JP2008011779A - エステル交換パーム油の製造方法 - Google Patents

エステル交換パーム油の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パーム油を原料とし、連続工程により多量のエステル交換パーム油を生産効率よく製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】リパーゼを用いるエステル交換パーム油の製造方法において、パーム油を窒素気流下130〜150℃で0.5〜10時間加熱処理した後、固定化リパーゼを充填したカラムに連続的に通液し50〜70℃の温度でエステル交換することを特徴とするエステル交換パーム油の製造方法。さらに前記の方法にて得られるエステル交換パーム油を水蒸気蒸留するエステル交換パーム油の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、エステル交換パーム油の製造方法に関する。
硬化油に含まれるトランス酸の摂取が血中LDLコレステロール量を増加させるため健康上好ましくないとの報告がなされている。
マーガリン、ショートニングの製造においては、常温で固体状である可塑性油脂を原料として用いている。ここで、可塑性油脂として硬化油が使用されてきたが、トランス酸の摂取が健康上問題となっているため、硬化油に代わる可塑性油脂が求められている。硬化油の代替として、パーム油などの天然の可塑性油脂をそのまま用いる方法もあるが、この使用ではマーガリン、ショートニング用の原料油脂として求められる性能が十分ではない。そのため、パーム油、パーム分別油などを原料にしてエステル交換した油脂がマーガリン、ショートニング用可塑性油脂として有望とされている。
エステル交換反応は、食用油脂の改質法として重要な技術である。エステル交換の方法として、ナトリウムメチラート等の化学触媒を用いて油脂をエステル交換する方法と、リパーゼなどの酵素を触媒として油脂をエステル交換する方法が知られている。リパーゼを用いると温和な条件下でエステル交換を行うことが可能である。ところが酵素は水溶性であるため、反応基質である油脂に均一に分散することは困難である。このような問題を解決するために酵素を不溶性担体に担持させた固定化酵素が用いられている。そして固定化酵素を採用することによって、カラムへの充填が可能になり、反応の連続化が容易になるなどの利点がある。
日本国内で入手できるパーム油は原産国(主にマレーシア、インドネシア)から保温状態のまま長時間かけて運ばれてきており、油の酸化が進んでいるのが一般的である。酸化した油はそれ自体が酵素の活性低下の原因となりうるため、そのまま酵素でエステル交換する原料としては不向きとされてきた。酵素は油脂中の不純物の影響を受け、失活しやすいからである。
工業的生産において酵素の失活を防止する方法としていくつかの方法が開示されている。原料油脂に対して前処理をする方法として、原料油脂を酸性白土、吸着剤などで処理した精製油脂を使用しこれをエステル交換する方法が開示されている(特許文献1、2)。しかし、これらの方法では工程が複雑となるばかりか、吸着処理後の廃白土のような廃棄物が発生するため工業的な利用としては好ましくない。酵素の劣化を防止する目的で原料油脂中の水分を含ませる方法も開示されているが(特許文献3)、原料油中の水分が多いと、加水分解反応も並行して起こり、エステル交換油の酸価の上昇を招き、エステル交換油の品質を落とすことになる。さらに、固定化酵素に対してなんらかの前処理をする方法も開示されており、固定化酵素にアミノ酸を含有させる方法などがある(特許文献4)。
特開平6−1996号公報 特開平8−275号公報 特公平6−89354号公報 特開平3−183480号公報
パーム油を原料とし、連続工程により多量のエステル交換パーム油を生産効率よく製造することができる製造方法を提供する。
本発明は、リパーゼを用いるエステル交換パーム油の製造方法において、パーム油を窒素気流下130〜150℃で0.5〜10時間加熱処理した後、固定化リパーゼを充填したカラムに連続的に通液し50〜70℃の温度でエステル交換することを特徴とするエステル交換パーム油の製造方法である。
本発明により、パーム油を原料とし、連続工程により多量のエステル交換パーム油を生産効率よく製造することができる。エステル交換工程時における酵素の失活が少なく、固定化担体に固定された酵素は固定化酵素粒子の表面あるいは内部に固定化していても反応にかかわることができるので生産効率がよくなる。また、パーム油の精製に吸着剤を使用しないので、多量の産業廃棄物が生じることがない。
本発明において、エステル交換パーム油は加熱処理によりアニシジン価が上昇するが、水蒸気蒸留工程により容易に、アニシジン価を下げることができる。したがって、本発明によりマーガリン、ショートニング用原料として品質的に有用なノントランス酸タイプのエステル交換パーム油を提供することができる。
(パーム油)
本発明は、窒素気流下130〜150℃で0.5〜10時間加熱処理したパーム油をエステル交換工程に使用する。
本発明で加熱処理するパーム油は、パーム果実より搾油した油を、脱ガム、脱色、水蒸気蒸留の工程を経たいわゆる物理精製パーム油であり、融点35〜40℃、ヨウ素価50〜55のものである。原産国は主にマレーシア、インドネシアであり、日本に輸入される際は、常温で固体の油を液状に保つために、タンク保管、海上輸送において継続して加熱される。そのため日本国内で入手できる時点では油の酸化が進んでおり、一次酸化物の含有量が多く、PV(過酸化物価)で8〜15meq/Kgであることが多い。一方で、アルデヒド、ケトンなどの二次酸化生成物の上昇は少なく、アニシジン価で5以下の場合が多い。
PVが高いパーム油を使用すると、リパーゼ酵素が失活しやすくなる。また、PVが高いパーム油を使用すると、担体の表面に固定化された酵素に比べて内部に固定化された酵素による反応が十分になされず、エステル交換工程における効率が悪くなりやすい。本発明では、パーム油に含まれる過酸化物を熱処理により分解し、アルデヒド、ケトンなどの二次酸化生成物にするとリパーゼ酵素が失活を防止でき、担体の表面に固定化された酵素と同様に内部に固定された酵素においても、交換反応が効率よくなされ作業性が高まることが見出された。
(加熱処理)
本発明において、パーム油を窒素気流下130〜150℃で0.5〜10時間加熱処理して、油脂中の過酸化物を分解する。加熱処理により、PVが減少しアニシジン価が上昇することになる。アニシジン価は、二次酸化物の量的指標であり、本発明は、パーム油を熱処理して、PVが4meq/Kg以下でアニシジン価8〜12としたパーム油をエステル交換に使用することが好ましい。PVが、4meq/Kgを超えると、エステル交換工程において酵素の失活が容易に進行し、また、担体の内部に固定化されたリパーゼが十分に交換反応に寄与できなくなり生産性が悪くなる。また、アニシジン価が8未満では、油脂中に過酸化物が多く含まれていることが多く、熱処理することによる酵素の失活防止効果がほとんど得られない。さらに、担体内部に固定化されたリパーゼも表面に固定化されたリパーゼと同様にエステル化交換反応に寄与でき、生産効率を上げることができる。アニシジン価が12を超えると、酵素の失活防止効果が認められるが、油の分解が進み二次酸化生成物がより多く生成するため、後に水蒸気蒸留工程において二次酸化生成物を除去しきれずに、良好な油の風味を得ることはできないことがあるため好ましくない。
本発明において加熱処理は窒素気流下でおこなう。加熱処理を空気中でおこなうと酸素による油の酸化と過酸化物の分解が同時に起こり、油の品質を劣化する原因となるため好ましくない。
130℃より低い温度で熱処理を行うと過酸化物の分解温度に達しないため、過酸化物を分解する目的を達成することができない。150℃より高い温度で行うと、過酸化物の熱分解以外の副反応が起こり、油の着色、異臭発生の原因となる。熱処理の装置としては、局所加熱を防止するための攪拌装置、熱処理中の空気との接触を避けるための窒素吹き込み装置と真空引き装置を備えたものが好ましい。
加熱処理の時間は、加熱処理の温度によるが0.5〜10時間である。0.5時間より短いと、加熱処理により十分にパーム油中の一次酸化物を二次酸化物にすることができず、10時間を超えるとパーム油の酸化分解が進み、後の水蒸気蒸留工程において十分に脱臭できないこともある。一般に加熱処理時間は、加熱処理の温度が高いとき短く設定される。加熱処理の温度、時間は、処理後のPV及びアニシジン価を測定することにより設定することができる。
(エステル交換)
本発明において、パーム油を単独でエステル交換することもできるが、エステル交換パーム油の物性、食味等を改良する目的で、他の油脂を加えて配合しエステル交換してもよい。他の油脂としては、ナタネ油、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、サフラワー油、米油、ゴマ油、綿実油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、ヤシ油、パーム核油、オリーブ油、サル脂、イリッペ脂、カカオ脂、魚油、ラード、牛脂など、およびそれらを配合、分別、極度水添したものが挙げられる。
油脂中の水分量を200ppm以下、特に100ppm以下とするのが好ましい。リパーゼ酵素は水とも反応し、油脂を加水分解反応する。すなわち、水分量が多いと加水分解が優勢になり、十分にエステル交換をすることができず、遊離脂肪酸が増加し好ましくない。
本発明において、固定化リパーゼはリパーゼを固定化担体に吸着結合したものである。本発明に用いられる固定化担体を具体的に例示すれば、活性炭、白土、シリカゲル、ケイソウ土、炭酸カルシウム、セライト、セルロース及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、ガラス、樹脂のような素材で多孔質の吸着型担体を挙げることができる。このような吸着型担体を用いた固定化リパーゼでは、リパーゼによるエステル交換反応がなされる以外に、担体が吸着剤として働いてパーム油の不純物の除去ができ、例えば製造するエステル交換パーム油のPVを低下させることができる。特にシリカゲルを担体として用いると、エステル交換と同時にPV、色調が顕著に低下するため好ましい。また、固定化酵素を一定の粒系にするために付型剤などを用いて造粒することもある。本発明では、固定化リパーゼとしては粒径が50〜1000μmのもの、特に500〜1000μmのものを使用するのが好ましい。
上記担体に固定化されるリパーゼとしては、アルカリゲネス属、ジオトリウム属、クロモバクテリウム属、リゾプス属、アスペルギルス属、ペニシリウム属、キャンディダ属、シュードモナス属、ムコール属、またはジオトリクム属などの微生物由来のリパーゼが挙げられる。
これら酵素を固定化担体に固定化するには、上記酵素を脱イオン水、蒸留水等の水または緩衝液に分散または溶解させたのち、上記固定化担体に均一散布する。このとき、固定化担体とリパーゼの比率はリパーゼ1質量部に対して固定化担体を4〜500質量部用いればよい。緩衝液を用いる場合の調整pHは酵素の示適pH付近が好ましい。緩衝液としては、特に規定されないが、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液を用いることができる。その後減圧乾燥等で水分を除去して固定化酵素が得られる。乾燥後の水分は0.5質量%〜10質量%となるようにするのが好ましい。10重量%を超える場合、パーム油の加水分解が起こり、酸価が上昇することから好ましくない。
本発明においてエステル交換反応は50〜70℃で行うことが好ましい。50℃より低いとパーム油あるいは製造されるエステル交換パーム油が固体状になりやすく、生産効率が低くなる。70℃より高いと、リパーゼが熱により失活しやすくなる。
(カラム)
本発明において、反応様式は固定化リパーゼを充填したカラムに原料油脂を連続的に通液させるカラム反応で行うことができる。カラムの構造は、耐圧構造で30〜70℃の反応温度を保てる保温構造のもので、カラムにおいて固定化リパーゼを流出せず、反応した油のみが通液できる過膜構造を必要とする。カラム内の圧力増加は、固定化酵素の失活要因になるため、その際、カラム内部圧力が0.2MPa以下で通液できることが好ましい。カラムにおける通液量は、固定化リパーゼ100質量部に対して20質量部/時間〜1000質量部/時間が好ましい。
本発明において、固定化リパーゼを充填したカラムに35〜70℃において油脂を通液し、油脂と酵素を接触する連続反応によりエステル交換油を得ることができる。エステル交換の程度は製造される油脂の脂肪酸分布、固体脂含量、融点等の物性により評価することができる。
連続反応において製造されるエステル交換油の交換率は、カラムの温度、通液速度において調整することができる。例えば、通液速度が遅いほど、油脂とリパーゼとが接する時間が長くなり、エステル交換率が上がることになる。一方で、連続反応において、失活によりリパーゼの活性は時間の経過により低下する。したがって、連続反応において同一な物性のエステル交換パーム油を安定して製造するのには、通液速度などを調整し、製造物を一定のエステル交換率に維持することが好ましい。
本発明により、製造されるエステル交換パーム油は、マーガリン、ショートニング原料として適した物性に調整することができる。
さらに本発明は、前記の方法にて得られるエステル交換パーム油を水蒸気蒸留するエステル交換パーム油の製造方法である。前記の方法で製造されるエステル交換パーム油においてアニシジン価は5〜13となるが、後の水蒸気蒸留工程により二次酸化物を除去できるのでこの値を容易に減少させることができる。水蒸気蒸留工程は油脂の精製に一般的に用いられている方法であり、例えば200〜250℃、真空度700Pa以下で、0.5〜2時間水蒸気を吹込む水蒸気蒸留の条件でエステル交換パーム油のアニシジン価を0.5以下とすることができる。
以下に実施例等にて本発明を更に詳しく説明する。
パーム油の化学分析は以下におこなった。
アニシジン価(AnV):基準油脂分析試験法2.5.3
過酸化物価(PV):基準油脂分析試験法2.5.2
酸価(AV):基準油脂分析試験法2.3.1
製造例1〜4
マレーシアから輸入したRBDパーム油(原油)を、窒素気流下、表1の条件で加熱処理した。RBDパーム油のAnVは4.0、PVは12.1meq/Kgであった。処理後のAnV及びPVを表1に示した。
Figure 2008011779
製造例1〜3において、本発明の加熱処理の条件では製造例4の条件に比べて、RBDパーム油のPVが大きく減少し、アニシジン価が大きく増加することが分かる。
実施例1〜3及び比較例1、2
製造例1〜4で加熱処理したRBDパーム油、またはRBDパーム油の原油と、パーム核油とを以下の操作でエステル交換した。
70質量部のRBDパーム油とRBDパーム核油30質量部を混合し、固定化リパーゼ(リポザイムTLIM ;アスペルギルス属の酵素をシリカゲルに固定化、ノボザイム社製)4.5kgを充填したカラム(直径20cm、長さ50cm)に、圧力0.01MPa〜0.1MPa、温度60〜70℃で、通液量5〜10kg/時間で通液し、エステル交換を行った。
油脂のリパーゼによるエステル交換反応はリパーゼの失活が原因となり、反応が終了することになる。リパーゼが失活するまでに、通液できる油脂の量が生産効率の点で重要である。そこで、リパーゼが失活するまでの時間(通液可能時間)と通液により固定化リパーゼ酵素1kg当たりの製造された量により、生産効率を評価することにした。具体的には、カラム通過後のパーム油におけるエステル交換の程度を一定に維持することにし、リパーゼの失活に伴い通液速度を遅くするように調整した。初期の通液速度が10kg/時間であることから、反応開始時の1/2である5kg/時間となった時点を終点とし、通液時間とエステル交換パーム油の製造量を求めた。
ここで、エステル交換の程度は、製造されるエステル交換パーム油中のトリアシルグリセロール(以下TG)を構成する脂肪酸の炭素数の総和が32〜54のTGをガククロマトグラフィー法で分析し、パーム核油由来である炭素数総和が32、34、36の3種のTGの合計量が全TGに対して5%以下となることを指標(エステル交換率で80%以上に相当)とした。
次に、反応終了後の固定化酵素について、その酵素活性を検討した。そのままの顆粒の状態及び、これをすり潰した状態で、酵素活性を測定した。すり潰し状態は、顆粒10gを、乳鉢に採取しこれをすり潰したものである。顆粒状態での酵素活性は担体の表面にあるリパーゼの活性を測定するに過ぎないが、これをすり潰すと担体の内部にある酵素が露出し、その酵素を含めて酵素全体の活性を測定できる。酵素の活性は、JIS K0601−1988に従い測定した。
Figure 2008011779
本発明の加熱処理したパーム油を使用し、エステル交換反応した場合(実施例1〜3)、比較例1、2に比べて、通液可能時間を長くでき、エステル交換パーム油の製造量も高かった。単位酵素当たりの生産効率が高くなることがわかる。
また、本発明の加熱処理したパーム油を使用した場合、リパーゼの酵素活性は顆粒状の場合も、すり潰した場合も同程度に失活し低くなっている。一方で、比較例1、2のパーム油を使用した場合は、顆粒状の場合に比べすり潰した場合の酵素活性が高かった。この理由として、比較例1、2のパーム油を使用した場合は、内部に固定化された酵素はパーム油のエステル交換反応に寄与できずにそのままの活性が維持されたためと考えられる。本発明の加熱処理したパーム油を使用した場合、パーム油は担体の内部にも浸透でき、内部に固定化された酵素もパーム油のエステル交換反応に寄与し、その結果表面の酵素と同様に失活したものである。したがって、本発明においては、担体の表面と同様に内部に固定化されたリパーゼが反応に寄与できることから生産効率がよくなることになる。
本発明の製造方法で得られるエステル交換パーム油は、比較例に比べて、PV、AVが低く、精製度の高いエステル交換パーム油となる。
実施例4〜6及び比較例3、4
実施例1〜3及び比較例1、2で製造したエステル交換パーム油を下記の方法で水蒸気蒸留し精製した。
上記のエステル交換で得られた油1kgを真空下において、200〜220℃に加熱しながら2時間水蒸気を吹き込み、水蒸気蒸留を行った。終了後精製油のAnV、PV及びAVを測定し、その値を表3に示した。
Figure 2008011779
本発明のエステル交換パーム油を水蒸気蒸留すると、AnV(アニシジン価)を減少させることができ、精製度の高いエステル交換パーム油が得られることが分かる。

Claims (1)

  1. リパーゼを用いるエステル交換パーム油の製造方法において、パーム油を窒素気流下130〜150℃で0.5〜10時間加熱処理した後、固定化リパーゼを充填したカラムに連続的に通液し50〜70℃の温度でエステル交換することを特徴とするエステル交換パーム油の製造方法。
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