JP2005287010A - 2点変調型周波数変調装置、無線送信装置及び無線通信装置 - Google Patents

2点変調型周波数変調装置、無線送信装置及び無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 2点変調間の入力タイミング差を減少することができ、変調精度を向上することができる2点変調型周波数変調装置及びその変調方法を提供すること。
【解決手段】 2点変調型周波数変調装置10は、PLL回路11と、第1のデジタルベースバンド信号S1及び搬送波信号に基づき分周器111の分周比を設定する分周比生成部13と、ループフィルタ113の出力信号に第2のデジタルベースバンド信号S2を加算する加算器114と、加算器114から出力される出力信号の振幅の変化量に基づき遅延量係数を算出する遅延量係数算出手段(フィルタ係数算出部17)と、遅延量係数に応じて第1、第2のデジタルベースバンド信号S1、S2のいずれかの位相をシフトさせ、位相差を減少させる遅延調整手段(デジタルフィルタ18)とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に、携帯電話機を含む移動体通信端末、この移動体通信端末との間で通信を行う基地局等の通信機器に使用される2点変調型周波数変調装置、無線送信装置及び無線通信装置に関する。
通信機器に使用されるPLL(Phase Locked Loop)変調方式には、一般的に低コスト、低消費電力、良好なノイズ特性並びに高い変調精度が求められている。このPLL変調方式において、変調精度を良くするためには、変調信号の周波数帯域(変調帯域)幅よりもPLLの周波数帯域(PLL帯域)幅を広くすることが望ましい。
しかしながら、PLL帯域幅を広げると、逆にノイズ特性が劣化してしまう。そこで、PLL帯域幅を変調帯域幅よりも狭く設定し、PLL帯域内の変調とPLL帯域外の変調を異なる2箇所で行う2点変調方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案された2点変調方式を採用する広帯域変調PLLは、図22に示すように、電圧制御発振器(VCO)1A、分周器1B、位相比較器1C、ループフィルタ1D及び加算器1Eを含むPLLと、変調感度テーブル4と、デルタシグマ変調器5と、D/A変換器6と、A/D変換器7と、加算器2と、制御部3とを備えている。
PLLの電圧制御発振器1AはRF変調信号を出力する。このRF変調信号の発振周波数は制御電圧端子Vtに入力される電圧に応じて変化する。分周器1Bは電圧制御発振器1Aから出力されたRF変調信号の周波数を分周する。位相比較器1Cは、分周器1Bから出力された信号の位相と基準信号の位相とを比較し、位相差に応じた信号を出力する。ループフィルタ1Dは位相比較器1Cからの出力信号を平均化する。
変調感度テーブル4は変調データに基づき変調信号を出力する。D/A変換器6は、制御部3から出力されるゲイン制御信号に応じて利得を調整しつつ、変調感度テーブル4から出力される変調信号をアナログ電圧に変換する。デルタシグマ変調器5は、加算器2によって得られた、変調感度テーブル4から出力された変調信号と制御部3から出力されたチャネル選択信号との加算信号にデルタシグマ変調をかけて分周器1Bの分周比を生成する。A/D変換器7は制御電圧端子Vtに入力される電圧値をデジタル値に変換し、このデジタル値に変換されたデータを制御部3に出力する。
米国特許第6,211,747号明細書
しかしながら、2点変調方式を採用する広帯域変調PLLにおいては、2点変調間の信号の入力タイミングが一致している必要があり、入力タイミング差が生じると変調精度(EVM:Error Vector Magnitude)が劣化する。
2点変調方式を採用する広帯域変調PLLを通信部として組み込む例えば携帯電話機の製作においては、電子部品の特性ばらつきに起因した前述の入力タイミング差が生じる。
また、携帯電話機の使用においては、電源の投入時、電源変動、温度変化等に起因した前述の入力タイミング差が生じる。更に、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を採用する携帯電話機は、タイムスロットの先頭において、電源変動、温度変化等に起因した前述の入力タイミング差が生じる。これらの入力タイミング差は、変調精度を向上するために是正する必要があるが、入力タイミング差の調整をどのように実現するかという具体的手法は現在のところ確立されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、2点変調間の入力タイミング差を減少することができ、変調精度を向上することができる2点変調型周波数変調装置、無線送信装置及び無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、PLL回路と、第1のデジタルベースバンド信号及び搬送波信号に基づき前記PLL回路の分周器の分周比を設定する分周比設定手段と、前記ループフィルタの出力信号に第2のデジタルベースバンド信号を加算する信号加算手段と、前記出力信号に前記第2のデジタルベースバンド信号を加算した信号の振幅の変化量に基づき遅延量係数を算出する遅延量係数算出手段と、前記遅延量係数に応じて前記第1、前記第2のデジタルベースバンド信号の少なくともいずれか一方の位相をシフトさせ、前記第1、前記第2のデジタルベースバンド信号間の位相差を減少させる遅延調整手段とを備えた構成を採る。
この構成によれば、遅延量係数算出手段を備えたので、出力信号に第2のデジタルベースバンド信号を加算した信号の振幅の変化量を検出しこの変化量に応じて遅延量係数を算出することができ、遅延調整手段を備えたので、遅延量係数に応じて第1、第2のデジタルベースバンド信号の少なくともいずれか一方の位相をシフトさせ、第1、第2のデジタルベースバンド信号間の位相差を減少することができる。更に、遅延量係数算出手段において出力信号に第2のデジタルベースバンド信号を加算した信号の振幅の変化量を検出しこの変化量に応じて遅延量係数を算出し、遅延調整手段において遅延量係数に応じて第1、第2のデジタルベースバンド信号の少なくともいずれか一方の位相をシフトさせているので、クロック信号の周波数速度に関係なく位相シフト量を設定することができ、クロック信号の周波数速度よりも微細な位相シフト量において、第1、第2のデジタルベースバンド信号間の位相差を減少することができる。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、前記遅延量係数算出手段は、前記遅延量係数の情報を格納する格納テーブルを備えた構成を採る。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、前記遅延調整手段は、前記遅延量係数算出手段により算出された前記遅延量係数をタップ係数とし、当該タップ係数に応じて前記第1、前記第2のデジタルベースバンド信号のいずれかの位相をシフトさせるデジタルフィルタである構成を採る。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、前記遅延量係数算出手段及び前記遅延調整手段は、前記第1のデジタルベースバンド信号と前記第2のデジタルベースバンド信号とを加算し、その加算結果の振幅値が最大値となるポイントを検出することで、遅延差が最小となるように調整する構成を採る。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、前記遅延量係数算出手段及び前記遅延調整手段が、前記第1デジタルベースバンド信号と、前記第1デジタルベースバンド信号を反転させた前記第2のデジタルベースバンド信号とを加算し、その加算結果の振幅値が最小値となるポイントを検出することで、遅延差が最小となるように調整する構成を採る。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、前記第1のデジタルベースバンド信号に対して前記第2のデジタルベースバンド信号を反転させる信号反転手段を更に備えた構成を採る。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、前記信号反転手段を、前記第1のデジタルベースバンド信号及び前記第2のデジタルベースバンド信号を供給する信号入力部、又は前記遅延調整手段内部に備えた構成を採る。
本発明の2点変調型周波数変調装置の一つの態様は、前記遅延調整手段を、前記第1のデジタルベースバンド信号の供給経路若しくは前記第2のデジタルベースバンド信号の供給経路、又は前記第1のデジタルベースバンド信号及び前記第2のデジタルベースバンド信号の供給経路の双方に備えた構成を採る。
本発明の無線送信装置は、上記いずれかの2点変調型周波数変調装置を具備する構成を採る。
本発明の無線通信装置は、上記いずれかの2点変調型周波数変調装置を具備する構成を採る。
本発明によれば、2点変調間の入力タイミング差を減少することができ、変調精度を向上することができる2点変調型周波数変調装置を提供することができ、さらにこの2点変調型周波数変調装置を搭載することで高品質な送信信号を形成可能な無線送信装置及び無線通信装置を提供することができる。
本発明の骨子は、2点変調方式のPLL回路のループフィルタから出力される出力信号にデジタルベースバンド信号を加算した信号の振幅の変化量に基づき遅延量係数を算出し、この遅延量係数に応じて2点変調部に供給されるデジタルベースバンド信号の少なくともいずれか一方の位相をシフトさせ、デジタルベースバンド信号間の位相差を減少するようにしたことである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
[2点変調型周波数変調装置の構造]
本発明の実施の形態1に係る2点変調型周波数変調装置10は、図1に示すように、電圧制御発振器(VCO)110、分周器111、位相比較器112及びループフィルタ113から構成されるPLL回路11と、第1のデジタルベースバンド信号S1及び搬送波信号に基づき分周器111の分周比を設定する分周比設定手段と、ループフィルタ113の出力信号に第2のデジタルベースバンド信号S2を加算する信号加算手段と、ループフィルタ113の出力信号に第2のデジタルベースバンド信号S2を加算した信号の振幅の変化量に基づき遅延量係数を算出する遅延量係数算出手段と、遅延量係数に応じて第2のデジタルベースバンド信号S2の位相をシフトさせ、第1デジタルベースバンド信号S1、第2のデジタルベースバンド信号S2間の位相差を減少させる遅延調整手段とを備えている。
2点変調型周波数変調装置10は更に信号入力部12を備え、この信号入力部12から第1のデジタルベースバンド信号S1、第2のデジタルベースバンド信号S2が出力される。実施の形態1において、信号入力部12から出力される第1のデジタルベースバンド信号S1及び第2のデジタルベースバンド信号S2には「sin波」を実用的に使用することができる。入力タイミング調整モードにおいて、信号入力部12は、タイミング調整制御信号に基づき、第1のデジタルベースバンド信号S1に対して反転した第2のデジタルベースバンド信号S2を出力する。具体的には、信号入力部12は、第1のデジタルベースバンド信号S1として「−sin波」を出力し、第2のデジタルベースバンド信号S2として「+sin波」を出力する。この信号の反転制御は、タイミング調整制御信号に基づき第1のデジタルベースバンド信号S1を反転させる例えばインバータ回路を信号入力部12に備えることにより簡易に実現することができる。
PLL回路11の電圧制御発振器110は制御電圧端子Vtに入力される電圧に応じて発振周波数を変化させることができる。位相比較器112は分周器111から出力される出力信号の位相と基準信号の位相とを比較し、双方の信号の位相差に応じた信号を出力する。PLL回路11はループフィルタ113から出力される出力信号に第2のデジタルベースバンド信号S2(実際には、デジタルフィルタ18、デジタルアナログ変換器14を経てフィルタ15から出力される出力信号)を加算する加算器114を更に備えている。ループフィルタ113は位相比較器112から出力される出力信号を平均化する。
分周比設定手段は分周比生成部13を備えて構築される。この分周比生成部13は、第1のデジタルベースバンド信号S1及び搬送波信号の入力に基づき分周比を設定し、この設定された分周比を分周器111に出力する。分周器111においては、分周比生成部13からの出力信号に基づき、PLL帯域内における変調信号を生成する。
信号加算手段は、第2のデジタルベースバンド信号S2をアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換器14と、デジタルアナログ変換器14から出力される出力信号に対して高調波成分を取り除くフィルタ15と、ループフィルタ113から出力される出力信号にフィルタ15から出力される出力信号を加算する加算器114とを備えて構築される。
この信号加算手段においては、ループフィルタ113から出力される出力信号にフィルタ15から出力される出力信号(第2のデジタルベースバンド信号S2)を加算することにより、電圧制御発振器110の入力信号にPLL帯域外の変調をかけることができる。
遅延量係数算出手段は、図1に示すように、フィルタ係数算出部17を備えて構築されている。実施の形態1においては、ループフィルタ113から出力される出力信号にフィルタ15から出力される出力信号を加算した信号、すなわち加算器114から出力される出力信号をデジタル信号として使用するようにしているので、遅延量係数算出手段はアナログデジタル変換器16を更に備える。アナログデジタル変換器16は、PLL回路11の加算器114から出力される出力信号を入力するので、加算器114と電圧制御発振器110との間、回路上、等価的には電圧制御端子Vtと同一箇所に接続されている。
フィルタ係数算出部17は図2に示す格納テーブル17Mを備えている。フィルタ係数算出部17においては、加算器114から出力される出力信号の振幅の変化量に対応した遅延量係数を算出することができ、この算出された遅延量係数が格納テーブル17Mに情報として格納されている。
遅延調整手段は、図1に示すように、実施の形態1においてデジタルフィルタ18を備えて構築されている。このデジタルフィルタ18は、図3に示すように、遅延素子(z変換部)180と、加算器181と、乗算器183及び184とを備えている。
デジタルフィルタ18において、信号入力部12から出力された第2のデジタルベースバンド信号S2は、乗算器183に入力されるとともに、遅延素子180を経て乗算器184に入力される。一方、フィルタ係数算出部17から出力される遅延量係数(本実施の形態の場合、タップ係数a0,a1)は、各乗算器183,184に入力される。
本実施の形態のフィルタ係数算出部17は、図2に示すように、遅延量係数に応じたタップ係数a0,a1を出力するようになっている。具体的には、タップ係数a0を乗算器183に出力し、タップ係数a1を乗算器184に出力する。乗算器183は、第2のデジタルベースバンド信号S2にタップ係数a0を乗算し、加算器181に出力する。乗算器184は、遅延素子180を経た第2のデジタルベースバンド信号S2にタップ係数a1を乗算し、加算器181に出力する。加算器181は、乗算器183、184の各々から出力される出力信号を加算し、遅延調整がなされた出力信号(第2のデジタルベースバンド信号S2)をデジタルアナログ変換器14及びフィルタ15を通して、PLL回路11の加算器114に出力する。
[2点変調型周波数変調装置の入力タイミング差調整方法]
次に、前述の2点変調型周波数変調装置10における、2点変調間の入力タイミング差の調整方法を説明する。
まず最初に、2点変調型周波数変調装置10は、図1に示すループフィルタ113、フィルタ15等の各電子部品の特性ばらつき、電源投入時の電源変動や温度変化等に起因した2点変調間の入力タイミングを調整するために、タイミング調整モードに設定される。
タイミング調整モードの設定は、信号入力部12にタイミング調整制御信号が入力されることにより行われる。タイミング調整制御信号の入力に基づき、信号入力部12は第1のデジタルベースバンド信号(例えば、−sin波)S1を出力するとともに、それに対して反転した第2のデジタルベースバンド信号(例えば、+sin波)S2を出力する。
第1のデジタルベースバンド信号S1は分周比生成部13に入力される。分周比生成部13は、第1のデジタルベースバンド信号S1及び搬送波信号に基づき分周比を生成し、この設定された分周比を分周器111に出力する。
PLL回路11においては、電圧制御発振器110からRF変調信号が発振され、この発振されたRF変調信号の周波数は分周されて分周器111に入力される。分周器111は、分周比生成部13からの出力信号に基づき、PLL帯域内における変調信号を生成する。分周器111から出力される出力信号は位相比較器112に入力される。位相比較器112は、分周器111から出力される出力信号の位相と基準信号の位相とを比較し、双方の信号の位相差に応じた信号を出力する。位相比較器112から出力される出力信号はループフィルタ113に入力され、このループフィルタ113は位相比較器112から出力される出力信号を平均化する。そして、このループフィルタ113から出力される出力信号は加算器114に入力される。
一方、信号入力部12から出力される第2のデジタルベースバンド信号S2はデジタルフィルタ18を経てデジタルアナログ変換器14に入力される。デジタルアナログ変換器14は第2のデジタルベースバンド信号S2をアナログ信号からデジタル信号に変換し、この変換された第2のデジタルベースバンド信号S2はフィルタ15に出力される。フィルタ15はデジタルアナログ変換器14から出力される出力信号に対して高調波成分を取り除き、この出力信号はPLL回路11の加算器114に出力される。加算器114においては、ループフィルタ113から出力される出力信号とフィルタ15から出力される出力信号とを加算し、加算された出力信号は制御電圧端子Vtに入力される電圧に応じて電圧制御発振器110に出力される。
ここで、2点変調型周波数変調装置10において、2点変調間の入力タイミングが一致している場合には、図4に示すように、ループフィルタ113から出力される出力信号(−sin波)S1aにフィルタ15から出力される出力信号(+sin波)S2aが加算されると、加算器114から出力される出力信号S3aの振幅は、出力信号S1aと出力信号S2aとの位相差が無いので、互いに打ち消しあってゼロになる。これに対して、入力タイミングが一致していない場合には、図5に示すように、ループフィルタ113から出力される出力信号S1bにフィルタ15から出力される出力信号S2bが加算されると、加算器114から出力される出力信号S3bにおいては、出力信号S1bと出力信号S2bとの位相差に起因する、出力信号S1bと出力信号S2bとを合成した振幅が得られる。
ここで、信号入力部12から入力される第1のデジタルベースバンド信号(位相変調データ)S1、第2のデジタルベースバンド信号(位相変調データ)S2として、図19に示す伝達関数H(s)と1−H(s)とが交わるときの周波数f0における正弦波(+sin波、−sin波)を選択すると、2点変調のタイミングが合致している場合、図4に示すように、出力信号S3の値をゼロにすることができる。しかしながら、ループフィルタ113等のばらつき等によって、周波数f0を選択することが困難であり、実際には、図19に示す周波数f1のように、周波数f0とずれた周波数の正弦波が入力されることになる。従って、それぞれの変調入力に対する利得に差が生じるため、第1のデジタルベースバンド信号S1及び第2のデジタルベースバンド信号S2のタイミングが合致している場合でも、出力信号S3の振幅はゼロにはならない。さらに、前述したように、第1のデジタルベースバンド信号S1及び第2のデジタルベースバンド信号S2のタイミングがずれるにしたがって、出力信号S3の振幅は大きくなる。従って、遅延量係数算出手段においては、出力信号S3の振幅が最小となる遅延量係数を求めることにより遅延調整を行う。
遅延量係数算出手段においては、PLL回路11の加算器114から出力される出力信号S3の振幅の変化量に基づき、以下の手順によって遅延量係数を算出する。
最初に、2点変調間の入力タイミングが一致していると仮定し、初期値として、図2に示す格納テーブル17Mに格納された遅延量係数「0」に相当するタップ係数a0「8/8」、a1「0/8」が、フィルタ係数算出部17から出力される。このとき、デジタルフィルタ18からは、実質的に遅延調整を行っていない第2のデジタルベースバンド信号S2が出力される。
ここで、図2に示すフィルタ係数算出部17の格納テーブル17Mに格納された遅延量係数は、図7に示すように、1クロック信号(立ち上がりから次の立ち上がりまで)を均等に8分割し、「0」、「1」、「2」、…、「8」として割り振られている。Ts比は1クロック信号に対する遅延間隔の比を表している。つまり、最初の遅延量係数「0」は、Ts比「0/8」であり、第2のデジタルベースバンド信号S2の遅延調整を実効的に行わない係数である。遅延量係数「1」は、Ts比「1/8」であり、1クロック信号の1/8だけ第2のデジタルベースバンド信号S2の位相シフトを行い遅延調整を行う係数である。遅延量係数「2」は、Ts比「2/8」であり、1クロック信号の2/8だけ第2のデジタルベースバンド信号S2の位相シフトを行い遅延調整を行う係数である。以下、同様で、最後の遅延量係数「8」は、Ts比「8/8」であり、1クロック信号の8/8、すなわち1クロック信号分、第2のデジタルベースバンド信号S2の位相シフトを行い遅延調整を行う係数である。
なお、実施の形態1においては、理解を容易にするために1クロック信号を8分割しているが、基本的には2の倍数分割で有ることが好ましく、このように1クロックを分割することで、感度を向上しつつ精度を向上することができる。
デジタルフィルタ18から出力された、実質的に遅延調整を行っていない第2のデジタルベースバンド信号S2はデジタルアナログ変換器14を経てフィルタ15に出力され、図6に示すように、フィルタ15から出力信号S2bが出力される。出力信号S2bは加算器114においてループフィルタ113から出力される出力信号S1bに加算され、加算器114は同図6に示す出力信号S3bを出力する。
アナログデジタル変換器16において、加算器114から出力される1周期分の出力信号(sin波)S3bのアナログデータ(a、b、c、d、…)をクロック信号毎(例えば、クロック信号の立ち上がり毎)にデジタルデータに変換する。この変換されたデジタルデータはフィルタ係数算出部17に取り込まれる。フィルタ係数算出部17においては、取り込まれたデジタルデータとその1クロック信号前に取り込まれたデジタルデータとを比較しながら、比較されたデジタルデータの最大値、最小値を求め、最終的に出力信号S3bの振幅の最大値W0を算出する。
フィルタ係数算出部17において、振幅の最大値W0が算出されると(入力タイミングが一致していないと検出されると)、格納テーブル17Mに格納された遅延量係数「0」から遅延量係数「1」に変更が行われる。フィルタ係数算出部17においては、遅延量係数「1」への変更に伴い、図2に示すように、遅延量係数「1」に相当するタップ係数a0「7/8」、a1「1/8」を出力する。このとき、デジタルフィルタ18は、図7に示す1クロック信号の1/8だけ第2のデジタルベースバンド信号S2の位相を遅延させる方向にシフトさせる。図8に示すように、第2のデジタルベースバンド信号S2はタップ係数a0、a1を変更することにより振幅方向の値を変えることができ、結果的に位相をシフトさせ、デジタルフィルタ18は1クロック信号の1/8だけ遅延させた第2のデジタルベースバンド信号S2cを出力することができる。
デジタルフィルタ18において生成された第2のデジタルベースバンド信号S2cはデジタルアナログ変換器14を経てフィルタ15に入力される。そして、このフィルタ15から出力される出力信号とループフィルタ113から出力される出力信号とが加算器114に出力される。加算器114においては、前述と同様に双方の出力信号を加算した出力信号から図6に示すように振幅の最大値W1を算出する。
フィルタ係数算出部17では、先に算出した出力信号の振幅の最大値W0と後に算出した出力信号の振幅の最大値W1とが比較される。そして、図9に示すように、出力信号S3cの振幅が最小値Wminになるまでこれらの一連の手順を繰り返し行うことにより、出力信号S3cの振幅が最小値Wminになる遅延量係数を求めることができる。この求められた遅延量係数(タップ係数a0,a1)はデジタルフィルタ18において保持され、2点変調間の入力タイミング差の調整に使用される。
かくして、2点変調間の入力タイミング差を最小とする最適なタップ係数a0,a1が検出され、保持される。そして実際の2点変調処理時(通常モード時)には、信号入力部12から分周比生成部13とデジタルフィルタ18の両方に、送信すべきベースバンド信号が入力される。
デジタルフィルタ18の周波数特性を図10に示す。図10中、横軸はサンプリング周波数[fs]、縦軸はゲイン[dB]である。周波数特性Dは遅延量係数「4」すなわちタップ係数a0「4/8」、タップ係数a1「4/8」に設定されたデジタルフィルタ18の周波数特性である。周波数特性Eは遅延量係数「5」すなわちタップ係数a0「3/8」、タップ係数a1「5/8」に設定されたデジタルフィルタ18の周波数特性である。なお本実施の形態の場合には、第2のデジタルベースバンド信号S2の遅延調整として使うデジタルフィルタ18はサンプリング周波数に対して十分低い周波数を対象としている。図10中、斜線を付して示すサンプリング周波数の低い領域においてフラットな特性を示しているので、デジタルフィルタ18を通過する第2のデジタルベースバンド信号S2の絶対振幅をずらすことがない。
[無線送信装置のシステム構成]
図11に、本実施の形態の2点変調型周波数変調装置10を、ポーラ変調送信方式を採用する無線送信装置に搭載した構成を示す。無線送信装置20は、図11に示すように、振幅位相分離部21と、振幅変調信号増幅器22と、前述の2点変調型周波数変調装置(周波数シンセサイザ)10と、高周波電力増幅器24と、アンテナ25とを備えている。振幅位相分離部21にはI(同相)成分及びQ(直交)成分からなるベースバンド変調信号が入力される。この振幅位相分離部21においては、ベースバンド変調信号の振幅成分(すなわち、√(I+Q))を振幅変調信号として振幅変調信号増幅器22に出力するとともに、ベースバンド変調信号の位相成分(例えば、変調シンボルとI軸とがなす角度)をベースバンド位相変調信号として2点変調型周波数変調装置10に出力する。
2点変調型周波数変調装置10は、搬送波信号(キャリア周波数データ)をベースバンド位相変調信号(第1のデジタルベースバンド信号S1)で変調することによりRF変調信号(高周波位相変調信号)を生成し、これを高周波電力増幅器24に出力する。具体的には、上述したように、デジタルフィルタ18に2点変調間の入力タイミング差を最小とする最適なタップ係数a0,a1が保持された状態で、分周比生成部13及びデジタルフィルタ18に送信すべきデジタルベースバンド信号S1が入力され、2点変調型の周波数変調が行われる。
高周波電力増幅器24は非線形増幅器で構成され、高周波電力増幅器24の電源電圧値は振幅変調信号増幅器22により増幅された振幅変調信号に応じて設定される。これにより、電源電圧値に2点変調型周波数変調装置10から出力されたRF変調信号を乗算した信号が高周波電力増幅器24の利得分だけ増幅され、送信信号として高周波電力増幅器24から出力される。送信信号はアンテナ25から送信される。
このようにポーラ変調送信方式を採用する無線送信装置20においては、高周波電力増幅器24に入力されるRF変調信号を、振幅方向の変動成分をもたない定包絡線信号とすることができるので、高周波電力増幅器24として高効率の非線形増幅器を使用することができる。
以上説明したように、実施の形態1に係る2点変調型周波数変調装置10によれば、ループフィルタ113から出力される出力信号にフィルタ15から出力される出力信号を加算した信号(加算器114の出力信号)の振幅の変化量を検出し、この振幅の変化量に応じて第2のデジタルベースバンド信号S2の位相をシフトさせる(遅延調整を行う)ことにより、第1のデジタルベースバンド信号S1、第2のデジタルベースバンド信号S2との間の位相差を減少させることができる。従って、2点変調型周波数変調装置10においては、2点変調間の入力タイミング差を減少することができ、変調精度を向上することができる。
更に、実施の形態1に係る2点変調型周波数変調装置10によれば、ループフィルタ113から出力される出力信号にフィルタ15から出力される出力信号を加算した信号の振幅の変化量を検出し、この振幅の変化量に応じてデジタルフィルタ18のタップ係数を調整し、第2のデジタルベースバンド信号S2の位相をシフトさせているので、クロック信号の周波数速度に関係なく位相シフト量を設定することができ、クロック信号の周波数速度よりも微細な位相シフト量において、第2のデジタルベースバンド信号S2の位相をシフトさせることができ、第1のデジタルベースバンド信号S1、第2のデジタルベースバンド信号S2との間の位相差を減少することができる。従って、2点変調型周波数変調装置10においては、2点変調間の入力タイミング差を一段と減少することができ、一段と変調精度を向上することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、実施の形態1に係る2点変調型周波数変換装置10において、2点変調間の入力タイミング調整モードにおけるデジタルベースバンド信号の反転手法を変えた例を説明するものである。
実施の形態2に係る2点変調型周波数変調装置10は、図12に示すように、分周比生成部13及びデジタルフィルタ18に第1のデジタルベースバンド信号S1を出力する信号入力部12と、入力タイミング調整モードにおいて第1のデジタルベースバンド信号S1を反転した第2のデジタルベースバンド信号S2を生成するとともにこの第2のデジタルベースバンド信号S2を位相シフトによって遅延調整を行い出力するデジタルフィルタ18(遅延調整手段)とを備えている。
デジタルフィルタ18は、図13に示すように、基本的構成は実施の形態1に係る2点変調型周波数変換装置10のデジタルフィルタ18と同様であるが、更にタイミング調整モード切換部185と、乗算器186及び187とを備えている。タイミング調整モード切換部185は基本的にはセレクタにより構成されている。このタイミング調整モード切換部185においては、タイミング調整モードの切り換えを行なうタイミング調整制御信号と、タイミング調整モードにおいてタップ係数a0、a1の各に相当する出力信号に乗算し第1のデジタルベースバンド信号S1を反転させた第2のデジタルベースバンド信号S2を生成する、「+1」、「−1」の反転制御信号とが入力される。通常モードにおいて、タイミング調整モード切換部185は出力信号「1」を乗算器186、187に出力する。
これにより、実施の形態2に係る2点変調型周波数変換装置10及び2点変調型周波数変調方法によれば、信号入力部12にデジタルベースバンド信号の反転機能を備えなくても、デジタルフィルタ18にタイミング調整モード切換部185、乗算器186及び187を備えた簡易な構成でデジタルベースバンド信号の反転信号を生成することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、実施の形態2に係る2点変調型周波数変調装置10において、入力タイミング調整モードにおいてデジタルベースバンド信号を反転させない例を説明するものである。
実施の形態3に係る2点変調型周波数変調装置10は、図14に示すように、実施の形態2に係る2点変調型周波数変調装置10の信号入力部12と基本的に同一構造の信号入力部12と、実施の形態1に係る2点変調型周波数変調装置10のデジタルフィルタ18と基本的に同一構造のデジタルフィルタ18とを備えている。本実施の形態の場合、信号入力部12は第1のデジタルベースバンド信号S1を分周比生成部13及びデジタルフィルタ18に出力する。デジタルフィルタ18は、入力タイミング調整モード並びに通常モードにおいて、第1のデジタルベースバンド信号S1と同一の反転されていない第2のデジタルベースバンド信号S2を生成し出力する。
ここで、2点変調型周波数変調装置10において、2点変調間の入力タイミングが一致している場合には、図15に示すように、ループフィルタ113から出力される出力信号(+sin波)S1aにフィルタ15から出力される出力信号(+sin波)S2aが加算されると、加算器114から出力される出力信号S3aは、出力信号S1aと出力信号S2aとの位相差が無いので、双方の出力信号S1a及びS2aを加算した最大値の振幅の信号となる。すなわち、出力信号S3aの振幅は実施の形態1に係る図4に示す出力信号S3aの振幅とは逆になる。これに対して、入力タイミングが一致していない場合には、図16に示すように、ループフィルタ113から出力される出力信号S1bにフィルタ15から出力される出力信号S2bが加算されると、加算器114から出力される出力信号S3bにおいては、出力信号S1bと出力信号S2bとの位相差に起因し、振幅が減少する。
このようなPLL回路11の加算器114から出力される出力信号S3の振幅の変化量に基づき、遅延量係数算出手段(フィルタ係数算出部17)においては、実施の形態1に係る手順と同様の手順を用いて遅延量係数(タップ係数)を算出することができ、この遅延量係数(タップ係数)に基づき、遅延調整手段(デジタルフィルタ18)により第2のデジタルベースバンド信号S2の遅延制御を行なうことができる。
従って、本実施の形態の2点変調型周波数変調装置10によれば、2点変調間の入力タイミング差を減少することができ、変調精度を向上することができる。更に、2点変調型周波数変調装置10においては、第1のデジタルベースバンド信号S1に対して第2のデジタルベースバンド信号S2を反転させる必要がないので、この反転信号を生成する回路構成を削減することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、図12に示す実施の形態2に係る2点変調型周波数変調装置10のデジタルフィルタ18を信号入力部12と分周比生成部13との間に挿入した例を説明するものである。すなわち、図17に示すように、実施の形態4に係る2点変調型周波数変調装置10は、信号入力部12から出力される第1のデジタルベースバンド信号S1が入力され、かつこの第1のデジタルベースバンド信号S1を分周比生成部13に出力するデジタルフィルタ18を備えている。実施の形態1乃至実施の形態3に係る各々の2点変調型周波数変調装置10は、いずれも第2のデジタルベースバンド信号S2の供給経路においてデジタルフィルタ18が配設されているが、実施の形態4に係る2点変調型周波数変調装置10は第1のデジタルベースバンド信号S1の供給経路においてデジタルフィルタ18を配設している。
このように、実施の形態4に係る2点変調型周波数変調装置10及び2点変調型周波数変調方法によれば、入力タイミング調整モードにおいて、第1のデジタルベースバンド信号S1の遅延制御を行なうことで、2点変調間の入力タイミング差を最小とする最適なタップ係数を検出しこれを保持する。そして実際の2点変調処理時(通常モード時)には、分周比生成部13に入力されるデジタルベースバンド信号を、デジタルフィルタ18によって上記最適なタップ係数を用いて遅延調整することで、2点変調間の入力タイミング差を減少させ、変調精度を向上させる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5は、図12に示す実施の形態2に係る2点変調型周波数変調装置10と図17に示す実施の形態4に係る2点変調型周波数変調装置10とを組み合わせた例を説明するものである。すなわち、実施の形態5に係る2点変調型周波数変調装置10は、図18に示すように、信号入力部12と分周比生成部13との間に挿入された第1のデジタルフィルタ18Aと、信号入力部12とデジタルアナログ変換器14との間に挿入された第2のデジタルフィルタ18Bとを備えている。第1のデジタルフィルタ18Aは、第1のデジタルベースバンド信号S1の供給経路に配設され、この第1のデジタルベースバンド信号S1の遅延制御を行なう。第2のデジタルフィルタ18Bは、第2のデジタルベースバンド信号S2の供給経路に配設され、この第2のデジタルベースバンド信号S2の遅延制御を行なう。
このように、実施の形態5に係る2点変調型周波数変調装置10及び2点変調型周波数変調方法によれば、入力タイミング調整モードにおいて、第1のデジタルベースバンド信号S1及び第2のデジタルベースバンド信号S2の遅延制御を行なうことで、2点変調間の入力タイミング差を最小とする最適なタップ係数を検出しこれを保持する。そして実際の2点変調処理時(通常モード時)には、分周比生成部13に入力されるデジタルベースバンド信号を第1のデジタルフィルタ18Aによって上記最適なタップ係数を用いて遅延調整すると共に、D/A変換器14に入力されるベースバンド信号を第2のデジタルフィルタ18Bによって上記最適なタップ係数を用いて遅延調整することで、2点変調間の入力タイミング差を減少させ、変調精度を向上させる。
(実施の形態6)
上述した実施の形態1の図11では、本発明の2点変調型周波数変調装置10をポーラ変調送信方式を採用した無線送信装置に搭載した例を説明したが、本発明の2変調型周波数変調装置は、ポーラ変調送信方式を採用した無線送信装置に限らず、その他の種々の無線送信装置、さらには受信機能も備えた種々の無線通信装置にも適用することができる。
図20に、本発明の2点変調型周波数変調装置10を備えた無線送信装置の構成例を示す。無線送信装置30は、前述の2点変調型周波数変調装置(周波数シンセサイザ)10と、増幅器31と、アンテナ25とを備えている。2点変調型周波数変調装置10は、上述したように、2点変調間の入力タイミング差を最小とする最適なタップ係数を検出しこれを保持した後、通常送信モード時に、デジタルフィルタによって上記最適なタップ係数を用いてベースバンド信号を遅延調整しつつ、搬送波信号(キャリア周波数データ)をベースバンド信号で変調することにより、RF変調信号(高周波位相変調信号)を生成し、これを増幅器31に出力する。増幅器31によって増幅された送信信号はアンテナ25から送信される。これにより、無線送信装置30においては、変調精度の改善された2点変調型周波数変調装置10を用いたので、高品質の送信信号を送信することができるようになる。
図21に、本発明の2点変調型周波数変調装置を備えた無線通信装置の構成例を示す。無線通信装置40は、2点変調型周波数変調装置10及び増幅器31を有する無線送信部41と、受信信号の復調処理等の所定の受信処理を行う無線受信部42と、送信信号と受信信号との切替えを行う共用器43と、アンテナ25とを備えている。これにより、無線送信装置40においては、変調精度の改善された2点変調型周波数変調装置10を用いたので、高品質の送信信号を送信することができるようになる。
本発明に係る2点変調型周波数変調装置、無線送信装置及び無線通信装置は、2点変調間の入力タイミング差を減少することができ、変調精度を向上することができるという効果を有し、携帯電話機、無線通信機、ノート型パーソナルコンピュータなどの携帯通信端末や移動体通信端末、無線基地局の通信装置などに組み込まれる2点変調型周波数変調装置、無線送信装置及び無線通信装置に有効である。
本発明の実施の形態1に係る2点変調型周波数変調装置のブロック図 図1に示す2点変調型周波数変調装置のフィルタ係数算出部の格納テーブルに格納された遅延量係数のデータを示す図 図1に示す2点変調型周波数変調装置のデジタルフィルタのブロック図 実施の形態1に係る出力波形図 実施の形態1に係る出力波形図 実施の形態1に係る出力波形図 実施の形態1に係る遅延調整間隔を示す図 実施の形態1に係る出力波形図 実施の形態1に係る出力波形図 デジタルフィルタの周波数特性図 図1に示す2点変調型周波数変調装置が組み込まれたポーラ変調送信方式を採用する無線通信装置のシステムブロック図 本発明の実施の形態2に係る2点変調型周波数変調装置のブロック図 図12に示す2点変調型周波数変調装置のデジタルフィルタのブロック図 本発明の実施の形態3に係る2点変調型周波数変調装置のブロック図 実施の形態3に係る出力波形図 実施の形態3に係る出力波形図 本発明の実施の形態4に係る2点変調型周波数変調装置のブロック図 本発明の実施の形態5に係る2点変調型周波数変調装置のブロック図 本発明の実施の形態1に係る周波数−ゲイン特性図 本発明の実施の形態6に係る無線送信装置のブロック図 本発明の実施の形態6に係る無線通信装置のブロック図 従来の広帯域変調PLLを示す概略構成図
符号の説明
10 2点変調型周波数変調装置
11 PLL回路
110 電圧制御発振器
111 分周器
112 位相比較器
113 ループフィルタ
114、181 加算器
12 信号入力部
13 分周比生成部
14 デジタルアナログ変換器
15 フィルタ
16 アナログデジタル変換器
17 フィルタ係数算出部
17M 格納テーブル
18 デジタルフィルタ
18A 第1のデジタルフィルタ
18B 第2のデジタルフィルタ
180 遅延素子
183、184、186、187 乗算器
185 タイミング調整モード切換部
20 無線送信装置
21 振幅位相分離部
22 振幅変調信号増幅器
24 高周波電力増幅器
25 アンテナ
30 無線送信装置
40 無線通信装置

Claims (10)

  1. PLL回路と、
    第1のデジタルベースバンド信号及び搬送波信号に基づき、前記PLL回路の分周器の分周比を設定する分周比設定手段と、
    前記ループフィルタの出力信号に第2のデジタルベースバンド信号を加算する信号加算手段と、
    前記出力信号に前記第2のデジタルベースバンド信号を加算した信号の振幅の変化量に基づき遅延量係数を算出する遅延量係数算出手段と、
    前記遅延量係数に応じて前記第1、前記第2のデジタルベースバンド信号のいずれかの位相をシフトさせ、前記第1、前記第2のデジタルベースバンド信号間の位相差を減少させる遅延調整手段と
    を備えたことを特徴とする2点変調型周波数変調装置。
  2. 前記遅延量係数算出手段は、前記遅延量係数の情報を格納する格納テーブルを備えたことを特徴とする請求項1記載の2点変調型周波数変調装置。
  3. 前記遅延調整手段は、前記遅延量係数算出手段により算出された前記遅延量係数をタップ係数とし、当該タップ係数に応じて前記第1、前記第2のデジタルベースバンド信号のいずれかの位相をシフトさせるデジタルフィルタであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の2点変調型周波数変調装置。
  4. 前記遅延量係数算出手段及び前記遅延調整手段は、前記第1のデジタルベースバンド信号と前記第2のデジタルベースバンド信号とを加算し、その加算結果の振幅値が最大値となるポイントを検出することで、遅延差が最小となるように調整することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の2点変調型周波数変調装置。
  5. 前記遅延量係数算出手段及び前記遅延調整手段は、前記第1デジタルベースバンド信号と、前記第1デジタルベースバンド信号を反転させた前記第2のデジタルベースバンド信号とを加算し、その加算結果の振幅値が最小値となるポイントを検出することで、遅延差が最小となるように調整することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の2点変調型周波数変調装置。
  6. 前記第1のデジタルベースバンド信号に対して第2のデジタルベースバンド信号を反転させる信号反転手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の2点変調型周波数変調装置。
  7. 前記信号反転手段を、前記第1のデジタルベースバンド信号及び前記第2のデジタルベースバンド信号を供給する信号入力部、又は前記遅延調整手段内部に備えたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の2点変調型周波数変調装置。
  8. 前記遅延調整手段を、前記第1のデジタルベースバンド信号の供給経路若しくは前記第2のデジタルベースバンド信号の供給経路、又は前記第1のデジタルベースバンド信号及び前記第2のデジタルベースバンド信号の供給経路の双方に備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の2点変調型周波数変調装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の2点変調型周波数変調装置を備えたことを特徴とする無線送信装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の2点変調型周波数変調装置を備えたことを特徴とする無線通信装置。
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