JP2009131889A - 溝付きプラグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 圧造成形により製造が容易で、強度低下なく周溝部分を成形でき、しかも、成形時に凸起バリのはみ出しがなくダイの寿命も長くできるようにする。
【解決手段】 まず、前段側の圧造ステーションS4で、円柱状素材bの一端部を圧造加工により拡径して、他の部分よりも拡径した多角形状の頭部3′をもつ中間成形品1Cを形成し、次に、後段側の圧造ステーションS4で、パンチ33とダイ25の成形孔上部25aとで中間成形品1Cの頭部3′を拘束した状態のまま中間成形品1Cの軸部2′をダイ25の成形孔奥部に押し込み、その軸部2′を、該軸部2′よりも大径の成形孔下部25bを有しかつ成形孔奥部の中心にセンターピン28を突設したダイ25で圧造加工して軸部2′の先端側を拡径することにより、頭部3と軸部2との境界に周溝部4を成形してなる溝付きプラグを製造するようにした。
【選択図】図11
【解決手段】 まず、前段側の圧造ステーションS4で、円柱状素材bの一端部を圧造加工により拡径して、他の部分よりも拡径した多角形状の頭部3′をもつ中間成形品1Cを形成し、次に、後段側の圧造ステーションS4で、パンチ33とダイ25の成形孔上部25aとで中間成形品1Cの頭部3′を拘束した状態のまま中間成形品1Cの軸部2′をダイ25の成形孔奥部に押し込み、その軸部2′を、該軸部2′よりも大径の成形孔下部25bを有しかつ成形孔奥部の中心にセンターピン28を突設したダイ25で圧造加工して軸部2′の先端側を拡径することにより、頭部3と軸部2との境界に周溝部4を成形してなる溝付きプラグを製造するようにした。
【選択図】図11
Description
本発明は、主としてオイルタンクの底部に着脱可能に螺着されて閉栓する溝付きプラグの製造方法に関する。
この種の溝付きプラグは、外周にねじを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた外周が多角形状の頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた周溝部とを備えた形状で、使用時には、上記周溝部にパッキンを装着し、その状態でオイルタンクの底部に螺着するようになされている。
そして、その製造方法としては、軸部と該軸部の一端に設けられた外周が多角形状の頭部とでなる部材を圧造成形し、その後、切削加工によって頭部と軸部との境界部に周溝部を、また軸部の外周にねじを形成していた。
また別の製造方法としては、先ず、円柱状素材の一端部を圧造加工により縮径して外径を他の部分よりも小径にした中間成形品を形成し、次に、中間成形品の大径部とこれに続く小径部の基端部とを半径方向に移動可能な分割ダイを用いてその形状のまま拘束し、その拘束状態のもとで残りの先端側のみを成形孔付きパンチで圧造加工して拡径することにより、軸部の先端に周溝部を介して頭部を備えた部材を圧造成形し、その後、切削加工によって軸部の外周にねじを形成していた。
しかし、前者の製造方法によれば、切削加工により周溝部を形成する場合、周溝部の幅が狭いので、これを切削加工により形成する工具も刃先が細いものとなり、そのため該工具の折損や摩耗などが生じ易く、また作業能率の低下やコストの増大などの原因となり、その上、切削加工によれば、周溝部分でファイバーフローが切断され、周溝部分の強度が低下し、破断し易くなる問題があった。
また、後者の製造方法によれば、半径方向に移動可能な分割ダイを用いて強度低下なく高精度に周溝部分を成形できる反面、分割ダイの隙間より凸起バリがはみ出し状に形成される欠陥があった。その上、分割ダイは高価で寿命も短く、早期に交換しなければならないものであった。
そこで、本発明は、圧造成形により製造が容易で、強度低下なく周溝部分を成形でき、しかも、成形時に凸起バリのはみ出しがなくダイの寿命も長くできる溝付きプラグの製造方法の提供を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、外周にねじを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた外周が多角形状の頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた周溝部とを備えた溝付きプラグの製造方法として、まず、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材の一端部を圧造加工により拡径して、他の部分よりも拡径した多角形状の頭部をもつ中間成形品を形成し、次に、後段側の圧造ステーションで、パンチとダイの成形孔上部とで中間成形品の頭部を拘束した状態のまま中間成形品の軸部をダイの成形孔奥部に押し込み、その軸部の先端側部分を転造ねじ径に拡径することにより、頭部と軸部との境界部に周溝部を成形したことを特徴とする。
また、本願の請求項2の発明は、上記した請求項2の発明において、後段側の圧造ステーションで、パンチとダイの成形孔上部とで中間成形品の頭部を拘束した状態のまま中間成形品の軸部をダイの成形孔奥部に押し込み、該軸部よりも大径の成形孔下部を有しかつ成形孔奥部の中心にセンターピンを突設したダイで圧造加工して軸部の先端側を拡径することにより、頭部と軸部との境界部に周溝部を成形したことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、溝付きプラグを圧造成形により容易に製造できると共に、ファイバーフローの切断による周溝部分の強度低下もなく、しかも、圧造動作毎に半径方向に移動させる分割ダイを用いていないので、凸起バリの発生の問題がない。その上、ダイの寿命を長くできかつコストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1、図2は水抜きをするためのオイルパン(収容体)の底部に設けられるドレン用の溝付きプラグを示すもので、図1に示すように、この溝付きプラグ1は、オイルパンAの底部に形成されるねじ孔B付きの排出口Cに螺合可能なねじ2aを外周に有する軸部2と、該軸部2の一端に設けられた外周が四角形状でその中心部に6角凹所3aを有するの頭部3と、該頭部3と軸部2との境界部に圧造による塑性加工によって形成された周溝部4とを備えている。なお、上記頭部3の平面形状は、詳しくは図2に仮想線で示すように正12角形の相対向する上下と左右4つの突起部を取り除いた8角部分を残した形状で、12角孔のトルクレンチやスパナなど多種類の締付工具が使用できるようになっている。なお、頭部3の外周形状及び中心部の凹所形状は、上記した形状以外であってもよく、例えば6角形状や歯車形状或いはセレーション状など他の多角形状としてもよい。
また、図1中、符号5は上記周溝部4に装着されるアルミ製又は銅製などのパッキンでリング状を呈している。ここで、周溝部4にパッキン5を嵌合して装着する場合、例えばパッキン5を保持した状態で上記周溝部4に圧入するプレス上記の適宜嵌合機(図示せず)などを用いる。
この溝付きプラグ1は、図1で示すように、上記周溝部4にパッキン5を予め装着した状態で、仮想線で示すオイルパンAの底部に形成される排出口Cのねじ孔Bにねじ2aを外周に有する軸部2をねじ込んで用いる。その場合、パッキン5が周溝部4に嵌合されていることから、該プラグ1のオイルパンAへの螺合による取り付けに際し、パッキン5がねじ2a側にずれたり移動したり或いは不用意に落下することなく、その締め付け作業を簡単容易に行なうことができる。
なお、上記した実施の形態では、オイルパンAに設けられるドレン用の溝付きプラグについて説明したけれども、何らドレン用の溝付きプラグに限定されるものではなく、例えばオイル交換用のプラグや冷却水交換用のプラグなどいろいろな用途のプラグに使用できることは勿論である。
次に溝付きプラグの製造方法について説明する。
図3はこの実施の形態で用いられる多段式圧造成形機の概略の構成を示す平面図で、この成形機10は、本体11の中央に設けられた作業スペース12の一方の面にダイブロック13を設け、該ダイロック13に複数のダイユニット14a〜14dを配設すると共に、これに対向する面には、ダイブロック13に対して接近、離反するラム15を配置し、該ラム15にダイユニット14a〜14dにそれぞれ対向させて複数のパンチユニット16a〜16dを配置した構成で、各対向するダイユニット14a〜14dとパンチユニット16a〜16dとで、複数段の圧造ステーションS1〜S4が構成されている。
そして、上記ダイブロック13の一端にカッター装置17が備えられ、該カッター装置17によって、線材aを所定寸法に切断することにより、図4で示す素材bが形成される。この素材bが圧造ステーションS1〜S4に順次供給されて、所定の圧造加工が施され、その後、軸部2の外周面にねじ加工が施されることにより、図1、図2に示すような溝付きプラグ1が形成されるようになっている。
そのうち、第1圧造ステーションS1は、図4に示すような円柱状素材bについて端面矯正を行い、図5に示すような中間成形品1Aを形成する。また、第2圧造ステーションS2は、中間成形品1について圧造加工を行い、図6に示すような頭部が形成された中間成形品1Bを形成する。また、第3圧造ステーションS1は、中間成形品1Bの頭部についてさらに圧造加工を行い、図7及び図8に示すような軸部2′と、その一端の頭部3′が四角形状を呈しかつその中心部に6角凹所3a′を有する中間成形品1Cを形成する。さらに、第4圧造ステーションS4は、中間成形品1Cの軸部2′部分について圧造加工を行い、図9に示すような軸部部分が大径化した軸部2と、該軸部2の一端に設けられかつ外周が四角形状を呈しその中心部に6角凹所3aを有する頭部3と、頭部3と軸部2との境界部に設けられた周溝部4とを備えた溝付きプラグ(以下最終成形品という)1を形成する。
次に、この圧造成形機10の各圧造ステーションのうち、本発明の特徴部分を構成する第4圧造ステーションS4についてさらに詳しく説明する。
図10に示すように第4圧造ステーションS4のダイユニット14dの構造としては、ダイブロック13に前方からの荷重を受け止める受圧部材21を介してほぼ円形のダイケース22が挿入固定されており、ダイケース22内の奥側には、第1サポート部材23が嵌合されて固定されていると共に、ダイケース22の前方側には、ダイホルダー24を介して段付き成形孔を有するダイ25が設けられている。ダイ25の成形孔は四角状凹所からなる成形孔上部25aと中間成形品1Cの軸部2′よりも大径の成形孔下部25bとを備えている。また、上記第1サポート部材23には、第2サポート部材26が設けられており、第2サポート部材26の前方には、リング状の第3サポート部材27がダイホルダー24内に前後に摺動可能に挿入されている。ダイ25の後面はダイホルダー24の段部に支持されていると共に、ダイ25の後面中央部にはダイホルダー24に対して摺動自由に支持され、ダイ25の成形孔底面を形成する成形軸28が挿通されている。成形軸28の中心部には常時は成形軸28の先端よりもダイ内に突出するセンターピン29が挿通されている。成形軸28は、最終成形品1の排出時に、ノックアウト機構(図示せず)の作動により、押出軸30、押出ピン31及び第3サポート部材27を介して前方に押し出されるようになっている。
一方、パンチユニット16dの構造としては、ラム15にパンチホルダー32が固着され、該ホルダー32内に四角形状を呈するパンチ33が嵌合されて固定されており、該パンチ33の中心部に前後方向に摺動可能で先端に6角状歯部を有するピン34が備えられている。
次に、第4圧造ステーションS4にて中間成形品1Cが最終成形品1に成形されるプロセスを説明する。
図10に示すように、中間成形品1Cが、第4圧造ステーションS4のダイユニット14dの前方に供給された状態のもとでラム15が前進する。すると図11に示すように、パンチユニット16dのパンチ33とピン34が中間成形品1Cの頭部3に当接及び嵌入すると共に、その当接及び嵌入状態のまま、つまりパンチ33側とダイ25の成形孔上部25aとで中間成形品1Cの頭部3′を拘束した状態のまま中間成形品1Cをダイユニット14d側に押し込む。これにより、中間成形品1Cの軸部2′がダイ25の成形孔奥部に押し込まれ、まず、その軸部2′の先端中央部にセンターピン29が打ち込まれることになる。その結果、軸部2′の先端部分が拡径する。そして、さらに中間成形品1Cを成形孔奥部に押し込むことにより、図9に示すように軸部2′の頭部3との境界部分のみを残すほぼ全体を成形孔下部25の内周面に沿うように拡径して、頭部3と拡径した軸部2との境界部分に周溝部4を圧造成形するのである。この結果、軸部2の一端に設けられた外周が四角形状を呈しかつその中心部に6角凹所3aを有する頭部3と、頭部3と大径軸部2との境界部に設けられた周溝部4とを備えた最終成形品1が製造されることになる。
その場合、軸部2から周溝部4を介して頭部3に至る範囲で、素材のファイバーフローが切断されることがない。これにより、強度低下なく周溝部分を成形できる。
そして、キャビティ内で上記のような最終成形品1が製造されると、ラム15と共に、パンチユニット16dがダイブロック13側から後退する一方、ノックアウト機構(図示せず)の作動により、押出軸30、押出ピン31及び第3サポート部材27を介して成形軸28は前方に押し出され、最終成形品1Dはダイケース22外に排出される。
その後、後工程で軸部の外周に転造又は切削によりねじ2aが形成され、これにより、図1及び図2に示す最終製品としての溝付きプラグが形成されることになる。
その後、後工程で軸部の外周に転造又は切削によりねじ2aが形成され、これにより、図1及び図2に示す最終製品としての溝付きプラグが形成されることになる。
以上のように本発明の製造方法によれば、溝付きプラグを圧造成形により容易に製造できると共に、ファイバーフローの切断による周溝部分の強度低下もなく、しかも、圧造動作毎に半径方向に移動させる分割ダイを用いていないので、凸起バリの発生の問題がない。その上、ダイの寿命を長くできかつコストを低減することができる。
上記した実施の形態では、第4圧造ステーションS4のダイユニット14dにおいて成形孔奥部の中心にセンターピン29を突設したダイ25を用いたものについて説明したけれども、センターピン29は必ずしも設ける必要はなく、例えば下部成形孔下部25b内径を転造ねじ径とすると共にその底面を扁平状にしてもよい。
斯く構成した場合にも、後段側の圧造ステーションS4で、パンチ33とダイ25の成形孔25a上部とで中間成形品1Cの頭部3′を拘束した状態のまま中間成形品1Cの軸部2′をダイ25の成形孔奥部に押し込むことにより、その軸部2′の先端側部分を転造ねじ径に拡径することができる。これにより頭部3と軸部2との境界部に周溝部4を有する最終製品としての溝付きプラグを成形することができ、この場合にも上記した実施の形態と同様の効果が得られる。
1 溝つきプラグ
2 軸部
2′ 軸部
3 頭部
3′ 頭部
4 周溝部
25 ダイ
33 パンチ
1C 中間成形品
S3 圧造ステーション
S4 圧造ステーション
2 軸部
2′ 軸部
3 頭部
3′ 頭部
4 周溝部
25 ダイ
33 パンチ
1C 中間成形品
S3 圧造ステーション
S4 圧造ステーション
Claims (2)
- 外周にねじを有する軸部と、該軸部の一端に設けられた外周が多角形状の頭部と、該頭部と軸部との境界部に設けられた周溝部とを備えた溝付きプラグの製造方法として、まず、前段側の圧造ステーションで、円柱状素材の一端部を圧造加工により拡径して、他の部分よりも拡径した多角形状の頭部をもつ中間成形品を形成し、次に、後段側の圧造ステーションで、パンチとダイの成形孔上部とで中間成形品の頭部を拘束した状態のまま中間成形品の軸部をダイの成形孔奥部に押し込み、その軸部の先端側部分を転造ねじ径に拡径することにより、頭部と軸部との境界部に周溝部を成形したことを特徴とする溝付きプラグの製造方法。
- 後段側の圧造ステーションで、パンチとダイの成形孔上部とで中間成形品の頭部を拘束した状態のまま中間成形品の軸部をダイの成形孔奥部に押し込み、該軸部よりも大径の成形孔下部を有しかつ成形孔奥部の中心にセンターピンを突設したダイで圧造加工して軸部の先端側を拡径することにより、頭部と軸部との境界部に周溝部を成形したことを特徴とする請求項1に記載の溝付きプラグの製造方法。
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