JP2008017199A - 無線送信機および位相補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各変調部を構成する電気部品の特性が温度により変化する場合であっても、各変調部から出力される送信波の位相を合わせることのできる、低コストの無線送信機を提供する。
【解決手段】送信部10a、10bから出力された送信波を合成する無線送信機であって、送信部10a、10bにリファレンス信号16a、16bを供給する補正部20を有する。補正部20は、送信部10bに供給されるリファレンス信号の位相を補正することで、電圧制御発振器13a、13bの出力信号の間の位相差と変調部11a、11bの特性が温度によって変化することにより発生する送信波18a、18bの間の位相差とをそれぞれ補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体通信に関し、特に、無線基地局の無線送信機に関する。
図10に、無線基地局装置の無線送信機の構成を示す。図10を参照すると、無線送信機100は、送信部110a、110b、基準クロック発生部120、合成器130およびアンテナ140からなる。
送信部110aは、変調部111a、PLL回路112aおよびVCO(電圧制御発振器)113aからなる。VCO113aは、PLL回路112aから供給されるリファレンス信号(制御電圧)に応じて出力周波数が変化する。VCO113aから出力されたローカル信号117aは、変調部111aおよびPLL回路12aに供給されている。
PLL回路112aは、基準クロック発生部120から供給されるリファレンス信号116aの位相とVCO113aから供給されるローカル信号117aの位相との差(位相差)に応じたリファレンス信号(制御電圧)をVCO113aに供給する。変調部111aは、VCO113aから供給されるローカル信号117aに基づいて、無線移動局にデータを送信するためのデジタル信号から送信波18aを生成する。
送信部110bは、送信部110aと同様な構成であって、変調部111b、PLL回路112bおよびVCO(電圧制御発振器)113bからなる。この送信部110bでは、PLL回路112bが、基準クロック発生部120から供給されるリファレンス信号116bの位相とVCO113bから供給されるローカル信号117bの位相との差(位相差)に応じたリファレンス信号(制御電圧)をVCO113bに供給する。そして、変調部111bが、VCO113bから供給されるローカル信号117bに基づいて送信波118bを生成する。
合成器130は、送信部110aから出力された送信波118aと送信部110bから出力された送信波118bとをそれぞれ入力としており、これら送信波118a、118bを合成した合成波131をアンテナ140に供給する。アンテナ140は、入力された合成波131に基づく無線信号(電波)を送出する。
この無線送信機100では、PLL回路112aによって、VCO113aから出力されるローカル信号117aの位相が、基準クロック発生部120から供給されるリファレンス信号116aの位相と合致するように制御され、PLL回路112bによって、VCO113bから出力されるローカル信号117bの位相が、基準クロック発生部120から供給されるリファレンス信号116bの位相と合致するように制御される。したがって、リファレンス信号116a、116の間の位相が一致していれば、ローカル信号117a、117bの間の位相も一致し、その結果、送信波118a、118bの位相が一致することになる。送信波118a、118bの位相が一致した状態で、合成波131の振幅(利得)は最大となる。
しかし、上述した無線送信機100においては、PLL回路112a、112bに入力されるリファレンス信号116a、116bの位相は完全には一致しない。これは、送信部110a、110bを用いた種々の送信機能を実現する上で、回路設計上どうしても、基準クロック発生部120とPLL回路112aの間を接続する配線パターンの配置と基準クロック発生部120とPLL回路112bの間を接続する配線パターンの配置とが異なり、それぞれの配線パターンにおける、リファレンス信号116a、116bに対して生じる遅延の大きさが異なるためである。このようにリファレンス信号116a、116bの間に位相差が生じると、ローカル信号117a、117bの間で位相差が生じ、その結果、送信波118a、118bの間で位相差が生じてしまい、合成波131の利得が低減する。
そこで、送信波118a、118bの位相を一致させることのできる無線送信機が提案されている。図11に、その無線送信機の構成を示す。
図11を参照すると、無線送信機101は、図10に示した構成に、分配器121a、121b、位相比較器122および位相補正回路123a、123bを加えたものである。
分配器121aは、変調部111aから出力された送信波118aを2つに分配し、一方を送信波124aとして位相比較回路122に供給し、他方を送信波125aとして位相補正回路123aに供給する。分配器121bは、変調部111bから出力された送信波118bを2つに分配し、一方を送信波124bとして位相比較回路122に供給し、他方を送信波125bとして位相補正回路123bに供給する。
位相比較回路122は、分配器121aから供給された送信波124aの位相と分配器121bから供給された送信波124bの位相とを比較し、両信号間の位相差に応じた補正信号126を位相補正回路123a、123bに供給する。位相補正回路123aは、補正信号126に基づいて、分配器121aから供給された送信波125aの位相を補正し、位相補正回路123bは、補正信号126に基づいて、分配器121bから供給された送信波125bの位相を補正する。合成器130は、位相補正回路123a、123bのそれぞれで位相補正された送信波から合成波を生成する。
上記の他、第1および第2のVCOを備え、これら第1および第2のVCOの出力信号の位相差に基づいて、第1のVCOの入力制御電圧を制御することで、第1および第2のVCOの出力信号を一定の位相差で保持する周波数変換器が提案されている(特許文献1参照)。
特開昭61-182305号公報
しかしながら、図11に記載の無線送信機には、以下のような問題がある。
分配器121a、121b、位相比較器122および位相補正回路123a、123bからなる回路は、送信部110a、110bから出力された高周波の送信波118a、118bを処理するように構成されている。このため、分配器121a、121b、位相比較器122および位相補正回路123a、123bには、高周波対応の電気部品を使用する必要がある。このような高周波対応の電気部品は高価であるため、無線送信機の部品コストが増大することになる。
特許文献1に記載の周波数変換器においては、第1および第2のVCOの出力信号の位相差に基づいて、第1のVCOの入力制御電圧を制御するようになっているので、上記のような高周波数対応の電気部品を使用する必要はない。したがって、この周波数変換器を図10に示した無線送信機に適用することで、上記の問題を解消することが可能である。しかし、この場合は、以下のような問題を生じる。
図10に示した変調部111a、111bを構成する電気部品(特にフィルタ)の特性は温度により著しく変化し、しかもそのような電気部品の特性変化には個体差が有る。このため、ローカル信号117a、117bの位相が一致しても、各変調部を構成する電気部品(特にフィルタ)の特性が温度により変化するため、送信波118a、118bの間で位相ずれが生じる。
本発明の目的は、上記問題を解決し、各変調部を構成する電気部品の特性が温度により変化する場合であっても、各変調部から出力される送信波の位相を合わせることのできる、低コストの無線送信機を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の無線送信機は、
第1および第2の送信部と、
前記第1および第2の送信部から出力された送信波を合成する合成器と、
前記第1および第2の送信部にリファレンス信号を供給する補正部と、を有し、
前記第1および第2の送信部のそれぞれは、
入力された制御電圧に応じて出力周波数が変化する電圧制御発振器と
前記電圧制御発振器の出力信号と前記補正部から供給されたリファレンス信号との間の位相差に応じた制御電圧を前記電圧制御発振器に供給する位相同期ループ回路と、
前記電圧制御発振器の出力信号に基づいて送信データを変調し、該変調データを前記送信波として出力する変調部と、
前記電圧制御発振器の出力信号を前記補正部に供給する分配器と、を有し、
前記補正部が、前記第2の送信部に供給されるリファレンス信号の位相を補正することで、前記第1および第2の送信部から供給される前記電圧制御発振器の出力信号の間の位相差と前記第1および第2の送信部を構成する変調部の特性が温度によって変化することにより発生する前記送信波の間の位相差とをそれぞれ補正することを特徴とする。
上記の構成によれば、第1および第2の送信部のそれぞれに設けられた各電圧制御発振器の出力信号の間で位相差が生じると、補正部が、その位相差に応じて、第2の送信部に供給されるリファレンス信号の位相を補正する。これにより、各電圧制御発振器の出力信号の位相が一致する。
加えて、各電圧制御発振器の出力信号の位相が一致した状態において、変調部の特性が温度によって変化して送信波の間で位相差が生じる場合は、補正部が、その位相差に応じて、第2の送信部に供給されるリファレンス信号の位相を補正する。これにより、送信波の位相は常に一致した状態となる。
また、第2の送信部に供給されるリファレンス信号は低周波の信号であり、この低周波のリファレンス信号の位相を補正するように構成しているので、従来のような、高周波対応の電気部品を使用する必要がない。
本発明によれば、各変調部を構成する電気部品の特性が温度により変化する場合であっても、各変調部から出力される送信波の位相を合わせることのできるので、合成波の利得をより高くすることできる。
また、高周波対応の電気部品を使用する必要がないので、その分、部品コストを抑えるができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である無線送信機の概略構成を示すブロック図である。図1を参照すると、無線送信機1は、移動体通信における無線基地局に適用されるものであって、その主要部は、送信部10a、10b、補正部20、合成器30およびアンテナ40からなる。
送信部10aは、変調部11a、PLL回路12a、VCO(電圧制御発振器)13aおよび分配器14aからなる。VCO13aは、PLL回路12aから供給されるリファレンス信号(制御電圧)に応じて出力周波数が変化する。VCO13aの出力(ローカル信号)は分配器14aに供給されるとともに、PLL回路12aに供給されている。
PLL回路12aは、補正部20から供給されるリファレンス信号16aの位相とVCO13aから供給されるローカル信号の位相との差(位相差)に応じたリファレンス信号(制御電圧)をVCO13aに供給する。分配器14aは、VCO13aの出力(ローカル信号)を2つに分配し、一方をローカル信号15aとして補正部20に供給し、他方をローカル信号17aとして変調部11aに供給する。変調部11aは、VCO13aから分配器14aを介して供給されるローカル信号17aに基づいて、無線移動局にデータを送信するためのデジタル信号から送信波18aを生成する。
送信部10bは、送信部10aと同様な構成であって、変調部11b、PLL回路12b、VCO(電圧制御発振器)13bおよび分配器14bからなる。この送信部10bでは、PLL回路12bが、補正部20から供給されるリファレンス信号16bの位相とVCO13bから供給されるローカル信号の位相との差(位相差)に応じたリファレンス信号(制御電圧)をVCO13bに供給する。そして、変調部11bが、VCO13bから分配器14bを介して供給されるローカル信号17bに基づいて送信波18bを生成する。
合成器30は、送信部10aから出力された送信波18aと送信部10bから出力された送信波18bとをそれぞれ入力としており、これら送信波18a、18bを合成した合成波31をアンテナ40に供給する。アンテナ40は、入力された合成波31に基づく無線信号(電波)を送出する。
補正部20は、PLL回路12a、12bにリファレンス信号16a、16bを供給するとともに、分配器14a、14bから供給されるローカル信号15a、15bの位相が一致するように、リファレンス信号16bの位相を補正する。また、補正部20は、リファレンス信号16a、16bの位相を補正する際に、変調部11a、11bを構成する電気部品(特にフィルタ)の特性の、温度および個体差による変化により発生する、送信波18a、18bの間の位相差を補正するための補正値を、リファレンス信号16bに加える。
上述した無線送信機1では、補正部20により、ローカル信号15a、15bの位相(ローカル信号17a、17bの位相に同じ)が一致するようにリファレンス信号16bの位相が補正されると同時に、変調部11a、11bを構成する電気部品(特にフィルタ)の温度による特性変化に応じて、リファレンス信号16bに対する位相補正量が調整される。これにより、無線送信機1内の温度が変化しても、変調部11a、11bから出力された送信波18a、18bの位相は常に一致することになる。
なお、ローカル信号15a、15bを補正部20に供給するための配線パターンは、リファレンス信号16a、16bをPLL回路12a、12bに供給するための配線パターンに比較して、送信部10a、10bを用いた種々の送信機能を実現する上での回路設計上の制約は少ないため、ローカル信号15a、15bに対して生じるそれら配線パターンの遅延がほぼ同じになるよう設計することが可能である。
次に、変調部11a、11bおよび補正部20の構成について具体的に説明する。
図2に、変調部11aの一構成例を示す。図2を参照すると、変調部11aは、信号処理部50、フィルタ51、54、アンプ52、55、56、およびミキサ53からなる。
信号処理部50は、移動局にデータ送信するためのデジタル信号を低周波数なアナログ信号に変換し、その変換したアナログ信号をIF信号57として出力する。IF信号57は、フィルタ51およびアンプ52を介してミキサ53の一方の入力に供給されている。フィルタ51は、信号処理部50におけるD/A変換時に発生する不要なスプリアスを除去するためのものである。アンプ52は、フィルタ51の出力を増幅する。
ミキサ53の他方の入力には、ローカル信号17aがアンプ56を介して供給されている。アンプ56は、ローカル信号17aを増幅する。ミキサ53は、アンプ52を介して供給されたIF信号とアンプ56を介して供給されたローカル信号とに基づいて高周波数のRF信号58を生成する。RF信号58はフィルタ54を介してアンプ55に供給されている。フィルタ54は、ミキサ53にて発生する不要なスプリアスを除去するためのものである。アンプ55は、フィルタを介して供給されるRF信号を増幅する。アンプ55の出力信号が、送信波18aである。
変調部11bも、図2に示した構成と全く同じのものであるが、変調部11bを構成する各フィルタの、温度による特性変化が、変調部11aのそれと異なる。このため、ローカル信号17a、17bの位相を一致させるだけでは、変調部11a、11bの内部電気部品(フィルタ)の、温度および固体差による特性変化により、送信波18a、18bの間で位相差が生じる。内部電気部品の、温度および固体差による特性変化によらず、送信波18a、18bの位相を一致させるために、補正部20による位相補正が行われる。
図3に、補正部20の具体的な構成を示す。図3を参照すると、補正部20は、制御部21、位相比較回路22、温度センサ23、メモリ24、位相補正回路25および基準発振器26からなる。
基準発振器26は、水晶振動子を備える基準クロック信号源であって、互いの位相が一致している第1および第2の基準クロック信号を出力する。第1の基準クロック信号は、リファレンス信号16aとしてPLL回路12aに供給されている。第2の基準クロック信号は、位相補正回路25に供給されている。
位相比較回路22は、分配器14aから供給されるローカル信号15aの位相と分配器14bから供給されるローカル信号15bの位相とを比較し、両信号の位相差を示す信号を制御部21に供給する。温度センサ23は、無線送信機1の内部の温度(これは、変調部11a、11bの温度に対応する)を検出する。
メモリ24には、位相比較回路22にて検出されるローカル信号15a、15bの間の位相差を補正するための第1のテーブル情報と、変調部11a、11bを構成する電気部品(特にフィルタ)の特性の、温度および個体差による変化により発生する、送信波18a、18bの間の位相差を補正するための第2のテーブル情報とが予め格納されている。
制御部21は、位相比較回路22から供給される位相差信号によって示される位相差に基づいて、メモリ24に格納されている第1のテーブル情報から、その位相差に対応する第1の補正値を取得する。また、制御部21は、温度センサ23から供給される温度測定値に基づいて、メモリ24に格納されている第2のテーブル情報から、その温度測定値に対応する第2の補正値を取得する。さらに、制御部21は、取得した第1および第2の補正値を加算した値を示す補正信号27を位相補正回路25に供給する。
位相補正回路25は、制御部21から供給される補正信号27によって示される補正値(第1および第2の補正値の合計)に従って、基準発振器26から供給される第2の基準クック信号の位相を補正する。位相補正回路25で位相が補正された第2の基準クック信号は、リファレンス信号16bとしてPLL回路12bに供給される。
次に、補正部20による位相補正動作について具体的に説明する。以下では、第1の補正値に基づく位相補正動作と第2の補正値に基づく位相補正動作とに分けて、それぞれの動作を説明する。
(1)第1の補正値に基づく位相補正動作:
まず、2つの送信波(正弦波)を足し合わせる原理について説明する。
図4に、2つの送信波の位相が一致する場合の合成波を模式的に示す。図4において、(a)は第1の送信波の波形(=sin θ)、(b)は第2の送信波の波形(=sin θ)、(c)は第1および第2の送信波の合成波の波形(=2×sin θ)である。第1および第2の送信波はそれぞれ送信波18a、18bに対応し、合成波は合成波31に対応する。第1および第2の送信波の位相は一致しているので、合成波の振幅(ピーク値)は、第1および第2の送信波の振幅の2倍になる。
図5に、2つの送信波の位相が90度ずれている場合の合成波を模式的に示す。図5において、(a)は第1の送信波の波形(=sin θ)、(b)は第2の送信波の波形(=sin (θ+90))、(c)は第1および第2の送信波の合成波の波形(=sin θ + sin (θ+90))である。第1および第2の送信波はそれぞれ送信波18a、18bに対応し、合成波は合成波31に対応する。第1および第2の送信波の位相は90度ずれているため、合成波の振幅(ピーク値)は、第1および第2の波形の振幅の√2倍となる。
図6に、2つの送信波の位相が150度ずれている場合の合成波を模式的に示す。図6において、(a)は第1の送信波の波形(=sin θ)、(b)は第2の送信波の波形(=sin (θ+150))、(c)は第1および第2の送信波の合成波の波形(=sin θ + sin (θ+150))である。第1および第2の送信波はそれぞれ送信波18a、18bに対応し、合成波は合成波31に対応する。第1および第2の送信波の位相は150度ずれているため、合成波の振幅(ピーク値)は、第1および第2の波形の振幅の半分となる。
図5および図6に示したように、第1および第2の送信波に位相差が生じた場合は、合成波は最大振幅を得られない。合成波の最大振幅を得るには、図4に示したように、第1および第2の送信波の位相を一致させる必要がある。第1の補正値に基づく位相補正では、送信波18a、18bの位相を一致させるため、制御部21が、ローカル信号15a、15bの間の位相差に基づいて補正値を決定する。
図7に、ローカル信号15a、15bの間の位相差と第1の補正値との関係を模式的に示し、図8に、第1のテーブル情報としてメモリ24に格納される、第1の補正値とローカル信号15a、15bの間の位相差との関係を示す。
図7には、ローカル信号15a、15bの位相が一致している第1の状態と、ローカル信号15bの位相がローカル信号15aの位相に対して進んでいる第2の状態とが示されている。第1の状態では、第1の補正値は2.0Vとされ、第2の状態では、第1の補正値は1.5Vとされる。このように、ローカル信号15a、15bの位相差に応じて第1の補正値を決定する。
メモリ24には、図8に示すような関係を有する第1のテーブル情報が格納されており、制御部21は、その第1のテーブル情報を参照して、位相比較回路22から供給される位相差(ローカル信号15a、15bの位相差)に基づいて第1の補正値を決定する。図8において、縦軸は第1の補正値を示し、横軸はローカル信号15a、15bの位相差を示す。位相差が180°、90°、0°、−90°、−180°と変化すると、第1の補正値は、1.0V、1.5V、2.0V、2.5V、3.0Vと変化する。このように、位相差と第1の補正値とは比例の関係にあり、この関係に基づく第1のテーブル情報がメモリ24に格納されている。
補正部20では、位相比較回路22が、ローカル信号15a、15bの位相差を常時検出しており、制御部21が、位相比較回路22で検出されたローカル信号15a、15bの位相差に基づいて、メモリ24に格納された第1のテーブル情報を参照して第1の補正値を決定する。
ローカル信号15a、15bの位相差が0°である場合は、制御部21は、第1の補正値を補正電圧2.0Vに設定する。第2の補正値を考慮せず、第1の補正値のみで位相補正を行うと仮定すると、位相補正回路25は、補正電圧2.0Vに基づいて、基準発振器26から供給される第2の基準クロック信号の位相を補正する。この場合、リファレンス信号16a、16bの間の位相差はゼロとなる。
ローカル信号15bの位相がローカル信号15aの位相より90°だけ進んでいる場合は、制御部21は、第1の補正値を補正電圧1.5Vに設定する。第2の補正値を考慮せず、第1の補正値のみで位相補正を行うと仮定すると、位相補正回路25は、補正電圧1.5Vに基づいて、基準発振器26から供給される第2の基準クロック信号の位相を補正する。この場合、リファレンス信号16bの位相は、リファレンス信号16aの位相に対して90°遅れる。PLL回路12bにより、VCO13bの出力(ローカル信号17b)の位相がリファレンス信号16bの位相に一致するように制御されることで、ローカル信号15a、15bの位相差が0になる。
ローカル信号15bの位相がローカル信号15aの位相より90°だけ進んでいる場合は、制御部21は、第1の補正値を補正電圧1.5Vに設定する。第2の補正値を考慮せず、第1の補正値のみで位相補正を行うと仮定すると、位相補正回路25は、補正電圧1.5Vに基づいて、基準発振器26から供給される第2の基準クロック信号の位相を補正する。この場合、リファレンス信号16bの位相は、リファレンス信号16aの位相に対して90°遅れる。PLL回路12bにより、VCO13bの出力(ローカル信号17b)の位相がリファレンス信号16bの位相に一致するように制御されることで、ローカル信号15a、15bの位相差が0になる。
第1のテーブル情報には、位相差が−180°から180°の範囲における第1の補正値が設定されるので、ローカル信号15a、15bの位相誤差がどのような値になろうとも、第1の補正値に基づく位相補正を行うことが可能である。
(2)第2の補正値に基づく位相補正動作:
上記の「(1)第1の補正値に基づく位相補正動作」によりローカル信号17a、17bの位相は一致する。しかし、ローカル信号17a、17bの位相が一致するだけでは、変調部11a、11bを構成する電気部品(特にフィルタ)の特性の、温度および個体差による変化により、送信波18a、18bの間で位相差を生じる。第2の補正値に基づく位相補正動作では、この送信波18a、18bの間の位相差を補正する。
メモリ24には、温度と第2の補正値との関係を示すテーブル情報が予め格納されている。第2の補正値は、変調部11a、11bを構成する電気部品(特にフィルタ)の特性の、温度および個体差による変化により発生する、送信波18a、18bの間の位相差を補正するためのものである。
図9に、第2のテーブル情報としてメモリ24に格納される、第2の補正値と温度との関係を示す。縦軸に第2の補正値、横軸に温度が取られている。第2の補正値と温度は、補正値が温度の上昇とともに増加する比例の関係にある。この第2のテーブル情報は、以下のようにして作成することができる。
ローカル信号17a、17bの位相を一致させた状態で、所定の温度範囲(無線送信機の使用環境温度の範囲を含む)において温度を変化させ、それぞれの温度における送信波18a、18bの間の位相差を調べる。そして、温度毎の送信波18a、18bの間の位相差について、その位相差が0になるような、第2の基準クロック信号に対する補正値(すなわち、第2の補正値)を調べる。このようにして調べた各温度と補正値の関係に基づいて、第2のテーブル情報が作成される。
補正部20では、制御部21は、温度センサ23の出力から得られる温度測定値に基づいて、メモリ24に格納されている第2のテーブル情報から第2の補正値を取得する。そして、制御部21は、取得した第2の補正値を、上述の「(1)第1の補正値に基づく位相補正動作」により設定した第1の補正値に加算し、その合計値を補正値として位相補正回路25に供給する。位相補正回路25は、制御部21から供給される第1および第2の補正値の合計である補正値に基づいて、基準発振器26から供給される第2の基準クロック信号の位相を補正する。この補正動作により、送信波18a、18bの位相を完全に一致させることができ、合成波31の利得(振幅)を、送信波の最大合成利得(2倍)とすることができる。
以上説明した本実施形態の無線送信機によれば、各送信部のそれぞれに設けられた各電圧制御発振器の出力信号の間で位相差が生じると、補正部が、その位相差に応じて、一方の送信部に供給されるリファレンス信号の位相を補正する。これにより、各電圧制御発振器の出力信号の位相が一致する。加えて、各電圧制御発振器の出力信号の位相が一致した状態において、変調部の特性が温度によって変化して送信波の間で位相差が生じる場合は、補正部が、その位相差に応じて、一方の送信部に供給されるリファレンス信号の位相を補正する。これにより、送信波の位相は常に一致した状態となる。このように、各変調部を構成する電気部品の特性が温度により変化する場合であっても、各変調部から出力される送信波の位相を合わせることのできるので、合成波の利得をより高くすることできる。
また、送信部に供給されるリファレンス信号は低周波の信号であり、この低周波のリファレンス信号の位相を補正するように構成しているので、従来のような、高周波対応の電気部品を使用する必要がない。このように、高周波対応の電気部品を使用する必要がないので、その分、部品コストを抑えるができる。
以上説明した無線送信機は、本発明の一例であり、その構成および動作は発明趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。
本発明は、移動体通信の無線基地局だけでなく、2つの送信部から送出された送信波を合成する機能を有する他の無線送信機にも適用することができる。
本発明の一実施形態である無線送信機の概略構成を示すブロック図である。 図1に示す変調部の一例を示すブロック図である。 図1に示す補正部の一例を示すブロック図である。 2つの送信波の位相が一致する場合の合成波を説明するための模式図である。 2つの送信波の位相が90度ずれている場合の合成波を説明するための模式図である。 2つの送信波の位相が150度ずれている場合の合成波を説明するための模式図である。 ローカル信号間の位相差と第1の補正値との関係を説明するための模式図である。 第1の補正値とローカル信号間の位相差との関係を説明するための特性図である。 第2の補正値と温度との関係を説明するための特性図である。 従来の無線基地局装置の無線送信機の一例を示すブロック図である。 従来の無線基地局装置の無線送信機の他の例を示すブロック図である。
符号の説明
1 無線送信機
10a、10b 送信部
11a、11b 変調部
12a、12b PLL回路
13a、13b VCO(電圧制御発振器)
14a、14b 分配器
20 補正部
30 合成器
40 アンテナ

Claims (4)

  1. 第1および第2の送信部と、
    前記第1および第2の送信部から出力された送信波を合成する合成器と、
    前記第1および第2の送信部にリファレンス信号を供給する補正部と、を有し、
    前記第1および第2の送信部のそれぞれは、
    入力された制御電圧に応じて出力周波数が変化する電圧制御発振器と
    前記電圧制御発振器の出力信号と前記補正部から供給されたリファレンス信号との間の位相差に応じた制御電圧を前記電圧制御発振器に供給する位相同期ループ回路と、
    前記電圧制御発振器の出力信号に基づいて送信データを変調し、該変調データを前記送信波として出力する変調部と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記補正部に供給する分配器と、を有し、
    前記補正部は、前記第2の送信部に供給されるリファレンス信号の位相を補正することで、前記第1および第2の送信部から供給される前記電圧制御発振器の出力信号の間の位相差と前記第1および第2の送信部を構成する変調部の特性が温度によって変化することにより発生する前記送信波の間の位相差とをそれぞれ補正する、無線送信機。
  2. 前記補正部は、
    互いの位相が一致している第1および第2の基準クロック信号を発生する基準クロック発生部と、
    前記第1および第2の送信部から供給される前記電圧制御発振器の出力信号の間の位相差と該位相差を補正するための第1の補正値とが関連付けられて格納された第1のテーブルと、
    前記第1および第2の送信部を構成する変調部の特性が温度によって変化することにより発生する前記送信波の間の位相差を補正するための第2の補正値が、前記温度と関連付けられて格納された第2のテーブルと、
    前記変調部の温度を測定するための温度センサと、
    前記第1および第2の送信部から供給される前記電圧制御発振器の出力信号の位相を比較し、該出力信号間の位相差を出力する位相比較回路と、
    前記第1のテーブルを参照して、前記位相比較回路から供給される位相差に対応する第1の補正値を取得し、前記第2のテーブルを参照して、前記温度センサによる測定値に対応する第2の補正値を取得し、該第1および第2の補正値を加算した補正値を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された前記補正値に基づいて、前記第2の基準クロック信号の位相を補正する位相補正回路と、を有し、
    前記第1の基準クロック信号がリファレンス信号として前記第1の送信部に供給され、前記位相補正回路で位相が補正された前記第2の基準クロック信号がリファレンス信号として前記第2の送信部に供給される、請求項1に記載の無線送信機。
  3. 入力された制御電圧に応じて出力周波数が変化する第1および第2の電圧制御発振器の出力信号に基づいて送信データを変調して得られる第1および第2の送信波を合成する第1のステップと、
    互いの位相が一致した第1および第2の基準クロック信号を生成する第2のステップと、
    前記第1の電圧制御発振器の出力信号と前記第1の基準クロック信号との間の位相差に応じた制御電圧を前記第1の電圧制御発振器に供給する第3のステップと、
    前記第2の電圧制御発振器の出力信号と前記第2の基準クロック信号との間の位相差に応じた制御電圧を前記第2の電圧制御発振器に供給する第4のステップと、
    前記第2の基準クロック信号の位相を補正することで、前記第1の電圧制御発振器の出力信号と前記第2の電圧制御発振器の出力信号の間の位相差と、前記送信データを変調する変調部の特性が温度によって変化することにより発生する前記第1および第2の送信波の間の位相差とをそれぞれ補正する第5のステップと、を含む位相補正方法。
  4. 前記第5のステップは、
    前記第1および第2の電圧制御発振器の出力信号の間の位相差を検出し、前記第1および第2の電圧制御発振器の出力信号の間の位相差と該位相差を補正するための第1の補正値とが関連付けられて格納された第1のテーブルを参照して、検出した前記位相差に対応する第1の補正値を取得するステップと、
    前記変調部の温度を測定し、前記変調部の特性が温度によって変化することにより発生する前記送信波の間の位相差を補正するための第2の補正値が、前記温度と関連付けられて格納された第2のテーブルを参照して、測定した前記変調部の温度に対応する第2の補正値を取得するステップと、
    取得した前記第1および第2の補正値を加算した補正値に基づいて、前記第2の基準クロック信号の位相を補正するステップと、を含む、請求項3に記載の位相補正方法。
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