状部12の先端12bは、弁座1cの図1中下端となる先端Aよりピストン1側に突出してあって、先端12bは図1中において弁座1cの先端Aより上方側であるピストン1側に位置するようになっている。
また、上記環状本体11aとピストンナット4の鍔4bとの間には、附勢手段たるコイルスプリング15が介装され、このコイルスプリング15で上記リーフバルブ10を弁座1c側に押し付けている。
なお、筒部11bを省略することも可能であるが、上記筒部11bは、コイルスプリング15をセンタリングする機能を発揮し、このセンタリング機能によってコイルスプリング15の附勢力をバルブ抑え部材11に偏りなく作用させることができるので、設けておくことが望ましい。
そして、上記構成によって、コイルスプリング15の附勢力を上記バルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10の内周側に作用させて、コイルスプリング15でポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢している。
したがって、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11は、ピストン1が図1中上方に移動して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなると、上記附勢力に抗してコイルスプリング15を圧縮してリーフバルブ10の全体がピストン1から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっている。
なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの先端Aまでの軸方向長さよりも、間座7全体の軸方向の厚みを短く設定してあり、内周側に附勢力が作用しているリーフバルブ10に初期撓みを与えている。
この初期撓みの撓み量の設定によって、リーフバルブ10が弁座1cから離れてポート2を開放する時の開弁圧を調節することができ、この初期撓みの撓み量は、間座7の全体の厚みで変更可能であるとともに、緩衝器が適用される車両に最適となるように設定されている。なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さによっては、間座7を省略することも可能である。
さらに、上記したところでは、附勢手段をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。
つづいて、一実施の形態におけるバルブ構造の作用について説明すると、上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油はポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合、リーフバルブ10をコイルスプリング15の附勢力に抗してピストン1から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられているので、リーフバルブ10の外周縁が間座8の外周縁を支点として撓んで、作動油は、ポート2を介してリーフバルブ10が弁座1cから離座してできるリーフバルブ10と弁座1cとの間の隙間を通過する。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合、作動油は、ピストン速度が極低速のうちは、上述の弁座1cに着座するリーフバルブ10の外周に設けた切欠あるいは弁座1cに打刻によって形成されるオリフィスを通過し、その後の速度の上昇に伴って、リーフバルブ10の外周を撓ませて、リーフバルブ10と弁座1cと間の隙間を通過するが、リーフバルブ10をコイルスプリング15の附勢力に抗してピストン1から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられて間座8の外周縁を支点として撓むのみとなる。
したがって、このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2中実線で示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中高速領域に達して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなるとともに、該力がコイルスプリング15の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ10の全体をピストン1から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させることになる。
ここで、上記バルブ抑え部材11にあっては、リーフバルブ10が弁座1cから離座してポート2が開放されても、上室41からポート2を通過してきた作動油の流れ方向を環状部12によって強制的にピストン1側へ向けることができるようになっており、環状部12によって作動油の動圧をバルブ抑え部材11に積極的に作用させることができる。
つまり、環状部12の上記作用によって、バルブ抑え部材11を図1中下方に押し下げる力が従来緩衝器のそれに比較して大きくなる。
このように、リーフバルブ10の全体がピストン1の底部1aから離れると、弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間は、ピストン速度が低速領域にあるときよりも大きく、また、ピストン速度に比例して隙間が大きくなる。
すなわち、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰特性は、図2中実線で示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
上述したところから明らかなように、本実施の形態のバルブ構造にあっては、従来の緩衝器のバルブ構造に比較して、環状部12の上記作用によって、リーフバルブ10の全体をピストン1から軸方向に後退させやすくなっているので、コイルスプリング15のバネ定数を小さく設定することなしに、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰係数を従来の緩衝器のバルブ構造に比較して小さくすることが可能である。
また、コイルスプリング15の初期荷重、すなわち、リーフバルブ10がピストン1に当接した状態におけるコイルスプリング15の附勢力についても従来の緩衝器のバルブ構造におけるスプリングSと同様に設定しておくことによって、ピストン速度が低速領域における減衰係数を大きくしながら、ピストン速度が中高速領域における減衰係数を従来の緩衝器のバルブ構造に比較して小さくすることが可能であるので、車両における乗り心地を向上することができるのである。
さらに、コイルスプリング15のバネ定数を小さくすることなしに、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰係数を従来の緩衝器のバルブ構造に比較して小さくすることが可能であるので、バルブ構造を含んだピストン部の軸方向長さを従来の緩衝器のバルブ構造と同等に維持することができ、バルブ構造を構成する各部を含んだ全体のピストン部も長くなってしまうことも無く、緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合がなく、車両への搭載性が悪化することがない。
さらに、コイルスプリング15の線条径の小径化を招くことが無いので、強度面の不安も無く、緩衝器の車両への搭載性および乗心地を満足させつつ、緩衝器のバルブ構造の信頼性および実用性が向上することができる。なお、附勢手段をコイルスプリング以外のもの、たとえば、筒状のゴム等の弾性体とする場合にも、バネ定数を小さくするには、断面積を小さくすることから、強度的に低下する傾向となるが、本発明では、附勢手段のバネ定数を小さくする必要が無いので、附勢手段の強度低下を招くようなことが無い。
また、環状部12の先端12bを弁座1cの先端Aよりピストン1側に突出してあるので、作動油流れの方向を大きく変えることができるようになっているので、より大きな動圧をバルブ抑え部11に作用させることができるので、より小さな作動油圧力でバルブ抑え部材11を後退させ易くなるので、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰係数をより小さく設定することができ、より一層車両における乗心地を向上させることができる。
さらに、環状部12の内周面12aを上記したように先端12bが先細りとなるように傾斜させて、弁座1cと環状部12との間の隙間が小さくなるように設定しているので、環状部12と弁座1cとの隙間による絞り効果を期待することができ、この絞り効果によって、バルブ抑え部材11とピストン1の底部1aおよび弁座1cとで囲まれる空間B内の圧力を高めることができる。
したがって、この場合にも、空間B内の圧力上昇により大きな力をバルブ抑え部11に作用させることができるので、この点でも、より小さな作動油圧力でバルブ抑え部材11を後退させ易くなるので、ピストン速度が中高速領域にある場合の減衰係数を小さくすることができ、より一層車両における乗心地を向上させることができる。
なお、バルブ抑え部材11をピストン1から軸方向に後退させ始めるピストン速度、すなわち、低速領域と中高速領域との境を、具体的にはたとえば、0.2m/s程度に設定するとよく、車両に適した減衰特性を得ることができ、ピストン速度が中高速領域にあるときには、減衰係数を比較的小さく保ち、減衰力が大きくなり過ぎることがなく、車両における乗り心地を確保でき、実用性が向上することになる。
また、上記した実施の形態では、ピストン1をピストンナット4で固定しているが、ピストン1をピストンロッド5に別の手段で固定することができる場合には、コイルスプリング15の図1中下端を支承する部材を設けておけば、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11をピストンロッド5の外周に直接摺接させておくようにしてもよく、さらに、ピストン1に挿通孔1aを設けてピストンロッド5の先端部を挿入するようにして、ピストンロッド5を突出させているが、バルブディスクたるピストン1と一体あるいは別体な軸部材をピストン1の軸心部に設けるようにしてもよい。
さらに、上記バルブ抑え部材11の外周径が大きく環状部12が圧側のポート1dの入口を狭くしてしまうような場合には、図3に示すように、環状部12の外周面を先端12bが先細りとなるように傾斜させて、環状部12がポート1dの入口を狭くすることを防止するとよく、そのようにすることによって、ピストン1の外径が大型化してしまうことを防止することができる。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化されたピストン部の一部における縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b 挿通孔
1c 弁座
1d,2 ポート
1e 拡径部
1f,4a,11b 筒部
3 窓
4 軸部材たるピストンナット
4b 鍔
4c 小径部
5 ピストンロッド
5a ピストンロッドの先端
5b 段部
5c 螺子部
7,8,101 間座
10 リーフバルブ
11 バルブ抑え部材
11a 環状本体
11c 環状本体のピストン側端部
12 環状部
12a 環状部の内周面
12b 環状部の先端
15 附勢手段たるコイルスプリング
100 圧側のリーフバルブ
102 バルブストッパ
A 弁座の先端
B 空間

Claims (4)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側に上記軸部材が挿通されるとともにリーフバルブに積層される環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器のバルブ構造において、バルブ抑え部材の外径はリーフバルブ外径より大きく設定されてなるとともに、該バルブ抑え部材のバルブディスク側端部にリーフバルブの外径より大きな内径を持つとともにバルブディスク側に突出する環状部を設けたことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. バルブディスクのポートより外周側にリーフバルブ側に突出する環状の弁座を設け、リーフバルブが該弁座に着座することによりポートを閉塞するように設定され、環状部の先端は、弁座の先端よりバルブディスク側に突出していることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. 環状部の内周面は、環状部の先端が先細りとなるように傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器のバルブ構造。
  4. バルブディスクは軸心部にピストンロッドが挿通されるピストンであって、軸部材は筒状に形成されるとともにピストンロッドの先端に螺着されてピストンをピストンロッドに固定するピストンナットとされ、附勢部材はバルブ抑え部材とピストンナットとの間に介装されるコイルスプリングである請求項1から3のいずれかに記載の緩衝器のバルブ構造。
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