JP2008019357A - 多官能エポキシ化合物、その製造方法、及びそれを含有するエポキシ樹脂用組成物 - Google Patents

多官能エポキシ化合物、その製造方法、及びそれを含有するエポキシ樹脂用組成物 Download PDF

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和弘 長山
Jun Takahara
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Abstract

【課題】無色透明で耐熱性、密着性、靭性に優れた硬化物が得られ、且つ、硬化前のエポキシ樹脂用組成物が結晶化或いは相分離等を起こさずに長期保存が可能なエポキシ樹脂用組成物を与える多官能エポキシ化合物、その製造方法、及びそれを含有するエポキシ樹脂用組成物を提供する。
【解決手段】5〜6員環の飽和脂環式基を少なくとも介して末端にエポキシ基を有する置換基を2個以上有するイソシアヌレートからなる多官能エポキシ化合物、及び、ジイソシアネート類の三量体を原料とする該多官能エポキシ化合物の製造方法、並びに、該多官能エポキシ化合物を、それ以外のエポキシ化合物100重量部に対して、10〜500重量部含有してなるエポキシ樹脂用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光半導体封止用エポキシ樹脂に好適に用いられる多官能エポキシ化合物、その製造方法、及びそれを含有するエポキシ樹脂用組成物に関する。詳しくは、他のエポキシ化合物、特に水素化芳香族エポキシ化合物に対する溶解性に優れ、エポキシ樹脂用組成物として優れた保存安定性を与える多官能エポキシ化合物、その製造方法、及びそれを含有するエポキシ樹脂用組成物に関する。
エポキシ樹脂は、優れた耐熱性、接着性、耐湿性、電気的特性、及び機械的特性を有することから、光半導体(以下、「LED」と略称する。)の封止材として広く使用されている。しかし、近年実用化されてきている、青色から近紫外域の短波長域の発光波長を有する窒化物系LEDを、従来のビスフェノール系ジグリシジルエーテルやフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂により封止した場合には、エポキシ樹脂の芳香環が短波長光を吸収することにより黄変し、LEDの発光強度が著しく低下する問題を生じる。そのため、このようなLEDを封止する樹脂として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのような環状オレフィン化合物を酸化することにより合成される脂環式エポキシ化合物の硬化物が提案されている。しかし、脂環式エポキシ化合物の硬化物としてのエポキシ樹脂は一般に脆く、ヒートサイクルによって内部応力によるクラックの発生が顕著であるため、LED封止材としての長期信頼性に欠けるものである。
これに対して、ビスフェノールA型エポキシ化合物を水素添加して芳香環を脂環式環とした水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物も開発されているものの、その硬化物としてのエポキシ樹脂は、脆さは改善されるが、ガラス転移温度が低下するために耐熱着色性に劣り黄変しやすいという欠点を有する。
更に、イソシアヌレート環含有多官能エポキシ化合物を水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物に配合する方法が提案されている(特許文献1参照。)。しかし、そのイソシアヌレート環含有多官能エポキシ化合物としてのトリグリシジルイソシアヌレートは、常温で固体であり、更に水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物に対する溶解性が悪く、一旦高温で均一に溶解させても、室温付近まで冷却するとトリグリシジルイソシアヌレートが結晶化して沈殿するため、エポキシ樹脂用組成物としての長期保存性がなく、従って、このような組成物を使用するに当たっては、加熱により再溶解し均一化する工程を要するという実用上の問題がある上、使用毎にエポキシ樹脂用組成物に対して熱履歴を与えることになるため劣化し、得られる硬化物としてのエポキシ樹脂の物性が次第に低下するという問題もあった。
特開2005−306952号公報
本発明は、前記従来技術の現状に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、無色透明で耐熱性、密着性、靭性に優れた硬化物が得られ、且つ、硬化前のエポキシ樹脂用組成物が結晶化或いは相分離等を起こさずに長期保存が可能なエポキシ樹脂用組成物を与える多官能エポキシ化合物、その製造方法、及びそれを含有するエポキシ樹脂用組成物を提供することを目的とする。
本発明は、5〜6員環の飽和脂環式基を少なくとも介して末端にエポキシ基を有する置換基を2個以上有するイソシアヌレートからなる多官能エポキシ化合物、及び、ジイソシアネート類の三量体を原料とする該多官能エポキシ化合物の製造方法、並びに、該多官能エポキシ化合物を、それ以外のエポキシ化合物100質量部に対して、10〜500質量部含有してなるエポキシ樹脂用組成物、を要旨とする。
本発明によれば、無色透明で耐熱性、密着性、靭性に優れた硬化物が得られ、且つ、硬化前のエポキシ樹脂用組成物が結晶化或いは相分離等を起こさずに長期保存が可能なエポキシ樹脂用組成物を与える多官能エポキシ化合物、その製造方法、及びそれを含有するエポキシ樹脂用組成物を提供することができる。そして、得られる硬化物としてのエポキシ樹脂は、青色から近紫外域の短波長域の発光波長を有するLEDの封止材に好適に用いられる。
本発明の多官能エポキシ化合物は、5〜6員環の飽和脂環式基を少なくとも介して末端にエポキシ基を有する置換基を2個以上有するイソシアヌレートからなる。
本発明において、前記多官能エポキシ化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物であるのが好ましい。
Figure 2008019357
〔式(1)中、R1 、R2 、及びR3 は、その全てが下記一般式(1a)で表される基であるか、又は、R1 、R2 、及びR3 のうちの2つが下記一般式(1a)で表される基であり、残りの1つが、アルキル基、エポキシアルキル基、置換されていてもよいヒドロキシ基を有するジヒドロキシアルキル基、若しくは水素原子である。
Figure 2008019357
(式(1a)中、pは0又は1、qは4又は5、rは1〜4の整数であり、R4 は下記一般式(1b)で表される基であり、R4 が複数あるときの他のR4 は各々独立して、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、複素環基、ヒドロキシ基、又は水素原子であってもよい。)
Figure 2008019357
(式(1b)中、sは0又は1、tは0又は1であり、R5 は水素原子、又はメチル基である。)〕
ここで、前記一般式(1)におけるR1 、R2 、及びR3 の前記一般式(1a)で表される基以外のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキル基が、又、エポキシアルキル基としては、2,3−エポキシプロピル基、2−メチル−2,3−エポキシプロピル基等が、又、ヒドロキシアルキル基としては、2,3−ジヒドロキシプロピル基等が、それぞれ挙げられる。
又、前記一般式(1a)におけるR4 の前記一般式(1b)で表される基以外のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜5の直鎖或いは分岐状のアルキル基が、又、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基が、又、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基等の炭素数1〜5のアシル基が、又、アルキルカルボニルオキシ基としては、アセトオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数1〜5のアルキルカルボニルオキシ基が、又、複素環基としては、ピリジル基、フリル基等が、それぞれ挙げられる。
本発明においては、前記一般式(1)において、R1 、R2 、及びR3 の全てが前記一般式(1a)で表される基であり、且つ、その前記一般式(1a)において、pが1であり、qが5であり、rが1〜4で、そのR4 の1つが前記一般式(1b)で表される基で、rが2以上である場合の他のR4 がアルキル基、更にはメチル基であり、且つ、その前記一般式(1b)において、sが0であり、tが0又は1であり、R5 が水素原子である化合物が好ましく、下記式(2)又は(3)で表される化合物が好ましく、下記式(2)で表される化合物が特に好ましい。尚、下記一般式(2)において、異なる化学的環境にある二つのイソシアネート基を含む化合物を三量化してイソシアヌレート環を形成させた場合には、イソシアヌレート環に含まれるイソシアネート基の違いに由来する構造異性体も同時に含まれることがあるが、この構造異性体の存在は本発明における効果には本質的に影響しない。
Figure 2008019357
本発明の前記多官能エポキシ化合物は、公知の反応を利用することにより、様々な方法で合成することが可能である。代表的な合成方法としては、(i) 下記式に示すように、脂環式基を含むジイソシアネート類を三量化した後に、C=C結合の酸化或いはグリシドールやエピクロロヒドリンの付加反応等によりエポキシ基を付加する方法、(ii)下記式に示すように、芳香族イソシアネート類を三量化した後に、芳香環の水素化とエポキシ基の付加を行う方法、(iii) イソシアヌル酸に、脂環式環を付加後にエポキシ基を付加するか、又はエポキシ基含有脂環式化合物を付加させる方法、(iv)トリグリシジルイソシアヌレートに、シクロヘキサノール環状化合物を付加反応させる方法、(v) 塩化シアヌルを原料として合成する方法、等がある。
Figure 2008019357
ここで、イソシアネート類の三量化やイソシアヌル酸、塩化シアヌルを用いる反応については、例えば、「Comprehensive Heterocyclic Chemistry,Vol.3,Part 2B,“2.20 1,3,5−Triazines” P.457−530,Pergamon Press(1984)」を、又、C=C結合のエポキシ化については、例えば、「日本化学会編、第5版実験化学講座、第17巻酸化反応(2005)」を、又、芳香環の水素化については、例えば、「西村重夫、高木弦著、接触水素化反応−有機合成への応用、東京化学同人(1987)」を、又、グリシドールやエピクロロヒドリンの付加反応については、例えば、「総説エポキシ樹脂、エポキシ樹脂技術協会(2003)」、及び、「ポリウレタン応用技術、シーエムシー出版(1993)」を、それぞれ参考にできる。更に、前記(i) から(v) に示す合成方法の中間化合物に相当する物質が市販されている場合、例えば、イソホロンジイソシアネートの三量体を主に含むようなデグサ社の「Vestanat T1890/100」等は、それを用いて製造してもよい。
本発明の前記多官能エポキシ化合物は、単独でもLED封止用エポキシ樹脂用組成物として使用可能であるが、エポキシ樹脂用組成物としての液状物の粘度を下げて取扱性を向上させたり、更にエポキシ樹脂硬化物としての接着性や吸湿性等の各種物性を調節する等の目的で、他のエポキシ化合物と混合したエポキシ樹脂用組成物として使用するのが好ましい。
その際の、本発明の前記多官能エポキシ化合物以外の、他のエポキシ化合物としては、特に制限はないが、短波長のLED封止材用途としての観点から、ベンゼン環のような芳香族基を含まないエポキシ化合物が好適であり、例えば、水素化芳香族エポキシ化合物や、脂環式オレフィンをエポキシ化して得られる脂環式エポキシ化合物、或いは飽和脂環式基を有さないイソシアヌレート環含有エポキシ化合物が好ましい。
その水素化芳香族エポキシ化合物は、芳香族エポキシ化合物の芳香環を水素化したエポキシ化合物であり、水素化に供される芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、3、3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ化合物、4,4’−ビフェノール型エポキシ化合物のようなビフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ナフタレンジオール型エポキシ化合物、トリスフェニロールメタン型エポキシ化合物、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ化合物、及びフェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。これらの中で、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、及びビフェノール型エポキシ化合物等が、高水添率のエポキシ化合物が得られるという点でより好ましく、最も好ましくはビスフェノールA型エポキシ化合物である。
水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物は、原料のビスフェノールA型エポキシ化合物の分子量に由来して、下式に示すような分子量の異なるものが存在し、nが大きくなると化合物の粘度が高くなる。下式におけるnの値は、0〜2であるのが好ましく、0.05〜1であるのがより好ましい。
Figure 2008019357
又、脂環式エポキシ化合物の好ましい例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが挙げられ、又、飽和脂環式基を有さないイソシアヌレート環含有エポキシ化合物の好ましい例としては、トリグリシジルイソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、トリス(β−メチルグリシジル)イソシアヌレート等が挙げられ、これらの中で、トリグリシジルイソシアヌレートが特に好ましい。
本発明において、前記多官能エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂用組成物における前記多官能エポキシ化合物の含有割合は、それ以外のエポキシ化合物100質量部に対して、10〜500質量部であるのが好ましく、20〜400質量部であるのが更に好ましく、30〜300質量部であるのが特に好ましい。
本発明においては、本発明の前記多官能エポキシ化合物を、それ以外のエポキシ化合物に対して前述の範囲で含有させても、結晶を生じることなく均一系を保持できる。
尚、その際の組成物の製造は、好ましくは不活性ガス雰囲気下、室温以上180℃以下の温度でこれらのエポキシ化合物を混合撹拌するだけでよく、そのまま室温以下に冷却しても均一状態を保ったまま保存が可能である。
又、前記エポキシ樹脂用組成物には、通常、硬化剤、及び硬化促進剤が配合される。その硬化剤としては、酸無水物系の硬化剤が用いられるが、LED封止材用エポキシ樹脂用組成物における酸無水物硬化剤としては、分子中に炭素−炭素二重結合を持たない酸無水物硬化剤が好ましい。具体的には、例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、水添無水ナジック酸、水添無水メチルナジック酸、水添無水トリアルキルヘキサヒドロフタル酸、無水2, 4−ジエチルグルタル酸等が挙げられる。これらの中で、無水ヘキサヒドロフタル酸又は/及び無水メチルヘキサヒドロフタル酸が、耐熱性に優れ、無色の硬化物が得られる点で特に好ましい。尚、酸無水物硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂用組成物のエポキシ当量により異なるが、エポキシ化合物100質量部に対して、20〜200質量部の範囲内であるのが好ましい。
又、硬化促進剤としては、具体的には、例えば、第三級アミン類及びその塩類、イミダゾール類及びその塩類、有機ホスフィン化合物類、有機第四級ホスホニウム塩類、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫等の有機酸金属塩類等が挙げられる。これらの中で、有機第四級ホスホニウム塩類、有機ホスフィン化合物類が特に好ましい。尚、硬化促進剤の配合割合は、得られるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性及び耐湿性等の面から、酸無水物硬化剤100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲内であるのが好ましい。
又、前記エポキシ樹脂用組成物には、硬化時の熱による酸化劣化を防止し着色の少ない硬化物とするために、フェノール系、硫黄系、燐系等の酸化防止剤が配合されていてもよく、その酸化防止剤の配合割合は、エポキシ樹脂用組成物100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましい。
又、前記エポキシ樹脂用組成物には、硬化物の耐光性を更に向上させるために、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、サリチル酸系等の紫外線吸収剤が配合されていてもよく、その紫外線吸収剤の配合割合は、エポキシ樹脂用組成物100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましい。
更に、前記エポキシ樹脂用組成物には、必要に応じて、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ等の珪素化合物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン、ガラスビーズ等の粉末状充填剤が、エポキシ樹脂用組成物100質量部に対して100質量部以下の割合で配合されていてもよく、更に、例えば、二酸化チタン、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤、及び有機色素等の着色剤又は顔料、例えば、三酸化アンチモン、ブロム化合物、及び燐化合物等の難燃剤、イオン吸着体、カップリング剤等が、エポキシ樹脂用組成物100質量部に対して、それぞれ30質量部以下の割合で配合されていてもよく、又、例えば、脂肪族エポキシ等のエポキシ樹脂用希釈剤、ジオール又はトリオール類、ビニルエーテル類、オキセタン化合物等の硬化性モノマ−、オリゴマ−、及び、例えば、弗素樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂等の合成樹脂が、エポキシ樹脂用組成物100質量部に対して、それぞれ50質量部以下の割合で配合されていてもよい。
以上述べたエポキシ樹脂用組成物を硬化してエポキシ樹脂硬化物とするにおける硬化条件は、用いるエポキシ樹脂用組成物の種類、組成、硬化剤や硬化促進剤の種類や配合割合、前記各種添加剤の種類や配合割合等により、最適な条件は異なるが、硬化剤が酸無水物である場合には、例えば、「室井宗一、石村秀一著、新高分子文庫25入門エポキシ樹脂、高分子刊行会、84〜91頁(2002年)」に記載されているような2段階硬化が好ましい。即ち、第一段階では、80〜110℃、好ましくは85〜100℃の温度で0.5〜5時間加熱し、引き続き第二段階では、第一段階以上の温度、好ましくは110〜180℃の温度で0.5〜5時間加熱することにより硬化するのが好ましい。
本発明において、以上のエポキシ樹脂硬化物を封止材とする対象LEDとしては、例えば、「一ノ瀬昇、田中裕、島村清史編著、高輝度LED材料のはなし、日刊工業新聞社(2005)」等に述べられているような、ピーク波長が350〜550nmの比較的短波長域の発光波長を有するLEDが好適である。
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
イソホロンジイソシアネートの3量体を主に含むデグサ社製「Vestanat T1890/100」(NCO含量17.2重量%)40.0g、グリシドール(和光純薬社製)12.0g、ジブチル錫ジラウレート(東京化成社製)52mg、及び酢酸エチル(純正化学社製)50.0gを、ジムロート冷却管が接続された500ccのセパラブルフラスコに入れ、系内を窒素置換した後、80℃で5時間撹拌することにより、3つの末端NCO基をグリシジルウレタン化した。途中4時間経過時にサンプリングを行いIRスペクトルを測定したところ、NCO基に由来する2270cm-1の吸収は消失していた。その後、減圧下に酢酸エチルを留去し、更に真空ポンプで減圧しながら100℃で3時間乾燥した。47.67gの白色固体が得られた。このものは 1H−NMR及びLC−MSにより、前記式(2)で表される多官能エポキシ化合物であることが同定された。
実施例2
水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製「YX8000」)100質量部(4.2g)、及び実施例1で製造した多官能エポキシ化合物42.9質量部(1.8g)を50ccのガラス製スクリューバイアルに入れ、120℃で30分撹拌し均一溶液とした。このものを室温で24時間静置し、引き続き、−10℃で24時間静置し保存安定性を評価したが、濁りや結晶の発生は認められず、均一溶液のままであった。
実施例3〜6、比較例1
実施例2と同様にして、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学社製「TEPIC−S」)、及び実施例1で製造した多官能エポキシ化合物(但し、比較例1では用いず。)を表1に示す割合で混合、撹拌し均一溶液とした。その保存安定性を表1に示す。
尚、表1中の保存安定性は、以下の基準により評価したものである。
○;無色透明、且つ均一状態。
×;沈殿が生成するか、白濁。
Figure 2008019357
応用実施例1
実施例2で得られた均一溶液20gを約80℃で加熱混合した後、硬化剤として4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物(新日本理化社製「リカシッドMH−700」)14.6g、及び硬化促進剤としてトリブチルメチルホスホニウムジメチルホスフェート(日本化学工業社「ヒシコーリンPX−4MP」)200mgを更に加え、約80℃で加熱混合することによりエポキシ樹脂用組成物とした。ガラス板にテフロン(登録商標)コートされたポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付けたもの2枚用意し、スペーサー2mmを挟んで固定して注形用器具とした。この注形用器具に、このエポキシ樹脂用組成物を流しこみ、オーブン中で100℃で3時間、引き続き140℃で3時間加熱硬化することにより、無色透明なエポキシ樹脂硬化物が得られた。この硬化物の熱機械測定(TMA)によるガラス転移温度(Tg)は132℃であった。
応用実施例2
実施例2で得られた均一溶液20gに代えて実施例4で得られた均一溶液20gを用い、更に、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物の量を19gとした以外は、応用実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を作製した。この硬化物の熱機械測定(TMA)によるガラス転移温度(Tg)は118℃であった。
応用比較例1
実施例2で得られた均一溶液20gに代えて水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製「YX8000」)20gのみを用い、更に、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物の量を18gとした以外は、応用実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を作製した。この硬化物の熱機械測定(TMA)によるガラス転移温度(Tg)は118℃であった。

Claims (8)

  1. 5〜6員環の飽和脂環式基を少なくとも介して末端にエポキシ基を有する置換基を2個以上有するイソシアヌレートからなることを特徴とする多官能エポキシ化合物。
  2. 末端にエポキシ基を有する置換基を2個以上有するイソシアヌレートが、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の多官能エポキシ化合物。
    Figure 2008019357
    〔式(1)中、R1 、R2 、及びR3 は、その全てが下記一般式(1a)で表される基であるか、又は、R1 、R2 、及びR3 のうちの2つが下記一般式(1a)で表される基であり、残りの1つが、アルキル基、エポキシアルキル基、置換されていてもよいヒドロキシ基を有するジヒドロキシアルキル基、若しくは水素原子である。
    Figure 2008019357
    (式(1a)中、pは0又は1、qは4又は5、rは1〜4の整数であり、R4 は下記一般式(1b)で表される基であり、R4 が複数あるときの他のR4 は各々独立して、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、複素環基、ヒドロキシ基、又は水素原子であってもよい。)
    Figure 2008019357
    (式(1b)中、sは0又は1、tは0又は1であり、R5 は水素原子、又はメチル基である。)〕
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である請求項2に記載の多官能エポキシ化合物。
    Figure 2008019357
  4. ジイソシアネート類の三量体を原料とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多官能エポキシ化合物の製造方法。
  5. ジイソシアネート類がイソホロンジイソシアネートである請求項4に記載の多官能エポキシ化合物の製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多官能エポキシ化合物を、それ以外のエポキシ化合物100質量部に対して、10〜500質量部含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂用組成物。
  7. それ以外のエポキシ化合物として水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物を含む請求項6に記載のエポキシ樹脂用組成物。
  8. それ以外のエポキシ化合物としてトリグリシジルイソシアヌレートを含む請求項6又は7に記載のエポキシ樹脂用組成物。
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CN114315810A (zh) * 2020-09-29 2022-04-12 湖南云科化工有限公司 一种异氰尿酸三缩水甘油酯的纯化方法

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