JP2008019431A - インクジェット用顔料インク - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録用の顔料インクにおいて、高い吐出安定性や保存安定性を実現でき、しかも、該インクによって光沢用紙に記録された印字物は、高い耐擦過性を示す顔料インクの提供。
【解決手段】顔料、水溶性溶剤、水及びコポリマーを含有してなるインクジェット用顔料インクにおいて、該コポリマーが、芳香族アクリレート(単量体A)、重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート(単量体B)及びアクリル酸(単量体C)を共重合することによって得られたものであることを特徴とするインクジェット用顔料インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面コートにより平滑化された光沢用紙においても、形成された記録物が耐擦過性に優れ、インクジェットノズルからの吐出安定性、保存安定性に優れるインクジェット用顔料インクに関する。
インクジェット記録方法は、記録液(インク)の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行うものである。インクの吐出手段としては、例えば、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる(サーマルインクジェット)方法がある。かかる方法によれば、特に、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度、高品質の画像を高速で記録できる(特許文献1〜3参照)。
一方、インクに含まれる色材は、従来は、インク溶媒に溶解する染料によるものが中心であったが、画像の耐光性、耐水性等を向上させる観点から色材の顔料化の検討が進められている。しかし、顔料インクでは、顔料を記録媒体表面に付着させて印字を行うため、染料インクを用いた場合に比べて画像の耐擦過性に劣る場合がある。また、使用する記録媒体の種類や顔料粒径によっては画像の光沢性が失われることが指摘されている。
これまで、画像の耐擦過性向上に対しては、顔料インク中に樹脂を添加することが検討されてきた。この方法は、インクに添加した樹脂によって顔料を記録媒体表面に固定しようというものである。しかしながら、樹脂が水溶性高分子の場合、顔料を固定するのに十分な量の樹脂をインク中に添加すると、インクの粘度が上昇し、吐出安定性等が悪化するという問題が生じる。この問題に対して、特許文献4〜7には、水不溶性の樹脂エマルジョンを顔料インクに添加することにより、粘度を下げ、吐出特性を改善することが開示されている。しかしながら、印字後の顔料と樹脂エマルジョンとは、記録媒体表面にそれぞれ独立に存在するので、樹脂エマルジョンが顔料を固定するために有効に機能しにくく、これらのインクは、画像の耐擦過性の向上という点では、効果の乏しいものであった。
これに対して、画像の耐擦過性と光沢性とを向上させることを目的とした下記のようなインクセットが提案されている(特許文献8参照)。この文献には、インクに、顔料とガラス転移温度が50℃から150℃の熱可塑性樹脂微粒子を含有させ、印字後の画像を樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱することにより樹脂微粒子を溶融して顔料と樹脂成分を一体化させることが開示されている。より具体的には、樹脂微粒子を溶融することにより膜を形成し、膜中で顔料と樹脂成分を一体化させることで顔料を記録媒体表面上に固定し、耐擦過性を向上させるというものである。しかしながら、この技術は、画像形成プロセスに加熱工程が必要であり、また、耐目詰まり性や保存安定性の点でより優れたインクが望まれていた。
特公昭61−59911号公報 特公昭61−59912号公報 特公昭61−59914号公報 特公昭62−1426号公報 特開昭55−157668号公報 特開平3−160068号公報 特開平4−18427号公報 特開2002−30235公報
従って、本発明の目的は、インクジェット記録用の顔料インクにおいて、高い吐出安定性や保存安定性を実現でき、しかも該インクによって光沢用紙に記録された印字物が高い耐擦過性を示すインクジェット用顔料インクを提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明のインクジェット用顔料インクは、顔料、水溶性溶剤、水及びコポリマーを含有してなるインクジェット用顔料インクにおいて、該コポリマーが、下記の単量体A、単量体B及び単量体Cを共重合することによって得られたものであることを特徴とするものである。
単量体A:芳香族アクリレート
単量体B:重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート
単量体C:アクリル酸
本発明によれば、インクジェット記録に好適な高い吐出安定性や保存安定性(分散安定性)を有し、しかも、光沢用紙へ記録された印字物の耐擦過性が、従来のものに比して著しく向上したインクジェット用顔料インクが提供される。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明のインクジェット用顔料インク(以下、インク又は顔料インクという)について説明する。本発明の顔料インクは、芳香族アクリレート(単量体A)と、重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート(単量体B)と、アクリル酸(単量体C)とを共重合することで得られたコポリマー(共重合体)を含有してなることを特徴とする。先ず、本発明を特徴づけるコポリマーの形成成分である単量体A、B及びCについて説明し、更に、これらの共重合によって得られるコポリマーについて説明する。
本発明で使用する芳香族アクリレート(単量体A)の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
例えば、ベンジルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシジエチレングリコールアクリレート、2−フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸等の、アクリル酸のアリールアルコールエステル等が挙げられる。上記した中でも、画像の耐擦過性の向上をより高度に図るためには、ベンジルアクリレートを使用することが好ましい。
本発明で使用する重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート(単量体B)の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
例えば、新中村化学工業(株)製のNKエステルと呼ばれているモノマー中の下記に挙げる製品番号のものを使用することができる。具体的には、NKエステル AMP−60G、AM−90G(メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、平均重合度9)、AM−130G(メトキシポリエチレングリコール#550アクリレート、平均重合度13)、AM−230G(メトキシポリエチレングリコール#1000アクリレート、平均重合度23)、A−OC−18E、M−90G(メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、平均重合度9)、M−230G(メトキシポリエチレングリコール#1000メタクリレート、平均重合度23)、OC−18Eが挙げられる。
また、日本油脂(株)製のブレンマーと呼ばれているモノマー中の下記に挙げる製品番号のものを使用することができる。具体的には、ブレンマーPE−200(ポリエチレングリコールモノメタクリレート、平均重合度5)、PE−350(ポリエチレングリコールモノメタクリレート、平均重合度8)、AE−200(ポリエチレングリコールモノアクリレート、平均重合度5)、AE−400(ポリエチレングリコールモノアクリレート、平均重合度10)、55PET−400[ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、平均重合度5]、30PET−800[ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、平均重合度55]、55PET−800[ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、平均重合度10]、PME−400(メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、平均重合度9)、PME−1000(メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、平均重合度23)、PME−4000(メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、平均重合度90)、AME−400(メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、平均重合度9)、50POEP−800B(オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、平均重合度8)、50AOEP−800B(オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、平均重合度8)、ブレンマーAEP、ブレンマーAET、ブレンマーPLE、ブレンマーALE、ブレンマーPSE、ブレンマーASEP等が挙げられる。上記した中でも特に、画像の耐擦過性の向上をより高度に図るためには、AM−90G、M−90G、PE−350及びAE−400を使用することが好ましい。
また、本発明で使用する単量体Cは、アクリル酸である。本発明で使用するコポリマーは、上記したような単量体A、B及びCを共重合して得られたものであればよいが、これらの単量体に加えて更にアクリル酸以外の酸性官能基を有する単量体を共重合させてなるものであってもよい。この場合に使用できる酸性官能基を有する単量体としては、下記のような酸性官能基を有するビニル化合物が挙げられる。例えば、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、イタコン酸、イコタン酸ハーフエステル、フマール酸、フマール酸ハーフエステル、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸等を、更に共重合させたものであってもよい。
本発明のインクの構成成分として用いる上記のような単量体成分を用いて形成されるコポリマーは、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲であることが好ましく、更には、重量平均分子量が3,000〜15,000の範囲のものであることが好ましい。また、本発明のインクの構成成分であるコポリマーは、単量体Cとしてアクリル酸を共重合してなるが、コポリマーにおけるアニオン性官能基を有する単量体の構成比率を酸価で表すと下記のようであることが好ましい。即ち、使用するコポリマーの酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、更には、酸価が80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲であることが好ましい。本発明で使用するコポリマーの酸価が上記した範囲よりも低いと顔料インクの分散安定性が低下し、吐出安定性が悪化する傾向がある。また、本発明で使用するコポリマーの酸価が上記した範囲より高いと、顔料表面に対するコポリマーの付着力が低下し、顔料インクの保存安定性が低下する傾向がある。尚、本発明におけるコポリマーやポリマーの重量平均分子量や酸価は、常法によって測定することができる。
本発明のインクは、含有するコポリマーを形成するためのアクリル酸や、前記した別途導入される酸性官能基を有する単量体をイオン化することで、顔料粒子の分散安定化を図ることができる。このために、インク全体が中性又はアルカリ性に調整されたものであることが好ましい。但し、アルカリ性が強過ぎると、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、7〜10のpH範囲とするのが好ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、下記のものが挙げられる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等を使用することができる。上記したようなコポリマーは、水性液媒体中に、分散又は溶解される。
このようなコポリマーは、顔料粒子に付着する顔料分散樹脂として機能するものであることが好ましい。コポリマーがインク溶液に溶解しているだけでは、記録媒体内部に浸透してしまい、顔料粒子を記録媒体表面で密着させるためにコポリマーが機能しない場合があるからである。
また、本発明のインクの構成成分であるコポリマーは、疎水性セグメントと親水性セグメントを有するブロックコポリマー或いはグラフトコポリマーであることが好ましい。特には、疎水性セグメントを主鎖ユニットとして有し、親水性セグメントを側鎖ユニットとして有するグラフトコポリマーであることが好ましい。このような構造のコポリマーを水性の顔料インク中に含有させると、該ポリマーの疎水性の主鎖部分が密に顔料表面に吸着し、また、親水性の側鎖部分が水性溶媒中に効率的に広がってより大きな反発力を付与できると考えられる。その結果、顔料インクの分散安定性をより向上させることができるようになると考えられる。尚、疎水性セグメントとは主として疎水性の単量体を重合することによって得られるセグメントであり、親水性セグメントとは、主として親水性の単量体を重合することによって得られるセグメントである。
より詳細には、疎水性セグメントとは、該セグメントを形成するための単量体のうちの50質量%以上が疎水性官能基を有する疎水性単量体であるものをいう。疎水性単量体としては、前記した本発明で使用するコポリマーを構成するために必須である芳香族アクリレート(単量体A)の他、下記の単量体が挙げられる。例えば、芳香族メタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の、脂環式(メタ)アクリレートエステル等も含まれる。
耐擦過性向上のためには、顔料粒子をコポリマーの疎水的相互作用により密着させることが有効である。コポリマーとして、疎水性単量体の共重合比率の高い疎水性セグメントを有することは、顔料粒子間の疎水的相互作用の向上に働き、耐擦過性の向上につながるので好ましい。
本発明のインクを構成する好適なコポリマーの疎水性セグメントを形成させるために、芳香族アクリレート(単量体A)と、重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート(単量体B)を用いることが挙げられる。また、その場合に、芳香族アクリレート(単量体A)と重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート(単量体B)の組成比が、質量比で1:1乃至10:1であることが更に好ましい。芳香族アクリレートの比率が高い方が疎水性相互作用を高めることができるからである。
一方、親水性セグメントとは、該セグメントを形成するための単量体のうちの50質量%以上は親水性官能基を有する親水性単量体であるものをいう。親水性官能基を有する単量体としては、前記した本発明で使用するコポリマーを構成するために必須であるアクリル酸(単量体C)及び先述した酸性官能基を有するビニル系化合物の他、下記のものが挙げられる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するビニル系単量体、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、モルホリル(メタ)アクリルアミド等を使用することができる。
本発明のインクの分散安定性の更なる向上のためには、親水性セグメントを形成するための単量体全質量に対するアクリル酸(単量体C)の比率が80質量%以上であることが好ましいが、その理由は、下記の通りである。本発明のような水系顔料インクにおいて分散安定性を向上させるには、インク溶液中でイオン性官能基を高密度に顔料粒子表面に存在させることで高い静電斥力を得、これによって顔料粒子同士の反発力を向上させることが重要となる。そのため、インク溶液中でイオン性官能基となるアクリル酸を高密度に(共)重合させた親水性セグメントを有するコポリマーを用いることが、分散安定性の向上につながる。尚、本発明のインクの構成成分であるコポリマーは、その親水性セグメントの重量平均分子量が300〜2,000であることが好ましい。分子量が、この範囲よりも小さいと、親水性セグメントとしてブロック化した効果が得られにくくなることがあり、一方、この範囲よりも大きいと、コポリマー全体の溶解性が低下するため、分散安定性を低下させる恐れがあるためである。
更に、本発明においては、前記した疎水性セグメントを形成するための単量体としてもアクリル酸(単量体C)が用いられていることがより好ましい。この場合には、質量比で、単量体A(芳香族アクリレート):単量体C(アクリル酸)=4:1乃至16:1であることがより好ましい。即ち、疎水性セグメントにアクリル酸が共重合されることで、コポリマーの溶解性が増し、インクの製造工程において、顔料粒子へのコポリマーの吸着が安定して行われるため、該コポリマーを含む顔料インクの分散安定性の向上につながる。上記したような疎水性セグメント及び親水性セグメントを有するブロックコポリマー或いはグラフトコポリマーは、前記した単量体を下記に挙げるような方法を用いて共重合することによって作製される。
ブロックコポリマーを合成する方法は、公知の何れの方法を用いてもよく、リビングカチオン重合法、リビングアニオン重合法、リビングラジカル重合法等を好適に用いることができる。特に、本発明で使用するコポリマーは、アクリル酸のような極性の高い酸性官能基を有する単量体を共重合に用いるため、リビングラジカル重合法を用いることがより好適である。
グラフトコポリマーを合成する場合には、従来公知の何れの方法を用いてもよい。従来のグラフトコポリマーの製造方法を大別すると下記のようである。幹ポリマーから枝モノマーを重合させるgraft−from法、幹ポリマーに枝ポリマーを結合させるgraft−onto法、幹モノマーを枝高分子と共重合させるgraft−through法、マクロモノマー法等がある。これらの中でもマクロモノマー法は、枝ポリマーが既知となり、ポリマー設計が容易に行えること等から、グラフトコポリマーの合成法として、最も効果的で汎用性の高い方法である。
本発明のインクにおいて、上記で説明したコポリマーは、インクの全質量中に、総量で0.1質量%以上15質量%以下の範囲で含有させるのが好ましい。また、本発明で規定する特定のコポリマーを顔料分散樹脂として用いる場合は、インクの全質量に対して、0.1質量%以上8質量%以下の範囲で含有させるのが好ましい。
本発明のインクにおいては、必要に応じて、ロジン、シェラック及びデンプン等の天然樹脂や、前記したコポリマーでない合成樹脂も好ましく用いることができる。この場合の天然樹脂や合成樹脂は、前記したコポリマーの添加量を上回らない程度に含有させることが好ましい。
本発明のインクは、上記で説明した本発明で規定する特定のコポリマーや、必要に応じて添加する上記のような樹脂の他に、顔料、水溶性溶剤、及び水を少なくとも含んでなるが、以下、これらの各成分について説明する。
本発明のインクは、インクの全質量中に、質量比で、1質量%以上20質量%以下、より好ましくは2質量%以上12質量%以下の範囲で、顔料を含有させたものであることが好ましい。本発明においては、下記に挙げるような顔料を使用することができる。先ず、本発明で使用することのできる黒色の顔料としては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックが挙げられる。例えば、これらのカーボンブラックであって、一次粒子径が11〜40mμm(nm)、BET法による比表面積が50〜400m2/g、揮発分が0.5〜10質量%、pH値が2乃至10等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品としては下記のものが挙げられる。例えば、No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(以上、三菱化学製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL330R、400R、660R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Nipex 160IQ、Nipex 170IQ、Nipex 75、Printex 95、Printex 90、Printex 35、Printex U(以上、デグサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
本発明で使用することのできるイエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、13、16、74、83、109、128、155等が挙げられる。また、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122;キナクリドン固溶体、C.I.Pigment Violet 19等が挙げられる。また、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15:3、15:4、16、22、C.I.Vat Blue 4、6等が挙げられる。上記以外の色の顔料を用いることもでき、その場合も含め、何れの顔料も各色インクにおいて単独でも、2つ以上の顔料を混合してもよい。勿論、本発明は、これらに限られるものではない。また、以上の他、自己分散型顔料等、新たに製造された顔料も使用することが可能である。
本発明のインクを形成する場合に好適な水性媒体は、水及び水溶性溶剤の混合溶媒であるが、水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性溶剤としては、下記のような水溶性有機溶剤が挙げられる。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類。アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。グリセリン。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。前記の水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
上記したような水溶性有機溶剤のインク中における含有量は、一般的には、インクの全質量の3質量%以上50質量%以下の範囲であり、より好ましくは3質量%以上40質量%以下の範囲である。また、水の含有量としては、インクの全質量の10質量%以上90質量%以下、更に好ましくは、30質量%以上80質量%以下の範囲である。
また、本発明のインクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を適宜に添加することができる。これらの添加剤の添加量の例としては、インクの全質量に対して、0.05質量%以上10質量%以下、好ましくは0.2質量%以上5質量%以下が好適である。
上記したような成分からなる本発明のインクの作製方法としては、下記のような方法が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。先ず初めに、コポリマーと、水とが少なくとも混合された水性媒体に顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散処理を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の顔料分散液を得る。次に、必要に応じてこの顔料分散液に、水溶性溶剤、或いは、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌、必要に応じて濾過して本発明のインクとする。
尚、本発明で使用するコポリマーを、インク中に良好に溶解させるためには、顔料分散液を作製する際に塩基を添加することが好ましい。このような形態とすれば、インクの分散安定性を向上させることができる。この際に使用する塩基類としては、下記のものが挙げられる。例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミンや、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の無機塩基を好ましく使用できる。
顔料インクの作製方法においては、上記で述べたように、インクの調製に分散処理を行って得られる顔料分散液を使用するが、顔料分散液の調製の際に行う分散処理の前に、下記のようなプレミキシングを行うのが効果的である。即ち、プレミキシングは、少なくともコポリマーと水とが混合された水性媒体に顔料を加えて行えばよい。このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため、好ましい。
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル及びナノマイザー等が挙げられる。その中でも、ビーズミルが好ましく使用される。このようなものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
本発明のインクは、インクジェット記録用であるので、顔料としては、最適な粒度分布を有するものを用いることが好ましい。即ち、顔料粒子を含有するインクをインクジェット記録方法に好適に使用できるようにするためには、ノズルの耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料を用いることが好ましい。所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、下記の方法が挙げられる。先に挙げたような分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの手法の組み合わせ等の手法がある。
[インクジェット記録方法及び装置]
次に、本発明のインクを用いる記録装置について説明する。本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、下記の記録方式のものが挙げられる。例えば、本発明のインクが収容されるインク収容部を有する記録ヘッドの室内のインクに、記録信号に対応した熱的又は力学的エネルギーを与え、該エネルギーによりインク液滴を発生させる装置である。
図1に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示した。図1において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端は、ブレード保持部材によって保持されて、固定端となりカンチレバーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、また、図1に示した例の場合は、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して、吐出面と当接しキャッピングを行う構成を具える。更に、図1中の63は、ブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵やほこり等の除去が行われる。65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続している。これにより、キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は、記録媒体を挿入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれて、排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
上記構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中へ突出するように移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上記した記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って、上記ワイピングが行われる。
図2は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す断面図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にできる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図3に示すようにそれらが一体になったものも好適に用いられる。図3において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図1で示す記録ヘッド65に代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
図4に、上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示した。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド100と、インク等の液体を収容するための液体タンク1001とで主要部が構成されている。インクジェット記録ヘッド100は、液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、インク等の液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室へと導かれるようになっている。図4に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものである。更に、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、「部」及び「%」とあるものは特に断らない限り質量基準である。
[実施例1]
本実施例では、グラフトコポリマーを分散剤(顔料分散樹脂)として用いた最適な顔料インクについて述べる。
<分散樹脂A1の作製>
(マクロモノマーB1の作製)
先ず、分散樹脂A1の側鎖ユニットとなるマクロモノマーB1を下記のようにして調製した。側鎖ユニットを形成するマクロモノマーB1の原料として、単量体Cであるアクリル酸を20部用いた。また、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを4部と、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.4部用いた。そして、1−メトキシ−2−プロパノール300部中で、重合温度110℃にてN2還流下で、3時間かけて上記原料を滴下しながらラジカル重合を行った。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して、マクロモノマーB1を得た。このとき、分散樹脂A1の側鎖ユニットとなるマクロモノマーB1の重量平均分子量は、600であった。
(分散樹脂A1の作製)
上記で得たアニオン性官能基を有するマクロモノマーB1を25部用い、側鎖ユニットを形成し、下記の方法で分散樹脂A1を調製した。上記マクロモノマーB1を1−メトキシ−2−プロパノール300部中に予め溶解し、これに、以下に挙げる主鎖ユニットを構成する単量体と、下記の重合開始剤とを混合したものを滴下して重合を行った。主鎖ユニットを構成する単量体には、下記の3種類のものを使用した。即ち、芳香族アクリレート(単量体A)として疎水性単量体であるベンジルアクリレートを60部用いた。また、重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート(単量体B)として、NKエステル M−90G(新中村化学工業製)を10部と、単量体Cであるアクリル酸を10部とを用いた。また、ラジカル重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル4部を用いた。そして、これらの単量体とラジカル重合開始剤との混合物を、先に調製したマクロモノマーB1を溶解した1−メトキシ−2−プロパノール中に滴下してラジカル重合を行った。このとき、重合温度を110℃とし、N2還流下で、滴下時間は3時間とした。この滴下が終了した後、更に反応系を110℃に3時間保ち、重合反応を行った。その後、反応系を室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製によって取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A1を得た。得られた分散樹脂A1は、主鎖ユニットが疎水性セグメントであり、側鎖ユニットが親水性セグメントである構造を有するグラフトコポリマーである。この分散樹脂A1の重量平均分子量は5,800であり、酸価は170mgKOH/gであった。更に、疎水性セグメントにおける単量体A:単量体Bの組成比は(単量体A):(単量体B)=6:1である。また、疎水性セグメントにおける単量体Aと単量体Cの組成比は(単量体A):(単量体C)=6:1である。
<顔料分散液k1の作製>
(顔料分散液k1の組成)
・分散樹脂A1 15部
・水酸化カリウム 3部
・イソプロピルアルコール 10部
・イオン交換水 57部
先ず、先に調製した分散樹脂A1を含む上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)15部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行って顔料分散液k1を得た。
(分散条件)
・分散機:ビーズミル UAM−015(製品名)(寿工業社製)
・粉砕メディア:ジルコニアビーズ、0.05mm径(東ソー製)
・粉砕メディアの充填率:70%(体積比)
・粉砕時間:1時間
<ブラックインクK1の作製>
上記で調製した顔料分散液k1を含む下記の組成比の成分を混合し、常法に従ってブラックインクK1を作製した。
・顔料分散液k1(顔料濃度として3部) 20部
・グリセリン 10部
・エチレングリコール 5部
・N−メチルピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
・イオン交換水 59部
[評価]
<光沢用紙での耐擦過性評価>
上記で作製した本実施例のブラックインクK1の耐擦過性評価を以下の方法で行った。ブラックインクK1をインクカートリッジに詰めて、インクジェットプリンタPIXUS850i(キヤノン製)を用い、インクジェット写真用紙であるPR−101(キヤノン製)に印字物を記録して、試験サンプルとした。そして、得られた試験サンプルでメンディングテープ剥離試験を行い、試験前後の光学濃度を測定し、試験前後の光学濃度の比を求め、これを用いて評価した。得られた評価結果を表1に示す。
[試験A.試験前後の光学濃度の評価]
上記で得た試験前後のサンプルの光学濃度測定を、反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)を用いて行った。そして、測定した印字物の光学濃度の値をそれぞれ、OD1(試験前)及びOD2(試験後)としたときの光学濃度比ROD1=OD2/OD1を求め、下記の基準にて評価した。得られた結果を表1に示す。
(評価基準)
◎:ROD1>0.8
○:0.7<ROD1≦0.8
△:0.6<ROD1≦0.7
×:ROD1≦0.6
<吐出安定性の評価>
[試験B.吐出安定性の試験]
インクの吐出安定性は、下記の方法及び基準で評価した。先ず、上記インクジェットプリンタにより、インクK1を用いて、普通紙上に1,000枚の連続記録を行った。この1,000枚連続記録後に、先の「光沢用紙での耐擦過性評価」で述べたと同様の方法でインクジェット写真用紙に印字物を作製した。得られた印字物について、前述した試験前後の光学濃度の評価の試験A.と同様の方法にて光学濃度の測定を行い、得られた光学濃度をOD3とした。そして、この値と、吐出耐久性試験前に形成した印字物について同様の方法で測定した光学濃度OD1とから、下記式で示されるROD2を求めた。そして、これらの値を用いて下記の基準で評価した。得られた結果を表1に示す。
ROD2=OD3/OD1
(評価基準)
◎:ROD2>0.9
○:0.8<ROD2≦0.9
△:0.6<ROD2≦0.8
×:ROD2≦0.6
<保存安定性試験>
[試験C.60℃保存前後の平均粒子径測定]
インクの保存安定性は、下記の方法及び基準で評価した。インクK1を密閉容器に入れ60℃の恒温槽に24時間放置して保存後のインクを得た。そして、保存試験前後におけるインク中の平均粒子径をそれぞれ粒度分布測定装置(大塚電子製のFPAR−1000)により測定した。そして、得られた平均粒子径PD1(試験前)、PD2(試験後)の比、RPD=PD2/PD1を求め、かかる値を用いて下記の基準で保存安定性を評価した。得られた結果を下記表1に示す。
(評価基準)
◎:0.9<RPD≦1.2
○:0.8<RPD≦0.9或いは1.2<RPD≦1.4
△:0.7<RPD≦0.8或いは1.4<RPD≦1.8
×:RPD≦0.7或いは1.8<RPD
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK1は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても非常に優れたインクであった。
[実施例2]
本実施例では、単量体A、B及びC成分が共重合されたランダムコポリマーを含んでなる顔料インクについて述べる。
<樹脂A2の作製>
樹脂A2の原料には、単量体Aとしてパラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート43部、単量体BとしてNKエステル M−230G(新中村化学工業社製)51部、単量体Cとしてアクリル酸6部を用いた。また、ラジカル重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル4部を用いた。これらの単量体A、B及びCと、重合開始剤の混合物を、1−メトキシ−2−プロパノール500部中に滴下してラジカル重合を行った。このとき、重合温度を110℃とし、N2還流下で滴下時間は3時間とした。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して樹脂A2を得た。樹脂A2は、単量体A、B及びC成分が共重合された直鎖型ランダムポリマーである。得られた樹脂A2のポリスチレン換算重量平均分子量は7,800であり、酸価は47mgKOH/gであった。更に、樹脂A2における単量体Aと単量体Bとの組成比は(単量体A):(単量体B)=0.84:1である。
<顔料分散液k2の作製>
市販の高分子分散樹脂を含む下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に実施例1で使用したと同様のカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)15部を加え、その後は、実施例1に記載の方法により顔料分散液k2を作製した。
(顔料分散液k2の組成)
・ジョンクリル678(ジョンソンポリマー製) 5部
・水酸化カリウム 1部
・イソプロピルアルコール 10部
・イオン交換水 69部
<ブラックインクK2の作製>
先に調製した分散液k2を使用し、下記の組成比を有する成分を混合してブラックインクK2を作製した。
(ブラックインクK2の組成)
・顔料分散液k2(顔料濃度として3部) 20部
・樹脂A2 3部
・グリセリン 10部
・エチレングリコール 5部
・N−メチルピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
・イオン交換水 56部
[評価]
実施例1の評価方法及び評価基準に従って、ブラックインクK2を評価した。そして、評価結果を下記表2に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK2は、ブラックインクK1と比べると若干劣るものの、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。
[実施例3]
本実施例では、単量体A、B及びC成分が共重合されたランダムコポリマーを顔料分散樹脂として用いた顔料インクについて述べる。
<分散樹脂A3の作製>
分散樹脂A3の原料には、単量体Aとして2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート44部、単量体BとしてNKエステル AM−130G(新中村化学工業製)50部、単量体Cとしてアクリル酸6部を用いた。また、ラジカル重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル4部を用いた。そして、これらを用いた以外は、実施例2に記載の樹脂A2の作製方法と同様にして分散樹脂A3を作製した。分散樹脂A3は、単量体A、B及びC成分が共重合された直鎖型ランダムコポリマーである。得られた分散樹脂A3のポリスチレン換算重量平均分子量は10,200であり、酸価は48mgKOH/gであった。更に、単量体Aと単量体Bの組成比は(単量体A):(単量体B)=0.88:1である。
<顔料分散液k3の作製>
実施例1の顔料分散液k1の作製で使用した分散樹脂A1を、上記で作製した分散樹脂A3とした以外は実施例1と同様の方法で、顔料分散液k3を作製した。
<ブラックインクK3の作製>
実施例1で行ったブラックインクK1の作製で使用した顔料分散液k1を顔料分散液k3とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK3を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK3の評価を、実施例1で行った評価方法と評価基準に従って評価した。その評価結果を表3に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK3は、ブラックインクK1と比べると若干劣るものの、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。
[実施例4]
本実施例では、疎水性セグメントと親水性セグメントとを有するブロックコポリマーを、顔料の分散樹脂として用いた場合について述べる。
<分散樹脂A4の作製>
(疎水性セグメントb4の作製)
疎水性セグメントb4の原料には、単量体Aとして2−フェノキシエチルアクリレート44部を用いた。これに、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを1部、連鎖移動剤としてα−(メチルトリチオカーボネート)−S−フェニル酢酸を0.2部混合し、下記のようにして合成を行った。上記の原料混合物をアルゴンガス気流下で脱気して、70℃のオイルバス中で20時間重合を行った。これにより分散樹脂A4の疎水性セグメントb4が作製された。得られた疎水性セグメントb4のポリスチレン換算重量平均分子量は、2,600であった。
(分散樹脂A4の作製)
分散樹脂A4の原料には、上記で作製した疎水性セグメントb4を44部、親水性ブロックを形成する単量体BとしてブレンマーAE−400(商品名、日本油脂製)を50部、親水性ブロックを形成する単量体Cとしてアクリル酸を6部用いた。そして、これらの混合原料と、ラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.4部とをN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解し、アルゴン気流下で70℃のオイルバス中で20時間反応させた。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A4を得た。得られた分散樹脂A4は、疎水性セグメントに単量体A成分を、親水性セグメントに単量体B及びC成分が共重合されたブロックコポリマーである。得られた分散樹脂A4のポリスチレン換算重量平均分子量は6,400であり、酸価は47mgKOH/gであった。更に、分散樹脂A4における単量体Aと単量体Bとの組成比は(単量体A):(単量体B)=0.88:1である。
<顔料分散液k4の作製>
実施例1の顔料分散液k1の作製で使用した分散樹脂A1を、上記で作製した分散樹脂A4とした以外は実施例1と同様の方法で、顔料分散液k4を作製した。
<ブラックインクK4の作製>
実施例1のブラックインクK1の作製における顔料分散液k1を、上記で作製した顔料分散液k4とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK4を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK4の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表4に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK4は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。特に、画像の耐擦過性については、ブラックインクK1と同レベルの優れたインクであった。
[実施例5]
本実施例では、疎水性セグメントと親水性セグメントを有するブロックコポリマーであって、親水性セグメントを構成する単量体の中で、単量体Cが8割以上を占める顔料分散樹脂を用いた場合について述べる。
<分散樹脂A5の作製>
(親水性セグメントc5の作製)
親水性セグメントの原料には、単量体BとしてNKエステル M−230G(商品名、新中村化学工業製)10部と、単量体Cとしてアクリル酸40部とを用いた。また、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを1部、連鎖移動剤としてα−(メチルトリチオカーボネート)−S−フェニル酢酸を0.2部用いた。以下の反応条件は、実施例4で行った疎水性セグメントの作製に従った。これにより分散樹脂A5の親水性セグメントc5が作製された。得られた親水性セグメントc5のポリスチレン換算重量平均分子量は3,200であった。この時、親水性セグメント中における単量体Cの構成比率は質量比で80%である。
(分散樹脂A5の作製)
分散樹脂A5の原料には、上記で作製した親水性セグメントc5を50部と、疎水性セグメントを形成する単量体Aとして2−フェノキシエチルアクリレート50部とを用いた。これらと、ラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.4部とをN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解し、アルゴン気流下で70℃のオイルバス中で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A5を得た。分散樹脂A5は、疎水性セグメントに単量体Aが、親水性セグメントに単量体B及びC成分が共重合されたブロックコポリマーである。得られた分散樹脂A5のポリスチレン換算重量平均分子量は7,400で、酸価は312mgKOH/gであった。更に、分散樹脂A5における単量体Aと単量体Bとの組成比は(単量体A):(単量体B)=5:1である。
<顔料分散液k5の作製>
先ず、上記で調製した分散樹脂A5を含む下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に実施例1で使用したと同様のカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)15部を加え、以下、実施例1に記載の方法と同様にして顔料分散液k5を作製した。
(顔料分散液k5の組成)
・分散樹脂A5 15部
・水酸化カリウム 5部
・イソプロピルアルコール 10部
・イオン交換水 55部
<ブラックインクK5の作製>
実施例1のブラックインクK1の作製における顔料分散液k1を、上記で作製した顔料分散液k5とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK5を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK5の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表5に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK5は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。特に、インクの吐出安定性については、ブラックインクK1と同レベルの優れたインクであった。
[実施例6]
本実施例では、疎水性セグメントと親水性セグメントとを有するブロックコポリマーで、疎水性セグメントが、単量体A及びBから構成されている分散樹脂を用いた場合について述べる。
<分散樹脂A6の作製>
(疎水性セグメントb6の作製)
疎水性セグメントの原料に、単量体Aとして、2−フェノキシジエチレングリコールアクリレート44部、単量体BとしてNKエステル M−230G(新中村化学工業製)50部を用いた。また、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを1部、連鎖移動剤としてα−(メチルトリチオカーボネート)−S−フェニル酢酸を0.2部用いた。以下の反応条件は、実施例4で行った疎水性セグメントの作製に従った。これにより分散樹脂A6の疎水性セグメントb6が作製された。得られた疎水性セグメントb6のポリスチレン換算重量平均分子量は5,800であった。
(分散樹脂A6の作製)
分散樹脂A6の原料には、上記で作製した疎水性セグメントb6を94部、親水性セグメントを形成する単量体Cとしてアクリル酸を6部用いた。これらと、ラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.4部とを、N,N−ジメチルホルムアミド中に溶解し、アルゴン気流下で70℃のオイルバス中で30時間反応させた。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A6を得た。分散樹脂A6は、疎水性セグメントに単量体A及びBが、親水性セグメントに単量体C成分が共重合されたブロックコポリマーである。得られた分散樹脂A6のポリスチレン換算重量平均分子量は8,400で、酸価は43mgKOH/gであった。更に、分散樹脂A6における単量体Aと単量体Bとの組成比は(単量体A):(単量体B)=0.88:1である。また、親水性セグメントにおける単量体C成分の構成比率は質量比で100%である。
<顔料分散液k6の作製>
実施例1の顔料分散液k1の作製で使用した分散樹脂A1を、上記で作製した分散樹脂A6とした以外は実施例1と同様の方法で、顔料分散液k6を作製した。
<ブラックインクK6の作製>
実施例1のブラックインクK1の作製における顔料分散液k1を、上記で作製した顔料分散液k6とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK6を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK6の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表6に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK6は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。特に、インクの吐出安定性については、ブラックインクK1と同レベルの優れたインクであった。
[実施例7]
本実施例では、疎水性セグメントと親水性セグメントとを有するブロックコポリマーで、疎水性セグメントが、単量体A、B及びCから構成されている顔料分散樹脂を用いた場合について述べる。
<分散樹脂A7の作製>
(親水性セグメントc7の作製)
親水性セグメントc7の原料には、単量体Cとしてアクリル酸10部を用い、ラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを1部と、連鎖移動剤としてα−(メチルトリチオカーボネート)−S−フェニル酢酸0.2部とを用いた。以下の反応条件は、実施例4で行った疎水性セグメントの作製に従った。これにより分散樹脂A7の親水性セグメントc7が作製された。得られた親水性セグメントc7のポリスチレン換算重量平均分子量は600であった。
(分散樹脂A7の作製)
分散樹脂A7の原料には、上記の親水性セグメントc7を10部と、疎水性セグメントを形成する単量体Aとしてベンジルアクリレートを60部、単量体BとしてNKエステル M−90G(新中村化学工業製)を20部、単量体Cとしてアクリル酸を10部用いた。これらと、ラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.4部とをN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解し、アルゴン気流下で70℃のオイルバス中で13時間反応させた。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A7を得た。この分散樹脂A7は、疎水性セグメントに単量体A、B及びCが、親水性セグメントに単量体C成分が共重合されてなるブロックコポリマーである。得られた分散樹脂A7のポリスチレン換算重量平均分子量は7,400であり、酸価は156mgKOH/gであった。更に、分散樹脂A7における単量体Aと単量体Bとの組成比は(単量体A):(単量体B)=3:1である。また、疎水性セグメントにおける、単量体Aと単量体Cとの組成比は、(単量体A):(単量体C)=6:1である。また、親水性セグメントにおける単量体C成分の構成比率は質量比で100%である。
<顔料分散液k7の作製>
先ず、上記で調製した分散樹脂A7を含む下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に実施例1で使用したと同様のカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)15部を加え、以下実施例1に記載の方法と同様にして顔料分散液k7を作製した。
(顔料分散液k7の組成)
・分散樹脂A7 15部
・水酸化カリウム 3部
・イソプロピルアルコール 10部
・イオン交換水 57部
<ブラックインクK7の作製>
実施例1のブラックインクK1の作製における顔料分散液k1を、上記で作製した顔料分散液k7とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK7を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK7の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表7に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK7は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。特に、インクの吐出安定性及び保存安定性については、ブラックインクK1と同レベルの優れたインクであった。
[実施例8]
本実施例では、主鎖が疎水性セグメントと側鎖が親水性セグメントを有するグラフトコポリマーを顔料分散樹脂に用いた場合について述べる。
<分散樹脂A8の作製>
(親水性セグメントc8の作製)
分散樹脂A8の側鎖ユニットを構成する親水性セグメントc8の原料には、単量体Cであるアクリル酸8部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート2部とを用いた。また、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを1部と、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.2部用いた。そして、これらを用いて、1−メトキシ−2−プロパノール300部中で、重合温度を110℃にてN2還流下にて3時間かけて、上記原料を滴下しながら、ラジカル重合を行った。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して、親水性セグメントc8を得た。このとき、分散樹脂A8の側鎖ユニットとなる親水性セグメントc8の重量平均分子量は、600であった。
(分散樹脂A8の作製)
先ず、上記で得た親水性セグメントc8を10部用い、これを1−メトキシ−2−プロパノール300部中に予め溶解し、一方、以下に挙げる主鎖ユニットを構成する単量体と、重合開始剤とを混合した。主鎖ユニットを構成する単量体には、単量体Aである2−フェノキシジエチレングリコールアクリレート40部、単量体BであるブレンマーAE−400(日本油脂製)50部を用いた。また、ラジカル重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル1部を用いた。次に、上記単量体と重合開始剤との混合物を、親水性セグメントc8を溶解した前記1−メトキシ−2−プロパノール中に滴下して、ラジカル重合を行った。このとき、重合温度を110℃とし、N2還流下で、滴下時間は3時間とした。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、これを室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A8を得た。得られた分散樹脂A8は、主鎖ユニットが疎水性セグメントであり、側鎖ユニットが親水性セグメントc8である構造を有するグラフトコポリマーである。得られた分散樹脂A8の重量平均分子量は7,800であり、酸価は62mgKOH/gであった。更に、疎水性セグメントにおける単量体A:単量体Bの組成比は(単量体A):(単量体B)=0.8:1である。また、親水性セグメントにおける単量体C成分の構成比率は質量比で80%である。
<顔料分散液k8の作製>
先ず、上記で調製した分散樹脂A8を含む下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に実施例1で使用したと同様のカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)15部を加え、以下実施例1に記載の方法と同様にして顔料分散液k8を作製した。
(顔料分散液k8の組成)
・分散樹脂A8 15部
・水酸化カリウム 1部
・イソプロピルアルコール 10部
・イオン交換水 59部
<ブラックインクK8の作製>
実施例1のブラックインクK1の作製における顔料分散液k1を、上記で作製した顔料分散液k8とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK8を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK8の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表8に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK8は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。特に、インクの吐出安定性については、ブラックインクK1と同レベルの優れたインクであった。
[実施例9〜14]
実施例9〜14では、グラフトコポリマーの主鎖ユニットを構成する疎水性セグメントの単量体Aと単量体Bとの組成比率を異ならせた分散樹脂A9〜A14をそれぞれ用いた場合について述べる。表9は、実施例9〜14で使用した各顔料分散樹脂の主鎖ユニットを作製する場合に使用した、単量体Aと単量体Bとの組成比である。
<分散樹脂A9〜A14の作製>
(親水性セグメントc9の作製)
分散樹脂A9〜A14の側鎖ユニットを構成する親水性セグメントc9の原料には、単量体Cであるアクリル酸25部を用いた。また、連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマーを1部と、ラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを0.2部とを用いた。そして、1−メトキシ−2−プロパノール300部中で、重合温度を110℃にて、N2還流下で3時間かけて、上記混合原料を滴下しながら、ラジカル重合を行った。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、これを室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して、親水性セグメントc9を得た。このとき、親水性セグメントc9の重量平均分子量は、530であった。
(分散樹脂A9〜A14の作製)
上記で得た側鎖ユニットを構成する親水性セグメントc9を使用して、下記のようにして分散樹脂A9〜A14を調製した。上記親水性セグメントc9を25部、1−メトキシ−2−プロパノール300部中に予め溶解した。これに、下記のようにして主鎖ユニットを構成する単量体A及びBと、重合開始剤とを混合してラジカル重合を行った。主鎖ユニットを構成する単量体には、単量体Aである2−フェノキシジエチレングリコールアクリレートと、単量体BであるブレンマーAE−400(商品名、日本油脂製)とを用いたが、これらを表9に示した混合量でそれぞれ使用した。また、ラジカル重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリルを1部用いた。
Figure 2008019431
それぞれ、表9に示した量の単量体A及びBと、重合開始剤との混合物を、親水性セグメントc9を溶解した前記した1−メトキシ−2−プロパノール中に滴下してラジカル重合を行った。このとき、重合温度を110℃とし、N2還流下で滴下時間は3時間とした。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A9〜A14をそれぞれ得た。分散樹脂A9〜A14は何れも、主鎖ユニットが疎水性セグメントであり、側鎖ユニットが親水性セグメントc9である構造を有するグラフトコポリマーである。
表10に、上記で得られた各分散樹脂A9〜A14の疎水性セグメントにおける単量体Aと単量体Bとの組成比、重量平均分子量、酸価を示す。また、各分散樹脂A9〜A14の親水性セグメントにおける単量体C成分の構成比率は質量比で100%である。
Figure 2008019431
<顔料分散液k9〜k14の作製>
先ず、上記で調製した分散樹脂A9〜A14の何れかを含む下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に実施例1で使用したと同様のカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)15部を加え、以下実施例1に記載の方法と同様にして顔料分散液k9〜k14を作製した。
(顔料分散液k9〜k14の組成)
・分散樹脂(A9〜A14の何れか) 15部
・水酸化カリウム 3部
・イソプロピルアルコール 10部
・イオン交換水 57部
<ブラックインクK9〜K14の作製>
実施例1のブラックインクK1の作製における顔料分散液k1を、それぞれ上記で作製した顔料分散液k9〜k14とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK9〜K14を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK9〜K14の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表11に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK9〜K14は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。特に、ブラックインクK11〜K13は、何れの項目についてもブラックインクK1と同レベルの優れたインクであった。
[実施例15〜19]
実施例15〜19では、グラフトコポリマーの主鎖ユニットを構成する疎水性セグメントの単量体A、単量体B及び単量体Cとの組成比率を異ならせた顔料分散樹脂A15〜A19をそれぞれ用いた場合について述べる。表12は、実施例15〜19で使用した各顔料分散樹脂の主鎖ユニットを作製する場合に使用した、単量体A、単量体B及び単量体Cとの組成比である。
<分散樹脂A15〜A19の作製>
(親水性セグメントc10の作製)
分散樹脂A15〜A19の側鎖ユニットを構成する親水性セグメントc10の原料には、単量体Cであるアクリル酸を20部用いた。また、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを1部と、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.2部用いた。そして、1−メトキシ−2−プロパノール300部中で、重合温度を110℃にて、N2還流下で3時間かけて、上記混合原料を滴下しながら、ラジカル重合を行った。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、これを室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して、親水性セグメントc10を得た。このとき、親水性セグメントc10の重量平均分子量は、500であった。
(分散樹脂A15〜A19の作製)
上記で得た側鎖ユニットを構成する親水性セグメントc10を使用して、下記のようにして分散樹脂A15〜A19を調製した。上記親水性セグメントc10を20部、1−メトキシ−2−プロパノール300部中に予め溶解した。これに、下記のようにして主鎖ユニットを構成する単量体A、B及びCと、重合開始剤とを混合してラジカル重合を行った。主鎖ユニットを構成する単量体には、単量体Aである2−フェノキシジエチレングリコールアクリレートと、単量体BであるブレンマーAE−400(商品名、日本油脂製)と、単量体Cのアクリル酸とを用いた。そして、これらを表12に示した混合量でそれぞれ使用した。また、ラジカル重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリルを1部用いた。
Figure 2008019431
それぞれ、表12に示した量の単量体A、B及びCと、重合開始剤との混合物を、親水性セグメントc10を溶解した前記した1−メトキシ−2−プロパノール中に滴下してラジカル重合を行った。このとき、重合温度を110℃とし、N2還流下で滴下時間は3時間とした。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A15〜A19をそれぞれ得た。分散樹脂A15〜A19は何れも、主鎖ユニットが疎水性セグメントであり、側鎖ユニットが親水性セグメントc10である構造を有するグラフトコポリマーである。
表13に、上記で得られた各分散樹脂A15〜A19の疎水性セグメントにおける単量体Aと単量体Bとの組成比、疎水性セグメントにおける単量体Aと単量体Cとの組成比、重量平均分子量、酸価を示す。また、各分散樹脂A15〜A19の親水性セグメントにおける単量体C成分の構成比率は質量比で100%である。
Figure 2008019431
<顔料分散液k15〜k19の作製>
先ず、上記で調製した分散樹脂A15〜A19の何れかを含む下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に実施例1で使用したと同様のカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)15部を加え、以下実施例1に記載の方法と同様にして顔料分散液k15〜k19を作製した。
(顔料分散液k15〜k19の組成)
・分散樹脂(A15〜A19の何れか) 15部
・水酸化カリウム 3部
・イソプロピルアルコール 10部
・イオン交換水 57部
<ブラックインクK15〜K19の作製>
実施例1のブラックインクK1の作製における顔料分散液k1を、それぞれ上記で作製した顔料分散液k15〜k19とした以外は実施例1と同様の組成及び方法で、ブラックインクK15〜K19を作製した。
[評価]
上記で作製したブラックインクK15〜K19の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表14に示す。
Figure 2008019431
上記したように、ブラックインクK15〜K19は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても優れたインクであった。特に、ブラックインクK16〜K18は、何れの項目についてもブラックインクK1と同レベルの優れたインクであった。
[比較例1]
本比較例では、顔料インクに単量体A、B及びCが共重合されてなるポリマーを含まず、下記の単量体A及びCが共重合されてなる樹脂A20を含有する場合について述べる。
<樹脂A20の作製>
樹脂A20の原料である単量体には、2−フェノキシジエチレングリコールメタクリレートを60部、アクリル酸を30部及びn−ブチルメタクリレートを10部用いた。そして、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを1部用いた。上記の単量体とラジカル重合開始剤との混合物を、1−メトキシ−2−プロパノール300部中に滴下してラジカル重合を行った。このとき、重合温度は110℃とし、N2還流下で滴下時間は3時間とした。滴下が終了した後、更に3時間110℃に保ち重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して樹脂A20を得た。樹脂A20は、ランダムコポリマーである。得られた樹脂A20の重量平均分子量は6,200であり、酸価は200mgKOH/gであった。
<ブラックインクK20の作製>
実施例2で作製した市販の高分子分散樹脂を分散剤とする顔料分散液k2と、上記で得た樹脂A20を含む下記の組成比を有する成分を混合して、常法に従ってブラックインクK20を作製した。
・顔料分散液k2(顔料濃度として3部) 20部
・樹脂A20 3部
・グリセリン 10部
・エチレングリコール 5部
・N−メチルピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
・イオン交換水 56部
[評価]
上記で作製したブラックインクK20の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表15に示す。
Figure 2008019431
上記のように、比較例1のブラックインクK20は、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れの特性も、満足できるものではなかった。
[比較例2]
本比較例では、顔料インクに、樹脂微粒子(樹脂エマルジョン)を含んでいる従来のインクの場合について述べる。
<ブラックインクK21の作製>
実施例2で作製した市販の高分子分散樹脂を分散剤とする顔料分散液k2と、樹脂微粒子とを使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、常法に従ってブラックインクK21とした。
・顔料分散液k2(顔料濃度として3部) 20部
・樹脂微粒子 ジョンクリル7600(製品名) 3部
・グリセリン 10部
・エチレングリコール 5部
・N−メチルピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
・イオン交換水 56部
[評価]
上記で作製したブラックインクK21の評価を、実施例1に示した評価方法と評価基準に従って評価した。そして、評価結果を下記表16に示す。
Figure 2008019431
上記のように、比較例2のブラックインクK21は、画像の耐擦過性についてはブラックインクK20と比べると向上したものの、画像の耐擦過性、インクの吐出安定性及び保存安定性の何れの特性も満足なものではなかった。
インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 インクカートリッジの縦断面図である。 記録ユニットの斜視図である。 液体吐出ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの一例を示す概略斜視図である。

Claims (8)

  1. 顔料、水溶性溶剤、水及びコポリマーを含有してなるインクジェット用顔料インクにおいて、該コポリマーが、下記の単量体A、単量体B及び単量体Cを共重合することによって得られたものであることを特徴とするインクジェット用顔料インク。
    単量体A:芳香族アクリレート
    単量体B:重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート
    単量体C:アクリル酸
  2. 前記コポリマーが、顔料分散樹脂として含有されている請求項1に記載のインクジェット用顔料インク。
  3. 前記コポリマーが、親水性単量体が重合されることにより形成される親水性セグメントと、疎水性単量体が重合されることにより構成される疎水性セグメントとを有する、ブロックコポリマー或いはグラフトコポリマーである請求項1又は2に記載のインクジェット用顔料インク。
  4. 前記疎水性セグメントを形成するための単量体が、下記単量体Aと下記単量体Bとを含む請求項3に記載のインクジェット用顔料インク。
    単量体A:芳香族アクリレート
    単量体B:重合度5以上のエチレンオキサイドが付加された(メタ)アクリレート
  5. 前記疎水性セグメントを形成するための単量体が、更に、下記単量体Cを含む請求項4に記載のインクジェット用顔料インク。
    単量体C:アクリル酸
  6. 前記コポリマーが、疎水性セグメントを主鎖ユニットとして有し、親水性セグメントを側鎖ユニットとして有するグラフトコポリマーである請求項3乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
  7. 前記コポリマーの酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
  8. 前記単量体Aが、ベンジルアクリレートである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
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