JP2008016311A - 二次電池用塗工塗料の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

二次電池用塗工塗料の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】均一な組成の絶縁性の多孔質保護層を形成できる安価で生産性に優れた二次電池用塗工塗料の製造方法およびそれを用いた二次電池を提供する。
【解決手段】無機酸化物フィラー21と溶媒22と結着剤23とを含む二次電池用塗工塗料の製造方法であって、少なくとも無機酸化物フィラー21と溶媒22と結着剤23とを含む混合物を分散混合し調整するステップと、混合物を静置して無機酸化物フィラー21の凝集物および沈降物を除去するステップと、無機酸化物フィラー21の凝集物および沈降物を除去した混合物を攪拌して保管するステップと、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、負極、正極またはセパレータの保護層を形成する塗工塗料に関し、特に均一で均質な二次電池用塗工塗料の製造方法およびその製造装置に関する。
近年、電子機器のポータブル化、コードレス化が進むにつれ、その駆動用電源として小型・軽量で高エネルギー密度を有する二次電池が強く要望されている。そのような中、電極の薄膜化に対する技術開発が盛んに行われている。さらに、負極、正極またはセパレータの表面に多孔質保護層を形成して、耐熱性の向上や短絡を防止するための安全技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、特許文献1には、樹脂結着剤とアルミナなどの絶縁性微粒子からなる多孔質保護層が示されている。
しかし、特許文献1の技術による塗工塗料を用いて、図6に示すように塗工して多孔質保護層61を形成した場合、塗工塗料中の凝集物や粗大径粒子(以下、「粗粉」と記す)により多孔質保護層61に塗工スジ62aやツブ62bなどの塗工膜欠陥が発生するという問題があった。また、多孔質保護層61の膜厚が凝集物の大きさに依存するため、均一で、さらなる薄膜の形成が困難であった。
そこで、上記問題の改善方法の一つとして、塗工塗料を電極やセパレータなどに塗布する前に、攪拌装置を設けた塗布装置の塗料供給ラインとは別に、濾過装置を経由して攪拌装置に戻す循環ラインを設け、塗工塗料中の凝集塊の発生を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、凝集を抑制するためにチクソトロピー付与剤を付与するという技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−220759号公報 特許第3635170号公報 特開2001−266855号公報
しかしながら、特許文献1の技術により、多孔質保護層を形成する場合、結着剤と混合するアルミナ粒子の大きさがサブミクロンオーダーであるため、塗工塗料中にはアルミナ粒子同士の凝集力が強くなりアルミナ粒子の凝集物が多く発生する。また、安価なアルミナ粒子材料を用いる場合には、最初から塗工する膜厚より大きな粗粉が混入していることが多い。さらに、粗粉を分級などにより除去することは、量産を考慮した場合、現実的ではない。
そのため、上記従来の塗工塗料を用いて多孔質保護層を形成する場合、凝集物や粗粉により、正極、負極またはセパレータ形成した多孔質保護層に塗工スジやツブなどの塗工膜欠陥が発生し、さらに塗工膜の膜厚が不均一になっていた。その結果、塗工膜欠陥が形成された不良の電池部材の再生もしくは電池部材の廃棄などにより歩留まりが低下する。また、そのような塗工膜欠陥を有する電池部材を用いて二次電池を形成すると、電池特性、信頼性や安全性が低下する。さらに、経時的に発生する凝集物や粗粉の沈降により塗工塗料の組成比が逐次変化するため、作製時期や保管期間に依存して、膜多孔度などが変化し、均一な二次電池を安定して生産できないという課題があった。
また、特許文献2のような循環ラインを用いる場合には、攪拌装置を有する供給ライン以外に別の装置が必要となり、設備が大きくなるとともに設備コスト、ランニングコストの上昇を招く。
さらに、一般的に、多孔質保護層を塗布により形成する場合、塗工塗料の粘度は極めて低いものであることが多い。そのため、循環ラインを設けても、その循環ライン中の塗工塗料の流れが阻害され滞留しやすい箇所(例えば、配管が曲がっている部分)で、アルミナ粒子などの凝集、沈降が発生し、最悪の場合、循環ラインが沈降物で詰まるという課題があった。しかも、循環ラインは、塗工塗料の循環により凝集の発生を抑制しているだけなので、循環ラインから塗工塗料が塗布装置に戻ると再度凝集が開始するという課題もあった。
また、特許文献3に示されているチクソトロピー付与剤を開発するには、電池として構成された後の電池性能への影響を確認する必要があり、開発までに時間を要する。さらに、チクソトロピー付与剤は基本的に万能なものではなく、他の使用材料と調整しながら開発する必要がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、経時的な組成変動を抑制し、凝集物の発生がしにくい、かつ歩留まりが高く安価な二次電池用塗工塗料の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の二次電池用塗工塗料の製造方法は、無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造方法であって、少なくとも無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む混合物を分散混合し調整するステップと、混合物を静置して無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を除去するステップと、無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を除去した混合物を攪拌して保管するステップと、を含む。
これにより、凝集しやすい無機酸化物フィラーは予め凝集させて、その沈降物を取り除き、保管中の攪拌により再度の凝集が生じにくい。その結果、長期間の保管において、無機酸化物フィラーの凝集がなく、組成変動の小さい二次電池用塗工塗料が得られる。そして、得られた二次電池用塗工塗料を用いることにより、歩留まりが高く、安価で均一な絶縁性の多孔質保護層を、正極、負極またはセパレータに形成できる。
また、本発明の二次電池用塗工塗料の製造装置は、無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造装置であって、少なくとも無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む混合物を分散混合して調製する混合槽を備え、混合槽に無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を収集する除去部を設けた構成を有する。
すなわち、混合槽に、無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を収集する除去部を設けて除去することにより、大型の循環設備や濾過設備を不要とし、安価で均一な組成の二次電池用塗工塗料を製造できる。
本発明によれば、無機酸化物フィラーが凝集せず、組成変動の小さい二次電池用塗工塗料が得られる。そして、得られた二次電池用塗工塗料を用いることのより、正極、負極またはセパレータの表面に、歩留まりが高く、安価で均一な絶縁性の多孔質保護層を形成できるという効果も得られる。さらに、それらを用いることにより、特性の安定した二次電池を容易に実現できる。
本発明の第1の発明は、無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造方法であって、少なくとも無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む混合物を分散混合し調整するステップと、混合物を静置して無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を除去するステップと、無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を除去した混合物を攪拌して保管するステップと、を含む二次電池用塗工塗料の製造方法である。
これにより、分散混合後に静置保管して、保管中に生じる無機酸化物フィラーの凝集物や粗粉を予め沈降させて除去し、その後の攪拌しながら保管することにより経時的に無機酸化物フィラーの凝集が生じにくい二次電池用塗工塗料が得られる。そして、それを用いて、塗工工程で塗工スジ不良などが発生しない均一で膜厚の薄い絶縁性の多孔質保護層などを形成できる。また、得られる塗工塗料は、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物が予め除去されているので、長期間の保管に対しても経時的に組成の変動が小さいので、膜多孔度などが安定した均質な多孔質保護層を形成できる。なお、以下では、凝集した無機酸化物フィラーを凝集物、沈降した無機酸化物フィラーを沈降物と記載する場合がある。
本発明の第2の発明は、第1の発明において、無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を除去するステップおよび混合物を攪拌して保管するステップを、混合物を分散混合した混合槽で行う二次電池用塗工塗料の製造方法である。
これにより、同じ混合槽で、分散混合、除去および保管ができるため、簡単な構成で無機酸化物フィラーが均一に分散し保持された二次電池用塗工塗料を作製できる。
本発明の第3の発明は、第1の発明において、無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を除去するステップを、混合物を投入する沈降槽で行う二次電池用塗工塗料の製造方法である。
これにより、無機酸化物フィラーの凝集部や沈降物を沈降槽で除去できるため、分散混合と除去とを別々の処理を可能とし、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物の除去を効率よく行うことができる。
本発明の第4の発明は、第1の発明において、無機酸化物フィラーとして、アルミナ、マグネシア、シリカ、ジルコニアおよびチタニアの内の少なくとも1種を含む無機酸化物またはそれらの複合酸化物を用いた二次電池用塗工塗料の製造方法である。
これにより、無機酸化物フィラーとして凝集しやすい無機酸化物またはそれらの複合酸化物を用いても、無機酸化物フィラーが凝集せず、組成変動の小さい二次電池用塗工塗料が得られる。
本発明の第5の発明は、第1の発明において、二次電池用塗工塗料の粘度を、10mPa・s以上3000mPa・s以下とした二次電池用塗工塗料の製造方法である。
これにより、塗工の安定性に優れ、均一に無機酸化物フィラーが分散した塗工塗料とすることができる。ここで、粘度が10mPa・s未満の場合には、塗工性が悪く組成が変化しやすい。また、粘度が3000mPa・sを超える場合には、凝集物が沈降しにくいため効率よく塗工塗料を作製できない。
本発明の第6の発明は、無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造装置であって、少なくとも無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む混合物を分散混合して調製する混合槽を備え、混合槽に無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を収集する除去部を設けた二次電池用塗工塗料の製造装置である。
これにより、大型の循環設備や濾過設備を不要とし、小型で安価な二次電池用塗工塗料の製造装置を実現できる。
本発明の第7の発明は、第6の発明において、除去部が、混合槽の底部に設けた漏斗状部と漏斗状部の下部に設けた収集部とを含む二次電池用塗工塗料の製造装置である。
これにより、沈降物を漏斗状部の下部に設けた収集部に確実に回収することができる。また、収集部は漏斗状部の下部に設けることにより、一度収集部に回収された沈降物が攪拌により、再度塗工塗料中に浮遊するのを防ぐ効果もある。その結果、凝集し沈降した無機酸化物フィラーの回収を容易にかつ確実にできる。
本発明の第8の発明は、無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造装置であって、少なくとも無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む混合物を分散混合して調製する混合槽と、混合物を投入し、無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を収集する除去部を有する沈降槽と、混合物を攪拌して保管する保管槽と、を備えた二次電池用塗工塗料の製造装置である。
これにより、大型の循環設備や濾過設備を不要とし、かつ分散混合、凝集物や沈降物の除去および保管処理を独立に行えるため、安価で均一な塗工塗料を効率よく製造できる。
本発明の第9の発明は、第8の発明において、除去部が、沈降槽の底部に設けた漏斗状部と漏斗状部の下部に設けた収集部とを含む二次電池用塗工塗料の製造装置である。
これにより、混合槽で効率よく連続して分散混合できるとともに、沈降物を沈降槽の漏斗状部の下部に設けた収集部に確実に回収することができる。また、収集部は漏斗状部の下部に設けることにより、一度収集部に回収された沈降物が攪拌により、再度塗工塗料中に浮遊するのを防ぐ効果もある。その結果、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物の回収を容易にかつ確実にできる。
本発明の第10の発明は、第7または第9の発明において、収集部が、混合槽または沈降槽に着脱自在に設けられている二次電池用塗工塗料の製造装置である。
これにより、着脱可能な収集部で、定期的に、または連続的に繰り返して沈降物を回収し廃棄することができる。その結果、均一な組成の二次電池用塗工塗料を歩留まりよく、安定して製造できる。
本発明の第11の発明は、第1から第5のいずれか1項に記載の発明の二次電池用塗工塗料の製造方法により作製した二次電池用塗工塗料が正極、負極またはセパレータの少なくともいずれかに塗工された正極、負極またはセパレータと、電解質を備えた二次電池である。
これにより、凝集物の除去された均一で組成変動の小さい二次電池用塗工塗料で形成された絶縁性の多孔質保護層を正極、負極またはセパレータのいずれかに形成することにより、耐熱性などの安全性に優れ、特性ばらつきの小さい低コストの二次電池を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、本明細書に記載された基本的な特徴に基づく限り、以下に記載の内容に限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における二次電池の構成を示す断面概念図である。
図1に示すように、例えば円筒型の二次電池は、負極1と、負極1に対向し放電時にリチウムイオンを還元する正極2と、負極1と正極2との間に介在し負極1と正極2の直接接触を防ぐセパレータ3とを有する。負極1および正極2は、セパレータ3とともに、捲回されて電極群4を形成している。電極群4は、図示しない非水電解液とともにケース5内に収納されている。電極群4の上部および下部には、電極群4と封口板6とを隔離するとともにリード8、9とケース5とを隔離する樹脂製の絶縁板10、11が配置されている。ケース5の上部のケース5周辺と封口板6の間には、液漏れを防止するための絶縁性のガスケット7が設けられている。
負極1は、集電体12とその両面に設けられた負極活物質を含む負極合剤層13とを有し、この集電体12にはリード9の一端が取り付けられている。リード9の他端は負極端子を兼ねるケース5に溶接して接続されている。
そして、本実施の形態においては、負極1の負極合剤層13の表面に後述する製造方法による塗工塗料を用いて形成した絶縁性の多孔質保護層(図示せず)を設けている。
正極2は、集電体14とその両面に設けられた正極活物質を含む正極合剤層15とを有し、集電体14にはリード8の一端が取り付けられている。リード8の他端は正極端子側の封口板6に溶接し接続されている。
負極合剤層13は、少なくともリチウムイオンの吸蔵・放出が可能な負極活物質を含む。この負極活物質としては、グラファイトや非晶質カーボンのような炭素材料を用いることができる。また、ケイ素(Si)やスズ(Sn)などのように正極活物質材料よりも卑な電位でリチウムイオンを大量に吸蔵・放出可能な材料を用いることができる。このような材料であれば、単体、合金、化合物、固溶体および含ケイ素材料や含スズ材料を含む複合活物質のいずれであっても、本発明の効果を発揮させることは可能である。特に、含ケイ素材料は容量密度が大きく安価であるため好ましい。すなわち、含ケイ素材料として、Si、SiO(0.05<x<1.95)、またはこれらのいずれかにB、Mg、Ni、Ti、Mo、Co、Ca、Cr、Cu、Fe、Mn、Nb、Ta、V、W、Zn、C、N、Snからなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素でSiの一部を置換した合金や化合物、または固溶体などを用いることができる。含スズ材料としてはNiSn、MgSn、SnO(0<x<2)、SnO、SnSiO、LiSnOなどを適用できる。
これらの材料は単独で負極活物質を構成してもよく、また複数種の材料により構成してもよい。上記複数種の材料により負極活物質を構成する例として、Siと酸素と窒素とを含む化合物やSiと酸素とを含み、Siと酸素との構成比率が異なる複数の化合物の複合物などが挙げられる。この中でもSiO(0.3≦x≦1.3)は、放電容量密度が大きく、かつ充電時の膨張率がSi単体より小さいため好ましい。
負極合剤層13は、さらに結着剤を含む。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが使用可能である。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体を用いてもよい。
また、必要に応じて鱗片状黒鉛などの天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅やニッケルなどの金属粉末類、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などの導電剤を負極合剤層に混入させてもよい。
負極1の集電体12やリード9には、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタンなどの金属箔、炭素や導電性樹脂の薄膜などが利用可能である。さらに、カーボン、ニッケル、チタンなどで表面処理を施してもよい。
正極合剤層15は、LiCoOやLiNiO、LiMn、またはこれらの混合あるいは複合化合物などのような含リチウム複合酸化物を正極活物質として含む。特にLi1−y(式中、MおよびNは、Co、Ni、Mn、Cr、Fe、Mg、Al、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種で少なくともNiを含み、M≠Nであり、0.98≦x≦1.10、0<y<1)は容量密度が大きいため好ましい。正極活物質としては上記以外に、LiMPO(M=V、Fe、Ni、Mn)の一般式で表されるオリビン型リン酸リチウム、LiMPOF(M=V、Fe、Ni、Mn)の一般式で表されるフルオロリン酸リチウムなども利用可能である。さらにこれら含リチウム化合物の一部を異種元素で置換してもよい。金属酸化物、リチウム酸化物、導電剤などで表面処理してもよく、表面を疎水化処理してもよい。
正極合剤層15は、さらに導電剤と結着剤とを含む。導電剤としては、天然黒鉛や人造黒鉛のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛やチタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料を用いることができる。また、結着剤としては、PVDF、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが使用可能である。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体を用いてもよい。またこれらの内から選択された2種以上を混合して用いてもよい。
正極2の集電体14やリード8としては、アルミニウム(Al)、炭素、導電性樹脂などが使用可能である。また、このいずれかの材料に、カーボンなどで表面処理したものを用いてもよい。
負極であるケース5としては、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタンなどの金属箔、炭素や導電性樹脂が使用可能である。さらに、カーボン、ニッケル、チタンなどでこれらに表面処理を施してもよい。
セパレータ3は、少なくとも電解質溶液を用いる場合には、正極2と負極1との間に設け、これに電解質溶液を含浸させる。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、アミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどからなる不織布や微多孔膜などのセパレータを用いてもよい。
非水電解質には有機溶媒に溶質を溶解した非水溶液系の電解質溶液や、これらを含み高分子で非流動化された、いわゆるポリマー電解質層が適用可能である。
非水電解質の材料は、活物質の酸化還元電位などを基に選択される。非水電解質に用いるのが好ましい溶質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiN(CFCO)、LiN(CFSO、LiAsF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiF、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウムなどのホウ酸塩類、テトラフェニルホウ酸リチウムなど、一般にリチウム電池で使用されている塩類を適用できる。
さらに上記塩を溶解させる有機溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシメタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、トリメトキシメタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのテトラヒドロフラン誘導体、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのジオキソラン誘導体、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、スルホラン、3−メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、エチルエーテル、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、フルオロベンゼンなどの1種またはそれ以上の混合物など、一般にリチウム電池で使用されているような溶媒を適用できる。
さらに、ビニレンカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、ジアリルカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、カテコールカーボネート、酢酸ビニル、エチレンサルファイト、プロパンサルトン、トリフルオロプロピレンカーボネート、ジベニゾフラン、2,4−ジフルオロアニソール、o−ターフェニル、m−ターフェニルなどの添加剤を含んでいてもよい。
なお、非水電解質は、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどの高分子材料の1種またはそれ以上の混合物などに上記溶質を混合して、固体電解質として用いてもよい。また、上記有機溶媒と混合してゲル状で用いてもよい。さらに、リチウム窒化物、リチウムハロゲン化物、リチウム酸素酸塩、LiSiO、LiSiO−LiI−LiOH、LiPO−LiSiO、LiSiS、LiPO−LiS−SiS、硫化リン化合物などの無機材料を固体電解質として用いてもよい。
絶縁性の多孔質保護層は、後述する、少なくとも無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを分散混合した混合物から無機酸化物フィラーの凝集物や粗粉を除去した二次電池用塗工塗料を用いて、負極1の負極合剤層13の表面に形成される。
そして、絶縁性の多孔質保護層が形成された負極1と正極2の間に、セパレータ3を挟んで捲回することにより、耐熱性などの安全性や信頼性に優れた二次電池を実現できる。
以下に、絶縁性の多孔質保護層を形成するために用いる二次電池用塗工塗料の製造方法について、図2と図3を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造方法を示すフローチャートである。
図3は、本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造装置の構成を示す断面概念図である。
まず、図2と図3に示すように、例えば、少なくとも無機酸化物フィラー21と、溶媒22と結着剤23とを混合槽31に投入し、分散混合して混合物25を混合槽31内で、例えば粘度50mPa・sに調整する(S01)。具体的には、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)からなる溶媒22と、4重量部の呉羽化学(株)製のPVDF(#1320、固形分12重量%)からなる結着剤23とを混合槽31に投入した後、96重量部のMgOからなる無機酸化物フィラーを添加する。そして、それらを、例えばディスパーなどの分散翼33で分散混合するとともに、例えばアンカーなどの攪拌翼35で攪拌させる。このとき、分散混合条件として、分散翼は周速30m/sで、攪拌条件として、攪拌翼は周速3m/sで行う。
なお、このとき、無機酸化物フィラーや結着剤などの配合比を最適化して、分散混合された混合物の粘度を、10mPa・s以上3000mPa・s以下に調整する。中でも20mPa・s以上100mPa・s以下に調整することが特に好ましい。この理由は、粘度が10mPa・s未満の場合、塗工性が悪く組成が変化しやすく、一方粘度が3000mPa・sを超える場合、凝集物が沈降しにくいため効率よく塗工塗料を作製できないためである。
つぎに、分散翼33と攪拌翼35を停止して、混合槽31で分散混合した混合物25を静置し、例えば数時間から1日程度の期間、保管する。なお、保管時間は生産性や凝集物の状況を考慮して決定されるもので、一義的に決められるものではない。この静置した状態で保管することにより、凝集しやすい無機酸化物フィラーは凝集して凝集物27として沈降する。また、分散混合されない無機酸化物フィラーの粗粉が沈降物として沈降する。
そして、静置して保管中に形成された混合物25中の無機酸化物フィラーの凝集物27や沈降物が、混合槽31の下部に設けた除去部34で収集し除去する(S02)。このとき、一般的に、無機酸化物フィラーの1%〜2%が凝集物27として、混合物25から取り除かれる。
つぎに、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物を除去部で収集除去した後、再び、攪拌翼35だけを回転させて、混合物25を保管する。
これにより、攪拌翼での混合物を対流させて保管することにより、長期間に亘って、無機酸化物フィラーの凝集が生じにくく、組成変動の少ない均一な二次電池用塗工塗料が得られる。
ここで、二次電池用塗工塗料の製造装置100は、図3に示すように、少なくとも無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤を分散混合して混合物25を調製するための分散翼33と攪拌翼35を有する混合槽31と、その混合槽31に設けられた無機酸化物フィラーの凝集物27や粗粉などの沈降物を収集する除去部34とで構成されている。そして、分散翼および攪拌翼と、凝集物を収集する除去部34を同じ混合槽31に設けることにより、大型の循環設備や濾過設備なしに、安価で均一に分散混合した二次電池用塗工塗料を作製できる。
上記により、分散混合した混合物25を混合槽31内で静置して保管する間に、混合物25中の凝集しやすい無機酸化物フィラーが凝集物27として予め沈降し除去される。同時に、混合物25の保管中には、例えば原材料中に含まれ、分散混合されなかった無機酸化物フィラー自体の径の大きい粗大な粗粉(図示せず)も沈降し除去することができる。
本実施の形態により、循環や濾過せずに、分散翼33や攪拌翼35を有した混合槽31のみで、静置保管により予め凝集物27を分離除去した後、再度攪拌翼35で攪拌しながら無機酸化物フィラーを均一に分散した状態で保管できる。その結果、長期間に亘って凝集物の生じにくく、経時的に組成変動の小さい安定した二次電池用塗工塗料が得られる。
また、混合槽31の底部に設けた漏斗状部34aにより、無機酸化物フィラーの凝集物27や沈降物を漏斗状の先に設けた収集部34bで確実に収集できる。さらに、収集部34bを漏斗状部34aの先に設けることにより、一度収集部34bに入った沈降物などは、攪拌翼の攪拌で、再度塗工塗料の中に浮遊するのを防ぐことができる。その結果、無機酸化物フィラーの凝集物27や沈降物の収集が容易に、かつ確実に行える。
なお、収集部34bを混合槽31に着脱自在な、例えばカートリッジ式に設けてもよい。これにより、収集部34bに入った凝集物や沈降物を定期的に、または分散混合を中断させることなく連続的に廃棄できるため、経時的に組成変動の小さい安定した品質の二次電池用塗工塗料を歩留まりよく製造できる。
ここで、無機酸化物フィラー21としては、アルミナ、マグネシア、シリカ、ジルコニアおよびチタニアの内の少なくとも1種を含む無機酸化物またはそれらの複合酸化物などの粉末が用いられる。なお、無機酸化物フィラーの形状は特に限定されない。また、これらは単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。
また、結着剤23としては、PVDF、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが使用可能である。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体を用いてもよい。またこれらの内から選択された2種以上を混合して用いてもよい。
そして、溶媒22としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの非水溶媒が用いられる。
以上の方法により作製された二次電池用塗工塗料を、例えばグラビア印刷などにより、例えば負極1の負極合剤層13の表面に塗工して絶縁性の多孔質保護層を形成する。この場合、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物などの粗粉は予め除去されているため、負極合剤層上に形成された絶縁性の多孔質保護層に、塗工スジの発生やツブなどの残留がない。
これにより、均一な多孔度で均一で膜厚の薄い絶縁性の多孔質保護層を備えた信頼性の高い負極を、歩留まりよく安定して作製できる。その結果、上記負極1を用いて形成した二次電池は、電池反応が均一に行われ、例えば充放電サイクル特性や耐熱性などの信頼性を大幅に改善できる。
以下に、本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造方法の別の例について、図4と図5を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造方法の別の例を示すフローチャートである。
図5は、本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造装置の別の例の構成を示す断面概念図である。
すなわち、図4においては、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物を除去する工程が、沈降槽で行う点で図2とは異なるものである。また、図5においては、混合槽51で分散混合した混合物25を投入して、静置保管し、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物を除去する沈降槽55と、その凝集物や沈降物を除去した混合物を攪拌翼で攪拌しながら保管する保管槽56を設けた点で図3とは異なるものである。そして、除去部が、沈降槽の底部に設けた漏斗状部と漏斗状部の下部に設けた収集部とを有しているものである。
まず、図4と図5に示すように、少なくとも無機酸化物フィラー21と溶媒22と結着剤23とを混合槽51に投入し、分散混合して混合物25を混合槽51内で、例えば粘度80mPa・sに調整する(S01)。具体的には、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)からなる溶媒22と、4重量部の呉羽化学(株)製のPVDF(#1320、固形分12重量%)からなる結着剤23とを混合槽51に投入した後、96重量部のAlからなる無機酸化物フィラーを添加する。そして、それらを、混合槽51に設けた、例えばディスパーなどの分散翼53で分散混合する。このとき、分散混合条件としては、分散翼53の周速30m/sで行う。
つぎに、混合槽51で分散混合した混合物25を沈降槽55に投入し、例えば数時間から1日程度の期間、静置する。この静置により、凝集しやすい無機酸化物フィラーは凝集して凝集物27として沈降する。また、分散混合されない無機酸化物フィラーの粗粉などが沈降物として沈降する。
そして、静置して保管中に形成された混合物25中の無機酸化物フィラーの凝集物27や沈降物が、混合槽51の下部に設けた除去部54で収集し除去する(S02)。このとき、一般的に、無機酸化物フィラーの1%〜2%が凝集物27として、混合物25から取り除かれる。
つぎに、無機酸化物フィラーの凝集物や沈降物を除去部54で収集除去した混合物25を、例えばアンカーなどの攪拌翼57を備えた保管槽56に投入し、攪拌翼57を回転させて、混合物25を攪拌しながら保管または保存する(S03)。このときの攪拌条件は、攪拌翼57の周速3m/sで行う。
これにより、保管槽の攪拌翼で混合物を攪拌しながら保管することにより、長期間に亘って、無機酸化物フィラーの凝集が生じにくく、組成変動の少ない均一な二次電池用塗工塗料が得られる。
ここで、二次電池用塗工塗料の製造装置200は、図5に示すように、少なくとも無機酸化物フィラー21と溶媒22と結着剤23を分散混合して混合物25を調製する分散翼53を有する混合槽51と、混合物25が投入され無機酸化物フィラーの凝集物27および沈降物を収集する除去部54を有する沈降槽55と、攪拌翼57を有する保管槽56で構成されている。
これにより、混合槽51内で混合物を均一に分散混合した後、順次混合物25を沈降槽55に投入し、沈降槽55で静置した状態で保管中に凝集しやすい無機酸化物フィラーを凝集物27として予め沈降させ除去する。このとき、同時に、混合物25の保管中には、無機酸化物フィラー自体の径の大きい粗大な粗粉(図示せず)も沈降し除去することができる。さらに、凝集物27が除去された混合物を保管槽56に投入し、攪拌翼57で攪拌しながら保管または保存する。
本実施の形態の別の例によれば、沈降槽に攪拌翼や分散翼を設けていないため、対流などによる凝集物の再浮遊を防止できる。つまり、混合槽、沈降槽および保管槽を個別に設けることにより、例えば粗粉などの多い安価な無機酸化物フィラーを用いても、分散条件を強めに設定して混合槽での十分な分散混合が可能となる。また、凝集物などの再浮遊がないため、保管槽での攪拌条件などの設定が容易である。その結果、調整範囲の広い製造装置を用いて、長期間に亘って凝集物が生じにくく、経時的に組成変動の小さい安定した二次電池用塗工塗料が得られる。
また、沈降槽55の底部に設けた漏斗状部54aにより、無機酸化物フィラーの凝集物27や沈降物を漏斗状の先に設けた収集部54bで確実に収集できる。
また、収集部54bを沈降槽55に着脱自在な、例えばカートリッジ式に設けてもよい。これにより、収集部54bに入った沈降物を定期的に、または分散混合を中断させることなく連続的に廃棄できるため、経時的に組成変動の小さい安定した品質の二次電池用塗工塗料を歩留まりよく製造できる。
なお、上記では、保管槽に攪拌翼を設けた例で説明したが、これに限られない。例えば、沈降槽に攪拌翼を設け、沈降槽に投入された無機酸化物フィラーを静置保管して、その凝集物を予め収集した後に、攪拌翼を回転しながら沈降槽で保管または保存してもよい。これにより、製造装置の小型化ができる。
また、上記では、保管槽のみ攪拌翼を設けた例で説明したが、これに限られず、混合槽にも設けてもよい。これにより、混合物の分散混合が効率よく行うことができる。なお、上記実施の形態に示す分散翼で混合物の対流を生じる場合には、特になくてもよい。
また、上記では、沈降槽に除去部を設けた例で説明したが、これに限られず、混合槽や保管槽に除去部を設けてもよい。これにより、さらに凝集物の収集が確実に行われ、長期間に亘って、組成変動が小さい安定した二次電池用塗工塗料が得られる。
なお、本発明の実施の形態では、絶縁性の多孔質保護層を負極の表面に形成する例で説明したが、これに限られない。例えば、絶縁性の多孔質保護層を正極、やセパレータのいずれかに塗工して形成していればよい。
これにより、凝集物がなく組成変動の小さい二次電池用塗工塗料を用いて、均一な組成で膜厚の薄い絶縁性の多孔質保護層を設けた正極、負極またはセパレータの形成により、安全性、信頼性に優れた二次電池を生産性よく低コストに作製できる。
以下に、本発明の実施の形態の具体的な実施例について説明する。また、以下の実施例では、沈降槽を個別に設けた製造装置で作製した塗工塗料について示すが、混合槽だけの構成で作製した塗工塗料でも同じである。
なお、各実施例では、本発明の二次電池用塗工塗料の効果を明確にする目的で、負極の厚さ約25μmの負極合剤層の表面に塗工して評価した。
(実施例1)
(塗工塗料の作製)
まず、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)4重量部を混合槽に投入して、周速30m/sで攪拌した。
つぎに、この攪拌物に無機酸化物フィラーとして、平均粒径D50が0.98μmのMgO(マグネシア)96重量部を、混合槽に、塗工塗料の粘度が50mPa・sとなるように添加した。そして、MgOを添加した状態で、分散翼を周速30m/s、10分間回転させて、塗工塗料を分散混合し調整した。なお、粘度は、レオメーターを用いて、せん断速度が100/sで測定したときの値である。
つぎに、混合分散した混合物を沈降槽に投入し、その状態で24時間静置して保管した。そして、静置して保管中に、約5μm〜50μmの大きさに凝集したMgOの凝集物や粗粉を沈降分離させ、収集部で収集した。なお、分散混合および静置保管時においては、混合物の循環および濾過は実施しなかった。
このとき、必要に応じて、沈降槽の下部に設けた除去部の収集部を取り外して、凝集し沈降したMgOを除去した。
つぎに、凝集物や粗粉を除去した混合物を保管槽に投入し、攪拌翼を周速3m/sで回転しながら、保管して塗工塗料を作製した。これを、サンプル1とする。
(実施例2)
無機酸化物フィラーとして、実施例1のMgO(マグネシア)の代わりに、平均粒径D50が0.7μmのα−Al(アルミナ)を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。このとき、塗工塗料の粘度は42mPa・sであった。これを、サンプル2とする。
(実施例3)
無機酸化物フィラーとして、実施例1のMgO(マグネシア)の代わりに、平均粒径D50が0.7μmのアナターゼ−TiO(チタニア)を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。このとき、塗工塗料の粘度は48mPa・sであった。これを、サンプル3とする。
(実施例4)
無機酸化物フィラーとして、実施例1のMgO(マグネシア)の代わりに、平均粒径D50が0.7μmのSiO(シリカ)を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。このとき、塗工塗料の粘度は40mPa・sであった。これを、サンプル4とする。
(実施例5)
無機酸化物フィラーとして、実施例1のMgO(マグネシア)の代わりに、平均粒径D50が0.9μmのZrO(ジルコニア)を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。このとき、塗工塗料の粘度は38mPa・sであった。これを、サンプル5とする。
(実施例6)
塗工塗料の粘度を10mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプル6とする。
(実施例7)
塗工塗料の粘度を112mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプル7とする。
(実施例8)
塗工塗料の粘度を524mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプル8とする。
(実施例9)
塗工塗料の粘度を987mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプル9とする。
(実施例10)
塗工塗料の粘度を1892mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプル10とする。
(実施例11)
塗工塗料の粘度を3000mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプル11とする。
(比較例1)
塗工塗料の粘度を9mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプルC1とする。
(比較例2)
塗工塗料の粘度を3382mPa・sとした以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプルC2とする。
(比較例3)
凝集物を予め沈降分離させる方法の代わりに、塗工塗料を循環し凝集物を濾過させる方法により塗工塗料を作製した以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプルC3とする。
(比較例4)
塗工塗料の粘度を121mPa・sとし、凝集物を予め沈降分離させる方法の代わりに、塗工塗料を循環し凝集物を濾過させる方法により塗工塗料を作製した以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプルC4とする。
(比較例5)
塗工塗料の粘度を502mPa・sとし、凝集物を予め沈降分離させる方法の代わりに、塗工塗料を循環し凝集物を濾過させる方法により塗工塗料を作製した以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプルC5とする。
(比較例6)
塗工塗料の粘度を1016mPa・sとし、凝集物を予め沈降分離させる方法の代わりに、塗工塗料を循環し凝集物を濾過させる方法により塗工塗料を作製した以外は実施例1と同様にして塗工塗料を作製した。これを、サンプルC6とする。
以上のように作製した塗工塗料に対し、以下に示す塗料安定性および塗工不良に基づいて評価した。
(1)塗料の安全性
塗工塗料の保管中に生じる固形分変化率を求め、その変化率を用いて、以下に示す評価基準で塗工塗料の分散状態の安定性により評価した。
○:1%以内、△:1%〜2%、×:2%以上
なお、固形分変化率は、以下の方法により求める。
まず、分散混合した塗工塗料を高さ10cmで直径1cmのチューブに取り分け、その状態で7日間、静置して保管する。
つぎに、チューブの下部から1cmの位置でチューブを切り取り、塗工塗料を採取する。そして、その中に形成された固形分の比率を測定する。
(2)塗工不良
まず、塗工塗料を負極の負極合剤層の表面に、グラビア印刷法を用いて塗工し乾燥させ、厚さ約5μmの絶縁性の多孔質保護層の塗工膜を作製した。
つぎに、絶縁性の多孔質保護層を表面に塗工形成した負極を50×500mmの形状に切断して、その多孔質保護層の表面を観察し、以下に示す評価基準で塗工不良を評価した。
○:塗工スジおよびツブなし、△:幅径1mm以下の塗工スジ、ツブあり、×:幅径1mm以上の塗工スジおよびツブあり
以下に、サンプル1〜11とサンプルC1〜C6の諸元と評価結果を(表1)に示す。
Figure 2008016311
(表1)から、サンプル1〜5において、本発明の製造方法により作製された塗工塗料は、無機酸化物フィラーの材料に依存せず、塗料安定性に優れ、塗工不良のないものであった。これは、無機酸化物フィラーの凝集物が、沈降槽の除去部で効率よく除去されるとともに、保管槽の攪拌翼により膜厚以上の凝集物が生じないことによるものである。
また、サンプル6〜11とサンプルC1およびサンプルC2において、塗工塗料の粘度が10mPa・s〜3000mPa・sの範囲において、塗料安定性に優れ、塗工不良のない多孔質保護層を形成できた。これは、この範囲の粘度において、凝集した無機酸化物フィラーが効率的に除去されたためである。
一方、粘度が10mPa・s未満のサンプルC1、または粘度が3000mPa・sを超えるサンプルC2においては、固形分変化率が1%〜2%あり、その凝集物などにより塗料安定性が低下した。また、それらの多孔質保護層には、幅径1mm以下の塗工スジおよびツブなどの塗工不良が生じた。これは、粘度が10mPa・s未満のサンプルC1の場合、粘度が低すぎて攪拌を速くしても凝集物が生じやすく組成変動が大きい。また、粘度が3000mPa・sを超えるサンプルC2の場合、凝集自体は起こりにくいが、凝集しても沈降しにくいため塗工塗料中に凝集物が残留し、さらに粗粉も沈降しにくいので、塗工塗料の均一性が低下するためと考えられる。
また、サンプル1とサンプルC3〜C6を比較すると、塗工塗料の粘度範囲を最適な範囲としても、沈降分離がない場合、循環および濾過をしても固形分変化率が2%以上あり、そのために幅径1mm以上の塗工スジやツブが発生した。これは、沈降分離せずに循環および濾過のみで塗工塗料を作製した場合、循環ラインから塗工塗料が出て再度混合槽に戻ったときに、無機酸化物フィラーの再凝集を生じるためと考えられる。
以下に、サンプル1の塗工塗料を用いて、絶縁性の多孔質保護層を形成した負極を用いて作製した二次電池の特性を評価した。なお、二次電池は以下の方法により作製した。
まず、正極活物質としてLiCOとCoとを混合し、900℃で10時間焼成してLiCoOを得た後、粉砕、分級の処理を経て平均粒径12μmの含リチウム複合酸化物粉末を得た。そして、得られた含リチウム複合酸化物100重量部を、PVDF(固形分12重量%のNMP溶液)50重量部、アセチレンブラック4重量部、および適量のNMPとともに双腕式練合機にて30℃で30分間攪拌し、正極合剤ペーストを調製した。このペーストを集電体14となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で15分間乾燥させた後、総厚が160μmとなるようにロールプレスする。その後、直径18mm、高さ65mmの丸型のケース5に挿入可能な幅にスリットし正極2を得た。なお、正極合剤層15の一部を剥離して集電体14にリード8を接続した。
つぎに、人造黒鉛100重量部、固形分40重量%の変性スチレン−ブタジエンゴム(SBR)の分散液7重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)1.6重量部を適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを負極1の集電体12である厚さ12μmの銅箔の両面に塗布、乾燥し、総厚が160μmとなるように圧延した。その後、直径18mm、高さ65mmのケース5に挿入可能な幅にスリットし、負極1を得た。なお、負極合剤層13の一部を剥離して集電体12にリード9を接続した。
以上のようにして得られた正極2と、サンプル1の塗工塗料からなる絶縁性の多孔質保護層を形成した負極1とを、セパレータを間に挟んで捲回し、渦巻状の電極群4を構成した。
その後、ケース5内部に電極群4を挿入して周囲に絶縁性のガスケット7を配した封口板6とリード8とを導通させ、他方、ケース5とリード9とを導通させ、電解質溶液を注入し、ケース5の開口部を封口板6で封口した。電解質溶液としては、EC:EMC(重量比1:3)の混合溶媒に、LiPFを1モル/リットルの濃度で溶解させたものを用いた。このようにして得られた電池に、100mAの定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの充放電を3回繰り返した。こうして、直径18mm、高さ65mmの丸型二次電池を作製した。電池の設計容量は2600mAhとした。これをサンプル電池1とする。
また、比較のために、サンプルC3の塗工塗料を用いた以外は、上記と同様の方法で二次電池を作製した。これをサンプル電池C1とする。
以上のようにして作製した二次電池を、25℃環境において、4.2Vで定電圧(最大電流1000mA、最小電流100mA)充電し、30分後に200mAの定電流で終止電圧3.0Vまで放電する充放電を500回繰り返し、充放電サイクル試験をした。
また、安全性評価として、過充電試験を以下の方法で行った。25℃温度制御下の恒温槽にて、12V定電圧充電(最大電流1000mA)にて充電を開始し、通電電流は電池温度が105℃に達したときに停止した。このときの電池温度を電池の中央部で、試験終了後30分間記録して、最高温度を比較した。
その結果、サンプル電池1は、300回の充放電サイクル後の初期放電容量に対する比率は80%以上であったが、サンプル電池C1では、50%〜85%とばらつきが大きく、しかも放電容量の低下が著しかった。
これは、無機酸化物フィラーの凝集物や粗粉を除去して絶縁性の多孔質保護層を形成することにより、電池反応が均一化され、ばらつきの小さい二次電池が得られたものと考えられる。
また、過充電試験においても、サンプル電池1に対して、サンプル電池C1は温度上昇が大きく、しかもそのばらつきも大きかった。
これは、耐熱性の絶縁性の多孔質保護層が均一に形成されているため、過充電試験において正極2と負極1との直接的な接触が防止されたためと考えられる。
以上のように、凝集物のない安定した組成比を有する二次電池用塗工塗料を用いて、均一厚み均質組成の絶縁性の多孔質保護層をセパレータに形成することにより、安全性や電池特性信頼性が向上した二次電池を作製できた。さらに、別のサンプル2〜11の塗工塗料を用いて、同様に絶縁性の多孔質保護層を形成した二次電池においても、同様に信頼性や安全性が向上していた。
なお、本発明の実施の形態においては、捲回式の電極群を有する円筒型の二次電池で例に説明したが、これに限られない。例えば、平型電池、捲回式の角筒型電池または積層構造の角形電池にも適用することができる。
また、上記では、本発明の塗工塗料を負極の負極合剤層に塗工して絶縁性の多孔質保護層を形成した例で説明したが、これに限られない。例えば、正極合剤層やセパレータの上に絶縁性の多孔質保護層を形成しても同様の効果や作用が得られるものである。
本発明は、凝集物を予め除去した組成変動の小さい二次電池用塗工塗料を安価で生産性よく安定して製造できる。そのため、今後大きな需要が期待されるリチウム二次電池の安全性や信頼性の向上に寄与できる。
本発明の実施の形態である二次電池の構成を示す断面概念図 本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造装置の構成を示す断面概念図 本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造方法の別の例を示すフローチャート 本発明の実施の形態における二次電池用塗工塗料の製造装置の別の例の構成を示す断面概念図 (a)従来の製造方法による塗料で形成した多孔質保護層の状態を示す平面概念図(b)同図(a)のA−A線断面概念図
符号の説明
1 負極
2 正極
3 セパレータ
4 電極群
5 ケース
6 封口板
7 ガスケット
8,9 リード
10,11 絶縁板
12,14 集電体
13 負極合剤層
15 正極合剤層
21 無機酸化物フィラー
22 溶媒
23 結着剤
25 混合物
27 凝集物
31,51 混合槽
33,53 分散翼
34,54 除去部
34a,54a 漏斗状部
34b,54b 収集部
35,57 攪拌翼
55 沈降槽
56 保管槽
100,200 二次電池用塗工塗料の製造装置

Claims (11)

  1. 無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造方法であって、
    少なくとも前記無機酸化物フィラーと前記溶媒と前記結着剤とを含む混合物を分散混合し調整するステップと、
    前記混合物を静置して前記無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を除去するステップと、
    前記無機酸化物フィラーの前記凝集物および前記沈降物を除去した前記混合物を攪拌して保管するステップと、
    を含むことを特徴とする二次電池用塗工塗料の製造方法。
  2. 前記無機酸化物フィラーの前記凝集物および前記沈降物を除去するステップおよび前記混合物を攪拌して保管するステップを、前記混合物を分散混合した混合槽で行うことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用塗工塗料の製造方法。
  3. 前記無機酸化物フィラーの前記凝集物および前記沈降物を除去するステップを、前記混合物を投入する沈降槽で行うことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用塗工塗料の製造方法。
  4. 前記無機酸化物フィラーとして、アルミナ、マグネシア、シリカ、ジルコニアおよびチタニアの内の少なくとも1種を含む無機酸化物またはそれらの複合酸化物を用いたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用塗工塗料の製造方法。
  5. 前記二次電池用塗工塗料の粘度を、10mPa・s以上3000mPa・s以下としたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用塗工塗料の製造方法。
  6. 無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造装置であって、
    少なくとも前記無機酸化物フィラーと前記溶媒と前記結着剤とを含む混合物を分散混合して調製する混合槽を備え、
    前記混合槽に前記無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を収集する除去部を設けたことを特徴とする二次電池用塗工塗料の製造装置。
  7. 前記除去部が、前記混合槽の底部に設けた漏斗状部と前記漏斗状部の下部に設けた収集部とを含むことを特徴とする請求項6に記載の二次電池用塗工塗料の製造装置。
  8. 無機酸化物フィラーと溶媒と結着剤とを含む二次電池用塗工塗料の製造装置であって、
    少なくとも前記無機酸化物フィラーと前記溶媒と前記結着剤とを含む混合物を分散混合して調製する混合槽と、
    前記混合物を投入し、前記無機酸化物フィラーの凝集物および沈降物を収集する除去部を有する沈降槽と、
    前記混合物を攪拌して保管する保管槽と、
    を備えたことを特徴とする二次電池用塗工塗料の製造装置。
  9. 前記除去部が、前記沈降槽の底部に設けた漏斗状部と前記漏斗状部の下部に設けた収集部とを含むことを特徴とする請求項8に記載の二次電池用塗工塗料の製造装置。
  10. 前記収集部が、前記混合槽または前記沈降槽に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項7または請求項9に記載の二次電池用塗工塗料の製造装置。
  11. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の二次電池用塗工塗料の製造方法により作製した前記二次電池用塗工塗料が正極、負極またはセパレータの少なくともいずれかに塗工された正極、負極またはセパレータと、電解質を備えたことを特徴とする二次電池。
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