上記課題を解決するために、請求項1記載の遊技機用ドラム式表示装置は、透明部分と、不透明な下地に複数の図柄が配置された不透明部分とを外周部に備える第1回転体と、不透明な下地に複数の図柄が配置された不透明部分を外周部に備え、前記第1回転体の内側に外周部が重なるように配置される第2回転体と、前記第1回転体および前記第2回転体の内側に遊技者側に表示される図柄を照射するために配置された照明手段と、前記第1回転体および前記第2回転体の回転位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された前記第1回転体および前記第2回転体の回転位置に基づいて前記照明手段の前方にある不透明部分の重なり数を把握し、該重なり数に応じて前記照明手段の輝度を制御する輝度制御手段とを備えることを特徴とする。請求項1記載の遊技機用ドラム式表示装置によれば、照明手段の前方にある不透明部分の重なり数を把握し、該重なり数に応じて照明手段の輝度を制御するようにしたので、複数重なった不透明部分の各図柄を、簡単な構成で常に一定の明るさで遊技者側に表示することが可能になる。
請求項2記載の遊技機用ドラム式表示装置は、請求項1に記載の遊技機用ドラム式表示装置において、前記輝度制御手段が、前記第1回転体または前記第2回転体が高速回転しているときは前記照明手段の輝度を一定に制御し、前記第1回転体または前記第2回転体が低速回転になってから、或いは前記第1回転体または前記第2回転体が停止表示する直前から停止表示し、さらに回転を開始するまでの間だけ、前記重なり数に応じて前記照明手段の輝度を制御することを特徴とする。請求項2記載の遊技機用ドラム式表示装置によれば、第1回転体または第2回転体の低速回転時または停止時に照明手段の輝度を制御するようにしたので、遊技者による図柄の視認が必要なときに常に一定の明るさで不透明部分の各図柄を表示することが可能になる。
図1は、本発明の実施例1に係る遊技機用ドラム式表示装置10を配設する遊技機1を示す正面模式図である。この遊技機1は、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて遊技機用ドラム式表示装置10のドラムを回転・停止制御して図柄を変動・停止表示し、表示された図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機、具体的にはパチンコ遊技機であり、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の左右の斜め下方に配設された左右一対のスピーカ4a,4bと、遊技盤3の下方に設けられた玉供給皿5と、玉供給皿5の右方(図1で見て)に設けられた、玉の発射装置110(図8参照)を操作する発射ハンドル6とを含んで構成されている。なお、図1中、符号103は、装飾ランプ類(図8参照)を示す。
遊技盤3は、遊技盤3のほぼ中央位置に配設された遊技機用ドラム式表示装置10と、遊技機用ドラム式表示装置10の左方(図1で見て)に設けられた通過ゲート11と、遊技機用ドラム式表示装置10の下方に設けられた、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記する)である始動入賞装置13と、始動入賞装置13の下方に設けられた大入賞装置14と、大入賞装置14の下方に設けられた玉排出口15とを含んで構成されている。なお、図1中、符号12は、遊技盤3に植設された釘を示す。
遊技機用ドラム式表示装置10は、各列の外周部に配置された複数の図柄の組み合わせによって2行3列の図柄表示が可能となっており、図柄を使ったリーチ演出などを行い、特図(特別図柄)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる特図を停止表示する。遊技機用ドラム式表示装置10の左図柄,中図柄および右図柄のそれぞれの図柄が図柄変動開始と同時に縦にスクロールし、所定時間経過後に停止表示する。有効ラインは、上行および下行の2ラインである。いずれかのライン上の3つの図柄が同じキャラクタで停止したならば、大当たりとなる。
図2は、本実施例1に係る遊技機用ドラム式表示装置10を示す斜視図である。遊技機用ドラム式表示装置10は、左図柄を表示する第1ドラムユニット20Lと、中図柄を表示する第2ドラムユニット20Cと、右図柄を表示する第3ドラムユニット20Rとが、ドラムステー21のステー板部21L,21C,21Rにより回転軸方向に連設されて構成されている。これにより、第1ドラムユニット20L,第2ドラムユニット20Cおよび第3ドラムユニット20Rは、互いに独立して回転できるように配置されている。なお、図2中の破線は、遊技機用ドラム式表示装置10の表示窓10aを示す。
図3は、第1列,第2列,第3列の各ドラムユニット20L,20C,20R(以下、適宜、符号20で代表する)の正面断面図である。各ドラムユニット20は、中心軸を共通とする3つの径の異なる外ドラム40L,40C,40R(以下、適宜、符号40で代表する)と、中ドラム50L,50C,50R(以下、適宜、符号50で代表する)と、内ドラム60L,60C,60R(以下、適宜、符号60で代表する)とが同軸的に外周部を重ねられた状態で配置されて構成されている。すなわち、ドラムユニット20は、図4に示す外ドラム40と、図5に示す中ドラム50と、図6に示す内ドラム60とが、図7に示すように同軸的に組み合わされて構成されている。外ドラム40,中ドラム50および内ドラム60が組み合わせられたドラムユニット20は、ドラムステー21に固着されたギアボックス22L,22C,22R(以下、適宜、符号22で代表する)を介して、外ドラム用ステッピングモータ(以下、外ドラム用モータという)31L,31C,31R(以下、適宜、符号31で代表する),中ドラム用ステッピングモータ(以下、中ドラム用モータという)32L,32C,32R(以下、適宜、符号32で代表する),内ドラム用ステッピングモータ(以下、内ドラム用モータという)33L,33C,33R(以下、適宜、符号33で代表する)に連結されており、外ドラム40,中ドラム50,および内ドラム60が互いに独立して回転できるように配置されている。
図4を参照すると、外ドラム40は、外周の1/2が図柄シート(以下、適宜、外図柄シートという)44で覆われており、外図柄シート44には4個の図柄が配置されている。詳しくは、外ドラム40は、ボス41と、ボス41から放射方向に延出された複数本(図示は4本)のアーム42と、アーム42の先端部をつなぐようにリング状に形成されたリム43と、リム43の外周部の半部に貼着された外図柄シート44とから構成されている。外ドラム40は、無色透明素材により成形されており、リム43の外周部分に外図柄シート44が貼り付けられている。外図柄シート44は白地に各種図柄が配置されており、白地の図柄シート部分(本発明の不透明部分に相当)は背面からバックライト(本発明の照明手段に相当)70の光を通す。図4から一部見て取れるように、外図柄シート44には、4個の図柄「8123」がこの順に配置されている。リム43の外図柄シート44が貼着されていない半部は、透明部分45となっている。なお、本実施例1では、リム43と外図柄シート44とを別体のものとしたが、両者を予め一体的に形成するようにしてもよい。
図5を参照すると、中ドラム50は、外周の5/8が図柄シート54(以下、適宜、中図柄シートという)で覆われており、中図柄シート54には5個の図柄が配置されている。詳しくは、中ドラム50は、ボス51と、ボス51から放射方向に延出された複数本(図示は4本)のアーム52と、アーム52の先端部をつなぐようにリング状に形成されたリム53と、リム53の外周部の半部に貼着された中図柄シート54とから構成されている。中ドラム50は、無色透明素材により成形されており、リム53の外周部分に中図柄シート54が貼り付けられている。中図柄シート54は白地に各種図柄が配置されており、白地の図柄シート部分(本発明の不透明部分に相当)は背面からバックライト70の光を通す。図5から一部見て取れるように、中図柄シート54には、5個の図柄「45677」がこの順に配置されている。リム53の中図柄シート54が貼着されていない半部は、透明部分55となっている。中ドラム50の外径は、外ドラム40の内径よりも小さくなるように設定されており、中ドラム50は、外ドラム40の内側に同軸的に配置可能になっている(図3参照)。なお、本実施例1では、リム53と中図柄シート54とを別体のものとしたが、両者を予め一体的に形成するようにしてもよい。
図6を参照すると、内ドラム60は、外周全域に渡って図柄シート64(以下、適宜、内図柄シートという)に覆われており、内図柄シート64には8個の図柄が配置されている。詳しくは、内ドラム60は、ボス61と、ボス61から放射方向に延出された複数本(図示は4本)のアーム62と、アーム62の先端部をつなぐようにリング状に形成されたリム63と、リム63の外周部の全部に貼着された内図柄シート64とから構成されている。内ドラム60は、無色透明素材により成形されており、リム63の外周部分に内図柄シート64が貼り付けられている。内図柄シート64は白地に各種図柄が配置されており、白地の図柄シート部分(本発明の不透明部分に相当)は背面からバックライト70の光を通す。図6から一部見て取れるように、内図柄シート64には、8個の図柄「12345678」がこの順に配置されている。内ドラム60の外径は、中ドラム50の内径よりも小さくなるように設定されており、内ドラム60は、中ドラム50の内側に同軸的に配置可能になっている(図3参照)。なお、本実施例1では、リム63と内図柄シート64とを別体のものとしたが、両者を予め一体的に形成するようにしてもよい。
図7は、外ドラム40,中ドラム50,および内ドラム60を同軸的に組み合わせて構成したドラムユニット20を示す斜視図である。通常は、外ドラム40の外図柄シート44に描かれた図柄と、中ドラム50の中図柄シート54に描かれた図柄とで1周分の図柄列を構成し、外ドラム40の透明部分45からは、中ドラム50の中図柄シート54に描かれたキャラクタでなる図柄が見えるようになっている。
図3に示すように、外ドラム40は、ボス41がギアボックス22から同軸的に延出された内回転軸31aに軸着され、ギアボックス22を介して、ユニットステー21に固定された外ドラム用モータ31の出力軸に連結されている。中ドラム50は、ボス51がギアボックス22から同軸的に延出された中回転軸32aに軸着され、ギアボックス22を介して、ユニットステー21に固定された中ドラム用モータ32の出力軸に連結されている。内ドラム60は、ギアボックス22から同軸的に延出された外回転軸33aに軸着され、ギアボックス22を介して、ユニットステー21に固定された内ドラム用モータ33の出力軸に連結されている。
第1外ドラム用モータ31Lには、周知のステッピングモータ(例えば特開2001−58026号公報や特開2004−254974号公報に開示されているステッピングモータ)が採用されるとともに、第1外ドラム40Lの回転基準位置を検出してドラム制御基板104(図8(b)参照)に送信する第1外ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)34L(図8(b)参照)が内蔵されている。また、第1中ドラム用モータ32Lには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第1中ドラム50Lの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第1中ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)35L(図8(b)参照)が内蔵されている。さらに、第1内ドラム用モータ33Lには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第1内ドラム60Lの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第1内ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)36L(図8(b)参照)が内蔵されている。
第2外ドラム用モータ31Cには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第2外ドラム40Cの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第2外ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)34C(図8(b)参照)が内蔵されている。また、第2中ドラム用モータ32Cには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第2中ドラム50Cの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第2中ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)35C(図8(b)参照)が内蔵されている。さらに、第2内ドラム用モータ33Cには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第2内ドラム60Cの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第2内ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)36C(図8(b)参照)が内蔵されている。
第3外ドラム用モータ31Rには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第3外ドラム40Rの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第3外ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)34R(図8(b)参照)が内蔵されている。また、第3中ドラム用モータ32Rには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第3中ドラム50Rの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第3中ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)35R(図8(b)参照)が内蔵されている。さらに、第3内ドラム用モータ33Rには、周知のステッピングモータが採用されるとともに、第3内ドラム60Rの回転基準位置を検出してドラム制御基板104に送信する第3内ドラム基準位置検出センサ(本発明の位置検出手段に相当)36R(図8(b)参照)が内蔵されている。
図8(b)に示すように、第1ドラムユニット20Lのバックライト70Lは、表示窓10aの上段に対応して配置された第1ドラム上段LED71Lと、表示窓10aの下段に対応して配置された第1ドラム下段LED72Lとを含んで構成されている。また、第2ドラムユニット20Cのバックライト70Cは、表示窓10aの上段に対応して配置された第2ドラム上段LED71Cと、表示窓10aの下段に対応して配置された第2ドラム下段LED72Cとを含んで構成されている。さらに、第3ドラムユニット20Rのバックライト70Rは、表示窓10aの上段に対応して配置された第3ドラム上段LED71Rと、表示窓10aの下段に対応して配置された第3ドラム下段LED72Rとを含んで構成されている。
図1に戻って、通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉を通過させると、例えば127/128の確率で普通図柄(普図)の抽選が行われ、当選したならば、電チューである始動入賞装置13が可動羽根の開閉動作を行う。
始動入賞装置13は、開口部に一対の可動羽根を有する、いわゆる電チューと呼ばれる可変入賞装置でなる。始動入賞装置13は、通過ゲート11ヘの玉の通過が検知されて、例えば127/128の確率で普図の抽選が行われ、当選したならば、可動羽根を開放する。可動羽根の1回の開放時間は、通常時は、例えば0.5秒間、確変時および時短時は、例えば1.8秒×3回である。なお、図1中に図示した釘12の位置からも分かるように、可動羽根の開閉の如何にかかわらず、始動入賞装置13への玉の入賞が可能になっている。
大入賞装置14は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とを呈する。
図8(a)を参照すると、遊技機1は、主制御基板100と、スピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ102,装飾ランプ類103およびドラム制御基板104を制御する副制御基板101と、ドラム用モータ31,32,33(31L,31C,31R,32L,32C,32R,33L,33C,33R),基準位置検出センサ34,35,36(34L,34C,34R,35L,35C,35R,36L,36C,36R)およびドラム用LED71,72(71L,71C,71R,72L,72C,72R)を駆動制御するドラム制御基板104と、払出装置108を制御する払出制御基板107と、発射装置110を制御する発射制御基板109と、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器111と、始動入賞装置13に併設された始動入賞検出器113と、大入賞装置14に併設された大入賞検出器114と、電チューである始動入賞装置13の可動羽根を開閉する電チューソレノイド115と、大入賞装置14を開閉する大入賞ソレノイド116と、各基板に所定電圧を供給する電源回路部117とを含んで構成されている。
主制御基板100は、主回路120を搭載しており、主回路120は、CPU(Central Processing Unit)121,プログラム格納用のROM(Read Only Memory)122,ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられるRAM(Random Access Memory)123,入出力インタフェースであるI/O(Input/Output)124等を備える。
なお、その他の各基板も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図8では省略している。
副制御基板101は、主回路120より入力される音声制御信号に応じてスピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ104より音声を出力させる。また、副制御基板101は、主回路120より入力されるランプ制御信号に応じて装飾ランプ類103の点灯/消灯を制御する。さらに、副制御基板101は、主回路120より入力される図柄変動信号をドラム制御基板104に出力する。
図8(b)を参照すると、ドラム制御基板104は、主回路120より入力される図柄変動信号(表示制御信号)に応じて、遊技機用ドラム式表示装置10の第1ドラムユニット20L,第2ドラムユニット20C,第3ドラムユニット20Rを制御するための処理を実行する。詳しくは、ドラム制御基板104は、遊技機用ドラム式表示装置10の第1外ドラム用モータ31L,第1中ドラム用モータ32L,第1内ドラム用モータ33L,第2外ドラム用モータ31C,第2中ドラム用モータ32C,第2内ドラム用モータ33C,第3外ドラム用モータ31R,第3中ドラム用モータ32R,第3内ドラム用モータ33Rを駆動制御する。本実施例では全部で9つのドラムを回転動作させるために9つのステッピングモータが備えられており、各ドラムはステッピングモータと1対1で接続され制御されている。各ドラムには回転基準位置が設けられており、ドラムが1回転するうちに対応する基準位置検出センサ34,35,36がこの回転基準位置を検出し、検出信号をドラム制御基板104に送信しているので、ドラム制御基板104は、その検出信号を受信してから回転したステップ数に基づいて現在の各ドラムの回転位置を特定している。また、ドラム制御基板104は、各ドラムの各図柄シート部分及び透明部分の位置と回転基準位置からのステップ数との関係を全て把握しているので、主回路120から入力される図柄変動信号に応じて各ドラム用モータ31,32,33を駆動制御し、所望の変動表示、停止表示を行うことができるようになっている。また、ドラム制御基板104は、表示窓10a側の図柄シート部分の重なり数に合わせてバックライト70L,70C,70RのLEDの輝度を調整する(ドラム制御基板104は本発明の輝度制御手段に相当)。図柄シート部分の重なり数が1のときはLEDの輝度を輝度レベル1にし、重なり数が2のときはLEDの輝度を輝度レベル1の倍の輝度レベル2とする。同様に、重なり数が3のときは、LEDの輝度を輝度レベル1の3倍である輝度レベル3に設定する。ドラム制御基板104は、ドラムユニット20の回転中も、常に表示窓10a側の図柄シート44,54,64の重なり数に合わせて輝度を調整する。
払出制御基板107は、主回路120より入力される賞球払出信号に応じて払出装置108を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が払い出される。また、払出制御基板107は、主回路120より入力される発射制御信号を発射制御基板109に出力する。
発射制御基板109は、遊技者が発射ハンドル6を操作することに応じて主回路120から払出制御基板107を介して入力される発射制御信号に基づいて、発射装置110を作動させる。発射ハンドル6の操作量に応じて、玉の打出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
図9は、遊技機用ドラム式表示装置10における第1列上段輝度調整処理を示すフローチャートである。なお、第1列下段輝度調整処理,第2列上段輝度調整処理,第2列下段輝度調整処理,第3列上段輝度調整処理,第3列下段輝度調整処理は、第1列上段輝度調整処理と全く同様の処理となるので、フローチャートの図示を省略する。
図10ないし図14は、ドラムユニット20のバックライト輝度調整パターンの概略を説明する図である。
次に、このように構成された実施例1に係る遊技機用ドラム式表示装置10の動作を、遊技機1の動作とともに、図1ないし図14を参照しながら説明する。
遊技機1への電源投入後、玉供給皿5に準備された玉は、発射ハンドル6を含んで構成される発射装置110によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、遊技盤3の盤面上を流下する。
遊技盤3の盤面上を流下する玉が通過ゲート11を通過すると、これをゲート通過検出器111が検出して、通過検出信号が主回路120に送信される。
主回路120は、ゲート通過検出器111からの通過検出信号に基づいて通過ゲート11の玉の通過を検知しており、通過ゲート11を玉が通過したことが検知されると、普図用乱数カウンタ(図示せず)から値を抽出し、RAM123上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普図の抽選結果を記憶して保留する。次に、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し、普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があれば、電チューである始動入賞装置13が開放中であるかどうかを判定する。電チューである始動入賞装置13が開放中でなければ、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域に保留されている最古の普図の抽選結果を読み出す。続いて、主回路120は、読み出した普図の抽選結果を所定の普図用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行う。なお、普図の当たり確率は、例えば127/128である。判定結果が当たりであれば、主回路120は、電チューソレノイド115を励磁することにより、電チューである始動入賞装置13を開放する。普図当選時の始動入賞装置13の開放時間は、通常時には、例えば0.5秒、確変時および時短時には、例えば1.8秒×3回である。次に、主回路120は、確変中または時短中であるかどうかを判定し、確変中または時短中であれば、例えば1.8秒経過するのを待機した後、電チューソレノイド115を非励磁とすることにより、電チューである始動入賞装置13を閉鎖し、この開閉動作をさらに2回繰り返す。一方、確変中または時短中でなければ、主回路120は、例えば0.5秒が経過するのを待機した後、電チューである始動入賞装置13を閉鎖する。
電チュー(可動羽根)の開閉の如何にかかわらず、始動入賞装置13に玉が入賞すると、始動入賞検出器113が、これを検出して、入賞検出信号を主回路120に送信する。
主回路120は、始動入賞検出器113からの入賞検出信号に基づいて始動入賞装置13での玉の通過を検知しており、始動入賞装置13での玉の通過が検知されると、特図用乱数カウンタ(図示せず)より値を抽出して特図の内部抽選を行い、RAM123上の特図用保留記憶領域(図示せず)に特図の抽選結果を記憶して保留する。なお、特図の当たり確率は、通常時には例えば1/400、確変中には例えば1/40とすることができる。次に、主回路120は、払出制御基板107を介して払出装置108に所定数の賞球の払出を指示する。続いて、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し、特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があれば、遊技機用ドラム式表示装置10において先の特図の変動表示中であるかどうかを判定する。先の特図の変動表示中でなければ、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかに基づいて大当たり中であるかどうかを判定する。大当たり中でなければ、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域から最古の特図の抽選結果を読み出す。次に、主回路120は、読み出された特図の抽選結果を、通常時であるか確変時であるかに応じて所定の通常時用判定値または確変時用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行い、当たり/ハズレの判定結果に基づいて特図の変動時間,演出パターン,停止図柄等を決定する。特図の変動時間は、特図の保留数が多いほど短い時間を選択し、確変中および時短中は、通常よりもさらに短い時間を選択することができる。次に、主回路120は、遊技機用ドラム式表示装置10における特図の図柄変動,ならびに特図の変動タイマ(図示せず)のカウントを開始する図柄変動信号を副制御基板101を介してドラム制御基板104に送信する。
ドラム制御基板104は、副制御基板101を介して主回路120からの図柄変動信号を受信すると、ドラム用モータ31,32,33(31L,31C,31R,32L,32C,32R,33L,33C,33R)を回転駆動することにより、各ドラムユニット20を回転する。各ドラムユニット20の回転時、各ドラムユニット20は、通常、外ドラム40の外図柄シート44の図柄「8123」と、中ドラム50の中図柄シート54の図柄「4567」とで1つの図柄列を構成している。しかし、特定の演出表示が選択されていると、外ドラム40と中ドラム50との相対的な位置関係をずらして図柄列を変えることができる。または、外ドラム40に配置された図柄が見えない位置に外ドラム40を固定し、内ドラム60の図柄と中ドラム50の図柄とによって図柄列を構成したり、中ドラム50に配置された図柄も見えない位置に中ドラム50を固定し、内ドラム60の図柄だけで図柄列を構成したりすることもできる。最終的に停止して抽選結果を表示するまでは、各ドラムによる様々な動きによって、変動動作を盛り上げることができるようになっている。
各ドラム40,50,60の図柄は、白地(有色)の図柄シート44,54,64上に配置されており、内ドラム60の内側に配置されたバックライト70からの光の照射により遊技者側から各図柄をはっきりと見ることができるようになっている。上記のように各列に複数のドラムが重なって配置されており、外ドラム40と中ドラム50とには白地の図柄シート44,54と、透明部分45,55とがある。透明部分45,55はバックライト70からの光をほとんど遮ることなく前面に伝えることができるが、白地の図柄シート44,54に照射された光は所定の割合で光を遮ることになり、バックライト70の輝度が等しければバックライト70と表示窓10aとの間に配置された白地の図柄シート44,54,64の重なり数が多いほど遊技者から見ると暗くなってしまう。そこで、各列の各ドラムの位置を正確に把握し、現在表示窓10aに面している部分にある白地の図柄シート44,54,64の重なり数に応じて、バックライト70の輝度を変更する。具体的には、ドラム制御基板104は、ドラム用モータ31,32,33の基準位置検出センサ34,35,36により各ドラム40,50,60の回転位置を把握し、表示窓10aに面している部分(上段,下段)にある白地の図柄シート44,54,64の重なり数を演算する。バックライト70の輝度は3段階の設定があり、図柄シート部分の重なり数が1のときは一番弱い輝度レベル1が選択され、重なり数が2のときは輝度レベル2が選択され、重なり数が3のときは一番明るい輝度レベル3が選択されるようになっている。表示窓10aに対応する図柄シート部分の重なり数に応じてバックライト70の輝度を変えるようにしたので、遊技者からは常に一定の明るさで図柄シートが照らされているように見える。
具体的には、表示窓10aの第1列上段に対応する第1列上段LED71Lの輝度調整処理(第1列上段輝度調整処理)では、ドラム制御基板104は、表示窓10aの上段に対応する図柄シート部分の重なり数は1であるかどうかを判定しており(図9のS101)、図柄シート部分の重なり数が1であれば(図9のS101:YES)、表示窓10aの第1列上段に対応する第1列上段LED71Lを輝度レベル1に制御して(図9のS102)、第1列上段輝度調整処理を終了する。図柄シート部分の重なり数が1でなければ(図9のS101:NO)、ドラム制御基板104は、表示窓10aの上段に対応する図柄シート部分の重なり数が2であるかどうかを判定し(図9のS103)、図柄シート部分の重なり数が2であれば(図9のS103:YES)、表示窓10aの上段に対応する第1列上段LED71Lを輝度レベル2に制御して(図9のS104)、第1列上段輝度調整処理を終了する。図柄シート部分の重なり数が2でなければ(図9のS103:NO)、表示窓10aの上段に対応する図柄シート部分の重なり数は3であるので、ドラム制御基板104は、表示窓10aの上段に対応する第1列上段LED71Lを輝度レベル3に制御して(図9のS105)、第1列上段輝度調整処理を終了する。
なお、第1列下段輝度調整処理,第2列上段輝度調整処理,第2列下段輝度調整処理,第3列上段輝度調整処理,第3列下段輝度調整処理も、制御対象のLEDが第1列下段LED72L,第2列上段LED71C,第2列下段LED72C,第3列上段LED71R,第3列下段LED72Rに代わるだけで、第1列上段輝度調整処理と全く同様の処理となるので、その詳しい説明を省略する。
例えば、図10に示すように、表示窓10aの上段および下段に対応する部分に内図柄シート64だけがある場合には、上段LED71,下段LED72の輝度を輝度レベル1に制御する。
また、図11に示すように、表示窓10aの上段に対応する部分に内図柄シート64だけがあり、表示窓10aの下段に対応する部分に中図柄シート54および内図柄シート64がある場合には、上段LED71の輝度を輝度レベル1に制御するとともに、下段LED72の輝度を輝度レベル2に制御する。
さらに、図12に示すように、表示窓10aの上段に対応する部分に外図柄シート44および内図柄シート64があり、表示窓10aの下段に対応する部分に中図柄シート54および内図柄シート64がある場合には、上段LED71の輝度を輝度レベル2に制御するとともに、下段LED72の輝度も輝度レベル2に制御する。
さらにまた、図13に示すように、表示窓10aの上段に対応する部分に外図柄シート44および内図柄シート64があり、表示窓10aの下段に対応する部分に外図柄シート44,中図柄シート54および内図柄シート64がある場合には、上段LED71の輝度を輝度レベル2に制御するとともに、下段LED72の輝度を輝度レベル3に制御する。
また、図14に示すように、表示窓10aの上段に対応する部分に外図柄シート44,中図柄シート54および内図柄シート64があり、表示窓10aの下段に対応する部分にも外図柄シート44,中図柄シート54および内図柄シート64がある場合には、上段LED71の輝度を輝度レベル3に制御するとともに、下段LED72の輝度を輝度レベル3に制御する。
そして、ドラム制御基板104は、第1列,第2列,第3列の各ドラムユニット20L,20C,20Rにおいて外ドラム40L,40C,40Rの図柄,中ドラム50L,50C,50Rの図柄および内ドラム60L,60C,60Rの図柄とで1つの図柄列を形成し、停止したときの図柄の組み合わせで内部抽選結果を表示する。
ドラム制御基板104による図柄変動処理が終了すると、主回路120は、大当たり図柄での停止であるかどうかを判定する。大当たり図柄での停止であれば、主回路120は、大当たりフラグをONにし、確変図柄での停止であるかどうかを判定する。確変図柄での停止であれば、主回路120は、確変フラグをONにする。
次に、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかを判定し、大当たりフラグがONであれば、1回の大当たりで大入賞装置14を最大ラウンド数15まで開放させるために、ラウンド数が最大ラウンド数15でないかどうかを判定する。ラウンド数が最大ラウンド数15でなければ、主回路120は、ラウンド数に1を加算し、大入賞ソレノイド115を励磁することにより大入賞装置14の開放を指示する。これにより、大入賞装置14が開放して、玉の入賞が可能になる。なお、1入賞あたりの賞球の払出は、15個である。大入賞装置14へ1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか、大入賞装置14が開放してから1ラウンドの最大開放時間25秒が経過するかのいずれかが満たされると、主回路120は、大入賞ソレノイド115を非励磁とすることにより、大入賞装置14の閉鎖を指示する。これにより、大入賞装置14が閉鎖して、玉の入賞ができなくなる。この後、大当たりフラグがまだONであるため、主回路120は、大入賞装置14の開閉を繰り返す。そして、ラウンド数が最大ラウンド数15になると、主回路120は、ラウンド数を初期値0にリセットして、大当たりフラグをOFFにする。
大当たり処理の終了後、確変図柄での大当たりであったときは、その大当たりの終了後は確変状態(通常よりも大当たりの当選確率が高い状態)になり、この確変状態は次の大当たりに当選するまで継続する。また、非確変図柄の大当たりであったときは、その大当たりの終了後は時短状態(普図の変動時間が短くなり、電チューである始動入賞装置13の開放時間が長くなる状態)になり、特図の図柄変動が100回終了するまで継続する。(100回以内に内部抽選で当選したときは、その時点で終了する。)
実施例1によれば、1列に複数のドラムを外周部を重ねて配置する場合に、表示窓の位置に重なった図柄シート部分の重なり数に応じてそのドラムユニットのバックライトの輝度を調整し、図柄シートの明るさが遊技者側から見て常に一定になるように制御することができる。
ところで、上記実施例1に係る遊技機用ドラム式表示装置10に関しては、以下のような変形例を考えることができる。
ドラムユニットが高速回転しているときはバックライトの輝度を一定にしていても明るさの違いはさほど気にならないので、高速回転中はバックライトの輝度を一定にし、図柄を停止表示するために低速回転に移行した段階、或いは停止表示する直前からバックライトの輝度をバックライトの前方にある図柄シート部分の重なり数に応じて調整するようにしてもよい。
実施例1では、第1列,第2列,第3列の各ドラムユニットを三重のドラム構造としたが、一部の列のドラムユニットだけを三重のドラム構造にしてもよく、或いは二重のドラム構造であっても輝度を調整することで遊技者から一定の明るさで図柄が見えるように制御することができる。
実施例1では、外ドラム40の図柄を4つ、中ドラム50の図柄を5つにしたが、外ドラムの図柄シートの長さと中ドラムの図柄シートの長さとを変えて、配置される図柄の数を変更してもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
例えば、実施例1では、遊技機1をパチンコ遊技機としたが、本発明の遊技機用ドラム式表示装置10は、スロットマシンのドラムとして使用してもよい。