JP2008012589A - 溝付きプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溝付きプラグを圧造成形により製造することができながら、周溝部分や頭部下面に分割ダイの合わせ面のツールマークのないプラグを得ること。
【解決手段】 前段側の圧造ステーションS3で、円柱状素材bを圧造加工して中実軸部2と該軸部2の一端に設けられた頭部3とからなる中間成形品1Cを形成する。後段の圧造ステーションS4で、筒状外側パンチ36と内側パンチ37とを備えたパンチ35の外側パンチ36により中間成形品1Cの頭部3外周を拘束すると共に、中間成形品1Cの頭部3と軸部2の境界部分を拘束する成形凹部24eを有する分割ダイ24,24により中間成形品1Cの上記境界部のやや下方を拘束した状態のもとで、パンチ35とダイ側成形ピン32とにより中間成形品1Cの軸部2先端側のみを圧造加工して膨大させることにより、ネジ形成用軸部2′と頭部3との境界部分に分割ダイ24,24によるツールマークのない断面凹形状の周溝4とを成形する。
【選択図】図13

Description

本発明は、主としてオイルタンクの底部に着脱可能に螺着されて閉栓する溝付きプラグの製造方法に関する。
従来、この種の溝付きプラグは、外周にネジを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた断面直角凹形状の周溝とを備えた形状で、使用時には上記周溝に油漏れ防止用のパッキンを装着し、その状態でオイルタンクの底部に螺着するようになされている。
そして、その製造方法としては、まず、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材の一端部を圧造加工により縮径して外径を他の部分より小計とした中間成形品を形成し、次に、後段の圧造ステーションで、中間成形品の大径側基部とこれに続く小径部の基部側とを分割ダイによりほぼその形状のまま拘束し、その拘束状態のもとで中間成形品の残りの先端側のみを成形孔付きパンチで圧造加工して拡径することにより、その先端に頭部とこれに続く断面直角凹形状の周溝とを形成するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この製造方法によれば、周溝を圧造成形により形成できるので、周溝を切削加工により形成する場合に較べて、製造が容易で周溝部の強度低下も抑えることができる。
特開2003−53472号公報
ところが、上記した従来の製造方法によれば、分割ダイで周溝を拘束した状態のもとで中間成形品の先端側のみを成形孔付きパンチで圧造加工して拡径し、その先端に頭部とこれに続く断面直角凹形状の周溝とを同時に成形するものであるため、周溝部分や頭部下面に分割ダイの合わせ面のツールマークがバリとして発生し易く、このバリとなったツールマークにより、使用時に上記周溝に油漏れ防止用のパッキンを装着したとしても、油や水或いは空気などが漏れてしまうといった問題があった。
そこで、本発明は、頭部と軸部との間に周溝をもつプラグを圧造成形により製造することができながら、周溝部分や頭部下面に分割ダイの合わせ面のツールマークのない断面凹形状の周溝が形成できる溝付きプラグの製造方法の提供を課題とする。
上記した問題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、外周にネジを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた断面凹形状の周溝とを備えた溝付きプラグの製造方法であって、まず、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材を圧造加工して中実軸部と該軸部の一端に設けられた頭部とからなる中間成形品を形成し、次に、後段の圧造ステーションで、中間成形品の頭部外周を拘束する筒状外側パンチと内側パンチとを備えたパンチと、成形凹部を有する分割ダイと、分割ダイの中心部に設けられる成形ピンとを用い、上記パンチの外側パンチにより中間成形品の頭部外周を拘束すると共に、分割ダイにより中間成形品の頭部と軸部との境界部のやや下方を拘束した状態のもとで、上記パンチと成形ピンとにより中間成形品の軸部先端側を圧造加工して膨大させることにより、成形されたネジ形成用軸部と頭部との境界部分に分割ダイによるツールマークのない凹形状の周溝とを成形することを特徴とする。
また、本願の請求項2に記載の発明は、外周にネジを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた断面凹形状の周溝とを備えた溝付きプラグの製造方法であって、まず、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材を圧造加工して中実軸部と該軸部の一端に設けられた頭部とからなり、かつ頭部の中心部に断面多角状の凹所を備えた中間成形品を形成し、次に、後段の圧造ステーションで、中間成形品の頭部外周を拘束する外側筒状パンチと内側パンチと上記凹所内に圧入するセンターパンチとを備えたパンチと、中間成形品の頭部と軸部との境界部のやや下方を拘束する周溝成形用小径内周部と該小径内周部に連続するネジ成形用大径内周部とを有する分割ダイと、分割ダイの中心部に設けられる成形ピンとを用い、上記パンチの外側パンチにより中間成形品の頭部外周を拘束し、かつセンターパンチを上記凹所内に圧入すると共に、分割ダイの上記小径内周部で中間成形品の頭部と軸部の境界部分のやや下方を拘束した状態のもとで、パンチと成形ピンとにより中間成形品の軸部先端側のみを圧造加工してネジ成形用大径内周部と成形ピンとによる空間部内に充満させることにより、成形されたネジ形成用軸部と頭部との境界部分に分割ダイによるツールマークのない凹形状の周溝とを成形することを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、外周にネジを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた断面凹形状の周溝とを備えた溝付きプラグを切削加工によることなく圧造成形により製造することができ、しかも、その製造に際し、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材を圧造加工して中実軸部と該軸部の一端に設けられた頭部とからなる中間成形品を形成し、その後、後段の圧造ステーションで、筒状外側パンチと内側パンチとを備えたパンチの外側パンチにより中間成形品の頭部外周を拘束すると共に、成形凹部を有する分割ダイにより中間成形品の頭部と軸部の境界部のやや下方を拘束した状態のもとで、上記パンチと成形ピンとにより中間成形品の軸部先端側を圧造加工して膨大させることにより、成形されたやや大径のネジ形成用軸部と、該軸部と頭部との境界部分に分割ダイによるツールマークのない断面凹形状の周溝とを成形することができる。その結果、上記周溝に油漏れ防止用のパッキンを装着して使用するときに、バリ状のツールマークによる油や水或いは空気などが漏れてしまうことをなくすることができる。
本願の請求項2に記載の発明によれば、外周にネジを有する軸部と、該軸部の一端に設けられ、その中心部に断面多角状の凹所を有する頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた断面凹形状の周溝と、を備えた溝付きプラグを切削加工によることなく圧造成形により製造することができ、しかも、その製造に際し、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材を圧造加工して中実軸部と該軸部の一端に設けられた頭部とからなり、かつ頭部の中心部に断面多角状の凹所を備えた中間成形品を形成し、その後、後段の圧造ステーションで、上記中間成形品の頭部外周を拘束する筒状外側パンチと内側パンチとを備えたパンチの外側パンチにより中間成形品の頭部外周を拘束し、かつセンターパンチを上記凹所内に圧入すると共に、中間成形品の頭部と軸部の境界部分を拘束する周溝成形用小径内周部と該小径内周部に連続するネジ成形用大径内周部とでなる成形凹部を有する分割ダイの小径内周部により中間成形品の頭部と軸部の境界部のやや下方を拘束した状態のもとで、上記パンチと成形ピンとにより中間成形品の軸部先端側を圧造加工してネジ成形用大径内周部と成形ピンとによる空間部内に充満させることにより、成形されたネジ形成用軸部と頭部との境界部分に分割ダイによるツールマークのない断面凹形状の周溝とを成形することができる。その結果、上記周溝に油漏れ防止用のパッキンを装着して使用するときに、バリ状のツールマークによる油や水或いは空気などが漏れてしまうことをなくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1〜図3は水抜きをするためのオイルパン(収容体)の底部に設けられるドレン用の溝付きプラグを示すもので、この溝付きプラグ1は、オイルパンAの底部に形成されるネジ孔B付きの排出口Cに螺合可能なネジ2aを外周に有する中実軸部2と、該軸部2の一端に設けられた円形の頭部3と、該頭部3と軸部2との境界部に圧造による塑性加工によって形成された断面直角凹形状の周溝4と、頭部3の中心部に頭部3上面から上記境界部に至る6角治具(図示せず)用の6角凹所5を備えている。なお、6角治具と6角凹所5に代えて6角以外の多角形状など適宜形状の治具と凹所を採用してもよいことは勿論である。
また、図1及び図2中、符号6は、上記周溝4に装着される油漏れ防止用のパッキンでリング状を呈している。ここで、周溝4にパッキン6を嵌合して装着する場合、例えばパッキン6を保持した状態で上記周溝4に圧入するプレス式の適宜嵌合機(図示せず)などを用いている。
この溝付きプラグ1の使用例を説明すると、図1で示すように、上記周溝4にパッキン6を予め装着した状態で、オイルパンAの底部に形成される排出口Cのネジ孔Bにネジ2aを外周に有する中実軸部2をねじ込んで用いるものである。その場合、パッキン6が周溝4にきっちりと嵌合されていることから、該プラグ1のオイルパンAへの螺合による取り付けに際し、パッキン6がネジ2a側にずれたり移動したり或いは不用意に落下することがなく、その締め付け作業を簡単容易に行うことができる。
この溝付きプラグ1の場合、上記周溝4が切削加工ではなく、圧造による塑性加工によって形成されている。これにより、切削加工の場合に較べて製造が容易で、製造時における工具の折損等を生じることがなく、その上、周溝部分で素材のファイバーフローが切断されておらず、周溝4部分の強度低下を抑え、破断しにくくなっている。
次に溝付きプラグの製造方法について説明する。
図4は、この実施の形態で用いられる多段式圧造成形機の概略構成を示す平面図で、この成形機10は、本体11の中央に設けられた作業スペース12の一方の面にダイブロック13を設け、該ダイブロック13に複数のダイユニット14a〜14dを配設すると共に、これに対向する面には、ダイブロック13に対して接近、離反するラム15を配置し、該ラム15にダイユニット14a〜14dにそれぞれ対向させて複数のパンチユニット16a〜16dを配置した構成で、各対向するダイユニット14a〜14dとパンチユニット16a〜16dとで、複数段の圧造ステーションS1〜S4が構成されている。
そして、上記ダイブロック13の一端にカッター装置17が備えられ、該カッター装置17によって線材aを所定寸法に切断することにより、図5で示す素材bが形成される。この素材bが圧造ステーションS1〜S4に順次供給されて、所定の圧造加工が施され、その後、中実軸部2の外周面にねじ加工が施されることにより、図1〜図3に示すような溝付きプラグ1が形成されるようになっている。
そのうち、第1圧造ステーションS1は、図5に示すような円柱状素材bについて端面矯正を行い、図6に示すような中間成形品1Aを形成する。また、第2圧造ステーションS2は、中間成形品1Aについて圧造加工を行い、図7に示すような頭部3と軸部2とを有する中間成形品1Bを形成する。また、第3圧造ステーションS3は、中間成形品1Bについて圧造加工を行い、図8に示すような頭部3の中心部に頭部上面から頭部3と軸部2の境界部分に至る6角凹所5を備えた中間成形品1Cを形成する。さらに、第4圧造ステーションS4は、中間成形品1Cについて圧造加工を行い、図9に示すようなやや大径となったネジ形成用軸部2′と、該軸部2′の一端に設けられた頭部3と、該頭部3と軸部2′との境界部分に設けられた断面凹形状の周溝4とを備えた最終成形品1Dを形成する。
次に、この圧造成形機10の各圧造ステーションのうち、本発明の特徴部分を有する第4圧造ステーションS4についてさらに詳しく説明する。
図10に示すように、第4圧造ステーションS4のダイユニット14dの構造としては、ダイブロック13に前方からの荷重を受け止める前後受圧部材21,21を介してほぼ円筒状のダイケース22が挿入固定されており、ダイケース22内の奥側には、第1サポート部材23が固定されていると共に、ダイケース22の前方部には、一対の分割ダイ24,24がダイホルダー25を介して前後方向に移動可能に挿入されている。上記第1サポート部材23には、第2サポート部材26が設けられる一方、ダイホルダー25は、ダイケース22対して所定間隔だけ前後方向に移動可能に支持され、その後面は、複数の押圧体27を介して第2サポート部材26に内装された複数のコイルバネ28により前方へ付勢されている。分割ダイ24,24の後面は、ダイホルダー25に摺動自在に嵌合されたストリッパー29に支持されていると共に、ストリッパー29の後面にはリング部材30を介して複数の押出しピン31がラム15の前後動に同期して押出移動可能に配設されている。また、ダイケース22の中心部には、成形ピン32が前受圧部材21、第1サポート部材23、リング部材31、ストリッパー29、分割ダイ24,24を貫通するように配置され、該成形ピン32はその後端が後受圧部材21に支持されると共に、最終成形品1Dの排出時に、ノックアウト機構(図示せず)の作動により押出しピン31を介してダイ前方へ移動されるように設けられている。
次に、パンチユニット16dの構成としては、ラム15にパンチホルダー34が固定され、該ホルダー34内にパンチ35が嵌合されている。該パンチ35は、中間成形品1Cの頭部外周を拘束する筒状外側パンチ36と、中間成形品1Cの頭部3上面を拘束する内側パンチ37と、中間成形品1Cの凹所5内に圧入するセンターパンチ38とを備えている。
外側パンチ36は、パンチホルダー34内に前後方向に移動可能に支持されると共に、上記ホルダー34内に受圧部材39を介して内装された複数のコイルバネ40により前方へ付勢されている。このコイルバネ40の付勢力は上記コイルバネ28の付勢力よりも弱く設定されている。また、センターパンチ38は受圧部材39の中心部に嵌合固定されている。内側パンチ37はセンターパンチ38に摺動可能に挿嵌されると共に、内側パンチ37の後面にはリング部材41を介して複数の押出しピン42がラム15の前後動に同期して押出移動可能に配設され、成形後のラム15の後退時に、ノックアウト機構(図示せず)の作動により押出しピン42を介して内側パンチ37、つまり最終成形品1Dがパンチ前方側に押し出されるようになされている。
そして、一対の分割ダイ24,24は、図10及び図11に示すように外形形状が平行な2面と、これらの面に直交しかつ奥側に至る途中で2段階に狭くなる第1、第2傾斜面24a,24bを備えた2段斜面とで構成される立体を上記平行2面に直交する断面で2分割した形状とされており、ダイホルダー25内面の上記立体に対応させて平行な2面と、これらの面に直交しかつ奥側に至る途中で2段階に狭くなる第1,第2傾斜面24a,24bを備えた2段斜面とで構成される空間に嵌合されている。
分割ダイ24,24の分割面には互いに対向する凹部24c,24cが形成されており、各分割ダイ24,24をダイホルダー25内面における2つの2段斜面方向に互いに離反させるように付勢するコイルバネ43,43がそれぞれ内装されている。また、分割ダイ24,24の分割面には、最終成形品1Dに対応した形状の小径内周部とネジ成形用大径内周部とからなる成形凹部24c,24cがそれぞれ形成されている。
次に、この第4圧造ステーションS4に示す中間成形品1Cが図8に示す最終成形品1Dに成形されるプロセスを説明する。
図10に示すように上記中間成形品1Cが素材移送装置(図示せず)により、第4圧造ステーションS4のダイユニット14dの前方に供給された状態で、ラム15が前進すると、まず、パンチユニット16dの内側パンチ37が中間成形品1Cの頭部3上面に当接する。この当接により内側パンチ37はその前進が一旦阻止されることになる。つまり内側パンチ37はパンチホルダー34の奥部側に後退してその移動が停止した状態で、センターピン38と外側パンチ36とが引き続き前進することになる。次に、この前進によりセンターピン38が中間成形品1Cの凹所5に入り込むと共に、外側パンチ36が中間成形品1Cの頭部3外側面を拘束しながら分割ダイ24,24の前面にコイルバネ40,40を介して当接する。そして、内側パンチ37が後退し終わるとパンチホルダー34と一体化して、センターパンチ38と共に、中間成形品1Cをダイユニット14d側に押し込むことになる。これにより図12に示すように、中間成形品1Cがダイユニット14dにおける一対の分割ダイ24,24の中央部に位置する成形ピン32の先端部に当接して成形ピン32をダイブロック22の受面に当接するまで後退させると共に、外側パンチ36が頭部3の外側面を拘束する。そしてさらに、内側パンチ37の前面が分割ダイ24,24の前面に当接して分割ダイ24,24をダイホルダー25の奥部側に押し込むことになる。このとき、各分割ダイ24,24の外面とダイホルダー25の内面とが、それぞれ奥側に至る途中で2段階に狭くなる第1、第2傾斜面24a,24b,25a,25bを備えた2段斜面とで構成されているので、各分割ダイ24,24はコイルバネ43,43の付勢力に抗してダイホルダー25の上記2段斜面に案内されながら互いに接近し、両分割ダイ24,24が集合する。このとき、図12に示すように分割ダイ24,24の前面と中間成形品1Cの頭部3下面との間に所定の隙間Sが形成された状態で、分割ダイ24,24の成形凹部24c,24cにおける小径内周部により中間成形品1Cの頭部3と軸部2の境界部のやや下方を拘束する。
その後、成形ピン32の後退が阻止された状態のもとでラム15がさらに前進移動することにより、図13に示すように、分割ダイ24,24と共にダイホルダー25がダイケース22の奥部へ押し込まれ、中間成形品1Cの軸部2先端が分割ダイ24,24の成形凹部24c,24cと成形ピン32とによって形成されるキャビティ形状、つまりやや大径のネジ形成用軸部2′形状に成形される。これにより、成形されたネジ形成用軸部2′と頭部3との境界部分に分割ダイ24,24によるツールマークのない断面直角凹形状の周溝4とを成形することができる。特に、その成形時、図13において矢印で示すように成形ピン32とセンターピン38とで中間成形品1Cの軸部2の先端部分のみを膨大させるので、図13に示したように頭部3の下面に空間を残すことができる。その結果、頭部3の下面に分割ダイ24,24のツールマークを全く付けることなく成形することができる。
そして、以上のように最終成形品1Dが形成された後、後工程で最終成形品1Dのネジ形成用軸部2′にネジ転造又は切削加工などの適宜手段によりネジ2aが形成されて溝付きプラグ1が完成される。
以上の結果、溝付きプラグ1を切削加工によることなく圧造成形により製造することができ、しかも、図1、図2に示すように上記周溝4に油漏れ防止用のパッキン6を装着して使用するときに、バリ状のツールマークによる油や水或いは空気などが漏れてしまうことをなくすることができる。
上記した実施の形態では、頭部3の形状を円形とし、その中心部に6角治具用の6角凹所5を形成したものについて説明したけれども、例えば頭部3の形状を6角形状、多角形状、歯車状或いはセレーション形状などとしてもよい。その場合、6角凹所を省略してもよい。
また、上記した実施の形態では、オイルパンAに設けられるドレン用の溝付きプラグについて説明したけれども、何らドレン用の溝付きプラグに限定されるものではなく、例えばオイル交換用のプラグや冷却水交換用のプラグなどいろいろな用途のプラグに使用できることは勿論である。さらに、分割ダイ24は一対に限られるものではなく例えば4個など複数であってもよい。
本発明の実施に係る溝付きプラグの使用状態を示す縦断面図である。 同溝付きプラグの一部切り欠き正面図である。 同溝付きプラグの平面図である。 同溝付きプラグの製造方法で用いる多段式圧造成形機の概略平面図である。 同成形機で圧造加工される素材の形状を示す正面図である。 同成形機の第1圧造ステーションで成形された中間成形品の形状を示す正面図である。 同成形機の第2圧造ステーションで成形された中間成形品の形状を示す正面図である。 同成形機の第3圧造ステーションで成形された中間成形品の形状を示す正面図である。 同成形機の第4圧造ステーションで成形された中間成形品の形状を示す正面図である。 同第4圧造ステーションの構成を示す断面図である。 同第4圧造ステーションにおけるダイユニットの要部正面図である。 同第4圧造ステーションにおけるパンチユニットの前進途中の状態を示す断面図である。 同第4圧造ステーションにおけるパンチユニットの前進終了時の圧造状態を示す断面図である。
符号の説明
1 プラグ
2 中実軸部
2′ ネジ形成用軸部
3 頭部
4 周溝
5 6角凹所
32 成形ピン
24 分割ダイ
24c 成形凹部
35 パンチ
36 筒状外側パンチ
37 内側パンチ
38 センターパンチ
S3 第3圧造ステーション
S4 第4圧造ステーション
b 円柱状素材
1C 中間成形品

Claims (2)

  1. 外周にネジを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた断面凹形状の周溝とを備えた溝付きプラグの製造方法であって、まず、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材を圧造加工して中実軸部と該軸部の一端に設けられた頭部とからなる中間成形品を形成し、次に、後段の圧造ステーションで、中間成形品の頭部外周を拘束する筒状外側パンチと内側パンチとを備えたパンチと、成形凹部を有する分割ダイと、分割ダイの中心部に設けられる成形ピンとを用い、上記パンチの外側パンチにより中間成形品の頭部外周を拘束すると共に、分割ダイにより中間成形品の頭部と軸部との境界部のやや下方を拘束した状態のもとで、上記パンチと成形ピンとにより中間成形品の軸部先端側を圧造加工して膨大させることにより、成形されたネジ形成用軸部と頭部との境界部分に分割ダイによるツールマークのない凹形状の周溝とを成形することを特徴とする溝付きプラグの製造方法。
  2. 外周にネジを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた断面凹形状の周溝とを備えた溝付きプラグの製造方法であって、まず、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材を圧造加工して中実軸部と該軸部の一端に設けられた頭部とからなり、かつ頭部の中心部に断面多角状の凹所を備えた中間成形品を形成し、次に、後段の圧造ステーションで、中間成形品の頭部外周を拘束する外側筒状パンチと内側パンチと上記凹所内に圧入するセンターパンチとを備えたパンチと、中間成形品の頭部と軸部との境界部のやや下方を拘束する周溝成形用小径内周部と該小径内周部に連続するネジ成形用大径内周部とを有する分割ダイと、分割ダイの中心部に設けられる成形ピンとを用い、上記パンチの外側パンチにより中間成形品の頭部外周を拘束し、かつセンターパンチを上記凹所内に圧入すると共に、分割ダイの上記小径内周部で中間成形品の頭部と軸部の境界部分のやや下方を拘束した状態のもとで、パンチと成形ピンとにより中間成形品の軸部先端側のみを圧造加工してネジ成形用大径内周部と成形ピンとによる空間部内に充満させることにより、成形されたネジ形成用軸部と頭部との境界部分に分割ダイによるツールマークのない凹形状の周溝とを成形することを特徴とする溝付きプラグの製造方法。
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