JP2008013689A - セリウム系研摩材用原料およびセリウム系研摩材の製造方法並びにセリウム系研摩材 - Google Patents

セリウム系研摩材用原料およびセリウム系研摩材の製造方法並びにセリウム系研摩材 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面精度に優れた研摩面が得られるセリウム系研摩材を製造するために好適なセリウム系研摩材用の原料を提供する。
【解決手段】 本発明は、希土類炭酸塩又は希土類酸化物の少なくとも一方、及び希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方を含有し、希土類元素であるセリウムを主成分とするセリウム系研摩材用原料とした。また、所定条件での粉末X線回折測定(2θ=5〜40°を含む範囲)において、2θが10.4±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(a1)と28.3±0.7°の範囲に出現する最大ピーク(a2)のうち、大きい方のピーク(a)のピーク強度(A)と、2θが15.9±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(b1)と
17.8±0.5°の範囲に出現する最大ピーク(b2)のうち、大きい方のピーク(b)のピーク強度(B)と、から得られる比(B/A)が0.01〜2.0となる原料である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セリウム系研摩材用原料、セリウム系研摩材に関する。詳しくは、希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩、及び希土類炭酸塩又は希土類酸化物を含有し、セリウムを主成分とするセリウム系研摩材用原料及びそれより得られるセリウム系研摩材に関する。
セリウム系研摩材は、ハードディスク用ガラス基板、液晶又はプラズマディスプレイ用ガラス基板、CRT用ガラス等のガラス、水晶、半導体等の研摩に用いられ、特に、ガラスや水晶の研摩に好適なものである。
従来より、このセリウム系研摩材の製造方法として、セリウム系希土類炭酸塩を水溶液中に浸漬させた状態で加熱することによって粉砕する工程を有するものが知られている。この先行技術には、浸漬加熱処理により炭酸塩がモノオキシ炭酸塩になることが記載されている(特許文献1参照)。
また、セリウム系研摩材の原料としては、セリウム系希土類炭酸塩およびセリウム系希土類酸化物を主成分として含み、1000℃で1時間加熱した場合の強熱減量が乾燥重量基準で0.5〜25%であることを特徴とするものが知られている(特許文献2参照)。さらに、セリウム塩をはじめとする希土類塩と希土類塩との反応における化学理論量の3倍以上の炭酸水素アンモニウムを水に混ぜて加熱して、沈殿生成した希土類水酸化炭酸塩を焼成するセリウム系研摩材の製造方法が知られている(特許文献3参照)。
特開2002−348563号公報 特開2002−309236号公報 特開2003−238943号公報
ところで、特許文献1に記載された浸漬加熱処理により得られたモノオキシ炭酸塩からなる原料、特許文献2に記載された炭酸塩及び酸化物を含有する強熱減量が調整された原料、或いは、特許文献3に記載された希土類水酸化炭酸塩からなる原料では、セリウム系研摩材の製造に使用すると、研摩速度が大きく、研摩傷発生の少ない優れた研摩材を製造することができる。しかし、これら先行技術の原料から製造されたセリウム系研摩材は、最近のハードディスク用等のガラス基板の研摩、即ち、非常に高精度な表面精度が要求される研摩用途においては、十分満足すべき研摩が行えなかった。
そこで、本発明は、表面精度に優れた研摩面が得られると共に研摩速度が大きなセリウム系研摩材を製造するために好適なセリウム系研摩材用の原料を提供するものである。また、本発明は、その原料を用いたセリウム系研摩材の製造方法を提供し、非常に高精度の研摩面を実現できると共に研摩速度が大きなセリウム系研摩材を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係るセリウム系研摩材用原料は、希土類炭酸塩又は希土類酸化物の少なくとも一方、及び希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方を含有し、希土類元素としてはセリウムを主成分とするものとした。このような原料をセリウム系研摩材の製造に使用すると、焙焼時に焼結が均一かつ適度に起こり、研摩に使用したとき、研摩速度が大きく、精度のよい研摩面が得られる研摩材を製造できる。
本発明に係るセリウム系研摩材用原料では、希土類元素としてはセリウムを主成分とする必要がある。主成分という意味は、原料を酸化物に換算した含有量のうち、希土類元素の中ではセリウムが最も多いこと、すなわち全希土酸化物換算量中では酸化セリウム含有量が最も多いことを示す。そして、原料における全希土酸化物換算量中の酸化セリウム含有量(CeO/TREO)は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。このような原料であると、研摩速度が大きく、長寿命のセリウム系研摩材を製造できるからである。
そして、本発明のセリウム系研摩材では、管電圧40kV、管電流150mA、スキャン速度4°/分、サンプリング幅0.02°の条件にて、CuKα1線を用いた粉末X線回折測定を、2θ=5〜40°を含む範囲について測定したとき、2θが10.4±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(a1)と28.3±0.7°の範囲に出現する最大ピーク(a2)のうち、大きい方のピーク(a)のピーク強度(A)と、2θが15.9±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(b1)と17.8±0.5°の範囲に出現する最大ピーク(b2)のうち、大きい方のピーク(b)のピーク強度(B)と、から得られる比(B/A)が0.01〜2.0であることが好ましい。このピーク強度比(B/A)が0.01未満であると、このような原料から製造されたセリウム系研摩材により研摩を行うと研摩傷が発生しやすくなる。また、2.0を超えると、このような原料から製造されたセリウム系研摩材では研摩速度が低くなる。そして、このピーク強度比(B/A)が0.02〜1.7であるのがより好ましく、0.05〜1.5であることがさらに好ましい。
本発明における粉末X線回折測定については、Cu−Kα1 線を用い、管電圧40kV、管電流150mA、スキャン速度4°/分、サンプリング幅0.02°、スキャン範囲2θ=5〜40°を含む範囲、例えば5〜80°とする。
また、粉末X線回折測定により得られるピーク強度については、バックグラウンドが無視できない場合、X線回折のピーク強度のチャート図において、可能であれば下方接線となるように基線を引いて、ピーク位置でのトップ強度から下方接線の強度を差し引いたものをピーク強度とする。例えば、希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩を含有する希土類炭酸塩を仮焼した原料の場合、28.3±0.7°に出現する最大ピークは、酸化物のやや幅広いピークであり、基線は通常、20°付近〜40°付近に引ける場合が多い。
また、各物質のX線回折における最大ピークに関しては、具体的には以下のようになる。例えば、2θが10.4±1.0°の範囲に出現する最大ピークは、炭酸セリウム水和物(ICDDカードNo.38−0377、Ce(CO・8HO)のものであり、セリウム以外にランタンやネオジムなどの希土類元素が含まれていてもほぼ同じ位置にピークが出る。
2θが28.3±0.7°の範囲に出現する最大ピークは、通常、酸化セリウム(CeO)(ICDDカードNo.34−0394又は43−1002)、Ce0.75Nd0.251.875(ICDDカードNo.28−0266)、Ce0.5Nd0.51.75(ICDDカードNo.28−0267)のものである。高純度CeOの場合は、約28.6°に最大ピークが出現する傾向となるが、セリウム以外にランタンやネオジムなどの希土類元素が含まれると低角度側へシフトする。また、この範囲には炭酸セリウム八水和物のピークも存在するが、炭酸セリウム八水和物のピークの強度は10.4°付近のものが飛びぬけて大きいため、10.4±1.0°の最大ピークよりも、28.3±0.7°の最大ピークの方が大きい場合には影響しないものとなる。尚、本明細書においては、これらの酸化物のピークをCe(IV)含有希土類酸化物のピークと総称する場合がある。
2θが15.9±1.0°の範囲に出現する最大ピークは、モノオキシ炭酸セリウム(Ce(COO・HO)(ICDDカードNo.44−0617)のものであるが、セリウム以外にランタンやネオジムなどの希土類元素を含まれていてもほぼ同じ位置にピークが出る。
2θが17.8±0.5°の範囲に出現する最大ピークは、水酸化炭酸セリウム(CeCOOH)(ICDDカードNo.32−0189)のものであるが、セリウム以外にランタンやネオジムなどの希土類元素を含まれていてもほぼ同じ位置にピークが出る。
本発明に係るセリウム系研摩材用原料は、温度1000℃、2時間の乾燥質量基準の強熱減量が5質量%〜45質量%であることが好ましい。この強熱減量は、対象物であるセリウム系研摩材用原料を、予め105℃で十分乾燥した後の質量減少率により特定するものである。強熱減量が5質量%未満であると、製造された研摩材は研摩傷を発生しやすいものとなり、45質量%を超えると、製造された研摩材の研摩速度が小さくなる傾向となる。そして、酸化物を含有しない原料では25〜40質量%が好ましく、酸化物を含有する原料では、5〜25質量%が好ましい。
上記した本発明に係るセリウム系研摩材用原料(以下、単に原料と称する場合がある)は、希土類モノオキシ炭酸塩、希土類水酸化炭酸塩、及び希土類炭酸塩、希土類酸化物を材料(以下、これら物質を単に材料と称する場合がある)として製造できるものであるが、これら材料は以下のようにして得ることができる。
まず、本発明における希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩は、次のようにして得られる希土類炭酸塩或いはその中間物質である希土類精製液を利用して製造できる。つまり、セリウム含有希土類精鉱を硫酸分解法またはアルカリ分解法により分解後、分別沈殿、分別溶解によって、主として希土類元素以外の不純物を分離除去し、必要に応じて溶媒抽出法にて、主として希土類成分を分離、精製して希土類精製液を作製する。そして、この希土類精製液と炭酸水素アンモニウム等の炭酸系沈澱剤と混合することにより希土類炭酸塩の沈澱が生成する。これをろ過、水洗して希土類炭酸塩が作製される。このようにして得られた希土類炭酸塩は、X線回折測定を行うと、炭酸セリウム水和物(ICDDカードNo.38−0377、Ce(CO・8HO)とほぼ一致する回折パターンが得られ、モノオキシ炭酸セリウム(Ce(COO・HO)(ICDDカードNo.44−0617)や水酸化炭酸セリウム(CeCOOH)(ICDDカードNo.32−0189)とは異なるものである。
本発明における希土類モノオキシ炭酸塩は、上記希土類炭酸塩と水とを混合し、60〜100℃にて加熱することにより製造可能である。加熱に関しては、水を希土類炭酸塩と混合する前に加熱しておいても、混合後加熱してもよい。
また、上記希土類精製液と炭酸水素アンモニウム等の炭酸系沈澱剤とを混合すると希土類炭酸塩の沈澱が生成し、これをろ過、水洗すれば希土類炭酸塩となるが、本発明における希土類水酸化炭酸塩は、ろ過、水洗を行わず、つまり沈澱生成したままの状態で、あるいは、炭酸系沈澱剤、アンモニア水等のアルカリを追加して、60〜100℃に加熱処理することで生成することができる。そして、上記希土類炭酸塩の沈澱生成に使用する炭酸系沈澱剤の量を希土類精製液に対する理論量の1.2倍以上とするか、沈澱生成後、沈澱剤またはアンモニア水等のアルカリを追加してから加熱するとほぼ確実に水酸化炭酸塩を製造することができる。
さらに、本発明における希土類酸化物は、上記希土類炭酸塩、蓚酸塩、水酸化物等を焙焼することによって製造可能だが、希土類炭酸塩を550〜750℃の温度で10時間以上、好ましくは24時間以上焙焼して製造したものが、研摩傷発生が少なく、研摩速度の大きいセリウム系研摩材を製造するための原料として好適なものである。
そして、本発明のセリウム系研摩材用原料は、希土類炭酸塩又は希土類酸化物の少なくとも一方、及び希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方を含有するように混合して製造できるが、この時の混合比は次のようにする。セリウム系研摩材用原料について、混合後仮焼しないで使用する場合には、希土類炭酸塩又は希土類酸化物
: 希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩 のTREO質量における混合比率を95:5 〜5:95とすることが好ましい。より好ましくは、90:10〜10:90、更に好ましは80:20〜20:80とする。このような比率で混合すると、上記したX線回折ピーク強度比が好適な範囲にあるものを容易に得ることができる。また、原料を混合後仮焼して使用する場合は、上記混合比率は、20:1よりも、希土類モノオキシ炭酸塩又は水酸化炭酸塩の方が多くなるような混合比を選択すればよいものである。なお、本発明において、原料を製造する場合の焙焼とは、X線回折測定において希土類酸化物のピークだけが観察されるように焼成することをいい、また原料を製造する場合の仮焼とは、X線回折測定において希土類酸化物以外のピーク(希土類モノオキシ炭酸塩、希土類水酸化炭酸塩、希土類炭酸塩等)が残る状態まで焼成することをいう。
さらに、本発明のセリウム系研摩材用原料を製造する場合、混合した後の原料に含まれる希土類元素としてはセリウムが主成分であることを要する。そして、CeO/TREOは40質量%以上が好ましく、50質量%以上がさらに好ましいものである。また、混合前の各材料、つまり、希土類モノオキシ炭酸塩、希土類水酸化炭酸塩、希土類炭酸塩、希土類酸化物についても40質量%以上、或いは50質量%以上のCeO/TREOであることが好ましい。例えば、希土類元素としてのセリウムが主成分で、CeO/TREOが40質量%以上、或いは50質量%である希土類炭酸塩、またはこの希土類炭酸塩を550〜750℃にて10時間以上焙焼して製造した希土類酸化物の少なくとも一方と、この希土類炭酸塩より製造された希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方とを混合するようにすれば、混合前の各材料のCeO/TREOを、混合後の原料のそれと同じにすることができる。
また、本発明に係るセリウム系研摩材用原料は、希土類炭酸塩に蒸気処理を施すことにより、一部を希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩にして得ることもできる。ここで用いる蒸気は、一般的な蒸気発生用ボイラーにて発生させた100℃以上の蒸気を使用することができ、蒸気使用量は、TREO1kg当たり0.05〜0.5kgが好ましい。なお、蒸気処理に寄れば、モノオキシ炭酸セリウムが生成しやすい。
別の方法として、希土類炭酸塩を低温(40℃以上60℃未満)浸漬加熱処理をすることで、希土類炭酸塩の一部を希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩にし、本発明に係るセリウム系研摩材用原料を製造することも可能である。この場合、希土類炭酸塩と水とを混合後加熱してもよいし、加熱した水に希土類炭酸塩を混合してもよい。また、40℃未満であると希土類モノオキシ炭酸塩が生成しにくく、60℃以上になると希土類モノオキシ炭酸塩の割合が多くなりすぎる傾向となる。水の代わりに希薄アンモニア水と混合して低温浸漬加熱すると、一部が希土類水酸化炭酸塩又はモノオキシ炭酸塩となった希土類炭酸塩を得ることができる。
さらに、上記した希土類炭酸塩製造時に、一部を希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩にすることにより、本発明に係るセリウム系研摩材用原料を製造することも可能である。上記希土類精製液と沈澱剤との混合を、50℃以上の温度で行うと、一部が希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩とすることができる。通常、この方法の場合は希土類モノオキシ炭酸塩を生成し易いが、炭酸系沈澱剤を理論量の1.5倍以上使用すれば、希土類水酸化炭酸塩が生成しやすくなる。
本発明のセリウム系研摩材用原料は、希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩を仮焼することにより製造することもできる。仮焼温度200〜600℃、仮焼時間1〜72時間が好適である。具体的には、仮焼温度200℃では24〜72時間、400℃では4〜48時間、600℃では1〜12時間が好適な仮焼処理となる。そして、仮焼により原料を製造する場合、仮焼後の強熱減量が5〜25質量%となるように仮焼することが好ましい。本発明のセリウム系研摩材用原料におけるX線回折では、希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方、及び希土類酸化物のピークが確認できるものとなる。
また、この仮焼処理は、上記した各材料を混合調整により製造した原料、希土類炭酸塩に蒸気処理を施して製造した原料、希土類炭酸塩を低温浸漬加熱処理して製造した原料、希土類炭酸塩製造の際にその一部を希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩にして製造した原料、の各原料に対して行うことも可能である。仮焼処理をした原料により製造したセリウム系研摩材であると、高精度の被研摩面でありながら、研摩速度を大きくすることができる。この仮焼処理の場合、仮焼に供用する原料には希土類酸化物を含有していないようにすることが好ましい。好適な仮焼温度、仮焼時間、強熱減量については、上記と同様である。そして、希土類モノオキシ炭酸塩または希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方と、希土類炭酸塩を含有する原料とを仮焼した場合、2θで10.4±1.0°に出現する希土類炭酸塩のピークは消失する傾向となるが、そのピークが検出されることもある。
本発明のセリウム系研摩材用原料は、希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方と、仮焼済み希土類炭酸塩とを混合して製造することもできる。この場合、一部に仮焼された希土類炭酸塩を含む希土類炭酸塩或いは、上記した仮焼条件により仮焼した希土類炭酸塩を用いることできる。
さらに、上記した希土類炭酸塩を仮焼処理し、その仮焼済み希土類炭酸塩の一部を希土類モノオキシ炭酸塩または希土類水酸化炭酸塩とされたものを、上記した蒸気処理又は低温浸漬加熱処理を行うことによっても、本発明に係るセリウム系研摩材用原料を製造することができる。
上記した本発明のセリウム系研摩材用原料を用いてセリウム系研摩材を製造する場合、600〜1200℃にて当該原料を焙焼するようにすることのが好ましい。焙焼温度が600℃未満であると、得られたセリウム系研摩材の研摩速度が小さくなり、1200℃を超えると、得られたセリウム系研摩材によって研摩すると研摩傷が多く発生する傾向となる。この焙焼温度は700〜1100℃がより好ましい。そして、焙焼時間としては、0.2〜72時間が好ましく、0.5〜48時間がより好ましい。焙焼時間が0.2時間未満であると、得られたセリウム系研摩の研摩速度が小さくなり、72時間を超えると研摩傷が多く発生する傾向となる。
また、本発明のセリウム系研摩材用原料を用いてセリウム系研摩材を製造する場合、当該原料を、レーザ回折・散乱法による小粒径側からの累積体積50%の粒径(D50)が0.3〜4.0μmとなるように、粉砕することが好ましい。この粉砕処理には、湿式の媒体ミルを用いることが好ましい。通常、粉砕媒体は球状のものを使用し、直径0.2〜5mmのものを用いることが好ましい。球状以外の媒体の場合、体積が直径0.2〜5mmの球と同じ範囲が好ましい。尚、湿式粉砕処理をする場合には、焙焼前に、ろ過、乾燥、解砕しておくことが好ましいものである。
そして、本発明のセリウム系研摩材用原料を用いてセリウム系研摩材を製造する場合、焙焼後に、乾式粉砕及び乾式分級を行うことが好ましい。焙焼後、湿式粉砕又は湿式分級を行って、セリウム系研摩材スラリーを得ることもできる。当然に、セリウム系研摩材粉末を水等の分散媒と混合することによっても研摩材スラリーを得ることができ、湿式粉砕又は湿式分級を行って得たスラリーを乾燥、粉砕してセリウム系研摩材粉末を得ることも可能である。
本発明によれば、研摩速度が大きく、研摩傷発生の少ない優れたセリウム系研摩材を容易に製造することができる。特に、最近のハードディスク用のガラス基板のような研摩、即ち、非常に高精度の表面精度を要求される研摩用途に、極めて好適にセリウム系研摩材を提供することが可能となる。
以下、本発明における最良の実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
まず、本実施例のセリウム系研摩材を製造した際に用いたセリウム系研摩材用原料について説明する。表1に、本実施例で使用した原料種別の一部を示している。
Figure 2008013689
表1に示すd1〜d18の各原料は、希土類炭酸塩(c1)、希土類酸化物(c2)、希土類モノオキシ炭酸塩(c3)、希土類水酸化炭酸塩(c4)のいずれかを所定比率で混合調整して得られたものである。そこで、各原料の材料として用いたc1〜c4の材料について説明する。
希土類炭酸塩(c1:CeO/TREO60質量%)は、次のようにして製造した。中国産希土類炭酸塩(CeO/TREO60質量%、この材料をc0とする)を塩酸に溶解後、ろ過、水希釈を行い、TREO52g/L、pH2.0の希土類溶解液を得た。そして、炭酸水素アンモニウム水溶液(0.5mol/L、約20℃)を攪拌しているところへ、前記希土類溶解液(約20℃)を一定の添加速度で60分間かけて添加し、沈澱を生成し、ろ過、水洗して沈澱を回収した。なお、炭酸水素アンモニウムの使用量は、希土類元素に対する理論量の1.2倍であった。この希土類炭酸塩(c1)のX線回折パターンを調べたところ、Ce(CO・8HOと一致しており、希土類モノオキシ炭酸塩(Ce(COO・HO)や希土類水酸化炭酸塩(CeCOOH)のピークは観察されなかった。また中国産希土類炭酸塩(c0)も同じ結果であった。
希土類酸化物(c2:CeO/TREO60質量%)は、上記希土類炭酸塩(c1)
を720℃にて48時間焼成することにより得た。この希土類酸化物(c2)のX線回折パターンを調べたところ、Ce(IV)含有希土類酸化物と一致しており、希土類炭酸塩(Ce(CO・8HO)、希土類モノオキシ炭酸塩(Ce(COO・HO)や希土類水酸化炭酸塩(CeCOOH)のピークは観察されなかった。
希土類モノオキシ炭酸塩(c3:CeO/TREO60質量%)は、上記希土類炭酸塩(c1)と純水を質量比
1:2で混合し、90℃に昇温して、90℃を12時間維持した後、50℃まで放冷してからろ過することによって得た。この希土類モノオキシ炭酸塩(c3)のX線回折パターンを調べたところ、希土類モノオキシ炭酸塩(Ce(COO・HO)と一致しており、Ce(IV)含有希土類酸化物、希土類炭酸塩(Ce(CO・8HO)、希土類水酸化炭酸塩(CeCOOH)のピークは観察されなかった。
希土類水酸化炭酸塩(c4:CeO/TREO 60質量%)は、炭酸水素アンモニウム水溶液(0.5mol/L、約20℃)を攪拌しているところへ、上記した希土類炭酸塩における希土類溶解液(TREO52g/L、pH2.0、約20℃)を一定の添加速度で60分間かけて添加し、沈澱を生成した後、ろ過しないまま90℃まで昇温し、90℃で12時間維持し、50℃まで放冷してからろ過、水洗して得た。尚、炭酸水素アンモニウムの使用量は、希土類元素に対する理論量の1.5倍であった。希土類水酸化炭酸塩(c4)のX線回折パターンを調べたところ、希土類水酸化炭酸塩(CeCOOH)と一致しており、Ce(IV)含有希土類酸化物、希土類炭酸塩(Ce(CO・8HO)、希土類モノオキシ炭酸塩(Ce(COO・HO)のピークは観察されなかった。
上記のようにして得られたc1〜c4の材料を、表1に示す各比率にて混合して、セリウム系研摩材用原料d1〜d18を製造した。また、d1〜d18の各原料は仮焼処理を行わなかった。尚、混合していない上記c0、c1、c3の材料については、比較例のセリウム系研摩材用原料として使用した。
次に、表1に示した混合調製以外の方法により得られたセリウム系研摩材用原料について説明する。ここでは、上記した希土類炭酸塩(c1)製造時に、一部を希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩にすることにより原料を製造した場合を示す(以下、この製法を沈殿生成法と称する)。この沈殿生成法は、上記希土類炭酸塩(c1)を製造した際、中国産希土類炭酸塩(CeO/TREO60質量%)を塩酸に溶解後、ろ過、水希釈を行い、TREO52g/L、pH2.0の希土類溶解液を得たが、これに沈殿剤である炭酸水素アンモニウム水溶液を所定条件で添加して、沈殿を生成して、原料を製造するものである。具体的には、攪拌した状態の炭酸水素アンモニウム水溶液(0.5mol/L、約20℃)へ、70℃に加温した希土類溶解液を一定の添加速度で60分間かけて添加し、沈澱を生成し、ろ過、水洗して沈澱を回収した。この沈殿生成法において、炭酸水素アンモニウムの使用量が、希土類元素に対する理論量の1.2倍の原料(e1)と、1.5倍の原料(e2)、2.0倍の原料(e3)の3種類を製造した。尚、これらのe1〜e3のセリウム系研摩材用原料は、CeO/TREOが60質量%であった。
混合調製以外の別の方法として、希土類炭酸塩に蒸気処理を施してセリウム系研摩材用原料を製造した(以下、蒸気処理法と称する)。この蒸気処理法では、上記希土類炭酸塩(c1)に、TREO1kgあたり、0.2kgの蒸気(140℃、118kPa(1.2kgf/cm))を、5分間吹きかけてセリウム系研摩材用原料(e4)を製造した。
また、混合調製以外のさらに別の方法として、希土類炭酸塩(c1)を低温浸漬加熱処理してセリウム系研摩材用原料を製造した(以下、低温浸漬加熱処理法と称する)。この低温浸漬加熱処理法では、上記希土類炭酸塩(c1)と、純水とを、質量比1:2として混合(混合液温度20℃)し、その混合液を50℃に昇温し、50℃の状態で12時間保持後、ろ過することにより、セリウム系研摩材用原料(e5)を製造した。
上記した各セリウム系研摩材用原料(d1〜d18、e1〜e5)は、CeO/TREOが全て60質量%であるため、異なるCeO/TREOの原料も製造した。CeO/TREOが34質量%、40質量%、50質量%、≧99.9質量%の各中国産希土類炭酸塩を、上記希土類炭酸塩(c1)と同一条件にて処理し、希土類炭酸塩を調製後、蒸気処理して製造した。蒸気処理の条件は、上記e4の製造時と同じにした。ここでは、原料f1(CeO/TREO34質量%、La/TREO39質量%)、原料f2(CeO/TREO40質量%、La/TREO35質量%)、原料f3(CeO/TREO50質量%、La/TREO30質量%)、原料f4(CeO/TREO≧99.9質量%)の4種類を製造した。
上記した各セリウム系研摩材用原料(d1〜d18、e1〜e5)に関しては、仮焼処理を施していないため、仮焼処理を行った原料も更に製造した。仮焼処理した原料としては、上記希土類炭酸塩(c1)を仮焼処理して製造した原料(g1)、上記希土類モノオキシ炭酸塩(c3)を仮焼処理して製造した原料(g2)、希土類水酸化炭酸塩(c4)を仮焼処理して製造した原料(g3)、上記沈殿生成法における沈殿剤使用量1.5倍で製造した原料(e2)を仮焼処理して製造した原料(g4)、上記蒸気処理法により製造した原料(e4)を仮焼して製造した原料(g5)の5種類を準備した。この5種類に関する仮焼処理は、すべて、500℃、6時間の仮焼条件で行った。
続いて、上述したセリウム系研摩材用原料を用いて製造したセリウム系研摩材について説明する。セリウム系研摩材の基本的な製造フローを図1に示す。使用した原料は、上記した原料d1〜d18、原料e1〜e5、原料f1〜f4、原料g1〜g5と、比較のために、中国産希土類炭酸塩(c0)、希土類炭酸塩(c1)、希土類モノオキシ炭酸塩(c3)も原料としてそのまま使用した。これら原料を図1に示す製造フローに従い、表2〜4に示す各セリウム系研摩材(実施例1〜40、比較例1〜9)を製造した。図1に示す製造フローについて説明すると、まず、湿式粉砕は、原料100kgに純水200kgを加えて、アトライター(三井鉱山(株)製:3mmφジルコニア製ボールの粉砕媒体使用)を用いて、5時間の湿式粉砕処理を行った。その後、フィルタープレスによりろ過をし、乾燥処理したものをアトマイザー(不二パウダル(株)製)を用いて解砕した。そして、解砕したものを900℃、48時間の焙焼処理をした後、上記アトマイザーを用いて粉砕処理をした。その後、分級装置(ターボクラシファイヤー:日清エンジニアリング(株)製)により、分級処理をして各セリウム系研摩材を製造した。
また、このセリウム系研摩材の製造では、製造条件である焙焼温度とフッ化処理とに関して、その条件を変更して行った。具体的には表2〜表4に示しているが、原料e4については焙焼温度を変えた試験実施した。また、原料f1〜原料f4については、焙焼温度900℃以外に、研摩材粒径が同じになるように温度調節した試験も実施した。また、フッ化処理については、原料e4、原料g4に関し、湿式粉砕後のスラリーを攪拌しながら、F/TREOで6質量%に相当する量の10%HFを添加したものを製造した。
得られた各セリウム系研摩材に関しては、平均粒径(D50)、BET法による比表面積の測定を行い、さらに研摩速度、研摩傷、被研摩面の表面性状(表面粗さRa、微小うねり)を調査した。その結果を表2〜表4に示す。また、使用した原料については、そのX線回折により得られた各ピーク強度及びその強度比、強熱減量を調べた。以下に、各測定に関して説明する。
平均粒径(D50)の測定:レーザー回折・散乱法粒子径分布測定装置((株)堀場製作所製:LA−920)を使用して、各研摩材原料及び各セリウム系研摩材の粒度分布を測定することにより、平均粒径(D50:小粒径側からの累積質量50質量%における粒径<メジアン径>)を求めた。
BET法比表面積(BET)の測定:JIS R 1626-1996(ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法)の「6.2 流動法 の(3.5)一点法」に準拠して、セリウム系研摩材の比表面積の測定を行った。その際、キャリアガスであるヘリウムと、吸着質ガスである窒素の混合ガスを使用した。
研摩速度:研摩機として、研摩試験機(HSP−2I型、台東精機(株)製)を用意した。この研摩試験機は、スラリー状の研摩材を研摩対象面に供給しながら、当該研摩対象面を研摩パッドで研摩するものである。研摩材スラリーの砥粒濃度は、100g/Lとした(分散媒は水のみ)。本研摩試験では、スラリー状の研摩材を5リットル/分の割合で供給することとし、研摩材を循環使用した。なお、研摩対象物は65mmφの平面パネル用ガラスとした。また、研摩パッドはポリウレタン製のものを使用した。研摩面に対する研摩パッドの圧力は9.8kPa(100g/cm2)とし、研摩試験機の回転速度は100min−1(rpm)に設定し、所定時間研摩をした。そして、特定時間の研摩処理を行った後、水洗、乾燥し、研摩前後のガラス重量を測定して研摩によるガラス重量の減少量を求め、この値に基づき研摩値を求めた。本研摩評価では、この研摩値を用いて研摩速度を評価した。なお、この研摩速度の評価値は、表4で示すように、比較例1のセリウム系研摩材により得られた研摩値を基準(100)とし、他の研摩速度の評価値を算定した。後述する研摩傷、算術平均微小うねり及び算術平均表面粗さ(Ra)の測定対象は、特定時間の研摩処理を行った後、水洗、乾燥したガラスである。
研摩傷:研摩傷評価は、30万ルクスのハロゲンランプを光源として用いる反射法で研摩後のガラス表面を観察し、大きな傷および微細な傷の数を点数化し、100点を満点として減点評価する方式で行った。この傷評価では、ハードディスク(HD)用あるいはLCD用のガラス基板の仕上げ研摩で要求される研摩精度を判断基準とした。具体的には表4及び表5中、「◎」は、98点以上(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に非常に好適)であることを、「○」は、98点未満95点以上(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に好適)であることを、「△」は、95点未満90点以上(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に使用可能)であることを、そして「×」は、90点未満(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に使用不可)であることを示す。
算術平均微小うねり:算術平均微小うねりは、3次元表面構造解析顕微鏡(Zygo社製NewView200)を用い、測定波長を0.2〜1.4mmとして基板の所定領域を白色光で研摩面を走査して測定した。
算術平均表面粗さRa:この算術平均表面粗さは、プルーブ顕微鏡SPA−400(エスエスアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用いてDFM(ダイナミックフオースモード)を使用して、研摩表面の中の10μm×10μm範囲を測定することによって、算術平均表面粗さ(Ra:nm)値を求めた。
X線回折:X線分析装置(マックサイエンス(株)製、MXP18)により各原料の結晶回折分析を行った。測定条件は、Cu−Kα1線を用い、管電圧40kV、管電流150mA、スキャン速度4°/分、サンプリング幅0.02°、スキャン範囲2θ=5°〜80°とした。そして、得られたX線回折パターンより、2θ=5〜40°を含む範囲内で、2θが10.4±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(a1)と28.3±0.7°の範囲に出現する最大ピーク(a2)とを特定し、この双方の最大ピーク強度を比較して、大きい方のピーク強度(A)を決定した。同様に、2θが15.9±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(b1)と17.8±0.5°の範囲に出現する最大ピーク(b2)とを特定し、この双方の最大ピーク強度を比較して、大きい方のピーク強度(B)と決定した。そして、そのピーク強度比(B/A)を算出した。
強熱減量:強熱減量は、原料を105℃、24時間乾燥したものについて、JIS K 0067−1992「化学製品の減量及び残分試験方法」の4.2強熱減量試験に準拠して測定した。但し、このJIS規格では、強熱温度が650±50℃と規定されているが、この温度では安定した結果が得られないため、強熱温度を1000±50℃として測定した。
Figure 2008013689
Figure 2008013689
Figure 2008013689
表2〜表4に示すように、本実施例のセリウム系研摩材では、研摩速度や研摩傷に関して良好な特性を備えていることが判明した。特に、研摩傷や微小うねりの結果より、ハードディスク用のガラス基板のような研摩、即ち、非常に高精度の表面精度を要求される研摩用途に極めて好適なものとなることが判明した。
セリウム系研摩材の製造フロー図。

Claims (7)

  1. 希土類炭酸塩又は希土類酸化物の少なくとも一方、及び希土類モノオキシ炭酸塩又は希土類水酸化炭酸塩の少なくとも一方を含有し、希土類元素としてはセリウムを主成分とすることを特徴とするセリウム系研摩材用原料。
  2. 管電圧40kV、管電流150mA、スキャン速度4°/分、サンプリング幅 0.02°の条件にて、CuKα1線を用いた粉末X線回折測定を、2θ=5〜40°を含む範囲について測定したとき、
    2θが10.4±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(a1)と28.3±0.7°の範囲に出現する最大ピーク(a2)のうち、大きい方のピーク(a)のピーク強度(A)と、
    2θが15.9±1.0°の範囲に出現する最大ピーク(b1)と 17.8±0.5°の範囲に出現する最大ピーク(b2)のうち、大きい方のピーク(b)のピーク強度(B)と、から得られる比(B/A)が0.01〜2.0である請求項1に記載のセリウム系研摩材用原料。
  3. 温度1000℃、2時間の乾燥質量基準の強熱減量が5質量%〜45質量%である請求項1又は請求項2に記載のセリウム系研摩材用原料。
  4. 全希土酸化物換算量中の酸化セリウム含有量(CeO/TREO)が40質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のセリウム系研摩材用原料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセリウム系研摩材用原料を用いて、600〜1200℃にて焙焼する工程を有するセリウム系研摩材の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセリウム系研摩材用原料を用いて製造されたセリウム系研摩材。
  7. 請求項5に記載の製造方法により製造されたセリウム系研摩材。
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