JP5813433B2 - 無線機 - Google Patents
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Description
図4において、41は、電圧制御水晶発振器、42は位相同期回路、43は電圧制御発振器(VCO;Voltage Controlled Oscillator)、46は制御部である。
これは、電圧制御発振器43における変調は、高周波信号S43が位相同期回路42及び不図示のローパスフィルタ(LPF:例えばカットオフ周波数が1kHz)等を経由してループするので、音声信号等の比較的高周波領域(例えば1〜3kHz)の変調には適しているが、比較的低周波領域(例えば1kHz以下)の変調には不適であるためである。そこで、比較的低周波領域の信号に対しては、電圧制御水晶発振器41で変調するようにしている。
また、下記の特許文献2には、基準発振器と、該基準発振器からの基準周波数信号を入力して送信中間周波信号を生成する送信中間周波PLL回路とを備え、基準発振器と送信中間周波PLL回路を構成するVCOとに対し、変調信号を入力して周波数変調を行うことが開示されている。
また、電圧制御水晶発振器41として、温度制御型水晶発振器(OCXO;Oven Controlled Xtal Oscillator)等の高精度で高安定な部品を用いた場合、周波数可変幅が狭いため変調信号による周波数偏移が小さくなってしまい、所望の変調度が得られない場合がある。
前述の特許文献1や特許文献2には、これらの課題やその解決手段についての開示はない。
本発明は、上記背景技術に鑑みて為されたもので、電圧制御水晶発振器の制御電圧を変動させることで周波数変調をかける方式の変調回路において、煩雑なメンテナンスを行わなくても周波数精度を高く保つことができ、かつ変調信号による周波数偏移を大きくすることができる変調技術を提供することを目的とする。
第1の周波数制御端子を有し、該第1の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する基準信号の周波数を変化させる電圧制御水晶発振器と、
第2の周波数制御端子を有し、該第2の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する高周波信号の周波数を変化させる電圧制御発振器と、
前記電圧制御水晶発振器からの基準信号と前記電圧制御発振器からの高周波信号とが入力され、前記高周波信号の位相が前記基準信号の位相と同じになるように、前記第2の周波数制御端子に対する位相同期用信号を出力して位相同期を行う位相同期回路と、
参照信号を発生する参照信号発生部と、
前記基準信号の周波数を補正する周波数補正信号を、前記電圧制御水晶発振器の第1の周波数制御端子に対し出力するとともに、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にあるか否か判定し、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にある場合は、前記周波数補正信号の値を変更せず、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にない場合は、前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に対し前記所定の範囲内となるように、前記周波数補正信号の値を変更する制御部と、
を備えることを特徴とする無線機。
図1は、本発明の実施形態に係る無線機の構成例を示す図である。
図1において、1は、基地局や他の無線機との間で無線信号を送受信するための空中線(アンテナ)、2は、送信時と受信時で空中線を切換え接続する空中線スイッチ、3は、受信した高周波受信信号を増幅する高周波増幅部、4は、高周波受信信号を後述のローカル信号と混合し、中間周波信号(IF)に周波数変換する受信ミキサ、5は、中間周波信号を復調する復調部、6は、復調された信号を音声信号等に信号処理し、あるいは音声増幅する受信信号処理部、7は、音声信号を音声として出力するスピーカ、8は、ローカル信号を生成し受信ミキサ4に出力する受信用周波数シンセサイザである。
制御部16は、ハードウエア構成としては、CPU(Central Processing Unit)と制御部16の動作プログラム等を格納するメモリを備えており、CPUは、この動作プログラムに従って動作する。
受信は、基地局や他の無線機からの無線信号が空中線1で受信され、空中線スイッチ2を介して受信部の高周波増幅部3で高周波増幅され、受信ミキサ4で中間周波信号に周波数変換される。中間周波信号は、復調部5に送られデータが復調される。受信信号処理部6で音声信号等に信号処理され、あるいは音声増幅処理され、スピーカ7に出力される。
また、通信チャネルの切換は、制御部16が受信用周波数シンセサイザ8や搬送波生成変調部14の送信用周波数シンセサイザを制御して、ローカル信号や電圧制御水晶発振器21からの出力信号の周波数を切換えることにより行う。なお、送信用周波数シンセサイザは、後述する電圧制御水晶発振器21、位相同期回路22、電圧制御発振器23で構成される。
図2において、21は、第1の周波数制御端子を有し、該第1の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って、出力される基準信号S21の周波数を変化させる電圧制御水晶発振器である。電圧制御水晶発振器21は、水晶発振器を内蔵しており、水晶発振器により定まる所定の周波数(例えば20MHz)を中心にして、周波数を変化させる。
23は、第2の周波数制御端子を有し、該第2の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って、出力される高周波信号の周波数(例えば400MHz)を変化させる電圧制御発振器である。この電圧制御発振器23は、水晶発振器を内蔵していないので、電圧制御水晶発振器21よりも広範囲に出力周波数を偏移させることができる。第2の周波数制御端子は、図2の例では2ヶ所(a,b)設けられており、周波数制御端子aと周波数制御端子bとから構成される。
位相同期回路22は、高周波信号S23と基準信号S21とを位相比較しフィードバック制御を行うことで、所望の周波数(例えば400MHz)の高周波信号S23を生成する。
位相同期回路22と電圧制御発振器23の間には、回路のマッチング上、不要波をカットするために必要な場合は、低周波信号(例えば1kHz以下)のみを通過させるLPF(不図示)を設けるように構成してもよい。
25は、周波数f2の参照信号S25を発生する参照信号発生部である。参照信号S25は、周波数の経時変化が少なくとも基準信号S21よりも小さいように設定される。参照信号S25は、例えば、温度制御型水晶発振器からの出力信号や、全地球測位システム(GPS)の時間情報の周波数(例えば1.57542GHz)や、又は、JJY(登録商標)無線局のキャリア周波数(例えば40kHz又は60kHz)等を用いることができる。参照信号発生部25は、例えば、温度制御型水晶発振器であり、あるいは、全地球測位システムやJJY(登録商標)無線局からの電波を受信して、該受信した電波から周波数情報を検出するアンテナ(不図示)や受信信号処理部(不図示)等で構成される。
周波数比較回路24は、電圧制御水晶発振器21からの基準信号S21と参照信号S25の周波数を比較し、両者の周波数の差分情報S24を制御部16に伝達する。この差分情報S24を元に、制御部16は、基準信号S21の周波数が参照信号S25の周波数に対し所定の範囲内となるように、周波数補正信号S16の値を適切に制御する。この周波数の所定の範囲は、予め無線機の操作部(不図示)から操作者によって記憶部18に設定され記憶されており、制御部16は、記憶部18から該所定の範囲を読み出して制御する。このようにして、電圧制御水晶発振器21が出力する基準信号S21の周波数精度を所定の範囲内として高精度に保つことができる。
なお、電圧制御発振器23の第2の周波数制御端子が1ヶ所だけの構成の場合は、第2の周波数制御端子に、位相同期回路22からの出力信号S22と変調信号SHとが加算されて印加されるように構成することができる。
このとき、f1とf2の値と日時情報とともに時系列に周波数補正信号S16を複数記憶していた場合は、直近の周波数補正信号S16の値を用いてもよいし、あるいは、複数のf1とf2の値のデータから補間法によりf1とf2が等しくなるような周波数補正信号S16の値を推定して用いてもよい。
(1)搬送波の周波数の元となる基準信号を発生する電圧制御水晶発振器と、高周波信号を発生する電圧制御発振器と、高周波信号と基準信号の位相が同じになるように位相同期を行う位相同期回路とを備え、電圧制御水晶発振器と電圧制御発振器に変調信号を入力することにより周波数変調をかける変調回路において、基準信号を発生する電圧制御水晶発振器の周波数制御端子に、参照信号と基準信号との周波数差に基づく周波数補正信号を入力し、基準信号の周波数が参照信号の周波数に対し所定の範囲内となるよう周波数補正制御を行うようにしたので、基準信号の周波数精度を高く保つことができ、かつ変調信号による周波数偏移を大きくすることができる。
(2)前述の(1)における周波数補正制御を周期的に行うようにしたので、継続して持続的に、基準信号の周波数精度を高く保つことができ、かつ変調信号による周波数偏移を大きくすることができる。
(3)電圧制御水晶発振器が出力した基準信号の周波数が参照信号の周波数に対し所定の範囲内となるように、周波数補正信号を電圧制御水晶発振器の周波数制御端子に印加し、基準信号の周波数が参照信号の周波数に対し所定の範囲内である場合に、その周波数補正信号の値を記憶部に保存するようにしたので、参照信号がないときにおいても、保存しておいた周波数補正信号の値を電圧制御水晶発振器の周波数制御端子に印加することにより、基準信号の周波数精度を高く保つことができる。
(4)前述の(3)において、周波数補正信号の値を保存する記憶部を不揮発性メモリで構成したので、無線機の電源が切断された後、投入された場合においても、速やかに周波数精度の高い基準信号を出力することができる。
(5)前述の(3)において、基準信号の周波数が参照信号の周波数に一致する場合に、その周波数補正信号の値を記憶部に保存するようにしたので、より基準信号の周波数精度を高く保つことができる。あるいは、基準信号の周波数が参照信号の周波数に一致しないが所定の範囲内となる場合に、その周波数補正信号の値を記憶部に保存するようにしたので、周波数補正制御を簡易にし短時間で行うことができる。
(6)前述の(3)において、変更後の周波数補正信号S16の設定値を、そのときのf1とf2の値と対応させて、そのときの日時情報とともに時系列に、記憶部18内に保存し、複数のf1とf2の値のデータから補間法によりf1とf2が等しくなるような周波数補正信号S16を推定して用いるので、より基準信号の周波数精度を高く保つことができる。
(7)参照信号として、全地球測位システムの時間情報又はJJY(登録商標)無線局のキャリア信号等の無線機外部から受信する一定周波数の信号を用いる場合は、メンテナンスを不要にすることができ、基準信号の周波数精度を高く保つことができ、さらに無線機を安価に構成できる。
(8)参照信号として、温度制御型水晶発振器の出力信号を用いる場合は、メンテナンス間隔を長くすることができ、基準信号の周波数精度を高く保つことができる。
上述の実施形態では、電圧制御水晶発振器の出力である基準信号と参照信号との比較に周波数比較回路を使用したが、位相同期回路に具備された周波数比較機能等を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、制御部と別に周波数比較回路を設けたが、制御部に周波数比較機能を持たせ、基準信号と参照信号を制御部に入力して、基準信号の周波数が参照信号の周波数に対して所定の範囲内にあるか否かを判定するように構成してもよい。
また、本発明は、本発明に係る処理を実行する装置としてだけでなく、方法やシステムとして、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
第1の発明は、
第1の周波数制御端子を有し、該第1の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する基準信号の周波数を変化させる電圧制御水晶発振器と、
第2の周波数制御端子を有し、該第2の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する高周波信号の周波数を変化させる電圧制御発振器と、
前記電圧制御水晶発振器からの基準信号と前記電圧制御発振器からの高周波信号とが入力され、前記高周波信号の位相が前記基準信号の位相と同じになるように、前記第2の周波数制御端子に対する位相同期用信号を出力して位相同期を行う位相同期回路と、
参照信号を発生する参照信号発生部と、
前記基準信号の周波数を補正する周波数補正信号を、前記電圧制御水晶発振器の第1の周波数制御端子に対し出力するとともに、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にあるか否か周期的に判定し、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にある場合は、前記周波数補正信号の値を変更せず、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にない場合は、前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に対し前記所定の範囲内となるように、前記周波数補正信号の値を変更する制御部と、
を備えることを特徴とする無線機。
ここで、所定の範囲内とは、基準信号の周波数と参照信号の周波数とが同一である場合も含む。
第1の周波数制御端子を有し、該第1の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する基準信号の周波数を変化させる電圧制御水晶発振器と、
第2の周波数制御端子を有し、該第2の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する高周波信号の周波数を変化させる電圧制御発振器と、
前記電圧制御水晶発振器からの基準信号と前記電圧制御発振器からの高周波信号とが入力され、前記高周波信号の位相が前記基準信号の位相と同じになるように、前記第2の周波数制御端子に対する位相同期用信号を出力して位相同期を行う位相同期回路と、
参照信号を発生する参照信号発生部と、
前記基準信号の周波数を補正する周波数補正信号を、前記電圧制御水晶発振器の第1の周波数制御端子に対し出力するとともに、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にあるか否か判定し、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にある場合は、前記周波数補正信号の値を変更せず、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にない場合は、前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に対し前記所定の範囲内となるように、前記周波数補正信号の値を変更する制御部と、
前記周波数補正信号の値を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に対し所定の範囲内である場合に、前記周波数補正信号の値を前記記憶部に記憶し、前記参照信号がないときにおいて、前記記憶した周波数補正信号の値を読み出して、前記電圧制御水晶発振器に出力することを特徴とする無線機。
第1の発明又は第2の発明における無線機であって、
前記参照信号は、当該無線機の外部から受信した周波数信号であることを特徴とする無線機。
ここで、当該無線機の外部から受信した周波数信号とは、全地球測位システムの時間情報、又はJJY(登録商標)無線局のキャリア信号等である。
第1の発明又は第2の発明における無線機であって、
さらに温度制御型水晶発振器を備え、
前記参照信号は、前記温度制御型水晶発振器から出力されることを特徴とする無線機。
第1の発明ないし第4の発明における無線機であって、
前記制御部は、
前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数とが一致する場合は、前記周波数補正信号の値を変更せず、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数とが一致しない場合は、前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に一致するように、前記周波数補正信号の値を変更することを特徴とする無線機。
第1の周波数制御端子を有し、該第1の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する基準信号の周波数を変化させる電圧制御水晶発振器と、
第2の周波数制御端子を有し、該第2の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する高周波信号の周波数を変化させる電圧制御発振器と、
前記電圧制御水晶発振器からの基準信号と前記電圧制御発振器からの高周波信号とが入力され、前記高周波信号の位相が前記基準信号の位相と同じになるように、前記第2の周波数制御端子に対する位相同期用信号を出力して位相同期を行う位相同期回路と、
参照信号を発生する参照信号発生部と、
前記基準信号の周波数を補正する周波数補正信号を、前記電圧制御水晶発振器の第1の周波数制御端子に対し出力するとともに、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にあるか否か判定し、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にある場合は、前記周波数補正信号の値を変更せず、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にない場合は、前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に対し前記所定の範囲内となるように、前記周波数補正信号の値を変更する制御部と、
を備えることを特徴とする無線機。
ここで、所定の範囲内とは、基準信号の周波数と参照信号の周波数とが同一である場合も含む。
Claims (1)
- 第1の周波数制御端子を有し、該第1の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する基準信号の周波数を変化させる電圧制御水晶発振器と、
第2の周波数制御端子を有し、該第2の周波数制御端子に入力される制御電圧に従って出力する高周波信号の周波数を変化させる電圧制御発振器と、
前記電圧制御水晶発振器からの基準信号と前記電圧制御発振器からの高周波信号とが入力され、前記高周波信号の位相が前記基準信号の位相と同じになるように、前記第2の周波数制御端子に対する位相同期用信号を出力して位相同期を行う位相同期回路と、
外部から受信した周波数信号である参照信号を発生する参照信号発生部と、
前記基準信号の周波数を補正する周波数補正信号を、前記電圧制御水晶発振器の第1の周波数制御端子に対し出力するとともに、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にあるか否か周期的に判定し、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にある場合は、前記周波数補正信号の値を変更せず、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内にない場合は、前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に対し前記所定の範囲内となるように、前記周波数補正信号の値を変更する制御部と、
前記周波数補正信号の値を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記基準信号の周波数が前記参照信号の周波数に対し所定の範囲内である場合は、前記周波数補正信号の値を、前記基準信号の周波数及び前記参照信号の周波数とともに前記記憶部に複数記憶し、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数との差が所定の範囲内でない場合であって前記参照信号が外部から受信できなかった場合は、前記記憶した複数の前記基準信号の周波数及び前記参照信号の周波数の値のデータから、補完法により、前記基準信号の周波数と前記参照信号の周波数が等しくなるような周波数補正信号の値を推定し、前記電圧制御水晶発振器に出力することを特徴とする無線機。
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