JP2008009748A - 決済処理システムおよび決済処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】利用者自らが決済サービス情報の優先順位を設定する必要のない決済処理システム、および決済処理装置を提供する。
【解決手段】決済処理システムは、決済サービス情報を記録した電子マネーカードと、そのカードから決済サービス情報を読み出した場合に決済サービス情報に基づいて決済処理が実施可能となる決済処理装置とを備えている。そのカードは、実施した決済の取引履歴を決済サービス情報に関連付けて格納するメモリを備えている。決済処理装置は、電子マネーカードに複数の決済サービス情報が記録されている場合に電子マネーカードのメモリに格納された取引履歴を読み出し、且つ読み出した取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段と、優先順位設定手段で設定した優先順位に従って決済サービス情報を表示し、且つ表示された内容から決済処理を実施する決済サービス情報を選択する表示選択手段とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばICカード等の記録媒体に記録された決済サービス情報に基づいて決済処理を実施する決済処理システム、および決済処理装置に関するものである。
従来より、ICカード等の記録媒体と、商品やサービスの代価を、上記記録媒体に記録された決済サービス情報に基づいて決済処理を実施する決済処理装置(端末装置)とを備えた決済処理システムが知られている。
記録媒体には、決済サービス情報が複数、記録されている。決済サービス情報は、例えば決済処理システムを運営する決済事業者を識別する識別情報と、決済処理システムで金額に相当する有価価値情報とを有している。
例えば、上記記録媒体には、第1決済事業者の識別情報、および利用者が第1決済事業者に預けてある金額に相当する第1有価価値情報を記録してある。換言すれば、記録媒体には、第1決済事業者に関する決済サービス情報「A」が記録されている。
また、記録媒体には、第2決済事業者の識別情報、および利用者が第2決済事業者に預けてある金額に相当する第2有価価値情報を記録してある。換言すれば、記録媒体には、第2決済事業者に関する決済サービス情報「B」が記録されている。
さらに、記録媒体には、第3決済事業者の識別情報、および利用者が第3決済事業者に預けてある金額に相当する第3有価価値情報を記録してある。換言すれば、第3決済事業者の決済サービス情報「C」が記録されている。
決済処理装置は、記録媒体から決済サービス情報「A」「B」「C」を読み出した場合に当該決済サービス情報「A」「B」「C」に基づいて利用者と上記決済事業者との間で決済処理が実施されることとなる。具体的には、利用者が商品を購入し、購入した商品の代価を第1決済事業者に預けた金額から支払う場合、先ず、決済処理装置のリーダライタ部に記録媒体を配置する。リーダライタ部では、記録媒体に記録されている決済サービス情報「A」「B」「C」を読み出し、例えばそれに基づいて決済事業者「A」「B」「C」が決済処理装置の表示手段に表示されることとなる。
この状態で、利用者または商品を販売している係員が、第1決済事業者「A」を選択すると、商品の代価に相当する支払金額情報が上記第1有価価値情報から減算されることで決済処理が行われることとなる。
このような決済処理システムの中には、記録媒体にあらかじめ決済処理を実施する決済サービス情報の優先順位を書き込んでおくものがある。具体的には、例えば専用の設定機で、決済サービス情報「A」に基づいて決済処理を実施する優先度を「1」に設定し、決済サービス情報「B」に基づいて決済処理を実施する優先度を「2」に設定し、決済サービス情報「C」に基づいて決済処理を実施する優先度を「3」に設定し、その設定した優先度に従った優先順位を記録媒体に記録しておく。
この決済処理システムで、商品やサービスの代価の決済処理を実施する場合には、上記優先順位に基づいて利用者と決済事業者との間で決済が実施されることとなる。すなわち、上記の例では、先ず、第1決済事業者と利用者との間で決済処理を実施する。このとき、例えば商品の代金の額よりも、第1決済事業者に預けてある金額の方が大きい場合、決済処理装置は、第1決済事業者に預けてある金額に相当する第1有価価値情報から、商品の代金の額に相当する支払金額情報を減算処理して新たな第1有価価値情報を算出し、その新たな第1有価価値情報を記録媒体に記録することで決済処理を行う。
ところで、商品の代金の額よりも、第1決済事業者に預けた金額の方が小さい場合には、いわゆる残高不足となる事態を招く。この場合、先ず、決済処理装置は、第1有価価値情報を0円に相当するものに書き換える減算処理を行い、その書き換えた第1有価価値情報を記録媒体に記録する。また、決済処理装置は、商品の代金の額から、第1決済事業者に預けてある金額を差し引いた不足額を、第2有価価値情報に相当する額から減算処理して新たな第2有価価値情報を算出し、その新たな第2有価価値情報を記録媒体に記録することで決済処理を実施していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−151011号公報
ところで、今日では、新たな決済事業者が新たな決済サービスを次々に提供している。このような状況の下では、利用者が利用できる決済サービスの数が膨大となるとともに、記録媒体に記録されている決済サービス情報の数も膨大となり、且つ利用者が最も良く利用する決済サービスも変化することとなる。上記決済処理システムでは、利用者が最も良く利用する決済サービスが変化した場合、利用者自らが専用の設定機で、膨大な数の決済サービス情報の優先順位を設定しなければならず、設定の作業に手間がかかる問題があった。
本発明は、上記実情に鑑み、利用者自らが決済サービス情報の優先順位を設定する必要のない決済処理システム、および決済処理装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は、決済サービス情報を記録した記録媒体と、記録媒体から決済サービス情報を読み出した場合に当該決済サービス情報に基づいて決済処理が実施可能となる決済処理装置とを備えた決済処理システムにおいて、前記記録媒体は、実施した決済処理の取引履歴を決済サービス情報に関連付けて格納する記憶手段を備え、前記決済処理装置は、記録媒体に複数の決済サービス情報が記録されている場合に記録媒体の記憶手段に格納された取引履歴を読み出し、且つ読み出した取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段と、優先順位設定手段で設定した優先順位に従って決済サービス情報を表示する表示手段と、表示手段に表示された内容から決済処理を実施する決済サービス情報を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、記録媒体から決済サービス情報を読み出した場合に当該決済サービス情報に基づいて決済処理が実施可能となる決済処理装置において、記録媒体に複数の決済サービス情報が記録され、且つ記録媒体が備える記憶手段に実施した決済処理の取引履歴が決済サービス情報に関連付けて格納されている場合に、前記記憶手段に格納された取引履歴を読み出し、且つ読み出した取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段と、優先順位設定手段で設定した優先順位に従って決済サービス情報を表示する表示手段と、表示手段の表示内容から決済処理を実施する決済サービス情報を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
請求項1にかかる決済処理システムによれば、取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段を備えるため、利用者自らが決済サービス情報の優先順位を設定する必要がない。
請求項2にかかる決済処理装置によれば、取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段を備えるため、利用者自らが決済サービス情報の優先順位を設定する必要がない。
以下、添付図面を適宜参照しながら、本発明にかかる決済処理システムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の決済処理システムを概念的に示したものである。この決済処理システムは、商品やサービスの代価を決済処理する場合に使用する電子マネーカード(記録媒体)10と、その電子マネーカード10に所定の決済処理を実施する決済処理装置20とを備えている。
この実施の形態で適用対象とする電子マネーカード10は、例えばICチップを備えた非接触式のICカードであり、制御部11と、記憶手段であるメモリ12とを備えている。制御部11は、決済処理装置20から所定の要求が行われた場合に、その要求に応答するものである。メモリ12は、共有記憶領域13とセキュアな記憶領域14とを有している。各記憶領域13,14には、データベース13a,14aがそれぞれ構築されている。
記憶領域14のデータベース14aは、例えば決済処理システムを運営する決済事業者を識別する識別情報と、決済処理システムにおいて金銭に相当する有価価値情報とを有した決済サービス情報である。識別情報および有価価値情報は、いずれも暗号化され、かつ互いに対応付けた状態で記憶領域14に記憶してある。この決済処理システムでは、1枚の電子マネーカード10で複数の決済事業者との決済処理が可能であり、複数の識別情報と複数の有価価値情報とが記憶領域14に記録されている。
共有記憶領域13のデータベース13aは、例えば決済事業者を識別する識別情報と、その決済事業者が運営する決済処理システムを利用して実施された決済処理に関する取引履歴とを互いに関連付けて記録したものである。取引履歴に関しては、平文の状態で記録されている。
図2は、これらのデータベース14a,13aの具体的な例を示したものである。すなわち、データベース14aには、第1決済事業者である「A」の識別情報と、第1決済事業者「A」に利用者が預けた金額に対応する有価価値情報とが関連付けて記録されている。図2に示す例では、第1決済事業者「A」に対して利用者が預けた金額が3000円であることを示している。
同様に、図2に示す例では、データベース14aに、第2決済事業者「B」及び第3決済事業者「C」に関する決済サービス情報が記録してある。第2決済事業者「B」に対して利用者が預けた金額は1000円であり、第3決済事業者「C」に対して利用者が預けた金額は3000円である。
一方、共有記憶領域13のデータベース13aには、日付と、決済処理を実施する前の有価価値情報と、決済金額とで構成された取引履歴が記録してある。図2に示す例では、第1決済事業者「A」と利用者との間で、2006年5月30日と、2006年4月30日とに決済処理を実施したことが記録されている。2006年5月30日に実施した決済処理に関しては、そのときの決済金額が1000円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が4000円に相当するものであったことが記録されている。2006年4月30日に実施した決済処理に関しては、そのときの決済金額が500円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が4500円に相当するものであったことが記録されている。
同様に、データベース13aには、第2決済事業者「B」と利用者との間で、2006年5月20日と、2006年4月20日とに決済処理を実施したことが記録されている。2006年5月20日に実施した決済処理は、そのときの決済金額が500円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が1500円に相当するものであったことが記録されている。2006年4月20日に実施した決済処理は、そのときの決済金額が1500円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が3000円に相当するものであったことが記録されている。
さらに、データベース13aには、第3決済事業者「C」と利用者との間で、2006年5月10日と、2006年4月10日とに決済処理を実施したことが記録されている。2006年5月10日に実施した決済処理は、そのときの決済金額が1500円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が4500円に相当するものであったことが記録されている。2006年4月10日に実施した決済処理は、そのときの決済金額が1000円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が5500円に相当するものであったことが記録されている。なお、図2においては、直近の決済処理の取引履歴をそれぞれ2回、例示しただけであり、これらの前に実施した決済処理は省略してある。
決済処理装置20は、図1に示すように、リーダライタ部21と、入力部22と、表示選択手段23と、印字手段24と、メモリ25と、端末制御部26とを備えている。
リーダライタ部21は、所定の保持領域に電子マネーカード10が配置された場合に、この電子マネーカード10のメモリ12に格納されている情報を読み出し、且つ電子マネーカード10のメモリ12に情報の書き込みを行うものである。
入力部22は、例えばテンキーおよび機能キーで構成してあり、利用者が商品を購入した場合に、その商品の代価に相当する支払金額情報を端末制御部26に入力するものである。
表示選択手段23は、表示手段および選択手段として機能するもので、例えばタッチパネルで構成してある。この表示選択手段23は、端末制御部26からの指令に基づいて所定の表示を行うとともに、表示された画面の所定の部位が押圧操作された場合、その操作の内容を端末制御部26に入力するものである。
印字手段24は、端末制御部26の指令に応じて出力を行うものである。具体的には、決済処理を行った場合に、その決済処理の内容をレシートとして印字出力するものである。メモリ25は、例えば端末制御部26が設定した内容を記録するものである。
端末制御部26は、入力部22、表示選択手段23、印字手段24、リーダライタ部21を統括的に制御するものである。例えば、入力部22から商品やサービスの代価である支払金額情報が入力された場合に、上記有価価値情報から支払金額情報を減算する処理、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10に所要の要求を行う処理、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10からの応答を受ける処理、減算処理の結果を上記表示選択手段23を通じて表示する処理、決済処理が完了した場合に印字手段24を通じてレシートに出力する処理を行う。
この端末制御部26は、優先順位設定手段27と、決済処理手段29とを有している。優先順位設定手段27は、後述するように取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定するものである。
決済処理手段29は、決済サービス情報に記録された有価価値情報と、商品の代価に相当する支払金額情報との大小を比較して残高不足か否かの判断を行い、また選択された決済サービス情報の有価価値情報から支払金額情報を減算する処理も行う。さらに、決済処理手段29は、実施した決済処理の日付、決済処理を実施する前の有価価値情報、および決済金額を決済サービス情報に関連付けて取引履歴を作成し、作成した取引履歴を電子マネーカード10のメモリ12に格納するものである。
なお、本実施の形態では、上記メモリ12の記憶領域14にアクセスする際に必要となる暗号鍵等のセキュリティ情報を保持するモジュールが端末制御部26に予め決済事業者ごとに用意してあり、1台の決済処理装置20で複数の決済事業者に関する有価価値情報を処理することが可能となる。
図3は、上述した決済処理装置20の端末制御部26が実施する処理の内容を説明するためのフローチャートである。以下、この図3を参照しながら、本実施の形態にかかる決済処理装置20が決済処理を実施する場合の動作について説明する。なお、以下においては便宜上、現在の日付が2006年6月15日であるとして説明を行う。
図3に示すように、この決済処理装置20の端末制御部26は、入力部22に支払金額が入力されるのを常時監視する(ステップS101)。いま、入力部22を通じて5000円の支払金額が入力されたとすると(ステップS101:YES)、端末制御部26は、リーダライタ部21に対してカード捕獲指令を送出し(ステップS102)、その後、リーダライタ部21を通じたカード捕獲応答待ち状態となる(ステップS103)。
この状態において、カード捕獲応答を受信した場合、端末制御部26は、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10の識別情報を読み取り(ステップS104)、その後、読み取った識別情報に基づき、表示選択手段23を通じて決済事業者の表示を行い(ステップS105)、その後、決済処理を実施する(ステップS200)。
ステップS105の表示内容は、表示選択手段23に表示した決済事業者の中から決済処理を実施する決済事業者を、利用者に選択させるためのものである。図2に示した具体例では、端末制御部26によって、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10から第1決済事業者「A」の識別情報、第2決済事業者「B」の識別情報、および第3決済事業者「C」の識別情報が読み取られた後、表示選択手段23に決済事業者「A」「B」「C」の選択画面が表示されることになる。
図4は、図3に示した決済処理において決済処理装置20と電子マネーカード10との間で実施される処理の内容を説明するためのシーケンス図である。以下、図4を参照しながら決済処理の内容について詳述する。
この決済処理において端末制御部26は、表示選択手段23に表示された決済事業者から所望のものが選択されると、つまり所望の決済事業者の表示部分が押圧されると、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10の制御部11に対して、選択した決済事業者に関する有価価値情報の送信要求を行う。
図4に示す例では、利用者により第1決済事業者「A」が選択されたため、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10の制御部11に、第1決済事業者「A」に関する有価価値情報の送信要求が行われることになる。
有価価値情報の送信要求を受信した電子マネーカード10の制御部11は、メモリ12に格納されている第1決済事業者「A」に関する有価価値情報(金額3000円に相当するもの)を読み取り、リーダライタ部21を通じて端末制御部26に、第1決済事業者「A」に関する有価価値情報の送信応答を行う。
上記応答を受けた端末制御部26は、決済処理手段29によって、商品の代価に相当する支払金額情報と、上記決済事業者に関する有価価値情報との大小を比較する(ステップS201)。支払金額情報よりも有価価値情報が大きい場合、決済処理手段29は、有価価値情報から支払金額情報を減算処理して新たな有価価値情報を算出する。その後、決済処理手段29は、リーダライタ部21に新たな有価価値情報の書き込み指令を送信する。書き込み指令を受信したリーダライタ部21は、電子マネーカード10のメモリ12に、対応する決済事業者に関して新たな有価価値情報の書き込みを行って決済処理の実施を終了する。一方、有価価値情報よりも支払金額情報が大きい場合、決済処理手段29は残高不足となったことを判断し、決済処理の実施を継続する。
上記具体例では、支払金額情報は5000円に相当し、有価価値情報は3000円に相当する。このことから、有価価値情報よりも支払金額情報が大きいため、決済処理手段29は残高不足となったことを判断し、決済処理の実施を継続する。さらに、決済処理手段29は、決済処理を実施した場合、その日付、決済処理を行う前の有価価値情報、および決済金額を決済サービス情報に関連付けた取引履歴を作成し、その取引履歴を、リーダライタ部21を介して電子マネーカード10のメモリ12に格納するものである。
次に、端末制御部26は、メモリ25に格納されている決済サービス情報を呼び出して、使用可能な決済事業者の決済サービス情報の有無を判断する(ステップS202)。使用可能な決済事業者の決済サービス情報がない場合、端末制御部26は、その旨を表示選択手段23に表示して決済処理の実施を終了する。一方、使用可能な決済事業者の決済サービス情報がある場合、端末制御部26は、決済処理を継続する。
上記具体例では、メモリ25に第2決済事業者「B」の決済サービス情報と第3決済事業者「C」の決済サービス情報とが格納されている。従って、使用可能な決済事業者の決済サービス情報があるため、端末制御部は、決済処理を継続する。
次いで、端末制御部26の優先順位設定手段27は、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10の制御部11に、使用可能な決済サービス情報の取引履歴の送信要求を行う。
上記具体例では、端末制御部26の優先順位設定手段27は、リーダライタ部21を通じて電子マネーカード10の制御部11に、第2決済事業者「B」の取引履歴の送信要求を行い、且つ第3決済事業者「C」の取引履歴の送信要求を行う。
次に、決済事業者の取引履歴の送信要求を受けた制御部11は、メモリ12に格納されている決済事業者の取引履歴を読み取り、リーダライタ部21を通じて端末制御部26に応答する。
上記具体例では、決済事業者の取引履歴の要求を受けた制御部11は、メモリ12に格納されている第2決済事業者「B」の取引履歴を読み取り、リーダライタ部21を通じて端末制御部26に応答する。また、制御部11は、メモリ12に格納されている第3決済事業者「C」の取引履歴を読み取り、リーダライタ部21を通じて端末制御部26に応答する。
次いで、優先順位設定手段27は、決済事業者の取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する(ステップS203)。
ここでは、取引履歴である決済処理を実施する前の有価価値情報と、決済金額とを使用して金額に関する第1優先度を算出し、且つ取引履歴である日付を使用して時間に関する第2優先度を算出し、その第1優先度と第2優先度から合計優先度を算出して、決済サービス情報の優先順位を設定するもので説明する。なお、金額に関する第1優先度は、金額が大きいものの優先度を上位に算出し、時間に関する第2優先度は、現在に近いものの優先度を上位に算出するものとする。
優先順位設定手段27は、先ず、2006年5月20日に実施した決済、すなわち、決済金額が500円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が1500円に相当するものであったという取引履歴に基づき、現在の第2決済事業者「B」の有価価値情報が1000円に相当するものであることを算出する。また、優先順位設定手段27は、2006年5月10日に実施した決済、すなわち、決済金額が1500円であり、決済処理を行う前の有価価値情報が4500円に相当するものであったという取引履歴に基づき、現在の第3決済事業者「C」に関する有価価値情報が3000円に相当するものであることを算出する。従って、優先順位設定手段27は、第1優先度に関して、第3決済事業者「C」の優先度を「1」と算出し、且つ第2決済事業者「B」の優先度を「2」と算出する。また、優先順位設定手段27は、第2優先度に関して、第2決済事業者「B」の優先度を「1」に算出し、且つ第3決済事業者「C」の優先度を「2」に算出する。
第1優先度と第2優先度とから合計優先度を算出する例を説明する。合計優先度は、第1優先度と第2優先度とを加えることで算出するが、金額に関する第1優先度を重要とみなし、第1優先度に係数の『3』をかけたものに、第2優先度を加えて合計優先度を算出する。
第2決済事業者「B」に関する合計優先度は、図5に示すように、第1優先度の「2」に係数の『3』をかけたものに第2優先度の「1」を加えた7である。一方、第3決済事業者「C」に関する合計優先度は、第1優先度の「1」に係数の『3』をかけたものに、第2優先度の「2」を加えた5である。優先順位設定手段27は、合計優先度の数字の小さいものの優先順位を高く設定するため、第3決済事業者「C」の優先順位を「1」に設定し、第2決済事業者「B」の優先順位を「2」に設定する。
次いで、端末制御部26は、その優先順位設定手段27が設定した優先順位を、表示選択手段23で表示する(ステップS204)。
上記具体例では、例えば、第3決済事業者「C」の左方に優先度の「1」を付し、且つ第2決済事業者「B」の左方に優先度の「2」を付し、第2決済事業者「B」の上方に第3決済事業者「C」を配置することで、利用者に優先順位が理解できるように表示選択手段23に表示する。
次に、端末制御部26は、表示された決済事業者の中から、決済処理を実施する決済事業者が選択されるのを待機する。そして、操作があった場合、決済処理手段29は、始めに選択された決済事業者に関する有価価値情報を0円に相当するものに変更する減算処理を行う。加えて、決済処理手段29は、不足額についての減算処理を、上記操作によって選択された決済事業者に関する有価価値情報から行う(ステップS205)。
上記具体例では、図4に示すように、始めに第1決済事業者「A」が選択され、且つ不足額については第3決済事業者「C」が選択されたため、第1決済事業者「A」に関する有価価値情報を0円に相当するものに変更する減算処理を行い、不足額については、第3決済事業者「C」に関する有価価値情報から減算処理を行う。具体的には、第1決済事業者「A」の有価価値情報を3000円に相当するものから0円に相当するものに変更する減算処理を行い、且つ第3決済事業者「C」の有価価値情報を3000円に相当するものから1000円に相当するものに変更する減算処理を行う。
次に、決済処理手段29は、リーダライタ部21に、上記減算処理に対応した有価価値情報の書き込みを要求する。書き込み要求を受けたリーダライタ部21は、その要求に従って、電子マネーカード10のメモリ12に書き込みを行う。また、決済処理手段29は、今回、実施した決済処理の取引履歴を決済サービス情報に関連付けて、電子マネーカード10のメモリ12に格納する。
上記具体例において、図4に示すように、決済処理手段29は、リーダライタ部21に、第1決済事業者「A」に関する有価価値情報を0円とする書き込みを要求する。また、端末制御部26は、リーダライタ部21に、第3決済事業者「C」に関する有価価値情報を1000円とする書き込みを要求する。書き込み要求を受けたリーダライタ部21は、その要求に従って、電子マネーカード10のメモリ12に書き込みを行う。さらに、決済処理手段29は、第1決済事業者「A」に関し、決済処理を実施する前の有価価値情報が3000円であり、2006年6月15日に決済金額3000円の決済処理があったことを、リーダライタ部21を介して電子マネーカード10のメモリ12に記録する。また、決済処理手段29は、第3決済事業者「C」に関し、決済処理を実施する前の有価価値情報が3000円であり、2006年6月15日に決済金額2000円の決済処理があったことを、リーダライタ部21を介して電子マネーカード10のメモリ12に記録する。
最後に、端末制御部26は、表示選択手段23に実施した決済処理の内容を表示させるとともに、印字部からレシートを出力して決済処理を終了する(ステップS206)。
上記具体例において、端末制御部26は、表示選択手段23に、『第1決済事業者「A」3000円→0円、第3決済事業者「C」3000円→1000円』と表示して決済処理の内容を表示するとともに、印字部からレシートを出力して、決済処理を終了する。
この発明によれば、取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段27を備えるため、利用者自らが決済サービス情報の優先順位を設定する必要がない。
なお、上述した実施の形態には、記録媒体がICカードであるもので説明した。しかしながら、この発明はそれに限られず、例えば記録媒体として携帯電話を用いても良い。
また、この発明は、電子マネーカード10による電子決済に限られず、デビット決済によるもの等、その他の電子決済を適用することも可能である。デビッド決済やクレジット決済では、記録媒体に有価価値情報を記録する必要がないため、決済サービス情報としては、銀行やクレジット決済を行う事業者を特定できる識別情報が記録されていれば十分である。
また、上述した実施の形態には、取引履歴として、決済金額、決済処理を行う前の有価価値情報、および日付を使用し、それらに基づいて決済サービスの優先順位を設定するもので説明した。しかしながら、この発明はそれに限られず、取引履歴として決済金額、および決済処理を行う前の有価価値情報を使用し、それらに基づいて決済サービスの優先順位を設定しても良い。この場合には、決済金額および決済処理を行う前の有価価値情報から算出した現在の有価価値情報が多いものの優先度を「1」に設定し、有価価値情報が少なくなるに従って順次、優先度が小さくなるように設定する。
もちろん、取引履歴として日付のみを使用しても良い。この場合には、例えば日付が最も近いものの優先度を「1」に設定し、日付が遠くなるに従って順次、優先度が小さくなるように設定する。もちろん、日付に限られず、時分までをも加味した日時によって優先順位を設定しても良い。
さらに取引履歴として、他のパラメータを設定しても良い。例えば、決済を行った回数、決済を行った決済処理装置20のシリアルナンバー、商品の種別を表す商品ナンバーによって優先順位を設定しても良い。
また、残高不足となった場合に、決済処理の実施を行う決済サービス情報の組み合わに許可、不許可を設定しても良い。例えば、図6に示すように、決済サービス情報「A」と決済サービス情報「B」に基づいて決済処理を実施しても良いが、決済サービス情報「A」と決済サービス情報「C」に基づいて決済処理を実施してはならず、且つ決済サービス情報「B」と決済サービス情報「C」に基づいて決済処理を実施してはならいよう設定しても良い。上記許可、不許可の設定は、例えば電子マネーカード10のメモリ12に記録しても良いし、決済処理装置20のメモリ25に記録しても良い。
さらに、決済サービス情報に対応してキャンペーンを設定しても良い。ここで、キャンペーンとは、例えば特定の決済サービス情報に基づいて決済処理を実施した場合に、商品の代価を5%引きとする等の処理をいう。例えば、図7に示すように、決済サービス情報「A」に基づいて決済処理を実施した場合にはキャンペーン「D」が適用され、決済サービス情報「B」に基づいて決済処理を実施した場合、および決済サービス情報「C」に基づいて決済処理を実施した場合には、キャンペーン「E」がそれぞれ適用される。
また、上記実施の形態には、表示選択手段23に決済事業者「A」「B」「C」を表示するもので説明した。しかしながら、この発明はそれに限られず、決済事業者が有するブランド名(役務商標)を表示選択手段に表示させても良い。
この発明にかかる決済処理システムの模式的に示した概念図である。 図1に示す決済処理システムが備える電子マネーカードにおいて、その電子マネーカードのメモリに構築されるデータベースの内容を示す説明図である。 図1に示す決済処理システムが備える決済端末において、その決済端末が実施する処理の内容を説明するためのフローチャートを示す図である。 図3に示す決済端末の処理内容を説明するためのシーケンス図である。 取引履歴から算出した有価価値情報の優先度と、日付の優先度から最終的な優先順位を算出する場合を示す説明図である。 残高不足となった場合に、決済処理の実施を行う決済サービスの組み合わせに応じて、許可、不許可を設定した場合を示す説明図である。 決済サービスに対応してキャンペーンを設定した場合を示す説明図である。
符号の説明
10 電子マネーカード(記録媒体)
12 メモリ(記憶手段)
20 決済処理装置
27 優先順位設定手段
24 表示選択手段(表示手段)(選択手段)

Claims (2)

  1. 決済サービス情報を記録した記録媒体と、
    記録媒体から決済サービス情報を読み出した場合に当該決済サービス情報に基づいて決済処理が実施可能となる決済処理装置と
    を備えた決済処理システムにおいて、
    前記記録媒体は、実施した決済処理の取引履歴を決済サービス情報に関連付けて格納する記憶手段を備え、
    前記決済処理装置は、
    記録媒体に複数の決済サービス情報が記録されている場合に記録媒体の記憶手段に格納された取引履歴を読み出し、且つ読み出した取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段と、
    優先順位設定手段で設定した優先順位に従って決済サービス情報を表示する表示手段と、
    表示手段に表示された内容から決済処理を実施する決済サービス情報を選択する選択手段と
    を備えることを特徴とする決済処理システム。
  2. 記録媒体から決済サービス情報を読み出した場合に当該決済サービス情報に基づいて決済処理が実施可能となる決済処理装置において、
    記録媒体に複数の決済サービス情報が記録され、且つ記録媒体が備える記憶手段に実施した決済処理の取引履歴が決済サービス情報に関連付けて格納されている場合に、前記記憶手段に格納された取引履歴を読み出し、且つ読み出した取引履歴に基づいて決済サービス情報の優先順位を設定する優先順位設定手段と、
    優先順位設定手段で設定した優先順位に従って決済サービス情報を表示する表示手段と、
    表示手段の表示内容から決済処理を実施する決済サービス情報を選択する選択手段と
    を備えることを特徴とする決済処理装置。
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