JP2008016242A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗(内部抵抗)を小さくできると共に、電池内部でのガス発生量(特に、初期充放電時のガス発生量)を抑制できるリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池100は、正極155及び負極156を備えている。このうち、正極155は、活性炭161の表面の少なくとも一部が非晶質炭素層162により被覆されてなる非晶質炭素被覆活性炭160を含んでいる。
【選択図】図3
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池100は、正極155及び負極156を備えている。このうち、正極155は、活性炭161の表面の少なくとも一部が非晶質炭素層162により被覆されてなる非晶質炭素被覆活性炭160を含んでいる。
【選択図】図3
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として注目されている。ところが、リチウムイオン二次電池では、過充電などを行った場合、正極材料と電解液との間で生じる反応により、電池のIV抵抗(内部抵抗)が上昇して、電池の出力特性が低下してしまうことがある。かかる問題を解決すべく、近年、様々なリチウムイオン二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、ハードカーボンやグラファイトなどの導電材の表面を非晶質炭素からなる層で被覆した非晶質炭素被覆導電材を、正極に含有させている。ハードカーボンやグラファイトなどの導電材の表面を非晶質炭素からなる層で被覆することで、電解液中の陰イオンが導電材中に進入することを抑制する。これにより、過充電などにより正極電位が高い状態となっても、電解液との反応により導電材が変性する不具合を抑制し、電池のインピーダンスの上昇を抑制する。
ところで、近年、リチウムイオン二次電池について、常温環境下のみならず低温環境下でも高出力化の要請が高まっている。しかしながら、特許文献1で提案されているリチウムイオン二次電池では、低温環境下においてIV抵抗が大きく上昇してしまうので、その要求に応えることができなかった。これに対し、近年、正極中に活性炭を含有させる技術が提案されている。活性炭は、電気導電性が高く、しかも、Liイオンの吸脱着性に優れているので、活性炭を正極に含有させることにより、低温環境下でも、IV抵抗を小さくすることができる。
ところが、活性炭は、水分の吸着性にも優れているため、多量の水分を吸着してしまう。このため、活性炭を正極に含有させた電池では、充放電(特に、初期充放電)を行うことにより、活性炭に吸着されていた水分が分解して多量のガスが発生してしまう。これに加えて、活性炭の表面において電解液の分解反応が生じ、これによってもガスが発生する。このように、電池内部において多量のガスが発生することから、電池の内圧が大きく上昇し、早期に安全弁が開弁する等により、早期に寿命に至ることがあった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗(内部抵抗)を小さくできると共に、電池内部におけるガス発生量(特に、初期充放電時のガス発生量)を抑制できるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗(内部抵抗)を小さくできると共に、電池内部におけるガス発生量(特に、初期充放電時のガス発生量)を抑制できるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
その解決手段は、正極及び負極を備えるリチウムイオン二次電池であって、上記正極は、活性炭の表面の少なくとも一部が非晶質炭素により被覆されてなる非晶質炭素被覆活性炭を含むリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極中に、活性炭の表面の少なくとも一部が非晶質炭素により被覆されてなる非晶質炭素被覆活性炭を含んでいる。これにより、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗(内部抵抗)を小さくできると共に、電池内部におけるガス発生量(特に、初期充放電時のガス発生量)を抑制できる。
このことは、次のような理由によるものと考えられる。活性炭の表面の少なくとも一部を非晶質炭素により被覆することにより、活性炭表面における水分の吸着性を低下させることができるので、活性炭に吸着する水分量を抑制することができる。さらには、電池内部において、活性炭と電解液との接触を抑制することができるので、電解液の分解反応を抑制することができる。これにより、電池内部において、活性炭の表面に吸着した水分の分解により生じるガス量を抑制することができ、さらには、電解液の分解反応により生じるガス量も抑制することができると考えられる。特に、初期充放電時において、効果的に、電池内部におけるガス発生量を抑制することができる。しかも、活性炭表面の少なくとも一部を非晶質炭素により被覆しても、活性炭の優れた電気導電性やLiイオンの吸脱着性を保つことができるため、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗を小さくできると考えられる。
なお、非晶質炭素被覆活性炭としては、例えば、活性炭の表面の少なくとも一部をピッチ(石油ピッチなど)で被覆した後、これを焼成してなる非晶質炭素被覆活性炭を用いることができる。
また、正極中には、非晶質炭素被覆活性炭に加えて、ハードカーボンやグラファイトやアセチレンブラックなどの導電材を添加するようにしても良い。
また、正極中には、非晶質炭素被覆活性炭に加えて、ハードカーボンやグラファイトやアセチレンブラックなどの導電材を添加するようにしても良い。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池であって、25℃の温度環境下における当該電池のIV抵抗値Xと、−10℃の温度環境下における当該電池のIV抵抗値Yとが、Y/X<3.5の関係を満たすリチウムイオン二次電池とすると良い。
従来のリチウムイオン二次電池(例えば、特許文献1のリチウムイオン二次電池)では、低温環境下においてIV抵抗が大きく上昇してしまう課題があった。本発明者が、特許文献1のリチウムイオン二次電池のように、グラファイトの表面を非晶質炭素からなる層で被覆した非晶質炭素被覆導電材を正極に含有させたリチウムイオン二次電池について調査したところ、IV抵抗値YがIV抵抗値Xの4.6倍にも大きくなってしまった。
これに対し、本発明のリチウムイオン二次電池は、IV抵抗値XとIV抵抗値Yが、Y/X<3.5の関係を満たしている。すなわち、−10℃の温度環境下における当該電池のIV抵抗値Yを、25℃の温度環境下における当該電池のIV抵抗値Xの3.5倍未満に抑制している。これにより、常温環境下のみならず低温環境下でも、良好な出力特性を得ることができる。なお、Y/X<3.5の関係を満たすリチウムイオン二次電池は、例えば、正極活物質等を含む正極合材中に、非晶質炭素被覆活性炭を8wt%程度含有させることで得ることができる。
さらに、上記いずれかのリチウムイオン二次電池であって、前記非晶質炭素被覆活性炭は、前記非晶質炭素を3wt%以上含むリチウムイオン二次電池とすると良い。
正極中に含まれる非晶質炭素被覆活性炭について、活性炭を被覆する非晶質炭素が極端に少ない場合には、活性炭表面における水分の吸着性を十分に低下させることができず、活性炭に吸着する水分量を十分に抑制することができない虞がある。さらには、電池内部において、活性炭と電解液との接触を十分に抑制することができず、電解液の分解反応十分にを抑制することができない虞がある。このため、電池内部でのガスの発生(特に、初期充放電時のガスの発生)を、十分に抑制することができない虞がある。
これに対し、本発明のリチウムイオン二次電池では、正極中に含有させる非晶質炭素被覆活性炭について、非晶質炭素の被覆量を3wt%以上としている。これにより、活性炭に吸着する水分量を十分に抑制することができ、さらには、電池内部において、活性炭と電解液との接触を十分に抑制することができる。従って、電池内部でのガスの発生量(特に、初期充放電時のガスの発生量)を、十分に抑制することができる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池であって、前記非晶質炭素被覆活性炭は、前記非晶質炭素を35wt%以下含むリチウムイオン二次電池とすると良い。
前述のように、3wt%以上の非晶質炭素で被覆した非晶質炭素被覆活性炭を、正極に含有させることで、電池内部でのガスの発生量(特に、初期充放電時のガスの発生量)を十分に抑制することができる。ところが、非晶質炭素の被覆量を大きくし過ぎると、活性炭の優れた電気導電性やLiイオンの吸脱着性を損なう虞がある。これに対し、本発明のリチウムイオン二次電池では、非晶質炭素の被覆量を35wt%以下に抑制しているので、活性炭の電気導電性やLiイオンの吸脱着性の低下を抑制することができる。
従って、本発明のリチウムイオン二次電池では、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗を小さくできると共に、電池内部でのガスの発生量(特に、初期充放電時のガスの発生量)を抑制できる。
従って、本発明のリチウムイオン二次電池では、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗を小さくできると共に、電池内部でのガスの発生量(特に、初期充放電時のガスの発生量)を抑制できる。
さらに、上記いずれかのリチウムイオン二次電池であって、前記非晶質炭素は、前記活性炭の表面の少なくとも一部をピッチで被覆した後、これを焼成してなるリチウムイオン二次電池とすると良い。
活性炭の表面の少なくとも一部をピッチで被覆した後、これを焼成することで、適切に、活性炭の表面の少なくとも一部に非晶質炭素が形成されてなる非晶質炭素被覆活性炭を得ることができる。従って、このような非晶質炭素被覆活性炭を正極中に含有させることにより、適切に、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗を小さくできると共に、電池内部でのガスの発生量(特に、初期充放電時のガスの発生量)を抑制できる。
なお、ピッチとは、石油、石炭、木材などの有機物質の乾留によって得られるタールを蒸留したときにおける、釜残油の総称である。具体的には、石油ピッチやコールタールピッチなどを例示することができる。
なお、ピッチとは、石油、石炭、木材などの有機物質の乾留によって得られるタールを蒸留したときにおける、釜残油の総称である。具体的には、石油ピッチやコールタールピッチなどを例示することができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池100について説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、平面視矩形状の収容ケース110と、収容ケース110の内部から外部に延出する正極端子120と、収容ケース110の内部から外部に延出する負極端子130とを備えている。
まず、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池100について説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、平面視矩形状の収容ケース110と、収容ケース110の内部から外部に延出する正極端子120と、収容ケース110の内部から外部に延出する負極端子130とを備えている。
さらに、図2に示すように、収容ケース110の内部には、電極体150と、図示しない電解液とが収容されている。電解液としては、例えば、EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)との混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加した有機電解液を用いることができる。
電極体150は、断面長円状をなし、シート状の正極155、負極156、及びセパレータ157を捲回してなる扁平型の捲回体である。この電極体150は、その軸線方向(図2において左右方向)の一方端部(図2において左端部)に位置し、正極155の一部のみが渦巻状に重なる正極接続部155bと、他方端部(図1において右端部)に位置し、負極156の一部のみが渦巻状に重なる負極接続部156bとを有している。このうち、正極接続部155bには、正極端子120が溶接されている。また、負極接続部156bには、負極端子130が溶接されている。なお、正極155には、正極接続部155bを除く部位に、正極活物質を含む正極合材が塗工されている。同様に、負極156には、負極接続部156bを除く部位に、負極活物質を含む負極合材が塗工されている。
収容ケース110は、収容ケース110の最も内側(図2において最も紙面手前側)に位置する内側樹脂フィルム111、この内側樹脂フィルム111の外側(図2において紙面奥側)に隣り合って位置する金属フィルム112、及びこの金属フィルム112の外側(図2において紙面奥側)に隣り合って位置する外側樹脂フィルム113が積層されたラミネートフィルム101で形成されている。この収容ケース110は、図2に示すように、収容部119内に電極体150を配置させたラミネートフィルム101が、折り返し位置110gで折り返され、図1に示すように、略矩形環状の溶着封止部115(収容ケース110の周縁部)が熱溶着により封止されて、平面視矩形状に成形されている。
ここで、正極155について、図3を参照して詳細に説明する。正極155は、図3に示すように、アルミニウム箔からなる正極基材151と、この正極基材151の表面に塗布された正極合材152とを有している。正極合材152中には、正極活物質153(本実施例では、LiNiO2系の正極活物質)と、非晶質炭素被覆活性炭160と、アセチレンブラック159と、図示しないバインダ樹脂(本実施例では、CMC,PTFE)とが含まれている。
このうち、非晶質炭素被覆活性炭160は、活性炭161と、その表面の少なくとも一部を被覆する非晶質炭素層162とを有している。このように、活性炭161の表面の少なくとも一部が非晶質炭素層162により被覆されてなる非晶質炭素被覆活性炭160を、正極155中に含有させることで、常温環境下のみならず低温環境下でもIV抵抗(内部抵抗)を小さくできると共に、電池内部でのガスの発生量(特に、初期充放電時のガスの発生量)を抑制できる。
負極156は、銅箔からなる負極基材と、この負極基材の表面のうち負極接続部156bを除く部位に塗布された負極合材とを有している。この負極合材は、負極活物質(例えば、黒鉛など)と、バインダ樹脂(例えば、PVDF、CMC、SBRなど)とを含んでいる。
セパレータ157としては、例えば、PE(ポリエチレン)とPP(ポリプロピレン)とからなる樹脂フィルムを用いることができる。
セパレータ157としては、例えば、PE(ポリエチレン)とPP(ポリプロピレン)とからなる樹脂フィルムを用いることができる。
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池100の製造方法について説明する。
(正極の製作)
まず、80wt%の正極活物質153(LiNiO2系の正極活物質)と、10wt%のアセチレンブラックと、8wt%の非晶質炭素被覆活性炭160と、1wt%のCMC(バインダ樹脂)と、1wt%のPTFE(バインダ樹脂)とを混合し、これに水を加えて、正極スラリーを調整した。なお、非晶質炭素被覆活性炭160は、活性炭161の表面にピッチ(石油ピッチなど)を付着させた後、これを1000℃程度の温度で焼成して作製している。
(正極の製作)
まず、80wt%の正極活物質153(LiNiO2系の正極活物質)と、10wt%のアセチレンブラックと、8wt%の非晶質炭素被覆活性炭160と、1wt%のCMC(バインダ樹脂)と、1wt%のPTFE(バインダ樹脂)とを混合し、これに水を加えて、正極スラリーを調整した。なお、非晶質炭素被覆活性炭160は、活性炭161の表面にピッチ(石油ピッチなど)を付着させた後、これを1000℃程度の温度で焼成して作製している。
次いで、正極スラリーを、正極基材151(アルミニウム箔)の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工により押圧成形した。これにより、図3に示すように、アルミニウム箔からなる正極基材151と、この正極基材151の表面に塗布された正極合材152とを有するシート状の正極155を得た。
(電池の作製)
また、98wt%の負極活物質(本実施形態では、黒鉛)と、1wt%のCMC(バインダ樹脂)と、1wt%のSBR(バインダ樹脂)とを混合し、これに水を加えて、負極スラリーを調整した。この負極スラリーを、負極基材(銅箔)の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工により押圧成形することで、シート状の負極156を得た。
また、98wt%の負極活物質(本実施形態では、黒鉛)と、1wt%のCMC(バインダ樹脂)と、1wt%のSBR(バインダ樹脂)とを混合し、これに水を加えて、負極スラリーを調整した。この負極スラリーを、負極基材(銅箔)の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工により押圧成形することで、シート状の負極156を得た。
次いで、正極155、負極156、及びセパレータ157を積層し、これを捲回して扁平捲回型の電極体150を形成する。なお、正極155、負極156、及びセパレータ157を積層する際には、電極体150の一端部から、正極155のうち正極合材を塗工していない未塗工部が突出するように、正極155を配置しておく。さらには、負極156のうち負極合材を塗工していない未塗工部が、正極155の未塗工部とは反対側から突出するように、負極156を配置しておく。これにより、正極接続部155b及び負極接続部156bを有する電極体150(図2参照)が形成される。
次に、電極体150の正極接続部155bと正極端子120とを接続する。具体的には、例えば、正極接続部155bと正極端子120とを圧着した状態で溶接(例えば、超音波溶接やスポット溶接など)することにより、正極接続部155bと正極端子120とを接続する。同様に、電極体150の負極接続部156bと負極端子130とを接続する。具体的には、例えば、負極接続部156bと負極端子130とを圧着した状態で溶接(例えば、超音波溶接やスポット溶接など)することにより、負極接続部156bと負極端子130とを接続する。
これとは別に、ラミネートフィルム101を用意する。具体的には、内側樹脂フィルム111、金属フィルム112、及び外側樹脂フィルム113を積層した後、これを押圧成形して、収容部119を凹設したラミネートフィルム101を得る(図2参照)。次いで、図2に示すように、正極端子120及び負極端子130を溶接した電極体150を、ラミネートフィルム101の収容部119内に配置する。その後、ラミネートフィルム101を、その折り返し位置110gで折り返し、電極体150を内部に収容する。
次に、図4に示すように、溶着封止部115のうち、後に電解液を注入する注入口116を除く部位(図4において、ドットを付した部位)を、その厚み方向に加圧しつつ加熱して、内側樹脂フィルム111同士を熱溶着させる。これにより、正極端子120及び負極端子130を収容ケース110の内部から外部に延出させつつ、内部に電極体150を収容することができる。次いで、注液口116を通じて、収容ケース110内に電解液を注入する。その後、熱溶着により注液口116を閉塞することで、収容ケース110を封止する。これにより、図1に示すリチウムイオン二次電池100が完成する。
なお、本実施形態のリチウムイオン二次電池100では、溶着封止部115のうち注液口116とした部位について、他の部位に比べて僅かに接着力を弱くしている。これにより、図1に示すように、注液口116とした部位を安全弁118とすることができる。従って、電池ケース110の内圧が所定値を超えると、安全弁118の位置で収容ケース110の封止が開放され、収容ケース110内のガスを外部に排出することができる。
(実施例1〜5)
実施例1〜5として、正極155に含有させる非晶質炭素被覆活性炭160について、非晶質炭素層162の被覆量(wt%)のみが異なる5種類のリチウムイオン二次電池100を製造した。具体的には、非晶質炭素被覆活性炭160にかかる非晶質炭素層162の被覆量を、2wt%(実施例1)、3wt%(実施例2)、10wt%(実施例3)、35wt%(実施例4)、40wt%(実施例5)と異ならせている。
実施例1〜5として、正極155に含有させる非晶質炭素被覆活性炭160について、非晶質炭素層162の被覆量(wt%)のみが異なる5種類のリチウムイオン二次電池100を製造した。具体的には、非晶質炭素被覆活性炭160にかかる非晶質炭素層162の被覆量を、2wt%(実施例1)、3wt%(実施例2)、10wt%(実施例3)、35wt%(実施例4)、40wt%(実施例5)と異ならせている。
(比較例1)
本比較例1では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に非晶質炭素被覆活性炭160を含まない点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例2)
本比較例2では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に、非晶質炭素被覆活性炭160に代えて活性炭を含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。
本比較例1では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に非晶質炭素被覆活性炭160を含まない点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例2)
本比較例2では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に、非晶質炭素被覆活性炭160に代えて活性炭を含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例3)
本比較例3では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に非晶質炭素被覆活性炭160を含有させることなく、負極中に、黒鉛に代えて非晶質炭素被覆活性炭160(非晶質炭素層162の被覆量が10wt%)を含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例4)
本比較例4では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に、非晶質炭素被覆活性炭160に代えてグラファイトを含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池(比較例4)を製造した。
本比較例3では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に非晶質炭素被覆活性炭160を含有させることなく、負極中に、黒鉛に代えて非晶質炭素被覆活性炭160(非晶質炭素層162の被覆量が10wt%)を含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例4)
本比較例4では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に、非晶質炭素被覆活性炭160に代えてグラファイトを含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池(比較例4)を製造した。
(比較例5)
本比較例5では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に、非晶質炭素被覆活性炭160に代えて非晶質炭素被覆グラファイトを含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。ここで、非晶質炭素被覆グラファイトとは、グラファイトの表面に非晶質炭素を被覆させてなる物質をいう。この非晶質炭素被覆グラファイトは、グラファイトの表面にピッチ(石油ピッチなど)を付着させた後、これを1000℃程度の温度で焼成することにより得ることができる。なお、本比較例5では、非晶質炭素の被覆量が10wt%の非晶質炭素被覆グラファイトを用いている。
本比較例5では、実施形態のリチウムイオン二次電池と比較して、正極中に、非晶質炭素被覆活性炭160に代えて非晶質炭素被覆グラファイトを含有させた点のみが異なるリチウムイオン二次電池を製造した。ここで、非晶質炭素被覆グラファイトとは、グラファイトの表面に非晶質炭素を被覆させてなる物質をいう。この非晶質炭素被覆グラファイトは、グラファイトの表面にピッチ(石油ピッチなど)を付着させた後、これを1000℃程度の温度で焼成することにより得ることができる。なお、本比較例5では、非晶質炭素の被覆量が10wt%の非晶質炭素被覆グラファイトを用いている。
(初期放電容量の測定)
次に、実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池について、それぞれ、初期放電容量を測定した。具体的には、前述のように製造した各リチウムイオン二次電池について、電池電圧が4.1Vになるまで充電を施した後、電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。このときの各リチウムイオン二次電池の放電容量を、初期放電容量として測定した。この結果を表1に示す。なお、表1では、非晶質炭素被覆活性炭を、「被覆活性炭」と省略して表記している。また、非晶質炭素被覆グラファイトを、「被覆グラファイト」と省略して表記している。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池について、それぞれ、初期放電容量を測定した。具体的には、前述のように製造した各リチウムイオン二次電池について、電池電圧が4.1Vになるまで充電を施した後、電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。このときの各リチウムイオン二次電池の放電容量を、初期放電容量として測定した。この結果を表1に示す。なお、表1では、非晶質炭素被覆活性炭を、「被覆活性炭」と省略して表記している。また、非晶質炭素被覆グラファイトを、「被覆グラファイト」と省略して表記している。
表1に示すように、実施例1〜5のリチウムイオン二次電池では、いずれも、初期放電容量が412mAhとなった。また、比較例1,2及び4,5のリチウムイオン二次電池では、この順に、初期放電容量が418mAh,410mAh,411mAh,412mAhとなり、実施例1〜5のリチウムイオン二次電池と同等の初期放電容量を示した。
これに対し、比較例3のリチウムイオン二次電池では、初期放電容量が140mAhとなり、他のリチウムイオン二次電池に比べて、極端に初期放電容量が小さくなった。これは、比較例3のリチウムイオン二次電池では、他のリチウムイオン二次電池と異なり、負極中に、黒鉛に代えて非晶質炭素被覆活性炭160を含有させているためと考えられる。活性炭は、黒鉛に比べて、リチウムイオンが挿入・脱離する反応性に劣るため、負極中に、黒鉛に代えて非晶質炭素被覆活性炭160を含有させることにより、初期放電容量が小さくなったと考えられる。
(IV抵抗値の測定)
次に、実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池について、それぞれ、IV抵抗値を測定した。
具体的には、各々のリチウムイオン二次電池について、初期放電容量を測定した後、SOC(State Of Charge)60%に調整した。次いで、各々のリチウムイオン二次電池を25℃の温度に保持された恒温槽内に配置した。その後、3時間が経過したところで、1C,2C,3C,5C,15Cの各電流値で、10秒間ずつ、充電及び放電を行うと共に、電圧低下量を測定した。このときの、電流値(X軸)と電圧(Y軸)との関係を、IV線図として表し、このIV線図に基づいて、各リチウムイオン二次電池について、25℃の温度環境下におけるIV抵抗値X(内部抵抗)を算出した。この結果を表1に示す。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池について、それぞれ、IV抵抗値を測定した。
具体的には、各々のリチウムイオン二次電池について、初期放電容量を測定した後、SOC(State Of Charge)60%に調整した。次いで、各々のリチウムイオン二次電池を25℃の温度に保持された恒温槽内に配置した。その後、3時間が経過したところで、1C,2C,3C,5C,15Cの各電流値で、10秒間ずつ、充電及び放電を行うと共に、電圧低下量を測定した。このときの、電流値(X軸)と電圧(Y軸)との関係を、IV線図として表し、このIV線図に基づいて、各リチウムイオン二次電池について、25℃の温度環境下におけるIV抵抗値X(内部抵抗)を算出した。この結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜4のリチウムイオン二次電池では、いずれも、IV抵抗値Xが71mΩとなった。また、実施例5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池では、いずれも、IV抵抗値Xが71mΩとなった。この結果より、実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池では、いずれも、常温環境下(25℃の温度環境下)において、IV抵抗値(内部抵抗)を小さくすることができたといえる。
また、各々のリチウムイオン二次電池をSOC60%に調整した後、各リチウムイオン二次電池を−10℃の温度に保持された恒温槽内に配置した。その後、3時間が経過したところで、1C,2C,3C,5C,15Cの各電流値で、2秒間ずつ、充電及び放電を行うと共に、電圧低下量を測定した。このときの、電流値(X軸)と電圧(Y軸)との関係を、IV線図として表し、このIV線図に基づいて、各リチウムイオン二次電池について、−10℃の温度環境下におけるIV抵抗値Y(内部抵抗)を算出した。
さらに、IV抵抗値XとIV抵抗値Yとの比であるIV抵抗比Y/Xの値を算出した。これらの結果を表1に示す。
さらに、IV抵抗値XとIV抵抗値Yとの比であるIV抵抗比Y/Xの値を算出した。これらの結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜5及び比較例2のリチウムイオン二次電池では、IV抵抗値Yの値が、200〜245mΩとなった。具体的には、IV抵抗値Yの値は、順に、206mΩ、208mΩ、220mΩ、228mΩ、245mΩ、200mΩとなった。この結果より、実施例1〜5及び比較例2のリチウムイオン二次電池では、常温環境下(25℃の温度環境下)のみならず低温環境下(−10℃の温度環境下)でも、IV抵抗値を小さくすることができたといえる。
その理由は、実施例1〜5及び比較例2のリチウムイオン二次電池では、いずれも、正極中に活性炭(実施例1〜5では、非晶質炭素被覆活性炭)を含有させたためと考えられる。活性炭は、電気導電性が高く、しかも、Liイオンの吸脱着性に優れているので、活性炭を正極に含有させることにより、低温環境下でも、IV抵抗を小さくすることができたと考えられる。
一方、比較例1,3〜5のリチウムイオン二次電池では、IV抵抗値Yの値が、329〜480mΩとなった。具体的には、IV抵抗値Yの値は、順に、330mΩ、480mΩ、329mΩ、330mΩとなり、実施例1〜5のリチウムイオン二次電池に比べて、著しく大きくなった。すなわち、比較例1,3〜5のリチウムイオン二次電池では、低温環境下(−10℃の温度環境下)において、IV抵抗値が大きく上昇してしまった。
具体的には、比較例4では、IV抵抗値Yの値が329mΩとなり、実施例1〜5に比べて、IV抵抗値Yの値が100mΩ程度大きくなった。この比較例4では、正極中に、活性炭または非晶質炭素被覆活性炭を含有させることなく、グラファイトを含有させている。この結果より、正極中にグラファイトを含有させても、低温環境下(−10℃の温度環境下)におけるIV抵抗値を小さくすることができないといえる。
さらに、比較例5でも、比較例4と同等のIV抵抗値Y(具体的には、330mΩ)を示した。この比較例5では、グラファイトの表面を非晶質炭素で被覆した非晶質炭素被覆グラファイトを、正極中に含有させている。この結果より、正極中に、非晶質炭素被覆グラファイトを含有させても、低温環境下(−10℃の温度環境下)におけるIV抵抗値を小さくすることができないといえる。
ところで、表1に示すように、比較例1,3〜5のリチウムイオン二次電池では、IV抵抗比Y/Xの値がいずれも、4.6以上となった。すなわち、−10℃の温度環境下における電池のIV抵抗値Yが大きく上昇し、25℃の温度環境下における電池のIV抵抗値Xの4.6倍以上となった。このようなリチウムイオン二次電池では、低温環境下において、良好な出力特性を得ることができなくなる。
これに対し、実施例1〜5のリチウムイオン二次電池では、IV抵抗比Y/Xの値がいずれも、3.5未満となった。すなわち、−10℃の温度環境下における電池のIV抵抗値Yを、25℃の温度環境下における電池のIV抵抗値Xの3.5倍未満に抑制することができた。このため、実施例1〜5のリチウムイオン二次電池では、常温環境下のみならず低温環境下でも、良好な出力特性を得ることができる。
(ガス発生量の測定)
次に、実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池について、それぞれ、初期充放電時における電池内部のガス発生量を測定した。具体的には、各リチウムイオン二次電池に圧力センサを取付けた状態で、各リチウムイオン二次電池に初期充放電を3サイクル施した。その後、各リチウムイオン二次電池について、圧力センサの示す値から圧力上昇値を算出し、これに基づいてガス発生量(mL)を算出した。この結果を表1に示す。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池について、それぞれ、初期充放電時における電池内部のガス発生量を測定した。具体的には、各リチウムイオン二次電池に圧力センサを取付けた状態で、各リチウムイオン二次電池に初期充放電を3サイクル施した。その後、各リチウムイオン二次電池について、圧力センサの示す値から圧力上昇値を算出し、これに基づいてガス発生量(mL)を算出した。この結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例2〜5及び比較例1,4,5のリチウムイオン二次電池では、ガス発生量が6.2〜6.8mLとなり、電池内部におけるガスの発生を抑制することができた。これに対し、実施例1及び比較例2,3では、ガス発生量が14.4〜17.6mLとなり、電池内部において多量のガスが発生してしまった。
ここで、実施例2〜5と比較例2との結果について検討する。実施例2〜5と比較例2とは、正極中に活性炭を含有させている点で共通している。しかしながら、比較例2では、活性炭をそのまま正極中に含有させているのに対し、実施例2〜5では、活性炭の表面を非晶質炭素で被覆した非晶質炭素被覆活性炭を、正極中に含有させている点で異なっている。従って、上記の結果より、活性炭をそのまま正極中に含有させた場合には、初期充放電時に、電池内部において多量のガスが発生してしまうが、活性炭の表面の少なくとも一部を非晶質炭素で被覆することで、初期充放電時におけるガスの発生を抑制することができるといえる。
これは、次のような理由によるものと考えられる。活性炭は、水分の吸着性に優れているため、多量の水分を吸着してしまう。このため、活性炭を正極に含有させた電池では、充放電(特に、初期充放電)を行うことにより、活性炭に吸着されていた水分が分解して多量のガスが発生してしまう。これに加えて、活性炭の表面において電解液の分解反応が生じ、これによってもガスが発生する。このため、比較例2では、初期充放電時において、電池内部に多量のガスが発生したと考えられる。
これに対し、活性炭の表面の少なくとも一部を非晶質炭素により被覆した場合には、活性炭表面における水分の吸着性を低下させることができるので、活性炭に吸着する水分量を抑制することができる。さらには、電池内部において、活性炭と電解液との接触を抑制することができるので、電解液の分解反応を抑制することができる。これにより、初期充放電時に、電池内部において、活性炭の表面に吸着した水分の分解により生じるガス量を抑制することができ、さらには、電解液の分解反応により生じるガス量も抑制することができたと考えられる。
次いで、実施例1〜5の結果について検討する。実施例1〜5は、正極中に非晶質炭素被覆活性炭を含有させている点で共通しているが、非晶質炭素被覆活性炭にかかる非晶質炭素の被覆量(wt%)が異なっている。表1に示すように、非晶質炭素の被覆量を2wt%とした実施例1のリチウムイオン二次電池では、初期充放電時において、17.6mLもの多量のガスが発生した。これに対し、非晶質炭素の被覆量を3wt%以上とした実施例2〜5のリチウムイオン二次電池では、ガス発生量を6.6〜6.8mLと抑制することができた。この結果より、正極中に、非晶質炭素被覆活性炭を含有させる場合は、非晶質炭素の被覆量を3wt%以上とすることで、適切に、電池内部でのガスの発生量(特に、初期充放電時のガスの発生量)を抑制することができるといえる。
さらに、電池内部でのガス発生量を抑制できた実施例2〜5について、比較検討する。表1に示すように、実施例2から実施例5の順に、すなわち、非晶質炭素被覆活性炭における非晶質炭素の被覆量(wt%)を大きくするにしたがって、IV抵抗値Yの値が大きくなることがわかる。詳細に検討すると、非晶質炭素の被覆量を35wt%以下(具体的には、3〜35wt%)に抑制した実施例2〜4では、IV抵抗値Yの値が208〜228mΩとなり、低温環境下におけるIV抵抗を小さくすることができた。
これに対し、非晶質炭素の被覆量を40wt%とした実施例5では、IV抵抗値Yの値が245mΩとなり、低温環境下におけるIV抵抗値Yがやや大きくなった。これは、非晶質炭素被覆活性炭における非晶質炭素の被覆量(wt%)を大きくし過ぎることで、活性炭の電気導電性やLiイオンの吸脱着性が低下し、十分な電気伝導性やLiイオンの吸脱着性が得られなくなるためと考えられる。この結果より、非晶質炭素の被覆量を35wt%以下に抑制することで、活性炭の優れた電気導電性やLiイオンの吸脱着性の低下を抑制することができるといえる。
以上の結果より、正極中に含有させる非晶質炭素被覆活性炭について、非晶質炭素の被覆量を3wt%以上35wt%以下とすることで、低温環境下におけるIV抵抗を、より一層小さくすることができるといえる。その上、電池内部でのガス発生量(特に、初期充放電時のガス発生量)を、適切に抑制することができるといえる。
次に、実施例3と比較例3とを比較する。表1に示すように、実施例3では、IV抵抗値Yの値が220mΩとなり、低温環境下におけるIV抵抗を小さくすることができた。これに対し、比較例3では、IV抵抗値Yの値が480mΩとなり、各リチウムイオン二次電池のうちで最も大きな値を示した。この実施例3と比較例3とは、電極中に、非晶質炭素の被覆量が10wt%の非晶質炭素被覆活性炭を含有させている点で共通している。しかしながら、実施例3では、正極中に非晶質炭素被覆活性炭を含有させているのに対し、比較例3では、負極中に非晶質炭素被覆活性炭を含有させている点で異なっている。
この結果より、非晶質炭素被覆活性炭を正極中に含有させることで、低温環境下におけるIV抵抗を小さくすることができるが、非晶質炭素被覆活性炭を負極中に含有させても、低温環境下におけるIV抵抗を小さくすることができないといえる。しかも、比較例3は、正極及び負極中に非晶質炭素被覆活性炭を含有させていない比較例1と比べても、IV抵抗値Yの値が大きくなっている。このことから、非晶質炭素被覆活性炭を負極中に含有させることで、却って、低温環境下におけるIV抵抗を増大させてしまうといえる。
以上において、本発明を実施形態(実施例1〜5)に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、LiNiO2系の正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池について説明した。しかしながら、本発明は、LiNiO2系の正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池に限らず、LiCoO2系やLiMnO2系などいずれの正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池についても、適用することができる。
また、実施形態では、ラミネートフィルム101からなる収容ケース110を備えるリチウムイオン二次電池100を例示したが、本発明は、金属製の収容ケース(角形金属ケースや円筒形金属ケースなど)を備えるリチウムイオン二次電池についても適用することができる。
また、実施形態では、ラミネートフィルム101からなる収容ケース110を備えるリチウムイオン二次電池100を例示したが、本発明は、金属製の収容ケース(角形金属ケースや円筒形金属ケースなど)を備えるリチウムイオン二次電池についても適用することができる。
100 リチウムイオン二次電池
150 電極体
153 正極活物質
155 正極
160 非晶質炭素被覆活性炭
161 活性炭
162 非晶質炭素
150 電極体
153 正極活物質
155 正極
160 非晶質炭素被覆活性炭
161 活性炭
162 非晶質炭素
Claims (5)
- 正極及び負極を備えるリチウムイオン二次電池であって、
上記正極は、
活性炭の表面の少なくとも一部が非晶質炭素により被覆されてなる非晶質炭素被覆活性炭を含む
リチウムイオン二次電池。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池であって、
25℃の温度環境下における当該電池のIV抵抗値Xと、−10℃の温度環境下における当該電池のIV抵抗値Yとが、Y/X<3.5の関係を満たす
リチウムイオン二次電池。 - 請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン二次電池であって、
前記非晶質炭素被覆活性炭は、前記非晶質炭素を3wt%以上含む
リチウムイオン二次電池。 - 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池であって、
前記非晶質炭素被覆活性炭は、前記非晶質炭素を35wt%以下含む
リチウムイオン二次電池。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池であって、
前記非晶質炭素は、前記活性炭の表面の少なくとも一部をピッチで被覆した後、これを焼成してなる
リチウムイオン二次電池。
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JP2006184119A JP2008016242A (ja) | 2006-07-04 | 2006-07-04 | リチウムイオン二次電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-07-04 JP JP2006184119A patent/JP2008016242A/ja not_active Withdrawn
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