JP2008019350A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Kazunori Ishikawa
和憲 石川
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Abstract

【課題】貯蔵安定性に優れ、低温で硬化することができる硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と、熱潜在性アニオン重合触媒として、50〜130℃の温度で活性化し得る、ルイス塩基の塩とを含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物は、反応性、硬化物性に優れることから、例えば、自動車や缶類の塗装分野、封止材や積層板等の電気分野、土木分野、接着分野で利用されている。
このようなエポキシ樹脂組成物について、成形性、貯蔵安定性等を改善することを目的として、エポキシ樹脂と熱潜在性硬化促進剤とを含有するものが提案されている(特許文献1〜6)。
また、エポキシ樹脂の硬化促進剤として、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7の塩が市販されている。
特開平09−110964号公報 特開2000−143759号公報 特開2001−64344号公報 特開平07−188395号公報 特開平08−92355号公報 特開平08−92356号公報
しかしながら、本発明者は、特許文献1〜6に記載されているエポキシ樹脂組成物を硬化させる際、硬化温度を高くしなければならないことを見出した。
また、本発明者は、エポキシ樹脂の硬化促進剤が常温で液状の場合組成物の貯蔵安定性が劣ることを見出した。
そこで、本発明は、貯蔵安定性に優れ、低温で硬化しうる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と、熱潜在性アニオン重合触媒として特定の温度で活性化し得る、ルイス塩基の塩とを含有する組成物が、貯蔵安定性に優れ、低温で硬化しうることを見出し、本発明を完成させたのである。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(9)を提供する。
(1)エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と、
熱潜在性アニオン重合触媒として、50〜130℃の温度で活性化し得る、ルイス塩基の塩とを含有する硬化性樹脂組成物。
(2)前記ルイス塩基が、窒素原子を有するものである上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3)前記窒素原子を有するルイス塩基が、第三級アミン類、イミダゾール類およびジアザビシクロ化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4)前記ジアザビシクロ化合物類が、1,8−ジアザビシクロウンデセン−7である上記(3)に記載の硬化性樹脂組成物。
(5)前記ルイス塩基と塩を作る酸が、芳香族カルボン酸である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(6)前記芳香族カルボン酸が、安息香酸である上記(5)に記載の硬化性樹脂組成物。
(7)前記塩の量が、前記エポキシ樹脂および/または前記エピスルフィド樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(8)前記エピスルフィド樹脂の量が、前記エポキシ樹脂および前記エピスルフィド樹脂の合計量の30質量%以上である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(9) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を、60〜140℃で加熱して硬化させることによって得られる硬化物。
本発明の硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、低温で硬化することができる。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、
エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と、
熱潜在性アニオン重合触媒として、50〜130℃の温度で活性化し得る、ルイス塩基の塩とを含有する組成物である。
エポキシ樹脂について以下に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂は、エポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。
例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型のようなビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物のような2官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;下記式(1)で表される3官能型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、3官能型、テトラフェニロールエタン型のような多官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を有するエポキシ化合物;脂環型エポキシ樹脂;東レチオコール社製のフレップ10に代表されるエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキシ樹脂;ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂;ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴム又はアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を含有するゴム変性エポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2008019350
なかでも、熱硬化性樹脂は、作業性と硬化物の耐熱性の観点から、トリグリシジル−p−アミノフェノール、式(1)で表される3官能型エポキシ樹脂が好ましい。
式(1)で表される3官能型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、MY0510(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)が挙げられる。
エピスルフィド樹脂について以下に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物に含有されるエピスルフィド樹脂は、下記式(2)で表されるエピスルフィド基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。
Figure 2008019350
エピスルフィド樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換したものが挙げられる。
なお、酸素原子から硫黄原子への置換は、エポキシ基の少なくとも1部におけるものであってもよく、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
エピスルフィド樹脂は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
エピスルフィド樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エピスルフィド樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されたもの)が挙げられる。
具体的には、例えば、下記式(3)で表される水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂が挙げられる。
式(3)で表される水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂の市販品としては、例えば、YL−7007(ジャパンエポキシレジン社製)が挙げられる。
Figure 2008019350
なかでも、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂は、硬化時の組成物の内部応力を低減することができるという観点から、60〜110℃でアニオン重合可能なものが好ましく、70〜100℃がより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、エポキシ樹脂とエピスルフィド樹脂とを併用する場合、エピスルフィド樹脂の量は、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、エポキシ樹脂およびエピスルフィド樹脂の合計量の30質量%以上であるのが好ましく、40〜80質量%であるのがより好ましい。
塩について以下に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は熱潜在性アニオン重合触媒として塩を含有し、本発明の硬化性樹脂組成物に含有される塩は、50〜130℃の温度で活性化し得る、ルイス塩基の塩である。
熱潜在性アニオン重合触媒としての塩は、50〜130℃の温度で活性化する、ルイス塩基を有するものであれば特に制限されない。
塩は加熱によって樹脂中で全てまたは一部溶解して、活性化した塩および/またはルイス塩基となる。活性化した塩および/または塩から生成したルイス塩基はエポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂のアニオン重合触媒として作用する。
塩が有するルイス塩基は、特に制限されず、例えば、窒素原子、酸素原子を含有するものが挙げられる。
なかでも、低温硬化性により優れるという観点から、窒素原子を有するものが好ましい。
窒素原子を有するルイス塩基としては、例えば、第三級アミン類、イミダゾール類、ジアザビシクロ化合物類が挙げられる。
また、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、第三級アミン類およびイミダゾール類、ジアザビシクロ化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ルイス塩基としての第三級アミン類は、特に制限されない。例えば、特に限定されず、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルアミルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、トリアリルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、4,4′−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス−モルフォリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ピコリン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリエタノールアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、テトラメチルブタンジアミン、ビス(2,2−モルフォリノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルが挙げられる。
ルイス塩基としてのイミダゾール類は、イミダゾール環を有するものであれば特に制限されない。
例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2′−メチルイミダゾール(1′))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2′−ウンデシルイミダゾール(1′))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2′−エチル,4−メチルイミダゾール(1′))エチル−s−トリアジン、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール挙げられる。
ルイス塩基としてのジアザビシクロ化合物類は、二環性複素環化合物であって、ヘテロ原子として窒素原子を2個有するものであれば特に制限されない。
例えば、1,8−ジアザビシクロウンデセン−7(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7。以下、「DBU」ということがある。)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(以下、「DBN」ということがある。)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
なかでも、塩の貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、1,8−ジアザビシクロウンデセン−7(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5が好ましく、1,8−ジアザビシクロウンデセン−7(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)がより好ましい。
本発明において、ルイス塩基は、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂をアニオン重合させうるものであるのが好ましい。
これに対して、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と重付加するルイス塩基(例えば、第一級アミン、第二級アミンのように活性水素を有するもの)を使用すると、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂が開環する際にアニオンは生成せず、ヒドロキシ基が生成する。
このように、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂をアニオン重合させうるルイス塩基を使用する場合と、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と重付加するルイス塩基を使用する場合とでは、これらの反応性および得られる硬化物の構造に違いがある。
ルイス塩基は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
塩において、ルイス塩基と塩を作る酸は、特に制限されない。
例えば、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
なかでも、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、芳香族カルボン酸が好ましい。
芳香族カルボン酸は、カルボキシ基を有する芳香族炭化水素化合物であれば特に制限されない。例えば、安息香酸;p−t−ブチル安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸のようなアルキル基を有する安息香酸;フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ヨード安息香酸、ジクロロ安息香酸、ジブロモ安息香酸のようなハロゲンを有する安息香酸;アニス酸、フェノキシ安息香酸、アセトキシ安息香酸のようなアルコキシ基またはアシルオキシ基を有する安息香酸;フタル酸、テレフタル酸、クロロフタル酸、ジクロロフタル酸のような芳香族ジカルボン酸;ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸のような縮合多環芳香族カルボン酸が挙げられる。
なかでも、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から安息香酸が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、塩は、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、ジアザビシクロ化合物類と芳香族カルボン酸との塩であるのが好ましく、DBUまたはDBNと安息香酸との塩がより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、塩は50〜130℃の温度で活性化し得る。つまり、塩は室温(5〜40℃)では、固体でありアニオン重合触媒として不活性な状態である。
塩は、50〜130℃の温度下で塩の一部または全部が樹脂中に溶解し、アニオン重合触媒として活性化する。
アニオン重合触媒は、溶解した塩および/または塩から生成したルイス塩基を含む。
塩は、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、その活性化する温度が、50〜130℃であるのが好ましく、60〜100℃であるのがより好ましい。
塩は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
塩は、その製造において特に制限されない。
例えば、ルイス塩基の当量が酸の当量以下となるようにルイス塩基と酸を混合し、必要に応じて、溶剤(例えば、メタノールのようなアルコール類)等を添加し、混合、かくはんの過程で、ルイス塩基と酸とが中和反応し塩が生成する。
ルイス塩基と酸の混合比率は、貯蔵安定性の観点から、酸としてカルボン酸を用いる場合を例にとると、COOH基と、ルイス塩基の活性水素との当量比(COOH基の当量/ルイス塩基の活性水素との当量)=0.95〜1.05とするのが好ましく、(COOH基の当量/ルイス塩基の活性水素との当量)=0.98〜1.03とするのがより好ましく、(COOH基の当量/ルイス塩基の活性水素との当量)=0.98以上1.00未満とするのが特に好ましい。
また、塩を製造する際に、ルイス塩基と酸が全量反応して塩となる必要はなく、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と混合して硬化反応を起こさない程度に、ルイス塩基が反応していればよい。従って、熱潜在性アニオン重合触媒は塩以外に未反応のルイス塩基および/または酸を含有していてもよい。
ルイス塩基の活性水素の封鎖率は、好ましくは95〜105%、より好ましくは98〜103%、さらに好ましくは98%以上100%未満である。
中和反応の後、溶剤等を減圧除去することによって塩を得ることができる。
塩の量は、貯蔵安定性、低温硬化性により優れるという観点から、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であるのが好ましく、1〜20質量部であるのがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、例えば、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤のような添加剤を含有することができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグレシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。
反応遅延剤としては、例えば、アルコール系の化合物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、例えば、エアロジル(日本エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)が挙げられる。
接着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その製造について特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と、塩と、必要に応じて使用できる添加剤とを、減圧下または不活性雰囲気下で、ボールミル等の混合装置を用いて十分に混練し、均一に分散させることによって得られる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れるので1液型とすることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を1液型とする場合、本発明の硬化性樹脂組成物を容器に入れ、密閉して室温以下(例えば、−20〜25℃)で保管することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法について以下に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の硬化性樹脂組成物を低温加熱条件下で短時間加熱することによって、硬化させることができる。
加熱温度は、60〜140℃であるのが好ましい。また、得られる硬化物の内部応力を低減させるという観点から、60〜110℃であるのが好ましく、60〜100℃であるのがより好ましい。
加熱時間は、得られる硬化物の内部応力を低減させるという観点から、1〜40分であるのが好ましく、5〜30分であるのがより好ましい。
加熱は、熱潜在性アニオン重合触媒が溶解してアニオン重合触媒として活性化し、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂の硬化反応が始まった際にやめることができる。
例えば、加熱を80℃20分とし、加熱をやめ、その後放冷させながら7時間以内に硬化性樹脂組成物を硬化させることができる。
また、硬化が十分に進むまで加熱を続けることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることによって得られる硬化物は、エポキシ樹脂の単独重合体、エピスルフィド樹脂の単独重合体、およびエポキシ樹脂とエピスルフィド樹脂との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい態様として挙げられる。また、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることによって得られる硬化物は、これらのブレンド物であってもよい。
なかでも、低温硬化性により優れるとの観点から、エピスルフィド樹脂の単独重合体、エポキシ樹脂とエピスルフィド樹脂との共重合体であるのが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物を使用することができる被着体としては、例えば、ガラス材料、プラスチック材料、金属、有機無機複合材料が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その用途について特に制限されない。例えば、封止材、積層板、接着剤、シーリング材、塗料が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、低温で短時間に硬化することができ、これによって、硬化時に生じる、硬化性樹脂組成物の内部応力を低減させることができるので、電子材料分野での用途(例えば、アンダーフィル材、封止剤)に用いることができる。
次に、本発明の硬化物について以下に説明する。
本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物を60〜140℃で加熱して硬化させることによって得られるものである。
本発明の硬化物を製造する際に使用される組成物は、本発明の硬化性樹脂組成物であれば特に制限されない。
硬化性樹脂組成物を硬化させる際の加熱工程における加熱温度は、60〜140℃であり、硬化時の組成物の内部応力を低減し、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂をアニオン重合させうるという観点から、60〜110℃であるのが好ましく、60〜100℃であるのが好ましい。
加熱工程における加熱方法は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
加熱工程における加熱時間は、硬化時の組成物の内部応力を低減しうるという観点から、1〜40分であるのが好ましく、5〜30分であるのが好ましい。
また、加熱は、熱潜在性アニオン重合触媒が溶解してアニオン重合触媒となり、アニオン重合触媒(溶解した塩および/または塩から生成したルイス塩基)と、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂との硬化反応が始まった際にやめることができる。
例えば、加熱を80℃20分とし、加熱をやめ、その後放冷させながら7時間以内に硬化性樹脂組成物を硬化させることができる。
また、硬化が十分に進むまで加熱を続けることができる。
加熱工程後、得られた硬化物は、放冷して冷却することができる。
得られた硬化物は、エポキシ樹脂の単独重合体、エピスルフィド樹脂の単独重合体、およびエポキシ樹脂とエピスルフィド樹脂との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい態様として挙げられる。また、硬化物は、これらのブレンド物であってもよい。
従来、固体分散型の熱潜在性硬化促進剤とエポキシ樹脂とを含有する1液型の熱硬化性樹脂樹脂組成物は、比較的高温の硬化条件を要するものであった。
例えば、エポキシ樹脂の硬化促進剤として市販されている、常温で固体のDBN系の塩(例えば、U−CAT SA881、サンアプロ社製。)を使用する場合、組成物の貯蔵安定性は優れるものの、加熱によって常温で固体のDBU系の塩を溶解させて組成物を硬化させるためには、加熱温度が140℃を超える温度となり温度が高すぎるということを本発明者は見出した。加熱温度が高いと組成物が硬化する際に生ずる組成物の内部応力が高くなり、特に電子材料分野における用途では基材との接着界面でのクラック等の発生が問題となると本発明者は考える。
また、固体分散型の熱潜在性硬化促進剤とエポキシ樹脂とを含有し、70〜80℃の低い温度で硬化するとされる熱硬化性樹脂組成物の場合、1時間以上の硬化時間が必要であった。
一方、エポキシ樹脂の硬化促進剤として、常温で液体のDBU系の塩(例えば、U−CAT SA1、サンアプロ社製。)を含有する1液型のエポキシ樹脂組成物は、反応性が高い半面、貯蔵安定性に劣るという問題があった。
また、特許文献1に記載されている半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、1,8−ジアザビシクロウンデセン−7と有機二塩基酸無水物とを含有してなる硬化触媒組成物とを含有するものであり、硬化触媒組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させるものであることが記載されている。
したがって、このような組成物から得られる硬化物は、エポキシ樹脂と硬化剤との付加重合物である。
また、特許文献1においてエポキシ樹脂組成物の成形温度は150〜180℃と非常に高温である。
特許文献2、3に記載されている組成物は、エポキシ樹脂と潜在性硬化剤としてのアミンと酸の塩とを含有するものであり、このような組成物から得られる硬化物は、エポキシ樹脂と潜在性硬化剤から生成したアミンとの付加重合物となる。
このように、従来のエポキシ樹脂組成物は、塩を、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化を促進するための硬化促進剤や、潜在性硬化剤として含有していた。
したがって、このようなエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、エポキシ樹脂と硬化剤との重付加体であった。
そして、従来の、常温で固体の塩を含有するエポキシ樹脂組成物は、硬化の際に加熱温度を非常に高くしなければならなかった。
また、常温で液状の塩を含有するエポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性に劣るという問題を有した。
これに対して、本発明の硬化性樹脂組成物は、低温硬化性、貯蔵安定性に優れる。
これは、本発明の硬化性樹脂組成物が、熱潜在性アニオン重合触媒として、50〜130℃の温度で活性化し得る、ルイス塩基の塩を含有することによるものである。
つまり、本発明の硬化性樹脂組成物を加熱すると、熱潜在性アニオン重合触媒としての塩は、50〜130℃で溶解し、活性化し、アニオン重合触媒となる。
このように、本発明の硬化性樹脂組成物においては従来と比較してより低い温度で熱潜在性アニオン重合触媒である塩が溶解して、溶解した塩および/または溶解した塩から生成したルイス塩基、つまりアニオン重合触媒となり、このアニオン重合触媒の働きによって、本発明の硬化性樹脂組成物は従来よりも低温で硬化することができる。
そして、溶解した塩および/または塩から生成したルイス塩基は、低温下(例えば、5〜50℃)においてアニオン重合触媒として作用し、これよって、エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂は硬化してエポキシ樹脂の単独重合体、エピスルフィド樹脂の単独重合体、およびエポキシ樹脂とエピスルフィド樹脂との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種となりうるのである。
従来の硬化剤を要する重付加反応による硬化では、高温の反応条件が必要であったり、耐湿性に劣る硬化物となる可能性がある。
これに対して、本発明の硬化物は、従来のエポキシ樹脂組成物の硬化温度より低い温度で硬化することができる。
特に、エポキシ樹脂よりもアニオン重合反応性の高いエピスルフィド樹脂を適用することによって、触媒による低温でのアニオン重合硬化反応を達成し、かつ耐湿性の良好な硬化物とすることができた。
このことから、本発明においてルイス塩基の塩は、系内でエポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂に対して貯蔵安定性、低温硬化性を優れるアニオン重合触媒として作用することができると本発明者は推測する。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されない。
1.評価方法
以下の方法で、貯蔵安定性および低温硬化性を評価した。結果を第1表に示す。
(1)貯蔵安定性
硬化性樹脂組成物を密閉容器に入れて室温(25℃)の条件下で24時間置いた後、容器内の硬化性樹脂組成物を取り出し、その状態を確認した。
評価基準としては、24時間経過後容器内の硬化性樹脂組成物について、硬化しておらず粘度の上昇が認められない場合を「変化なし」、硬化した場合を「硬化した」とする。
(2)低温硬化性評価1
硬化性樹脂組成物を80℃で20分間加熱した後加熱をやめ放冷し、加熱停止後から硬化性樹脂組成物の表面のタックがなくなるまでの時間(単位:時間)を評価した。この評価を低温硬化性評価1とする。
なお、低温硬化性の評価基準において、20分間加熱した直後に組成物が硬化していた場合を「0(時間)」とした。また、20分間加熱した後、24時間後に、組成物が硬化しなかった場合を「未硬化」とした。
(3)低温硬化性評価2
加熱を100℃で行うほかは、低温硬化性評価1と同様にして低温硬化性を評価した。この評価を低温硬化性評価2とする。
評価基準は、低温硬化性評価1と同様である。
2.熱潜在性アニオン重合触媒の調製
(1)熱潜在性アニオン重合触媒1
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)を1g(サンアプロ社製。以下同様。)と安息香酸0.8g(関東化学社製。以下同様)とをメタノールに加えて室温(25℃)で撹拌して溶解させ均一に混合した。撹拌開始から10分後撹拌を停止して、メタノールを減圧除去して1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7と安息香酸との塩(収量1.8g、白色個体)を得た。得られた塩の1H−NMRにより、塩の形成を確認した。得られた塩を熱潜在性アニオン重合触媒1とする。
(2)熱潜在性アニオン重合触媒2
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7を1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)とし、安息香酸の量を0.98gに代えたほかは、熱潜在性アニオン重合触媒1と同様に調製を行い、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5と安息香酸との塩(収量1.8g、白色固体)を得た。得られた塩の1H−NMRにより、塩の形成を確認した。得られた塩を熱潜在性アニオン重合触媒2とする。
(3)熱潜在性アニオン重合触媒3
DBU1gとp−ヒドロキシ安息香酸0.91g(関東化学社製。以下同様)とをメタノールに加えて室温(25℃)で撹拌して溶解させ均一に混合した。撹拌開始から10分後撹拌を停止して、メタノールを減圧除去してDBUとp−ヒドロキシ安息香酸との塩(収量1.9g、白色個体)を得た。得られた塩の1H−NMRにより、塩の形成を確認した。得られた塩を熱潜在性アニオン重合触媒3とする。
(4)熱潜在性アニオン重合触媒4
DBN1gとp−ヒドロキシ安息香酸1.11gとをメタノールに加えて室温(25℃)で撹拌して溶解させ均一に混合した。撹拌開始から10分後撹拌を停止して、メタノールを減圧除去してDBNとp−ヒドロキシ安息香酸との塩(収量2.1g、白色個体)を得た。得られた塩の1H−NMRにより、塩の形成を確認した。得られた塩を熱潜在性アニオン重合触媒4とする。
(5)熱潜在性アニオン重合触媒5
2−メチルイミダゾール1g(関東化学社製。以下同様。)と安息香酸1.49gとをメタノールに加えて室温(25℃)で撹拌して溶解させ均一に混合した。撹拌開始から10分後撹拌を停止して、メタノールを減圧除去して2−メチルイミダゾールと安息香酸との塩(収量2.49g、白色個体)を得た。得られた塩の1H−NMRにより、塩の形成を確認した。得られた塩を熱潜在性アニオン重合触媒5とする。
(6)熱潜在性アニオン重合触媒6
第三級アミン1g(U−CAT 410、サンアプロ社製。)とヒドロキシステアリン酸5.26gとをメタノールに加えて室温(25℃)で撹拌して溶解させ均一に混合した。撹拌開始から10分後撹拌を停止して、メタノールを減圧除去して第三級アミンとヒドロキシステアリン酸との塩(収量6.26g、白色個体)を得た。得られた塩の1H−NMRにより、塩の形成を確認した。得られた塩を熱潜在性アニオン重合触媒6とする。
3.硬化性樹脂組成物の調製
第1表に示す成分を第1表に示す量(質量部)で用いて、これらを撹拌機(コンディショニングミキサー MX−201、シンキー社製。)を用いて均一に混合し、硬化性樹脂組成物を調製した。
Figure 2008019350
Figure 2008019350
第1表に示されている各成分は、以下のとおりである。
・エピスルフィド樹脂:YL−7007(ジャパンエポキシレジン社製)
・エポキシ樹脂:トリグリシジル−p−アミノフェノール、商品名MY−0510、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製
・充填剤:シリカ(FBX−1SDX、電気化学工業社製)
・塩基性硬化触媒1:DBUのフェノール塩(常温で液状、商品名:U−CAT SA1、サンアプロ社製)
・塩基性硬化触媒2:DBUのフェノールノボラック樹脂塩(常温で固体、商品名:U−CAT SA831、サンアプロ社製)
・熱潜在性アニオン重合触媒1〜6:上述のとおり調製したもの
4.実施例1、5の硬化性樹脂組成物のDSC測定
実施例1、5の硬化性樹脂組成物を用いてDSC測定を行った。
DSC測定(機種:SSC5200、DSC220、セイコーインスツルメンツ社製。以下同様。)による実施例1の組成物の反応開始温度は83℃であった。
また、実施例1の硬化性樹脂組成物の80℃における反応開始時間は80℃での加熱開始から20分後であり、80℃での加熱開始から30分後には硬化反応が終了することがわかった。
このことから、実施例1において含有される熱潜在性アニオン重合触媒1が80℃の条件下で活性化してアニオン重合触媒となり、樹脂のアニオン重合が開始させるのは20分後であると考えられる。
また、実施例5の硬化性樹脂組成物の反応開始温度は105℃であった。
このように、本発明の硬化性樹脂組成物は、低温加熱下で短時間の間に硬化することができ、低温硬化性に優れる。
第1表に示す結果から明らかなように、常温で液状の塩基性硬化触媒を含有する比較例1、2の組成物は、貯蔵安定性に劣った。
また、組成物の硬化に140℃を越える温度の加熱が必要な塩基性硬化触媒2を含有する比較例3、4の組成物は、低温での加熱で硬化しなかった。
これに対して、実施例1〜8の硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、低温で短時間の加熱後室温下で硬化することができ低温硬化性に優れる。

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂および/またはエピスルフィド樹脂と、
    熱潜在性アニオン重合触媒として、50〜130℃の温度で活性化し得る、ルイス塩基の塩とを含有する硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ルイス塩基が、窒素原子を有するものである請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記窒素原子を有するルイス塩基が、第三級アミン類、イミダゾール類およびジアザビシクロ化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記ジアザビシクロ化合物類が、1,8−ジアザビシクロウンデセン−7である請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記ルイス塩基と塩を作る酸が、芳香族カルボン酸である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記芳香族カルボン酸が、安息香酸である請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記塩の量が、前記エポキシ樹脂および/または前記エピスルフィド樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記エピスルフィド樹脂の量が、前記エポキシ樹脂および前記エピスルフィド樹脂の合計量の30質量%以上である請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を、60〜140℃で加熱して硬化させることによって得られる硬化物。
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