JP2008014248A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008014248A
JP2008014248A JP2006186924A JP2006186924A JP2008014248A JP 2008014248 A JP2008014248 A JP 2008014248A JP 2006186924 A JP2006186924 A JP 2006186924A JP 2006186924 A JP2006186924 A JP 2006186924A JP 2008014248 A JP2008014248 A JP 2008014248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
injection
asynchronous
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006186924A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5074717B2 (ja
Inventor
Kazumasa Miyazaki
和真 宮▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006186924A priority Critical patent/JP5074717B2/ja
Publication of JP2008014248A publication Critical patent/JP2008014248A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5074717B2 publication Critical patent/JP5074717B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

【課題】フューエルカットからの復帰時において適切な非同期噴射を実行する
【解決手段】エンジンECUは、フューエルカットからの復帰時に非同期噴射要求があると(S100にてNO、S200にてYES)、各気筒毎に非同期噴射が同期噴射に重なるか否かを判断するステップ(S700)と、噴射が重なると(S700にてYES)非同期噴射する燃料量Qを減量して算出するステップ(S800)と、吸気弁が閉じることにより非同期噴射された燃料の全量が燃焼室に導入されない場合には(S1100にてYES)、非同期噴射のタイミングを同期噴射のタイミングまで遅延させるように遅延時間Tを設定するステップ(S1300)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御に関し、特に、フューエルカットからの復帰時における非同期噴射制御に関する。
燃費を向上させるために減速中に燃料の供給を停止する制御、いわゆるフューエルカット制御は、走行性能や乗心地を損なわない範囲でエンジンに対する燃料の供給を可及的に少なくして燃費を向上させる制御である。一般には、エンジンがアイドリング状態にある減速中にエンジン回転数が予め定められた範囲に入ることにより、燃料の供給を停止している。具体的には、走行中にスロットルバルブが閉じられてエンジン回転数がフューエルカット回転数以上であると燃料の供給を停止する。またエンジン回転数が低下してその範囲の下限を規定している復帰回転数に達すると燃料の供給を再開する。なお、この復帰回転数はエンジンストールを生じさせず、またエンジンの安定した回転を維持する回転数に設定されている。
また、このフューエルカット制御中に、運転者によりアクセルペダルが踏まれると(再加速が要求されると)、フューエルカット制御は強制的に中断されて燃料がインジェクタから噴射されて、通常の運転状態に戻る。
このようなフューエルカット状態から復帰する時に、再加速による強制復帰の場合には加速フィーリングを向上するために、エンジンの回転数低下による自然復帰の場合には機関回転数のアンダーシュートまたはエンジンストールを回避するために、非同期噴射を行なうことが知られている。
フューエルカット時間が長く継続した場合、吸気マニホールド内に付着していた燃料が完全に乾燥してしまうので、その後に燃料復帰した時に非同期噴射を実行しても、吸気マニホールドに付着した後に燃焼室内に燃料が供給されるので、燃焼室内の燃料が不足してリーンな状態となり失火を招き、加速不足やショックが発生する。
フューエルカット時間が短い場合、吸気マニホールド内の燃料が完全に乾燥してしまっていないので、その後に燃料復帰した時に非同期噴射を実行すると、燃焼室内の燃料が過大となりリッチな状態となり失火やアフターバーン(アフターファイア:後燃え)の問題が発生する。
特開昭61−096158号公報(特許文献1)は、このような問題を解決する内燃機関の燃料供給制御方法を開示する。この内燃機関の燃料供給制御方法は、内燃機関の所定回転角に同期して内燃機関の運転状態に応じた燃料を内燃機関に供給し、内燃機関が所定の燃料遮断条件を満足した時に、上記燃料供給を遮断し、内燃機関が所定の燃料復帰条件を満足した時に上記燃料供給を復帰するとともに、上記燃料供給が復帰した際に、上記内燃機関の所定回転角に同期した燃料供給とは別個に機関回転数とは非同期な燃料供給をする内燃機関の燃料供給制御方法において、上記機関回転角とは異なる非同期の燃料供給の量を、同期した燃料供給の遮断から復帰までの時間に応じて制御することを特徴とする。
この内燃機関の燃料供給制御方法によると、機関回転角とは非同期な燃料供給の量を、同期した燃料供給の遮断から復帰までの時間に応じて制御するので、長いフューエルカット後の復帰時のリーンによる失火を防止できるとともに、短いフューエルカット後のリッチによる失火とアフターバーンを防止することができる。
特開昭61−096158号公報
一般的にエンジンの排気系には、排気ガス(以下、燃焼ガスとも記載する)中の特定成分を浄化するための触媒コンバータが設けられている。この触媒コンバータとして、三元触媒コンバータが広く使用されており、これは排気ガス中の特定の三成分である一酸化炭素(CO)および未燃焼の炭化水素(HC)を酸化するとともに酸化窒素(NOx)を還元して、二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)、および窒素(N2)に変換させるものである。
この三元触媒コンバータによる浄化特性は、燃焼室内に形成される混合気の空燃比に依存し、それが理論空燃比近傍である時に三元触媒コンバータは最も有効に機能する。これは、空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと、酸化作用が活発となるが還元作用が不活発となり、また空燃比がリッチであり排気ガス中の酸素量が少ないと、逆に還元作用が活発となるが酸化作用が不活発となり、前述の三成分をすべて良好に浄化させることができないためである。したがって、三元触媒コンバータを有するエンジンには、その排気通路に出力リニア型酸素センサが設けられ、それにより測定される酸素濃度を使用して燃焼室内の混合気を理論空燃比にフィードバック制御されている。すなわち、空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと還元作用が不活発になり、酸化窒素(NOx)を還元する作用が低下して、NOx浄化機能が低下する。
また、上述したように、車両には、フューエルカット制御が適用される場合がある。フューエルカット制御中には、燃料の噴射が停止されるのであるので、空燃比がリーンになり、NOx浄化機能が低下している。この状態でフューエルカットから復帰して燃料が噴射されると、三元触媒コンバータにおけるNOx浄化作用が低下しているので、十分にNOxを浄化できない。このため、上述したエミッション要求に基づく非同期噴射が実行される。
フューエルカット復帰時にこの非同期噴射を全気筒に対して実行すると、その時点における行程は各気筒毎に異なる。このため、吸気弁が閉じるまでに非同期噴射が行なわれる気筒と行なわれない気筒とが存在したり、吸気弁の閉弁途中である行程の気筒に非同期噴射が実行される気筒が存在したりすると、供給される燃料量が各気筒毎に異なる。さらに、インジェクタのリニアリティがない領域(燃料噴射時間と燃料量との間に正の相関関係が成立しない領域)で燃料を非同期噴射すると、供給される燃料量が各気筒毎にばらつく。このため、空燃比が所望の目標値にならないで、空燃比異常に基づく異常燃焼が発生する。
さらに、V型6気筒エンジンやV型8気筒エンジンでは、左右バンクに対応して触媒コンバータが設けられている。ところが、吸気弁が閉じるまでのタイミングで(すなわち燃焼室に燃料が導入されるタイミングで、さらに言い換えれば同期噴射と重なるタイミングで)非同期噴射が行なわれる気筒数が左右のバンクで異なることがある。たとえば、V型6気筒エンジンの場合、吸気弁が閉じるまでのタイミングで非同期噴射が行なわれる気筒数が左バンクで2気筒および右バンクで1気筒であって、吸気弁が閉じるまでのタイミングで非同期噴射が行なわれない気筒数が左バンクで1気筒および右バンクで2気筒であるときを示す。このような場合、左右のバンクに対応して設けられた左右の触媒コンバータに異なる空燃比の燃焼ガスが供給される。
このように、フューエルカットからの復帰時において、単に非同期噴射を実行していたのでは、触媒コンバータに所望の空燃比の燃焼ガスを送り込むことができないのでエミッションが悪化する可能性がある。すなわち、非同期噴射の燃料量が少な過ぎると三元触媒コンバータ内を十分にリッチ雰囲気にすることができないでNOx浄化作用を向上させることができない。さらに、オーバリッチやリーンにより失火した場合には、エンジンから所望のトルクが発生しないので、ショックを発生させる。
しかしながら、このような問題を特許文献1においては認識していない。この特許文献1に開示された制御装置では、非同期噴射における燃料量を、フューエルカット時間に応じて制御しているが、上記した問題点との関連性はない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フューエルカットからの復帰時において適切な非同期噴射を実行することができる、内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、車両の状態が予め定められた条件を満足すると、複数の気筒を備えた内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットが実行される内燃機関の燃料噴射を制御する。この制御装置は、フューエルカットの実行が中止されると、必要に応じて非同期噴射を実行するように、燃焼室に燃料を供給するために吸気通路に燃料を噴射するように各気筒毎に設けられた燃料噴射機構を制御するための手段と、各複数の気筒において、同期噴射と非同期噴射とが重なるか否かを判断するための判断手段と、同期噴射と非同期噴射とが重なる気筒においては、噴射される燃料量を減量するように燃料噴射機構を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、フューエルカットからの復帰時において非同期噴射が要求された場合であって、その非同期噴射が同期噴射に重なると、噴射される燃料量が減量される。このため、非同期噴射とともに同期噴射されることにより燃焼室に導入される燃料量が多過ぎることに起因して、アフターファイアが発生して触媒を溶損させる可能性や、燃焼不安定性(オーバリッチにより失火等の異常燃焼)に起因したトルク不足に基づくショックの発生を回避することができる。その結果、フューエルカットからの復帰時において適切な非同期噴射を実行することができる、内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、非同期噴射により噴射される燃料量を減量するように燃料噴射機構を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、非同期噴射により噴射される燃料量を減量して、より燃焼室に導入される燃料量が多過ぎることを回避できる。
第3の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、第1または2の発明の構成に加えて、燃料噴射機構から噴射される燃料量が、燃料噴射機構の最小噴射燃料量を下回る場合には、燃料噴射を中止するための手段をさらに含む。
第3の発明によると、減量して算出された非同期噴射の燃料量が、燃料噴射機構の最小噴射燃料量を下回り、燃料噴射時間と燃料噴射量との関係がリニアリティがないほどに少なすぎる場合には、非同期噴射を行なわない。このため、燃焼の不安定化を招いたり、空燃比の不安定化を回避できる。
第4の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、最小噴射燃料量は、燃料噴射機構における燃料噴射時間と燃料噴射量との関係にリニアリティが成立する最低限の燃料量である。
第4の発明によると、燃料噴射機構における燃料噴射時間と燃料噴射量との関係にリニアリティが成立する領域でのみ燃料を噴射するので、燃料量を正確に制御できる。
第5の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、車両の状態が予め定められた条件を満足すると、複数の気筒を備えた内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットが実行される内燃機関の燃料噴射を制御する。この制御装置は、フューエルカットの実行が中止されると、必要に応じて非同期噴射を実行するように、燃焼室に燃料を供給するために吸気通路に燃料を噴射するように各気筒毎に設けられた燃料噴射機構を制御するための手段と、各複数の気筒における吸気弁の開閉状態を検出するための検出手段と吸気弁の開閉状態に基づいて、非同期噴射により噴射された燃料が燃焼室に導入されるか否かを判断するための判断手段と、非同期噴射により噴射された燃料の一部でも燃焼室に導入されない場合には、同期噴射と非同期噴射とが重なるように、燃料噴射機構を制御するための制御手段とを含む。
第5の発明によると、吸気弁が閉じるタイミングで非同期噴射されることになった気筒においては、その非同期噴射による燃料の全てが燃焼室に導入されない可能性がある。このため、このようなタイミングになる気筒においては、この気筒の次回の同期噴射時に、非同期噴射するようにタイミングを変更する。これにより、非同期噴射による燃料の全てを燃焼室に導入するようにできる。
第6の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、判断手段は、非同期噴射の期間と吸気弁の閉弁タイミングに基づいて、非同期噴射により噴射された燃料が燃焼室に導入されるか否かを判断するための手段を含む。
第6の発明によると、非同期噴射の期間の終期が吸気弁の閉弁タイミングよりも早いと非同期噴射により噴射された燃料が燃焼室に導入されると判断でき、非同期噴射の期間の終期が吸気弁の閉弁タイミングよりも遅いと非同期噴射により噴射された燃料が燃焼室に導入されないと判断できる。
第7の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、車両の状態が予め定められた条件を満足すると、左右の各バンクにそれぞれ複数の気筒を備えた内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットが実行される内燃機関の燃料噴射を制御する。この内燃機関には左右のバンクに対応して2台の触媒機構が設けられる。この制御装置は、フューエルカットの実行が中止されると、必要に応じて非同期噴射を実行するように、燃焼室に燃料を供給するために吸気通路に燃料を噴射するように各気筒毎に設けられた燃料噴射機構を制御するための手段と、各複数の気筒において、同期噴射と非同期噴射とが重なるか否かを判断するための判断手段と、同期噴射と非同期噴射とが重なる気筒の数が、左右のバンクで同じ数になるように、燃料噴射機構を制御するための制御手段とを含む。
第7の発明によると、左右バンクに対応して触媒機構が設けられたV型エンジンにおいて、非同期噴射が同期噴射と重なる気筒数を左右のバンクで同じ数にできる。このため、左右の触媒機構に同じ空燃比の燃焼ガスが供給される。その結果、一方の触媒機構に、過度にリーンや過度にリッチな燃焼ガスが送り込まれることがなくなりエミッションの悪化を回避できる。また、左右のバンクにおける発生トルクのばらつきをなくすることができる。
第8の発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置においては、第7の発明の構成に加えて、制御手段は、同期噴射と非同期噴射とが重なる気筒の数が、左右のバンクで同じ数になるように、非同期噴射するタイミングを変更するための手段を含む。
第8の発明によると、たとえば、右のバンクの1気筒のみで非同期噴射が同期噴射に重なる場合、左のバンクのいずれかの1気筒の非同期噴射を同期噴射に重なるように、非同期噴射するタイミングを変更するので、左右1気筒ずつで非同期噴射が同期噴射に重なるようにできる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置が搭載された車両は、エンジン150と、吸気系152と、排気系154と、ECU(Electronic Control
Unit)100とを含む。なお、このエンジン150は、吸気系のみにインジェクタ126(いわゆるポートインジェクタ)を備えるが、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置が適用されるエンジンは、ポートインジェクタに加えてさらに直噴インジェクタ(燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェクタ)を有しても構わない。
吸気系152は、吸気通路110と、エアクリーナ118と、エアーフローメータ104と、スロットルモータ114と、スロットルバルブ112と、スロットルポジションセンサ116とを含む。
エアクリーナ118から吸気された空気は、吸気通路110を通り、エンジン150に流通する。吸気通路110の途中には、スロットルバルブ112が設けられる。スロットルバルブ112は、スロットルモータ114が作動することにより開閉される。このとき、スロットルバルブ112の開度は、スロットルポジションセンサ116により検知することが可能となる。エアクリーナ118とスロットルバルブ112との間における吸気通路には、エアーフローメータ104が設けられており、吸気された空気量を検知する。エアーフローメータ104には、吸入空気量を表わす吸気量信号をECU100に送信する。
エンジン150は、冷却水通路122と、シリンダブロック124と、インジェクタ126と、ピストン128と、クランクシャフト130と、水温センサ106と、クランクポジションセンサ132とを含む。
シリンダブロック124の気筒数に対応した数のシリンダ内には、それぞれピストン128が設けられる。ピストン128上部の燃焼室に吸気通路110を通って、インジェクタ126から噴射された燃料と吸気された空気との混合気が導入されて、点火プラグ(図示せず)の点火により燃焼する。燃焼が生じると、ピストン128が押し下げられる。このとき、ピストン128の上下運動は、クランク機構を介して、クランクシャフト130の回転運動に変換される。なお、エンジン150の回転数NEは、クランクポジションセンサ132により検知された信号に基づいてECU100が検知する。
シリンダブロック124内には、冷却水通路122が設けられており、ウォータポンプ(図示せず)の作動により、冷却水が循環する。この冷却水通路122内の冷却水は、冷却水通路122に接続されたラジエータ(図示せず)へと流通して冷却ファン(図示せず)により放熱される。冷却水通路122の通路上には水温センサ106が設けられており、冷却水通路122内の冷却水の温度を検知する。水温センサ106は、検知した水温を、水温信号としてECU100に送信する。
排気系154は、排気通路108と、第1の空燃比センサ102Aと、第2の空燃比センサ102Bと、第1の三元触媒コンバータ120Aと、第2の三元触媒コンバータ120Bとを含む。第1の三元触媒コンバータ120Aの上流側に第1の空燃比センサ102Aが設けられ、第1の三元触媒コンバータ120Aの下流側(第2の三元触媒コンバータ120Bの上流側)に第2の空燃比センサ102Bが設けられる。なお、三元触媒コンバータは1個でもよい。
エンジン150の排気側に接続された排気通路108は、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bに接続される。すなわち、エンジン150において燃焼室内の混合気の燃焼により生じる排気ガスは、まず、第1の三元触媒コンバータ120Aに流入する。第1の三元触媒コンバータ120Aに流入した排気ガス中に含まれるHC、COは、第1の三元触媒コンバータ120Aにおいて酸化される。また、第1の三元触媒コンバータ120Aに流入した排気ガス中に含まれるNOxは、第1の三元触媒コンバータ120Aにおいて、還元される。この第1の三元触媒コンバータ120Aは、エンジン150の近くに設置され、エンジン150の冷間始動時においても速やかに昇温されて触媒機能を発現する。
さらに、排気ガスは、NOxの浄化を目的として、第1の三元触媒コンバータ120Aから第2の三元触媒コンバータ120Bに送られる。この第1の三元触媒コンバータ120Aと第2の三元触媒コンバータ120Bとは、基本的には同じ構造および機能を有するものである。
第1の三元触媒コンバータ120Aの上流側に設けられた第1の酸素センサ102A、第1の三元触媒コンバータ120Aの下流側であって第2の三元触媒コンバータ120Bの上流側に設けられた第2の酸素センサ102Bは、三元触媒コンバータ120Aまたは三元触媒コンバータ120Bを通過した排気ガス中に含まれる酸素の濃度を検知する。酸素の濃度を検知することにより、排気ガス中に含まれる燃料と空気との比、いわゆる空燃比を検知することができる。
第1の空燃比センサ102Aおよび第2の空燃比センサ102Bは、排気ガス中の酸素濃度に応じた電流を発生させる。この電流は、たとえば電圧に変換されてECU100に入力される。したがって、第1の空燃比センサ102Aの出力信号から第1の三元触媒コンバータ120Aの上流における排気ガスの空燃比を検知することができ、第2の空燃比センサ102Bの出力信号から第2の三元触媒コンバータ120Bの上流における排気ガスの空燃比を検知することができる。これらの第1の空燃比センサ102Aおよび第2の空燃比センサ102Bは、空燃比がリーンのときには、たとえば0.1V程度の電圧を発生し、空燃比がリッチのときには0.9V程度の電圧を発生するものである。これらの値に基づいて空燃比に換算した値と、空燃比のしきい値とを比較して、ECU100による空燃比制御が行なわれる。
第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bは、空燃比がほぼ理論空燃比のときにHC,COを酸化しつつNOxを還元する機能、すなわちHC,COおよびNOxを同時に浄化する機能を有する。これらの第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bは、空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと、酸化作用が活発となるが還元作用が不活発となり、また空燃比がリッチであり排気ガス中の酸素量が少ないと、逆に還元作用が活発となるが酸化作用が不活発となり、前述の三成分をすべて良好に浄化させることができない。空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと還元作用が不活発になり、酸化窒素(NOx)を還元する作用が低下して、NOx浄化機能が低下する。
このエンジン150には、燃費を向上させるために減速中に燃料の供給を停止する制御、いわゆるフューエルカット制御が適用される。たとえば、エンジン150がアイドリング状態にある減速中にエンジン回転数が予め定められた範囲に入る(フューエルカット回転数以上)ことにより、燃料の供給を停止する。具体的には、走行中にスロットルバルブ112が閉じられてエンジン回転数がフューエルカット回転数以上であると燃料の供給を停止する。また、エンジン回転数が低下してその範囲の下限を規定している復帰回転数(フューエルカット復帰回転数)に達すると燃料の供給を再開する。なお、この復帰回転数はエンジンストールを生じさせず、またエンジン150の安定した回転を維持する回転数に設定されている。なお、水温センサ106により検知されたエンジン冷却水の温度が低いと、フューエルカット回転数およびフューエルカット復帰回転数は、高く設定される。
本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置であるECU100は、フューエルカットからの復帰時において、非同期噴射(全気筒のインジェクタ126に噴射指令信号を出力)を実行して、三元触媒コンバータ120Aおよび三元触媒コンバータ120Bにおける雰囲気をリッチ雰囲気にする。これにより、三元触媒コンバータ120Aおよび三元触媒コンバータ120Bにおける雰囲気は、フューエルカット時にはリーンであったが、復帰時にリッチにすることができ、NOxを浄化することができる。一方で、この非同期噴射が同期噴射と重なる場合には非同期噴射する燃料量を減量して算出する。これは、非同期噴射される燃料量が多過ぎると、アフターファイアが発生して、触媒を溶損させる可能性があることを回避するためである。このため、ECU100は、非同期噴射に同期噴射が重なる場合には、非同期噴射される燃料量を減量して算出している。なお、減量して算出された非同期噴射の燃料量が少なすぎる場合には、ECU100は、非同期噴射を行なわない。通常、同期噴射も非同期噴射もインジェクタへの通電時間により噴射される燃料量を制御している。ECU100は、必要な燃料量に基づいて燃料噴射時間(インジェクタへの通電時間)を算出する。このときに、あまりにも噴射される燃料量が少ないと、噴射される燃料量と燃料噴射時間との関係が正の相関関係(より具体的には正比例の関係)が成立しない領域に含まれることがある。この領域においては、燃料噴射時間(インジェクタへの通電時間)が決定されても、一義的に噴射される燃料量が決定されないで、燃料量が安定しない。このため、燃焼の不安定化を招いたり、空燃比の不安定化を招くので、このような場合には、ECU100は、非同期噴射を実行しない。
さらに、吸気弁が閉じるタイミングで非同期噴射されることになった気筒においては、その非同期噴射による燃料の全てが燃焼室に導入されない可能性がある。このため、ECU100は、このようなタイミングになる場合には次回の同期噴射時に、非同期噴射するようにタイミングを変更する。これにより、非同期噴射による燃料の全てが燃焼室に導入される。
図2に、図1に示したエンジン150の全体斜視図を示す。このエンジン150は、V型8気筒エンジンである。なお、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置が適用されるエンジンは、このようなV型8気筒エンジンに限定されないで、V型6気筒エンジン等の気筒数が異なるエンジンであっても構わないし、直列型6気筒エンジン等の気筒配置が異なるエンジンであっても構わない。さらに、気筒数も気筒配置も異なるエンジン(たとえば、直列型6気筒エンジン)であっても構わない。
図2に示すように、このエンジン150は、車両前方から見て、右バンクに第1気筒(#1)、第3気筒(#3)、第5気筒(#5)、第7気筒(#7)、左バンクに第2気筒(#2)、第4気筒(#4)、第6気筒(#6)、第8気筒(#8)が配置されている(右側から互い違いに気筒番号が決められている)。なお、このエンジン150においては、右バンクの気筒の排気系154と左バンクの気筒の排気系154とは、別系統になっており、右バンクの4気筒分の排気が右バンク用の触媒コンバータ(第1の三元触媒コンバータ120Aと、第2の三元触媒コンバータ120B)に排出され、左バンクの4気筒分の排気が左バンク用の触媒コンバータ(第1の三元触媒コンバータ120Aと、第2の三元触媒コンバータ120B)に排出される。
図3を参照して、このエンジン150の燃料噴射タイミングについて説明する。ECU100は、エアーフローメータ104により検出された吸入空気量に基づいて、インジェクタ126により噴射される燃料量を算出して、噴射時間を制御することにより噴射される燃料量を変化させる。
燃料噴射方式は、クランクシャフト2回転で各気筒1回ずつ噴射する独立噴射である。燃料噴射には、基本噴射時間に各センサからの信号による補正を加えて常に同じ位置(常に同じクランク角度)で噴射する同期噴射と、クランク角度に関係なく各センサからの信号により噴射要求を検出した時点で燃料を噴射する非同期噴射とがある。このような燃料噴射制御は、上述したように、予め定められた条件を満足すると、フューエルカット制御されるので、燃料噴射制御が停止される。
なお、非同期噴射には、たとえば、始動性を向上させるための始動時非同期噴射、加速性を向上させるための加速時非同期噴射、およびフューエルカットからの復帰時に行なわれるフューエルカット復帰時非同期噴射がある。
図4を参照して、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置であるECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、所定のサイクルタイム(たとえば80msec)で繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU100は、F/C(フューエルカット)フラグがセットされているか否かを判断する。このF/Cフラグは、ECU100で実行される別のプログラムでフューエルカットの開始条件が満足されるとセットされ、満足されないとリセットされる。F/Cフラグがセットされていると(S100にてNO)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてYES)、この処理は終了する。
S200にて、ECU100は、非同期噴射要求があるか否かを判断する。この判断は、三元触媒コンバータの状態を検出して、三元触媒コンバータをリッチ雰囲気にする必要があるか否かや、エンジン回転数の下落を早急に回復させる必要があるか否か等に基づいて行なわれる。非同期噴射要求があると(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、この処理は終了する。
S300にて、ECU100は、気筒番号を表わす変数Nを初期化(N=1)する。後述するS600〜S1400までの処理は、第N気筒について処理される。
S400にて、ECU100は、第N気筒のクランク角(CA:Clank Angle)を検出する。このとき、ECU100は、クランクポジションセンサ132から入力された信号に基づいて、クランク角を検出する。
S500にて、ECU100は、吸入空気量を検出する。このとき、ECU100は、エアーフローメータ104から入力された信号に基づいて、吸入空気量を検出する。
S600にて、ECU100は、第N気筒の吸気弁の状態を検出する。このとき、ECU100は、基本的には、クランク角と第N気筒のカムシャフトの状態とに基づいて、第N気筒の吸気弁の状態(開閉状態)を検出する。
S700にて、ECU100は、第N気筒において、非同期噴射と同期噴射とが重なるか否かを判断する。このとき、ECU100は、クランク角に基づく第N気筒の同期噴射タイミングとフューエルカット復帰タイミングとにより、噴射の重なりを判断する。第N気筒において、非同期噴射と同期噴射とが重なると(S700にてYES)、処理はS800へ移される。もしそうでないと(S700にてNO)、処理はS900へ移される。
S800にて、ECU100は、第N気筒において、非同期噴射する燃料量Qを算出する。このとき、第N気筒においては非同期噴射と同期噴射とが重なるので、燃料量Qは減量して算出される。このとき、非同期噴射と同期噴射とが重ならない気筒と同じ燃料量になるように燃料量Qは減量して算出される。さらに、このとき、ポート付着分も考慮される。このS800の処理の後、処理はS1000へ移される。さらに、非同期噴射と同期噴射とが重なる場合には、同期噴射する燃料量を減量することに代えて非同期噴射する燃料量を減量してもよいし、同期噴射する燃料量を減量することに加えて非同期噴射する燃料量を減量してもよい。
S900にて、ECU100は、第N気筒において、非同期噴射する燃料量Qを算出する。このとき、第N気筒においては非同期噴射と同期噴射とが重ならないので、燃料量Qは全量として算出される。このS900の処理の後、処理はS1000へ移される。
S1000にて、ECU100は、非同期噴射する燃料量Qは、インジェクタ126の噴射時間と噴射される燃料量との間にリニアリティが確保される最小噴射量Q(min)より小さいか否かを判断する。非同期噴射する燃料量Qが、最小噴射量Q(min)より小さいと(S1000にてYES)、処理はS1500へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1100へ移される。
S1100にて、ECU100は、第N気筒の吸気弁状態に基づいて、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されるか否かを判断する。このとき、ECU100は、たとえば、非同期噴射の燃料噴射時間の終期が吸気弁の閉弁タイミングよりも早いと、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されると判断し、非同期噴射の燃料噴射時間の終期が吸気弁の閉弁タイミングよりも遅いと、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されないと判断する。第N気筒の吸気弁状態に基づいて、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されると(S1100にてYES)、処理はS1200へ移される。もしそうでないと(S1100にてNO)、処理はS1300へ移される。
S1200にて、ECU100は、非同期噴射タイミング遅延時間Tに、0を代入する。このS1200の処理の後、処理はS1400へ移される。
S1300にて、ECU100は、非同期噴射タイミング遅延時間Tに、この非同期噴射が第N気筒が次回同期噴射するタイミングに合致する(重なる)時間を代入する。このS1300の処理の後、処理はS1400へ移される。これにより、同期噴射のタイミングで非同期噴射が行なわれるので、第N気筒において、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されることになる。
S1400にて、ECU100は、非同期噴射タイミング遅延時間T[msec]経過後に第N気筒に対して非同期噴射を実行する。
S1500にて、ECU100は、気筒番号を表わす変数Nに1を加算する。S1600にて、ECU100は、気筒番号を表わす変数Nが気筒数よりも大きいか否かを判断する。気筒番号を表わす変数Nが気筒数よりも大きいと(S1600にてYES)、全気筒分(本実施の形態の場合8気筒分)についての非同期噴射の処理が終わったので、この処理は終了する。もしそうでないと(S1600にてNO)、処理はS600へ戻されて、次の気筒についての非同期噴射の処理(S600〜S1400までの処理)が実行される。なお、S1600にてNOの場合、処理をS400に戻すようにしてもよい。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を実現するECU100により制御されるフューエルカットからの復帰時における燃料噴射制御について、説明する。
エンジン150が運転を開始して、フューエルカット条件が満足されると、F/Cフラグがセットされ、フューエルカットが開始され、フューエルカット条件が満足されなくなって(またはフューエルカット復帰条件が満足されると)、F/Cフラグがリセットされ、フューエルカットから復帰される(S100にてNO)。
非同期噴射要求があると(S200にてYES)、8気筒の中の第1気筒(#1)から順に第8気筒(#8)まで、非同期噴射の処理が実行される。クランク角が検出され(S400)、吸入空気量が検出され(S500)、吸気弁の開閉状態が検出される(S600)。
第N(N=1〜8)気筒の、非同期噴射と同期噴射が重なると(S700にてYES).非同期噴射する燃料量Qが減量されて算出される(S800)。この減量されて算出された燃料量Qが、インジェクタ126の噴射時間と噴射される燃料量との間にリニアリティが確保される最小噴射量Q(min)より小さい場合には(S1000にてYES)、非同期噴射されない。このため、非同期噴射による燃料量のばらつきがなくなり、燃焼不安定性、空燃比不安定性等を回避できる。一方、非同期噴射による燃料量が十分に大きく最小噴射量Q(min)以上である場合には(S1000にてNO)、吸気弁の開閉状態に基づいて、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されるか否かが判断される(S1100)。
非同期噴射の燃料噴射時間の終期が吸気弁の閉弁タイミングよりも早いと、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されると判断されて(S1100にてYES)、非同期噴射タイミング遅延時間Tに0が代入される(S1200)。直ちに非同期噴射される(S1400)。
ところが、非同期噴射の燃料噴射時間の終期が吸気弁の閉弁タイミングよりも遅いと、非同期噴射された全燃料が燃焼室に導入されないと判断されて(S1100にてNO)、非同期噴射タイミング遅延時間Tに、この第N気筒の次回の同期噴射のタイミングで非同期噴射が行なわれるような時間が代入される(S1300)。非同期噴射タイミング遅延時間Tの経過後に非同期噴射される(S1400)。
これにより、第N気筒の非同期噴射される燃料量の全量が燃焼室に導入されることになる。
このような非同期噴射の処理が、第1気筒(#1)〜第8気筒(#8)まで繰り返し実行される。
以上のようにして、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によると、以下のような作用効果を奏する。
(1)非同期噴射に同期噴射が重なる場合には、非同期噴射される燃料量を減量して算出している。このため、非同期噴射とともに同期噴射され燃料量が多過ぎることに起因して、アフターファイアが発生して触媒を溶損させる可能性や、燃焼不安定性(オーバリッチによる失火等の異常燃焼)に起因するトルク不足に基づくショックの発生を回避することができる。
(2)減量して算出された非同期噴射の燃料量が、噴射時間と噴射される燃料量との間にリニアリティがないほどに少なすぎる場合には、非同期噴射を行なわない。このため、燃焼の不安定化を招いたり、空燃比の不安定化を回避できる。
(3)吸気弁が閉じるタイミングで非同期噴射されることになった気筒においては、その非同期噴射による燃料の全てが燃焼室に導入されない可能性がある。このため、このようなタイミングになる気筒においては、この気筒の次回の同期噴射時に、非同期噴射するようにタイミングを変更する。これにより、非同期噴射による燃料の全てが燃焼室に導入される。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置が適用されるエンジンは第1の実施の形態の図1〜図3に示したエンジンと同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、第1の実施の形態におけるECU100で実行されるプログラムとは異なるプログラムを実行する。本実施の形態においては、V型エンジンにおけるフューエルカットからの復帰時において、左右のバンクにおける、同期噴射と非同期噴射とが重なる気筒数を同じ数にするように、非同期噴射のタイミングを制御する。なお、図2に示すように、各気筒毎の排気通路108は左右のバンク単位でエキゾーストマニホールドにまとめられて、左右バンクそれぞれに対応された触媒コンバータ(以下、左右の触媒コンバータと記載する場合がある)に排気ガスが送り込まれる(触媒コンバータは2台備えられ、互いに連通していない)。
図5を参照して、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置であるECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、第1の実施の形態と同様に、所定のサイクルタイム(たとえば80msec)で繰り返し実行される。なお、図5に示すフローチャートの中の処理で、図4に示したフローチャートの処理と同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S2000にて、ECU100は、非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒を判定する。このとき、ECU100は、クランク角に基づく第N気筒の同期噴射タイミングとフューエルカット復帰タイミングとにより、噴射の重なりを判定する。
S2100にて、ECU100は、右バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(R)を算出する。
S2200にて、ECU100は、左バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(L)を算出する。
S2300にて、ECU100は、右バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(R)と左バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(L)とが等しいか否かを判断する。N(R)=N(L)であると(S2300にてYES)、処理はS2400に移される。もしそうでないと(S2300にてNO)、処理はS2500へ移される。
S2400にて、ECU100は、非同期噴射タイミングを決定する。S2500にて、ECU100は、N(R)=N(L)になるように、非同期噴射タイミングを決定する。
なお、図5においては、非同期噴射の燃料量Qの算出については、基本的には図4と同じようにすることができるため(同じようにする必然性はない)、この説明は繰り返さない。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を実現するECU100により制御されるフューエルカットからの復帰時における燃料噴射制御について、説明する。
V型のエンジン150が運転を開始して、フューエルカット条件が満足されると、F/Cフラグがセットされ、フューエルカットが開始され、フューエルカット条件が満足されなくなって(またはフューエルカット復帰条件が満足されると)、F/Cフラグがリセットされ、フューエルカットから復帰される(S100にてNO)。このとき、左右の触媒コンバータは、ともに同じようなリーン雰囲気な状態である。
非同期噴射要求があると(S200にてYES)、非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒を判定して(S2000)右バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(R)および左バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(L)を算出する(S2100、S2200)。
右バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(R)と左バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(L)とが等しくないときには(S2300にてNO)、N(R)=N(L)になるように、非同期噴射タイミングを決定する。
たとえば、図6(A)に示すように、フューエルカットからの復帰時において非同期噴射が要求された場合に、右バンクの第7気筒(#7)の非同期噴射が同期噴射に重なっていると、たとえば左バンクの第2気筒(#2)の非同期噴射を次回の同期噴射に重なるように非同期噴射のタイミングを決定する。なお、非同期噴射を次回の同期噴射に重なるように非同期噴射のタイミングを変更する気筒は、左バンクであれば第2気筒(#2)に限定されない。
以上のようにして、左右バンクに対応して触媒コンバータが設けられたV型エンジンにおいて、左右バンクに対応して触媒コンバータが設けられている。本実施の形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によると、非同期噴射が同期噴射と重なる気筒数を左右のバンクで同じ数にした。このため、左右の触媒コンバータに同じ空燃比の燃焼ガスが供給される。このため、一方の触媒コンバータに、過度にリーンや過度にリッチな燃焼ガスが送り込まれることがなくなり、エミッションの悪化を回避でき、左右のバンクにおける発生トルクのばらつきをなくすることができる。
<第1の変形例>
なお、第2の実施の形態については、第1の実施の形態で示したフローチャート(図4)におけるS1400の処理を、非同期噴射の燃料量とタイミングとを決定するのみに留めた上で、以下のようにしても良い。
右バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(R)、左バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(L)とが同じになるまで、図4のフローチャートを繰り返す。N(R)とN(L)とが同じになると、実際に非同期噴射する。
<第2の変形例>
さらに、第2の実施の形態については、第1の実施の形態で示したフローチャートのS1400の処理を、非同期噴射の燃料量とタイミングとを決定するのみに留めた上で、以下のようにしても良い。
図4のS1100の処理(非同期噴射のタイミングを決定する条件)に加えて、右バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(R)と、左バンクにおける非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒数N(L)とが同じになるように、非同期噴射のタイミングを決定するようにしてもよい。この場合、最後に処理される8気筒目(N=8)のみが非同期噴射と同期噴射とが重なる気筒になった場合には、再計算が必要になる可能性がある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射制御装置が搭載される車両のエンジンの構成を示す図である。 図1のエンジンの全体斜視図である。 図1のエンジンの燃料噴射タイミングを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUにより制御された場合のエンジンの状態を示すタイミングチャートである。 図5のフローチャートが実行された場合の、エンジンの燃料噴射タイミングを示す図である。
符号の説明
100 ECU、102A 第1の空燃比センサ、102B 第2の空燃比センサ、104 エアーフローメータ、106 水温センサ、108 排気通路、110 吸気通路、112 スロットル弁、114 スロットルモータ、116 スロットルポジションセンサ、118 エアクリーナ、120A 第1の三元触媒コンバータ、120B 第2の三元触媒コンバータ、122 冷却水通路、124 シリンダブロック、126 インジェクタ、128 ピストン、130 クランクシャフト、150 エンジン、152 吸気系、154 排気系。

Claims (8)

  1. 車両の状態が予め定められた条件を満足すると、複数の気筒を備えた内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットが実行される内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記フューエルカットの実行が中止されると、必要に応じて非同期噴射を実行するように、燃焼室に燃料を供給するために吸気通路に燃料を噴射するように各気筒毎に設けられた燃料噴射機構を制御するための手段と、
    各前記複数の気筒において、同期噴射と前記非同期噴射とが重なるか否かを判断するための判断手段と、
    前記同期噴射と前記非同期噴射とが重なる気筒においては、噴射される燃料量を減量するように前記燃料噴射機構を制御するための制御手段とを含む、内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記非同期噴射により噴射される燃料量を減量するように前記燃料噴射機構を制御するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記燃料噴射制御装置は、前記燃料噴射機構から噴射される燃料量が、前記燃料噴射機構の最小噴射燃料量を下回る場合には、燃料噴射を中止するための手段をさらに含む、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記最小噴射燃料量は、前記燃料噴射機構における燃料噴射時間と燃料噴射量との関係にリニアリティが成立する最低限の燃料量である、請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 車両の状態が予め定められた条件を満足すると、複数の気筒を備えた内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットが実行される内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記フューエルカットの実行が中止されると、必要に応じて非同期噴射を実行するように、燃焼室に燃料を供給するために吸気通路に燃料を噴射するように各気筒毎に設けられた燃料噴射機構を制御するための手段と、
    各前記複数の気筒における吸気弁の開閉状態を検出するための検出手段と
    前記吸気弁の開閉状態に基づいて、前記非同期噴射により噴射された燃料が前記燃焼室に導入されるか否かを判断するための判断手段と、
    前記非同期噴射により噴射された燃料の一部でも前記燃焼室に導入されない場合には、前記同期噴射と前記非同期噴射とが重なるように、前記燃料噴射機構を制御するための制御手段とを含む、内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記判断手段は、前記非同期噴射の期間と前記吸気弁の閉弁タイミングに基づいて、前記非同期噴射により噴射された燃料が前記燃焼室に導入されるか否かを判断するための手段を含む、請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 車両の状態が予め定められた条件を満足すると、左右の各バンクにそれぞれ複数の気筒を備えた内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットが実行される内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記左右のバンクに対応して2台の触媒機構が設けられ、
    前記フューエルカットの実行が中止されると、必要に応じて非同期噴射を実行するように、燃焼室に燃料を供給するために吸気通路に燃料を噴射するように各気筒毎に設けられた燃料噴射機構を制御するための手段と、
    各前記複数の気筒において、同期噴射と前記非同期噴射とが重なるか否かを判断するための判断手段と、
    前記同期噴射と前記非同期噴射とが重なる気筒の数が、前記左右のバンクで同じ数になるように、前記燃料噴射機構を制御するための制御手段とを含む、内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記同期噴射と前記非同期噴射とが重なる気筒の数が、前記左右のバンクで同じ数になるように、前記非同期噴射するタイミングを変更するための手段を含む、請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
JP2006186924A 2006-07-06 2006-07-06 内燃機関の燃料噴射制御装置 Expired - Fee Related JP5074717B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006186924A JP5074717B2 (ja) 2006-07-06 2006-07-06 内燃機関の燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006186924A JP5074717B2 (ja) 2006-07-06 2006-07-06 内燃機関の燃料噴射制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008014248A true JP2008014248A (ja) 2008-01-24
JP5074717B2 JP5074717B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=39071501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006186924A Expired - Fee Related JP5074717B2 (ja) 2006-07-06 2006-07-06 内燃機関の燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5074717B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010107094A1 (ja) * 2009-03-19 2010-09-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の自動停止始動制御装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6878206B2 (en) 2001-07-16 2005-04-12 Applied Materials, Inc. Lid assembly for a processing system to facilitate sequential deposition techniques

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6223548A (ja) * 1985-07-22 1987-01-31 Mazda Motor Corp 燃料噴射式エンジンの燃料制御装置
JP2006138248A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6223548A (ja) * 1985-07-22 1987-01-31 Mazda Motor Corp 燃料噴射式エンジンの燃料制御装置
JP2006138248A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010107094A1 (ja) * 2009-03-19 2010-09-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の自動停止始動制御装置
JP2010223006A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Denso Corp 内燃機関の自動停止始動制御装置
EP2410158A1 (en) * 2009-03-19 2012-01-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Automatic start-stop control device for internal combustion engine
CN102356225A (zh) * 2009-03-19 2012-02-15 丰田自动车株式会社 内燃机自动停止起动控制装置
EP2410158A4 (en) * 2009-03-19 2013-07-24 Toyota Motor Co Ltd AUTOMATIC START STOP CONTROL DEVICE FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE

Also Published As

Publication number Publication date
JP5074717B2 (ja) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8141349B2 (en) Exhaust emission control device and method for internal combustion engine, and engine control unit
JP4997177B2 (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置
JP5187458B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5240370B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5321747B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US7997067B2 (en) Exhaust emission control device and method for internal combustion engine, and engine control unit
JP5074717B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
US7188603B1 (en) Fuel injection control device and control method for internal combustion engine and recording medium recorded with program realizing control method
JP4610404B2 (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
US8949000B2 (en) Control device and control method for internal combustion engine
JP2012255374A (ja) エンジンブレーキ制御装置
JPH10184418A (ja) 希薄燃焼エンジンの排気浄化装置
JP2009215956A (ja) エンジンの空燃比制御
US7591986B2 (en) Exhaust emission control device and method for internal combustion engine, and engine control unit
JP4154596B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2000130221A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4339599B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JP4389771B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008202563A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3637858B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2003020982A (ja) 内燃機関の排気浄化方法
JP2009281176A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2016223392A (ja) エンジンの制御装置
JP2002013429A (ja) 内燃機関の排気浄化制御装置
JP2004293351A (ja) エンジンの燃料カット制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100928

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120824

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5074717

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees